(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る板状部材のラベル貼付装置について詳細に説明する。
図1乃至
図19に示すように、発明の実施の形態に係る板状部材のラベル貼付装置は、板状部材のラベル貼付システムに用いられている。このラベル貼付システムは、
図3(a)にも示すように、一方面Wa及び他方面Wbを有した矩形状の板状部材WにラベルLを貼付するものであり、板状部材Wとして、段ボール箱の組み立て前の段ボール箱シート用のものを対象とする。段ボール箱シートには、一般に、底部や蓋部を折り曲げ形成するための切り込みWmが形成されている。また、板状部材Wに貼付されるラベルLは、種々のものがあるが、実施の形態においては、例えば、近年、各所に用いられているRFID(Radio Frequency IDentification)タグを内蔵したラベルLが貼付される。他の一般的なラベルLであっても良いことは勿論である。
【0016】
ラベル貼付システムの基本的構成は、
図1に示すように、複数の板状部材Wを起立させた状態で順次送り出す送り出し装置SFと、この送り出し装置SFから送り出された板状部材Wを起立させた状態で搬送するとともに搬送過程で板状部材Wの一方面Wa及び他方面Wbの少なくともいずれか(実施の形態では一方面Wa)にラベルLを貼付する本発明の実施の形態に係るラベル貼付装置SPと、このラベル貼付装置SPでラベルLが貼付されて搬送される板状部材Wを起立させた状態で順次受け入れるとともに起立した状態で重畳するように列設させて保持する受け入れ装置SRとからなる。
【0017】
送り出し装置SFは、
図1乃至
図10に示すように、複数の板状部材Wを当該各板状部材Wの一側端縁Wcを支承して起立させ且つ各板状部材Wの一方面Waが水平一方向Haを向いて重畳するように列設させて保持するとともに、この板状部材Wを起立させた状態で水平一方向Haの最前位の板状部材Wからこの水平一方向Haに直交する水平直交一方向Vaに順次送り出す。
【0018】
詳しくは、送り出し装置SFは、複数の板状部材Wを当該各板状部材Wの一方面Waが水平一方向Haを向いて重畳するように列設させてこれらの一側端縁Wcを支承する送出ベース1を備えている。送出ベース1は、各板状部材Wの一側端縁Wcを支承する支承面2aを有した支承壁2を有している。この送出ベース1の水平一方向Ha前端部側には最前位の板状部材Wの一方面Waが当接する当接部材3が設けられている。
図2に示すように、当接部材3は、水平直交一方向Vaに沿って延び、板状部材Wの一方面Waが当接する当接面を有した断面L字状の部材であり、間隔を隔てて上下に複数(実施の形態では3本)設けられ、夫々脚体4に支持されている。最上位の当接部材3を支持する脚体4は、一対の棒状のスタンド5と、このスタンド5に対して脚体4の基端部が上下に調整可能に設けられ先端部に当接部材3が取り付けられる取付台6とを備えて構成されている。取付台6の上下の調整により、板状部材Wである段ボール箱シートの大きさに合わせて、最上位の当接部材3の高さ位置を可変にしている。
【0019】
また、送り出し装置SFは、
図1、
図2、
図6及び
図7(a)に示すように、送出ベース1に支承された最後位の板状部材Wを水平一方向Haに向けて押し込んで、最前位の板状部材Wを当接部材3に当接させる押し込み機構10を備えている。押し込み機構10は、水平直交一方向Vaに沿って延び、最後位の板状部材Wの他方面Wbが当接する断面L字状の押さえ部材11を備えている。押さえ部材11は、間隔を隔てて上下に複数(実施の形態では3本)設けられ、上下に延びる支柱12に支持されている。支柱12の下端は、支承壁2を貫通して形成され水平一方向Haに沿って延びる長孔開口13に挿通されており、支承壁2の下側に設けられ水平一方向Haに沿って延びるレール14(
図6参照)に走行体15を介して移動可能に支持されている。走行体15は、後述の制御部の制御により走行制御され、水平一方向Haあるいは水平他方向Hbに移動させられる。水平一方向Haに移動するときは、最前位の板状部材Wを当接部材3に当接させ、水平他方向Hbに移動するときは、所定幅後退し、最前位の板状部材Wを当接部材3に当接させた後、当該最前位の板状部材Wより後位にある板状部材Wが所定幅分押さえ部材11側に後退移動できるようにする。
【0020】
更に、送出ベース1上には、列設される板状部材Wの水平直交一方向Ha上流側の前端縁Wdが当接させられて位置決めされるとともに、水平一方向Ha及び水平他方向Hbへ板状部材Wが摺接可能なガイド部材16(
図2および
図3(a)参照)が設けられている。ガイド部材16は、間隔を隔てて上下に複数(実施の形態では2本)設けられ、上下に延びる2本の支柱17に固定されている。このガイド部材16により、当接部材3に当接する板状部材Wの前端縁Wdは、一定位置に位置させられる。
【0021】
また、送り出し装置SFは、当接部材3の当接位置より外側から進出して当接部材3に当接した最前位の板状部材Wの一方面Waを吸着する吸着盤21を有した吸着機構20を備えている。
図4及び
図8に示すように、吸着盤21はエアを吸引する樹脂製のパッド型のものであり、複数(実施の形態では4つ)設けられている。吸着機構20は、吸着盤21が取り付けられる吸着盤取付部材22と、該吸着盤取付部材22を進退動させ進出時に吸着盤21による板状部材Wの一方面Waを吸着可能にするエアシリンダ装置23とを備えている。吸着盤21は、上記の下側2つの当接部材3の間に臨む位置に設けられている。
【0022】
更に、送り出し装置SFは、吸着機構20を板状部材Wを吸着する吸着位置からこの吸着位置よりも水平一方向Haに直交する水平直交一方向Va側の所定位置(後述のラベル貼付装置SPの搬送機構100に受け渡す位置)に移動させる移動機構30を備えている。移動機構30は、
図4に示すように、吸着機構20のエアシリンダ装置23を搭載した走行体31と、この走行体31を水平直交一方向Va及び水平直交他方向Vbに移動可能に支持するレール32と、走行体31を走行させる駆動電動モータ33を備えたボールねじ機構34とから構成されている。レール32は送出ベース1の前端部に設置されている。ボールねじ機構34及びエアシリンダ装置23は、後述の制御部により制御される。ボールねじ機構34により、走行体31を水平直交一方向Vaに走行させて吸着機構20を水平直交一方向Va側の所定位置に移動させることにより、吸着機構20が吸着した板状部材Wを送り出し、後述のラベル貼付装置SPの搬送機構100に受け渡す。受け渡すときは、吸着盤21の吸着を解除する。受け渡し後は、吸着機構20のエアシリンダ装置23が駆動され、ボールねじ機構34により、走行体31を水平直交他方向Vbに走行させて吸着機構20を吸着位置に復帰させる。
【0023】
また、
図3(b)に示すように、吸着機構20の吸着盤21の吸着位置は、移動機構30の移動方向に沿って可変になっている。実施の形態では、板状部材Wとしての段ボール箱シートの大きさが異なると、切り込みWmの絶対位置が変わることから、吸着盤21がこの切り込みWmに対応する場合には吸着不能になるが、吸着盤21の吸着位置を変えることにより、この切り込みWmを避けて、吸着位置を設定することができるようにしている。具体的には、制御部に、送出に係る段ボール箱シートの大きさ及び切り込みWmの位置と、これに対応した適正な吸着位置との関係を予め定めて記憶させており、事前に送出に係る段ボール箱シートの大きさ及び切り込みWmの位置を入力すると、吸着盤21が対応する吸着位置に位置するように、ボールねじ機構34を作動させて、走行体31を移動させ、走行体31の始動位置を変えるようにしている。
図3(b)においては、2種類の大きさの段ボール箱シートに対応させて、走行体31の始動位置を2位置に移動させた場合を示す。
【0024】
また、送り出し装置SFは、
図2、
図4乃至
図10に示すように、吸着機構20が最前位の板状部材Wを吸着した後、最前位の板状部材Wと当該最前位の板状部材Wの1つ後位の板状部材Wとを引き離す引き離し手段を備えている。引き離し手段は、分離機構40と隙間形成機構50とを備えている。
詳しくは、分離機構40は、押し込み機構10の押し込みを解除した状態で、具体的には、押さえ部材11を水平他方向Hbに所定幅後退させた状態で、最前位の板状部材Wと当該最前位の板状部材Wの1つ後位の板状部材Wとの間に外側から進出させられて挿入される爪部材41を有し、この爪部材41を水平他方向Hbへ移動させて、最前位の板状部材Wより後位の板状部材Wの集合を水平他方向Hb側へ移動させ、最前位の板状部材Wから分離するものである。
図5に示すように、分離機構40の爪部材41は、樹脂部材で略三角形板状に形成され、移動機構30の移動方向後流側から進出させるように設けられている。分離機構40は、爪部材41が取り付けられる爪部材取付部材42と、該爪部材取付部材42を進退動させ進出時に爪部材41による板状部材W間への挿入を可能にするエアシリンダ装置43とを備えている。
【0025】
更に、分離機構40は、この爪部材41を水平他方向Hbへ移動させて、最前位の板状部材Wより後位の板状部材Wの集合を水平他方向Hb側へ移動させる進退動部44を備えている。進退動部44は、エアシリンダ装置43を搭載した走行体45と、この走行体45を水平一方向Ha及び水平他方向Hbに移動可能に支持するレール46と、走行体45を走行させるエアシリンダ装置47とから構成されている。エアシリンダ装置43は、走行体45に対して上下位置可変に設けられており、板状部材Wの大きさに合わせて適宜の高さ位置に位置決めされる。
図5中符号48はエアシリンダ装置47のピストンの移動端を定めるストッパである。エアシリンダ装置43及びエアシリンダ装置47は、後述の制御部により制御される。エアシリンダ装置43により爪部材41を進出させ、爪部材41の進出後にエアシリンダ装置47によりピストンがストッパ48に衝止するまで走行体45を水平他方向Hbに走行させ、その後、上記の吸着機構20の移動機構30が吸着機構20を元位置に復帰させる際、エアシリンダ装置43により爪部材41を後退させ、エアシリンダ装置47により走行体45を水平一方向Haに走行させて爪部材41を元位置に復帰させる。
【0026】
隙間形成機構50は、
図2、
図4乃至
図10に示すように、押し込み機構10の押し込みを解除した状態で、具体的には、押さえ部材11を水平他方向Hbに所定幅後退させた状態で、且つ、分離機構40の爪部材41の進出前に、当接部材3の当接位置より外側から進出して、最前位の板状部材Wを水平他方向Hbへ向けて押圧する押圧部材51を有し、押圧部材51の押圧による最前位の板状部材Wを撓みによって、最前位の板状部材Wと当該最前位の板状部材Wの1つ後位の板状部材Wとの間に隙間eを形成するものである。
この隙間形成機構50の押圧部材51は、吸着機構20の吸着盤21よりも移動機構34の移動方向上流側で進出させるように設けられており、
図8に示すように、最前位の板状部材Wを、吸着機構20の吸着盤21に吸着した吸着部位を支点にして撓ませて、爪部材41の進出側において、最前位の板状部材Wと当該最前位の板状部材Wの1つ後位の板状部材Wとの間に隙間eを形成するようにしている。
【0027】
詳しくは、隙間形成機構50は、吸着機構20の吸着盤21よりも移動機構34の移動方向上流側において、
図7(b)に示すように、進出位置の異なる複数(実施の形態では4つ)の押圧部材51を備えている。4つの押圧部材51は、例えば、樹脂製ブロックで形成され、2つずつグループ分けされている。各グループともに、押圧部材51はアーム部材52に固定されており、このアーム部材52は、これを進退動させ進出時に板状部材Wを押圧し、後退時に押圧を解除する同期して作動するエアシリンダ装置53、54に取り付けられている。そして、1つのグループの押圧部材51のエアシリンダ装置53は、上記の最上位の当接部材3を支持する脚体4の取付台6に設けられ、別のグループの押圧部材51のエアシリンダ装置54は、上記の吸着機構20の走行体31に設けられ、吸着機構20と同動するようになっている。制御装置の制御により、吸着機構20の板状部材Wの吸着後に、エアシリンダ装置53、54により押圧部材51が進出させられて板状部材Wを押圧し、上記の分離機構40の爪部材41が進出した後に、エアシリンダ装置53、54により押圧部材51
が後退させられて板状部材Wの押圧が解除される。
【0028】
次に、本発明の実施の形態に係るラベル貼付装置SPについて説明する。
図1、
図11乃至
図14に示すように、ラベル貼付装置SPは、送り出し装置SFから送り出された板状部材Wを起立させた状態で水平直交一方向Vaに沿って搬送するとともに、この搬送過程で板状部材Wの一方面Wa及び他方面Wbの少なくともいずれか(実施の形態では一方面Wa)にラベルLを貼付するものである。
このラベル貼付装置SPは、送り出し装置SFから送り出された板状部材Wを水平直交一方向Vaに沿って搬送する搬送機構100と、搬送機構100の搬送過程で板状部材Wの一方面Wa及び他方面Wbの少なくともいずれかにラベルLを貼付する貼付機構130とを備えている。貼付機構130は、板状部材Wの一方面Wa及び他方面Wbのいずれかの側、実施の形態では、一方面Wa側に設けられている。
【0029】
詳しくは、搬送機構100は、板状部材Wの下側を一方面Wa及び他方面Wbの両面から挾持し挾持側が水平直交一方向Vaに沿って移動する一対の下側エンドレスベルト101と、各下側エンドレスベルト101を移動可能に支持する一対の下側エンドレスベルト支持体102と、各下側エンドレスベルト101を駆動する下側エンドレスベルト駆動部103とを備えている。下側エンドレスベルト支持体102は、下側エンドレスベルト101を走行させる複数のローラを列設して備えており、基台104に固定されている。また、下側エンドレスベルト駆動部103は、一方の下側エンドレスベルト支持体102のローラ(駆動ローラ)を回転させる電動モータ105で構成されている。
【0030】
また、搬送機構100は、板状部材Wの上側を一方面Wa及び他方面Wbの両面から挾持し挾持側が水平直交一方向Vaに沿って移動する一対の上側エンドレスベルト111と、各上側エンドレスベルト111を移動可能に支持する一対の上側エンドレスベルト支持体112と、上側エンドレスベルト111を駆動する上側エンドレスベルト駆動部113とを備えて構成されている。貼付機構130とは反対側の上側エンドレスベルト111(A)の幅は、貼付機構130側の上側エンドレスベルト111(B)の幅よりも大きく形成されている。上側エンドレスベルト支持体112は、上側エンドレスベルト111を走行させる複数のローラを列設して備えている。また、上側エンドレスベルト駆動部113は、各上側エンドレスベルト支持体112に夫々設けられており、上側エンドレスベルト支持体112のローラ(駆動ローラ)を回転させる電動モータ114、115で構成されている。更に、貼付機構130とは反対側の上側エンドレスベルト支持体112(B)は基台104に高さ調整可能に固定されている。
【0031】
一方、貼付機構130側の上側エンドレスベルト111(B)の上側エンドレスベルト支持体112(B)は、上下動可能に支持されている。具体的には、上側エンドレスベルト支持体112(B)は、上下スライダ117に付設されており、また、この上下スライダ117は垂直レール118に上下方向に移動可能に支持されている。そして、この上側エンドレスベルト支持体112(B)を移動位置決めする支持体移動位置決め駆動部120が備えられている。支持体移動位置決め駆動部120は、上下スライダ117を上下動させる駆動電動モータ121を備えたボールねじ機構122で構成されている。
【0032】
また、貼付機構130は、
図13に示すように、ユニット化されており、ユニット本体131と、下側エンドレスベルト101及び上側エンドレスベルト111から露出した板状部材Wの一方面Wa若しくは他方面Wb(実施の形態では一方面Wa)に対峙し帯状台紙Dから剥離されたラベルLを吸着する吸着位置X及び吸着位置Xから進出してラベルLを貼付する貼付位置Yの2位置に移動可能なラベル吸着板132と、ユニット本体131に設けられラベル吸着板132を移動させる吸着板駆動部としてのエアシリンダ装置133と、ラベルLを仮着した帯状台紙Dを台紙搬送経路に供給する供給リール134と、ユニット本体131に設けられ台紙搬送経路に供給された帯状台紙Dに仮着されたラベルLに印字するサーマル型の印字ヘッド135及びローラ状のプラテン部材136と、ユニット本体131の印字部の下流側に設けられ帯状台紙Dを折り返してこの帯状台紙Dに仮着されたラベルLを剥離する剥離部材137と、剥離部材137でラベルLが剥離された帯状台紙Dを巻き取る巻取リール138とを備えて構成されている。また、貼付機構130は、ラベルLのRFIDチップに対して、通信し、情報の書込みまたは読出しを行なうリーダーライタ部(図示せず)を備えている。
【0033】
更に、貼付機構130は、
図11および
図13に示すように、上下動可能且つ水平直交一方向Vaに沿って移動可能に支持されている。具体的には、貼付機構130のユニット本体131は、上下スライダ140に取り付けられており、この上下スライダ140は垂直レール141に上下方向に移動可能に支持されている。更に、垂直レール141は走行体142に支持され、この走行体142は、水平直交一方向Va及び水平直交他方向Vbに移動可能に水平レール143に支持されている。そして、貼付機構130を移動位置決めする貼付機構移動位置決め駆動部150が備えられている。貼付機構移動位置決め駆動部150は、上下スライダ140を上下動させる駆動電動モータ151を備えたボールねじ機構152と、走行体142を走行移動させる駆動電動モータ153を備えたボールねじ機構154とから構成されている。
【0034】
これにより、
図14に示すように、板状部材Wの大きさや、ラベルLの貼付位置が異なる場合に、容易に対応できるようになる。例えば、
図14(a)に示すように、貼付機構130側の上側エンドレスベルト111(B)の上側エンドレスベルト支持体112(B)を下に移動して、上側エンドレスベルト111(B)の上側に板状部材Wのラベル貼付面を露出させ、これに合わせて、貼付機構130のラベル吸着板132の貼付位置を移動位置決めする。あるいは、
図14(b)に示すように、貼付機構130側の上側エンドレスベルト111(B)の上側エンドレスベルト支持体112(B)を上に移動して、上側エンドレスベルト111と下側エンドレスベルト101の間に板状部材Wのラベル貼付面を露出させ、これに合わせて、貼付機構130のラベル吸着板132の貼付位置を移動位置決めする等、適宜に設定することができ、ラベル貼付の汎用性が向上させられる。
【0035】
次にまた、受け入れ装置SRについて説明する。
図1、
図15乃至
図19に示すように、受け入れ装置SRは、ラベル貼付装置SPでラベルLが貼付されて搬送されて排出される板状部材Wを起立させた状態で順次受け入れるとともに、受け入れた複数の板状部材Wを当該各板状部材Wの一側端縁Wcを支承して起立させ且つ当該各板状部材Wの一方面Waが水平一方向Haを向いて重畳するように列設させて保持するものである。
詳しくは、受け入れ装置SRは、ラベル貼付装置SPの搬送機構100によって搬送されて排出された板状部材Wをその一側端縁Wcを支承して順次受け入れる受け入れステージ200と、受け入れステージ200の水平一方向Ha及び水平他方向Hbの何れか一方(実施の形態では水平他方向Hb)に連続して設けられ複数の板状部材Wを当該各板状部材Wの一方面Waが水平一方向Haを向いて重畳するように列設させてこれらの一側端縁Wcを支承する受け入れベース201とを備えている。受け入れステージ200の支承面200aと受け入れベース201の支承面201aとは面一に連続形成され、一つの支承壁202により形成されている。
【0036】
また、受け入れ装置SRは、受け入れベース201とは反対側に設けられ受け入れステージ200上の板状部材Wの対応する一方面Wa若しくは他方面Wb(実施の形態では一方面Wa)を水平他方向Hbに向け押して当該板状部材Wを押し出す押し出し部材211を備えた押し出し機構210を備えている。この押し出し機構210の押し出し部材211は、板状部材Wの一方面Waが当接する板状に形成され、間隔を隔てて上下に複数(実施の形態では3本)設けられている。3本の押し出し部材211は、夫々、この押し出し部材211を進退動させ進出時に水平他方向Hbに向け板状部材Wを押し出し、後退時に水平一方向Haに向け退出する互いに同期して作動するエアシリンダ装置212に取り付けられている。そして、各押し出し部材211のエアシリンダ装置212は、支持台213に固定され、支持台213は、一対の脚柱214に上下位置調整可能に固定支持されている。
【0037】
一方、受け入れベース201には、押し出し機構210の押し出し部材211によって押し出された最初の板状部材Wの該押し出し部材211とは反対側の対応する一方面Wa若しくは他方面Wb(実施の形態では他方面Wb)を受けるとともに、該最初の板状部材Wに次の板状部材Wが順次重畳されるに伴って後退する受け部材220が設けられている。受け部材220は、水平直交一方向Vaに沿って延び、板状部材Wの他方面Wbが当接する断面L字状に形成され、上下に延びる支柱221に支持されている。支柱221の下端は、受け入れベース201の支承壁202を貫通して形成され水平一方向Haに沿って延びる長孔開口222に挿通されており、支承壁202の下側に設けられ水平一方向Haに沿って延びるレール223に走行体224を介して移動可能に支持されている。走行体224は、後述の制御部の制御により走行制御され、水平一方向Haあるいは水平他方向Hbに移動させられる。水平一方向Haに移動するときは、最初の板状部材Wを受け、水平他方向Hbに移動するときは、最初の板状部材Wの次の板状部材Wが押し出されて受け入れベース201側に移動してくる毎に板状部材Wの厚さ分ずつ後退する。符号225は、受け入れベース201に設けられ、板状部材Wの水平直交一方向Ha上流側の前端縁Wdが当接可能なガイド板である。
【0038】
また、受け入れ装置SRは、受け入れステージ200上の板状部材Wを水平直交一方向Vaに沿って移動させて停止位置に位置決めする部材移動位置決め機構230を備えている。部材移動位置決め機構230は、受け入れステージ200に受け入れられた板状部材Wの水平直交他方向Vb側の後端縁Weに係止可能な係止部材231と、係止部材231を水平直交一方向Vaに沿って移動させる係止部材駆動部232とを備えて構成されている。詳しくは、部材移動位置決め機構230の係止部材231は、受け入れステージ200に受け入れられた板状部材Wの水平直交他方向Vb側の後端縁Weに係止するようにフック状に形成され、係止時に板状部材Wの後端縁Weに対峙するように進出できるようにエアシリンダ装置233に取り付けられている。また、係止部材駆動部232は、例えば、エアシリンダ装置233が取り付けられるエンドレスのタイミングベルト(図示せず)とこれを正逆両方向に駆動する電動モータ(図示せず)とから構成されている。板状部材Wを係止部材231で係止して受け入れステージ200上をスライドさせて移動させ簡易な機構で構築することができる。
【0039】
そして、後述の制御部により、
図16に示すように、予め、エアシリンダ装置233により係止部材231を後退させた状態で、エアシリンダ装置233を係止部材駆動部232により、係止部材231が板状部材Wの後端縁We位置より後流側に位置するように位置させておき(始点)、この状態で、
図17に示すように、板状部材Wが受け入れステージ200に受け入れられたならば、エアシリンダ装置233により係止部材231を進出させて板状部材Wの後端縁Weに対峙し、この状態で、係止部材駆動部232によりエアシリンダ装置233を水平直交一方向Vaに沿って所定距離移動させる。これにより、係止部材231が板状部材Wの後端縁Weに係止し、板状部材Wは係止部材231により水平直交一方向Vaに沿って移動させられ、停止位置(TaまたはTb)に位置決めさせられる。その後、
図18に示すように、係止部材駆動部232によりエアシリンダ装置233を、係止部材231が板状部材Wの後端縁We位置より後流側の位置(始点)に移動させ、エアシリンダ装置233で係止部材231を後退させ、元位置に復帰させる。
【0040】
また、部材移動位置決め機構230の駆動制御により、
図17(a)に示すように、板状部材Wの停止位置(Ta、Tb)が可変になっている。即ち、制御部により、係止部材駆動部232によりエアシリンダ装置233を水平直交一方向Vaに沿って所定距離移動させるが、係止部材駆動部232のエアシリンダ装置233を移動させる所定距離を調整可能にしている。
【0041】
更に、受け入れ装置SRは、面ストッパ240を備えている。この面ストッパ240は、押し出し機構210の押し出し部材211による板状部材Wの非押し出し時に外側から進出(水平直交一方向Va側から水平直交他方向Vbに向けて進出)して、押し出し機構210の押し出し部材211によって押し出された最後の板状部材Wにおける押し出し部材211側の対応する一方面Wa若しくは他方面Wb(実施の形態では一方面Wa)に対峙するとともに、押し出し機構210の押し出し部材211の押し出し時に後退(水平直交他方向Vb側から水平直交一方向Vaに向けて後退)して、押し出し機構210の押し出し部材211による板状部材Wの移動を許容する。この面ストッパ240は、受け入れベース201の後流側に設けられ、エアシリンダ装置241によって進退動させられる。エアシリンダ装置241は、受け入れベース201に立設したスタンド242に支持されている。
【0042】
更にまた、受け入れ装置SRは、下端部ストッパ245を備えている。この下端部ストッパ245は、押し出し機構210の押し出し部材211による板状部材Wの非押し出し時に受け入れベース201の支承面201aから突出して押し出し機構210の押し出し部材211によって押し出された最後の板状部材Wにおける押し出し部材211側の対応する一方面Wa若しくは他方面Wb(実施の形態では一方面Wa)の下端部を押さえるとともに、押し出し機構210の押し出し部材211の押し出し時に受け入れベース201の支承面201a下に没入して、押し出し機構210の押し出し部材211による板状部材Wの移動を許容する。下端部ストッパ245は水平直交一方向Vaに沿って所定間隔に複数設けられ、エアシリンダ装置246により支承壁202に設けた挿通孔247を通して進退動させられる。
【0043】
また、ラベル貼付システムにおいては、図示外の制御部により制御が行われる。送り出し装置SFにおいては、吸着機構20の始動位置制御を行うとともに、押し込み機構10の走行体15、吸着機構20の吸着盤21及びエアシリンダ装置23、移動機構30のボールねじ機構34、分離機構40の爪部材41のエアシリンダ装置43、進退動部44のエアシリンダ装置47、隙間形成機構50のエアシリンダ装置53、54等を予め定められたプログラム等によって駆動制御する。また、ラベル貼付装置SPにおいては、上下スライダ117のボールねじ機構122、上下スライダ140のボールねじ機構152と、走行体142のボールねじ機構154、搬送機構100の3つの駆動モータ105、114、115、貼付機構130のエアシリンダ装置133等を予め定められたプログラム等によって制御する。更に、受け入れ装置SRにおいては、部材移動位置決め機構230の係止部材駆動部232、エアシリンダ装置233、面ストッパ240のエアシリンダ装置241、下端部ストッパ245のエアシリンダ装置246、押し出し機構210の3つのエアシリンダ装置212、受け部材220の走行体224を予め定められたプログラム等によって駆動制御する。
【0044】
従って、このラベル貼付システムにより、板状部材WにラベルLを貼付するときは、以下のように行われる。各装置ごとにその作用を説明する。
<送り出し装置SF>
送り出し装置SFにおいては、
図3に示すように、先ず、制御部により、吸着機構20の吸着盤21の吸着位置(移動機構30の走行体31の始動位置)を設定する。制御部に、ラベルL貼付に係る板状部材Wとしての段ボール箱シートの大きさと切り込みWmの位置を入力すると、制御部は、予め定めた対応関係に基づいて、ボールねじ機構34を作動させて、走行体31を移動させ、走行体31の始動位置を板状部材Wとしての段ボール箱シートに合わせて適正位置に移動させる。
【0045】
また、
図1及び
図2に示すように、ラベルL貼付に係る板状部材Wを所要枚数送出ベース1に載置する。この場合、各板状部材Wの一方面Waが水平一方向Haを向いて重畳するように列設させてこれらの一側端縁Wcを送出ベース1の支承面2aに支承させるとともに、ガイド部材16に板状部材Wの水平直交一方向Ha上流側の前端縁Wdを衝止させて当接させて位置決めする。
【0046】
この状態で、装置を駆動する。先ず、
図6に示すように、押し込み機構10の走行体15が駆動させられ、押さえ部材11が水平一方向Haに移動させられ、板状部材Wの集合を押し込んで最前位の板状部材Wを当接部材3に当接させる。
次に、
図7(a)に示すように、吸着機構20のエアシリンダ装置23を駆動し前進させ吸着盤21が最前位の板状部材Wの一方面Waを吸着する。
それから、
図7(a)に示すように、押し込み機構10の走行体15が駆動させられ、押さえ部材11が水平他方向Hbに移動させられ、所定幅後退し、最前位の板状部材Wより後位にある板状部材Wが所定幅分押さえ部材11側に後退移動できるようにする。
【0047】
次に、
図7(b)及び
図8に示すように、隙間形成機構50のエアシリンダ装置53、54を駆動し押圧部材51を進出させ、押圧部材51により最前位の板状部材Wを押圧する。これにより、吸着機構20の吸着盤21の吸着力に抗して板状部材Wが押圧されて撓むことになり、これにより1つ後位の板状部材Wが押圧されることから、最前位の板状部材Wと当該最前位の板状部材Wの1つ後位の板状部材Wとの間に隙間eが形成され、最前位の板状部材Wとこれと1つ後位の板状部材Wとが引き離されるようになる。
特に、
図8に示すように、押圧部材51は、吸着機構20の吸着盤21よりも移動機構30の移動方向上流側で進出するので、押圧部材51が最前位の板状部材Wを押圧すると、板状部材Wは、吸着機構20の吸着盤21に吸着した吸着部位を支点にして撓み、謂わばてこの原理により撓むので、爪部材41の進出側において、最前位の板状部材Wとこれと1つ後位の板状部材Wとの間に隙間eが形成されるようになる。
この場合、押圧部材51はその進出位置の異なる複数の押圧部材51(実施の形態では4つ)が備えられているので、板状部材Wの異なる複数個所を押圧することになり、板状部材Wの撓みを大きくすることができ、最前位の板状部材Wとこれと1つ後位の板状部材Wとの間の隙間eを大きくすることで、爪部材41の進出を容易にし、最前位の板状部材Wとこれと1つ後位の板状部材Wとを確実に引き離すことができる。
【0048】
その後、
図9(a)(b)に示すように、分離機構40のエアシリンダ装置43が駆動し爪部材41を進出させる。これにより、爪部材41は、最前位の板状部材Wと当該最前位の板状部材Wの1つ後位の板状部材Wとの間に進出させられて挿入される。この場合、隙間形成機構50の押圧部材51により、爪部材41の進出側において、最前位の板状部材Wとこれと1つ後位の板状部材Wとの間に隙間eが形成されているので、分離機構40の爪部材41がこの隙間eに入り易くなる。爪部材41が進出する際には、隙間形成機構50のエアシリンダ装置53、54を駆動し押圧部材51を元位置に復帰させる。
【0049】
それから、
図9(b)に示すように、分離機構40の進退動部44のエアシリンダ装置47が駆動され、エアシリンダ装置43を搭載した走行体45を水平他方向Hbに移動させる。これにより、最前位の板状部材Wより後位の板状部材Wの集合が水平他方向Hb側へ移動させられ、最前位の板状部材Wから分離させられる。
【0050】
そして、
図10(a)に示すように、移動機構30のボールねじ機構34が駆動され、走行体31を水平直交一方向Vaに走行させて吸着機構20を水平直交一方向Va側の所定位置に移動させる。これにより、吸着機構20が吸着した板状部材Wが送り出され、ラベル貼付装置SPの搬送機構100に受け渡たされる。受け渡しの際には、吸着機構20の吸着盤21の吸着は解除される。この場合、送り出される最前位の板状部材Wと最前位の板状部材Wの1つ後位の板状部材Wとが引き離されているので、板状部材Wが引っ掛かって損傷してしまう事態が防止される。即ち、板状部材Wとしての段ボール箱シートにおいては、底部や蓋部を折り曲げ形成するための切り込みWmが形成されているが、もし、最前位の板状部材Wとこれと1つ後位の板状部材Wとが接触した状態で、最前位の板状部材Wを水平直交一方向Va側に移動させると、一方の板状部材Wの切り込みWmに他方の板状部材Wの切り込みWmを形成する段ボール箱シートの端縁が引っ掛かってしまい、段ボール箱シートを損傷する虞があるが、最前位の板状部材Wとこれと1つ後位の板状部材Wとが引き離されているので、板状部材Wが引っ掛かって損傷する事態が防止される。
【0051】
板状部材Wを受け渡し後は、
図10(b)に示すように、吸着機構20のエアシリンダ装置23が駆動されるとともに移動機構30のボールねじ機構34が駆動され、走行体31を水平直交他方向Vbに走行させて吸着機構20を元位置(始動位置)に復帰させる。また、この際には、押し込み機構10の走行体15が駆動させられ、押さえ部材11が水平一方向Haに移動させられ、板状部材Wの集合を押し込んで、次に最前位になった板状部材Wを当接部材3に当接させる。その後、上記と同様にして、板状部材Wの送り出しが行われる。この送り出し装置SFによる板状部材Wの送り出しにおいては、送出ベース1に板状部材Wを起立させた状態で保持し、最前位の板状部材Wを吸着機構20の吸着盤21で吸着して、移動機構30により吸着機構20を水平直交一方向Va側に移動させて板状部材Wを送り出すので、板状部材Wは、起立した状態でスライドさせるようにして一枚一枚取り出され、送り出されることから、残りの集合から持ち上げて取り出さなくても良くなり、それだけ、板状部材Wを円滑に送り出すことができるようになるとともに、送り出しのスペースが小さくなり、省スペース化が図られる。
【0052】
<ラベル貼付装置SP>
本発明の実施の形態に係るラベル貼付装置SPにおいては、予め、制御部によって、
図14に示すように、支持体移動位置決め駆動部120のボールネジ機構122を駆動して上下スライダ117を上下動させて、貼付機構130側の上側エンドレスベルト111(B)の上側エンドレスベルト支持体112(B)を上下動させ、ラベルL貼付に係る板状部材Wの大きさやラベル貼付位置に合わせて、上側エンドレスベルト支持体112(B)を対応する位置に位置決めしておく。また、貼付機構移動位置決め駆動部150のボールねじ機構152を駆動して、貼付機構130のユニット本体131を上下動させるとともに、貼付機構移動位置決め駆動部150のボールねじ機構154を駆動して、垂直レール141を支持した走行体142を水平直交一方向Va及び水平直交他方向Vbの何れかの方向に移動させ、ラベル貼付に係る板状部材Wのラベル貼付位置に合わせて、貼付機構130のユニット本体131を移動位置決めしておく
【0053】
例えば、
図14(a)に示すように、貼付機構130側の上側エンドレスベルト111(B)の上側エンドレスベルト支持体112(B)を下に移動して、上側エンドレスベルト111の上側に板状部材Wのラベル貼付面を露出させ、これに合わせて、貼付機構130を移動位置決めする。あるいは、
図14(b)に示すように、貼付機構130側の上側エンドレスベルト111(B)の上側エンドレスベルト支持体112(B)を上に移動して、上側エンドレスベルト111と下側エンドレスベルト101の間に板状部材Wのラベル貼付面を露出させ、これに合わせて、貼付機構130を移動位置決めする。
【0054】
この状態で、搬送機構100の下側エンドレスベルト駆動部103、上側エンドレスベルト駆動部113を作動させる。そして、送り出し装置SFから板状部材Wが送り出されると、搬送機構100の一対の下側エンドレスベルト101及び上側エンドレスベルト111間に、板状部材Wの一方面Wa及び他方面Wbの下側及び上側の両面が夫々挾持され、これらの下側エンドレスベルト101及び上側エンドレスベルト111により板状部材Wは水平直交一方向Vaに沿って移動させられる。板状部材Wがラベル貼付位置に至ると、例えば、センサなどでこれを検知し、板状部材Wを一時的に停止させる。
【0055】
板状部材Wが停止すると、貼付機構130が作動する。即ち、
図13に示すように、供給リール134から帯状台紙Dがから供給され、印字部135においてラベルLに所要の印字が行なわれ、剥離部材137側に搬送される。搬送された帯状台紙Dが剥離部材137で折り返されると、帯状台紙Dに仮着したラベルLが剥離して、吸着位置Xに位置した吸着板132にその表側から吸着される。その後、エアシリンダ装置133が駆動され、吸着板132は吸着位置Xから貼付位置Yに進出させられる。吸着板132が貼付位置Yに至ると、ラベルLが板状部材Wに貼付される。吸着板132がラベルLを貼付したならば、エアシリンダ装置133が駆動され吸着板132が後退し、貼付位置Yから吸着位置Xに復帰する。このようにして、ラベルLが貼付される。
【0056】
この場合、貼付機構130とは反対側の上側エンドレスベルト111(A)の幅が大きいので板状部材Wの支持が確実になるとともに、貼付機構130側の上側エンドレスベルト111(B)の幅が小さいので、貼付機構130による板状部材WのラベルLの貼付面を大きく確保することができる。また、貼付機構130側の上側エンドレスベルト111(B)の上側エンドレスベルト支持体112(B)を上下動させ、貼付機構130を上下動させ且つ水平直交一方向Vaあるいは他方向に沿って移動させて、上側エンドレスベルト支持体112及び貼付機構130を適正位置に位置決めしているので、板状部材Wの大きさや、ラベルLの貼付位置が異なっても、容易かつ確実に対応できるようになり、ラベル貼付の汎用性が向上させられる。
【0057】
ラベルLの貼付が行われたら、再び、搬送機構100の下側エンドレスベルト駆動部103、上側エンドレスベルト駆動部113が作動させられ、下側エンドレスベルト101及び上側エンドレスベルト111により板状部材Wは水平直交一方向Vaに沿って移動させられ、受け入れ装置SRに排出される。このラベル貼付装置SPにおける板状部材Wの搬送及びラベル貼付においては、板状部材Wは起立させた状態で水平直交一方向Vaに沿って搬送されるので、従来のように、一方面Waを上にして搬送する場合に比較して、搬送のスペースが小さくて済み、省スペース化が図られる。
【0058】
<受け入れ装置SR>
受け入れ装置SRにおいては、予め、制御部により、部材移動位置決め機構230が、板状部材Wの停止位置(Ta、Tb)を、例えば、板状部材Wの所定枚数ごとに変えるように設定しておく。例えば、
図17(a)に示すように、水平直交一方向Vaの第1停止位置(Ta)と、第1停止位置(Ta)よりも上流側の第2停止位置(Tb)との2位置に交互に変わるようにする。また、受け部材220が設けられた走行体224を水平一方向Haに駆動して、受け部材220を前進させておく。
【0059】
この状態で、受け入れ装置SRを作動させる。
図16に示すように、ラベル貼付装置SPから板状部材Wが搬送されて排出され、起立したまま受け入れステージ200に至ると、部材移動位置決め機構230のエアシリンダ装置233が駆動され係止部材231を板状部材Wの水平直交他方向Vb側の後端縁Weに対峙させる。
次に、
図17に示すように、係止部材駆動部232を駆動し、エシリンダ装置233を水平直交一方向Vaに沿って所定距離移動させる。これにより、係止部材231に板状部材Wの水平直交他方向Vb側の後端縁Weが係止し、板状部材Wは係止部材231により水平直交一方向Vaに沿って移動させられ、停止位置(第1停止位置(Ta)または第2停止位置(Tb))に位置決めさせられる。
【0060】
それから、
図18に示すように、係止部材駆動部232を駆動し、係止部材231を板状部材Wの後端縁Weの位置より後流側の位置(始点)に移動させ、エアシリンダ装置233で係止部材231を後退させ、元位置に復帰させるとともに、
図18に示すように、押し出し機構210の3つのエアシリンダ装置212が駆動され、3本の押し出し部材211を進出させ板状部材Wを受け入れベース201に押し出す。この場合には、
図17に示すように、エアシリンダ装置241が駆動され面ストッパ240は後退しており、エアシリンダ装置246が駆動され下端部ストッパ245が没入しており、板状部材Wは支承面200a、201aを摺接して受け入れベース201に移動させられる。これにより、板状部材Wは受け部材220に受け止められる。
【0061】
その後、
図19に示すように、エアシリンダ装置241が駆動され面ストッパ240が進出し、押し出し機構210の押し出し部材211によって押し出された板状部材Wにおける押し出し部材211側の対応する一方面Waに対峙する。また、エアシリンダ装置246が駆動され下端部ストッパ245を受け入れベース201の支承面201aから突出させて板状部材Wにおける押し出し部材211側の対応する下端部を押さえる。また、この面ストッパ240及び下端部ストッパ245の進出に伴って、押し出し機構210の3つのエアシリンダ212が駆動されて、3本の押し出し部材211を後退させ元位置に復帰させる。
【0062】
この状態においては、一度押し出し機構210の押し出し部材211によって受け入れベース201に押し出され、受け入れベース201上に保持された板状部材Wが、
図19(b)に示すように、押し出し部材211側に倒れてこようとしても、面ストッパ240に当接するので、倒れる事態が防止され、そのため、受け入れステージ200において、次の板状部材Wの受け入れの際に、進路を妨害してしまう事態が防止され、確実に板状部材Wの受け入れを行うことができるようになる。また、一度押し出し機構210の押し出し部材211によって受け入れベース201に押し出され、受け入れベース201上に保持された板状部材Wが、その下端部を押し出し部材211側に滑らせて戻ってこようとしても、下端部ストッパ245に当接するので、滑って戻る事態が防止され、そのため、受け入れステージ200において、次の板状部材Wの受け入れの際に、進路を妨害してしまう事態が防止され、確実に板状部材Wの受け入れを行うことができるようになる。
【0063】
このようにして、順次板状部材Wが受け入れベース201に重畳されていく。重畳の際には、受け部材220が設けられた走行体224を水平他方向Hbに駆動して、次の板状部材Wが押し出されて受け入れベース201側に移動してくる毎に板状部材Wの厚さ分ずつ後退させる。この場合、板状部材Wは、起立したまま、受け入れステージ200に至り、ここで、押し出し機構210の押し出し部材211によって受け入れベース201に押し出され、起立したまま受け部材220に受けられる。そのため、別途、起立させるための機構を用いなくても、板状部材Wを重畳させてストックすることができ、それだけ、受け入れのスペースが小さくなり、省スペース化が図られる。
【0064】
また、押し出し部材211による板状部材Wの押し出しにおいては、部材移動位置決め機構230の係止部材231により、板状部材Wは停止位置に位置決めされるので、各板状部材Wの端縁を揃えて重畳させることができ、そのため整然と整列させた集合体にすることができるようになる。更に、部材移動位置決め機構230の駆動制御により、板状部材Wの停止位置(Ta、Tb)を水平直交一方向Vaの第1停止位置(Ta)と、該第1停止位置(Ta)よりも上流側の第2停止位置(Tb)との2位置に交互に変わるようにしたので、
図1及び
図15に示すように、受け入れベース201上の板状部材Wの集合が、所定枚数ごとに、面方向に交互にずれて重畳することになり、そのため、所定枚数ごとにグループ分けができるので、例えば、所定枚数ごとに取り出してバンドなどで所定枚数ごとに結束して束ねる場合に、その作業を容易に行うことができるようになる。
【0065】
尚、上記ラベル貼付システムの送り出し装置SFにおいて、分離機構40と隙間形成機構50とを併用しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、何れかを個々に設ける構成にしてよく適宜変更して差し支えない。また、各装置の駆動機構はエアシリンダ装置やボールネジ機構を主に用いているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、種々の手段を用いて構成してよい。
【0066】
尚また、上記ラベル貼付システムにおいて、板状部材Wとして段ボール箱シートについて説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、木板、樹脂板、金属板等どのようなシート部材であっても良い。但し、起立した状態を保持できる剛性のあるものに適する。また、上記実施の形態で、ラベル貼付装置SPはラベルLを板状部材Wの一方面Waに貼付するよう構成したが、他方面Wbに貼付するよう上記とはラベル貼付装置SPを反対側に設けても良く、適宜変更して差し支えない。また、板状部材Wの一側面及び他側面の両方に貼付するように構成することもできる。更に、受け入れ装置SRにおいても、受け入れベース201を板状部材Wの一方面Wa側に設け、他方面Wb側から押圧部材51で押圧するように構成しても良く、適宜変更して差し支えない。