【文献】
Microsoft SQL SERVER データベース開発ガイド,マイクロソフト株式会社,1996年 1月19日,初版,pp.212-224
【文献】
高塚遙 他,新標準PostgreSQL,ソフトバンククリエイティブ株式会社,2009年11月30日,初版,pp.279-283
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明にかかるマスタメンテナンス装置、マスタメンテナンス方法、およびマスタメンテナンスプログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0012】
[1.構成]
本実施形態にかかるマスタメンテナンス装置の構成の一例について、
図1を参照して説明する。マスタメンテナンス装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。マスタメンテナンス装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0013】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、マスタメンテナンス装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
【0014】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウスおよびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0015】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納されている。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPUに命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。記憶部106は、マスタ記憶部106aを含む。記憶部106として、例えば、RAM・ROM等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスクおよび光ディスク等を用いることができる。
【0016】
マスタ記憶部106aには、汎用Mainマスタ、汎用Editマスタ、抽出条件マスタ、および汎用業務チェックマスタ等の定義マスタが格納されている。なお、これらの定義マスタは、例えばインターネット、イントラネットおよびLAN(Local Area Network)等のネットワーク300を介してマスタメンテナンス装置100と通信可能に接続された外部サーバ200に格納されてもよい。
【0017】
ここで、汎用Mainマスタは、以下の複数の項目に関するデータを含むマスタテーブルである。
・会社CD
・EditID
・処理区分:「0」:マスタメンテ
「1」:データ出力
「2」:データメンテ
・Edit名称:画面表示名称
・対象View:処理区分が0または2→画面一覧
処理区分が1→データ抽出
・対象Table:処理区分が0または2→更新対象
処理区分が1→不要
・権限:オペレータマスタの権限の値とリンク
「0」:一般、「1」:管理者
・並び順
・汎用GroupID:処理区分が0または2→不要
・KeyIndex1〜5:処理区分が0または2→一覧から編集
画面への遷移時のKey
View項目と対応
処理区分が1→不要
【0018】
また、汎用Editマスタは、以下の複数の項目に関するデータを含むマスタテーブルである。
・会社CD
・EditID
・項目No
・項目名:画面表示名
・項目Type:「0」:通常
「1」:項目説明あり→項目横にLabel表示
「2」:マスタチェックのみ→Invalid時エラー
「3」:外部参照→Valid時、取得データ表示
・データ種別:「1」:数値
「2」:文字
「3」:金額
「4」:年月日
「5」:年月
「6」:半角英数字
「7」:半角カナ
「9」:改定日
・入力不可FLG:「0」:可能
「1」:不可
・必須FLG:「0」:任意
「1」:必須
・ControlWidth
・桁数:byte数
・最大値
・最小値
・検索起動FLG:「0」:検索なし
・SubLabel名称:項目Type=1の時の表示内容
・参照用Table:項目Type=2または3の時の参照先
・参照用項目:項目Type=2または3の時の参照先項目
・参照結果表示項目:項目Type=3の時の参照先取得項目
・参照用区分種別:項目Type=3かつ共通区分参照時
・参照用会社区分:参照先に対し会社CDを使用
・更新項目:更新先項目名
・会社区分:「0」:会社CD以外
「1」:会社CD
・初期値
・KeyFLG:「0」:Key項目以外
「1」:Key項目
・Key重複チェックFLG:「0」:チェックなし
「1」:チェックあり
当該項目チェック時にKeyFLGが1の項目全てでマス
タ存在チェック
Valid時に重複エラー
・パラメータNo:汎用MainマスタのKeyIndex番号とリンク
KeyIndex1→「1」、KeyIndex4→「4」
【0019】
また、抽出条件マスタは、以下の複数の項目に関するデータを含むマスタテーブルである。
・会社CD
・抽出対象:対象テーブル、View名
・対象区分:「0」:マスタ
「1」:検索
・行番号:表示順
・実列名称:対象テーブル、Viewの実列名称
・表示名称:検索時の表示名
・桁数:実列桁数
・データ種別:「1」:数値
「2」:文字
「3」:金額
「4」:日付
「5」:年月
「6」:文字(コード)
「7」:半角カナ
「9」:改定日
・検索起動FLG:「0」:しない
「1」:する
・検索用抽出対象
・戻り値FLG:「0」:なし
「1」:戻り値
1のとき、検索結果を返す
・結果表示FLG:「0」:表示なし
「1」:表示
1のとき、名称を表示
【0020】
さらに、汎用業務チェックマスタは、
図2にも示すように、以下の複数の項目に関するデータを含むマスタテーブルである。
・EditID:後述する汎用マスタメンテ画面と紐付くKey項目
・No:連番
・名称:名称
・Checkクエリ:チェック時に用いるクエリ文字列
・ReplaceKey1〜4:クエリ文字列内で置き換える文字列1〜4
画面遷移時のパラメータと連動
・処理区分:新規/修正/削除
・結果FLG:True/False
クエリ文字列結果がTrue/FalseでNGとする。
・無効FLG:有効/無効
・メッセージ:NG時のメッセージ
【0021】
図1に戻り、マスタ記憶部106aには、会社マスタ、振込手数料マスタ、および銀行マスタ等のマスタが格納されている。例えば、銀行マスタは、銀行CD・銀行名称・銀行名称カナ・登録担当者CD・登録日付・登録時間・更新担当者CD・更新日付・更新時間などの複数の項目に関するデータを含むマスタテーブルである。なお、これらのマスタは、外部サーバ200に格納されてもよい。また、これらのマスタのデータを含む、請求データまたは売上データ等の実績データは、記憶部106または外部サーバ200に格納されてもよい。
【0022】
制御部102は、マスタメンテナンス装置100を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)等である。制御部102は、OS(Operating System)等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、これらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、画面制御部102aと確認部102bと登録部102cとを含む。
【0023】
画面制御部102aは、マスタ記憶部106aに格納されている各マスタのメンテナンスで用いられる汎用マスタメンテ画面等の各種の画面を作成し、作成した画面を出力装置114に表示する。なお、画面制御部102aが実施する処理の例については、以下の[2.処理]にて詳細に説明する。
【0024】
確認部102bは、本発明の特長部分であり、ユーザから新規データ登録、データ修正登録、またはデータ削除登録の指示を受けると、汎用業務チェックマスタを参照して、メンテナンス対象としてユーザにより選択されたマスタへのデータ登録、当該マスタに含まれるユーザにより選択されたレコード中のデータの修正、または当該マスタに含まれる当該レコード中のデータの削除を、指示通りにユーザに実施させてよいか否かを確認する。具体的には、確認部102bは、新規データ登録の指示を受けると、当該マスタへオペレータが新規登録された場合に、オペレータの登録件数が、予め設定されている利用オペレータライセンス数の制限値(上限値)を超えるか否かを確認する。また、具体的には、確認部102bは、データ修正登録またはデータ削除登録の指示を受けると、当該マスタに含まれる当該レコード中のデータが、請求データまたは売上データ等の実績データに存在するか(実績データで使われているか)否かを確認する。また、具体的には、当該マスタ中のレコードが0件にならないように、確認部102bは、データ削除登録の指示を受けると、当該マスタが当該レコード1件のみを含んだ状態であるか否かをチェックする。なお、確認部102bが実施する処理の具体例については、以下の[2.処理]にて詳細に説明する。
【0025】
登録部102cは、ユーザから登録の指示を受けると、新規登録時または修正登録時には、汎用マスタメンテ画面内の所定のエディットボックスに表示されているデータを、メンテナンス対象としてユーザにより選択されたマスタに登録(上書きを含む)し、削除登録時には、汎用マスタメンテ画面内の所定のエディットボックスに表示されているデータを当該マスタから削除する。
【0026】
[2.処理]
上述した構成のマスタメンテナンス装置100が実施するメイン処理の一例について、
図3等を参照して説明する。
【0027】
まず、画面制御部102aは、
図4に示す初期状態の汎用マスタメンテ画面MAをモニタ114に表示する(ステップSA1)。ここで、
図4に示す汎用マスタメンテ画面MAは、大きく分けて、領域MA1と領域MA2とを含む。領域MA1は、メンテナンス対象とする所望のマスタメンテをユーザに選択させるための選択ボタンおよび選択されたマスタを表示するためのエディットボックス等を含む。領域MA2は、大きく分けて、領域MA21と領域MA22とを含む。領域MA21は、条件項目・演算子・条件値等を含む抽出条件をユーザに選択させるための複数の選択ボタン、および選択された抽出条件を表示するためのエディットボックス等を含む。領域MA22は、制御部102で実施された処理により抽出(検索)されたデータの一覧に関するビューを表示するためのものである。
【0028】
ユーザは、メンテナンス対象とするマスタメンテを選択するため、マウス112を使用して、領域MA1に含まれる選択ボタンを押下する。
【0029】
画面制御部102aは、当該押下を受けると(ステップSA2:Yes)、汎用Mainマスタから、メンテナンス対象として登録されているEditIDのデータおよびEdit名称のデータを取得し、取得したEditIDのデータおよびEdit名称のデータを領域MA22に出力する(ステップSA3)。これにより、汎用マスタメンテ画面MAは、
図4の状態から、EditIDのデータとEdit名称のデータとが一覧表示された
図5の状態に変化(遷移)する。
【0030】
ユーザは、メンテナンス対象とする所望の名称が表示されているレコードを、マウス112を使用してダブルクリックする。なお、本説明では、Edit名称が「銀行マスタメンテ」であるレコードがダブルクリックされたものとする。
【0031】
画面制御部102aは、当該ダブルクリックを受けると(ステップSA4:Yes)、当該ダブルクリックされたレコードのEditID「MS_Ginkou」およびEdit名称「銀行マスタメンテ」を、領域MA1に出力する(ステップSA5)。また、画面制御部102aは、汎用Mainマスタを参照して当該EditID「MS_Ginkou」に対応するマスタを特定し、特定されたマスタ(本説明では、IDが「MS_GINKOU」である銀行マスタ)から、当該マスタに含まれる各項目のデータを抽出(検索)し、抽出したデータを領域MA22に出力する(ステップSA5)。これにより、汎用マスタメンテ画面MAは、
図5の状態から、EditIDおよびEdit名称が表示され、且つ特定されたマスタに含まれる各項目のデータが一覧表示された
図6の状態に変化(遷移)する。
【0032】
ユーザは、銀行マスタに新規でデータを登録したい場合には、新規データ登録を選択するために機能するファンクションキーF2を押下する。また、ユーザは、銀行マスタに登録されているデータを修正したい場合には、データ修正登録を選択するために、領域MA22に表示されている修正対象とするレコードをマウス112を使用してダブルクリックするか、または当該レコードをマウス112を使用して選択してからEnterキーを押下する。また、ユーザは、銀行マスタに登録されているデータを削除したい場合には、削領域MA22に表示されている削除対象とするレコードをマウス112を使用して選択してから、データ削除登録を選択するために機能するファンクションキーF3を押下する。
【0033】
確認部102bは、これらいずれかの押下またはダブルクリックを受けると(ステップSA6:Yes)、汎用業務チェックマスタを参照して、新規データ登録時、データ修正登録時、またはデータ削除登録時の業務チェック処理を実施する(ステップSA7)。
【0034】
ここで、ステップSA7で実施される、本発明の特長である業務チェック処理について詳細に説明する。なお、本説明では、汎用業務チェックマスタは、
図2に示すものであるとする。
【0035】
[A:新規データ登録時の業務チェック処理]
まず、確認部102bは、ファンクションキーF2の押下を受けると、汎用業務チェックマスタから、処理区分が「新規」であるレコードを検索する。なお、本説明では、処理区分が「新規」であるレコードは検索されない。
【0036】
つぎに、確認部102bは、処理区分が「新規」であるレコードが検索されなかった場合には、新規データ登録を可能とする旨の判断結果を画面制御部102aへ転送する。
【0037】
なお、処理区分が「新規」であるレコードとして、例えば「利用オペレータライセンス数の制限値(上限値)を超えるオペレータが新規登録されることになるかどうか?」を判断するためのCheckクエリを含むものを汎用業務チェックマスタに登録しておいた場合には、確認部102bは、(1)当該Checkクエリを実行することによって、オペレータの新規登録を、指示通りにユーザに実施させてよいか否かを判断し、(2)実行された当該Checkクエリによる取得データ件数が0より大きかった場合には「True」、取得データ件数が0であった場合には「False」と判断し、当該判断結果が、レコードに含まれる結果FLGと一致するか否かを確認し、(3)当該確認結果が結果FLGと一致する場合には、データ新規登録を不可とする旨の判断結果を、当該レコードに含まれるメッセージと共に画像制御部102aへ転送し、当該確認結果が結果FLGと一致しない場合には、データ新規登録を可能とする旨の判断結果を画像制御部102aへ転送する。
【0038】
[B:データ修正登録時の業務チェック処理]
まず、確認部102bは、ダブルクリックを受けるか、またはEnterキーの押下を受けると、汎用業務チェックマスタから、処理区分が「修正」であるレコードを検索する。本説明では、処理区分が「修正」であるレコードは1件検索される。
【0039】
つぎに、確認部102bは、検索されたレコードに含まれるReplaceKeyとしてKey1「@okikae」が設定されており、さらに当該レコードに含まれるCheckクエリでは「銀行CD=’@okikae’」と指定されているので、当該Checkクエリにおける「@okikae」の部分を、領域MA22で選択された修正対象とするレコードに含まれる銀行CD「0001」に置き換え、当該置き換え後のCheckクエリ「SELECT * FROM 請求データ WHERE 銀行CD=’0001’」を実行する。これにより、「請求データ内にメンテナンス対象の銀行が存在するかどうか。」を判断する。
【0040】
つぎに、確認部102bは、実行された当該Checkクエリによる取得データ件数が0より大きかった場合には「True」、取得データ件数が0であった場合には「False」と判断し、当該判断結果が、検索されたレコードに含まれる結果FLGと一致するか否かを確認する。
【0041】
つぎに、確認部102bは、当該確認結果が結果FLGと一致する場合には、データ修正登録を不可とする旨の判断結果を、検索されたレコードに含まれるメッセージと共に画像制御部102aへ転送し、当該確認結果が結果FLGと一致しない場合には、データ修正登録を可能とする旨の判断結果を画像制御部102aへ転送する。
【0042】
[C:データ削除登録時の業務チェック処理]
まず、確認部102bは、ファンクションキーF3の押下を受けると、汎用業務チェックマスタから、処理区分が「削除」であるレコードを検索する。本説明では、処理区分が「削除」であるレコードは、Noが「2」のレコードとNoが「3」のレコードの計2件検索される。
【0043】
つぎに、確認部102bは、検索された上位のレコード(Noが「2」のレコード)に含まれるReplaceKeyとしてKey1「@okikae」が設定されており、さらに当該レコードに含まれるCheckクエリでは「銀行CD=’@okikae’」と指定されているので、当該Checkクエリにおける「@okikae」の部分を、領域MA22で選択された削除対象とするレコードに含まれる銀行CD「0001」に置き換え、当該置き換え後のCheckクエリ「SELECT * FROM 売上データ WHERE 銀行CD=’0001’」を実行する。これにより、「売上データ内にメンテナンス対象の銀行が存在するかどうか。」を判断する。
【0044】
つぎに、確認部102bは、実行された当該Checkクエリによる取得データ件数が0より大きかった場合には「True」、取得データ件数が0であった場合には「False」と判断し、当該判断結果が、検索された上位のレコードに含まれる結果FLGと一致するか否かを確認する。
【0045】
つぎに、確認部102bは、当該確認結果が結果FLGと一致する場合には、データ削除登録を不可とする旨の判断結果を、検索された上位のレコードに含まれるメッセージと共に画像制御部102aへ転送し、当該確認結果が結果FLGと一致しない場合には、データ削除登録を可能とする旨の判断結果を画像制御部102aへ転送する。
【0046】
つぎに、確認部102bは、検索された下位のレコード(Noが「3」のレコード)に含まれるReplaceKeyには何も設定されていないので、当該レコードに含まれるCheckクエリ「SELECT Count(*) as 件数 FROM 銀行マスタ WHERE 件数=1」をそのまま実行する。これにより、「銀行マスタに登録されている件数が1件かどうか。」を判断する。
【0047】
つぎに、確認部102bは、実行された当該Checkクエリによる取得データ件数が0より大きかった場合には「True」、取得データ件数が0であった場合には「False」と判断し、当該判断結果が、検索された下位のレコードに含まれる結果FLGと一致するか否かを確認する。
【0048】
つぎに、確認部102bは、当該確認結果が結果FLGと一致する場合には、データ削除登録を不可とする旨の判断結果を、検索された下位のレコードに含まれるメッセージと共に画像制御部102aへ転送し、当該確認結果が結果FLGと一致しない場合には、データ削除登録を可能とする旨の判断結果を画像制御部102aへ転送する。
【0049】
これにて、業務チェック処理の説明を終了する。
【0050】
つぎに、画面制御部102aは、確認部102bから転送された、新規データ登録、データ修正登録、またはデータ削除登録を可能とする旨の判断結果を受けると(ステップSA8:Yes)、
図7に示す新規データ登録時の汎用マスタメンテ画面MA、
図8に示すデータ修正登録時の汎用マスタメンテ画面MA、または
図9に示すデータ削除登録時の汎用マスタメンテ画面MAを作成してモニタ114に表示することで、汎用マスタメンテ画面MAを
図6の状態から
図7、
図8、または
図9の状態に変化(遷移)させる(ステップSA9)。
【0051】
ここで、ステップSA9で実施される処理について詳細に説明する。
【0052】
まず、画面制御部102aは、汎用Editマスタから、EditIDが領域MA1に表示の「MS_Ginkou」であるレコードを検索する。本説明では、検索されたレコードが、項目Noが「1」で項目名が「銀行CD」であるものと、項目Noが「2」で項目名が「銀行名称」であるものと、項目Noが「3」で項目名が「銀行名称カナ」であるものの計3件であるとする。
【0053】
つぎに、画面制御部102aは、検索された3件のレコードに含まれる各項目のデータ(設定値)に基づいて、「1 銀行CD」、「2 銀行名称」、および「3 銀行名称カナ」と題した3つのエディットボックスが領域MA2に配置された汎用マスタメンテ画面MAを作成する。なお、必要となる(エディットとして定義されている)項目数分のエディットボックスは固定座標に配置される。
【0054】
つぎに、画面制御部102aは、確認部102bから転送された判断結果が新規データ登録を可能とする旨のものである場合には、検索された3件のレコードの設定値に基づいて、当該3つのエディットボックスに初期値を出力する。本説明では、検索された3件のレコードには初期値が設定されていないものとするので、当該3つのエディットボックスには何も出力されない。
【0055】
つぎに、画面制御部102aは、当該出力後の
図7に示す汎用マスタメンテ画面MAを、モニタ114に表示する。これにより、汎用マスタメンテ画面MAは、
図6の状態から、「1 銀行CD」、「2 銀行名称」、および「3 銀行名称カナ」と題した入力可能な3つのエディットボックスが領域MA2に配置された
図7の状態に変化(遷移)する。
【0056】
一方、画面制御部102aは、確認部102bから転送された判断結果がデータ修正登録またはデータ削除登録を可能とする旨のものである場合には、汎用Mainマスタから、EditIDが領域MA1に表示の「MS_Ginkou」であるレコードを検索する。本説明では、検索されたレコードは、対象Tableが「MS_GINKOU」であるものとする。
【0057】
つぎに、画面制御部102aは、検索されたレコードに含まれる対象Table「MS_GINKOU」に対応するマスタを特定し、特定されたマスタ(本説明では、IDが「MS_GINKOU」である銀行マスタ)から、領域MA22で選択された修正対象または削除対象のレコードに含まれる銀行CD「0001」と紐付けられている銀行名称のデータおよび銀行名称カナのデータを抽出する。本説明では、銀行名称のデータとして「A銀行」が抽出され、銀行名称カナのデータとして「エイギンコウ」が抽出されたものとする。
【0058】
つぎに、画面制御部102aは、確認部102bから転送された判断結果がデータ修正登録を可能とする旨のものである場合には、領域MA22で選択された修正対象のレコードに含まれる銀行CD「0001」を「1 銀行CD」と題したエディットボックスに出力して、Key項目に関する当該エディトボックスをロックし、また、抽出された銀行名称「A銀行」および銀行名称カナ「エイギンコウ」をそれぞれ、「2 銀行名称」と題したエディットボックスおよび「3 銀行名称カナ」と題したエディットボックスに出力する。
【0059】
つぎに、画面制御部102aは、当該出力後の
図8に示す汎用マスタメンテ画面MAを、モニタ114に表示する。これにより、汎用マスタメンテ画面MAは、
図6の状態から、「1 銀行CD」と題したロックされた(入力不可の)エディットボックスならびに「2 銀行名称」および「3 銀行名称カナ」と題した入力可能な2つのエディットボックスが領域MA2に配置された
図8の状態に変化(遷移)する。
【0060】
一方、画面制御部102aは、確認部102bから転送された判断結果がデータ削除登録を可能とする旨ものである場合には、領域MA22で選択された削除対象のレコードに含まれる銀行CD「0001」、ならびに抽出された銀行名称「A銀行」および銀行名称カナ「エイギンコウ」をそれぞれ、「1 銀行CD」と題したエディットボックス、「2 銀行名称」と題したエディットボックス、および「3 銀行名称カナ」と題したエディットボックスにそれぞれ出力して、全ての当該エディットボックスをロックする。
【0061】
つぎに、画面制御部102aは、当該出力後の
図9に示す汎用マスタメンテ画面MAを、モニタ114に表示する。これにより、汎用マスタメンテ画面MAは、
図6の状態から、「1 銀行CD」、「2 銀行名称」、および「3 銀行名称カナ」と題したロックされた(入力不可の)3つのエディットボックスが領域MA2に配置された
図9の状態に変化(遷移)する。
【0062】
これにて、ステップSA9で実施される処理の説明を終了する。
【0063】
ユーザは、新規データ登録を指示した場合には、所望のデータを、
図7に示す汎用マスタメンテ画面MAに含まれる各エディットボックスにキーボード112を使用して入力し、入力が完了したら、登録(追加)を指示するために機能するファンクションキーF10を押下する。また、ユーザは、データ修正登録を指示した場合には、所望のデータを、
図8に示す汎用マスタメンテ画面MAに含まれる入力可能なエディットボックスにキーボード112を使用して入力し、入力が完了したら、登録(修正、上書き)を指示するために機能するファンクションキーF10を押下する。また、ユーザは、データ削除登録を指示した場合には、
図9に示す汎用マスタメンテ画面MAに含まれるロックされたエディットボックスに表示されたデータを確認し、確認が完了したら、登録(削除)を指示するために機能するファンクションキーF10を押下する。
【0064】
つぎに、登録部102cは、汎用マスタメンテ画面MAが
図7の状態の時にファンクションキーF10の押下を受けると(ステップSA10:Yes)、入力されたデータを、メンテナンス対象の銀行マスタに追加する(ステップSA11)。
【0065】
また、登録部102cは、汎用マスタメンテ画面MAが
図8の状態の時にファンクションキーF10の押下を受けると(ステップSA10:Yes)、メンテナンス対象の銀行マスタのデータを、入力されたデータで修正(上書き)する(ステップSA11)。
【0066】
また、登録部102cは、汎用マスタメンテ画面MAが
図9の状態の時にファンクションキーF10の押下を受けると(ステップSA10:Yes)、メンテナンス対象の銀行マスタのデータから、当該汎用マスタメンテ画面MAに表示されたデータを削除する(ステップSA11)。
【0067】
なお、画面制御部102aは、確認部102bから転送されたメッセージを受けると(ステップSA8:No)、当該メッセージが表示された
図10に示すエラーダイアログMBをモニタ114に表示し(ステップSA12)、当該エラーダイアログMBに含まれるOKボタンの押下を受けると(ステップSA13:Yes)、
図11に示す汎用マスタメンテ画面MAを作成してモニタ114に表示することで、汎用マスタメンテ画面MAを
図6の状態から照会時の
図11の状態に変化(遷移)させる(ステップSA14)。なお、ステップSA14で実施される処理については、上述した削除時の汎用マスタメンテ画面MAを作成・表示するときのものと共通しているので、その説明は省略する。
【0068】
これにて、メイン処理の一例の説明を終了する。
【0069】
なお、本説明では、銀行マスタをメンテナンス対象として新規データ登録、データ修正登録、またはデータ削除登録を行う場合を一例としたが、例えば汎用Mainマスタ・汎用Editマスタ・抽出条件マスタ・汎用業務チェックマスタ等の定義マスタをメンテナンス対象として新規データ登録、データ修正登録、またはデータ削除登録を行うことも同様に可能である。例えば、汎用Mainマスタをメンテナンス対象としてデータ修正登録を行った場合には、
図6に示す汎用マスタメンテ画面MAに代わって、
図12に示す汎用マスタメンテ画面MAが表示されると共に、
図8に示す汎用マスタメンテ画面MAに代わって、
図13に示す汎用マスタメンテ画面MAが表示される。また、例えば、汎用Editマスタをメンテナンス対象としてデータ修正登録を行った場合には、
図6に示す汎用マスタメンテ画面MAに代わって、
図14に示す汎用マスタメンテ画面MAが表示されると共に、
図8に示す汎用マスタメンテ画面MAに代わって、
図15に示す汎用マスタメンテ画面MAが表示される。
【0070】
また、汎用マスタメンテ画面MAの領域MA2に、抽出条件を選択・表示するための領域MA21が含まれていた場合には、ユーザは、領域MA21に含まれる選択ボタンを操作して所望の抽出条件を選択し、当該選択された抽出条件に基づくデータ抽出を指示することができる。例えば、
図6に示す汎用マスタメンテ画面MAが表示されている状態で、ユーザが、領域MA21に含まれる条件項目を選択させるための選択ボタンを、マウス112を使用して押下すると、画面制御部102aは、領域MA22に表示されている銀行マスタの項目が条件項目として列挙された
図16に示す条件項目選択画面MCをモニタ114に表示する。また、例えば、これと同様な状態で、ユーザが、領域MA21に含まれる演算子を選択させるための選択ボタンを、マウス112を使用して押下すると、画面制御部102aは、予め用意されている複数の演算子が列挙された
図17に示す演算子選択画面MDをモニタ114に表示する。
【0071】
また、最下部に「F9:出力」が表示されている、例えば
図6、
図12、または
図14に示す汎用マスタメンテ画面MAがモニタ114に表示されていたときは、ユーザは、ファンクションキーF9を押下し、領域MA22に表示されているデータのCSVファイル出力を指示することができる。例えば、
図6に示す汎用マスタメンテ画面MAが表示されている状態で、ユーザが、ファンクションキーF9を押下すると、画面制御部102aは、領域MA22に表示されているデータの件数が表示された
図18に示すファイル出力画面MEをモニタ114に表示する。そして、ファイル出力画面MEに含まれるOKボタンが押下されると、画面制御部102aは、ファイル出力画面MEで指定された格納先に、指定されたファイル名のCSVファイルであって領域MA22に表示されているデータを含むものを出力する。
【0072】
[3.本実施形態のまとめ、および他の実施形態]
以上、本実施形態によれば、(i)確認部102bが、データの新規登録の指示を受けた場合には、モニタ114に表示されている
図6の汎用マスタメンテ画面MAにおいてユーザにより選択されたメンテナンス対象のマスタに基づいて、また、データの修正または削除の指示を受けた場合には、当該メンテナンス対象のマスタと、当該汎用マスタメンテ画面MAにおいてユーザにより選択された、当該マスタ中のメンテナンス対象のデータとに基づいて、汎用業務チェックマスタから、当該指示に対応する処理区分のCkeckクエリで特定される処理を実行し、当該実行結果に基づいて当該指示を許可するか否かを確認し、(ii)画面制御部102aが、当該指示がデータの新規登録に関するものである場合において当該確認結果が当該指示を許可するというものであるときには、モニタ114に表示されている
図6の汎用マスタメンテ画面を、定義マスタ(少なくとも汎用Editマスタ)を参照して、データの入力が可能な状態の
図7の汎用マスタメンテ画面MAに遷移させ、また、当該指示がデータの修正または削除に関するものである場合には、モニタ114に表示されている
図6の汎用マスタメンテ画面を、定義マスタ(少なくとも汎用Editマスタ)を参照して、メンテナンス対象のデータが当該指示と当該確認結果とに応じた形態(入力可能または入力不可(ロック))で出力されている
図8、
図9、または
図11の汎用マスタメンテ画面MAに遷移させる。これにより、マスタメンテナンスの運用上好ましくない状況(例えば、「利用オペレータライセンス数の制限値を超えるオペレータが新規登録されることにより、不必要に多くのデータが登録されること」、「マスタ中のデータが請求データまたは売上データ等の実績データ中に存在している場合に当該マスタ中のデータの修正または削除が行なわれることにより、実績データとマスタとの間での整合性が担保できなくなること」、および「1件のデータのみのマスタに対して当該データの削除が行なわることにより、データの無いマスタが存在すること」、等)が起こることは無くなるので、マスタメンテナンスの運用上における利便性を向上させることができる。
【0073】
また、本実施形態によれば、1つのマスタメンテ画面MAで複数のマスタデータのメンテナンスが可能となる。また、メンテナンス対象となる各マスタデータのDB定義項目をデータ化することにより、定義マスタ自体のメンテナンスも容易に行なうことが可能となる。また、各々のマスタ毎に画面の開発を行なう必要が無いため、当該開発に掛かる工数・費用を削減することができる。また、マスタデータのカスタマイズはDB項目定義の設定変更のみで行なうことができるので、マスタメンテナンス装置100を安価且つ迅速にユーザに提供することが可能となる。
【0074】
さて、これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0075】
また、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0076】
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0077】
また、マスタメンテナンス装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0078】
例えば、マスタメンテナンス装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、後述する記録媒体に記録されており、必要に応じてマスタメンテナンス装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDなどの記憶部106などには、OS(Operating System)として協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0079】
また、このコンピュータプログラムは、マスタメンテナンス装置100に対して任意のネットワーク300を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0080】
また、本発明にかかるマスタメンテナンスプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USBメモリ、SDカード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM(登録商標)、CD−ROM、MO、DVD、およびBlu−ray Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0081】
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0082】
記憶部106に格納される各種のデータベース等(マスタ記憶部106aに格納される各テーブル等)は、RAM・ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベースおよびウェブページ用ファイル等を格納する。
【0083】
また、マスタメンテナンス装置100は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、該情報処理装置に任意の周辺装置を接続して構成してもよい。また、マスタメンテナンス装置100は、該情報処理装置に、本発明にかかるマスタメンテナンス方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0084】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。