特許第5709242号(P5709242)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5709242
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】マンホール蓋用受枠
(51)【国際特許分類】
   E02D 29/14 20060101AFI20150409BHJP
【FI】
   E02D29/14 D
【請求項の数】2
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2010-162197(P2010-162197)
(22)【出願日】2010年7月16日
(65)【公開番号】特開2012-21369(P2012-21369A)
(43)【公開日】2012年2月2日
【審査請求日】2013年7月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】511233234
【氏名又は名称】スズテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094156
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 民安
(72)【発明者】
【氏名】中本 隆
【審査官】 ▲高▼橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−316250(JP,A)
【文献】 特開2003−104489(JP,A)
【文献】 実開昭53−076566(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円盤状に成形されたマンホール蓋と、このマンホール蓋を内周面で支持する筒状部が形成された受枠と、を備え、
上記マンホール蓋の外周面には、上面側から裏面側に亘って徐々に縮径された一方のテーパ面が形成され、上記筒状部の内周面には、上記一方のテーパ面に対応して該筒状部の上端側から下端側に亘って徐々に小径となされた他方のテーパ面が形成されてなり、
記他方のテーパ面のみであって、上記一方のテーパ面と他方のテーパ面とが接合される部位には、フッ素樹脂からなる樹脂層が形成され、この樹脂層は、該他方のテーパ面の上端側に周回り方向に連続して形成されてなるとともに、該樹脂層が形成されていない該他方のテーパ面の他の部位には、腐食防止層が形成されてなることを特徴とするマンホール。
【請求項2】
前記樹脂層は、前記フッ素樹脂が焼き付け塗装されてなることを特徴とする請求項1記載のマンホール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄により成形されたマンホール蓋を支持するマンホール用受枠に関し、特に、円形状(円盤状)に成形されたマンホール蓋を開閉可能に支持するマンホール用受枠に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、マンホールは、マンホール蓋とこのマンホール蓋を支持する受枠とから構成されており、特に、円形状(円盤状)の成形されたマンホール蓋とこのマンホール蓋を支持する受枠との形状・構造は、概ね以下に説明する第1ないし第3のものに大別することができる。第1の形状・構造(以下、形状等と言う。)は、マンホール蓋は、円盤状に成形され、これを受ける受枠は、該マンホール蓋の外径よりも大径に成形された内径を有する筒状部と、上記マンホール蓋の外径よりも小径に成形された受け部とを備えてなるものであって、上記受枠を構成する筒状部は、上記受け部に対して垂直とされているものである。また、第2の形状等は、現在主流のものであり、上記マンホール蓋の外周面が上面側から裏面側にかけて徐々に小径となるようにテーパ面が形成されてなる一方、上記受枠を構成する筒状部の内周面は、上記テーパ面に対応して上端側から下端側にかけて徐々に小径とされた(逆)テーパ面が形成されてなるものである。また、第3の形状等は、受枠の内周面上部に、該受枠の内方に向けて凸となる受枠凸曲面部を形成するとともに、この受枠凸曲面部の上方には、凹状の受枠凹曲面部を連続し、さらに、受枠凹曲面部の上方には、受枠の上方に向けて拡径する受枠上傾斜面部を形成し、受枠凸曲面部下方には、受枠の下方に向けて縮径する受枠下傾斜面部が形成されている。一方、マンホール蓋には、その外周側面に上記受枠凸曲面部に倣った凹状の蓋凹曲面部が形成されてなるとともに、この蓋凹曲面部の上方に受枠凹曲面部に倣った凸状の蓋凸曲面部が連続して形成され、さらに、蓋凸曲面部の上方には、蓋本体の上方に向けて拡径する蓋上傾斜面部が形成され、蓋凹曲面部の下方には、蓋本体の下方に向けて縮径する蓋下傾斜面部が形成されている(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−312870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記各種のマンホール蓋は、上記それぞれの受枠に支持され該受枠の内側に形成されたマンホール穴を閉塞するものであるとともにマンホール蓋と受枠とは蝶番により連結されており、必要な場合には、上記蝶番で連結された部位とは反対側から、バール等の開蓋用の器具を用いて開蓋されるものであり、他方、上記受枠に支持されたマンホール蓋上は、自動車や二輪車或いは自転車等の車両が走行したり、歩行者が通ったりするものである。第1の形状等では、上記バール等で開蓋し又は閉蓋(開閉)操作可能とするためには、マンホール蓋の外径と上記筒状部の内径との間には所定のクリアランスが要求されることから、上記受け部に支持されたマンホール蓋は、上記車両等の荷重が作用した場合には、跳ね返って一時的に浮上したり、ガタツキによる騒音が発生する場合がある。また、上記第2の形状等では、上記ガタツキや騒音等の発生は改善され、またマンホール蓋の外周面と筒状部の内周面との間から土砂や雨水等の地下構造物内部への浸入を防止できるものの、一旦閉蓋し、その後大型車両の荷重が作用する等した場合、マンホール蓋を再び開蓋する場合には、該マンホール蓋の外周面と筒状部の内周面との抵抗が大きく、上記バール等を用いて作業者が容易に開蓋できない場合が多い。特に、マンホール蓋の外周面と筒状部の内周面とがそれぞれ腐食している場合には、より開蓋する際の抵抗が増し、開蓋作業は極めて困難となる。また、こうした腐食を防止するために、上記マンホール蓋や受枠に腐食防止剤を塗布したりメッキ処理を施したりすることにより、腐食防止層を形成する場合が通例であるが、こうした腐食防止層の弾力性により、やはり開蓋する際の抵抗に伴う開蓋作業の困難性は高い。また、上記第3の形状等では、上記ガタツキや開蓋作業の困難性等は解消されるが、受枠の内周面に上記受枠凸曲面部,受枠凹曲面部,受枠上傾斜面部,受枠下傾斜面部をそれぞれするとともに、マンホール蓋に対しても、蓋凹曲面部,蓋凸曲面部,蓋上傾斜面部,縮径する蓋下傾斜面部をそれぞれ正確に形成することは極めて困難であるばかりか、新たな鋳型を用いることからコスト高となる。
【0005】
そこで、本発明は、上述した従来のマンホール蓋と受枠とを備えたマンホールが有する課題を解決するために提案されたものであって、マンホール蓋のガタツキと開蓋作業時に伴う操作性とを向上することができるとともに、新たな鋳型を用いる必要もなく低コストにて製造でき、さらには従来の製造工程を大きく変更することもない新規なマンホールを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、第1の発明(請求項1記載の発明)は、円盤状に成形されたマンホール蓋と、このマンホール蓋を内周面で支持する筒状部が形成された受枠と、を備え、上記マンホール蓋の外周面には、上面側から裏面側に亘って徐々に縮径された一方のテーパ面が形成され、上記筒状部の内周面には、上記一方のテーパ面に対応して該筒状部の上端側から下端側に亘って徐々に小径となされた他方のテーパ面が形成されてなり、上記他方のテーパ面のみであって、上記一方のテーパ面と他方のテーパ面とが接合される部位には、フッ素樹脂からなる樹脂層が形成され、この樹脂層は、該他方のテーパ面の上端側に周回り方向に連続して形成されてなるとともに、該樹脂層が形成されていない該他方のテーパ面の他の部位には、腐食防止層が形成されてなることを特徴とするものである。
【0008】
記第1の発明では、上述した構成であることから、マンホール蓋に荷重が一時的に作用した場合であっても跳ね上がりや振動によるガタツキないしはそれによる騒音は生じないばかりか、上記フッ素樹脂からなる樹脂層が上記他方のテーパ面が形成されていることにより、該他方のテーパ面が腐食する危険性も回避でき、また、作業者によるマンホール蓋の開蓋作業も相当容易なものとなる。特に、この第1の発明では、上述したように、上記樹脂層は、上記他方のテーパ面のそれぞれ全面に形成されているものではなく、一方のテーパ面と他方のテーパ面とが、(該受枠にマンホール蓋が支持された状態において)互いに接合される部位であることから、マンホール蓋に荷重が落下するなどした場合に跳ね上がったり騒音が生じたりする危険性もない一方で作業者が開蓋操作する場合も容易に行う事ができ、言わば適度な抵抗とすることができる。また、この発明は、少なくともマンホール蓋や受枠の形状を変更するものではないことから、鋳造型の変更は必要なく、容易且つ低コストで導入することができる。特に、この発明では、上記樹脂層は、上記受枠の筒状部に形成された他方のテーパ面のみに形成されてなるものであることから、上記樹脂層をマンホール蓋の一方のテーパ面に形成されている場合には、該マンホール蓋を移動させる際に外周を地上に転動させることにより、上記樹脂層が剥離する危険性があるところ、この発明のように、他方のテーパ面に形成されている場合には、上記剥離の危険性もなく、完成時におけるマンホール蓋と受枠との抵抗が、その後の出荷作業や施工作業を経た後に変更される危険性を有効に防止することができる。またさらに、また、この樹脂層は、他方のテーパ面の上端側に周回り方向に連続して形成されており、該樹脂層が形成されていない他の部位には、腐食防止層が形成されてなるものであることから、前述したように、該樹脂層が非連続の状態で周回り方向に形成されているものや、縦方向に所定の間隔を隔てて形成されているもの、更には、該樹脂層が点在しているもの等に比べて製造が容易であり、しかも、該樹脂層が形成された部位以外は腐食防止層が形成されていることから、前述した適度な抵抗とすることができる。
【0011】
またさらに、また、この樹脂層は、他方のテーパ面の上端側に周回り方向に連続して形成されており、該樹脂層が形成されていない他の部位には、腐食防止層が形成されてなるものであることから、前述したように、該樹脂層が非連続の状態で周回り方向に形成されているものや、縦方向に所定の間隔を隔てて形成されているもの、更には、該樹脂層が点在しているもの等に比べて製造が容易であり、しかも、該樹脂層が形成された部位以外は腐食防止層が形成されていることから、前述した適度な抵抗とすることができる。
【0012】
また、第の発明(請求項記載の発明)は、上記第1の発明において、前記樹脂層は、前記フッ素樹脂が焼き付け塗装されてなることを特徴とするものである。
【0013】
フッ素樹脂を上記樹脂層として形成する場合、上記焼き付け塗装する方法以外に、スプレーを用いて塗装する方法も考えられるが、該フッ素樹脂が完全に硬化するまでには相当程度の時間を要し、完全に硬化しない状態では剥離する危険性が高い。したがって、この第の発明に係るマンホールによれば、大幅に製造時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0014】
上記第1の発明(請求項1記載の発明)によれば、マンホール蓋に荷重が一時的に作用した場合であっても跳ね上がりや振動によるガタツキないしはそれによる騒音は生じないばかりか、上記フッ素樹脂からなる樹脂層が上記他方のテーパ面形成されていることにより、該他方のテーパ面が腐食する危険性も回避でき、また、作業者によるマンホール蓋の開蓋作業も相当容易なものとなる。特に、この第1の発明では、上述したように、上記樹脂層は、上記他方のテーパ面のそれぞれ全面に形成されているものではなく、その一部であって、且つ、該樹脂層が形成されている部位は、一方のテーパ面と他方のテーパ面とが、(該受枠にマンホール蓋が支持された状態において)互いに接合される部位であることから、マンホール蓋に荷重が落下するなどした場合に跳ね上がったり騒音が生じたりする危険性もない一方で作業者が開蓋操作する場合も容易に行う事ができ、言わば適度な抵抗とすることができる。また、この発明は、少なくともマンホール蓋や受枠の形状を変更するものではないことから、鋳造型の変更は必要なく、容易且つ低コストで導入することができる。また、この発明では、先ず、前記樹脂層は、前記受枠の筒状部に形成された他方のテーパ面のみに形成されてなるものであることから、上記樹脂層をマンホール蓋の一方のテーパ面に形成されている場合には、該マンホール蓋を移動させる際に外周を地上に転動させることにより、上記樹脂層が剥離する危険性があるところ、この発明のように、他方のテーパ面にのみ形成されている場合には、上記剥離の危険性もなく、完成時におけるマンホール蓋と受枠との抵抗が、その後の出荷作業や施工作業を経た後に変更される危険性を有効に防止することができる。
【0016】
また、第の発明(請求項記載の発明)に係るマンホールによれば、大幅に製造時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態に係るマンホールの断面図である。
図2図1に示す受枠の平面図である。
図3図2に示す受枠の断面図である。
図4図1に示すマンホール蓋の平面図である。
図5図4に示すマンホール蓋の断面図である。
図6図3に示す受枠の要部を拡大して示す断面図である。
図7図7に示す受枠にマンホール蓋が設置された状態の要部を示す断面図である。
図8】マンホール蓋に樹脂層を形成した例を示すマンホール蓋の側面図である。
図9】受枠に樹脂層と腐食防止剤とを交互に形成した例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
この実施の形態に係るマンホール1は、図1に示すように、内側に開口2a(図2参照)が形成されてなる受枠2と、この受枠2に図示しない蝶番を介して開閉可能に連結され上記開口2aを開閉するマンホール蓋3と、を備えている。
【0019】
上記受枠2は、図2に示すように、ほぼ円筒状に成形されてなる筒状部2bと、この筒状部2bの下端から該筒状部2bの外側に延在してなるフランジ部2cとを備えている。上記筒状部2bの外周面は、図1及び図3にそれぞれ示すように、上端から略垂直とされてなる一方、内周面は、上端側から下端側にかけて徐々に該筒状部2bの内径が小径となるように傾斜している。すなわち、この筒状部2bの内周面は、該筒状部2bの上端から下端側にかけて徐々に肉厚とされ且つ傾斜した他方のテーパ面2g(図3参照)が形成されている。また、上記フランジ部2cには、図2に示すように、多数の開口2dが形成されている。なお、このように形成されたフランジ部2cの上面から上記筒状部2bの外周には、図1及び図2に示すように、多数のリブ2fが形成されている。
【0020】
また、上記マンホール蓋3は、図1に示すように、上記受枠2に形成された開口2aを閉塞するものであり、円盤状に成形された蓋部3aと、この蓋部3aの周部に形成されたリング部3b(図1又は図5参照)とを備え、上記蓋部3aの下面には、複数のリブ3cが形成されている。また、この蓋部3aの端部には、図1に示すように該マンホール蓋3により受枠2の開口2aが閉塞された状態から、該マンホール蓋3を開蓋するために使用される図示しないバールの先端が挿入されるバール挿入用開口3dが形成されている(図4参照)。
【0021】
また、上記マンホール蓋3を構成する上記リング部3bの外周面は、図1に示すように、上記受枠2を構成する筒状部2bの内周面の傾斜角度に対応した傾斜角度(下方にかけて徐々に内径が小径)とされた一方のテーパ面(逆テーパ面)3eが形成されている(図5参照)とともに、このマンホール蓋3が上記受枠2の開口2aを閉塞した際、該マンホール蓋3の上面が、上記筒状部2bの上端面と面一となるように構成されている。なお、この実施の形態に係るマンホール1では、上記マンホール蓋3全体に、腐食防止剤が塗布又は電着塗装され(腐食防止層が形成され)ている。
【0022】
そして、この実施の形態に係るマンホール1では、上記受枠2を構成する筒状部2bの内周面である他方のテーパ面2gには、図6に拡大して示すように、該他方のテーパ面2gの周回り方向の中心を境に、上方にはフッ素樹脂からなる樹脂(層)5が形成され、その下方には、上記マンホール蓋3に塗布又は電着塗装されたものと同じ腐食防止剤6が塗布又は電着塗装されている。なお、この腐食防止剤6は、上記樹脂(層)5の下方以外にも図示は省略するが、この受枠2全体に塗布又は塗装されている。そして、上記フッ素樹脂からなる樹脂(層)5は、上記筒状部2bに対して図示しないマスキングを施した後に、焼き付け塗装されてなるものである。
【0023】
したがって、上述した受枠2の開口2aが、上記マンホール蓋3により閉塞されると、図7に拡大して示す(但し、マンホール蓋に塗布又は塗装された腐食防止剤は図示しない)ように、マンホール蓋3を構成する(腐食防止剤が塗布された)一方のテーパ面3eと上記樹脂(層)5及び腐食防止剤6とが均等に接触する。したがって、作業者がこの受枠2からマンホール蓋3を開蓋する作業は極めて簡単なものとなる。特に、この実施の形態に係るマンホール1では、上記フッ素樹脂からなる樹脂(層)5が形成された部位は受枠2を構成する筒状部2bの内周面(他方のテーパ面)2gであることから、該受枠2の搬送途中やこのマンホール1の設置作業中に、誤って剥離される危険性もない。
【0024】
なお、上述した実施の形態に係るマンホール1では、上記他方のテーパ面2gの周回り方向の中心を境に、上方にはフッ素樹脂からなる樹脂(層)5が形成され、その下方には腐食防止剤6が塗布又は電着塗装されたものを図示して説明したが、他方のテーパ面2gの周回り方向の中心を境に、上方に腐食防止剤6を、その下方にはフッ素樹脂からなる樹脂(層)5を形成したものであっても良い。
【0027】
このように、上述した実施の形態に係るマンホール1は、マンホール蓋3の外周面(一方のテーパ面)3eと受枠2の筒状部2bに形成された他方のテーパ面2gとが互いに接触することにより受枠2に形成された開口2aをマンホール蓋3が閉塞するものであることから、マンホール蓋3に荷重が一時的に作用した場合であっても跳ね上がりや振動によるガタツキないしはそれによる騒音は生じないばかりか、上記フッ素樹脂からなる樹脂(層)5が上記他方のテーパ面2gが形成されていることにより、該他方のテーパ面2gが腐食する危険性も回避でき、また、作業者によるマンホール蓋3の開蓋作業も相当容易なものとなる。特に、上記実施の形態で説明したマンホール1では、上述したように、上記樹脂(層)5は、上記一方のテーパ面3eや他方のテーパ面2gのそれぞれ全面に形成されているものではなく、その一部であって、且つ、該樹脂(層)5が形成されている部位は、一方のテーパ面3eと他方のテーパ面2gとが、(該受枠2にマンホール蓋3が支持された状態において)互いに接合される部位であることから、マンホール蓋3に荷重が落下するなどした場合に跳ね上がったり騒音が生じたりする危険性もない一方で作業者が開蓋操作する場合も容易に行う事ができ、言わば適度な抵抗とすることができる。
【0028】
さらに、上述したマンホール1では、上記樹脂(層)5は、前記受枠2の筒状部2bに形成された他方のテーパ面2gのみに形成されてなるものであることから、樹脂(層)5が剥離する危険性もなく、完成時におけるマンホール蓋と受枠との抵抗が、その後の出荷作業や施工作業を経た後に変更される危険性を有効に防止することができる。さらに、上記樹脂(層)5は、焼き付け塗装されてなるものであることから、大幅に製造時間を短縮することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 マンホール
2 受枠
2a 開口
2b 筒状部
2g 他方のテーパ面
3 マンホール蓋
3e 一方のテーパ面
5 樹脂(層)
6 腐食防止剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9