(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
カラオケリモコン装置を用いて、カラオケ演奏装置の使用態様に対応した演奏モードを設定するためのシステムであって、前記カラオケリモコン装置に設けられた演奏モードデータ記憶手段及び演奏モードデータ送信手段と、前記カラオケ演奏装置に設けられた演奏モードデータ受信手段及び演奏モード設定手段と、を備え、
前記演奏モードデータ記憶手段は、少なくとも、前記カラオケ演奏装置の単独利用に適した演奏モードデータを記憶し、
前記演奏モードデータ送信手段は、前記カラオケリモコン装置と前記カラオケ演奏装置とをペアリングさせる際に、前記カラオケ演奏装置の使用態様に対応する演奏モードデータを前記カラオケ演奏装置に送信し、
前記演奏モードデータ受信手段は、前記送信されてきた演奏モードデータを受信し、
前記演奏モード設定手段は、前記受信した演奏モードデータを用いて、前記カラオケ演奏装置の演奏モードを設定する、
ことを特徴とするカラオケ演奏モード設定システム。
【背景技術】
【0002】
現在普及しているカラオケ演奏装置は、マイク及び演奏音のボリューム、演奏短縮(2コーラスフェードアウト)、連続演奏の有無、曲間BGV又は曲間BGMの有無、歌唱採点の有無、1曲に対する演奏時間の制限(早送り、早戻し、一時停止の回数制限)等、種々の演奏モードを設定できるようになっている。このような演奏モードは、カラオケ店の営業形態、利用者の所望等に応じて、サービスマンやカラオケ店員、あるいはカラオケ利用者により設定変更することができる。
【0003】
従来、演奏モードの設定に関する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。特許文献1に記載された技術は、楽曲の演奏態様、選曲態様、背景映像の選択態様等を各利用者専用にアレンジできるようにした音響映像装置に関するものである。この音響映像装置は、伴奏音楽データを再生する装置と、伴奏音楽に対応する歌詞情報を含む映像データを再生する装置とを備えている。そして、再生した歌詞を含む映像を受像機に映し出すと共に、再生した伴奏音楽に利用者の歌唱音声をミキシングできるようにした音響映像装置に、利用者の個人データを記録する記録手段と、記録手段から読出した利用者の個人データに基づいて楽曲の再生態様を各利用者専用にアレンジする楽曲操作手段とを備えている。
【0004】
また、特許文献2に記載された技術は、カラオケ演奏モードの他に、曲間CMモードや曲間BGMモードなどの複数の実行モードを有する多モード・カラオケ装置に関するものである。この多モード・カラオケ装置は、実行モードごとに音響設定データを登録する音響設定テーブルと、この音響設定テーブルの登録に基づいて実行モード別に音響制御を行う音響処理部と、音響設定テーブルの登録変更操作を支援する制御手段とを備えている。
【0005】
ところで、近年、多人数のグループで歌唱を楽しむのではなく、一人で気ままに歌唱を楽しむというカラオケ演奏装置の使用方法が注目を浴びている。このようなカラオケ演奏装置の単独利用は、他人の目を気にする必要がないため、ストレス発散や、歌唱練習を行う際に最適な利用方法であり、カラオケ演奏装置の単独利用を積極的に受け入れているカラオケ店もある。
【0006】
カラオケ演奏装置を単独利用する際には、多人数で利用する通常の利用態様と異なり、単独利用に適した演奏モードを設定することが好ましい。すなわち、カラオケ演奏装置の単独利用態様では、スピーカではなく、ヘッドホンやイヤホンを利用してカラオケ演奏を聴取する場合があり、また、他の利用者に歌唱音声を聞かせる必要はなく、さらに、同一曲について歌唱が苦手な部分だけを何度も歌唱する等、自らが所望する態様でカラオケ演奏装置を利用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、カラオケ演奏装置を単独利用する際には、単独利用に適した演奏モードに設定することが好ましい。しかし、カラオケ演奏装置の演奏モード設定項目は多岐にわたり、演奏モードの設定に馴れていない利用者が適切な設定を行うことは難しく、設定を行うことができたとしても手間が掛かることになる。また、不適切な設定を行ってしまった場合には、カラオケ演奏装置を用いた歌唱の楽しさが損なわれることになる。
【0009】
この点、上述した従来の技術は、カラオケ演奏装置における演奏モードの設定を容易に行うことを目的としているが、各個人の好みに応じた演奏モードの設定を前提としており、カラオケ演奏装置の単独利用に適した演奏モードと、カラオケ演奏装置を多人数で利用する場合の通常の演奏モードとを切り替えて、容易に設定できるようにすることまでは考慮されていない。
【0010】
すなわち、従来の技術は、通常の演奏モードと単独利用に適した演奏モードとを切り替えることについて何ら考慮されておらず、近年注目されているカラオケ演奏装置の単独利用態様に対して、そのまま適用することはできない。
【0011】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、カラオケ演奏装置の演奏モードを設定する際に、通常の演奏モードと単独利用に適した演奏モードとを適切かつ容易に切り替えることが可能なカラオケ演奏モード設定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上述した目的を達成するため、以下の特徴を有している。すなわち、本発明のカラオケ演奏モード設定システムは、カラオケリモコン装置を用いて、カラオケ演奏装置の使用態様に対応した演奏モードを設定するためのシステムであって、カラオケリモコン装置に設けられた演奏モードデータ記憶手段及び演奏モードデータ送信手段と、カラオケ演奏装置に設けられた演奏モードデータ受信手段及び演奏モード設定手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
演奏モードデータ記憶手段は、少なくともカラオケ演奏装置の単独利用に適した演奏モードデータを記憶するための手段である。演奏モードデータ送信手段は、カラオケリモコン装置とカラオケ演奏装置とをペアリングさせる際に、カラオケ演奏装置の使用態様に対応する演奏モードデータをカラオケ演奏装置に送信するための手段である。
【0014】
演奏モードデータ受信手段は、カラオケリモコン装置の演奏モードデータ送信手段から送信されてきた演奏モードデータを受信するための手段である。演奏モード設定手段は、演奏モードデータ受信手段により受信した演奏モードデータを用いて、カラオケ演奏装置の演奏モードを設定するための手段である。
【0015】
また、上述した構成において、演奏モードデータは、カラオケ演奏装置の通常利用に適した演奏モードデータを含ませることが可能である。
【0016】
このような構成からなるカラオケ演奏モード設定システムでは、カラオケリモコン装置の演奏モードデータ記憶手段に演奏モードデータを記憶しておき、カラオケリモコン装置とカラオケ演奏装置とをペアリングさせる際に、演奏モードデータ送信手段の機能により、カラオケ演奏装置の使用態様に対応する演奏モードデータをカラオケ演奏装置に送信する。カラオケ演奏装置では、演奏モードデータ受信手段の機能により送信されてきた演奏モードデータを受信し、演奏モード設定手段の機能により、受信した演奏モードデータを用いて演奏モードを設定する。
【0017】
ここで、演奏モードデータ記憶手段に、カラオケ演奏装置の単独利用に適した演奏モードデータを記憶しておくことにより、カラオケ演奏装置を単独利用する場合に、当該単独利用に適した演奏モードデータを用いてカラオケ演奏装置の演奏モードを設定することができる。
【0018】
また、単独利用に適した演奏モードデータだけではなく、多人数でカラオケ演奏装置を利用する通常の演奏態様に適した演奏モードデータを記憶しておき、カラオケ演奏装置の使用態様に応じて、いずれか一方の演奏モードデータを選択して送信することにより、カラオケ演奏装置の使用態様に適した演奏モードを容易に設定するができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のカラオケ演奏モード設定システムによれば、カラオケ演奏装置の単独利用に適した演奏モードデータをカラオケリモコン装置に記憶しておき、カラオケリモコン装置とカラオケ演奏装置とをペアリングさせる際に、カラオケリモコン装置からカラオケ演奏装置に対して、カラオケ演奏装置の単独利用に適した演奏モードデータを送信する。これにより、カラオケ演奏装置を単独利用する際に、適切かつ容易に単独利用に適した演奏モードに設定することができる。
【0020】
また、カラオケ演奏装置の単独利用に適した演奏モードデータと、カラオケ演奏装置を多人数で利用する際に適した演奏データモードの双方をカラオケリモコン装置に記憶しておき、カラオケ演奏装置の使用態様に応じて、いずれか一方の演奏モードデータを選択して送信することにより、カラオケ演奏装置の利用態様に適した演奏モードを容易に設定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明のカラオケ演奏モード設定システムの実施形態について説明する。
図1〜
図3は本発明の実施形態に係るカラオケ演奏モード設定システムを示すもので、
図1はカラオケ演奏モード設定システムを説明する機能説明図、
図2はカラオケ演奏モード設定システムを適用したカラオケ演奏装置の構成を示すブロック図、
図3は演奏モードデータの構成例を示す説明図である。
【0023】
<システムの概要>
本発明の実施形態に係るカラオケ演奏モード設定システム10は、
図2に示すように、演奏モードデータを記憶したカラオケリモコン装置22と、カラオケリモコン装置22から演奏モードデータを受信して、受信した演奏モードデータを用いて演奏モードの設定を行うカラオケ演奏装置20(カラオケ本体21)とにより構成される。すなわち、本発明の実施形態に係るカラオケ演奏モード設定システム10は、
図1に示すように、演奏モードデータ記憶手段22d、演奏モードデータ送信手段(リモコンデータ送受信手段22a)、演奏モードデータ受信手段(送受信手段35)、演奏モード設定手段37を備えている。演奏モードデータ記憶手段22d及び演奏モードデータ送信手段(リモコンデータ送受信手段22a)は、カラオケリモコン装置22が備える機能手段であり、演奏モードデータ受信手段(送受信手段35)及び演奏モード設定手段37は、カラオケ演奏装置20(カラオケ本体21)が備える機能手段である。
【0024】
<カラオケ演奏装置>
本発明の実施形態に係るカラオケ演奏モード設定システム10を適用するカラオケ演奏装置20は、
図2に示すように、カラオケ本体21、カラオケリモコン装置22、ヘッドホン23、スピーカ24、マイクロホン25、表示装置26、ミキシングアンプ27を備えている。
【0025】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置22は、カラオケ本体21の送受信手段35との間で有線方式又は無線方式によりデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置22は、リモコンデータ送受信手段22aとして機能する電子回路及びプログラム、楽曲検索手段22bとして機能するプログラム、楽曲索引データベース22c、演奏モードデータ記憶手段22dとして機能するRAM又はEEPROM等の記憶装置、ユーザインタフェース機能を備えた入出力表示部22eを備えている。このカラオケリモコン装置22に付帯するスイッチ類や、入出力表示部22eに表示される各種のアイコン等を操作することにより、選曲操作等が行われる。
【0026】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段22bは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース22cを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース22cは、カラオケ演奏装置20で演奏に供されるカラオケ楽曲について、その属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・歌手名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・デュエット曲など、種々の属性情報がこれに含まれている。楽曲検索手段22bにより楽曲検索を行うと、例えば、カラオケリモコン装置22の入出力表示部22eに、検索結果が一覧表示される。
【0027】
<演奏モードデータ記憶手段>
演奏モードデータ記憶手段22dは、少なくとも、カラオケ演奏装置20の単独利用に適した演奏モードデータを記憶するためのRAMやEEPROM等の記憶装置からなる。本実施形態では、
図3に示すように、演奏モードデータ記憶手段22dに記憶する演奏モードデータとして、カラオケリモコン装置22を単独利用する際に適した演奏モードデータ(単独利用演奏モードデータ)と、カラオケリモコン装置22を多人数で利用する際に適した演奏モードデータ(通常利用演奏モードデータ)との2種類がある。なお、演奏モードの設定項目は、例えば、ボリューム設定(マイク/ミュージック)、演奏短縮設定(2コーラスフェードアウト)、連続演奏設定(予約待ち行列に記憶されている楽曲を続けて演奏するか否か)、曲間BGV及び曲間BGMの有無設定、歌唱採点の有無設定、1曲に対する演奏時間制限(早送り、早戻し、一時停止の使用回数制限)がある。
【0028】
単独利用演奏モードは、カラオケルームを単独で利用し、ヘッドホン23等を用いてカラオケ演奏音及び歌唱音声を聴取する利用態様に適した演奏モードである。すなわち、単独利用演奏モードは、他の利用者を意識することなく、一人の利用者がカラオケ演奏装置20を独占して使用すると共に、カラオケ演奏音及び歌唱音声をヘッドホン23等で聴取することを前提としている。この場合には、マイク及びミュージックのボリュームを通常利用演奏モードよりも小さくし、演奏短縮設定(2コーラスフェードアウト)を行わず、効率的にカラオケ演奏を行うために連続演奏を行い(次曲の演奏開始時にスタートボタンを押さない)、曲間BGV及び曲間BGMを流し、歌唱採点を行い、使用時間に制限を設けないという設定を行う。
【0029】
通常利用演奏モードは、多人数でカラオケルームを共有する利用態様に適した演奏モードである。すなわち、通常利用演奏モードは、スピーカ24を用いてカラオケ演奏音及び歌唱音声を他の利用者にも聴取させ、さらに、他の利用者との歌唱頻度(歌唱時間)の公平を保つことを前提としている。この場合には、マイク及びミュージックのボリュームを単独利用演奏モードよりも大きくし、演奏短縮設定(2コーラスフェードアウト)を行ない、歌唱者の交代を前提として連続演奏を行わず(次曲の演奏開始時にスタートボタンを押す)、曲間BGV及び曲間BGMを流さず、歌唱採点を行わず、使用時間に制限を設けるという設定を行う。
【0030】
なお、各演奏モードの設定は、上述した態様に限定されるものではなく、カラオケ店の営業方針、客層、営業時間等、種々の要因に応じて適宜変更して実施することができる。
【0031】
<リモコンデータ送受信手段(演奏モードデータ受信手段)>
リモコンデータ送受信手段22aは、カラオケリモコン装置22とカラオケ本体21との間で種々のデータを送受信するための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、リモコンデータ送受信手段22aとカラオケ本体21の送受信手段35との間で、赤外線通信によりデータの送受信が行われる。このリモコンデータ送受信手段22aは、演奏モードデータ受信手段としての機能を備えており、カラオケリモコン装置22とカラオケ演奏装置20とをペアリングさせる際に、カラオケ演奏装置20の使用態様に対応させて、演奏モードデータ記憶手段22dに記憶された演奏モードデータをカラオケ演奏装置20に送信するようになっている。
【0032】
<入出力表示部>
入出力表示部22eは、例えば、タッチセンサを備えた液晶表示装置26からなり、表示画面に種々のアイコン表示等が行われ、アイコン表示等をタッチペンによりタッチすることにより、楽曲の検索、選曲予約、音程キーの変更、カラオケリモコン装置22とカラオケ演奏装置20とをペアリング等、種々の操作を行うことができる。
【0033】
<マイクロホン>
マイクロホン25は、歌唱音声の入力を行うための装置である。マイクロホン25から入力された歌唱音声信号は、ミキシングアンプ27により、音楽再生制御手段38から送出される演奏音声信号とミキシングされると共に増幅され、ヘッドホン23又はスピーカ24へ出力される。なお、マイクロホン25からの音声入力信号を、A/Dコンバータによりデジタル変換して、歌唱採点等に使用してもよい。
【0034】
<表示装置>
表示装置26は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。
【0035】
<カラオケ本体>
カラオケ本体21は、
図2に示すように、中央制御手段31、ROM32、RAM33、HDD34、送受信手段35、予約管理手段36、演奏モード設定手段37、音楽再生制御手段38、映像再生制御手段39を備えている。なお、本実施形態では、送受信手段35が演奏モードデータ受信手段としての機能を兼ね備えている。
【0036】
<中央制御手段>
中央制御手段31は、カラオケ本体21を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM32等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0037】
<ROM/RAM>
ROM32は、カラオケ本体21を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM33は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。なお、物理的な半導体メモリによりRAM33を構成するのではなく、ハードディスク記憶装置等を用いて仮想的なRAM33を構成してもよい。本実施形態では、RAM33に予約待ち行列33aと、カラオケリモコン装置22から受信した演奏モードデータ33bが記憶されるようになっている。予約待ち行列33aは、選曲予約されたカラオケ楽曲について、演奏順に楽曲IDを並べて構成されたデータテーブルであり、選曲者の利用者ID等、他の識別データが紐付けられている場合もある。
【0038】
<HDD>
HDD34は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース34a、映像データベース34bが格納されている。なお、HDD34に替えて、あるいはHDD34と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0039】
<楽曲データベース/映像データベース>
楽曲データベース34aは、複数のカラオケ楽曲について、演奏データ及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成されたデータベースである。歌詞描出データは、演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。映像データベース34bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。
【0040】
<送受信手段>
送受信手段35は、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、この送受信手段35が、カラオケリモコン装置22から演奏モードデータを受信するための演奏モードデータ受信手段として機能する。また、本実施形態では、赤外線通信により、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間でデータの送受信が行われる。
【0041】
<予約管理手段>
予約管理手段36は、利用者により楽曲検索手段22bの機能を用いて検索され、利用者の選択指示に基づいて選曲予約された楽曲IDを演奏順に並べて予約待ち行列33aを生成し、この予約待ち行列33aをRAM33に格納して管理するためのプログラムからなる。
【0042】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段38は、楽曲IDに基づいて楽曲データベース34aから抽出された演奏データを、ミキシングアンプ27に出力するための電子回路である。なお、演奏データがMIDI規格の演奏制御データである場合には、この演奏制御データに基づいて、音源データをデジタル再生すると共にアナログ変換してミキシングアンプ27に出力する。上述したように、ミキシングアンプ27は、マイクロホン25から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段38から送出される演奏音声信号とをミキシングすると共に、アンプ機能により増幅してヘッドホン23又はスピーカ24より出力させるための装置である。
【0043】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段39は、カラオケ楽曲の演奏中に、映像データベース34bから抽出した背景映像データと、演奏データに含まれる歌詞描出データに基づく歌詞文字とを、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置26に出力するためのプログラムからなる。
【0044】
<演奏モード設定手段>
演奏モード設定手段37は、カラオケリモコン装置22から受信した演奏モードデータ33bを用いて、カラオケ演奏装置20の演奏モードを設定するためのプログラムからなる。例えば、カラオケ演奏装置20を単独利用する場合には、単独利用に適した演奏モード(単独利用演奏モード)に設定し、カラオケ演奏装置20を多人数で利用する場合には、通常利用に適した演奏モード(通常利用演奏モード)に設定する。
【0045】
<演奏モード設定の手順>
本実施形態のカラオケ演奏モード設定システム10を用いて、カラオケ演奏装置20の演奏モードを設定するには、予め、カラオケ演奏装置20の使用態様に対応させて設定すべき演奏モードデータを、カラオケリモコン装置22の演奏モードデータ記憶手段22dに記憶させておく。この演奏モードデータは、例えば、
図3に示すように、カラオケリモコン装置22を単独利用する際に適した演奏モードデータ(単独利用演奏モードデータ)と、カラオケリモコン装置22を多人数で利用する際に適した演奏モードデータ(通常利用演奏モードデータ)との2種類である。
【0046】
予め、カラオケルームにカラオケリモコン装置22が据え置かれている営業形態の場合には、カラオケ演奏装置20とカラオケリモコン装置22とをペアリングさせる際に、カラオケ演奏モード設定システム10の機能を用いて、サービスマン等が当該カラオケルームの利用態様に適した演奏モードを設定しておく。
【0047】
一方、サービスフロント等において、カラオケルームの利用者にカラオケリモコン装置22を貸し出す営業形態の場合には、当該利用者が利用するカラオケルームの利用態様に応じて適切な演奏モードを設定可能としたカラオケリモコン装置22を貸与する。すなわち、カラオケリモコン装置22の演奏モードデータ記憶手段22dに記憶された演奏モードデータの中から、カラオケリモコン装置22を貸与する利用者の利用態様に応じて適切な演奏モードデータを送信するように設定しておき、利用者がカラオケルームに入室して、カラオケリモコン装置22とカラオケ演奏装置20とをペアリングさせると、当該利用者が利用するカラオケルームの利用態様に応じて適切な演奏モードが設定される。
【0048】
この際、1台のカラオケリモコン装置22において、複数種類の演奏モードデータを記憶させると共に、送信する演奏モードデータを選択できるようにしておき、フロントマンが演奏モードデータを選択したカラオケリモコン装置22を貸与してもよいし、予め、カラオケルームの利用態様に応じて演奏モードデータがそれぞれ設定されているカラオケリモコン装置22を選択して貸与してもよい。
【0049】
カラオケリモコン装置22とカラオケ演奏装置20とのペアリング手順は、例えば、以下の通りである。カラオケリモコン装置22に電源が投入されると、カラオケリモコン装置22の入出力表示部22eにペアリング開始画面が表示される。
【0050】
そして、利用者等がペアリング開始画面を操作して、ペアリングを開始させると、カラオケリモコン装置22からカラオケ演奏装置20に対して、カラオケリモコン装置22の識別番号(リモコン・シリアルナンバー)を送信する。カラオケリモコン装置22のリモコン・シリアルナンバーを受信したカラオケ演奏装置20では、受信したリモコン・シリアルナンバーを記憶すると共に、当該カラオケ演奏装置20の識別番号(演奏装置・シリアルナンバー)及び記憶したリモコン・シリアルナンバーをカラオケリモコン装置22に送信する。
【0051】
カラオケ演奏装置20から、演奏装置・シリアルナンバー及びリモコン・シリアルナンバーを受信したカラオケリモコン装置22は、自らのリモコン・シリアルナンバーと、受信したリモコン・シリアルナンバーとを照合して、両者が一致した場合に、受信した演奏装置・シリアルナンバーを記憶し、ペアリングを完了する。
【0052】
なお、本実施形態では、単独利用演奏モードと通常利用演奏モードの2種類の演奏モードについて設定を行う場合を説明したが、さらに他の演奏モードの設定が行えるようにしてもよい。
【0053】
<他の実施形態>
本発明のカラオケ演奏モード設定システム10及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。さらに、カラオケ演奏装置20を単体で動作させるのではなく、ホスト装置にネットワーク接続したカラオケ演奏端末として動作させてもよい。