(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5710038
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】マットレス沈み込み補修体
(51)【国際特許分類】
A47C 27/14 20060101AFI20150409BHJP
A47C 27/16 20060101ALN20150409BHJP
【FI】
A47C27/14 C
A47C27/14 B
!A47C27/16
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-41867(P2014-41867)
(22)【出願日】2014年3月4日
【審査請求日】2014年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】591034143
【氏名又は名称】西川リビング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100124707
【弁理士】
【氏名又は名称】夫 世進
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100059225
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 璋子
(72)【発明者】
【氏名】辻子 直樹
【審査官】
高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−346218(JP,A)
【文献】
実公昭40−035641(JP,Y1)
【文献】
特開2007−083018(JP,A)
【文献】
特開2009−279086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 27/14
27/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が複数の凹凸を有する発泡樹脂製の寝具用マットレスにおける凹部に挿入する補強体であって、
当該補強体は、弾発力がある素材よりなり、これをマットレスの凹部に挿入したときに、マットレス上面の凸部の高さより低くなる厚みであり、
マットレス上面に荷重が掛かった際のマットレスの沈み込みを抑制する
ことを特徴とするマットレス沈み込み補強体。
【請求項2】
弾発力がある素材は、発泡樹脂又は3次元立体編地である
ことを特徴とする請求項1に記載のマットレス沈み込み補強体。
【請求項3】
弾発力がある素材は、その硬度がマットレスの凹部周りの発泡樹脂の硬度以上である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のマットレス沈み込み補強体。
【請求項4】
補強体は、マットレスの凹部の形状の少なくとも一部に相応する形状である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のマットレス沈み込み補強体。
【請求項5】
上面が複数の凹凸を有する発泡樹脂製の寝具用マットレスにおける凹部に補強体を挿入し、
当該補強体は、弾発力がある素材よりなり、これをマットレスの凹部に挿入したときに、マットレス上面の凸部の高さより低くなる厚みとすることにより、
マットレス上面に荷重が掛かった際のマットレスの沈み込みを抑制する
ことを特徴とするマットレス沈み込み補強方法。
【請求項6】
弾発力がある素材は、発泡樹脂又は3次元立体編地である
ことを特徴とする請求項5に記載のマットレス沈み込み補強方法。
【請求項7】
弾発力がある素材は、その硬度がマットレスの凹部周りの発泡樹脂の硬度以上である
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のマットレス沈み込み補強方法。
【請求項8】
補強体は、マットレスの凹部の形状の少なくとも一部に相応する形状である
ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のマットレス沈み込み補強方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寝具用マットレスに関し、特にマットレスの沈み込み量を調整する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のマットレスにおいて、その上面に凹凸を形成して体圧分散できるようにしたものが使用されている。また、体型に合わせてクッション性の度合い、すなわち硬軟を変化させて支持安定性を考慮した種々の積層マットが開発されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のマットレスは、全て完成品として上記の性能を有するように製造されている。したがって、経年変化により、マットレスを構成する発泡樹脂にへたりが生じて、支持安定性及び体圧分散性が低下しても、その対策は講じられておらず、買い直すことがほとんどであるのが実情であった。
【0004】
そこで、本発明者は、鋭意研究を重ね、経年変化によりマットレスにへたりが生じても、支持安定性及び体圧分散性を回復させる補強体及びその補強方法を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係るマットレス沈み込み補強体は、上面が複数の凹凸を有する発泡樹脂製の寝具用マットレスにおける凹部に挿入する補強体であって、当該補強体は、弾発力がある素材よりなり、これをマットレスの凹部に挿入したときに、マットレス上面の
凸部の高さより低くなる厚みであり、マットレス上面に荷重が掛かった際のマットレスの沈み込みを抑制することを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係るマットレス沈み込み補強体は、上記請求項1に記載の構成に加え、
弾発力がある素材は、発泡樹脂又は3次元立体編地であることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係るマットレス沈み込み補強体は、上記請求項
1又は2に記載の構成に加え、弾発力がある素材は、その硬度がマットレスの凹部周りの発泡樹脂の硬度以上であることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係るマットレス沈み込み補強体は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の構成に加え、補強体は、マットレスの凹部の形状の少なくとも一部に相応する形状であることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5に係るマットレス沈み込み補強方法は、上面が複数の凹凸を有する発泡樹脂製の寝具用マットレスにおける凹部に補強体を挿入し、当該補強体は、弾発力がある素材よりなり、これをマットレスの凹部に挿入したときに、マットレス上面の
凸部の高さより低くなる厚みとすることにより、マットレス上面に荷重が掛かった際のマットレスの沈み込みを抑制することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項6に係るマットレス沈み込み補強方法は、請求項5に記載の構成に加え、
弾発力がある素材は、発泡樹脂又は3次元立体編地であることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項7に係るマットレス沈み込み補強方法は、請求項
5又は6に記載の構成に加え、弾発力がある素材は、その硬度がマットレスの凹部周りの発泡樹脂の硬度以上であることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項8に係るマットレス沈み込み補強方法は、請求項5〜7のいずれか1項に記載の構成に加え、補強体は、マットレスの凹部の形状の少なくとも一部に相応することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
上記のように補強体を構成したことにより、経年変化によりマットレスにへたりが生じても、支持安定性及び体圧分散性を容易に回復させることができ、長年にわたって快適に使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施例1に係るマットレスの概略斜視図である。
【
図2】本発明の実施例1に係るマットレスの部分拡大断面斜視図である。
【
図3】本発明の実施例1に係るマットレスと補強体とを表す概略部分斜視図である。
【
図4】本発明の実施例1に係るマットレスに補強体を挿入した状態を示す部分拡大断面斜視図である。
【
図5】本発明の実施例2に係るマットレスの概略斜視図である。
【
図6】本発明の実施例2に係るマットレスの部分拡大斜視図である。
【
図9】本発明の実施例2に係るマットレスと補強体とを表す部分拡大斜視図である。
【
図10】本発明の実施例2に係るマットレスに補強体を挿入した状態を示す部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るマットレス沈み込み補強体及びマットレス沈み込み補強方法について、添付の図面に基づき詳細に説明する。
【実施例1】
【0016】
図1に示すマットレス10は、所定幅、所定長さ及び所定厚み(高さ)のマットレス基体11上に複数の凹凸を有する発泡樹脂製の寝具用のマットレスである。前記の複数の凹凸は、高さ方向中途位置にくびれ部12を有する凸部13を、マットレス基体11上の縦横に配置することにより形成したものである。通常、このマットレス10は、側地やカバーなどを被覆することにより寝具として使用される。
【0017】
すなわち、
図2に示すように上記くびれ部12を有する凸部13は、縦2個横2個の4個一組の凸部群を構成しており、その凸部群内の4個の凸部13を区画する箇所には浅い凹部14が形成され、4個一組の凸部群に隣接する他の4個一組の凸部群とを区画する箇所にはマットレス基体11にまで及ぶ深い凹部15が形成されていて、マットレス上面全体の凹凸を形成している。
【0018】
なお、マットレス上には、各辺に平行する浅い凹部14が複数本形成されて格子状をなすが、マットレス周縁の最外部は、
図1に示すように、浅い凹部の形成を敢えて省略して平面視が長方形状の凸部としている。その理由は、最外部に浅い凹部を形成した場合には、その浅い凹部の外側の最外部に正方形状の凸部が形成されることになり、この正方形状の凸部は、これに外方への荷重が掛かると支持するものがなく、外側へ倒れてしまい、この現象によりマットレス上面の支持力が周縁部において低下してしまうので、この支持力低下を防ぐためである。
【0019】
また、
図3に示すように、マットレス10には、その上面の凹凸の凹部に挿入するための補強体16が用意されている。この補強体16は、好ましくは、マットレス10における浅い凹部14の下端から深い凹部15の下端に至るまでの凹部形状に相応する形状をなすものである。すなわち、縦長幅狭楕円形の下半分の形状をなす。この補強体16は、好ましくは、その硬度がマットレスの浅い凹部14の下端から深い凹部15の下端に至るまでの凹部形状の周りの発泡樹脂の硬度以上の発泡樹脂より構成される。なお、前記補強体16は、マットレス10における凹部形状に相応する形状をなすものに限るものではなく、また、その硬度がマットレスの凹部形状の周りの発泡樹脂の硬度以上でなくてもよく、さらに、発泡樹脂でなくてもよい。例えば、3次元立体編地等の弾発力がある素材を使用することが可能である。
【0020】
そして、
図4に示すように、マットレス10における4個一組の凸部群を区画する深い凹部15に補強体16を挿入することにより、補強体16は凸部13が過度に沈み込んだり、倒れ込んだりするのを抑制する機能を果たす。
【0021】
したがって、マットレス10の経年変化により、凸部の高さは変化しないけれどもマットレスを構成する発泡樹脂の弾発力が低下して、少しの荷重で深く沈み込んだり倒れ込んだりするようになった場合に、前記の補強体16を挿入すれば、低下したマットレスの弾発力を補強することが可能となる。
【実施例2】
【0022】
図5に示すマットレス20は、所定幅、所定長さ及び所定厚み(高さ)のマットレス基体21上に、一般にプロファイル加工と呼ばれる複数の凹凸22を有する発泡樹脂製の寝具用のマットレスである。前記の複数の凹凸22は、長さ方向に配列された凸部列22aと幅方向に配列された凸部列22bとから構成され、
図6に示すように、これら長さ方向に隣り合う凸部列(A,B)(C,D)及び幅方向に隣り合う凸部(A,C)(B,D)は、その各凸部の頂点a1,b1,c1,d1が四角形、例えば好ましくは正方形又は菱形の頂点となるように配置される。そして、当該四角形の中央部には深い凹部Eが形成され、当該四角形を結ぶ各辺には浅い凹部Fが形成される。
図7は深い凹部Eを示す断面図であり、
図8は浅い凹部Fに示すを示す断面図である。
【0023】
また、
図9に示すように、上記マットレス20には、その上面の凹凸の凹部に挿入するための補強体26が用意されている。この補強体26は、マットレス20における浅い凹部Fを基準にして、浅い凹部Fの下端よりやや上方で一定範囲の凸部列22a,22bの凸部を水平に切除した角錐台が嵌まり込む形状(ほぼ四角形)の貫通穴26aを形成した平板状のものである。この補強体26は、その硬度がマットレスの浅い凹部Fの下端から深い凹部Eの下端に至るまでの凹部形状の周りの発泡樹脂の硬度以上の発泡樹脂より構成される。なお、前記補強体26は、マットレス20における凹部形状に相応する形状をなすものに限るものではなく、また、その硬度がマットレスの凹部形状の周りの発泡樹脂の硬度以上でなくてもよく、さらに、発泡樹脂でなくてもよい。例えば、3次元立体編地等の弾発力がある素材を使用することが可能である。
【0024】
そして、
図10に示すように、マットレス20における浅い凹部Eに補強体26を挿入することにより、補強体26は凸部列22a,22bが過度に沈み込んだり、倒れ込んだりするのを抑制する機能を果たす。
【0025】
したがって、マットレス10の経年変化により、凸部の高さは変化しないけれどもマットレスを構成する発泡樹脂の弾発力が低下して、少しの荷重で深く沈み込んだり倒れ込んだりするようになった場合に、前記の補強体16を挿入すれば、低下したマットレスの弾発力を補強することが可能となる。
【0026】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0027】
10・・マットレス
11・・マットレス基体
12・・凸部のくびれ部
13・・凸部
14・・浅い凹部
15・・深い凹部
16・・補強体
20・・マットレス
21・・マットレス基体
22・・凹凸
22a・長さ方向の凸部列(Aに対してB)(Cに対してD)
22b・幅方向の凸部列(Aに対してC)(Bに対してD)
a1,b1,c1,d1・・各凸部の頂点(四角形の頂点)
E・・・深い凹部
F・・・浅い凹部
26・・補強体
26a・補強体の貫通穴
【要約】
【課題】本発明は、経年変化によりマットレスにへたりが生じても、支持安定性及び体圧分散性を回復させる補強体及びその補強方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るマットレス沈み込み補強体16は、上面が複数の凹凸を有する発泡樹脂製の寝具用マットレス10における凹部15に挿入する補強体16であって、当該補強体16は発泡樹脂よりなり、その硬度がマットレス10の凹部15周りの発泡樹脂の硬度以上であり、マットレス上面に荷重が掛かった際のマットレスの沈み込みを抑制することを特徴とする。
【選択図】
図4