(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記水素添加サーバ(10)の開閉手段と、液体容器(100)の開閉手段とが、水素ガス供給路(80)によって接続されている、請求項1または2記載の水素添加システム。
上記水素添加サーバが、開閉手段(51、52、55、56)を複数備えるとともに、上記第2流路(70)または流路が途中で複数に分岐して各開閉手段に至る、請求項1〜3のいずれか1つに記載の水素添加システム。
上記水素添加サーバ(10)の開閉手段と、上記液体容器(100)の開閉手段は、それぞれ、着脱可能なプラグ(56)およびソケット(55)の一方または両方で構成されている、請求項1〜3のいずれか1つに記載の水素添加システム。
【背景技術】
【0002】
近年、水素水の飲用による健康効果が話題になっている。水素水の飲用により、抗炎症効果や抗酸化作用の他、糖尿病、便秘、歯周病対策、その他多くの健康効果が確認されており、健康志向の高まりとともに飲用者が増えてきている。
なお、水素水の飲用による健康効果は、水素の摂取量と頻度に相関すると考えられている。すなわち、水素水の濃度が2倍になれば、半分量の水素水の飲用で、同等程度の健康効果が期待できる。
【0003】
水素水を製造する装置類として、例えば特許文献1に開示されたものがある。これは、水素発生部で発生させた水素を圧力タンクに導いて水素水を製造する工場設備であって、家庭等で簡便に利用できるものではない。
【0004】
一方、水を入れたペットボトル等の容器内に、水素発生材が封入された試験管(スピッツ)を入れて逆止弁付きのキャップを閉め、容器内で水素水を作るものが提案されている(例えば、特許文献2)。しかしながら、スピッツは特定容量のペットボトルに対して専用的に使用するように作られる。例えば、500mlのペットボトルに使用するスピッツは、それに応じた量の水素発生材が封入されており、対象となるペットボトルの容量が異なれば、必要な水素発生材の量も異なる。それ故に、次のような問題が残る。
例えば、500mlのペットボトル専用のスピッツを300mlのペットボトルに使用すると、水素濃度は高くなるが、圧力が過大になりペットボトルの耐圧を超えてしまう。一方、1000mlのペットボトルに使用すると、水素濃度が予定値よりも低くなってしまう。つまり、ペットボトルの容量毎に専用のスピッツを用意する必要があり、汎用性に劣る。
【0005】
なお、特許文献3には、浄水器タイプの水素水製造装置が開示されているが、この装置は、水道水を供給する蛇口に接続して使用することが必須となる。また、水素ガスボンベを使用するが故に、高圧ガス保安法に準拠してガス漏れ検知器を設置する必要がある等、使用に際して制約が多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記従来技術の現状に鑑みて創案されたものであって、その目的は、簡便かつ汎用的な手法によって、液体に対して、容器のサイズを問わず、高濃度の水素を添加する手段を提供することにある。
【0008】
上に説明したように、これまで水素水製造の分野では、水素ガスボンベや水素発生材が封入された試験管(スピッツ)を使用することしか着目されておらず、それ故に、水素水製造における簡便性および柔軟性に問題を残していた。
この問題を解消すべく本件発明者は、試行錯誤を重ねた結果、水素吸蔵合金の存在を知るに至った。水素吸蔵合金は、燃料電池の分野で多くの水素を貯蔵する手段として知られた存在であるが、これまで水素水製造の分野では着目されていなかった。
【0009】
本発明は、水素吸蔵合金が保持している水素を取り出して、これを液体に添加していることが最大の特徴であり、また、それを実現するための具体的手段を種々提供するものである。
ここで言う「液体」とは、代表的には、水、お茶、コーヒー、その他のあらゆる飲料、および医療用途として使用される電解質液(生理食塩液、電解質が入った点滴液等)である。
【0010】
本発明では、添加する水素を水素吸蔵合金から取り出しているので、ガスボンベを利用した大掛かりな装置に頼らずとも、家庭やオフィスにも設置可能なコンパクトな装置をもって簡便に、液体に水素を添加することが可能となる。
【0011】
本発明の水素添加方法では、液体を収容した液体容器に、水素吸蔵合金を収容した水素吸蔵合金容器を接続するとともに、水素吸蔵合金を所定温度に加温することで水素吸蔵合金容器内の水素のガス圧を高め、当該ガス圧により水素を液体容器内の液体に添加する。
この方法によれば、ガス圧を調整することで、水素が液体に添加される。すなわち、ヘンリーの法則に従い、ガス圧に応じた水素添加量が実現できるので、液体容器のサイズとは無関係に、高濃度の水素を同じように添加することが可能になる。
【0012】
なお、ヘンリーの法則は液体に溶け得る気体量に関する法則であって、簡単に言うと、液体に接している気体は、その圧力に比例した量で液体に溶け得る。つまり、水素ガスの圧力が高い程、多くの水素ガスが添加できることを示している。
【0013】
本発明の水素添加サーバは、「水素吸蔵合金を収容した水素吸蔵合金容器」と「当該水素吸蔵合金容器を所定温度に加温する保温器」と「流路の開閉を切り替える切替バルブ」と「外部の水素ガス供給路に接続されたとき開通し、当該接続が断たれたとき閉じる開閉手段」と「上記水素吸蔵合金容器から切替バルブに至る第1流路」と「上記切替バルブから開閉手段に至る第2流路」とを備える。
この水素添加サーバの第2流路に、液体を収容した液体容器を接続すれば、消費者は水素が添加された飲料(例えば水素水)を、飲みたい時にその場で作ることができる。あるいは、医療の場において、電解質液(生理食塩液、電解質が入った点滴液等)を必要な時に必要な量だけ作ることができる。
従来、工場で生産した水素水をペットボトルやアルミパウチや缶に封入して販売されているが、水素を添加した後、時間が経つと水素が抜けるため、水素濃度について不満があった。本発明によれば、作りたての水素水をその場で飲むことが可能となるので、このような濃度不足に関する不満が解消される。
【0014】
本発明の液体容器は、上記水素添加サーバと組み合わせて使うのに適したものである。この液体容器は、容器本体に着脱可能なキャップを備えており、キャップは、外部の水素ガス供給路に接続されたとき開通し、当該接続が断たれたとき閉じる開閉手段を備えている。
この液体容器は、水素ガス供給路を介して、上記水素添加サーバの第2流路に接続されることで、簡便な水素添加システムを構成する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は飲料や医療用の電解質液等の液体に水素を添加することに関するが、以下の実施形態では、飲料に水素を添加する例について説明する。医療用の電解質液に対しても、同じようにして水素を添加することができる。
【0017】
まず最初に、本発明の一実施形態に係る水素添加サーバ10について、
図1を参照して説明する。この水素添加サーバ10は、スポーツクラブや家庭、オフィス、その他適当な場所に設置して、後述する液体容器内の飲料に水素を添加するのに使用される。
【0018】
《水素添加サーバ10の構成》
図1(a)は水素添加サーバ10の外観斜視図で、
図1(b)は、その主要な内部機構を併せて示す透視図である。水素添加サーバ10は、その本体内に、水素吸蔵合金容器20を、保温器30に保持した状態で収容している。さらに、水素添加サーバ10の壁面には、切替バルブ40と、流路を開閉する開閉手段51、52とが設けられている。
図1(b)に示したように、水素吸蔵合金容器20は、第1流路60を通して切替バルブ40に接続され、さらに第2流路70を通して開閉手段51、52に接続される。切替バルブ40によって、第1流路60から第2流路70に至る流路の開閉を操作することができる。第1流路60の途中には、第1圧力計65および圧力調整バルブ66が設けられている。また、第2流路70には、第2圧力計75が設けられている。
図1(b)では、第1流路60および第2流路70を模式的な直線で示しているが、実際には、これら流路はサーバ本体内で適当なチューブ材を用いて配管される。
【0019】
《開閉手段51、52》
開閉手段51、52は、水素ガス供給チューブ(水素ガス供給路)80に接続されたとき開通し、当該接続が断たれたとき閉じるものであれば足り、その具体的構成は特定のものに限定されない。例えば、
図2に示すカプラをもって開閉手段51、52とすることができる。このカプラは、ソケット55とプラグ56で構成されていて、両者が接続されたとき流路が開通し、分離されると流路が閉じる。接続されたソケット55およびプラグ56を外す際には、ソケット55の側面に設けた分離ボタン55aを押下する。
なお、ソケット55およびプラグ56のいずれか一方をもって、開閉手段51、52と把握することもできる。さらに別の例として、逆止弁を開閉手段51、52として採用してもよい。
【0020】
図1に示した水素添加サーバ10では、第2流路70の先端にプラグ56が設けられており、一方、外部の水素ガス供給チューブ(水素ガス供給路)80の両端にソケット55が設けられている。
【0021】
《水素吸蔵合金容器20》
図1では水素吸蔵合金容器20を概略的に図示しているが、
図3は、これを詳細に示している。水素吸蔵合金は、常温、低圧の条件で水素を可逆的に吸放出できる機能材料であって、常温付近で気体水素を吸収し、加熱するとその水素を放出する性質を有する。
水素吸蔵合金容器20は、水素吸蔵合金を密封状態で封入した小型の容器であって、バルブ21付きの接続管22を上部に備えている。この接続管22に、第1流路60が接続される。水素吸蔵合金容器は、例えば特開2008−180266号(出願人:日本製鋼所)に開示されたものを使用することができる。
【0022】
水素吸蔵合金を収容してなる容器は、常用圧力が0〜0.99MPaに設定することができ、その場合には、1MPa以上にならないが故に、高圧ガス保安法でいう高圧ガスには該当しない。したがって、家庭やオフィス内で手軽に利用することが可能となる。
また、容器のサイズも直径数cm、高さ10cm程度まで小さく設計することが可能であるため、これを内蔵する水素添加サーバ10もコンパクト設計が可能となる。
さらに、水素吸蔵合金は、水素を消耗した後でも再吸収により利用可能となるため、繰返し利用によるコストダウンというメリットがある。
【0023】
《水素添加サーバ10の使用例》
次に、
図4を参照して、水素添加サーバ10の使用例を説明する。
図1(a)の状態から、開閉手段51を構成するソケット55とプラグ56の接続を外して、
図4(a)に示したように、当該ソケット55を液体容器100のキャップに接続する(すなわち、水素ガス供給チューブ80を液体容器100に接続する)。このとき、
図4(a)において、サーバ壁面に露出したプラグ56の箇所では、第2流路70は閉止状態となっている。
詳しくは後述するが、液体容器100のキャップにも、サーバ10が備える開閉手段51、52と同様の開閉手段が設けられている。したがって、
図4(a)の状態では、水素ガスは、水素ガス供給チューブ80からキャップを通過して、容器内に供給されることができる。
【0024】
保温器30を所定温度(例えば50℃)に設定して、水素吸蔵合金容器20内の水素吸蔵合金を加温すると、これにより水素吸蔵合金から水素が放出され、容器内のガス圧が上昇する。水素吸蔵合金容器20のバルブ21を開けると、放出された水素ガスは、第1流路60内に流れ込む。第1流路60内のガス圧は、第1圧力計65で読むことができる。
第1流路60に設けた圧力調整バルブ66を操作して、第1流路60内のガス圧を調整する。
【0025】
第1流路60内のガス圧が所定値(例えば0.5MPa)に達したら、切替バルブ40を操作して、第1流路60から第2流路70に至る流路を開通させる。これにより、水素ガスは、第2流路70から水素ガス供給チューブ80を通して、液体容器100内に供給され、ヘンリーの法則に従い容器内の飲料に添加される。この時の水素ガス圧は、第2圧力計75で読むことができ、例えば0.2〜0.5MPa程度に設定する。
【0026】
常温・常圧では、ヘンリーの法則に従い1.6ppm以下の水素濃度しか実現できないこととなるが、本発明では、水素吸蔵合金を加温して得られるガス圧を利用して水素を添加するので、供給時のガス圧を制御することで、高濃度(5ppm)または超高濃度(6ppm)で水素を添加することが可能となる。
【0027】
また、ガス圧に応じて水素添加量をコントロールできるので、液体容器のサイズとは無関係に、所望の濃度で水素を添加することが可能になる。1回で飲み切れるサイズ(例えば、150〜200ml)の液体容器を用いれば、水素を添加したての飲料をその場で全て飲み切ってしまうことができる。従来、工場で生産した水素水をペットボトルやアルミパウチや缶に封入して販売されているが、水素を添加した後、時間が経つと水素が抜けるため、水素濃度について不満があった。本発明によれば、そのような不満は完全に解消できる。
【0028】
図4(b)は、別の使用態様を示している。すなわち、水素添加サーバ10に2系統以上の水素ガス供給チューブ80a、80bを接続すれば、2以上の液体容器100に並行して同時に水素ガスを供給することができる。
図4(b)では、一方のチューブ80bとして途中で2つに分岐するものを使用し、合計3つの液体容器100に同時に水素ガスを供給している。両方のチューブを共に分岐させることや、共に分岐しないものを使用することも可能である。
さらに、図示はしていないが第2流路70を3系統以上に分岐させる(それに合わせ、開閉手段を3つ以上設ける)ことも可能である。
このような複数系統を利用する場合、例えば、異なるサイズの容器に同時に水素ガスを供給することや、異なる液体に同時に水素ガスを供給することが可能となる。
【0029】
《液体容器100》
図4では液体容器100を概略的に示しているが、これを、
図5を参照して詳しく説明する。液体容器100は、水素添加対象となる液体を収容しており、そのキャップ101に開閉手段を備えている。開閉手段は、水素ガス供給チューブ80に接続されたとき開通し、当該接続が断たれたとき閉じるものであれば足り、その具体的構成は特定のものに限定されない。
図5の例では、
図2に示したカプラ中のプラグ56が開閉手段を構成している。なお、ソケット55、あるいはソケット55とプラグ56で構成されるカプラ全体をキャップに備えて、これを開閉手段とすることもできる。
いずれの場合でも、液体容器100は、水素ガス供給チューブ80に接続される前は、キャップ101によって密封された状態となり、水素ガス供給チューブ80に接続されると、水素ガス供給チューブ80からの水素ガスが容器内に進入することが可能となる。
【0030】
図5(a)では、プラグ56からチューブ105を飲料内にまで延在させており、したがって、水素ガスが飲料内部に直接供給させることとなるので、水素添加効率が高まると考えられる。ただし、ヘンリーの法則に従いガス圧に応じた水素添加量が得られるので、チューブ105を省略することも可能である。
【0031】
さらに別例として、
図5(b)に示したように、キャップに設けた開閉手段(プラグ56)よりも下流側に細孔フィルタ200を設けてもよい。細孔フィルタ200は細孔濾過膜を内部に備えていて、供給される水素ガスは、この細孔を通過しマイクロバブルとなって飲料内に噴出する。
なお、図示はしていないが、細孔フィルタ200は、水素添加サーバ10内の第1流路60あるいは第2流路70に設けてもよい。
【0032】
細孔濾過膜の孔径は特に限定されるものではないが、例えば孔径30μm以下、あるいは10μmとすることが考えられる。孔径が小さくなる程、フィルタは高価になるので、コスト面を考えて、例えば、次のように設定することができる。
(ア)各液体容器内にそれぞれ細孔フィルタ200を設ける場合には、比較的安価な孔径30μm以下のものを採用して、コスト増を抑える。
(イ)水素添加サーバ10内の第1流路60あるいは第2流路70に細孔フィルタ200を設ける場合には、これをもって全ての液体容器に対応できるので、比較的高価ではあるが孔径10μm以下のものを採用する。
【0033】
細孔フィルタ200として、公知のものを適宜採用することが可能であるが、例えば、「株式会社日本ピスコ製のST6(サイレンサ)」や「株式会社伏見製薬所製のテクノポーラス(登録商標)IWX」を利用することが可能である。
「ST6(サイレンサ)」は、本来、機器の排気ポートに取り付けて排気音を軽減するサイレンサとして開発されたものであるが、孔径10μm程度の細孔を有しており、本願発明において細孔フィルタ200として使用することが可能である。一方、「テクノポーラス(登録商標)IWX」は、本来、吸水性に優れたスポンジとして開発されたものであるが、孔径1μm程度の細孔を有しており、本願発明において細孔フィルタ200として使用することが可能である。
【0034】
《細孔フィルタ200を設けてマイクロバブルを作ることのメリット》
マイクロバブルによるメリットとしては、次のようなものがある。
(1)
通常の気泡は急激に水液中を上昇し最終的に液面で破裂するが、マイクロバブルは、気泡体積が微細であるが故に上昇速度が遅いので、長時間水液中に滞在し続ける。つまり、水素ガスの添加量の増大が期待できる。例えば、直径10μmの気泡は一分間に3mm程度しか上昇しない。
(2)
気相と液相の間には界面張力が生じるが、気泡の大きさに反比例して気泡に加わる圧力が高まる。このため、マイクロバブルは圧力で一層小さくなり、さらに圧力が高まる。理論上、無限の圧力が生じる。そして、ヘンリーの法則に従い、水素ガスの添加量の増大が期待できる。
(3)
細孔を通過して形成されたマイクロバブルは、一般に負に帯電していて、マイクロバブル同士が反発し合う。この性質のため、マイクロバブル同士が結合して大きくなることは起こらず、したがって、上記(1)、(2)の効果が減じられることがない。
【0035】
《細孔フィルタ200の具体例》
細孔フィルタ200の具体的構成は特定のものに限定されないが、その一例を
図6に示した。
図6の例では、細孔フィルタ200は、多数の中空糸201からなる中空糸膜を収容している。
各中空糸201は、U字状に折り返されていて、両端がポッティング部202で固定されて水素ガスの供給側に開口している。水素添加サーバ10から供給される水素ガスは、この開口から中空糸201に入り、中空糸壁面の細孔を通過して飲料内に放出される。
【0036】
水素ガスが細孔を高速通過することにより静電気を起こし、負に帯電したマイクロバブルとなる。特に
図6に示した構成によれば、水素ガスがポッティング部202を通過して中空糸201内に入る際、オリフィス効果により水素ガスの速度が増し、その分だけマイクロバブルが勢いよく飲料内に飛び込むため、水素添加効率の向上が期待できる。
【0037】
《実施例1》
図6に示したような細孔フィルタ200(ポリオレフィン製、孔径0.01μm)を用いた場合の効果を確かめるべく実験を行った。200mlの容器に水道水を入れ、注入圧力0.23MPaで水素ガスを添加した後、30秒撹拌し、酸化還元電位(ORP)を測定した。なお、水素ガス添加前の酸化還元電位は206mVであった。
水素ガス添加後の酸化還元電位は、細孔フィルタ無しの場合が−70mVで、細孔フィルタ有りの場合が−128mVであった。
【0038】
なお、酸化還元電位(Oxidation Reduction Potential)とは、一般的に知られた指標であって、ある物質が他の物質を酸化しやすい状態にあるのか、または還元しやすい状態にあるのかを示すものである。この値がプラスで大きければ酸化力が強く、マイナスで大きければ還元力が強いことを意味している。
【0039】
上記実験の結果、細孔フィルタ200無しでも酸化還元電位の低下が認められるが、細孔フィルタ200を使用することで、酸化還元電位の低下がより顕著であること(すなわち、水素ガス添加の効果が高いこと)が確認できた。
【0040】
《実施例2》
また、電解質液に対しても水素ガスの添加が可能であることを確認するために、細孔フィルタ200を使用し、株式会社大塚製薬工場が提供する経口補水液(OS−1、登録商標)に対して、上記実施例1と同じ実験を行った。
その結果、水素ガス添加前の酸化還元電位212mVが、水素添加後には−83mVと低下しており、このような電解質液に対しても水素ガスの添加が可能であることが確認できた。
【0041】
《その他》
水素吸蔵合金から取り出した水素が添加されてなる液体は、
図1に示したようなサーバ類を省略して、液体容器100と水素吸蔵合金容器20と直接(あるいは、単なるチューブ材のみを介して)接続して、製造することも考えられる。最も簡単な想定として、片手で持てる小サイズの水素吸蔵合金容器20と液体容器100をバッグ等に入れて持ち運ぶようにすれば、街角や公園のベンチ等、場所を問わずに、飲料に水素を添加してその場で飲用することが可能となる。
ただし、その場合には、外気温あるいは体温を利用して水素吸蔵合金を加温することとなり、それ故、水素ガスの添加圧力、ひいては水素濃度にバラツキが出る。水素濃度にバラツキがあっても水素水飲用による効果が得られるが、このバラツキを無くすためには、保温器を備えた水素添加サーバを利用するのが好ましい。
【解決手段】水素吸蔵合金から取り出した水素を液体に添加する。液体を収容した液体容器100に、水素吸蔵合金を収容した水素吸蔵合金容器20を接続するとともに、水素吸蔵合金を所定温度に加温することで当該容器内の水素ガス圧を高め、当該ガス圧により水素を液体容器内の液体に添加する。ガス圧を調整することで液体に水素を添加するので、ヘンリーの法則に従って、液体容器のサイズとは無関係に、高濃度で水素を添加することが可能になる。なお「液体」とは、代表的には、水、お茶、コーヒー、その他のあらゆる液体、および医療用途として使用される電解質液(生理食塩液、電解質が入った点滴液等)である。