特許第5710036号(P5710036)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5710036
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】トルクセンサ
(51)【国際特許分類】
   G01L 3/10 20060101AFI20150409BHJP
   G08C 19/00 20060101ALI20150409BHJP
【FI】
   G01L3/10 311
   G08C19/00 C
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-34781(P2014-34781)
(22)【出願日】2014年2月26日
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3175976号
【原出願日】2012年3月22日
(65)【公開番号】特開2014-98718(P2014-98718A)
(43)【公開日】2014年5月29日
【審査請求日】2014年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】591156799
【氏名又は名称】ユニパルス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】吉本 喬美
【審査官】 公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−301881(JP,A)
【文献】 特開2001−099729(JP,A)
【文献】 特開平10−078361(JP,A)
【文献】 実開平01−074070(JP,U)
【文献】 米国特許第04649758(US,A)
【文献】 実開平04−057736(JP,U)
【文献】 実開平06−087835(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 3/10
G01L 5/24
G08C 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に回転可能に支持され起歪部にストレンゲージを有するトルク検出軸と、
接続されている前記ストレンゲージからの電気信号を検出信号として非接触伝送手段を介して送信する検出回路が設けられ、中空円盤形状を有して中空部に挿入される前記トルク検出軸に固定されている軸側基板と、
記検出回路からの検出信号を受信して外部に出力する出力回路及び外部から供給された電力を前記出力回路に供給する電源回路が設けられ、前記筐体に固定されている筐体側基板と、
前記電源回路から給電されて前記検出回路に非接触で給電する回転トランスと
を備えてなるトルクセンサ。
【請求項2】
前記起歪部は、それぞれ前記ストレンゲージを有し、前記トルク検出軸の回転中心軸線を通る平面上に設けられ、軸対称且つ互いに離間して配置されている複数の平板を備える請求項1記載のトルクセンサ。
【請求項3】
前記起歪部は、前記複数の平板の前記トルク検出軸の回転中心軸方向における両端を支持する一対の支持部を備え、
前記各平板は、一方の面の両端部に、前記支持部に向かって厚さが増すように形成された傾斜面を有する請求項2に記載のトルクセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルクセンサに関し、特に、ストレンゲージ式で非接触方式のトルクセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から知られているストレンゲージ式のトルクセンサは、接触方式と非接触方式に大別される。接触方式としては、起歪体である軸に貼付したストレンゲージの抵抗値の変化を、スリップリングなどの接触体を介して取出し、このスリップリングに結線したケーブルなどによって処理回路に送り、出力する構成が一般的である。ところが、このスリップリングなどの接触体を用いた構成によると、接触体の摩擦抵抗による初動トルクが大きく、回転始動時の測定が不安定なものとなり、また、摩擦による温度上昇によってトルクの測定に悪影響を及ぼし、さらには、接触体が摩擦により摩耗して、摩耗した導電物が筐体内に散らばるので、一定期間での交換や内部清掃などの定期的な保守作業が必要であるなど、多くの問題点があった。
【0003】
非接触方式としては、回転軸を起歪体として、この起歪体に貼付したストレンゲージの抵抗値の変化を検出し、検出信号を、回転トランスからコネクタを経由してコードで連結した表示装置に送る方式(例えば特許文献1)や、回転軸を起歪体として、この起歪体に貼付したストレンゲージの抵抗値の変化を検出し、検出信号を回転軸側に設けた充電池を電源とする回路で増幅、変調等の処理を行なって、無線送信する一方、前記充電池に充電するための発電機構を有する方式(例えば特許文献2)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平7−15274号公報
【特許文献2】特開2007−327890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述の第1の非接触方式によると、トルクセンサと表示装置はコードで連結され、検出信号は回転トランスによって伝達される交流信号であるので、直流信号の処理と比較してその処理回路の構成が複雑化し、大規模化するため、センサ本体内に処理回路を設けることが困難であり、また、高精度を確保するための処理回路の規模と小型化との両立が困難であるという不都合がある。また、上述の第2の非接触方式によると、回転軸に充電池を設けているが、回転軸の強度や慣性モーメント等を考慮すると、その設置位置が制約を受け、設計上の自由度が限定されるほか、充電池の寿命による交換という保守作業が必要であるという不都合がある。
本発明は、これらの不都合を解消したストレンゲージ式で非接触方式のトルクセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するため本発明に係るトルクセンサは、筐体に回転可能に支持され起歪部にストレンゲージを有するトルク検出軸と、接続されている前記ストレンゲージからの電気信号を検出信号として非接触伝送手段を介して送信する検出回路が設けられ、中空円盤形状を有して中空部に挿入される前記トルク検出軸に固定される円盤状の軸側基板と、前記検出回路からの検出信号を受信して外部に出力する出力回路及び外部から供給された電力を前記出力回路に供給する電源回路が設けられ、前記筐体に固定されている筐体側基板と、前記電源回路から給電されて前記検出回路に非接触で給電する回転トランスとからなるものである。
【0007】
上述の構成でトルク検出軸の起歪部を、平板を軸対象に設けた構成として、これら平板にストレンゲージを設けると小型化に好適である。トルク検出軸は円柱状なので、円周面にストレンゲージを貼ると、ストレンゲージが湾曲した状態となって安定性が悪くなるが、感度はトルク検出軸の径に反比例するので、感度を高めようとすると、トルク検出軸が小径化されてストレンゲージの湾曲度が大きくなり、安定性はより悪くなってしまう。また、小径化した場合、ストレンゲージは周方向に貼る枚数が限られるので、軸方向に並べて貼ることになるため、高精度と小型化を両立することは困難である。これに対して、ストレンゲージを貼る面が平面であれば、このような不都合は生じない。また、軸対象に設けた各平板は、曲げ方向には強度を有して変形せず、ねじれ方向には容易に歪むので、板厚を調整することで高精度と小型化の両立が可能となる。さらに、検出信号をデジタル信号とすると出力回路との送受信の際に、ノイズなどの影響を受けにくく好適である。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るトルクセンサによれば、軸側にストレンゲージに接続して設けた検出回路により直接ストレンゲージの微小信号の処理が可能となって、高精度な計測と小型化の両立が可能になり、また、検出回路と出力回路を筐体内に設けて、非接触方式で前記両回路間の検出信号の送受信と前記検出回路に対する給電を行なうので、計測精度はより一層向上する一方、従来必要であった定期的な保守作業は不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態を示す分解斜視図。
図2】同じくトルク検出軸の軸線における縦断面図。
図3】同じくトルク検出軸の起歪部の拡大側面図。
図4】同じくトルク検出軸の起歪部の拡大斜視図。
図5】同じく図3のA−A線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、トルク検出軸1は、起歪体と動力伝達軸を兼ねるもので、筐体9の側壁8a,8bに転がり軸受4a,4bを介して回転可能に支持されている。このトルク検出軸1の起歪部は、4枚の平板1a,1b,1c,1dを軸対象に設けてなり、これら各平板1a,1b,1c,1dにそれぞれストレンゲージ2を接着している(図3図5参照)。この軸対象に設けた平板1a,1b,1c,1dの構成によると、トルク検出軸1の曲げ方向には強度を有して変形せず、ねじれ方向には容易に歪むものであり、板厚に反比例して精度が向上する。
【0011】
トルク検出軸1には基板3が固定ナット11で固定され、基板3上には検出回路31が設けられている。この検出回路31は、ストレンゲージ2に結線されてこれとともにホイートストンブリッジ回路を形成する抵抗と、前記ストレンゲージ2の抵抗値変化を微小な電圧信号に変換した前記ホイートストンブリッジ回路のアナログ出力を、デジタル信号に変換するAD変換回路と、このデジタル信号を処理するCPUと、この処理した信号をデジタル化した検出信号としてIrDAなどの赤外線通信で送信する非接触伝送手段である送信回路とからなる。
【0012】
一方、筐体9には基板7a,7bが固定され、前記基板7a上には、出力回路32が設けられている。この出力回路32は、検出回路31からの検出信号を受信する受信回路と、受信した検出信号を処理するCPUと、処理した検出信号をアナログ信号に変換するDA変換回路とからなり、アナログ変換してなる電圧信号を外部に出力するものである。
【0013】
また、基板7a上には、出力回路32に電力を供給する電源回路33が設けられ、この電源回路33には、外部接続用コネクタ12を介して外部から電力が供給される。また、前記基板7aには、回転トランスの一次側を構成する、コ字状フェライトに銅線を捲回してなる固定側コイル6が設けられている。この固定側コイル6には、前記電源回路33から電力が供給される。そして、筐体9における基板7aに対応する開口部分は蓋体10で閉塞されている。
【0014】
一方、トルク検出軸1には、固定側コイル6と所定間隔をおいて対向するように、回転トランスの二次側を構成する、円筒状フェライトコアの外周に銅線を捲回してなる軸側コイル5が設けられている。
【0015】
本実施形態は以上のように構成したので、外部から電源回路33に供給された交流電圧を固定側コイル6に通電すると、交流磁界が発生し、この交流磁界が軸側のフェライトコアに透過することで、軸側コイル5に電流が誘起される。これによって、検出回路31に非接触で給電がなされる。また、出力回路32にも前記電源回路33から電力が供給される。
【0016】
ここで、トルク検出軸1にトルクが加わると、前記トルク検出軸1の起歪部である4枚の平板1a,1b,1c,1dは前記トルクの大きさに応じて歪み、この歪みの大きさは、各平板部1a,1b,1c,1dに設けたストレンゲージ2の抵抗値の変化の大きさとして検出回路31により検出され、出力回路32に赤外線通信される。すなわち、前記抵抗値の変化で生じたアナログ信号をAD変換回路でデジタル化し、デジタル化したデータはCPUで数値化し、さらに、雑音抑制のためにフィルタ処理をし、この数値化処理したデータ(検出信号)を検出回路31の送信回路から出力回路32の受信回路に送信するのである。
【0017】
この数値化処理したデータ(検出信号)を受信した出力回路32は、CPUによって数値化処理データをデジタル化し、DA変換器でアナログ信号に変換し、検出したトルクに対応する電圧信号として出力する。そして、この出力された電圧信号は、公知の手段によって表示器に表示される。
【0018】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、例えば、検出回路31の送信回路から出力回路32の受信回路に対する検出信号であるデータを送信する非接触伝送手段は、無線通信手段によることもできる。しかし、回路規模の小型化や微小な電気信号を扱う検出回路31への電気的な影響を考慮すると、非接触伝送手段としては赤外線通信が最も望ましいものである。また、出力回路32からの出力は、受信した検出信号をDA変換せずに、シリアル通信のデジタルデータとして出力してもよい。さらに、トルク検出軸1の平板1a,1b,1c,1dの数も4枚に限らず、軸対称に設ける限り、例えば6枚でもよい。またさらに、トルク検出軸1を支持する軸受は、転がり軸受4a,4bに限定されず、流体軸受などでもよい。
【符号の説明】
【0019】
1 トルク検出軸
1a,1b,1c,1d 平板
2 ストレンゲージ
3,7a,7b 基板
4a,4b 転がり軸受
5 軸側コイル
6 固定側コイル
8a,8b 側壁
9 筐体
10 蓋体
11 固定ナット
12 外部接続用コネクタ
31 検出回路
32 出力回路
33 電源回路
図1
図2
図3
図4
図5