(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
一般的なパチンコ遊技機として、所謂デジパチと呼ばれるものが知られている。
デジパチと称されるパチンコ遊技機においては、遊技球が打ち込まれて流下する遊技盤面に形成された遊技領域に始動入賞口が設けられ、当該始動入賞口に遊技球が入賞することに基いて、内部の主基板側の制御装置において、大当たり、はずれ(小当たりを含む場合がある)の抽選が行われ、抽選で大当たりになると遊技領域に設けられたアタッカが開放して、アタッカに遊技球が入賞可能になる大当たり状態になる。
【0003】
このようなデジパチにおいては、上述の抽選による大当たりまたははずれの報知に特別図柄(特図)を変動表示した後に大当たりの特図またははずれの特図を停止表示する特図の変動表示ゲーム(特図ゲーム)が特図表示器に表示されるようになっている。
【0004】
また、デジパチには、演出用の液晶表示装置である可変表示装置が設けられ、この可変表示装置においても上述の特図ゲームと同時に同じ結果になる演出用の装飾図柄の変動表示ゲームが表示されるようになっている。
また、デジパチにおいては、特図ゲームと並行して、普通図柄(普図)の変動表示ゲーム(普図ゲーム)が行われるようになっている。上述の制御装置においては、特図ゲームに対応する大当たりまたははずれの抽選とは別に、普図ゲームの当たりまたははずれの抽選が行われる。
【0005】
この普図ゲームの抽選は、上述の始動入賞口とは別に設けられた始動ゲート(スルーチャッカ)を通過する遊技球が検知されることに基いて行われる。また、普図ゲームが抽選で当たりになった場合には、アタッカではなく、上述の始動入賞口に設けられた所謂電動チューリップ(電チュー)を開放するようになっている。これにより、始動入賞口への遊技球の入賞率が高まり、特図ゲームの開始機会が増えるようになっている。
【0006】
また、所謂確変状態や時短状態において、普図ゲームが当たりになる機会が増加し、さらに、電チューの開放時間が長くなることによって、電チユーに遊技球が入賞しやすい状態になる電チューサポート(電サポ)が行われるようになっている。
なお、電サポ状態では、上述の普図ゲームのゲーム時間(変動表示時間+停止表示時間)が短くなり、単位時間当たりの始動ゲートへの遊技球の通過数に制限されるが、単位時間当たりの普図ゲームの実行数が多くなる。また、普図ゲームの当たり確率が、連続して当たりが発生する場合が頻繁に生じる程度に極めて高くなる。また、一回の当たりに対する電チューが開放している時間が長くなる。
また、このようなデジパチでは、特図ゲームで大当たりになって、アタッカが長い期間開放されるラウンドを例えば15ラウンド程度行うことによって大量の遊技球を獲得可能になる。
【0007】
また、上述のような電サポ状態になると、電チユーを備える始動入賞口に遊技球が多く入賞するようになり、特図ゲームの開始機会が増加するとともに、始動入賞口への遊技球の入賞で賞球を得ることができる。
しかし、開放したアタッカへの遊技球の入賞数の方が開放された電チューへの入賞数より多くなるように設定されるとともに、入賞に対する賞球もアタッカの方が多くされている。これにより、大当たり状態になって開放されたアタッカに遊技球が入賞した場合には、多くの遊技球を獲得可能になり、遊技者が保持する遊技球が増加するが、電サポ状態で電チューに遊技球が入賞した場合には、比較的多くの遊技球を獲得可能であるが、遊技球が増加するまでには至らない可能性が高い。
【0008】
また、抽選で決定される大当たりには、例えば、確変大当たりと、通常大当たりとがある。確変大当たりになった場合には、アタッカを開放する大当たり状態が終了した後の遊技状態が確変状態になり、大当たりになる確率が通常より高い高確率状態になるとともに上述の電サポが行われる電サポ状態になる。一方、通常大当たりになった場合には、大当たり状態後の遊技状態が、大当たりになる確率が上述の高確率より低い低確率状態になるとともに、電サポが無い通常状態になる。
【0009】
ここで、確変大当たりが連続して発生すれば、確変状態が維持されるが、通常大当たりが発生すると確変状態は終了してしまう。なお、大当たり状態中は、基本的に通常状態であり、確変大当たりが連続して発生することにより、確変状態が連続する際も大当たり状態中だけは通常状態になる。
【0010】
大当たりになった場合に、確変大当たりになる確率と、通常大当たりになる確率が機種によって異なるが、極めて高い確率で確変大当たりになる機種も知られている。このような機種では、確変大当たりの連続回数に制限が設けられている場合があり、所定回数連続して確変大当たりが発生した後の次に大当たりが発生した際には、確変大当たりにならずに通常大当たりになるものが知られている。
【0011】
このようなデジパチにおいては、どの機種においても同様の遊技性になり、他の機種との間で遊技性に差をつけることが難しいが、基本的な遊技の条件を変えることなく、異なった遊技性になる遊技機も開発されている。
そのような機種として、特図ゲームではなく、普図ゲームを可変表示装置に表示するとともに、上述の確変状態になる確変大当たりをリミッタが作動するまで高い確率でループ状に繰り返し発生させるパチンコ遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0012】
このパチンコ遊技機では、基本的にリミッタが作動する繰り返し回数になるまで、確変大当たりがループするように繰り返し発生し、かつ、リミッタ作動前に確変状態が途切れて時短状態になった場合に、リミッタになる回数をリセットして再びリミッタの回数一杯まで確変状態がループするように制御している。また、リミッタ作動時も大当たり状態後に時短状態になった場合には、再び、リミッタが作動するまで確変大当たりの発生をループするようにしている。また、普図ゲームがメインのゲームとして可変表示装置に表示されるので、普図ゲームが当たりになった場合に、電チューが開放するとともに、この際に極めて高い確率で遊技球が入賞して特図ゲームを開始可能とするとともに、特図ゲームの当たりの抽選確率を略100%として、普図ゲームが当たった場合に特図ゲームがほぼ大当たりになるようにしている。
【0013】
特許文献1に示されるパチンコ遊技機に類似して、以下のようなパチンコ遊技機が知られている。
このパチンコ遊技機においては、例えば、普図ゲーム用の始動ゲートが、一般的には、特図ゲーム用の始動口が配置される場所に配置される。例えば、始動ゲートは、遊技盤面の左右の中央で可変表示装置の下方に配置される。また、始動ゲートには、右打ち用も設けられており、右打ち用の始動ゲートは、遊技盤面の右上部に配置されている。
【0014】
また、遊技盤面の右側の下部には、電チューが配置され、その上にアタッカが配置され、その上に上述の右側の始動ゲートが配置されている。
また、電チューが特図ゲームの始動口になるが、この電チューは、開放時にだけ遊技球が入賞可能になっている。
【0015】
この遊技機においては、普図ゲームの抽選の大当たり確率が通常状態では1/100〜300程度の所定確率で、電サポ状態(確変状態および時短状態)では、略1で、例えば、はずれる確率が1/1000以下になっている。
また、特図ゲームの抽選確率も略1になっており、はずれる確率は電サポ状態の普図ゲームの抽選より低くなっている。また、特図ゲームの当たりには、電サポ有りの確変大当たりと、大当り状態後100回程度の時短付き通常大当たりと、電サポなしの確変大当たりとがある。
【0016】
ループ中ではない通常時または電サポなしの確変時には、基本的に略50%の割合で、電サポなしの確変状態になり、残りのほぼ50%の確率で電サポ有りの確変時状態または電サポ有りの通常状態(時短状態)になる。
なお、確変大当たりにおける高確率状態での大当たり確率と、通常大当たりにおける低確率状態における大当たり確率とには、少しだけ差がついているが、ほぼ同様の大当たり確率になっており、実質的には確変状態と通常状態とで大当たり確率に差がない。
【0017】
また、大当たりは、全て所謂2ラウンド大当たりであり、大当たり状態になっても、アタッカが短い時間2回開放するだけで、大当たり状態になっている時間が短い。したがって、大当たり状態中に、遊技球がアタッカに入賞しない場合もある。
また、一度確変大当たり(電サポ有り)または時短付き通常大当たりが発生すると、すなわち、電サポ有りの状態になると以後は、90%以上の確率で10〜20回(最初の電サポを発生させた大当りを含む)程度をリミットとする確変大当たりのループが発生する。すなわち、確変大当たりが15回程度ループするようになっている。
【0018】
なお、リミッタ有りのループ状態になるには、電サポ有りの確変状態もしくは時短状態になる必要があり、基本的に電サポによる普図ゲームの確変状態がループしている状態になる。
また、確変大当たりのループ中に10%以下の確率で発生する通常大当りは、大当たり状態後に時短が100回程度発生する仕様になっている。時短付通常大当りが発生した場合には、再び確変大当たりの15回ループになる。すなわち、通常大当たりが発生することによって、確変大当たりのループが途切れることになるが、時短状態になることによって、再びリミッタ付きのループが開始されることになり、ループの残り回数が15回より少なくなっていても再びループの残り回数が15回になる。
【0019】
このような遊技機では、電源投入時に、例えば、遊技状態が通常状態になっており、大当たり確率が低確率状態で電サポなしの状態になっている。この状態で、始動ゲートを遊技球が通過すると、上述の所定の確率で普図ゲームが当たりになる。
また、可変表示装置には、上述のように特図ゲームに対応する変動表示ゲームではなく、普図ゲームに対応する変動表示ゲームが表示されており、普図ゲームが当たりになった際に、可変表示装置に表示されている変動表示ゲームも当たりになる。
【0020】
この可変表示装置における変動表示ゲームが当たりになった後に、電チューが開放する。電チューの開放時間は、2ラウンド当たりの際のアタッカの開放時間より長く、右打ちをした場合に、5,6個以上の遊技球の電チューへの入賞が可能になっている。
この際に、特図ゲームの始動入賞口に遊技球が入賞したことにより特図ゲームが開始されるとともに、特図ゲームの抽選が行われ、上述のように高い抽選確率で大当たりになる。
【0021】
この際に、電サポ有りの大当たりになる確率が約50%であり、電サポ無しの大当たりになる確率が約50%である。電サポなしの大当たりになった場合には、電サポなしの確変大当たりになり、特図ゲームの大当たり確率が少しだけ高くなるが、実質的に大当たり確率はほとんど変化無く、内部的に高確率状態になっているだけである。この場合には、電サポ無しなので、リミッタ有りの確変のループ状態とはならない。
【0022】
したがって、再び、普図ゲームで当たりになるまでは、電源投入時と略同様の遊技が続くことになる。
また、電サポ有りの大当たり(確変大当たり、時短付き通常当たり)になった場合には、確変大当たりの15回リミットのループ状態になる。
【0023】
この場合に右打ちの状態を保持することにより、右側の始動ゲートを遊技球が通過することによって、普図ゲームが開始されるとともに抽選で極めて高い確率で当たりになり、電チューが開放し、右打ちを保持することによって例えば5,6個の遊技球が入賞する。
【0024】
この際に、再び、特図ゲームが大当たりになり2ラウンドだけアタッカが開放する。また、特図ゲームは、上述のように90%以上の確率で電サポ有りの確変大当たりになり、電サポ状態が継続する。
なお、基本的には、電サポ中は、普図ゲームも特図ゲームもほぼはずれない状態になっており、普図ゲームが開始されると電チューが開放し、電チューへの遊技球の入賞で特図ゲームが開始されてアタッカが開放することを繰り返すことになる。なお、普図ゲームや特図ゲームがはずれるようなことがあっても、基本的に電サポ状態が維持されているので、次に当たることによって、上述のようなゲームの流れは維持される。
【0025】
また、電チューが開放して遊技球が入賞した場合には、特図ゲームが開始されるとともに特図ゲームが大当たりになる。この際に普図ゲームでは当たり後のエンディングの演出が行われており、その間に特図ゲームが当たりになってアタッカが2回開放して閉塞することになる。したがって、後述の場合を除いて、次の普図ゲームが開始される前に大当たり状態が終了していることになる。
したがって、ループ中は、電チューが開放した後にアタッカが開放する状態を繰り返すことになる。
【0026】
また、上述のようにループ中に特図ゲームが時短有りの通常当たりになった場合には、ループ継続でかつリミッタが更新になり、再び、リミッタが15回になる。したがって、実質的なループ回数が増加することになる。
15回の特図の大当たりによりリミッタが作動した際には、特図ゲームは通常大当たりになるが、60%の抽選確率で時短、すなわち、電サポ状態になる。この場合には、再び、リミッタが15になってループが継続した状態になる。
【0027】
時短に当選しなかった場合には、電サポ無しの通常状態になり、特図ゲームおよび普図ゲームがそれぞれ低確率状態になる。なお、特図ゲームは、低確率状態と高確率状態での差がほとんどない。
この状態では、再び右打ちを止めて左打ちとし、左右の中央の始動ゲートに遊技球を通過させ、上述の所定の確率で普図ゲームの大当たりを待つ状態になる。
【0028】
このような遊技機においては、従来と同様に普図ゲームと特図ゲームとを行うものでありながら、普図ゲームの当たりを契機として遊技球の獲得が可能になるとともに、従来の特図ゲームの一回の大当たりで得られる程度の遊技球を、15回以上の連続する普図ゲームの当たりおよび特図ゲームの大当たりで得るようになる。
【0029】
したがって、遊技者には、15回以上続く一連の普図ゲームの当たりおよび特図ゲームの大当たりで遊技球を増加させることになり、全く従来と異なる遊技性を示す遊技機になる。また、大当たりが連続してもアタッカへの遊技球の入賞数が少ない。すなわち、アタッカに遊技球が入賞する機会が多くない2ラウンド大当たりが連続して発生することになるので、特図ゲームの一回の大当たりに対する遊技球の払い出しは、従来の15,6ラウンドの大当たり状態に比較して、極めて少なく大当たりを多数連続して発生させても、遊技者に有利になりすぎることがない。
【0030】
実際の遊技球の払い出しは、主に電チューへの遊技球の入賞に基いて行われるが、一回の特図ゲームの大当たりに対して、基本的に普図ゲームの当たりが一回発生するだけなので、普図ゲームの当たりによる電チューの開放回数も限られ、この際に獲得可能な遊技球も多くはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
ところで、このような遊技機では、確変大当たりがループしていない通常状態では、普図ゲームが可変表示装置で変動表示ゲームとして表示される。可変表示装置では、普図ゲームに対してリーチ演出表示等が行われるようになっており、リーチ演出に十分な時間を確保するために普図ゲームの変動表示時間をそれなりに長いものとする必要がある。たとえば、リーチ演出は、数十秒から数分程度の時間だけ行われる場合が多い。
【0033】
また、普図ゲームが当たりになると、電チューが開放し、電チューに遊技球が入賞することによって特図ゲームが開始されるとともに極めて高い確率で大当たりになるが、電サポ有りの大当たりにならなければ、また、通常の状態に戻ってしまうことになる。上述のように確変大当たりがリミッタが作動するまでループする状態になるには、低確率状態での所定の確率で普図ゲームが当たりになって、電チューが開放し、特図ゲームの始動口としての電チューに遊技球が入賞して、約1/2程度の確率で特図ゲームが電サポ有りの大当たりになる必要がある。
【0034】
ここで、普図ゲームと特図ゲームとは並行して行われることになるが、例えば、上述の確変大当たりを繰り返すループ状態になっている際に、普図ゲームは、例えば、従来と同様に4回を上限として保留される。すなわち、普図ゲーム中や、電チューを開放させる当たり状態中に、遊技球が始動ゲートを通過した場合に、直ぐに普図ゲームが開始されないので、普図ゲームが保留される。
【0035】
普図ゲームが保留されている状態で、はずれの普図ゲームが終了した際や、当たりの普図ゲームが終了し、かつ、電チューが開放する当たり状態が終了した際に普図ゲームが開始される。この普図ゲームが開始される際に、電サポ状態になっていれば、普図ゲームのゲーム時間として短い時間が設定され、直ぐに普図ゲームが当たりで終了して電チューが開放する。また、電サポ状態中は特図ゲームのゲーム時間も短く、特図ゲームが開始されて直ぐに当たりになってアタッカが開放することになる。
【0036】
したがって、ループ中は、電サポ状態になっているので、あまり間隔をあけずに、電チューの開放とアタッカの開放とが繰り返される状態になる。
しかし、短い時間であるが特図ゲームが当たりになってアタッカが2回開閉する大当たり状態中は、電サポ状態にならない。すなわち、見かけ上、ループ中に大当たり状態が発生するたびに、電サポ状態が中断することになる。
【0037】
大当たり状態中に次の特図ゲームが開始されない設定になっているが、普図ゲームは、特図ゲームの大当たり状態中でも普図ゲーム中でなく、かつ、当たり状態(電チューの開放)中でなければ開始されてしまう。
例えば、普図ゲームは、保留数が1以上ならば上述のように普図ゲームの終了および当たり状態の終了で開始され、電サポ状態中は、短時間で電チューが開放し、電チューが開放中に始動口に遊技球が入賞して特図ゲームが開始され、短時間で当たりになってアタッカが開放する。
【0038】
この際に普図ゲームの当たり状態には、電チューが開放してから閉塞した後にエンディング時間が設定されており、電チューが閉塞した後もこのエンディング時間中は、当たり状態中として普図ゲームが開始されない。このエンディング時間の間にアタッカが開放する大当たり状態が終了し、普図ゲームが開始可能になった際には、大当たり状態後の電サポ中になり、普図ゲームが短時間で終了して上述のように電チューが開放される。
【0039】
基本的にこの状態が繰り返されるが、例えば、普図ゲームが当たりになって電チューが開放した際に、たまたま遊技球の発射を停止していたり、遊技球が撥ねて電チューに直ぐに入賞しなかったりすると、電チュの開放時間の後半に遊技球が入賞するような状態になる。この場合に、上述の普図ゲームの当たり状態のエンディングの終了時に、未だ特図ゲームが大当たり状態になっている可能性が生じる。
【0040】
この場合に、大当たり状態中に普図ゲームが開始され、この際に電サポ中以外に選択される長い変動表示時間が選択されてしまう。なお、この際に選択される変動表示時間には、例えば、上述のリーチ演出用のかなり長いものも含まれている。いずれにしろ、普図ゲームのゲーム時間は、電サポ中に比べて何倍も長いものになってしまい、上述のように電チューの開放とアタッカの開放が短い間隔で繰り返している際に、突然、電チューが開放しない状態になる。この場合に、電サポ以外の期間で開始された普図ゲームは、上述のように低確率状態での所定の確率で当たりになるので、はずれになる可能性方が高い。したがって、電チューが開放するのは、基本的に次の普図ゲームが大当たり状態後の電サポ中に開始されて当たりになった際である。
【0041】
この場合に、上述のループ中にアタッカの開放から電チューの開放までの間隔が長くなってしまい、遊技者には、大当たりが繰り返す特別の期間(ループ中)が終了したと思われる可能性がある。また、再び、電チューが開放して元のループの状態と同じ状態に戻るので、少なくとも特別の期間が中断した状態に見えてしまう。すなわち、電チューとアタッカとが順次短い間隔で開放していく特別な遊技モードを発生可能な遊技機において、突然電チューが開放しない状態が発生し、遊技者に特別な遊技モード(電サポのループ)の終了や中断と判断されることによって、遊技者を戸惑わせることになる。
【0042】
また、普図ゲームは、上述のように保留されるとともに保留される普図ゲームの数に上限があるので、電サポのループ中に長い変動表示時間の普図ゲームが行われると、普図ゲームの保留数が上限になって、遊技者が遊技球の発射を中断する原因になる。遊技者の遊技球の発射の中断によりパチンコ遊技機の稼働率が低下してしまう。
【0043】
また、上述の特許文献1では、大当たり状態中に普図ゲームを開始しないことが提案されている。この場合に、電サポのループ中であっても電サポがない大当たり状態中は、普図ゲームが開始されないので、電サポのループ中に長い変動表示時間の普図ゲームが開始されることがない。しかし、この場合にも、普図ゲームが開始されないことにより、普図ゲームの保留数が上限になって、遊技者による遊技球の発射の中断の原因になり、パチンコ遊技機の稼働率が低下する虞がある。
【0044】
また、普図ゲームは、基本的に特図ゲームと独立した状態で、特図ゲームと並行して行われることによって、パチンコ遊技機の遊技の多様性を生み出しているものであり、これによりパチンコ遊技機の遊技性を向上している。したがって、特図ゲームの状態に対応して普図ゲームの保留数が0でもないのに、普図ゲームが止まっている状態が発生すると、遊技者を戸惑わせることになる。
【0045】
本発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、電サポ有りの確変大当たりがループして、アタッカ(特別変動入賞装置)と、電チュー(普通変動入賞装置)とが、順次開放する特別な期間中に、普通変動入賞装置を開放させる普図ゲームが電サポ状態になっていないアタッカ作動中に開始されることによって、普通変動入賞装置の開放に長いブランクが生じ、特別な期間が突然終了もしくは中断したと遊技者に思われるのを防止するとともに、長い普図ゲーム中に遊技者が遊技球の発射を中断するのを防止できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0046】
請求項1に記載の遊技機は、第1ゲームの当たりおよびはずれを抽選で決定する第1ゲーム抽選手段と、
開閉自在で、開状態になった際に遊技球の入賞が容易になる第1変動入賞装置と、
前記第1ゲーム抽選手段の抽選により当たりになる前記第1ゲームが終了する際に前記第1変動入賞装置を閉から開にさせ再び閉に戻す開閉動作を第1の所定回数だけ行なわせる第1当たり状態を発生させるように制御する第1変動制御手段と、
第2ゲームの当たりおよびはずれを抽選で決定する第2ゲーム抽選手段と、
開閉自在で、開状態になった際に遊技球の入賞が容易になる第2変動入賞装置と、
前記第2ゲーム抽選手段の抽選により当たりになる前記第2ゲームが終了する際に前記第2変動入賞装置を閉から開にさせ再び閉に戻す開閉動作を第2の所定回数だけ行なわせる第2当たり状態を発生させるように制御する第2変動制御手段と、
前記第1ゲーム中および前記第1当たり状態中を除く期間中であることを含む所定の第1開始条件の成立時に前記第1ゲームを開始し、かつ、前記第1ゲームの開始から終了までの時間である複数の第1ゲーム時間から一つの前記第1ゲーム時間を選択し、前記第1ゲームの開始から選択された前記第1ゲーム時間が経過した際に前記第1ゲームを終了する第1ゲーム制御手段と、
前記第1変動入賞装置に遊技球が入賞し、かつ、前記第2ゲーム中および前記第2当たり状態中を除く期間中であることを含む所定の第2開始条件の成立時に前記第2ゲームを開始し、かつ、前記第2ゲームの所定の第2終了条件の成立時に
前記第2ゲームを終了する第2ゲーム制御手段と、
前記第2当たり状態後の前記第1ゲーム抽選手段による前記第1ゲームの当たりの抽選確率の状態を、低い
前記抽選確率の状態である第1低確率状態
(低確状態)にするか、前記抽選確率が前記第1低確率状態の
前記抽選確率より高い
前記抽選確率の状態である第1高確率状態
(高確状態)にするように制御し、かつ、
前記第2当たり状態中の前記抽選確率の状態を前記第1低確率状態とする第1ゲーム抽選確率制御手段とを備え、
前記第1ゲーム制御手段は、前記
第1低確率状態中に選択される前記第1ゲーム時間である
低確率時(低確時)第1ゲーム時間より、
前記第1高確率状態中に選択される前記第1ゲーム時間である
高確率時(高確時)第1ゲーム時間を短くする遊技機において、
前記第1ゲーム制御手段は、前記第1低確率状態の場合に、前記第2当たり状態後に開始される
前記第1ゲームの回数である第2当たり後第1ゲーム数が所定の第2当たり後第1ゲーム数以内の前記第1ゲームに対して、前記
低確率時第1ゲーム時間に代えて前記
低確率時第1ゲーム時間より短い
前記第1ゲーム時間である
低確率時短縮第1ゲーム時間を選択することを特徴とする。
【0047】
請求項1に記載の発明においては、第1ゲーム(普図ゲーム)の遊技状態に、第1高確率状態(電サポ有り)と、第1低確率状態(電サポ無し)とがあり、第1低確率状態より第1高確率状態の方が第1ゲームが当たりになる確率が高くなっている。また、第1低確率状態における第1ゲームのゲーム時間である低確時第1ゲーム時間より、第1高確率状態における第1ゲームのゲーム時間である高確時第1ゲーム時間の方が短くなっている。
【0048】
すなわち、電サポ中の方が第1ゲームの当たり確率が高くかつ第1ゲームのゲーム時間が短くなっている。
このような遊技機において、第2ゲームが当たりになって、第2変動入賞装置(電チュー)を開放する第2当たり状態が発生し、この第2当たり状態が終了した後に開始される所定回数(所定の当たり後第1ゲーム数)の第1ゲームのゲーム時間を低確時第1ゲーム時間より短い低確時短縮第1ゲーム時間としている。
【0049】
これを上述のような従来のパチンコ遊技機に応用した場合に、上述のように電サポ有りの確変大当たり(第2ゲームの当たり)のループ中に第1変動入賞装置(電チュー)が開放した際に、電チューに遊技球が入賞して第2ゲーム(特図ゲーム)が開始されるとともに短い第2ゲーム時間が終了して極めて高い確率で大当たりになり、第2当たり状態中の動作として第2変動入賞装置(アタッカ)が例えば短い時間2回開閉する。また、電サポ有りの確変大当たりは、繰り返し行われるので、第1ゲームの第1当たり状態と、第2ゲームの第2当たり状態とが繰り返されることになる。
【0050】
また、第1変動入賞装置が閉塞してからエンディング時間が経過した際に、第1当たり状態が終了したものとし、第1ゲームを開始可能になる(普図保留数が1以上)。
この際に、上述の第2当たり状態が終了していれば、ループ中は、例えば、第1高確率状態で第1ゲームが開始されるが、第2当たり状態中であった場合には、第1低確率状態で第1ゲームが開始される。この際に、第2当たり状態が繰り返されている状況では、開始される第1ゲームは、前の第2当たり状態が終了してから例えば一回目またはニ回目等の第1ゲームとなる可能性が高い。すなわち、第2当たり状態が終了してから所定回数目以内(所定の第2当たり後第1ゲーム数以内)の第1ゲームが、次に発生する第2当たり状態中に発生する可能性がある。
この所定回数目以内の第1ゲームに対しては、第1低確率状態であっても、低確時第1ゲーム時間ではなく、低確時第1ゲーム時間より短い低確時短縮第1ゲーム時間で第1ゲームが行われる。
【0051】
すなわち、第2当たり状態中に第1ゲームが開始されることにより、長い低確時第1ゲーム時間を選択せずに、それより短い低確時短縮第1ゲーム時間が選択される。
これにより、電チューとアタッカが交互に短い時間隔で開放する状態が長い低確時第1ゲーム時間の間だけ中断するのを防止できる。
【0052】
なお、低確時短縮第1ゲーム時間は、短いことが好ましいが、あまり短いと、第1当たり状態後に低確時短縮第1ゲーム時間が経過しても、未だ第2当たり状態中になってしまう。この場合に、低確時短縮第1ゲーム時間を取得可能な上述の第1当たり状態後に開始される第1ゲームの回数である当たり後第1ゲーム数を多く設定しなければならない。
【0053】
請求項2に記載の遊技機は、請求項1記載の発明において、前記第1ゲーム制御手段は、前記第1ゲーム開始時の当該第1ゲームの
前記抽選確率の状態が
前記第1低確率状態か
前記第1高確率状態かを判定する第1抽選確率判定手段と、
開始される
前記第1ゲームが、前記所定の第2当たり後第1ゲーム数以内の前記第1ゲームか、前記所定の第2当たり後第1ゲーム数より後の前記第1ゲームかを判定する第1ゲーム数判定手段と、
前記第1ゲーム開始時に、前記第1ゲーム時間を選択する際に用いられ、選択すべき前記第1ゲーム時間が登録されたデータテーブルとして、
前記所定の第2当たり後第1ゲーム数より後の前記第1ゲームで前記第1高確率状態の場合に用いられるとともに前記
高確率時第1ゲーム時間が登録されている
高確率時通常テーブル、
前記所定の第2当たり後第1ゲーム数より後の前記第1ゲームで前記第1低確率状態の場合に用いられるとともに前記
低確率時第1ゲーム時間が登録されている
低確率時通常テーブル、
前記所定の第2当たり後第1ゲーム数以内の前記第1ゲームで前記第1高確率状態の場合に用いられるとともに前記
高確率時第1ゲーム時間と略同じ前記第1ゲーム時間である
高確率時短縮第1ゲーム時間が登録されている
高確率時短縮テーブル、
前記所定の第2当たり後第1ゲーム数以内の前記第1ゲームで前記第1低確率状態の場合に用いられるとともに前記
低確率時第1ゲーム時間より短く、前記
高確率時第1ゲーム時間より長い前記第1ゲーム時間である前記
低確率時短縮第1ゲーム時間が登録されている
低確率時短縮テーブルが記憶されたテーブル記憶手段と、
前記第1抽選確率判定手段により前記第1
高確率状態と判定され、かつ、前記第1ゲーム数判定手段により前記所定の第2当たり後第1ゲーム数より後の前記第1ゲームと判定された前記第1ゲームが開始される際に前記
高確率時通常テーブルに登録された前記
高確率時第1ゲーム時間を選択し
前記第1抽選確率判定手段により前記第1
低確率状態と判定され、かつ、前記第1ゲーム数判定手段により前記所定の第2当たり後第1ゲーム数より後の前記第1ゲームと判定された前記第1ゲームが開始される際に前記
低確率時通常テーブルに登録された前記
低確率時第1ゲーム時間を選択し、
前記第1抽選確率判定手段により前記第1
高確率状態と判定され、かつ、前記第1ゲーム数判定手段により前記所定の第2当たり後第1ゲーム数以内の前記第1ゲームと判定された前記第1ゲームが開始される際に前記
高確率時短縮テーブルに登録された前記
高確率時短縮第1ゲーム時間を選択し、
前記第1抽選確率判定手段により前記第1
低確率状態と判定され、かつ、前記第1ゲーム数判定手段により前記所定の第2当たり後第1ゲーム数以内の前記第1ゲームと判定された前記第1ゲームが開始される際に前記
低確率時短縮テーブルに登録された前記
低確率時短縮第1ゲーム時間を選択する第1ゲーム時間選択手段とを備えることを特徴とする。
【0054】
請求項2に記載の発明においては、上述のような従来のパチンコ遊技機と同様に、例えば、第1ゲームが当たりになって第1変動入賞装置が開放して遊技球が入賞することにより、第2ゲームが開始されて当たりになって第2変動入賞装置が開放する第2当たり状態が発生して終了する。
【0055】
この際に、第1ゲームが第2当たり状態中の第1低確率状態で発生する場合と、第2当たり状態終了後の第1高確率状態で発生する場合とがある。
この際に、所定の第2当たり後第2ゲーム数以内の第1ゲームのゲーム時間を全て低確時短縮第1ゲーム時間としてもよいが、この場合に第1高確率状態になっているにも係らず、高確時第1ゲーム時間より長い低確時短縮第1ゲーム時間が選択されることによって、第1変動入賞装置の開放が少し遅れることになる。
【0056】
そこで、所定の第2当たり後第1ゲーム数以内の第1ゲームであっても、第2当たり状態終了後の第1高確状態に開始される第1ゲームについては、高確時第1ゲーム時間と略同様の高確時短縮第1ゲーム時間を選択する。これにより、所定の第2当たり後第1ゲーム数以内の第1ゲームについては、ゲーム時間が登録されたデータテーブルとして、通常時と異なるデータテーブルを用いて、第1ゲーム時間を設定するものとしても、高確時に開始された第1ゲームのゲーム時間が長くなるのを防止することができる。
【0057】
また、第1ゲームのゲーム時間の設定に際しては、所定の第2当たり後第1ゲーム数以内の第1ゲームかそれより後の第1ゲームかで、特殊なデータテーブルを用いるか、通常時のデータテーブルを用いるかが判定される。所定の当たり後第1ゲーム数以内の第1ゲームでは、特殊なデータテーブルが用いられるが、この特殊なデータテーブルには、上述のように低確時短縮テーブルと、高確時短縮テーブルとがある。
【0058】
所定の第2当たり後第1ゲーム数以内の第1ゲームには、第2当たり状態中の第1低確率状態の場合に低確時短縮第1ゲーム時間が登録された低確時短縮テーブルが選択され、第2当たり状態後の第1高確率状態の場合に高確時短縮第1ゲーム時間が登録された高確時短縮デーぶるが選択される。
【0059】
同様に、所定の第2当たり後第1ゲーム数より後の第1ゲームに対しては、通常の低確率状態の場合に低確時第1ゲーム時間が登録された低確時通常テーブルが選択され、電サポ有りの確変大当たりのループ中の高確率状態の場合に高確時第1ゲーム時間が登録された高確時通常テーブルが選択されることになる。なお、例えば、電サポ有りの確変大当たりのループ中に、当たりの普図ゲームが繰り返し行われている状態では、基本的に、高確時短縮テーブルの高確時短縮第1ゲーム時間が選択され、高確時通常テーブルの高確時第1ゲーム時間は選択されない。
以上のことから、データテーブルの切替により、各状態に対応して適切な第1ゲーム時間を設定することができる。
【0060】
請求項3に記載の遊技機は、請求項2に記載の発明において、前記第1ゲーム抽選手段は、前記第1低確率状態で前記第1ゲームが当たりになる
前記抽選確率を、前記第1低確率状態で前記第1ゲームがはずれになる抽選確率より低くし、かつ、前記第1高確率状態で前記第1ゲームが当たりになる
前記抽選確率を、前記第1高確率状態で前記第1ゲームがはずれになる
前記抽選確率より高くし、
前記第2ゲーム抽選手段における前記第2ゲームの当たりになる抽選確率を、前記第1高確率状態で
前記第1ゲームが当たりになる
前記抽選確率より高くし、
前記第1ゲーム抽選確率制御手段は、前記第1低確率状態で当たりになる前記第2ゲームが開始される際に、当該第2ゲームで当たりになって前記第2当たり状態になった後の前記第1ゲーム抽選手段における前記第1ゲームが当たりになる
前記抽選確率を
前記第1高確率状態にするかまたは
前記第1低確率状態にするかを確率抽選により決定し、
かつ、前記確率抽選で
前記第1高確率状態が抽選された場合に、それ以後の前記第2ゲームで発生する
所定回数の前記第2当たり状態後の前記第1ゲームで当たりになる
前記抽選確率の状態を
前記第1高確率状態とし、
前記第1ゲーム時間選択手段は、前記第1当たり状態中に前記第1変動入賞装置に遊技球が入賞することに基いて開始される前記第2ゲームが当たりになって前記第2当たり状態が発生し、前記第2当たり状態中であることにより前記第1
低確率状態になっている場合に、前記第1ゲームが開始される際に、当該第1ゲームに対して、現状の
前記第2当たり状態の前の前記第2当たり状態の終了後から前記所定の第2当たり後第1ゲーム数以内の前記第1ゲームであることを条件に、前記低確率時短縮テーブルを用いて前記
低確率時短縮第1ゲーム時間を選択し、
かつ、前記第1高確率状態で前記第1ゲームが開始される際に、当該第1ゲームに対して、前記第2当たり状態の終了後から前記所定の第2当たり後第1ゲーム数以内の前記第1ゲームであることを条件に、前記高確率時短縮テーブルを用いて前記
高確率時短縮第1ゲーム時間を選択し、
かつ、前記第2当たり状態の開始から終了までの時間を、最短の前記
低確率時第1ゲーム時間から減算した時間よりも、前記
低確率時短縮第1ゲーム時間が短くなるように、前記低確率時短縮第1ゲーム時間が設定されていることを特徴とする。
【0061】
請求項3に記載の発明においては、第1低確率状態では、第1ゲームが当たりになる確率がはずれになる確率より低いので、当たりにならずにはずれになる可能性の方が高い。一方、第1高確率状態では、第1ゲームがはずれになるより当たりになる確率の方が高く、当たりになる可能性方が高い。
また、第2ゲームは、第1高確率状態の第1ゲームより当たりになる確率が高い。
【0062】
また、第2当たり状態後が確率抽選で第1高確率状態になると、それ以後の第2ゲームで少なくとも所定回数の当たりが発生する間、これら当たりに基く第2当たり状態後の第1ゲームの当たりになる確率が第1高確率状態になる。
したがって、一度第1高確率状態になると、第2ゲームが少なくもと所定回数当たりになるまで第1高確率状態が繰り返される。すなわち、電サポ有りの確変当たりがリミッタが作動するまでループする状態になる。
【0063】
この場合に、第1ゲームが行われると高い確率で当たりになり、それにより第1変動入賞装置が開放して遊技球が入賞することにより第2ゲームが開始されるとともに、この第2ゲームが第1ゲームより高い確率で当たりになる。また、電サポ有りの確変当たりがループしている状態では、第2当たり状態中以外は、電サポ中になり、第2当たり状態中だけ非電サポ中になり、第2当たり状態中に第1ゲームが開始される場合にだけ、第1ゲームのゲーム時間が長い低確時第1ゲーム時間になる可能性があるが、第2当たり状態は、第1ゲームが当たりになって第1変動入賞装置が開放して遊技球が入賞して第2ゲームが開始されないと発生しない。したがって、第2ゲームの時間を略一定とすれば、第1変動入賞装置が開放して遊技球が入賞してから第2ゲーム時間後に第2当たり状態が発生することになる。
【0064】
この際に、第1変動入賞装置の開放している時間のうちの早い時間に遊技球が入賞して第2ゲームが開始されれば、第2当たり状態の発生が早くなり、遊技球の入賞が遅くなると第2当たり状態の発生が遅くなる。したがって、第1ゲームが開始される時期が、第2当たり状態中の第1低確率状態になったり、第2当たり状態後の第1高確率状態になったりする虞がある。
【0065】
この際に、第1当たり状態の終了後から前記所定の第2当たり後第1ゲーム数以内の前記第1ゲームであることを条件に、上述の低確時短縮第1ゲーム時間と、高確時短縮第1ゲーム時間を選択可能とすることによって、長い低確時第1ゲーム時間が選択されるのを防止することができる。
【0066】
また、第2当たり状態後の第1高確率状態で開始される第1ゲームが、第1当たり状態の終了後から前記所定の第2当たり後第1ゲーム数以内の前記第1ゲームであることを条件に、例えば、低確時短縮第1ゲーム時間と同様の高確時第1ゲーム時間より長いゲーム時間になってしまうのを、高確時短縮第1ゲーム時間を選択することによって、高確時第1ゲーム時間と略同様の短いゲーム時間が選択されるようにすることができる。
【0067】
なお、第1高確率状態における第1ゲームの当たりになる確率を略100%(100%より少しだけ低い)とし、第2ゲームの当たりになる確率を第1高確率状態における第1ゲームの当たり確率より高くすることによって、上述の従来のパチンコ遊技機に略対応するパチンコ遊技機になる。
【0068】
また、低確時短縮第1ゲーム時間が、最短の低確時第1ゲーム時間から第2当たり状態になっている時間を減算した時間より短くなっているので、第2当たり状態になっている時間に低確時短縮第1ゲーム時間を加算しても、低確時第1ゲーム時間より短くなる。したがって、第2大当たり状態終了間際に低確時短縮第1ゲーム時間の第1ゲームが開始されて終了するタイミングが、例えば、第2大当たり状態開始直後に低確時第1ゲーム時間が開始されて終了するタイミングより早くなる。
【0069】
すなわち、第2当たり状態中に第1ゲームが開始される際に、低確時短縮第1ゲーム時間が選択されることによって、第2当たり状態中の第1ゲームの開始タイミングに係らず、第2当たり状態後の第1ゲームの終了時間を、低確時第1ゲーム時間が選択された場合より、必ず早くすることができる。
【0070】
なお、低確時第1ゲーム時間を第2当たり状態の時間より長いものとする。また、低確時短縮第1ゲーム時間が第2当たり状態の時間より短い場合には、第1当たり状態の終了後から前記所定の当たり後第1ゲーム数を例えば2回以上とすることにより、第2大当たり状態中に複数回第1ゲームが行われる状態になっても、長い低確時第1ゲーム時間ではなく、それより短い低確時短縮第1ゲーム時間が選択される。
【発明の効果】
【0071】
本発明によれば、上述のようにリミッタが作動するまで電サポ状態をループさせるとともに、電サポ中の普図ゲームの当たりに基いて、電チューとアタッカとが交互に開放を繰り返すことによって、遊技者が遊技球を増加させるパチンコ遊技機において、特図ゲームの当たりに基いてアタッカが作動する特図の当たり状態における第1低確率状態で第1ゲームが開始されても、ゲーム時間の極めて長い第1ゲームが開始されるのを防止することができる。これにより、アタッカ開放後に電チューが長い間開放しないことによって、遊技者を戸惑わせるような事態を防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0073】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に示すように、この実施の形態のパチンコ遊技機は、所謂デジパチと呼ばれる種類のパチンコ遊技機としての基本的な構成を有し、かつ、特別図柄の変動表示ゲーム(特図ゲーム)ではなく、普通図柄の変動表示ゲーム(普図ゲーム)の当たりを契機に遊技者に多くの遊技球を獲得可能とする遊技機である。
【0074】
遊技盤1の盤面上の遊技領域2内には、その略中央部に可変表示装置3が設けられている。可変表示装置3は、例えば、液晶表示装置からなるもので、普図ゲーム(第1ゲーム)の当たりおよびはずれを抽選する第1ゲーム抽選手段として機能する後述の主制御装置14で行われる普図ゲーム抽選の当たりおよびはずれの抽選結果を主に表示するものであり、抽選結果の表示に際し、識別情報としての装飾図柄の周知の変動表示ゲームを表示し、この変動表示ゲームの当たりおよびはずれによって上述の抽選結果を報知するようになっている。なお、普図の変動表示ゲームの表示は、基本的に電サポ有りの確変当たりがループしている間を除く期間、すなわち、非電サポ中に行われる。
【0075】
遊技領域2の下部には、普図表示器8および特図表示器4が設けられている。
普図表示器8および特図表示器4は、例えば、7セグのLED表示装置からなる。なお、普図表示器8および特図表示器4は、数字を表示可能な7セグの表示装置である必要はなく、例えば、6から8個程度の任意の形状のセグメントが任意の位置に配置されたものでよく、各セグメントの点灯および消灯を個別に制御できるようになっていればよい。普図表示器8は、後述の変動表示時間だけ変動表示(一部のセグメントを点滅表示)した後に当たりまたははずれの普図を停止表示(抽選結果表示)する。
【0076】
特図表示器4は、後述の変動表示時間だけ変動表示(一部のセグメントを点滅表示)した後に複数種類の大当たりのいずれかまたははずれの特図を停止表示(抽選結果表示)する。
【0077】
なお、上述のように普図表示器8で表示されるとともに、電サポ状態(第1高確率状態)でない場合(第1低確率状態)に、可変表示装置3でも演出として表示される変動表示ゲームが上述の普図ゲームである。
これら特図ゲームと普図ゲームは、それぞれの開始条件と終了条件とに基いてそれぞれ並行して実行することが可能になっている。
【0078】
可変表示装置3で表示される変動表示ゲームは、上述のように普図ゲームに対応したものであり、実行されている普図ゲームと同様の結果になる装飾図柄の変動表示ゲームが普図表示器8の普図ゲームと同時に表示される。
【0079】
前記可変表示装置3の直ぐ下には、中央普図始動口7aが設けられている。中央普図始動口7aは、遊技球が通過して再び遊技領域2を流下可能とするゲート(スルーチャッカ)になっている。また、中央普図始動口7aに対応して、中央普図始動口7a内を通過する遊技球を検知する通過球検知センサ71が設けられ通過球検知センサ71は遊技球を検知すると主制御装置14に通過球検知信号を出力する。
【0080】
また、可変表示装置3の向って右側には、右普図始動口7bが設けられている。右普図始動口7bは、中央普図始動口7aと同様に遊技球が通過するゲートになっており、右普図始動口7bに対応して、右普図始動口7bを通過する遊技球を検知する通過球検知センサ71が設けられ、通過球検知センサ71は、遊技球を検知すると主制御装置14に通過球検知信号を出力する。
【0081】
通過球検知信号の入力に基づいて主制御装置14は、後述の普通変動入賞装置(第1変動入賞装置)5を開状態とする当たりと、普通変動入賞装置5を閉状態のままとするはずれとを抽選する普図抽選を行う。なお、この普図抽選の結果は、普図ゲームを普図表示器8で表示することにより報知される。上述の普図表示器8の近傍には、普図保留数表示LED9が設けられており、後述の普図保留数が表示される。
【0082】
主制御装置14では、通過球検知センサ71から通過球検知信号が入力した場合に、上限になる数値(たとえば4)の範囲内で普図保留数に1加算し、この通過球検知信号の入力に基づいて普図ゲームが開始される場合に、普図保留数から1減算する。なお、二つの通過球検知センサ71のいずれから通過球検知信号が入力しても同等に扱われ、一つの普図保留数が一つ増加する。
【0083】
また、中央普図始動口7aの上側の可変表示装置3の下側縁部分には、遊技球が載ることが可能なステージ31が設けられ、ステージ31は、ステージ31上に載った遊技球の一部を中央普図始動口7aに入賞させるように(誘導するように)形成されている。また、ステージ31に対応して、可変表示装置3の左右外側の遊技領域2から遊技球を流入させるとともに、この流入した遊技球を遊技盤
1の盤面より背面側を通してステージ31上に誘導するワープ通路(図示略)が設けられている。
【0084】
また、中央普図始動口7aの真下になる位置には、一般入賞口10が設けられており、中央普図始動口7aを通過した遊技球の一部がこの一般入賞口10に入賞するようになっている。
また、右普図始動口7bの真下になる位置には、後述の特別変動入賞装置(第2変動入賞装置)6が設けられるとともに、その上側に一般入賞口10が設けられ、右普図始動口7bを通過した遊技球の一部がこの一般入賞口10に入賞するようになっている。
【0085】
また、中央普図始動口7aの右側には、始動入賞口52を備えた所謂電チューと呼ばれる普通変動入賞装置5が設けられている。
この普通変動入賞装置5は、左右に開閉動作自在な1対の可動片51,51を備え、始動入賞口52に遊技球が入賞できないように可動片51,51が閉じた状態(閉状態)と、遊技球が入賞し易くなるように可動片51,51が開いた状態(開状態)との間で変動するようになっている。なお、始動入賞口52上には、一般入賞口10が設けられ、閉じた状態の
可動片51,51同士の間から遊技球が始動入賞口52に入賞するのを阻止している。
【0086】
始動入賞口52には、遊技球の入賞を検知する始動入賞球検知センサ53(
図2に図示)が設けられており、始動入賞球検知センサ53は、遊技球が始動入賞口52に入賞した際に、主制御装置14に始動入賞信号を出力する。主制御装置14は、始動入賞信号の入力(所定の乱数取得条件の成立)に基づいて特図ゲーム(変動表示ゲーム)の各大当たりおよびはずれを決める乱数を取得する。
【0087】
なお、この例では、特図ゲームは普図ゲームのように保留されず、特図ゲーム中や、後述の特別変動入賞装置6が開閉動作している大当たり状態中に遊技球が始動入賞口52に入賞して始動入賞信号が入力した場合に、乱数の取得が行われず、この始動入賞に基く特図ゲームも行われない。すなわち、始動入賞信号の入力時に直ぐに特図ゲームの開始条件が成立して、特図ゲームが開始できる場合以外は、始動入賞信号が入力しても特図ゲームが行われず無効になる。
【0088】
また、上述のように右普図
始動口7bの真下で、可変表示装置3の右側に、大入賞口62を有する特別変動入賞装置(第2変動入賞装置)6が設けられている。この特別変動入賞装置6は、いわゆるアタッカであるが、この例では、形状としては普通変動入賞装置5と同様の電チューとしての形状になっている。
すなわち、特別変動入賞装置6は、左右に開閉動作自在な1対の可動片61,61を備え、大入賞口62に遊技球が入賞できないように可動片61,61が閉じた状態(閉状態)と、遊技球が入賞し易くなるように可動片61,61が開いた状態(開状態)との間で変動するようになっている。なお、大入賞口62上には、一般入賞口10が設けられ、閉じた状態の
可動片61,61同士の間から遊技球が大入賞口62に入賞するのを阻止している。特別変動入賞装置6には、その大入賞口
62に入賞した遊技球を検知する大入賞球検知センサ63が設けられている。
【0089】
なお、大当りになった場合には、大当り状態として、例えば、特別変動入賞装置6が閉塞状態から開放状態になって再び閉塞状態になる開閉動作としての1ラウンドの動作を、所定ラウンド数だけ行うようになっている。この例では、例えば、周知の突確、突時等の大当たりの場合と同様の大当たり状態として、2ラウンド当たりと称する大当たりが発生する。すなわち、ラウンドを2回行うとともに、各ラウンドは、例えば、数秒未満の短いものになっている。大当たり状態における特別変動入賞装置6の制御は、主制御装置14が行う。
【0090】
上述のように、普図ゲームが当たりになった場合に、普通変動入賞装置5が開放し、普通変動入賞装置5(始動入賞口)への遊技球の入賞が可能になり、特図ゲームの開始が可能になる。また、遊技領域2の左側下部には、複数の一般入賞口10,10が設けられている。また、上述の各一般入賞口10には、それぞれ一般入賞口10,10に入賞した遊技球を検知する一般入賞球検知センサ11設けられている。
【0091】
また、特別変動入賞装置6の下方の遊技領域2の最下端部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域2の外部になる遊技盤1裏面に排出させるアウト口12が設けられている。また、遊技盤1の前面には、遊技球の流下方向を規制するとともに流下方向を転換する遊技釘(図示略)や風車(図示略)等の流下規制転換部材が設けられている。
【0092】
次に、この例のパチンコ遊技機の制御系を
図2に示されるブロック図を参照して説明する。パチンコ遊技機の制御系は、大きく分けて主制御部(主基板の制御装置としての主制御手段)15と、副制御部(サブ基板側の制御装置としての副制御手段)16と、これら主制御部15および副制御部16に電力を供給する電源供給装置82とから構成されている。主制御部15には、例えば、遊技機用のワンチップマイコン等で構成される主制御装置14が備えられ、主制御装置14には、プログラムを実行するCPU14a、プログラムやプログラムで使用するデータを記憶したROM14bや、プログラムに基づいて発生したデータやROM14bから読み出した各種データ等を記憶するRAM14cや周波数発生回路部14d等が備えられている。
【0093】
主制御装置14(CPU14a)には、パチンコ遊技機に設けられた各種センサからの信号が入力可能になっており、前述の始動入賞球検知センサ53、大入賞球検知センサ63、通過球検知センサ71、一般入賞球検知センサ11が接続されるとともに、遊技球の入賞に対応して賞球を払出す遊技球払出装置17から払い出された賞球を検知する遊技球払出検知センサ18、パチンコ遊技機におけるエラーを検知するエラー検知センサ19等が接続されている。
【0094】
また、主制御装置14は、パチンコ遊技機の各種装置を動作させるため各種信号を出力するようになっている。例えば、主制御装置14には、遊技店において設置された各遊技機のデータを集計管理するための集中管理装置20が主制御装置14からデータを入力可能に接続されている。また、主制御装置14には、サブ制御装置(副制御手段)としての払出制御装置22、図柄制御装置23、ランプ制御装置24、音声制御装置25が接続され、これらサブ制御装置に対してコマンド(制御指令)を出力可能とされている。
【0095】
なお、ここで、払出制御装置22は実質的に賞球を払出すためのパチンコ遊技機における遊技の主要な制御を行うことから主制御部15に含まれるものとし、遊技の演出に係わる図柄制御装置23、ランプ制御装置24、音声制御装置25は副制御部16に含まれるものになっている。
【0096】
また、主制御装置14には、特図表示器4が接続され、主制御装置14が特図表示器4における特図ゲームの表示制御を行う。
また、主制御装置14には、普図表示器8が接続され、主制御装置14が普図表示器8における普図ゲームの表示制御を行う。
また、主制御装置14には、上述の普通変動入賞装置5の可動片51,51を駆動する普通変動ソレノイド55が接続されるとともに、特別変動入賞装置6の可動片61,61を駆動する特別変動ソレノイド64が接続される。
【0097】
また、払出制御装置22には、払出制御装置22により制御されて賞球および貸球を払出す遊技球払出装置17が接続されるとともに、プリペードカード(記録媒体)26のデータを読み込で遊技球の貸出制御を行うためのCRユニット27が球貸信号制御装置28を介して接続されている。払出制御装置22は、主制御装置14からのコマンドに基づいて賞球を払出すとともに、CRユニット27から球貸信号制御装置28を介して入力される球貸信号に基づいて貸球を払出す制御を行う。
【0098】
また、主制御部15には、主制御装置14と直接接続されていないが、遊技球を遊技領域2に発射する打球発射装置(図示略)の発射駆動装置29を制御する発射制御装置29aが設けられ、発射制御装置29aには、遊技球の発射を操作するための回転式操作ハンドル29b、発射停止釦29c、タッチセンサ29dが接続されている。
【0099】
主制御部15の主制御装置14は、パチンコ遊技機における遊技の進行を制御するもので、第1および第2始動入賞球検知センサ53a,53b、大入賞球検知センサ63、一般入賞球検知センサ11から遊技球の検知信号が入力された場合、すなわち、各入賞口に遊技球が入賞した場合に、払出制御装置22にコマンドを出力して、賞球として遊技球の排出を行わせる。
【0100】
また、主制御装置14は、通過球検知センサ71から遊技球の検知信号が入力した場合に、上述の普図保留数を加算する処理を行うとともに、普図ゲームの当たり外れを決定する抽選処理で用いられる各種乱数(当たり判定乱数、図柄乱数、演出乱数)を取得し、普図保留数が上限未満の場合に乱数を記憶する。また、所定の開始条件として、普図保留数が1以上の場合に、前の普図ゲームのはずれでの終了もしくは当たり後の普通変動入賞装置5の開閉動作を伴う当たり状態(第1当たり状態)の終了で普図ゲームを開始するとともに普図保留数を1減算する。この際に乱数による抽選処理によって、普図ゲームの当たり外れを決定し、普図ゲームの表示や結果の報知や演出のために図柄制御装置23やランプ制御装置24や音声制御装置25にコマンドを出力する。なお、前の普図ゲームのはずれでの終了時、または普図ゲームの当たり後の普通変動入賞装置5の開閉動作を伴う当たり状態の終了時に普図保留数が0の場合には、通過球検知信号の入力により普図ゲームが開始可能となる。
【0101】
なお、当たり状態には、普通変動入賞装置5の開閉動作後のエンディング演出時間も含まれる。すなわち、普通変動入賞装置5の開閉動作が終了してもその後のエンディング演出時間が終了しないと次の普図ゲームを開始できない。
【0102】
上述のように、普図ゲームと同じ抽選結果になる装飾図柄の変動表示ゲームが可変表示装置3に表示されるが、可変表示装置3は、図柄制御装置23に制御されるので、普図ゲーム開始時に、普図ゲームの当たりまたははずれの抽選結果と、普図ゲームの変動パターンの抽選結果と、停止表示される普図の種類の抽選結果が図柄制御装置23にコマンドまたはコマンドに付随するデータとして主制御装置14から送信される。
【0103】
変動パターンとは、基本的に変動表示ゲームで装飾図柄を変動表示してから停止表示するまでの変動表示時間と、予め複数種類にパターン化された変動表示ゲームのパターンを示すものである。変動パターンには、はずれでリーチにならない変動パターン、はずれでリーチになる変動パターン、当たりになる変動パターン(この場合には必ずリーチになる)があり、さらに、各変動パターンには、複数の種類があるものになっている。たとえば、リーチになる変動パターンには、ノーマルリーチやスーパーリーチやプレミアムリーチの変動パターンがあり、かつ、各リーチの変動パターンには、複数の種類がある。
【0104】
この変動パターンの抽選には、上述の演出乱数と、変動パターンと判定値とが登録されたデータテーブルが用いられる。このデータテーブルは、電サポ無しの場合、すなわち、普図ゲームの当たりになる確率が低確率になっている場合に開始される普図ゲーム専用の低確時通常テーブルになる。
【0105】
この低確時通常テーブルに登録される変動パターンの変動表示時間は、たとえば、10秒程度から数分程度までのものになっている。リーチにならないはずれは短い変動表示時間になり、例えば、ノーマルリーチの変動パターン、スーパーリーチの変動パターン、プレミアムリーチの変動パターンの順で変動表示時間が長くなる傾向となっている。
【0106】
低確時通常テーブルにおいて、演出乱数になる数値の範囲に含まれる数値(整数)である判定値が、各変動パターンに割り付けられている。例えば、演出乱数になる数値の範囲が0〜255の場合に、各変動パターンに0〜255のうちの一部の数値が判定値としてそれぞれ割り付けられている。演出乱数がたとえば200になった場合には、判定値として200が割り付けられた変動パターンが抽選で選択される。
【0107】
なお、変動パターンに割り付けられる判定値の個数によって、その変動パターンが選択される抽選確率が異なるものになる。すなわち、抽選確率は、割り付けられた判定値の個数を分子とし、判定値の総数(演出乱数が取り得る数値の総数)を分母としたものである。例えば、演出乱数になる数値の範囲が0〜255の場合に、分母が255になる。したがって、判定値が10個割り付けられた変動パターンの抽選確率は、10/256になる。
【0108】
なお、同様の変動パターンであっても、はずれの変動パターンと、当たりの変動パターンは別の変動パターンとして扱われる。低確時通常テーブルにおいては、当たりの変動パターンが登録されている当たり用の低確時通常テーブルとはずれの変動パターンが登録されているはずれ用の低確時通常テーブルとに分けることが好ましい。
【0109】
また、普図ゲームの当たり確率が高確率状態(電サポ有り)で開始される普図ゲームの変動表示時間が例えば1秒程度で、変動表示時間に、変動表示後の普図の停止表示時間(一定の時間)を加算した普図ゲームのゲーム時間が数秒程度になっている。また、電サポ中の普図の変動表示時間は、たとえば、一定であり、変動パターンは一つになり、普図ゲームの高確時用の変動パターンが登録されたデータテーブルとして、一つの変動パターンが登録された高確時通常テーブルが用いられる。この場合に、演出乱数がいずれであっても一つの変動パターン(変動表示時間)が選択される。また、高確時通常テーブルの場合も基本的には、当たりの変動パターン用の高確時通常テーブルと、はずれの変動パターン用の高確時通常テーブルに分けるものとしてもよい。それにより、当たり用とはずれ用の低確時通常テーブルの選択と同じ処理で、高確時通常テーブルを選択することができる。
【0110】
なお、変動パターンが複数であってもよいが、高確時通常テーブルに記憶される変動パターンは、基本的に低確時通常テーブルに登録される変動パターンの最短になる変動表示時間より短い変動表示時間の変動パターンである必要がある。
【0111】
さらに、この実施形態では、特図ゲームで当たりになって特別変動入賞装置6が開放する特図の当たり状態後に開始される所定回数(例えば2回)の普図ゲーム用のデータテーブルとして、低確時短縮テーブルと、高確時短縮テーブルとが設けられている。すなわち、高確率状態や低確率状態において、特図の大当たり状態後に開始される所定回数の普図ゲームでは、高確時通常テーブルや低確時通常テーブルを選択せず、高確時短縮テーブルまたは低下時短縮テーブルを選択する。
【0112】
低確時短縮テーブルは、特図の大当たり状態後に開始される所定回数の普図ゲームで、かつ、低確率状態(電サポ無し)で開始される普図ゲームで用いられる。
低確時短縮テーブルには、例えば、低確時通常テーブルに登録されている変動パターンの最短の変動表示時間より短く、かつ、高確時通常テーブルに登録されている変動パターンより長い変動表示時間の変動パターンが登録されている。
【0113】
この低確時でかつ特図ゲームの大当たり状態後に開始される所定回数の普図ゲームの変動表示時間は一定でよく、低確時短縮テーブルに登録される変動パターンは一つでもよい。
この場合に、演出乱数の数値がいずれであっても、一つの変動パターンが選択される。
【0114】
この低確時短縮テーブルに登録される変動パターンの変動表示時間は、上述のように低確時通常テーブルに登録された変動パターンの最短の変動表示時間より短く、高確時通常テーブルに登録された変動パターンの最長の変動表示時間より長い。また、低確時通常テーブルに登録された変動パターンの最短の変動表示時間(普図のゲーム時間)から特図ゲームの大当たり状態になっている時間を減算した当たりより短くなっている。
【0115】
高確時短縮テーブルは、特図の大当たり状態後に開始される所定回数の普図ゲームで、かつ、高確率状態(電サポ有り)で開始される普図ゲームで用いられる。
高確時短縮テーブルには、例えば、高確時通常テーブルに登録されている変動パターンの変動表示時間と略等しい変動表示時間の変動パターンが登録されている。
【0116】
この高確時でかつ特図ゲームの大当たり状態後に開始される所定回数の普図ゲームの変動表示時間は一定でよく、高確時短縮テーブルに登録される変動パターンは一つでもよい。
この場合に、演出乱数の数値がいずれであっても、一つの変動パターンが選択される。
また、低確時短縮テーブルおよび高確時短縮テーブルにおいても、当たり用とはずれ用があるものとしてよい。
【0117】
また、主制御装置14は、始動入賞球検知センサ53からの始動入賞信号の入力と特図ゲームの開始に基づいて、特図ゲームの大当たり外れを決定する抽選処理で用いられる抽選決定情報としての各種乱数(当たり判定乱数、図柄乱数、演出乱数)を取得し、RAM14c(乱数記憶手段の一部)に記憶する。なお、前記抽選処理によって、当たり判定乱数に基づいて特図ゲームの大当たりおよびはずれを決定し、特図表示器4を制御して特図ゲームを表示する。
【0118】
また、この際には、図柄乱数により特図表示器4で表示される特図ゲームの変動表示時間後に停止表示される特図が抽選で決定される。この図柄乱数により決定される特図によって、特図ゲームの大当たりの種類が決定される。また、図柄乱数により決定される特図によって、電サポ有り確変大当たりのループ中の確変大当たりが継続か否か(電サポ有りの確変大当たりか、電サポ有り(時短)の通常大当たりか)が決定される。さらに、図柄乱数により決定される特図によって、電サポ有りの確変大当たりのループでリミッタが作動した場合に、電サポ有りの通常大当たりとするか、電サポ無しの通常大当たりとするかを決定する。
【0119】
なお、特図ゲーム(変動表示ゲーム)の開始条件(乱数判定条件)は、特図ゲームが行われておらず、さらに、特別変動入賞装置6を開放する大当たり状態が行われていない場合に、始動入賞口52に遊技球が入賞して始動入賞球検知センサ53から始動入賞信号が入力することになる。また、特図ゲームの開始条件の成立(乱数判定条件の成立)に伴って、特図ゲームの開始時に、この特図ゲームに対応する当たり判定用乱数によって大当たりおよびはずれ等の判定を行う。
【0120】
また、主制御装置14は、普図ゲームが当たりになった場合には、普通変動入賞装置5の可動片51,51を駆動する普通変動ソレノイド55を制御して普通変動入賞装置5を閉状態から開状態とする制御を行う。また、主制御装置14は、特図ゲームが各大当たりになった場合には、特別変動入賞装置6の可動扉62の特別変動ソレノイド64を制御して所定の条件に基づいて特別変動入賞装置6を閉状態から開状態に変動させて上述の大当たり状態を発生させる制御を行う。
【0121】
また、第2ゲーム抽選手段としての主制御装置14は、前述の始動入賞信号に基づいて特図ゲーム(第2ゲーム)が大当たりになるかはずれになるかを決める抽選処理を行う。また、主制御装置14は、大当たりとはずれとのいずれかを示す特図ゲームを順次表示する際に、確変大当たり等の発生に基づいて前記抽選処理により特図ゲーム(第2ゲーム)が大当たりになる確率を第2低確率状態より高い第2高確率状態とし、通常大当たり等の発生や、電サポ無しの確変大当たりの発生や、通常大当たり状態後の時短状態の終了に基づいて前記抽選処理により特図ゲーム(第2ゲーム)が大当たりになる確率を第2高確率状態より低い第2低確率状態とする制御を行う。
【0122】
なお、この実施形態において、特図ゲームが当たりになる確率は、1より少しだけ低いものであり、はずれになる可能性が極めて低く、実質的に略100%当たりになる。これは高確率状態であっても、低確率状態であっても同様であり、高確率状態と低確率状態との確率差も極めて小さなものになっている。
したがって、特図ゲームでの大当たりの発生に対して、現状が高確率状態か低確率状態かはあまり意味がないが、内部での処理が高確率状態と低確率状態で異なるものになる。
【0123】
また、確変状態になった場合に、普図ゲームの当たりになる確率を通常時の第1低確率状態より高い第1高確率状態とする電サポ状態が発生する場合と、発生しない場合とがある。すなわち、確変大当たりに電サポ有りの確変大当たりと、電サポ無しの確変大当たりとがある。なお、この実施形態では、電サポ有りの状態と、電サポ無しの状態とで普通変動入賞装置5の開放時間が略同じであり、周知のパチンコ遊技機における電サポ有りの場合の開放時間と同じになっている。
【0124】
すなわち、電サポ状態では、一般的なパチンコ遊技機では、普通変動入賞装置5の開放時間が長くなるが、この実施形態では、電サポ無しの状態でも普通変動入賞装置5の開放時間が長くなっており、電サポ有りと電サポ無しで略同じ開放時間が設定されている。
また、確変大当たりには、上述のように電サポ有り(所謂確変状態)と、電サポなし(単に大当たり確率が高確率状態になった状態)とがあり、通常の大当たりの場合には、電サポ有りの時短状態が発生する。
【0125】
基本的に、電サポが行われていない状態、すなわち、通常時(普図ゲームの当たり確率が低確率で、特図ゲームの当たり確率が低確率の場合)と電サポ無しの確変時(普図ゲームの当たり確率が低確率で、特図ゲームの当たり確率が高確率の場合)には、特図ゲームの大当たりとして、上述の電サポ有りの確変大当たり、電サポ無しの確変大当たりと、特図ゲーム100回だけ時短状態(電サポ有り)になる通常大当たりとのいずれかの大当たりが発生する。
【0126】
また、上述の電サポ有り確変大当たりの発生確率と、電サポあり(時短付き)通常大当たりの発生確率とを合わせた発生確率が略50%になっている。また、電サポなしの確変大当たりが発生する確率が略50%になっている。
【0127】
これにより、特図ゲーム後に略50%の確率で電サポ状態が発生する。電サポ状態が発生すると、電サポ有りの確変大当たり用のリミッタが作動するまで90%以上(例えば、97%)の確率で、電サポ有りの確変大当たりがループする状態になる。すなわち、例えば15回リミットとすると、特図ゲームの大当たりが最初に電サポ有り大当たりになった際を1回目として、14回目まで90%以上の確率で電サポ有り確変大当たりが発生し、電サポ有りの状態が継続する。次に15回目の大当たりでは、リミッタが作動し、確変大当たりが発生することがなく、通常大当たりが発生する。
【0128】
この際に、60%の確率で電サポ有り(時短有り)の通常大当たりが発生し、40%の確率で電サポなしの通常大当たりが発生する。
また、電サポ有りの通常大当たりが発生した場合には、再び15回リミットの電サポ有り確変状態がループすることになる。
【0129】
また、ループ中は、特図ゲームが大当たりになると90%以上の確率で電サポ有りの確変状態になるが、電サポありの確変状態にならない場合、すなわち10%以下(例えば、3%)の確率で電サポ有りの通常状態になる。この際には、確変状態にならないことにより、通常状態(第2低確率状態)になり、大当たり確変のループが一旦終了するが、再び、電サポ状態になることによって、15回リミットの電サポ有り確変大当たりが発生する。
【0130】
すなわち、リミットの15回になる前に電サポ有りの確変大当たりのループが終了してしまうが、再び15回の電サポ有りの確変大当たりのループが行われることによって、リミッタ作動までの残り回数が減った状態から、再び、15回リミット一杯まで、電サポありの確変状態大当たりが発生可能になり、電サポ有りの確変大当たりのループが延長された状態になる。
【0131】
また、特図ゲームでの変動パターンは、特図ゲームが略100%当たりになることと、特図ゲームに対応する装飾図柄の変動表示ゲームが可変表示装置に表示されず、特図ゲームに対応してリーチ演出等が行われないことから、1つの変動パターンであってもよい。すなわち、特図ゲームの変動表示時間を一定としてもよい。なお、電サポありの確変大当たりのループ中と、それ以外とで変動パターン(変動表示時間)を異なるものとしてもよいし、大当たりの場合とはずれの場合とで変動パターンを異なるものとしてもよい。なお、変動パターンが複数あるものとした場合には、上述の演出乱数を用いて複数の変動パターンから一つの変動パターンを抽選により選択する。
【0132】
ここで、この実施形態の遊技機においては、普図ゲームで当たりになって普通変動入賞装置5が開放されて、始動入賞口52に遊技球が入賞しないと特図ゲームが開始されない。したがって、普図ゲームが当たりになるまで、普図ゲームだけが行われ、特図ゲームが行われない状態になる。
【0133】
ここで、普図ゲームが当たりになって、上述のように特図ゲームが開始されるると、特図ゲームは、高確率状態および低確率状態に係らず略100%で当たりになり、特図ゲーム終了時に特別変動入賞装置6が開放する例えば2ラウンドの大当たり状態が発生する。
【0134】
なお、特図ゲームは、保留されないので、基本的に、普通変動入賞装置5が開放して最初の遊技球が入賞した際に、特図ゲームが開始され、それ以後に入賞した遊技球に対しては、特図ゲーム中または特図ゲームの大当たり状態中になり、特図ゲームは開始されず、入賞した遊技球は、特図ゲームの開始の契機としては無効になる。
【0135】
特図ゲームの変動表示時間を一定とすると、普通変動入賞装置5への最初の遊技球の入賞から特別変動入賞装置6が開放開始するまでの時間が一定になる。また、普通変動入賞装置への遊技球の入賞から特別変動入賞装置6が開放する特図ゲームの大当たり状態の終了までの時間が一定になる。
【0136】
しかし、普通変動入賞装置5への遊技球の最初の入賞のタイミングは、状況によって変化するので、普通変動入賞装置5が開放した状態から閉塞してエンディング演出が行われて普図ゲームの当たり状態が終了し、次の普図ゲームが開始可能になるタイミングと、特図ゲームが大当たり状態になっている期間になるタイミングとにはずれが生じ、特図ゲームの大当たり状態後に普図ゲームが開始可能になる場合と、特図ゲームの大当たり状態中に普図ゲームが開始可能になる場合がある。
【0137】
また、副制御部16の変動表示ゲーム表示制御手段としての図柄制御装置23は、可変表示装置3を制御するものであり、可変表示装置3がビデオディスプレイプロセッサ35を介して接続されている。上述の主制御装置14により決定された普図ゲームの各当たりおよびはずれと、変動パターンとしての変動表示時間等に基づいて、図柄制御装置23により装飾図柄の変動表示ゲームの可変表示装置3における表示が制御される。
【0138】
副制御部16のランプ制御装置24は、遊技盤1の盤面に設けられた盤面関係の電飾(LED等の光源)24aと、パチンコ遊技機の遊技盤1を支持する前面枠に設けられ、遊技盤1の前面を覆うガラス枠等の枠扉関係の電飾(LED等の光源)24bとが接続され、LEDやランプ等による演出を制御する。また、ランプ制御装置24には、普図保留数表示ランプ9が接続されている。
【0139】
音声制御装置25には、サウンドプロセッサ、アンプ、スピーカ等からなる音声発生装置25aが接続されており、音声制御装置25は、演出用の効果音、音声、音楽等の出力を制御する。
【0140】
主制御
装置14では、普図ゲームの上述の開始条件が成立して、普図ゲームを開始する際に、当たりまたははずれを決定するとともに、変動パターンを決定することにより変動表示時間を決定する処理を行う。この際に、上述の変動パターンと判定値が登録されたデータテーブルとして当たり用高確時通常テーブル、はずれ用高確時通常テーブル、当たり用低確時通常テーブル、はずれ用低確時通常テーブル、当たり用高確時短縮テーブル、はずれ用高確時短縮テーブル、当たり用低確時短縮テーブル、はずれ用低確時短縮テーブルのうちのいずれか1つを選択した後に、選択されたデータテーブルと上述の演出乱数を用いて変動パターンを決定する。なお、各データテーブルは、例えば、図柄制御装置23のROMに記憶されている。
【0141】
次に、フローチャートを参照して、普図ゲームの変動パターンの上述の8つのデータテーブルから一つのデータテーブルを選択する処理を説明する。
図3に示すフローチャートは、普図ゲームの変動パターンを決定するための上述のデータテーブルを選択する際に、通常テーブル(高確時通常テーブル、低確時通常テーブル)を選択するのか、特殊テーブル(高確時短縮テーブル、低確時短縮テーブル)選択するのかを決定する際に用いられるデータテーブル選択用オフセット値をセットするために主制御装置14で行われるオフセット値セット処理を示すものである
【0142】
オフセット値は、基本的に特図ゲームの大当たり状態後に開始される2回の普図ゲームに対して1がセットされ、それ以外の普図ゲームに対して0がセットされる(1がリセットされる)。
図3に示すように、オフセット値セット処理は、特別変動入賞装置6が開放する特図ゲームの大当たり状態が終了した際に行われるものであり、大当たり状態が終了したタイミングか否かが判定される(ステップS1)。
【0143】
特図ゲームの大当たり状態が終了したタイミングでない場合には、オフセット値セット処理を終了する。特図ゲームの大当たり状態が終了したタイミングの場合には、まず、特図ゲームの大当たり状態後に開始される普図ゲームの開始回数をカウントしているカウンタのカウント値をリセットして、カウント値を0とする(ステップS2)。
次に、オフセット値を1にして(ステップS3)、オフセット値セット処理を終了する。
【0144】
図4に示すフローチャートは、上述のオフセット値をリセットするオフセット値リセット処理を示すものである。
オフセット値リセット処理は、普図ゲームが開始される度に行われる処理であり、まず、普図ゲームが開始されるタイミングか否かが判定される(ステップS4)。普図ゲームが開始されるタイミングでない場合には処理を終了する。
普図ゲームが開始されるタイミングの場合には、特図ゲームの大当たり状態後の普図ゲームの開始回数をカウントするカウンタの値を1だけ増加させる(ステップS5)。
【0145】
次に、1増加した普図ゲームの開始回数のカウント値が2になったか否かを判定する(ステップS6)。カウント値が2になっていない場合(1の場合)に処理を終了する。カウント値が2になっている場合には、オフセット値をリセットして0とする(ステップS7)。
なお、特図ゲームの大当たり状態後の普図ゲームの開始回数は、2になる前に、特図ゲームの大当たり状態が終了して、上述のステップS2でリセットされて0となる場合がある。この場合に、オフセット値はリセットされず1のままとなるが、大当たり状態が終了した際には、オフセット値に1がセットされるので、特に問題はない。
【0146】
図5に示すフローチャートは、上述のようにセットおよびリセットされるオフセット値を用いて普図ゲームの変動パターン決定用のデータテーブルを選択するための普図ゲーム開始時変動パターンテーブル選択処理を示すものである。
【0147】
この処理は、普図ゲームの開始条件成立時に毎回行われる処理である。
まず、開始される普図ゲームが当たりかはずれかを判定する当たり判定処理が行われる(ステップS11)。この処理では、当たりか否かの判定用のデータテーブルとして、当たりとそれに対応付けられた判定値が登録されたデータテーブルを用い、当たり判定用乱数と一致する判定値がある場合に、当たりとする。
【0148】
次に、開始される普図ゲームが当たり判定処理で当たりになる普図ゲームか否かを判定する(ステップS12)。
はずれになる普図ゲームの場合には、次に、普図ゲーム開始時(現状)の普図ゲームの当たり確率が高確率状態(電サポ中)か、当たり確率が低確率状態(非電サポ中)かを判定する(ステップS13)。
【0149】
電サポ中の場合には、電サポ中(高確率状態)用のはずれ用高確時通常テーブルを選択する(ステップS14)。また、オフセット値が0か否かを判定し(ステップS15)、オフセット値が1の場合には、はずれ用高確時通常テーブルに代えて、特図ゲームの大当たり状態終了後の二回目までの普図ゲームで選択されるはずれ用高確時短縮テーブルを選択する(ステップS16)。
なお、オフセット値が0の場合には、はずれ用高確時通常テーブルが選択された状態が維持される。
【0150】
非電サポ中の場合には、非電サポ中(低確率状態)用のはずれ用低確時通常テーブルを選択する(ステップS17)。また、オフセット値が0か否かを判定し(ステップS18)、オフセット値が1の場合には、はずれ用低確時通常テーブルに代えて、特図ゲームの大当たり状態終了後の二回目までの普図ゲームで選択されるはずれ用低確時短縮テーブルを選択する(ステップS19)。
なお、オフセット値が0の場合には、はずれ用低確時通常テーブルが選択された状態が維持される。
【0151】
ステップS12で、開始される普図ゲームが当たりの場合には、次に、普図ゲーム開始時(現状)の普図ゲームの当たり確率が高確率状態(電サポ中)か、当たり確率が低確率状態(非電サポ中)かを判定する(ステップS20)。
【0152】
電サポ中の場合には、電サポ中(高確率状態)用の当たり用高確時通常テーブルを選択する(ステップS21)。また、オフセット値が0か否かを判定し(ステップS22)、オフセット値が1の場合には、当たり用高確時通常テーブルに代えて、特図ゲームの大当たり状態終了後の二回目までの普図ゲームで選択される当たり用高確時短縮テーブルを選択する(ステップS23)。
なお、オフセット値が0の場合には、当たり用高確時通常テーブルが選択された状態が維持される。
【0153】
非電サポ中の場合には、非電サポ中(低確率状態)用の当たり用低確時通常テーブルを選択する(ステップS24)。また、オフセット値が0か否かを判定し(ステップS25)、オフセット値が1の場合には、当たり用低確時通常テーブルに代えて、普図ゲームの当たり状態終了後の一回目の普図ゲームで選択される当たり用低確時短縮テーブルを選択する(ステップS26)。
なお、オフセット値が0の場合には、はずれ用低確時通常テーブルが選択された状態が維持される。
次に、選択されたデータテーブルを用いて、上述のように変動パターンが選択されて開始される普図ゲームの変動表示時間が決定される(ステップS27)。
【0154】
以上の処理により、普図ゲーム開始時の変動パターンの決定用データテーブルが選択される。この処理によれば、特図ゲームの当たり状態終了後の二回までの普図ゲームでなく、かつ、非電サポ中の場合、すなわち、上述のループ中でない場合に、当たり用またははずれ用の低確時通常テーブルが選択され、普図ゲームとして、リーチにならないはずれや、ノーマルリーチやスーパーリーチやプレミアムリーチの変動パターンを抽選で決定可能になり、普図ゲームの変動表示時間は、10数秒から数分程度に設定される。
【0155】
また、特図ゲームが電サポ有りの確変当たりのループ中の場合(電サポ中の場合)には、特図ゲームの大当たり状態終了後の二回までの普図ゲームが開始される際に、次の特図ゲームの大当たり状態終了後か大当たり状態中になる。
大当たり状態中の場合には、非電サポ中になり、低確時短縮テーブルが選択され、普図ゲームの変動表示時間が例えば一律に5秒に設定される。
また、大当たり終了直後の場合には、電サポ中になり、高確時短縮テーブルが選択され、普図ゲームの変動表示時間が例えば一律に1秒に設定される。
【0156】
なお、電サポ中は、普図ゲームが略100%当たりとなり、普通変動入賞装置5が開放され、普通変動入賞装置5に遊技球が入賞することで特図ゲームが開始されるとともに略100%で当たりとなるので、基本的に普図ゲームと特図ゲームが一対一で開始される。したがって、特図ゲームの大当たり状態後に行われる普図ゲームは一回で、その後再び大当たり状態が発生する。また、上述のように大当たり状態中の非電サポ中に普図ゲームが開始されると、普図ゲームがはずれとなり、大当たり状態が発生することなく、次の普図ゲームが開始される場合がある。
したがって、基本的に、大当たり状態後に次の大当たりが発生することなく、3回目以降の普図ゲームが発生する可能性は低い。
【0157】
上述のように普図ゲームの変動パターン用の各データテーブルを選択することによる作用効果を
図6〜
図10に示すタイミングチャートを用いて説明する。
図6および
図7は、比較例になるタイミングチャートであり、上述の低確時短縮テーブルおよび高確時短縮テーブルが用いられず、電サポ有り無しの状況に応じて高確時通常テーブルまたは低確時通常テーブルが選択される場合のものである。
【0158】
図6の比較例1は、理想的な状況で、低確時短縮テーブルおよび高確時短縮テーブルを用いなくても特に問題が生じない場合のタイミングチャートを示すものである。
この場合には、上述のループ中に前の普図ゲームが当たりになって普通変動入賞装置5が開放される当たり状態が発生する。この際に普通変動入賞装置5が開放してから時間をあけずに早いタイミングで最初の遊技球が普通変動入賞装置5の始動入賞口52に入賞し、当たり状態が発生してから直ぐに特図ゲームが開始されている。特図ゲームは、略100%で大当たりになり、特別変動入賞装置6が開放する大当たり状態になる。
【0159】
この際に、普図ゲームでは、当たり状態が継続している。また、当たり状態においては、普通変動入賞装置5が閉塞した後も可変表示装置3(普図表示器8)で当たり状態のエンディング演出が表示されている。このエンディング演出の表示が終わるまで当たり状態中とされ、次の普図ゲームが開始できない状態になっている。
【0160】
また、特図ゲームにおいては、普図ゲームの上述のエンディング演出が終わる前、すなわち、当たり状態が終わる前に、大当たり状態が終了している。
この場合に次の普図ゲームは、特図ゲームの非電サポ中になる大当たり状態中ではなく、大当たり状態後の電サポ中に開始されるので、普図ゲームの変動パターンとして電サポ用の短い変動表示時間の変動パターンが選択される。これにより、前の当たり状態の終了後に、短い普図ゲームが行われて再び当たり状態が発生することが繰り返される。
【0161】
なお、大当たりになる特図ゲームの開始から大当たり状態の終了までの期間は、上述のエンディング演出時間を含む普図ゲームの当たり状態になっている期間より短いので、普通変動入賞装置5が開放してから始動入賞口52に遊技球が入賞するまでの時間が短ければ、問題は生じない。
【0162】
しかし、
図5に示すように、前の普図ゲームの当たり状態が開始され、普通変動入賞装置5が開放した際に、直ぐに遊技球が始動入賞口52に入賞せず、有る程度時間経過した後に遊技球が入賞すると、特図ゲームの開始が遅れることになり、普図ゲームの当たり状態が終了した際に、未だ特図ゲームの大当たり状態中の可能性がある。この場合に非電サポ中である特図の大当たり状態中に、前の普図ゲームの当たり状態が終了して次の普図ゲームが開始されてしまう。
【0163】
この場合の開始される普図ゲームの変動表示時間は、非電サポ中の長い変動表示時間とされるとともに、最悪スーパーリーチやプレミアムリーチ用のかなり長い変動表示時間、例えば、数分の変動表示時間が選択されてしまう可能性がある。
この場合に、この長い普図ゲームが終わるまで、普通変動入賞装置5が開放しない。また、非電サポ中に開始された普図ゲームは、当たり確率も低くはずれになる可能性が高い。はずれになった場合には、次の電サポ中に発生する普図ゲームが当たりになって普通変動入賞装置5が開放するのを待つことになる。
【0164】
また、この場合には、特図ゲームも開始されず特別変動入賞装置6も長い期間に渡って開放しない状態になる。
このような状況において遊技者は、なんらかの事情、例えば故障や制御プログラムのバグ等で、大当たり状態が中止または中断したのかも知れないと思うことになり、不満を抱いたり、不快になったりする虞が有る。
【0165】
なお、
図7に示す状況であっても、例えば、当たり状態における普通変動入賞装置5の開放時間を長くしたり、エンディング演出の時間を長くしたりすることや、特図ゲームの変動表示時間や停止表示時間を短くしたり、大当たり状態の時間を短くしたりすることによって、普通変動入賞装置5が開放してから始動入賞口5に遊技球が入賞するまでの時間が長くなっても(入賞が遅くなっても)、当たり状態が終了して次の普図ゲームが開始される際に特図ゲームの大当たり状態を終了させておくことが可能である。
【0166】
しかし、例えば、エンディング時間が極めて長くなったり、特図の大当たり状態が極めて短くなったりすることにより、普図ゲームおよび特図ゲームの時間的なバランスがくずれ、遊技者に違和感や不快感を与える虞がある。
【0167】
それに対して、この実施形態の実施例では、上述のように前の特図ゲームの大当たり状態後の二回目までの普図ゲームに対する変動パターンとして、高確時短縮テーブルまたは低確時短縮テーブルに登録された変動パターンが選択される。
【0168】
図8に示す実施例は、基本的に
図6に示す比較例と同様の状況を示すものであり、前の普図ゲームで当たりになって普通変動入賞装置5が開放して直ぐに遊技球が始動入賞口52に入賞することによって、上述のように普図ゲームの当たり状態が終了して次の普図ゲームが開始される際に、既に上述の始動入賞口52への遊技球の入賞を契機に開始された特図ゲームの大当たり状態が終了している。
【0169】
したがって、次の普図ゲームは、特図大当たり後一回目の普図ゲームとなるとともに、電サポ中に開始されることになり、高確時短縮テーブルに登録された変動パターンの変動表示時間、例えば、高確時通常テーブルに登録された変動パターンの変動表示時間と同じ1秒が普図ゲームの変動表示時間として設定される。
この
図8のタイミングチャートに示す場合は、
図6のタイミングチャートに示す場合と同様に、普通変動入賞装置5の開放が短時間で繰り返される状態になる。
【0170】
また、
図9に示すタイミングチャートの場合は、大当たり状態後の電サポ中に大当たり状態後の一回目の普図ゲームが開始されるが、この一回目の普図ゲームの当たりにより開放した普通変動入賞装置への遊技球の入賞が
図7に示すタイミングチャートと同様に遅くなると、当たり状態が終了して次の普図ゲームが開始される際に、未だ特図ゲームの大当たり状態が終了しておらず、次の普図ゲームは大当たり状態の非電サポ中に開始されることになる。この普図ゲームは、現状の大当たり状態が終了していないので、前の大当たり状態の終了から二回目の普図ゲームになる。
この場合に、特図ゲームの大当たり状態から二回目までの普図ゲームで、かつ、非電サポ中に開始されるので、上述の低確時短縮テーブルに登録された変動パターンが選択され、例えば、変動表示時間が、非電サポ中の比較的短い特殊変動表示時間として5秒になる。これにより、
図7に示すように、非電サポ中の長い変動表示時間が選択されて、普通変動入賞装置5が長い間開かなくなるのを防止できる。
この際には、
図8に示す場合よりはタイミングが遅くなるが、遊技者が違和感や不快感を抱く前に、普通変動入賞装置5を開放することができる。
【0171】
なお、
図9に示す場合には、低確時短縮テーブルに登録された比較的短い変動表示時間の普図ゲームがはずれになる可能性が高い。すなわち、非電サポ中に開始される二回目の普図ゲームは、
図9に示すようにはずれになって変動入賞装置5が開放しない可能性の方が高い。
【0172】
この場合には、次の普図ゲームが高確時に開始され、例えば、変動表示時間が1秒で、かつ、略100%で大当たりになるので、遊技者が違和感や不快感を抱く前に、普通変動入賞装置5を開放することができる。なお、この際の二回目の普図ゲームの次に開始される普図ゲームは、大当たり状態中に開始された二回目の普図ゲームが終わるまでに大当たり状態が終了しているので、この終了した大当たり状態から一回目の普図ゲームとなり、高確時短縮テーブルの変動パターンが適用されることになる。
【0173】
図10に示すタイミングチャートは、上述の二回目の普図ゲームがはずれとならずに当たりとなった場合を示すものである。この場合には、二回目の普図ゲームで、比較的短い特殊変動表示時間が選択され、かつ、次の電サポ中に開始される普図ゲームをまつことなく、普通変動入賞装置5が開放し、遊技者に違和感や不快階を与えずに済む。この際に、再び、開放した普通変動入賞装置へ遊技球の入賞が遅れると、再び、大当たり状態中に普図ゲームが開始されてしまう。
この際の普図ゲームも大当たり状態後一回目の普図ゲームとなり、低確時短縮テーブルの変動パターンの比較的短い特殊変動標示時間が選択されることになる。
【0174】
以上のことから、特図の大当たり状態中に普図ゲームの開始を停止するなどして、普図ゲームの制御に特図ゲームの大当たり状態のタイミングを用いるなどの複雑な制御を行うことなく、かつ、普図ゲームと特図ゲームとを並行して行うという遊技性を変えなくとも、電サポ有りの確変大当たりのループ中に普通変動入賞装置5が長い時間開放されずに、遊技者に違和感や不快感を与えるのを防止することができる。
【0175】
また、普図ゲームのエンディング演出を含む当たり状態の期間を長くしたり、特図ゲームの変動表示時間や大当たり状態の時間を短くしたりして、普図ゲームや特図ゲームの時間的なバランスをおかしくすることなく、電サポ有りの確変大当たりのループ中に普通変動入賞装置5が長い時間開放されずに、遊技者に違和感や不快感を与えるのを防止することができる。
【0176】
言い換えれば、正常に動作している際の制御を大幅に変更することなく、普図の変動パターンのデータテーブルに特殊なデータテーブルを加えて選択肢を増やし、異常が発生し易い状況でだけ、特殊なデータテーブルが選択されるようにすることによって、電サポ有りの確変大当たりのループ中に普通変動入賞装置5が長い時間開放されずに、遊技者に違和感や不快感を与えるのを防止することができる。
【0177】
また、上述のループ中に長い変動表示時間の普図ゲームが行われてしまうと、普図保留数が上限になってしまい、遊技者が遊技球の発射を停止してしまう可能性が高いが、上述のようにループ中に、長い変動表示時間の普図ゲームが発生しないようにすることによって、遊技者が遊技球の発射を停止するのを防止して、パチンコ遊技機の稼働率の向上を図ることができる。
【0178】
なお、普図ゲームおよび特図ゲームにおいて、変動表示時間に一定の停止表示時間を加えたものがゲーム開始から終了までのゲーム時間になる。
また、上述の実施形態において、当たり高確時通常テーブルと、高確時短縮テーブルとを同じテーブルとすることが可能であり、高確時短縮テーブルが選択される際に高確時通常テーブルが選択されるようにしてもよい。
また、低確時通常テーブルを除く、高確時通常テーブル、高確時短縮テーブル、低確時短縮テーブルにおいては、当たり用とはずれ用とで同じデータテーブルを用いるものとしてもよい。
【0179】
また、低確時短縮テーブルに登録される変動パターンの変動表示時間をたとえば、高確時短縮テーブルや高確時通常テーブルに登録されている変動パターンと同じ程度に短くしてもよい。その場合には、大当たり状態中に開始された普図ゲームがはずれで直ぐに終了してしまい、その後3回目の普図ゲームも大当たり状態中に発生し、低確時通常テーブルに登録された長い変動表示時間が選択されてしまう虞があるので、当たり状態終了後の3回または4回目までの普図ゲームに対して、低確時短縮テーブルが選択されるようにすることが好ましい。
【0180】
但し、上述のようにした場合に、大当たり状態の非電サポ中にはずれの普図ゲームが短時間に複数回行われて普図保留数が0になってしまう可能性があるので、低確時短縮テーブルに登録される変動パターンの変動表示時間は、高確時短縮テーブルや高確時通常テーブルに登録されている変動パターンの変動表示時間より少し長くすることが好ましい。例えば、低確時短縮テーブルに登録される変動パターンの変動表示時間は、例えば、低確時通常テーブルに登録されている変動パターンの最短になる変動表示時間(ゲーム時間)から、特図ゲームの大当たり状態の開始から終了までの時間を減算した時間よりも短く、かつ、高確時短縮テーブルや高確時通常テーブルに登録されている変動パターンの変動表示時間(ゲーム時間)より長くなっていることが好ましい。
【0181】
また、非電サポ中の普図ゲームの当たり確率を1/100〜300程度とし、電サポ中の普図ゲームの当たり確率を略100%とし、確変時および通常時の特図ゲームの大当たり確率を電サポ中の普図ゲームの当たり確率より高くするものとしたが、各確率は、非電サポ中に普図ゲームが当たりになる抽選確率を、非電サポ中に普図ゲームがはずれになる抽選確率より低くし、かつ、電サポ中に普図ゲームが当たりになる抽選確率を、電サポ中に普図ゲームがはずれになる抽選確率をより高くし、特図ゲームの当たりになる抽選確率を、電サポ中に普図ゲームが当たりになる抽選確率より高くなっていればよい。
【0182】
この場合に、例えば、上述のループ中に、普図ゲームが毎回当たりになるとともに、普図ゲームの当たりによる普通変動入賞装置5の開放と始動入賞口52への遊技球の入賞により特図ゲームがほぼ一対一で発生して当たりになる状態とはならないが、電サポ状態が次回の特図ゲームの大当たりまたは特図ゲームの数十回程度の実行まで継続するならば、普図ゲームがそれほど多くない実行回数毎に当たりになり、普通変動入賞装置5の開放と始動入賞口52への遊技球の入賞により特図ゲームが行われ、特図ゲームもそれほど多くない実行回数毎に当たりになり、電サポ有り確変状態がループすることになる。
【0183】
この場合に、普図ゲームのはずれが有る程度発生することで、普通変動入賞装置5が開放を繰り返す間隔が長くなるが、普通変動入賞装置5が開放しても特図ゲームが当たりになるとは限らず、特図ゲームが当たりになるまで、普通変動入賞装置5が開放する回数が多くなる。すなわち、リミッタが作動するまでの、普通変動入賞装置5の開放回数は多くなるので、開放間隔が長くなっても、上述のループとなることで、多くの遊技球を獲得できる可能性がある。
【0184】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述および図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。