特許第5709274号(P5709274)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5709274
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】流体吐出容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20150409BHJP
   B65D 77/06 20060101ALI20150409BHJP
   B65D 33/36 20060101ALI20150409BHJP
【FI】
   B65D83/00 K
   B65D77/06 A
   B65D33/36
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-213908(P2012-213908)
(22)【出願日】2012年9月27日
(65)【公開番号】特開2014-65535(P2014-65535A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2014年2月17日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】710006932
【氏名又は名称】株式会社パックプラス
(74)【代理人】
【識別番号】100114764
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正樹
(72)【発明者】
【氏名】吉田 菜見子
【審査官】 豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−241454(JP,A)
【文献】 特開2000−189861(JP,A)
【文献】 特開2002−068345(JP,A)
【文献】 特開平11−292171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/76
B65D 33/36
B65D 77/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が収容された収容袋を内部に格納し、該収容袋内の流体を外部に吐出するための流体吐出容器であって、
前記収容袋の上部を被覆する側壁を有する上側容器部と、前記収容袋の下部を被覆する側壁を有する下側容器部とに長さ方向に着脱可能に分割され、上側容器部に収容袋内の流体を外部に吐出する吐出機構が設けられるとともに、前記下側容器部の側壁に前記収容袋が出し入れ可能な開口部が長さ方向に沿って形成され、
前記下側容器部は、前記上側容器部に嵌合される中筒が上端部に設けられ、該中筒に前記下側容器部の側壁の開口部に連続する第2の開口部が形成され、
前記下側容器部の中筒の上端部に雄螺子部が設けられるとともに、前記上側容器部の内部に雌螺子部が設けられ、該雄螺子部と雌螺子部が互いに螺着可能となされ、
前記下側容器部は、前記収容袋の上端部に設けられたコネクタを係止するための係止部材が前記中筒と前記雄螺子部の間に設けられ、該係止部材は、下側容器部および中筒の開口部から入れられた収容袋のコネクタを挟持するものとなされ、
前記上側容器部を前記下側容器部に対して所定の方向に回しながら、前記上側容器部の前記雌螺子部と前記下側容器部の前記雄螺子部が螺着することによって、前記上側容器部と前記下側容器部の装着と同時に前記吐出機構の吸入管が前記収容袋の前記コネクタに差し込まれることを特徴とする流体吐出容器。
【請求項2】
前記係止部材は、左右一対の係止片を備え、係止片の間の挿入口から収容袋のコネクタが挿入されることにより、収容袋のコネクタを左方および右方の両側から挟持するものとなされている請求項1に記載の流体吐出容器。
【請求項3】
前記下側容器部は、前記開口部が側壁の上端部から下端部に延びる態様で形成されている請求項1または請求項2に記載の流体吐出容器。
【請求項4】
前記上側容器部は、該側壁が周方向に全周に亘って設けられている請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の流体吐出容器。
【請求項5】
前記吐出機構は、前記収容袋に収容された流体を外部に吐出するポンプ機構である請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の流体吐出容器。
【請求項6】
流体が収容された収容袋を内部に格納した請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の流体吐出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体が収容された収容袋を内部に格納し、該収容袋内の流体を外部に吐出するための流体吐出容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、パーマ液、シャンプー、リンス、ボディソープ、消毒液、調味料等のような種々の流体を容器内部に収容し、該流体を容器外部に吐出する流体吐出容器が広く用いられている。この流体吐出容器は、流体を容器内部に直接収容し、容器上部に設けられた手押し式ポンプ機構やトリガー式ポンプ機構等により容器内部の流体を吸入し、容器外部に流体を吐出するものである。
【0003】
このような流体吐出容器は、使用によって容器内部の流体が空になると流体吐出容器ごと廃棄されていたが、最近ではエコロジー(自然環境保護)の観点から、容器内部の流体が空になった場合に流体を補充するためのものとして、該流体を収容した収容袋を取り替え可能なものが知られている。例えば、特許文献1には、この収容袋を流体吐出容器内に格納し、該収容袋をポンプ機構と連結することによって、流体吐出容器を再利用することができるものが開示されている。
【0004】
具体的には、特許文献1に開示される流体吐出容器は、流体が収容された収容袋を格納するカートリッジと、該カートリッジを内側に収容する有底筒状のケーシングと、該ケーシングの上部に取り付けられるポンプ機構(上部ユニット)とを備えている。この流体吐出容器において、空になった収容袋の取替作業の工程としては、第1にケーシングからポンプ機構を取り外し、第2にケーシングからカートリッジを取り出し、第3に空になった収容袋をカートリッジから取り外すことによって、流体吐出容器から空になった収容袋を取り出すことができる。次いで、第4に流体が収容された収容袋をカートリッジに取り付け、第5に収容袋が格納されたカートリッジをケーシングに装填し、第6にカートリッジが装填されたケーシングの上部にポンプ機構を取り付けることによって、流体吐出容器に新たな収容袋を格納することができ、かくして収納袋の取替作業が完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−241454号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の流体吐出容器は、収容袋を取り替えるのに要する工程が多く、収容袋の取替作業が煩雑になるという問題があった。また、収容袋の取り替えが可能となったことから、流体吐出容器自体が交換されることが少なくなるため、流体吐出容器は製造メーカ等によって製造された際のパッケージデザインのままとなり、デザインのバリエーションに乏しいという問題があった。
【0007】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、収容袋を容易に取り替えることができるとともに、デザインのバリエーションを増やすことができる流体吐出容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、流体が収容された収容袋を内部に格納し、該収容袋内の流体を外部に吐出するための流体吐出容器に関するものである。本発明に係る流体吐出容器は、収容袋の上部を被覆する側壁を有する上側容器部と、収容袋の下部を被覆する側壁を有する下側容器部とに長さ方向に着脱可能に分割され、上側容器部に収容袋内の流体を外部に吐出する吐出機構が設けられるとともに、下側容器部の側壁に収容袋が出し入れ可能な開口部が長さ方向に沿って形成されていることを特徴とする。
【0009】
これによれば、下側容器部の側壁の開口部から収容袋が出し入れ可能であることにより、収納袋を取り替えるスペースが広く確保されるため、収容袋を容易に取り替えることができる。また、容器内部に収容袋が格納された際には、下側容器部の側壁の開口部から収容袋が視認可能であることより、収容袋の表面を流体吐出容器のデザインとして活用し得るため、デザインのバリエーションを増やすことができる。さらに、上側容器部と下側容器部が長さ方向に脱着可能に分割されることよって、収容袋を開口部から下側容器部に入れたあと、その状態で下側容器部を上側容器部の下方から装着し得るため、上側容器部の吐出機構と下側容器部の収容袋を簡単かつ確実に連結することができる。
【0010】
また、下側容器部は、開口部が側壁の上端部から下端部に延びる態様で形成されているのが好ましい。これによれば、収納袋を取り替えるスペースがより広く確保されるため、収容袋をより容易に取り替えることができる。また、収容袋の表面において視認可能な範囲が広くなるため、デザインのバリエーションをより増やすことができる。
【0011】
また、下側容器部は、上側容器部に嵌合される中筒が上端部に設けられ、該中筒に下側容器部の側壁の開口部に連続する第2の開口部が形成されているのが好ましい。これによれば、下側容器部の中筒が上側容器部に嵌合し得るため、上側容器部と下側容器部を安定的に装着することができる。また、中筒に第2の開口部が形成されることにより下側容器部全体としての開口範囲が広くなるため、収納袋を取り替えるスペースがさらに広く確保され、収容袋をより一層容易に取り替えることができる。また、中筒が収容袋の上部の側面を支える構造となるため、下側容器部を上側容器部に装着する際に収容袋の上部の形状を保持した状態で上側容器部内に挿入することができる。
【0012】
また、下側容器部の中筒に雄螺子部が設けられるとともに、上側容器部の内部に雌螺子部が設けられ、該雄螺子部と雌螺子部が互いに螺着可能となされているのが好ましい。これによれば、上側容器部と下側容器部を装着する際に雄螺子部と雌螺子部を螺着させることにより、上側容器部と下側容器部の装着状態を安定的に維持することができる。
【0013】
また、下側容器部は、前記収容袋の上端部に設けられたコネクタを係止するための係止部材が設けられているのが好ましい。これによれば、下側容器部の係止部材に対して収容袋のコネクタを係止することによって、収容袋のコネクタが下側容器部の内部の所定位置に固定されるため、上側容器部に下側容器部を装着する際に吐出機構と収容袋をより簡単かつ確実に連結することができる。
【0014】
また、上側容器部は、該側壁が周方向に全周に亘って設けられているのが好ましい。これによれば、使用時において流体吐出容器を握持し易くなり、吐出機構を簡単かつ確実に操作することができる。さらに、収容袋の上部が動くことが防止されるため、収容袋を安定的に格納することができる。
【0015】
また、吐出機構は、収容袋に収容された流体を外部に吐出するポンプ機構であるのが好ましい。これによれば、流体吐出容器に格納された収容袋内の流体を簡単な動作で外部に吐出することができる。
【0016】
また、流体が収容された収容袋を内部に格納したものであってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、下側容器部の側壁の開口部から収容袋が出し入れ可能であることにより、収納袋を取り替えるスペースが広く確保されるため、収容袋を容易に取り替えることができる。
【0018】
また、容器内部に収容袋が格納された際には、下側容器部の側壁の開口部から収容袋が視認可能であることより、収容袋の表面を流体吐出容器のデザインとして活用し得るため、デザインのバリエーションを増やすことができる。このとき、収容袋に収容された流体に関する情報を表示したり、収容袋に任意の情報を記載することも可能になる。また、収容している流体が見えるように収容袋が透明または半透明な素材で形成されている場合、開口部を通じて流体の残量を視覚的に確認することが可能になる。
【0019】
さらに、上側容器部と下側容器部が長さ方向に脱着可能に分割されることより、収容袋を開口部から下側容器部に入れたあと、その状態で下側容器部を上側容器部の下方から装着し得るため、収容袋と吐出機構を簡単かつ確実に連結することができる。特に吐出機構の吸入管が上側容器部の内部で下方に向けて突出している場合には、上側容器部と下側容器部の装着と同時に吐出機構の吸入管が前記収容袋に差し込まれることとなるため、収容袋と吐出機構の吸入管の連結作業が非常に容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る流体吐出容器の分割状態を示す斜視図である。
図2図1の流体吐出容器を示す側面図である。
図3図1の流体吐出容器を示す背面図である。
図4図1の流体吐出容器の下側容器部を示す背面図である。
図5図1の流体吐出容器を示す縦断面図である。
図6図1の流体吐出容器における収納袋の取付作業の工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明に係る流体吐出容器(以下、本容器という)の一実施形態について図1図6を参照しつつ説明する。
【0022】
本容器1は、図1に示すように、パーマ液、シャンプー、リンス、ボディソープ、消毒液、調味料等のような種々の流体が収容された収容袋Bを内部に格納し、該収容袋B内の流体を外部に吐出するためのものである。本容器1は、容器全体の上方側に位置する上側容器部10と、容器全体の下方側に位置する下側容器部20とを備えており、該上側容器部10と下側容器部20が長さ方向に着脱可能に分割されている。
【0023】
ここで用いられる収容袋Bは、図4中の破線で示すように、一般にパウチと呼ばれる合成樹脂素材からなる可撓性の袋体であり、表面には図柄等による装飾が可能である。また、この収容袋Bは、上端部にコネクタCが設けられており、後述するように該コネクタCに上側容器部10の吐出機構12の吸入管121が連結される。また、このコネクタCは、上端部において側方に延びる平面視円形状の上側フランジ部C1と、下端部において側方に延びる平面視円形状の下側フランジ部C3と、両フランジ部C1,C3間に形成された溝部C2とを備えている。
【0024】
前記上側容器部10は、図1に示すように、収容袋Bの上部を被覆する側壁11を有し、側壁11の上端部に設けられた吐出機構12と、側壁11の内部に設けられた装着用雌螺子部13とを備える。
【0025】
前記側壁11は、図1図3に示すように、本容器1の内部に格納される収容袋Bの上部の側面を被覆する態様で周方向に全周に亘って設けられている。具体的には、この側壁11は、六角錐状に形成された上側壁111と、該上側壁部111の下端部に連接され且つ六角筒状に形成された下側壁112とからなる。これにより上側容器部10と下側容器部20が装着された際には、内部に格納した収容袋Bの上部が動くことを防止し得るため、収容袋Bを安定的に格納することが可能になる。また、この側壁11は、上端部に上下方向に連通する接続口113が設けられ、該接続口113の外周面には前記吐出機構12を螺着するための雄螺子113aが形成されている。
【0026】
前記吐出機構12は、図1および図5に示すように、下方に向かって突出する吸入管121と、吸入管121を介して流体を吸入するためのポンプ部122と、ポンプ部122を駆動するトリガー123と、ポンプ部122の駆動によって吸入された流体を吐出する吐出口124とを備えており、吸入管121の下端部近傍には流体を吸入するための複数の吸入口121aが設けられている。
【0027】
この吐出機構12は、いわゆるトリガー式ポンプ機構が採用されており、側壁11を手で握持しながら人差し指等でトリガー123を操作するものである。具体的には、吸入管121の吸入口121aを収容袋BのコネクタCに差し込んだ状態にし、トリガー123を操作することによりポンプ部122を駆動すると、吸入管121の吸入口121aから収容袋B内の流体が吸入されて、該流体が吸入管121を通じて吐出口124から吐出される。このとき、上側容器部10の側壁11が周方向に全周に亘って設けられていることより、使用時において本容器1を握持し易くなり、吐出機構12を簡単かつ確実に操作することができる。しかも、ポンプ機構であるため、本容器1に収容袋Bが格納されている収容袋B内の流体を簡単な動作で外部に吐出することができる。
【0028】
また、この吐出機構12は、側壁11の接続口113の雄螺子113aと螺着する雌螺子12aが形成されており、吐出機構12を側壁11の接続口113に着脱可能に螺着することができるようになっている。
【0029】
なお、吐出口124から流体を吐出する方向(各図中の破線で示す矢印Aの方向)を本容器1における「前方」と定義し、またこの前方を基準としてその他の方向(後方、左方、右方)を定義することとする。
【0030】
前記装着用雌螺子部13は、図5に示すように、側壁11の内部において上下方向に延びる筒状に形成され、内周面に雌螺子13aが形成されている。この装着用雌螺子部13は、後述する下側容器部20の装着用雄螺子部23と対をなすものである。
【0031】
前記下側容器部20は、図1に示すように、収容袋Bの下部を被覆する側壁21を有し、側壁21の上端部に設けられた中筒22と、該中筒22の上端部に設けられた装着用雄螺子部23と、中筒22と装着用雄螺子部23の間に設けられた係止部材24と、収容袋Bの底面を被覆する底壁25とを備える。
【0032】
前記側壁21は、図1図3に示すように、本容器1の内部に格納される収容袋Bの前方、左方および右方を被覆する態様で設けられており、後方には側壁21の長さ方向に沿って開口部211が形成されている。このため、図1に示すように、上側容器部10と下側容器部20が分割された状態では、この開口部211から収容袋Bが出し入れ可能であることから、収納袋Bを取り替えるスペースが広く確保されるため、収容袋Bを容易に取り替えることができる。また、この開口部211は、図4に示すように、長さ方向に下壁部21の上端部から下端部に延びる態様で形成され、かつ幅方向に左右の両側壁に至る態様で形成されているため、収納袋Bを取り替えるスペースがより広く確保され、収容袋Bをより容易に取り替えることができる。さらに、この開口部211によって本容器1に収容袋Bが格納された際には、図3に示すように、側壁21に設けられた開口部211から収容袋Bが視認可能となされている。
【0033】
前記中筒22は、図1に示すように、長さ方向の延びる態様で形成された平面視半円状筒であり、上側容器部10の側壁11の内周面に内接する径で、かつ上側容器部10の側壁11の下側壁112の高さ以下で形成されている。このため中筒22が上側容器部10に嵌合し得るため、下側容器部20が上側容器部10に対して左右方向にずれなることがなくなり、上側容器部10と下側容器部20を安定的に装着することができる。
【0034】
また、中筒22は、図3に示すように、前方、右方および左方に配置される態様で形成されており、後方には長さ方向に沿って第2の開口部221が形成されている。この開口部221は、上端部から下端部にかけて長さ方向に延びる態様で形成され、かつ幅方向に中筒22自身の左右両側壁に至る態様で形成され、下側容器部20の側壁21の開口部211と連続している。このため下側容器部20全体としての開口範囲が広くなるため、収納袋Bを取り替えるスペースがさらに広く確保され、収容袋Bをより一層容易に取り替えることができる。また、中筒22が収容袋Bの上部の側面を支える構造となるため、下側容器部20を上側容器部10に装着する際に収容袋Bの上部の形状を保持した状態で上側容器部10内に挿入することができる。
【0035】
前記装着用雄螺子部23は、図4に示すように、中筒22の上端部において上下方向に延びる筒状に形成されており、外周面に雄螺子23aが形成されている。この装着用雄螺子部23は、上述した上側容器部10の装着用雌螺子部13と対をなしており、装着用雄螺子部23と装着用雌螺子部13が互いに螺着可能となされている。このことより、上側容器部10と下側容器部20を長さ方向に装着するに際して、これら装着用雄螺子部23と装着用雌螺子部13の螺着によって、上側容器部10と下側容器部20の装着状態を安定的に維持することができる。なお、これら装着用雄螺子部23と装着用雌螺子部13の螺着が完了したときには、吐出機構12が前方に向き、且つ下側容器部20の開口部211が後方に向くように雄螺子23aおよび雌螺子13aがそれぞれ形成されている。
【0036】
前記係止部材24は、収容袋Bの上端部に設けられたコネクタCを係止するものであって、図4に示すように、中筒22と装着用雄螺子部23の間に設けられている。具体的には、係止部材24は、装着用雄螺子部23の下端部の後方側に設けられた嵌入溝241と、該嵌入溝241の下方に設けられた左右一対の係止片242と備え、該係止片242の間の挿入口242aが設けられている。この嵌入溝241は、本容器1に格納される収容袋BのコネクタCにおける上側フランジ部C1が嵌入可能である。また、この係止片242は、本容器1に格納される収容袋BのコネクタCにおける溝部C2に嵌入可能である。
【0037】
而して、下側容器部20の開口部211から収容部Bを入れるときに、係止部材24の嵌入溝241にコネクタCの上側フランジ部C1を後方から嵌入させるとともに、コネクタCの溝部C2に係止部材24の係止片242を嵌入させると、コネクタCが係止片242により左方および右方の両側から挟持される態様で係止される。よって、収容袋BのコネクタCが下側容器部20内の上部中央に固定されるため、上側容器部10に下側容器部20を装着する際に吐出機構12の吸入管121に収容袋BのコネクタCに差し込まれ易くなる。
【0038】
前記底壁25は、図1に示すように、側壁21の下端部に連接された平面視五角形状の平板であり、該底壁25により本容器1の内部に格納された収容袋Bを下方側から支持することができる。また、この底壁25は、後端部に突片251が設けられており、該突片251に本容器1の内部に入れられた収容袋Bの下端部が引っ掛かるため、収容袋Bが開口部211から抜け落ちることを防止することができる。
【0039】
次に、本容器1における収納袋Bの取替方法について図6を参照しつつ説明する。
【0040】
まず、収納袋Bの格納に関しては、上側容器部10と下側容器部20を長さ方向に分割したのち、図6(a)に示すように、収容袋Bを側壁21の開口部211から下側容器部20に沿うように入れる。このとき側壁21の開口部211は、長さ方向に沿って形成されていることから、収納袋Bを取り替えるスペースが広く確保されるため、収容袋Bを容易に入れることができる。
【0041】
また、収容袋Bを側壁21の開口部211から下側容器部20に入れる際に、収容袋BのコネクタCを下側容器部20の係止部材24に係止させることにより コネクタCを下側容器部20内の上部中央に固定する。
【0042】
このようにして収容袋Bを下側容器部20内に入れたあと、図6(b)に示すように、その状態で下側容器部20を上側容器部10の下方から装着する。この上側容器部10と下側容器部20の装着に際しては、上側容器部10の側壁11の内側に下側容器部20の中筒22を挿入していくと、中筒22が上側容器部10に嵌合するため、下側容器部20が上側容器部10に対して左右方向にずれなることがなくなり、上側容器部10と下側容器部20を安定的に装着することができる。
【0043】
また、上側容器部10を下側容器部20に対して所定の方向に回しながら、上側容器部10の装着用雌螺子部13と下側容器部20の装着用雄螺子部23が螺着することによって、上側容器部10と下側容器部20の装着状態を安定的に維持することができる。
【0044】
さらに、吐出機構12の吸入管121が上側容器部10の内部で下方に向けて突出しているため、上側容器部10と下側容器部20の装着と同時に吐出機構12の吸入管121が収容袋BのコネクタCに差し込まれることとなり、収容袋Bと吐出機構12を簡単かつ確実に連結させることができる。
【0045】
かくして、図6(c)に示すように、本容器1に収納袋Bが格納された状態となり、本容器1で収容袋B内の流体を外部に吐出することができるようになる。
【0046】
一方、収納袋Bの取り出しに関しては、図6(b)に示すように、上述とは逆に収容袋Bが格納されている本容器1の上側容器部10と下側容器部20を長さ方向に分割する。上側容器部10と下側容器部20の分割に際しては、上側容器部10を逆方向に回すことにより、上側容器部10の装着用雌螺子部1と下側容器部20の装着用雄螺子部23との螺着を解除しながら、互いに上下方向に引き離す態様で長さ方向に分割する。
【0047】
そして、上側容器部10と下側容器部20を長さ方向に分割したのち、係止部材24に係止されているコネクタCを取り外しながら、下側容器部20内の収容袋Bを側壁21の開口部211から取り出す。
【0048】
かくして、本容器1から収容袋Bが取り出された状態となり、図6(a)に示すように、本容器1に新たな収容袋Bを取り付けることができるようになる。
【0049】
このように下側容器部20の側壁21の開口部211から収容袋Bが出し入れ可能であることにより、収納袋Bを取り替えるスペースが広く確保されるため、収容袋を容易に取り替えることができる。
【0050】
また、本容器1内に収容袋Bが格納された際には、下側容器部20の側壁21の開口部211から収容袋Bが視認可能であることより、収容袋Bの表面を本容器1のデザインとして活用し得るため、デザインのバリエーションを増やすことができる。このとき、収容袋Bに収容された流体に関する情報を表示したり、収容袋Bに任意の情報を記載することも可能になる。しかも、収容している流体が見えるように収容袋Bが透明または半透明な素材で形成されている場合、開口部211を通じて流体の残量を視覚的に確認することが可能になる。
【0051】
さらに、上側容器部10と下側容器部20が長さ方向に脱着可能に分割されることより、収容袋Bを開口部211から下側容器部20に入れたあと、その状態で下側容器部20を上側容器部10の下方から装着し得るため、収容袋Bと吐出機構12を簡単かつ確実に連結することができる。特に本実施形態のように吐出機構12の吸入管121が上側容器部10の内部で下方に向けて突出している場合には、上側容器部10と下側容器部20の装着と同時に吐出機構12の吸入管121が収容袋Bに差し込まれることとなる。このため吐出機構12を上側容器部10から取り外したり、吐出機構12と収容袋BのコネクタCを別途連結する必要もなくなり、収容袋Bと吐出機構12の吸入管121の連結作業が非常に容易になる。また、上側容器部10と下側容器部20の分割と同時に吐出機構12の吸入管121が収容袋BのコネクタCから抜けることとなるため、吐出機構121を上側容器部10から取り外したり、吐出機構121と収容袋BのコネクタCを別途連結解除する必要もなくなり、収容袋Bと吐出機構12の吸入管121の連結解除作業も非常に容易になる。
【0052】
なお、本実施形態では、下側容器部20の側壁21に設けられた開口部211が上端部から下端部に延びる態様となされている場合について説明したが、上端部から下端部までの間の一部であってもよい。
【0053】
また、下側容器部20に中筒22が設けられる場合について説明したが、設けられなくてもよい。
【0054】
また、中筒22に第2の開口部221が設けられる場合について説明したが、設けられなくてもよい。
【0055】
また、下側容器部20に底壁25が設けられる場合について説明としたが、設けられなくてもよい。
【0056】
また、下側容器部20に係止部材24が設けられる場合について説明したが、設けられなくてもよい。
【0057】
また、係止部材24が中筒22と装着用雄螺子部23の間に設けられている場合について説明したが、下側容器部20におけるその他の位置に設けられてもよい。ただ、収容袋BのコネクタCは上部に設けられる場合が多いため、本実施形態のように係止部材24もまた下側容器部の上部に設けられるのが好ましい。
【0058】
また、係止部材24が嵌入溝241と係止片242を備える場合について説明したが、収容袋BのコネクタCを係止するものであれば、他の任意の構成要素よりなるものであってもよい。
【0059】
また、装着用雄螺子部23が中筒22の上端部に設けられる場合について説明したが、下側容器部20における任意の位置に設けられてもよい。一方の装着用雌螺子部13も上側容器部10における任意の位置に設けられてもよい。あるいは、装着用雄螺子部23および装着用雌螺子部13が設けられなくてもよい。
【0060】
また、上側容器部10の側壁11が周方向に全周に亘って設けられている場合について説明したが、周方向に全周に亘って設けられていなくてもよい。なお、上述において用いた「周方向の全周に亘って」の文言は、側壁11が完全に周方向を隙間なく包囲する意味を含むことはもとより、スリットや隙間が形成されているような、完全に隙間なく周方向を包囲していないものも含む。要は、使用時において本容器1が握持し易くなる程度に、周方向に側壁11が設けられていればよい。
【0061】
また、吐出機構としてトリガー式ポンプ機構を採用したが、その他のポンプ機構を採用するようにしてもよいし、あるいはポンプ機構を採用しないものであってもよい。
【0062】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0063】
1…流体吐出容器(本容器)
10…上側容器部
11…側壁
111…上側壁
112…下側壁
113…接続口
113a…雄螺子
12…吐出機構
121…吸入管
121a…吸入口
122…ポンプ部
123…トリガー
124…吐出口
12a…雌螺子
13…装着用雌螺子部
13a…雌螺子
20…下側容器部
21…側壁
211…開口部
22…中筒
221…開口部
23…装着用雄螺子部
23a…雄螺子
24…係止部材
241…嵌入溝
242…係止片
242a…挿入口
25…底壁
25a…突片
B…収容袋
C…コネクタ
C1…上側フランジ部
C2…溝部
C3…下側フランジ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6