【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題は独立請求項に記載の発明により解決される。本発明の有利な実施形態は従属請求項に記載されている。
【0012】
提案される、配電保護のための配電システムおよび方法は、一実施形態では、自動定点保持型の船および/または浮体構造体に用いられるが、故障後の継続的な稼働が望まれる他の用途、有利には海中配電システムなどにも適用可能である。
【0013】
有利には、提案される、配電保護のための配電システムおよび方法は、従来のバス差動保護の代わりに、保護リレーにおけるロジックを用いる。
【0014】
一実施形態では、配電システムは、故障に対してシステムを保護するように適合される。それゆえ、配電システムはたとえばさらに電力システム保護システムの特徴を参照するかまたは有する。有利には、保護リレーにおけるロジックは配電システムまたは電力システムの保護システムに含まれ、方向性故障電流の検出が、たとえばループ型電力ネットワークにおける区別を実現するために用いられる。
【0015】
自動定点保持型浮体構造体は本配電システムの1つの可能な用途に過ぎず、本発明はこの使用の場合に限定されない。
【0016】
一実施形態では、自動定点保持型浮体構造体(たとえば、船、石油プラットフォームまたは掘削リグ)のための(配電のための)配電システムが提供され、当該配電システムは、負荷(たとえばプロペラ、スラスタまたは他の種類の電気モータ、あるいは、電池または発電機などの電気供給装置)が(直接または間接的に)接続可能な第
2のバスを含む複数のバス(それぞれ、銅棒などの導体を含んでなる)と、第1のスイッチおよび第2のスイッチを含む複数のスイッチ(閉状態と開状態をとることができ、有利には制御可能なスイッチであってよく、有利にはプログラマブルでありかつロジック動作の計算および/または実行を可能とするリレーおよび遮断器を有してよい)と、を有している。ここで、複数のバスは複数のスイッチを間に介して(挿入して)リングを形成する(これにより、バスがスイッチに接続され、このスイッチが別のバスに接続され、この別のバスが別のスイッチに接続され、同様にして、最後のスイッチが第1のバスに接続されて、バスとスイッチとが交互に配列されたリング状の構成または環状の構成が形成される)よう接続されており、第
2のバスは第1のスイッチと第2のスイッチとの間に(有利にはコンバータを含まずに)接続されている。ここで、第1のスイッチを介して第
2のバスに向かう方向に流れる第1の電流が、所定の持続時間(たとえば0.2s〜1s)よりも長く所定の電流しきい値(たとえば1000A〜10000A)を超え、かつ、(別の隣接するバスから)第2のスイッチを介して第
2のバスに向かう方向に流れる第2の電流が、所定の持続時間よりも長く所定の電流しきい値を超える場合、配電システムは第1のスイッチを開き(これにより、第1のスイッチは開状態をとる)、同時に第2のスイッチを開く(これにより、第2のスイッチは開状態を取る)。したがって、第1のスイッチおよび第2のスイッチを開放することにより、第
2のバスがリングから切り離される。有利には、送信システムは、リングから第
2のバスを切り離すために保護リレーにおけるロジックを用いる。これにより、第1のスイッチおよび第2のスイッチのそれぞれは、ロジック機能を提供するロジックユニットを含むプログラマブルリレーを有しており、第
2のバスは、第1のスイッチおよび第2のスイッチにおけるロジック機能を用いて識別される。有利には、第1のスイッチおよび第2のスイッチによって、中央プロセッサを必要とせずに第1のスイッチおよび第2のスイッチの開閉を制御するロジック機能を用いて第
2のバスがリングから自立的に切り離される。
【0017】
本願において、「スイッチ」の語は、2つの導体(たとえばバス)の間の電気接続を、有利には制御されたやり方で、開閉可能とする(制御可能な)装置を意味する。スイッチは、たとえば、回路遮断器(電気接続を実際に確立する要素を表す)、および、回路遮断器の開閉を制御する制御装置、たとえば(プログラマブル)リレー(有利にはロジック回路を有する)を有してもよい。
【0018】
有利には、第
2のバスにおいて故障が発生したとき、大電流が第1のスイッチを介して第
2のバスへ流れ、また、大電流が第2のスイッチを介して第
2のバスへ流れる。有利には、第1のスイッチの開放と第2のスイッチの開放は、たとえば、特定用途に適合された所定の時間−電流特性曲線に従って行われる。有利には、第1のスイッチが遮断器とスマートリレー(プログラマブルロジックを含んでなる)を有し、かつ、第2のスイッチが遮断器と遮断器を制御するスマートリレーを有する場合、故障の生じた第
2のバスは、たとえば、第1のスイッチおよび第2のスイッチを除いたリングのすべてのスイッチの開放を阻止することにより検出される。ここで、(第1のスイッチおよび第2のスイッチを除く)すべての他のスイッチの開放は、すべての他のスイッチに適切な阻止信号を送信し、第1のスイッチおよび第2のスイッチに送信しないことにより、阻止される。有利には、対応する遮断器(スイッチを形成する遮断器およびリレー)を制御するリレーにおけるロジックがリング構造に用いられて、故障のあるバスを識別して、故障のあるバスをリングから切り離し、これにより、故障のあるバスはリングから分離され、したがってリングは開かれる。それでも、開放されたリングでは、複数のバスのすべての残りのバスは、互いに接続されたままである。これにより、残りのバスに接続された1つ以上の負荷に電気エネルギーを供給するためにより少数の発電機が必要なだけである。これにより、配電システムの効率が改善され、配電システムのコストは従来の配電システムに比べて低減される。
【0019】
有利には、配電システムは、ループに接続された複数の電力バスを有する。1つのバス(第
2のバス)に故障が生じた場合、第
2のバスのみが両端で切り離され、残りのすべての発電機および配電システムは動作状態にあり、互いに接続されたままである。これにより、所与の故障状態において動作するためにはより少数の冗長な発電機が必要とされるだけである。これにより、メンテナンス、燃料消費および排出は低減される。(第
2のバスにおける)1つの電気故障が発生し、この故障を修復しないままでも、配電システムを含む浮体構造体の動作は維持可能である。他のアイランドが冗長な発電容量を有するにもかかわらず1つのアイランドが電力不足となりうるという問題を避けながら、配電システムは、第1の故障の後も1つの接続されたシステムとして維持される。
【0020】
有利には、母線の差動保護の必要性がなくなる。母線の差動保護は、過渡状態の問題や掘削または生産リグの通常動作時によく見られる状態におけるトリップ(故障時の開放)を生じうる。このような異常なトリップはDP2またはDP3クラスの浮体構造体について重要である。提案のシステムは最初の電気故障の後でも、DP2またはDP3クラスに従って継続動作可能である。この場合、DP2の浮体構造体は第2の電気故障の後でも定点保持する必要があり、DP3クラスの浮体構造体は電気的または機械的性質の第2の故障の後でも定点保持する必要がある。これは、第1の故障の修復を待つ間、浮体構造体の継続された動作を可能とする。
【0021】
有利には、複数の発電および配電アイランド(複数のバス)同士を1つの閉じられたリングに接続されるように標準的な回路遮断器を用いて接続することにより、発電または配電システムを有する浮体構造体のために複数の冗長な発電機を動作させる必要がなくなる。これによりさらに、第1の故障後に配電構成を再構成する必要なく、故障後に、1つの接続されたバスとしての配電の継続動作が可能となる。一実施形態では、保護スキームでは、他の部分(配電システムの他のバス)を切り離すこと無く、故障のある部分(第
2のバス)のみが(排他的に)分離される。
【0022】
これにより、故障のある部分または故障のあるバス(第
2のバス)は、スイッチにおける(有利にはスイッチを制御する保護リレーにおける)ロジック機能またはプログラマブルロジック能力を用いて識別可能である。有利には、保護リレー(たとえばシーメンス社SIPROTEC(商標)保護リレー)が配電システムにおいて用いられ、適用される。シーメンス社SIPROTEC(商標)保護リレーは組み込みロジックおよびさらに組み込まれた電流電圧測定能力を有する。これらのリレーは、配電システムの、標準的で広く用いられている構成要素である。これらはよく実証された保護装置であり、その組み込み特性により、付加的なコントローラまたはプログラマブルロジックコントローラ(PLC)を用いることなく、ロジック動作を保護スキームの一部とすることができる。
【0023】
配電システムの提案される接続形態およびバスの故障の場合に配電システムからこのバスを分離可能であることにより、メンテナンスの必要性および燃料コストは低減され、動作状態で稼働するため必要な発電機はより少数となる。さらに、発電システムに関するより高いアベイラビリティが実現され、これにより、電気故障発生後の、オペレータの介入すらない、動作継続が可能となる。故障のある部分のみが切り離され、残りのシステムは、1つの接続された発電および配電システムとして動作継続する。さらに、いくつかの他の従来の耐故障発電システムにおいて必要とされるような、付加的な複数のコンバータとDCリンクの必要性は排除される。したがって、複雑性および初期投資は低減可能である。さらに、標準的なよく実証された構成要素のみを用いて一実施形態の配電システムを構築できる。
【0024】
一実施形態では、第1のスイッチ(有利にはリレーにより制御される遮断器を有する)は第1の電流および第1の電流の方向を決定(有利には、測定、導出および/または計算)するよう構成されており、第2のスイッチは第2の電流および第2の電流の方向を決定(有利には、測定、導出および/または計算)するよう構成されている。これにより、第
2のバスが配電システムから分離される状況は容易に決定される。さらに、従来の構成要素(たとえば電流測定能力を有するプログラマブルリレー)は配電システムを構築するために用いることができる。
【0025】
一実施形態では、第1のスイッチは、第1のスイッチを介して第
2のバスから離れる方向に流れる第1の逆方向性電流(第1の電流の流れる方向とは反対方向に流れる電流)が、所定の時間よりも長く所定の電流しきい値を超える場合に、第2のスイッチが開くことを阻止するための阻止信号(該阻止信号はトリップ阻止信号67とも示される)を第2のスイッチに送る(第1のスイッチと第2のスイッチとの間の通信、有利には第1のスイッチから第2のスイッチへの通信のための、第1のスイッチと第2のスイッチとの間の信号線を要する)ように構成されている。この状況において、第
2のバスは電流シンクではなく、別のバスが電流シンクでなければならず、したがって、別のバスが故障を有するはずである。この状況において、第
2のバスは故障のあるバスではなく、配電システムから切り離されるべきではない。それゆえ、有利には、第2のスイッチは第
2のバスの配電システムへの接続を維持するために、開放されるべきではない。ここで、第2のスイッチが有するリレーのロジック処理能力を用いることができる。
【0026】
一実施形態では、第2のスイッチが第1のスイッチから阻止信号を受信せず、かつ、第
2のバスに向かう方向に第2のスイッチを介して流れる第2の電流が、所定の時間よりも長く所定の電流しきい値を超える場合、および、有利にはさらに第
2のバスにおける電圧が所定の電圧しきい値以下である場合、第2のスイッチが開くように構成されている。有利には、第2のスイッチは複数のスイッチのうちの他のすべてのスイッチから阻止信号を受け取らない。有利には、複数のスイッチのすべてのスイッチが、阻止信号を受け取らない2つのスイッチ(第1のスイッチおよび第2のスイッチ)を除いて、(複数のスイッチのうちの別のスイッチから)阻止信号を受け取る。次いで阻止信号を受け取らない2つのスイッチが開かれ、配電システムから阻止信号を受け取らない2つのスイッチの間でバスが切り離される。ここで、スイッチのロジック処理能力および電流測定能力および電圧測定能力が用いられる。
【0027】
一実施形態では、第2のスイッチを介して第
2のバスに向かう方向または第
2のバスから離れる方向に流れる第3の電流が、別の所定の時間よりも長く別の所定の電流しきい値を超える場合に、第2のスイッチは開くように構成されている、なお、別の所定の電流しきい値は所定の電流しきい値よりも大きく、および/または、別の所定の時間は所定の時間よりも長い。第3の電流トリップは方向性電流について開放が生じなかった場合に生じる。第2のスイッチを構築するために(および有利にはさらにすべての他のスイッチを構築するために)プログラマブルリレーを用いることにより、第2のスイッチが開放されるべき状態または状況を定めるためのさらなる状態および関係を含めることができる。これにより、故障のバスを決定するためのより高い柔軟性が実現される。
【0028】
一実施形態では、複数のバスは、第2のスイッチを介して第
2のバスに接続された第
3のバスを含み、複数のスイッチは第
3のバスに接続された(但し第
2のバスと第
3のバスとの間にではなく)第3のスイッチを含んでおり、第2のスイッチを介した第
2のバスに向かう方向の第2の電流が、所定の時間よりも長く所定の電流しきい値を超える場合、第2のスイッチは、第3のスイッチが開くことを阻止するための阻止信号を第3のスイッチに送るように構成されている。これにより、他のすべてのバス(第
2のバスを除く)を配電システムから分離しないために、第
3のバスを複数のバスのうちの別のバスと接続する第3のスイッチが閉状態に維持される。これにより、故障のある第
2のバスが配電システムから切り離されたときに、第
2のバス(故障のあるバス)のみが環状の配電システムから分離され、ループに接続されておらずリングを形成しない線形のまたはチェーン状の配電システムを実現することが保証される。
【0029】
一実施形態では、第
2のバスに接続された少なくとも1つの発電機をさらに有する。発電機は第
2のバスに電気エネルギーを供給することができる。有利には、配電システムは1つ以上の発電機を有してよく、ここで、有利には、各バスについて1つの発電機が接続可能である。第
2のバスの配電システムからの分離には、第
2のバスに接続された発電機の配電システムからの分離も含みうる。さらに、第
2のバスの配電システムからの分離は、第
2のバスに接続されたすべての負荷の配電システムからの分離を含みうる。したがって、第
2のバスに接続された負荷または発電機において故障が生じた場合に、第
2のバスが配電システムから分離されない場合がある。さらに、故障は第
2のバスに接続された負荷または発電機のいずれかにおいても生じることなく、第
2のバス自体に生じてもよい(たとえば地絡)。
【0030】
一実施形態では、配電システムは、発電機を第
2のバスに接続する発電機回路遮断器(発電機スイッチともいう)をさらに有する。発電機回路遮断器は電流測定能力および/または電圧測定能力を有する(プログラマブル)リレーにより制御される。したがって、発電機自体の故障の場合には、それは第
2のバスから高速に分離可能であり、第
2のバスを配電システムから分離する必要性は排除される。有利には、発電機スイッチの時間−電流特性曲線は、故障が第
2のバス自体にではなく発電機において生じた場合に、第
2のバスを配電システムに接続された状態に維持する(依然としてリングが形成される)ために、発電機スイッチが第1のスイッチまたは第2のスイッチが開く前に開くようなものであってよい。これにより、配電システムのリング構造は発電機のうちの1つの故障の場合に維持可能である。
【0031】
一実施形態では、負荷はたとえば負荷回路遮断器(負荷スイッチともいう)を介して第
2のバスに接続される。有利には、たとえば、その負荷回路遮断器は電流測定能力および電圧測定能力を有しかつロジック計算を提供する(プログラマブル)リレーにより制御される。有利には、負荷スイッチの時間−電流特性は、負荷スイッチが、故障が負荷において生じた場合に第
2のバスを環状の配電システムに接続された状態に維持するために、第1のスイッチおよび第2のスイッチが開く前に開くようなものである。これにより、故障が配電システムに接続された負荷においてのみ生じたとき、配電システムは有利なリング状構造に維持可能である。有利には、1つ以上の負荷装置が複数のバスのそれぞれに接続可能である。
【0032】
一実施形態では、第3のスイッチ、発電機スイッチおよび負荷スイッチの少なくとも1つはロジックユニットを備えるプログラマブルリレーを有する。有利には、シーメンス社SIPROTEC(商標)保護リレーを用いることができる。
【0033】
一実施形態では、上述の配電システムを有する浮体構造体(たとえば浮遊海上プラットフォーム、掘削リグ、石油プラットフォーム)であって、浮体構造体は、負荷として電力バスに接続された複数の(プロペラまたはスラスタに接続された)電気モータを用いて自動定点保持される。浮体構造体は、電気モータにより駆動される1つ以上のプロペラまたはスラスタを動かすことにより、特定の(海中または海上の)位置に維持可能である。
【0034】
有利には、DPクラス2の浮体構造体について2室(line-up)スイッチギア構成が考えられ、ここでは、それは2つのスラスタを失うことが許容され、1つは第1の故障において、もう1つは後の第2の故障においてである。DPクラス2の浮体構造体においては、電気故障のみが考慮される。浮体構造体は電気故障後にその動作を安全に終了可能でなければならない。耐故障システムに関して、浮体構造体は特定の種類の第1の故障の後に生じる第2の故障についても同じことをしなければならない。このような第1の故障には、遮断器、発電機、スラスタまたはバスの故障が含まれる。
【0035】
別の実施形態では、DPクラス3の浮体構造体についての4室スイッチギア構成が考えられ、ここでは、それは3つのスラスタを失うことが許容され、1つは第1の故障、他の2つは第2の故障である。DP3クラスの浮体構造体において、すべての区画に影響する故障も考慮しなければならない。これには一区画全体の火災または浸水が含まれる。提案される耐故障システムに関して、状態は第1の故障は電気構成要素たとえば遮断器、発電機、スラスタまたはバスの故障に限定される。第2の故障は一区画全体に影響する可能性があり、浮体構造体はそのような故障の後にその動作を安全に完了することができる。このような故障は2つのスラスタの喪失となり、さらに1つは第1の(電気)故障の結果として故障しうる。
【0036】
一実施形態では、DPクラス3の浮体構造体についての8室スイッチギア構成が考えられ、これにおいては、それは2つのスラスタの喪失が許容され、1つは第1の故障、もう1つは後の第2の故障である。DPクラス3の浮体構造体のための4室スイッチギア構成と同様に、発電機およびバスそれぞれが独自の分離された耐火区画に設けられている。この構成は浮体構造体の建造をより高額とするが、2つの故障の後に残る6つのスラスタを有することを補償可能である。この構成は、4室スイッチギアを有するDPクラス3の浮体構造体において用いられるべきよりもより少数のスラスタを可能とし、これにおいては、浮体構造体は2回の故障の後に残る5つのスラスタのみを有しうる。
【0037】
有利には、DPクラス2の浮体構造体のための2室スイッチギアは2つの分離された区画を有し、DPクラス3の浮体構造体のための4室スイッチギアは4つの独立な区画を有し、DPクラス3の浮体構造体のための8室スイッチギアは8つの独立な区画を有し、その内部に、配電システムのいくつかの構成要素が設置される。
【0038】
一実施形態では、浮体構造体は浮遊海上石油プラットフォームまたは海上掘削プラットフォームを支持するために構成されている。浮体構造体は海中に少なくとも部分的に沈められてもよい。
【0039】
配電システムに関して開示され、記載され、または、言及された特徴(独立にまたは組み合わせて)は、配電方法にも(独立にまたは組み合わせて)適用可能である。
【0040】
一実施形態では、自動定点保持型浮体構造体のための配電システムを用いる、有利には上述の配電システムを用いる配電方法が提供され、該配電システムは、負荷が接続可能な第
2のバスを含む複数のバスと、第1のスイッチおよび第2のスイッチを含む複数のスイッチと、を有する。ここで、複数のバスは複数のスイッチを間に介してリングを形成するよう接続されており、第
2のバスは第1のスイッチと第2のスイッチとの間に接続されている。ここで、該方法は、第1のスイッチを介して第
2のバスに向かう方向に流れる第1の電流を決定(有利には、測定、導出、計算および/または推定)するステップと、第2のスイッチを介して第
2のバスに向かう方向に流れる第2の電流を決定するステップと、第1の電流が、所定の持続時間よりも長く所定の電流しきい値を超え、第2の電流が、所定の持続時間よりも長く所定の電流しきい値を超える場合、第1のスイッチを開き、同時に第2のスイッチを開くことにより、第
2のバスをリングから切り離すステップと、を含む。ここで、第1のスイッチおよび第2のスイッチのそれぞれは、ロジック機能を提供するロジックユニットを含むプログラマブルリレーを有しており、第
2のバスは、第1のスイッチおよび第2のスイッチにおけるロジック機能を用いて識別される。
【0041】
本発明の実施形態について、異なるカテゴリーの発明に関して記載されている。有利には、いくつかの実施形態は、方法のカテゴリーの請求項に関して記載され、他の実施形態は装置のカテゴリーの請求項でもって記載されている。しかし、当業者は上記または下記の記載から、他に言及しない限り、1つのカテゴリーの発明に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なるカテゴリーの発明に属する特徴同士の任意の組み合わせ、有利には、方法のカテゴリーのクレームの特徴と装置のカテゴリーのクレームの特徴との任意の組み合わせも、本願書類に開示されているものと見なされることは理解するであろう。
【0042】
本発明の上記の態様および他の態様は、以降に記載される実施形態における実施例から明らかであり、実施形態における実施例を参照して説明される。本発明は、実施形態における実施例を参照して以下より詳細に説明されるが、本発明はこれに限定されない。