特許第5709756号(P5709756)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5709756
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】無線周波変調器
(51)【国際特許分類】
   H03F 3/24 20060101AFI20150409BHJP
【FI】
   H03F3/24
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-535660(P2011-535660)
(86)(22)【出願日】2009年11月5日
(65)【公表番号】特表2012-508518(P2012-508518A)
(43)【公表日】2012年4月5日
(86)【国際出願番号】US2009063351
(87)【国際公開番号】WO2010054046
(87)【国際公開日】20100514
【審査請求日】2011年6月24日
(31)【優先権主張番号】12/267,664
(32)【優先日】2008年11月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100080137
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 昭男
(74)【代理人】
【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100153028
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 忠
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス,イストヴァン
(72)【発明者】
【氏名】リンドキスト,ジュニア,ロバート・エイ
【審査官】 富澤 哲生
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−006142(JP,A)
【文献】 特開2000−269748(JP,A)
【文献】 特開2006−333104(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/025995(WO,A1)
【文献】 特開2005−175561(JP,A)
【文献】 特開平09−107684(JP,A)
【文献】 実開昭56−087717(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F 3/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波変調器であって、
無線周波増幅器であって、
無線周波信号が供給される制御電極を有する増幅トランジスタ、及び
前記増幅トランジスタに接続されているエネルギ蓄積エレメントを有しており、
前記増幅トランジスタが出力電極を有し、基準電位に対するdc電圧がこのような出力電極に結合されているとき、前記無線周波信号の増幅を行う、無線周波増幅器と、
パルス変調器であって、
入力パルスに応答して、前記無線周波増幅器によって前記無線周波信号を増幅しようとするときに前記dc電圧を前記出力電極に結合し、前記無線周波信号を前記出力電極から除去しようとするときに前記dc電圧を前記出力電極から切断する第1スイッチング回路であって、前記dc電圧が前記出力電極に結合されているとき、前記蓄積エレメントに電荷が格納される、第1スイッチング回路であって、該第1スイッチング回路が、
前記入力パルスが供給される第1ネットワークと、
前記第1ネットワークを通じて前記入力パルスが供給される制御電極を有する第1トランジスタと、
プッシュ・プル・ネットワークと、
前記dc電圧に結合されている第1電極、前記出力電極に結合されている第2電極、及び前記プッシュ・プル・ネットワークを通じて前記第1トランジスタの前記出力電極に結合されている制御電極を有する第2トランジスタと、を有することを特徴とする、第1スイッチング回路と、
前記入力パルスに応答して、前記dc電圧を前記出力電極から切断するとき、前記蓄積された電荷を放電する第2スイッチング回路であって、該第2スイッチング回路が、
第2ネットワークと、
前記基準電位に結合されている第1電極と、前記第2ネットワークを通じて前記入力パルスが供給される第2電極とを有する第3トランジスタと、
前記基準電位に結合されている第1電極、前記増幅トランジスタの前記出力電極に結合されている第2電極、及び前記第3トランジスタの第3電極に結合されている制御電極を有する第4トランジスタと、を備えている、パルス変調器と、
を備え
前記第1ネットワークが前記第2ネットワークと同じ構成を有する、ことを特徴とする無線周波変調器。
【請求項2】
請求項記載の無線周波変調器において、前記第1トランジスタが前記第3トランジスタと整合されている、無線周波変調器。
【請求項3】
請求項記載の無線周波変調器において、前記第1ネットワークが前記第2ネットワークと同じ構成を有する、無線周波変調器。
【請求項4】
請求項記載の無線周波変調器において、前記第1トランジスタが前記第3トランジスタに整合されている、無線周波変調器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、無線周波変調器に関し、更に特定すれば、増幅器を「オン」及び「オフ」に駆動し(pulse)このような増幅器に供給される無線周波信号を増幅するように構成されている無線周波変調器に関するものである。
【従来技術】
【0002】
当技術分野では周知のように、無線周波変調器には広い範囲の用途がある。1つはレーダ・システムであり、 この場合、無線周波変調器は、増幅器を「オン」及び「オフ」に駆動し、このような増幅器に供給される無線周波信号を増幅するように構成されている。このような変調器の1つを図1に示す。ここでは、電力増幅器(PA)が変調器によって給電されて「オン」になると、このような増幅器に増幅のために無線周波信号が供給される。この変調器にはdcパルスが供給される。パルスが「ハイ」のとき、ここでは+3.3ボルトのとき、このパルスがR−C加速ネットワーク(R-C speed up network)を通じてバイポーラ・トランジスタ(BT)のベース電極に供給され、FETを「オン」にすることによって、dc電圧、ここでは+30ボルトを結合して、電力増幅器を「オン」に切り替える。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明によれば、パルス変調器によって制御される無線周波増幅器を有する無線周波変調システムを提供する。パルス変調器は、入力パルスに応答して、無線周波増幅器によって無線周波信号を増幅しようとするときに基準電位に対するdc電圧を出力電極に結合し、無線周波信号を出力電極から切断しようとするときにdc電圧を出力電極から切断する第1スイッチング回路を含む。dc電圧が出力電極に結合されているとき、電荷が蓄積エレメントに蓄積される。第2スイッチング回路は、入力パルスに応答して、dc電圧を出力電極から切断するときに、蓄積されている電荷を放電する。
【0004】
本発明者は、蓄積された電荷を放電する必要性を認識し、別個の放電回路、即ち、第2スイッチング・ネットワークを設けた。
【0005】
一実施形態では、第1スイッチング回路は、入力パルスが供給される第1ネットワークと、第1ネットワークを通じて入力パルスが供給される制御電極を有する第1トランジスタと、dc電源に結合されている第1電極、出力電極に結合されている第2電極、及び第1トランジスタの出力電極に結合されている制御電極を有する第2トランジスタとを備えている。第2スイッチ・ネットワークは、第2ネットワークと、基準電位に結合されている第1電極と、第2ネットワークを通じて入力パルスが供給される第2電極とを有する第3トランジスタと、基準電位に結合されている第1電極、増幅トランジスタの出力電極に結合されている第2電極、及び第3トランジスタの第3電極に結合されている制御電極を有する第4トランジスタとを備えている。
【0006】
一実施形態では、第1トランジスタが第3トランジスタと整合されている。
【0007】
一実施形態では、第1ネットワークが、第2ネットワークと同じ構成を有する。
【0008】
このような構成により、第1及び第3トランジスタの「オン」切り替えを同期させる。
【0009】
一実施形態では、第1スイッチング回路が第1ネットワーク及び第2ネットワークを備えている。第1ネットワークには入力パルスが供給される。第1トランジスタの制御電極には、第1ネットワークを通じて入力パルスが供給される。第2トランジスタは、dc電圧に結合されている第1電極と、出力電極に結合されている第2電極と、トランジスタ・プッシュ−プル・ネットワークを介して第1トランジスタの出力電極に結合されている制御電極とを有する。第2スイッチ・ネットワークは、第2ネットワークと、基準電位に結合されている第1電極、及び第2ネットワークを通じて入力パルスが供給されている第2電極を有する第3トランジスタと、基準電位に結合されている第1電極、増幅トランジスタの出力電極に結合されている第2電極、及び第3トランジスタの第3電極に結合されている制御電極を有する第4トランジスタとを備えている。
【0010】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、添付図面及び以下の説明において明記されている。本発明のその他の特徴、目的、及び利点は、これらの説明及び図面、ならびに特許請求の範囲から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、先行技術による無線周波変調システムのブロック図である。
図2図2は、本発明による無線周波変調システムの模式図である。
図3図3は、本発明による、図2の無線周波変調システムにおいて用いられるパルス変調器の模式図である。
【0012】
同様の参照符号は、種々の図面において、同様のエレメントを示すこととする。
【発明を実施するための形態】
【0013】
これより図1を参照すると、 パルス変調器14によって制御される MMIC無線周波増幅器12を有する無線周波(RF)変調システム10が示されている。
【0014】
増幅器12は、増幅トランジスタ16(図2)、ここでは、GaN FETを含む。増幅トランジスタ16の制御電極(ここでは、ゲート)には、無線周波信号、例えば、ここではパルス状無線周波信号(図1)が供給される。増幅器12は、エネルギ蓄積エレメント、ここでは、バイパス・キャパシタ及びブロック・キャパシタまたはターニング(turning)キャパシタ18(図2)のようなキャパシタも含む。これらのキャパシタは、図示のように、従来通りに配置されている。増幅トランジスタ16は、出力電極(ここでは、ドレイン)20(図1及び図2)を有し、基準電位、ここでは接地電位に対する端子19におけるdc電圧、ここでは+30ボルトが、このような出力電極20に結合されているときに、無線周波信号の増幅を行う。
【0015】
パルス変調器14は、入力dcパルス、ここでは入力端子13に供給される+3.3ボルトに応答し、これよりも高い電圧、ここでは、図2に示すように、出力端子15における+30ボルトのパルスをその出力に生成する。このように、より高くなった電圧パルスは、図2に示すような、トランジスタ16の出力電極20に供給される。
【0016】
更に具体的には、図2を参照すると、変調器14に給電するために、dc電圧、ここでは接地に対して+30ボルトが端子19に供給されている。パルス、ここでは+3.3ボルトのパルスがライン13に供給されると、図3において詳細に説明する第1ネットワーク28を通じて、このパルスがトランジスタQ1に結合され、これを「オン」にすることにより端子19における+30ボルトを増幅器12に結合し、これによって、増幅器12を「オン」に切り替え、また、増幅器12に供給されているRF信号を増幅する。なお、端子19における+30ボルトのdc電圧が増幅トランジスタ16(図2)の出力電極20に結合されているときに、電荷が蓄積エレメント18(図2)に蓄積されることを注記しておく。
【0017】
+3.3ボルトのパルスがライン13から除去されると、即ち、ライン13上の電圧が+3.3ボルトから接地電位に向かって進むと、第1ネットワーク28はトランジスタQ2を「オフ」に切り替えることによって、端子19における+30ボルトのdc電圧を出力電極20から切断し、図3において詳細に説明する第2ネットワーク32が、これまで「オフ」であったトランジスタQ5を「オン」に切り替えることによって、蓄積エレメント18(図2)に蓄積されている電荷を放電する。
【0018】
これより図3も参照すると、パルス変調器14(図1)は、第1スイッチング回路22を含む。第1スイッチング回路22は、端子13における3.3ボルトの入力パルスに応答して、 無線周波信号を無線周波増幅器12(図1及び図2)によって増幅しようとするときには、基準電位に対する端子19における+30ボルトdc電圧を出力端子15に結合し、したがって、増幅トランジスタ16(図2)の出力端子20に結合し、無線周波信号を増幅トランジスタ16(図2)の出力電極20から切断しようとするときには、端子19における+30ボルトdc電圧を増幅トランジスタ16(図2)の出力電極20から切断する。端子19における+30ボルトdc電圧が増幅トランジスタ16(図2)の出力電極20に結合されているとき、電荷が蓄積エレメント18(図2)に蓄積される。第2スイッチング回路24(図3)は、端子13における入力パルス(図1図2、及び図3)に応答して、端子19における+30ボルトdc電圧が増幅器16(図2)の出力電極20から切断されるとき、蓄積されている電荷を放電する。
【0019】
第1スイッチング回路22(図3)は、ライン13上の入力パルスが供給される第1ネットワーク28と、第1ネットワーク28を通じてライン13上の入力パルスが供給される制御電極(ここでは、ベース)を有する第1トランジスタQ1と、第2トランジスタQ2とを含む。図示のように、第2トランジスタQ2は、端子19におけるdc電力に結合されている第1電極(ここでは、ソース)、ライン15を通じて出力電極Q16(図2)に結合されている第2電極(ここでは、ドレイン)、及び第1トランジスタQ1の出力電極(ここでは、コレクタ)に結合されている制御電極(ここでは、ゲート)を有する。
【0020】
第2スイッチ・ネットワーク24は、第2ネットワーク32と、基準電位(接地)に結合されている第1電極(ここでは、エミッタ)、及び第2ネットワーク32を通じてライン13上の入力パルスが供給される制御電極(ここでは、ベース)を有する第3トランジスタQ6と、第4トランジスタQ5とを含む。第4トランジスタQ5は、基準電位(接地)に結合されている第1電極(ここでは、エミッタ)、増幅トランジスタQ16の出力電極20(図2)に結合されている第2電極(ここでは、コレクタ)、及び第3トランジスタQ6の第3電極(ここでは、コレクタ)に結合されている制御電極(ここでは、ベース)を有する。
【0021】
更に具体的には、第1ネットワーク28には、端子13における入力パルスが供給されている。第1トランジスタQ1、ここでは、NPNトランジスタは、第1スイッチング回路22を通じて入力パルスが供給される制御電極(ここでは、ベース)を有する。図示のように、第2トランジスタQ2、ここでは、PMOS FETは、端子19における+30ボルトdc電圧に結合されている第1電極(ここでは、ソース)、出力端子15に結合されている、したがって、増幅トランジスタ16(図2)の出力電極20に結合されている第2電極(ここでは、ドレイン)、及びプッシュ・プル構成26を通じて、第1トランジスタQ1の出力電極に結合されている制御電極(ここでは、ゲート)を有する。プッシュ・プル構成26は、PMOS FETの要求ゲート電極電圧を設定するトランジスタQ3及びQ4を有する。
【0022】
第2スイッチング回路24は、第2ネットワーク32と、第5トランジスタQ5、ここではNPNトランジスタとを備えている。第5トランジスタQ5は、基準電位(ここでは、接地)に結合されている第1電極(ここでは、エミッタ)、及び増幅トランジスタ16(図2)の出力電極20に結合されている第2電極(ここでは、コレクタ)を有する。第2スイッチ・ネットワーク24は、第6トランジスタQ6を含む。図示のように、第6トランジスタQ6は、ライン13上にある入力パルスが第2ネットワーク32を通じて供給される制御電極、基準電位(接地)に結合されている第1電極、及び第5トランジスタQ5の制御電極に結合されている第3電極を有する。
【0023】
第1トランジスタQ1は、第6トランジスタQ6に整合されている。
【0024】
第1ネットワーク28は、第2ネットワーク32と同じ構成を有する。更に具体的には、第1ネットワーク28は、抵抗器R2と直列のキャパシタC1に並列な抵抗器R1を含み、第2ネットワーク32は、抵抗器R4と直列のキャパシタC2に並列な抵抗器R3を含む。ここでは、抵抗器R1〜R4は、各々、2000オームであり、キャパシタC1及びC2は200pfである。
【0025】
第1スイッチング回路22は、図示のように配置されているバイアシング抵抗器R5〜R9を含む。第1スイッチング回路22は、図3に示す、低等価直列抵抗(ESR; low Equivalent Series Resistance)キャパシタ34を含む。このESRキャパシタ34は、トランジスタQ2、PMOS FET Q2のソース電極に近接して配置されているその等価モデル(1μF、0.3Ω、0.1nH)によって構成されており、入力端子19からトランジスタQ2のソース電極までのあらゆるインダクタンスを軽減する。
【0026】
動作において、端子13における入力パルスがハイ、ここでは、+3.3ボルトであるとき、トランジスタQ1は、キャパシタC1の加速動作によって補助されて、急速に「オン」になり、これによってトランジスタQ2が「オン」になり、トランジスタQ5が「オフ」になる。つまり、この時点においてトランジスタQ2のゲートにある要求電圧が、トランジスタQ2を「オン」にし、これによって、端子19における+30ボルトを、トランジスタQ2を通じて出力端子15に結合し、こうして端子19における+30ボルトを増幅トランジスタ16(図2)の出力端子20に結合する。トランジスタ16のドレイン電極の+30ボルトは、このようなトランジスタ16を「オン」に切り替えることによって、RF入力を出力電極40に結合する。端子13における入力パルスがハイ、即ち、ここでは+3.3ボルトであるとき、トランジスタQ6が、キャパシタC2の加速動作によって補助されて、急速に「オン」になり、これによってトランジスタQ5を「オフ」に切り替えることを、第1に注記しておく。また、蓄積エレメント18(図2)、及びPMOSトランジスタQ2に蓄積されている寄生電荷は本質的に積み重ねられる(built up)ことも注記しておく。見てわかるように、PMOSトランジスタQ2がその後「オフ」に切り替えられると、トランジスタQ6が「オフ」になり、トランジスタQ5を「オン」に切り替え、その結果、第2スイッチング回路24を通じて電荷が除去される。
【0027】
端子13における入力パルスがオフであり、したがって、接地電位にあるとき、トランジスタQ1は「オフ」になり、トランジスタQ4は「オフ」になり、トランジスタQ3は「オン」になって、トランジスタQ2を「オフ」にして、+30ボルトをトランジスタ16のドレイン即ち出力電極20から除去する。こうして、トランジスタ16をオフにし、これによって出力電極40における増幅RFを終了させて、RFパルスの後端を生成する。先に注記したように、PMOSトランジスタQ2がその後「オフ」に切り替えられると、トランジスタQ6は「オフ」になってトランジスタQ5を「オン」にし、その結果、電荷が第2スイッチング回路24を通じて除去される。
【0028】
尚、トランジスタQ6のベースは、以下の理由のために、トランジスタQ1のベースには直接繋がれていないことを注記しておく。
【0029】
1.トランジスタQ1及びQ6のベータは、同一であることが保証されておらず、したがって、一方のトランジスタが他方よりも多く「オンになる」ため、一方だけがオンになり、他方はほとんどオンにならない可能性がある。このために、第2スイッチング回路24が役に立たなくなるおそれがあり、または第1スイッチング回路22の速度を著しく低下させて、所望通りに作用しないおそれがある。
【0030】
2.抵抗ディバイダ R1及びR2ならびに抵抗ディバイダR3及びR4内に同じ加速キャパシタC1、C2がないと、Q2の「オン」への切り替わりと、Q5の「オフ」への切り替わり(及びその逆)の同期が取れない。第2スイッチング回路24のトランジスタQ5は、第1スイッチング回路22のトランジスタQ2よりも早くオンまたはオフになることもあり、このため、回路22、24双方に問題が生ずる。
【0031】
更に、図2における図は簡略化されており、したがって、バイパス・キャパシタの前に主RFラインのインピーダンスを短絡から解放回路に変換するために用いられる1/4波長伝送線が図2には含まれていないことは、理解されてしかるべきである。この理由は、バイパス・キャパシタがRF出力を接地に短絡しないからである。図2における簡略化した図の目的は、dcの視点から、全てのキャパシタがチャージ・アップ(charge up)しているパルスの「オン」時間中における増幅器12を示すことである。+30ボルトが増幅器12から除去されるとき、残留電圧を放電させるには多少の時間がかかる。何故なら、アクティブなデバイス(即ち、トランジスタ16(図2))が過度に高いインピーダンス状態(少ない漏れまたは漏れなし)に切り替わるからである。これらのキャパシタ及びアクティブなデバイスから素早く電圧を除去するために、第2スイッチング回路24(図3)が設けられている。
【0032】
以上、本発明の多数の実施形態について説明した。しかしながら、本発明の趣旨や範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができることは言うまでもない。したがって、他の実施形態も以下の請求項の難易に該当するものとする。
図1
図2
図3