(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5709747
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】直接的可視化を有する貫通部材
(51)【国際特許分類】
A61B 17/34 20060101AFI20150409BHJP
A61B 17/56 20060101ALI20150409BHJP
A61M 5/158 20060101ALI20150409BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20150409BHJP
【FI】
A61B17/34
A61B17/56
A61M5/158 500Z
A61B1/00 A
A61B1/00 310A
A61B1/00 320E
A61B1/00 320C
【請求項の数】40
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2011-521216(P2011-521216)
(86)(22)【出願日】2009年7月27日
(65)【公表番号】特表2011-529379(P2011-529379A)
(43)【公表日】2011年12月8日
(86)【国際出願番号】US2009051833
(87)【国際公開番号】WO2010014538
(87)【国際公開日】20100204
【審査請求日】2012年7月26日
(31)【優先権主張番号】61/084,202
(32)【優先日】2008年7月28日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508272709
【氏名又は名称】スパイン ビュー, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】イェンセン, レックス ピー.
(72)【発明者】
【氏名】チン, シンファット
(72)【発明者】
【氏名】トー, ジョン ティー.
【審査官】
石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2007/130891(WO,A1)
【文献】
国際公開第2008/079373(WO,A1)
【文献】
国際公開第2008/106086(WO,A1)
【文献】
米国特許第06902547(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/34
A61B 1/00
A61B 17/56
A61M 5/158
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の硬膜上腔にアクセスするためのシステムであって、
剛性管状部材の縦管腔内に除去可能に位置する第1の可撓性ファイバスコープであって、該剛性管状部材は、遠位貫通先端および該遠位貫通先端の近位に位置する少なくとも1つの視認開口部を有する、第1の可撓性ファイバスコープ
を含み、
該遠位貫通先端は、無傷の体内組織を貫通し、かつ、該無傷の体内組織を通り、患者の硬膜上腔に向かって、組織経路を形成するように構成されており、
該第1の可撓性ファイバスコープは、該遠位貫通先端が、該組織経路の少なくとも一部を形成する一方で、該組織経路を可視化するように構成されており、
該システムは、
該剛性管状部材上で通過させられ、引き出されるように構成された拡張器と、
該剛性管状部材上で挿入されるように構成された導入器であって、該剛性管状部材は、該導入器から除去されるように構成されている、導入器と、
操縦可能な多管腔のカニューレの中に挿入されるように構成された第2の可撓性ファイバスコープと
をさらに含み、
該操縦可能な多管腔のカニューレは、該導入器を通して挿入されるように構成されており、
該第2の可撓性ファイバスコープは、硬膜上腔を可視化するように構成されている、システム。
【請求項2】
前記第1の可撓性ファイバスコープと前記第2の可撓性ファイバスコープとは、同じファイバスコープである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2の可撓性ファイバスコープは、前記導入器を通して操縦可能な多管腔のカニューレが挿入される前に、該操縦可能な多管腔のカニューレに挿入されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の可撓性ファイバスコープは、前記剛性管状部材の前記管腔内で回転可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記遠位貫通先端は、脊椎領域に向かって、前記経路の形成を調節するように、再配向されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2の可撓性ファイバスコープは、前記導入器を通して前記操縦可能な多管腔のカニューレを挿入する間に、前記組織経路を可視化するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2の可撓性ファイバスコープは、前記導入器の壁を通して前記組織経路を可視化するように構成されており、該壁の少なくとも一部は、光学的に透明な材料を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の可撓性ファイバスコープは、前記剛性管状部材に挿入可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の可撓性ファイバスコープは、視認開口部に位置する光学的に透明な構造を通して前記組織経路を可視化するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
患者の身体領域にアクセスするためのシステムであって、
照明アセンブリおよび直接的可視化アセンブリを備える、該患者の未穿刺身体組織を穿刺するための穿刺部材
を含み、
該穿刺部材は、未穿刺身体組織を通る組織経路を形成するように構成されており、
該直接的可視化アセブリは、該組織経路の少なくとも一部が該未穿刺身体組織を通って形成される一方で、該組織経路を可視化するように構成されている、システム。
【請求項11】
前記穿刺部材は、勾配付き穿刺部材である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記穿刺部材の操縦制御器をさらに含み、該操縦制御器は、非直線の組織経路を形成するように作動可能である、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記穿刺部材は、該穿刺部材に流体が流されるように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記組織を貫通する遠位先端の位置をX線検査によって確認するためのX線検査位置決め手段をさらに含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記照明アセンブリおよび前記直接的可視化アセンブリは、前記穿刺部材から除去可能であり、
前記システムは、
該穿刺部材を使用して前記患者に通されるように構成された第1のガイド要素
をさらに含み、
該第1のガイド要素は、該患者から該穿刺部材が除去されるときに、1つの位置に残るように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記照明アセンブリおよび前記直接的可視化アセンブリは、該照明アセンブリおよび該直接的可視化アセンブリがその中に一体的に形成されるファイバスコープを除去することにより、前記穿刺部材から除去可能である、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1のガイド要素は、前記穿刺部材を通して前記患者に挿入可能なガイドワイヤである、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
第2のガイド要素をさらに含み、該第2のガイド要素は、前記第1のガイド要素を使用して前記患者に通されるように構成されており、該第1のガイド要素は、該第2のガイド要素から除去可能である、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記直接的可視化アセンブリは、管腔部材に挿入可能であり、
該管腔部材は、前記患者に挿入可能である、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
アクセス処置を行うためのシステムであって、
ミニスコープであって、
近位端の周囲に位置するビデオコネクタと、
遠位端の周囲に位置するレンズと、
少なくとも1つの照明光ファイバおよび少なくとも1つの視認光ファイバを備え、少なくとも約3インチの縦方向長さおよび約1.2mm2未満の平均軸方向断面積を有する、可撓性軸区画と
を備える、ミニスコープと、
細長い穿刺部材であって、
遠位貫通先端と、
ミニスコープ受容開口部と、
該遠位貫通先端と該ミニスコープ受容開口部との間に位置する軸区画であって、該軸区画は、近位ミニスコープ受容開口部と連通しているミニスコープ管腔を備え、少なくとも約3インチの縦方向長さおよび約1.3mm2未満の平均軸方向内腔断面積を有し、少なくとも1つの遠位視認窓を備える、軸区画と
を備える、穿刺部材と
を含む、システム。
【請求項21】
前記ミニスコープは、前記細長い穿刺部材に事前に挿入される、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記遠位貫通先端は、円錐構成を備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記遠位貫通先端は、少なくとも1つの切断刃を備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項24】
前記遠位貫通先端は、平坦なブレード構造を備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項25】
少なくとも1つの視認窓は、視認開口部を備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項26】
少なくとも1つの視認窓は、光学的に透明な材料を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項27】
前記遠位貫通先端は、光学的に透明な材料を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項28】
前記細長い穿刺部材の前記軸区画は、多管腔の軸区画である、請求項20に記載のシステム。
【請求項29】
前記多管腔の軸は、少なくとも1つの流体管腔を備える、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記多管腔の軸は、該多管腔の軸に接続される拡張可能部材を備える、請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記拡張可能部材は、バルーン部材を備える、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記多管腔の軸は、バルーン膨張管腔をさらに備える、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
少なくとも1つの視認窓は、前記ミニスコープ管腔の遠位端に位置する、請求項20に記載のシステム。
【請求項34】
少なくとも1つの視認窓は、前記ミニスコープ管腔の側壁に位置する、請求項20に記載のシステム。
【請求項35】
前記細長い穿刺部材は、少なくとも2つの視認窓を備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項36】
少なくとも2つの視認窓は、前記ミニスコープ管腔の縦方向長さに沿って連続的に配設される、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
少なくとも2つの視認窓は、前記ミニスコープ管腔の縦方向長さに沿って並列に連続的に配置される、請求項35に記載のシステム。
【請求項38】
前記細長い穿刺部材は、可撓性区画をさらに備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項39】
前記細長い穿刺部材は、前記可撓性区画を屈曲させるように構成される操縦アセンブリをさらに備える、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記貫通先端は、単一のブレードを含む、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/084,202号(2008年月7日28出願)の米国特許法第119条第(e)項の優先権の利益を主張し、この出願の開示は、その全体が本明細書に参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
椎間板の損傷は、一般的に、相当な治療期間の床上安静、理学療法、活動の変更、および鎮痛剤によって治療する。損傷した椎間板を修復し、損傷した椎間板の外科的除去を回避しようとする多くの治療が存在する。例えば、椎間板除圧術は、髄核を摘出するかまたは収縮させることにより、線維輪および神経への圧力を減圧するおよび減少させるために使用される手技である。より侵襲性の低い顕微鏡下腰椎椎間板摘出術および自動経皮的腰椎椎間板摘出術は、線維輪内に横方向に挿入した針を通して吸引することにより椎間板の髄核を摘出する。別の手技は、椎間板の変性を治療するか、遅延させるか、または予防するために、椎間板増強デバイスを移植することを伴う。増強とは、(1)椎間板ヘルニアの修復、損傷した線維輪の支持、および線維輪断裂の閉鎖を含む線維輪の増強と、(2)髄核への物質の追加を含む髄核の増強の両方を意味する。観血的アプローチを含む従来の治療デバイスおよび技術の多くは、蛍光透視による誘導下で椎間板の一部を穿刺するために筋肉の切開または経皮的手技を伴うが、直接的な可視化は用いない。いくつかの治療もまた、推測される損傷領域に薬物を注射することによって、または癒着を溶解させることによって、椎間板起因の疼痛を減少させようとする。しかしながら、これらのデバイスもまた、外科医にとっての触覚、または、外科医が周囲の組織を傷付けることなく操作できるという点においては、提供するところは少ない。一般に、これらの従来システムは、椎間板に到達するために外部からの可視化に依存するため、任意の種類のリアルタイムの搭載型可視化能力を持たない。
【0003】
薬物療法および理学療法は、脊椎関連疾患の一次的な解決策であると考えることができる。しかしながら、これらの治療法は、根底にある病態に完全に対応することができない。対称的に、椎弓(脊柱管を覆う薄い骨の板)を除去する椎弓切除術等の現在の外科的解決法は、神経根の露出およびそこまでのアクセスを可能にし、根底にある病態に対応する。そこから、神経に衝突する骨断片を除去することができる。椎弓切除術後に脊椎を融合または安定させるために、ネジ、椎体間スペーサ、および固定プレートが使用されてもよい。しかしながら、これらの外科的手技は、非常に侵襲性が高く、適切な外科的露出を達成するためには広範囲にわたる筋肉の切開を必要とすることが多いため、全身麻酔下での長期に及ぶ手術時間および回復期間の延長をもたらす結果となる。外科的アクセスを向上するために、場合によっては骨組織が除去されるが、同時に、近辺の神経血管構造への損傷のリスクを増大させる可能性がある。椎弓の特定の部分またはより小さな断片のみを除去することに焦点を当てた椎弓切開術等の、他の外科的方法が試みられてきた。
【0004】
さらに、腰痛を正確に診断することは、多くの人々が予想するよりも困難であることが多く、徹底した患者の病歴および身体検査の組み合わせ、ならびに一連の診断テストを伴う可能性がある。大きな問題は、脊椎の種々の構成要素が複雑であること、そして個々の患者が経験する身体症状が広範囲に及ぶことである。また、硬膜上腔は、脂肪、結合組織、リンパ管、動脈、静脈、血液、および脊髄神経根等の種々の要素を含む。これらの解剖学的構造は、そこに挿入されるいずれの器具またはデバイスの周辺においても崩壊する傾向があるため、硬膜外領域内の状態を治療または診断することを困難にしている。このことにより、硬膜上腔内の可視性が減少され、デバイスを挿入する際に神経根に不注意による損傷を生じる可能性がある。また、可視化デバイスの挿入は、視認能力を妨げるまたは減少させる結果になり得る。このように、硬膜上腔内の多くの解剖学的要素が、硬膜上腔に挿入される任意のアクセス、可視化、診断、または治療デバイスの挿入、移動、および視認能力を制限する可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
脊椎にアクセスするためのシステムおよび方法は、標的治療部位へのアクセス経路を形成するために使用され得る直接的可視化能力を有する組織貫通部材を含む。光ファイバによる照明および撮像構成要素によって提供され得る直接的可視化能力は、アクセス経路が組織貫通部材によって形成されるにつれて、組織を可視化するために使用されてもよい。組織貫通部材は、ファイバスコープまたはミニスコープに挿入され得る統合光ファイバ構成要素および/またはチャネルを伴う鋭利な先端を有する、外套針、カテーテル、およびカニューレを含む。開口部および/または透明な材料は、組織貫通部材の遠位端周辺の組織の撮像を可能にするように提供される。
本発明は、例えば、以下も提供する。
(項目1)
患者の硬膜上腔にアクセスするための方法であって、
第1の可撓性ファイバスコープを使用して無傷の体内組織に貫通することであって、該第1の可撓性ファイバスコープは、剛性管状部材の縦管腔内に着脱可能に位置し、該剛性環状部材は、遠位貫通先端および該遠位貫通先端の周囲に位置する少なくとも1つの視認開口部を有する、ことと、
該無傷の体内組織を通り、患者の硬膜上腔に向かって、該遠位貫通先端を用いて組織経路を形成することと、
該組織経路の少なくとも一部を形成する一方で、該第1の可撓性ファイバスコープを使用して該組織経路を可視化することと、
該剛性管状部材から該可撓性ファイバスコープを除去することと、
該剛性管状部材上で拡張器を通過させ、引き出すことと、
該剛性管状部材上で導入器を挿入することと、
該導入器から剛性管状部材を除去することと、
第2の可撓性ファイバスコープを操縦可能な多管腔のカニューレの中に挿入することと、
該導入器を通して該操縦可能な多管腔のカニューレを挿入することと、
該第2の可撓性ファイバスコープを使用して、硬膜上腔を可視化することと
を含む、方法。
(項目2)
上記第1の可撓性ファイバスコープと上記第2の可撓性ファイバスコープとは、同じファイバスコープである、項目1に記載の方法。
(項目3)
上記第2の可撓性ファイバスコープを操縦可能な多管腔のカニューレに挿入することは、上記導入器を通して該操縦可能な多管腔のカニューレを挿入する前に行われる、項目1に記載の方法。
(項目4)
上記剛性管状部材の上記管腔内で、上記第1の可撓性ファイバスコープを回転させることをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
上記遠位貫通先端を脊椎領域に向かって再配向することによって、上記経路の上記形成を調節することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
上記導入器を通して上記操縦可能な多管腔のカニューレを挿入する一方で、上記第2の可撓性ファイバスコープを使用して上記組織経路を可視化することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目7)
上記第2の可撓性ファイバスコープを使用して上記組織経路を可視化することは、上記導入器の壁を通して該組織経路を可視化することを含み、該壁の少なくとも一部は、光学的に透明な材料を含む、項目6に記載の方法。
(項目8)
上記第1の可撓性ファイバスコープを上記剛性管状部材に挿入することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
上記第1の可撓性ファイバスコープを使用して上記組織経路を可視化することは、視認開口部に位置する光学的に透明な構造を介して該組織経路を可視化することを含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
上記患者の正中矢状面の約8cmから約20cmまで側方にある該患者の後側方位置に、上記剛性カニューレ部材の上記遠位貫通先端を設置することと、
該正中矢状面に対して約20度から約50度までの角度で該剛性カニューレ部材を配向することと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目11)
患者の身体領域にアクセスするための方法であって、
照明アセンブリおよび直接的可視化アセンブリを備える穿刺部材を使用して、患者の未穿刺身体組織を穿刺することと、
標的身体部位に向かって未穿刺身体組織を通る組織経路を形成することと、
該組織経路の少なくとも一部が該未穿刺身体組織を通って形成される一方で、該直接的可視化アセンブリを使用して該組織経路を可視化することと
を含む、方法。
(項目12)
上記未穿刺身体組織は、椎骨の後棘突起の約8cmから約20cmまで側方にある、項目11に記載の方法。
(項目13)
上記患者の上記正中矢状面に対して約20度から約50度までの角度で上記穿刺部材を配向することをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目14)
上記穿刺部材は、勾配付き穿刺部材である、項目11に記載の方法。
(項目15)
上記組織経路は、少なくとも仙棘筋、腰方形筋、および大腰筋を通過する、項目11に記載の方法。
(項目16)
上記組織経路は、腸肋筋と胸腰筋膜との間を通って、少なくとも上記仙棘筋、腰方形筋、および大腰筋を通過する、項目11に記載の方法。
(項目17)
脊椎に向かって非直線の組織経路を形成するように、上記穿刺部材の操縦制御器を作動させることをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目18)
上記標的身体部位に到達する前に、上記穿刺部材に流体を流すことをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目19)
上記組織貫通遠位先端の位置をX線検査によって確認することをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目20)
患者の最長筋を通して穿刺することをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目21)
患者の多裂筋を通して穿刺することをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目22)
患者の最長筋と隣接する多裂筋との間に組織経路を形成することをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目23)
上記穿刺部材から上記照明アセンブリおよび上記直接的可視化アセンブリを除去することと、
該穿刺部材を使用して第1のガイド要素を上記患者の体内に通すことと、
該患者の体内に該第1のガイド要素を維持する一方で、該穿刺部材を除去することと
をさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目24)
上記穿刺部材から上記照明アセンブリおよび上記直接的可視化アセンブリを除去することは、該照明アセンブリおよび該直接的可視化アセンブリがその中に一体的に形成されるファイバスコープを除去することを含む、項目23に記載の方法。
(項目25)
上記標的身体部位は、血管である、項目11に記載の方法。
(項目26)
上記標的身体部位は、脊椎の硬膜上腔である、項目11に記載の方法。
(項目27)
上記標的身体部位は、乳房腫瘤、肝腫瘤、心膜嚢、腎臓腫瘤、肺小結節、リンパ節、腹水採取、および胸水採取から成る群から選択される、項目11に記載の方法。
(項目28)
上記穿刺部材を使用して上記第1のガイド要素を上記患者の体内に通すことは、該穿刺部材を通して該患者にガイドワイヤを挿入することを含む、項目23に記載の方法。
(項目29)
上記第1のガイド要素を使用して第2のガイド要素を上記患者の体内に通すことと、該第2のガイド要素から該第1のガイド要素を除去することとをさらに含む、項目23に記載の方法。
(項目30)
上記直接的可視化アセンブリを管腔部材に挿入することと、
該管腔部材を上記患者に挿入することと
をさらに含む、項目24に記載の方法。
(項目31)
アクセス処置を行うためのシステムであって、
ミニスコープであって、
近位端の周囲に位置するビデオコネクタと、
遠位端の周囲に位置するレンズと、
少なくとも1つの照明光ファイバおよび少なくとも1つの視認光ファイバを備え、少なくとも約3インチの縦方向長さおよび約1.2mm2未満の平均軸方向断面積を有する、可撓性軸区画と
を備える、ミニスコープと、
細長い穿刺部材であって、
遠位貫通先端と、
ミニスコープ受容開口部と、
該遠位貫通先端と該ミニスコープ受容開口部との間に位置する軸区画であって、該軸区画は、該近位ミニスコープ受容開口部と連通しているミニスコープ管腔を備え、少なくとも約3インチの縦方向長さおよび約1.3mm2未満の平均軸方向内腔断面積を有し、少なくとも1つの遠位視認窓を備える、軸区画と
を備える、穿刺部材と
を含む、システム。
(項目32)
上記ミニスコープは、上記細長い穿刺部材に事前に挿入される、項目31に記載のシステム。
(項目33)
上記遠位貫通先端は、円錐構成を備える、項目31に記載のシステム。
(項目34)
上記遠位貫通先端は、少なくとも1つの切断刃を備える、項目31に記載のシステム。
(項目35)
上記遠位貫通先端は、平坦なブレード構造を備える、項目31に記載のシステム。
(項目36)
少なくとも1つの視認窓は、視認開口部を備える、項目31に記載のシステム。
(項目37)
少なくとも1つの視認窓は、光学的に透明な材料を含む、項目31に記載のシステム。
(項目38)
上記遠位貫通先端は、光学的に透明な材料を含む、項目31に記載のシステム。
(項目39)
上記細長い穿刺部材の上記軸区画は、多管腔の軸区画である、項目31に記載のシステム。
(項目40)
上記多管腔の軸は、少なくとも1つの流体管腔を備える、項目39に記載のシステム。
(項目41)
上記多管腔の軸は、該多管腔の軸に接続される拡張可能部材を備える、項目39に記載のシステム。
(項目42)
上記拡張可能部材は、バルーン部材を備える、項目41に記載のシステム。
(項目43)
上記多管腔の軸は、バルーン膨張管腔をさらに備える、請求42に記載のシステム。
(項目44)
少なくとも1つの視認窓は、上記ミニスコープ管腔の遠位端に位置する、項目31に記載のシステム。
(項目45)
少なくとも1つの視認窓は、上記ミニスコープ管腔の側壁に位置する、項目31に記載のシステム。
(項目46)
上記細長い穿刺部材は、少なくとも2つの視認窓を備える、項目31に記載のシステム。
(項目47)
少なくとも2つの視認窓は、上記ミニスコープ管腔の縦方向長さに沿って連続的に配設される、項目46に記載のシステム。
(項目48)
少なくとも2つの視認窓は、上記ミニスコープ管腔の縦方向長さに沿って並列に連続的に配置される、項目46に記載のシステム。
(項目49)
上記細長い穿刺部材は、可撓性区画をさらに備える、項目31に記載のシステム。
(項目50)
上記細長い穿刺部材は、上記可撓性区画を屈曲させるように構成される操縦アセンブリをさらに備える、項目49に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明は、添付の図面とともに以下の詳細な説明を熟読することによって最良に理解される。一般慣行に従って、図面の種々の特徴は、必ずしも原寸に比例しているとは限らないことを強調しておく。反対に、種々の特徴の寸法は、分かり易いように任意に拡大または縮小されている可能性がある。図面には以下の図が含まれる。
【
図1】
図1Aおよび1Bは、光ファイバスコープの斜視図および側方立面図である。
【
図2】
図2Aおよび2Bは、挿入された光ファイバスコープを含む管状貫通部材の上方立面図および側方立面図であり、
図2Cは、
図2Bの管状貫通部材の切り取り図である。
【
図3】
図3〜5は、管状貫通部材の種々の他の実施形態を示す図である。
【
図4】
図3〜5は、管状貫通部材の種々の他の実施形態を示す図である。
【
図5】
図3〜5は、管状貫通部材の種々の他の実施形態を示す図である。
【
図6】
図6Aおよび6Bは、ブレードを備える管状貫通部材の側方立面図および上方立面図である。
【
図7】
図7Aおよび7Bは、それぞれ、膨張状態および非膨張状態にある任意選択のバルーンを含む、多管腔の貫通部材の縦方向の断面図である。
【
図8】
図8は、透明な視認バルーンを含む貫通部材の縦方向の断面図である。
【
図9】
図9は、透明な視認バルーンおよび透明な軸区画を含む貫通部材の側方立面図である。
【
図14】
図14Aおよび14Bは、後脊椎アクセス処置の概略的な側方立面図および上方立面図である。
【
図15】
図15Aおよび15Bは、後側方脊椎アクセス処置の概略的な側方立面図および上方立面図である。
【
図16】
図16は、血管アクセス処置の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
骨の強度を維持する一方で、脊椎構造に対する損傷を低減するために、低侵襲脊椎手術を使用して既存骨の切除および/周囲の既存組織の切開を回避してきた。既存の低侵襲脊椎アクセス処置は、蛍光透視による誘導および内視鏡的可視化の両方を使用して行われてきた。既存の脊椎内視鏡システムは、いったんアクセスすると、脊椎の治療領域または身体の他の領域を視認するための直接的な視覚能力を提供するが、これらのシステムは、神経および血管に対する医原性損傷のリスク、または標的部位を局在化する上での困難を伴うことが多い。同様のリスクおよび困難が、これらに限定されないが、例えば、鎖骨下カテーテルおよび内頸静脈カテーテルの留置、腎生検、肝生検、穿刺術、胸膜穿刺、および大腿動脈を含む、多数の他の低侵襲性および制限されたアクセス処置に伴う。
【0008】
これらのリスクの根源は、治療部位に到達するために使用される手技にある可能性がある。実際の診断治療または介入治療を開始できるようになる前に、治療部位にアクセスしなければならない。これは、典型的には、内視鏡的可視化を用いずに、蛍光透視下またはX線による画像診断下で、鋭利な先端を有するガイドワイヤ、針、または外套針を使用して行われる。蛍光透視法を用いた骨および他の石灰化構造の検出は比較的単純だが、蛍光透視法を用いた軟組織構造の検出は、例え造影剤(複数化)の注入を用いたとしても、依然として問題がある。したがって、蛍光透視手技の最中は、治療部位に近接する神経および血管等の軟組織構造は、偶発的損傷を受けるという重大なリスクがある。蛍光透視法および他の間接的な画像診断システムの過剰使用も、患者および医療従事者の両方を電離放射線に関連する長期リスクに供する可能性がある。
【0009】
しかしながら、標的部位に到達してからではなく、侵襲的手技の初期アクセス段階で直接的または局所的な可視化を提供することによって、さらなる安全性の向上が達成され得る。これは、例えば、貫通先端が標的部位に到達するように無傷の組織を切断または穿刺するにつれて身体組織を視認するために、貫通先端をおよび直接的可視化システムを有するガイドワイヤ、カニューレ、または外套針等の器具を提供することによって行われてもよい。標的部位は、例えば、乳房腫瘤、身体構造の壁もしくは管腔等の固形組織、または体腔の潜在的もしくは実際の空間であってもよい。標的部位へのアクセスを達成する一方で身体組織を可視化することにより、特定の構造または組織が可視化されると、アクセス器具が再配向されてもよい。
【0010】
図1Aおよび1Bは、組織および構造を光学的に可視化するために患者の体内に挿入され得る光ファイバスコープ2の一実施形態を示す。スコープ2は、スコープ2の遠位端6から視覚像を受信し、任意選択で遠位端6に照明を送信するために使用される近位筺体4を備える。この特定の実施形態では、近位筺体4は、スコープ2の遠位端6から送信される光画像を視認するために使用され得るアイピース8と、スコープ2をビデオモニタおよび/または照明システムに連結するために使用され得るコネクタ10とを備える。他の実施例では、スコープは、アイピースのみ、モニタ/照明の連結部のみ、またはモニタおよび照明のための別個の連結部を有することができる。近位筺体4は、近位軸区画14、遠位軸区画16、および任意選択のハンドル18を備える軸アセンブリ12に接続されてもよい。近位軸区画と遠位軸区画との間の視覚的描写はあってもまたはなくてもよく、いくつかの実施例では、近位軸区画および遠位軸区画は、連続的な軸本体の対向する端部であってもよい。図示した軸アセンブリ12では、いくつかの実施例において、遠位軸区画16は、約0.5mmから約1.5mm以上、時には約0.7mmから約1.2mm、他の場合は約0.8mmから約1mmの範囲の直径または平均横軸寸法を有することができる。遠位軸区画16の長さは、約30mmから約1メートル以上、時には約200mmから約600mm、他の場合は、約300mmから約500mmの範囲であってもよい。近位筺体4および/またはハンドル18は、スコープ2の把持特性を高めるような成形、把持材料、および/または表面性状を有することができる。例えば、
図1Aでは、任意選択のハンドル18は刻み付き面20を備える。
【0011】
軸アセンブリ12の種々の区画の可撓性または剛性は、異なっていてもまたは均一であってもよい。例えば、
図1Aおよび1Bの近位軸区画14およびハンドル18は、剛性であり得、ステンレススチール等の材料を含んでもよく、一方で、遠位軸区画16は、ポリイミド等の可撓性材料を含むことができる。軸アセンブリが可撓性遠位領域を有する実施例では、スコープは、非直線軸に沿った可視化を可能にするように、操縦可能な器具または他の屈曲可能な器具に挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、近位筺体または軸アセンブリは、スコープを多管腔のカニューレ等の他の器具に連結するための1つ以上のコネクタまたはインターフェースを備えることができる。これらのインターフェースは、例えば、多様な糸付きインターフェースまたは開放可能なロックインターフェースのうちのいずれかを含んでもよい。軸アセンブリ12は、スコープ2の遠位端6から近位筺体4に光情報を送信するために、複数の光ファイバではないとしても、少なくとも1つの可視化光ファイバを備え、また任意選択で、光を遠位端6に送信するために1つ以上の照明ファイバを備えることができる。他の実施形態では、照明光源は、照明光源に電力供給するために提供される電線または電気配線とともに、遠位端に提供されてもよい。遠位軸区画16はまた、任意選択で、画像および/または照明の焦点を合わせるために使用されてもよい1つ以上のレンズを備えることができる。可視化ファイバ、任意選択の照明ファイバ、および任意選択のレンズの特定の配置は異なってもよく、またスコープ2の視認角度22に影響を与えることが可能である。いくつかの実施形態では、スコープの視認角度は、約10度から約180度、または約45度から約135度、他の場合は約90度から約120度の範囲であってもよい。
図1Aで概略的に示される視認角度20は、スコープ2の縦軸に対して対称に照準が合っているように示されているが、他の実施例では、視認角度は、遠位軸区画16の縦軸からオフセットであってもよい。
【0012】
使用されてもよい他のスコープは、米国特許第4,807,597号および第4,899,732号に開示されるスコープ(参照することによって、それらの全体が本明細書に組み込まれる)、およびVision−Sciences(Rangeburg,NY)によって製造される種々のスコープである。他の実施形態では、可視化器具は、例えば、血管プラークおよび胆道系を可視化するために使用される血管内超音波システム等の、低侵襲手技を用いて体内に挿入可能な超音波画像デバイス等、異なる局所的な可視化システムを備えることができる。
【0013】
図1Aおよび1Bのスコープ2は、アクセス経路を形成するために使用される切断構造または穿刺構造の周囲を視認することを可能にする1つ以上の領域とともに構成されるアクセスシステムに挿入されてもよい。
図1Aから1Cでは、例えば、アクセスシステムは、遠位穿刺先端32と、スコープ2を受容するように構成される少なくとも1つの内側管腔34とを有する管状貫通部材30を備えることができる。いくつかの代替実施形態では、スコープの1つ以上の副構成要素は、管状貫通部材内に統合されてもよいか、または異なる管腔に挿入される別個のデバイスの中に提供されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、スコープは照明ファイバを持たなくてもよく、代わりに照明ファイバは、照明コネクタとともに管状貫通部材内に提供されてもよい。この特定の実施形態では、遠位端スコープ以外の異なる位置から照明を提供することにより、管状貫通部材の遠位穿刺先端または他の領域周辺の組織の視認を向上させることができる。いくつかのさらなる実施形態では、管状貫通部材およびスコープは一体的に形成されてもよい。さらに他の実施形態では、スコープおよび/または管状貫通部材は、例えば、灌注、治療、染色、または造影剤送達のために使用されてもよい、1つ以上の追加の管腔を備えることができる。
【0014】
管状貫通部材30の内側管腔34は、管腔34からの周囲の可視化を可能にするための1つ以上の側方孔36および38を備えることができる。この特定の実施例では、側方孔36および38は覆われていないが、本明細書に開示される他の実施形態では、1つ以上の孔が透明な材料で覆われていてもよい。
図1Bおよび1Cに示すように、内側管腔34ならびに側方孔36および38は、スコープ2の遠位区画16および/または遠位端6が、側方孔36および38のうちの少なくとも1つから突出し得るように構成されてもよい。この特定の実施形態では、側方孔36および38は、それらの長い方の寸法が管状貫通部材30の縦軸に沿って配向される楕円形構成を有する。側方孔は、約0.4mmから約10mm以上、時には約0.6mmから約3mm、他の場合は約0.8mmから約2mmの範囲であってもよい縦長さを有することができる。孔36および38は、約0.4mmから約1.5mm以上、時には約0.6mmから約1.2mm、他の場合は約0.7mmから約0.9mmの幅を有することができる。側方孔36および38は、管状貫通部材30の円周に沿って約180度対称に離間し、かつ縦方向に整合して示されているが、孔は、円周の周囲に非対称的に離間していてもよく、多数の孔が、縦方向長さに沿って整合してまたは不整合に設けられてもよい。最も遠位の側方孔と穿刺先端32の遠位点40との間の距離は、約0.5mmから約20mm以上、時には約0.8mmから約5mm、他の場合は約0.8mmから約2mmの範囲であってもよい。
【0015】
図2Cを参照すると、管状貫通部材30の近位部44は、内側管腔34の近位孔46のみを備えているが、他の実施形態では、近位部は、任意選択でハンドル、筺体、またはいくつかの他の構成を備えることができる。いくつかの特定の実施形態では、内側管腔の近位孔は、スコープ2の管状貫通部材への挿入を容易にするように、裾広がりの構成を有することができる。しかしながら、他の実施形態では、スコープは製造中に管状貫通部材に挿入されてもよく、挿入を容易にするための構成は提供されない。
【0016】
前述の通り、いくつかの実施形態では、側方孔が透明な材料で覆われていてもよい。例えば、
図3では、管状貫通部材50は、透明な窓54で覆われた孔52を有する。透明な窓の材料は、例えば、種々の形態のガラス、ナイロン、Pebax、PET、FEP、PTFE、ポリオレフィン、アクリル、ポリカーボネート、またはポリエチレンを含む、光学的に透明な材料であってもよい。可視化器具が非光学的デバイス(例えば、超音波)である他の実施形態では、透明な窓は、特定の画像モダリティには透過性であってもよいが、他には透過性でなくてもよい。
【0017】
図2Aから2Cに示される遠位穿刺先端32は、円錐構成および中央に位置する遠位点40有するが、他の実施例では、遠位穿刺先端は、偏在する遠位点、複数の遠位点、または非円錐構成を有することができる。遠位点40は、鋭利で合ってもよいか、または鈍的であってもよい。また、遠位穿刺先端32の角度42は異なってもよく、例えば、約10度から約175度、時には約35度から約120度、他の場合は約45度から約90度の範囲であってもよい。
【0018】
例えば、
図4では、管状貫通部材60は、1つ以上のエッジ64、66、および68を含む錐体構成を有する遠位穿刺先端62を備える。この実施例では、エッジ64、66、および68は線形であり、遠位穿刺先端62の遠位点70から基部72までの距離に及ぶ。エッジ64、66、および68のそれぞれは、鋭利または鈍的であってもよい。他の実施形態では、エッジは、遠位穿刺先端の全長未満に及んでもよく、非直線構成を有することができる。いくつかの非直線構成は、例えば、らせん構成、角のある構成、および同心円構成を含むことができる。
図4にさらに示すように、管状貫通部材60は、遠位軸区画80を遠位穿刺先端62と接続する支柱78によって隔てられた多数の長方形孔76である、遠位視認領域74を備える。
図5は、視認領域92が遠位軸区画96を遠位穿刺先端98と接続する透明な管94または円筒を備える、管状穿刺部材90の別の実施例を示す。また、遠位穿刺先端98も透明な材料を含む。
【0019】
図6Aおよび6Bは、突出するブレード210または他の穿刺構成を有する遠位穿刺先端208とともに、1つ以上の側方孔204および206を有する遠位視認領域202を備える、管状貫通部材200の別の実施形態を示す。
図6Aおよび6Bでは単一のブレードが示されているが、他の実施例では複数のブレードが設けられてもよい。また、ブレード210は、図示されるように三角構成を有することができるが、スペード構成、四角形もしくは円形のへら構成、または他の多様なブレード構成のうちのいずれか等の他の構成を有することができる。遠位視認領域または孔に対するブレードの配向も異なり得る。例えば、
図6Aおよび6Bでは、単一ブレード210は、各孔204および206の中央に対称的に存在する平面に位置するが、他の実施形態では、ブレードは、孔の間に対称的に存在する平面、または管状貫通部材の中心縦軸に対してオフセットしたもしくは傾斜した平面に位置してもよい。
【0020】
前述の通り、貫通部材のいくつかの実施形態は、多管腔の構成を備えることができる。例えば、
図7Aおよび7Bでは、貫通部材220は、光ファイバスコープを挿入するためのスコープ管腔222を備える。スコープ管腔222は、貫通部材220の透明な穿刺先端224を介して可視化を提供するために使用されてもよい。また貫通部材は、多様な機能のうちのいずれかに使用されてもよい補助管腔226を備えることができる。
図7Aおよび7Bの特定の構成では、補助管腔226は、透明な穿刺先端224を通って延在する遠位管腔230を有する。この実施例の透明な穿刺先端224は、大きな平面228を提供する勾配構成を備える。いくつかの場合において、大きな平面228は、複数の小さな傾斜面と比較して、透明な材料を介した視認を向上し得る。通常、スコープ管腔222は、大きな平面228に対して垂直の角度ではない線形構成を有するが、いくつかの実施形態では、スコープ管腔は、大きな平面228または任意の他の視認面に対して直角に近い角度であってもよい。
【0021】
図7Aおよび7Bの貫通部材220は、任意選択のバルーン232をさらに備える。バルーン232は、膨張孔240で軸234の膨張管腔238によって膨張され得るバルーン空洞236を形成するように、貫通部材220の軸234に接合され得る。バルーン232は、気体または生理食塩水等の液体で膨張させてもよい。いくつかの場合において、バルーン232は、貫通部材220を囲む組織を押し退けるために、アクセス経路を拡大するためのアクセス処置の最中に使用されてもよく、そうすることで、組織の可視化および同定を向上することができ、また、より大きな器具の通過を可能にするように経路を拡大することができる。
【0022】
バルーン232は、これらに限定されないが、例えば、ポリウレタンまたはPETを含む、多様な伸縮性および非伸縮性の医療用バルーン材料のうちのいずれかを備えることができる。バルーンアセンブリ230は、これらに限定されないが、例えば、円筒形、円錐形、球形、楕円形、先細り、または階段状の構成を含む、多様な膨張形態のうちのいずれかを有することができる。
図7Bのバルーン232は、軸234の円周の周囲に対称的に配置される膨張したドーナツ形状を有するが、他の実施形態では、バルーンの形状は、軸に対してオフセットであってもよいかまたは偏心的に配置されてもよい。非膨張状態にあるとき、バルーン232は、約4mm以下、時には約3.6mm以下、他の場合は約3mm以下の外径を有することができる。膨張状態にあるとき、バルーン232は、約4mm以上、時には約5mm以上、他の場合は約6mm以上の最大外径を有することができる。軸234に取り付けられたバルーン232の縦方向長さは、例えば、約3mmから約20mm、時には約4mmから約10mm、他の場合は5mmから約8mmの範囲であってもよい。
【0023】
バルーン232は、例えば、接着剤または熱接合によって軸234に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、管状軸からバルーンを分離することなく、より高い膨張圧の使用を支持するように、バルーンと管状軸との間のシーリングを向上させる取付構造またはプロセスが使用されてもよい。例えば、クリンプリングまたは熱収縮チューブが、接合または取り付けプロセスを高めるために使用されてもよい。クリンプリングまたは熱収縮チューブは、他の接合プロセスの設定を容易にするように一次的に適用されてもよい。他の実施形態では、クリンプリングまたは熱収縮チューブが、最終的に組み立てられた製品に組み込まれてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、貫通部材の側方孔は、バルーンおよびバルーン空洞を介して可視化が生じるように構成されてもよい。これにより、ユーザは、バルーンを選択的に膨張または非膨張させることによって、任意の隣接する組織までの距離を選択的に調節することが可能となる。例えば、
図8では、貫通部材250は、遠位ブレード252と、2つの側方孔256および258を含む視認領域254とを備える。側方孔256および258は、孔256および258の周囲で密封されたバルーン262のバルーン空洞260と連通している。ここでは、貫通部材250の内側管腔264は、スコープを受容するように構成されるが、それだけではなく、バルーン空洞260を膨張および収縮させるようにも構成される。この特定の貫通部材250とともに使用されるスコープは、バルーン262が膨張され得る圧力に耐えるように構成することができる。
図9は、円錐形の貫通先端272、透明な膨張可能バルーン274、および透明な軸276を備える貫通部材270の別の実施形態を示す。いくつかの場合において、透明な軸は、貫通部材270の遠位端周囲の領域だけでなく、アクセス経路全体に沿って組織および構造の可視化を可能にすることができる。
【0025】
図10Aおよび10Bは、近位端304および遠位端306を含む管状軸302を備えるバルーン貫通部材300の一実施形態の全体図および詳細図である。貫通部材300の近位端304は任意選択の筺体318に取り付けられ、遠位端306は、膨張可能バルーン316および貫通先端317を備える。種々のポート308、310、312、および314は、任意選択で、軸上または任意選択の筺体318上に設けられてもよく、これらに限定されないが、流体または材料の注入/ドレナージ/吸引、内視鏡または光ファイバデバイスの挿入/除去/もしくは支持、膨張可能バルーン316の膨張/収縮、および他の器具またはツールの挿入/除去もしくは支持のためを含む、多様な使用法のうちのいずれかのために構成されてもよい。筺体318はまた、任意選択の操縦機構320を備えてもよい。
【0026】
操縦機構320は、1つ以上の屈曲領域324で軸302を屈曲させるように構成されてもよい。
図10Cでは、操縦機構320は、ポートチューブおよび筺体318の一部が除去された状態で示される。操縦機構320は、レバー車軸390で回転するかまたは旋回するように構成されるレバー322を備える。他の実施形態では、操縦機構320は、スライド、ノブ、または他の構成を備えることができる。レバー322は、軸302の長さに沿って摺動可能に位置し、かつ軸302の遠位位置に取り付けられた2つの制御部材392に取り付けられる。レバー322を作動させると、1つ以上の付勢部材398によって運動の範囲および力を増大させることができる。付勢部材198は、
図10Cに示されるようにらせん状ばねを備えることができるが、板ばねまたは任意の他の種類の付勢部材の構成も備えることができる。レバー322の運動範囲もまた、筺体318に設けられるレバー孔399のサイズおよび/または構成によって影響を受ける可能性がある。いくつかの実施形態では、レバーを実質的に1つ以上の位置で維持するために、任意選択の固定機構が設けられてもよい。
【0027】
制御部材392は、ワイヤ、糸、リボン、または他の細長い構造を備えることができる。制御部材392の可撓性および/または剛性は、特定の操縦機構によって異なり得る。さらなる実施形態では、制御部材392の特徴はその長さに沿っても異なり得る。2つ以上の制御部材を備える実施形態では、制御部材は対称的に構成される(例えば、同じ長さ、断面面積もしくは断面形状、または管状軸の縦軸に対して対向する取付け部位を有する等)必要はない。また、個々の制御部材は、それらの長さに沿って同じ構成を有する必要はない。
【0028】
屈曲領域324の屈曲範囲は異なり得る。バルーン貫通部材300は、軸の中間的な位置に対して片側または両側の屈曲範囲を有するように構成されてもよい。屈曲範囲は、約0度から約135度、時には約0度から約90度、他の場合は約0度から約45度、そしてさらに他の場合は約0度から約15から約20度の範囲であってもよい。他方の側の屈曲範囲は、もしある場合は、第1の側より小さいか、等しいか、または大きくてもよい。
【0029】
前途した通り、直接的可視化能力を有する貫通部材は、多様な分野において多様な医療手技のために使用されてもよい。スコープ付き貫通部材は、それを使用しなければ、やみくもに、蛍光透視下で、または外部画像モダリティを使用して行われるであろう、特定標的部位への最初のアクセスを提供するために使用されてもよい。1つの特定の実施例において、貫通部材は、頸椎、胸椎、もしくは腰椎の硬膜外領域または傍脊椎領域へのアクセスを提供するために使用されてもよい。いったん領域へのアクセスが達成されると、例えば、接着剤の溶解、麻酔注入、髄核摘出術、椎間板切除術および椎間孔拡大術、ならびに椎弓切除術を含む多様な脊椎手術を遂行するために、アクセス経路を用いて内視鏡器具が配置されてもよい。いくつかの実施例を下に記載する。
【0030】
図11から13は、脊椎の腰椎領域100の略図である。脊柱管102は、複数の椎骨104、106、および108により形成され、椎骨は、前方に椎体110、112、および114を備え、後方に椎弓116および118を備える。上位の椎骨104の椎弓と隣接する結合組織とは、脊柱管102内の脊髄122をより良好に図示するために
図11において省略されている。脊髄神経124は、脊柱122から両側に分岐し、隣接する椎骨104、106、および108によって形成される椎間孔126(
図12および13において、最もよく分かる)を通って脊柱管102から出る。椎間孔126は、典型的には、椎弓根120の下面、椎体104、106、および108の一部分、隣接する椎骨の下関節突起128、および上関節突起130によって境界付けられる。また、椎弓116および118から突出しているのは、椎骨106および108の横突起132および後棘突起134である。椎体110、112、および114の間に位置するのは、椎間板132である。
【0031】
図12を参照すると、脊髄122は、包膜嚢136によって被覆される。包膜嚢136と脊柱管102の境界との間の空間は、硬膜上腔138として知られている。硬膜上腔138は、脊柱管102の縦靭帯140および黄色靭帯142によってそれぞれ前方および後方で境界付けられ、椎弓116および118の椎弓根120および椎間孔126によって側方で境界付けられる。硬膜上腔138は、椎間孔126を介して傍脊椎腔144と連続する。
【0032】
この解剖学的構造により、多数の例示的アクセス処置を行うことができる。特定のアクセス処置は、推測される診断および/または行われる可能性のある治療に依存し得る。例えば、
図14Aおよび14Bは、患者の脊柱管の中心および硬膜上腔にアクセスするために使用されてもよい、隣接する椎骨502と504との間にアクセス経路を形成する貫通部材500を使用する脊椎正中からのアクセス処置を概略的に示す。そのような手技は、例えば、硬膜外麻酔を提供するために使用されてきたが、針の留置が不正確であるために、麻酔の血管内注入または他の損傷が起きている。
【0033】
直接的可視化機能を有する貫通部材を使用して硬膜外アクセス処置を行うために、脊柱を前に曲げた状態で患者を座位または側臥位にする。表面上の目印または他の標印を用いて脊椎に沿った標的レベルを同定し、皮膚の準備を行い、覆布をかける。皮膚領域に局所麻酔を行う。棘間靭帯の靭帯組織が可視化されるまでスコープ付き貫通部材500を皮膚組織506内に挿入し、貫通部材500の先端が靭帯の前面を通って出て、硬膜上腔508に入るまで監視する。いくつかの実施形態では、貫通部材500を所定の位置で維持する一方で、スコープを貫通部材500から除去してもよく、また貫通部材を通して硬膜上腔内にガイドワイヤを挿入してもよい。次いで、貫通部材500を除去してもよく、任意選択で、ガイドワイヤ上で拡張器を挿入して、引き出してもよい。次いで、任意選択で、ガイドワイヤ上で導入器を設置し、次いで、任意選択でガイドワイヤを除去する。次いで、硬膜上腔を再度可視化するために、導入器を通しておよび/またはガイドワイヤ上で、ミニスコープまたはファイバスコープ付きの内視鏡または他の管状器具を挿入する。いくつかの場合において、貫通部材から引き出したミニスコープまたはファイバスコープを、可視化を提供するために内視鏡または管状器具に挿入してもよい。
【0034】
別の手技において、直接的可視化を用いて、貫通部材を使用して椎間孔へのアクセスが達成される。この手技では、患者を腹臥位にする。標的部位を同定し、皮膚の準備を行い、覆布をかける。
図15Aおよび15Bを参照すると、正中線から約10cmにある位置で、麻酔を行い、皮膚組織522にスコープ付き貫通部材520を挿入する。貫通部材520は、正中矢状面に対して約35度の角度まで皮膚組織522に傾斜させてもよいか、または少なくとも部分的に皮膚組織522に貫通した後、正中線へと向かって操縦してもよい。皮膚組織に部分的に貫通した後、椎骨526の棘突起524からの干渉を避けるように、および/または標的部位に到達したときに特定のアクセス角度を達成するように、貫通部材520を正中線に向かって操縦する。貫通先端524が無傷の身体組織を穿刺すると、貫通部材520の穿刺先端528の周囲の組織が可視化され、貫通先端524が身体組織から出て、孔532に隣接する傍脊椎腔530内に入るのが見える。椎間孔に存在する神経を不注意に損傷しないように、その時点で貫通部材の挿入を中止して、貫通部材520を他の治療器具または診断器具と交換する。
【0035】
本明細書に記載する貫通部材は、多様なアクセス処置のうちのいずれかに使用されてもよい。いくつかの実施例では、貫通部材は胸壁を通して挿入されてもよく、胸膜腔に貯留する胸水がいつ満杯になるかを判定するために可視化が使用され、それによって、肺の破裂および気胸を発症するリスクを低減する。別の実施例では、貫通部材は腹壁を通して挿入されてもよく、いつ腹腔に到達するかを判定するために可視化が使用され、それによって、肝臓または腸等の他の腹部器官を穿孔するリスクを低減する。
【0036】
不注意で隣接する組織に穴を開けるまたは損傷するリスクを低減するほか、直接的可視化能力を有する貫通部材は、間接的もしくは外部からの画像診断、触覚応答、またはその他の代理手段では判定するのが困難である可能性がある種々の身体構造を同定するために使用されてもよい。例えば、失血もしくは脱水のために体液量の減少した患者、または、最初はアクセスを達成したが、アクセス器具をさらに挿入することで遠位管腔表面を貫通する穴が開き、標的部位から外れてしまう場合、または動脈の壁に沿って切開を行う場合等の多くの理由から、静脈および動脈アクセスが困難である可能性がある。例えば、
図16では、スコープ付き貫通部材540を患者の鼠径部領域に挿入して、大腿動脈アクセスを達成する。貫通部材540の穿刺先端542が、皮膚層544および546を通って、次いで、下層の結合組織548を通って挿入される。貫通部材540が挿入されると穿刺先端542の周囲の組織が可視化され、動脈550に進入したことを示唆する血液のフラッシュを見逃さないようにすると同時に、大腿静脈にアクセスしたかどうか、または貫通部材540が、いずれかの隣接構造まで通ったかどうかも確認する。これが起こった場合、貫通部材540を部分的に引き出して、貫通部材540から可視化された標印に基づいて、標的部位に向かって再度方向付けることができる。
【0037】
本発明が特定の例示的実施形態に限定されず、当然ながら変化し得ることを理解されたい。また、本明細書において使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のものであり、本発明の範囲が、添付の請求項のみによって限定されることから、限定することを意図しないことも理解されたい。
【0038】
ある範囲の値が提供される場合、その範囲の上限と下限との間に介在する各値、つまり文脈上他に明示しない限り、下限の単位の10分の1までの値も、具体的に開示されることを理解されたい。記述された範囲における任意の記述された値または介在する値と、その範囲における任意の他の記述された値または介在する値との間の各小さい方の範囲は、本発明内に包含される。これらの小さい方の範囲の上限および下限は、独立してその範囲に含まれてもよく、または除外されてもよく、片方もしくは両方の限界が小さい方の範囲に含まれるか、または両方ともその範囲に含まれない各範囲も、記述された範囲の任意の具体的に除外された限界を前提として、本発明に包含される。記述された範囲が、片方または両方の限界を含む場合、これら含まれる片方または両方の限界を除外する範囲もまた本発明に含まれる。
【0039】
他に規定のない限り、本明細書において使用する全ての技術用語および科学用語は、本発明が所属する当業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書に説明する方法および材料に類似または同等の任意の方法および材料を、本発明の実施または試験に使用することが可能であるが、ここではいくつかの潜在的および好適な方法および材料について説明している。本明細書において記述する全ての刊行物は、刊行物の引用に関連する方法および/または材料を開示および説明するために、参照により本明細書に組み込まれる。矛盾がある場合、本開示が、組み込まれた刊行物のいかなる開示にも優先することを理解されたい。
【0040】
本明細書および添付の請求項において使用する際、単数形は、文脈上他に明示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「刃」を言及することは、複数のこのような刃を含み、「エネルギー源」を言及することは、1つ以上のエネルギー源および当業者に既知であるその同等物等を言及することを含む。
【0041】
本明細書に論じる刊行物は、単にその開示のために提供されている。本明細におけるいかなるものも、本発明が、先行発明によるこのような刊行物に先行する権利を持たないという承認として解釈されるべきではない。さらに、提供する刊行物の日付がもし存在するのであれば、これは、実際の刊行日とは異なる場合があり、個別に確認する必要があり得る。
【0042】
上記は、本発明の原理を例示するものに過ぎない。当業者は、本明細書に明示的に記載または示されてはいないが、本発明の原理を具体化し、その主旨および範囲に含まれる種々の配置を考案することができるであろうことを理解されたい。さらに、本明細書に挙げた全ての実施例および条件付き文言は、主として、本発明の原理および当該技術分野の促進に発明者が寄与した概念を読者が理解するのを助けることを意図するものであり、具体的に挙げたそのような例および条件に限定されることなく解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、側面、および実施形態、ならびにそれらの特定の実施例を挙げる全ての記述は、それらの構造的および機能的な等価物の両方を包含することが意図される。また、そのような等価物は、現在知られている等価物および将来的に開発される等価物、すなわち、構造にかかわらず同じ機能を果たす任意の要素の両方を含むことが意図される。したがって、本発明の範囲が本明細書に示されるおよび記載される例示的な実施形態に限定されることは意図されない。むしろ、本発明の範囲および主旨は、添付の特許請求の範囲によって具体化される。本明細書に記載される全ての実施形態について、方法のことが連続的に行われる必要はない。
【0043】
新規なもの、かつ米国特許証による保護を所望するものとして以下を請求する。