(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5710073
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】乗客毎の停止回数を制限するエレベータかご割当方法
(51)【国際特許分類】
B66B 1/18 20060101AFI20150409BHJP
【FI】
B66B1/18 P
B66B1/18 K
【請求項の数】20
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-520173(P2014-520173)
(86)(22)【出願日】2011年7月15日
(65)【公表番号】特表2014-522793(P2014-522793A)
(43)【公表日】2014年9月8日
(86)【国際出願番号】US2011044188
(87)【国際公開番号】WO2013012410
(87)【国際公開日】20130124
【審査請求日】2014年3月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】591020353
【氏名又は名称】オーチス エレベータ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】OTIS ELEVATOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ファルキ,タリク
(72)【発明者】
【氏名】スタンリー,ジャンナ,エー.
(72)【発明者】
【氏名】チャップマン,アシュリー
【審査官】
大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/123014(WO,A1)
【文献】
特開2003−081541(JP,A)
【文献】
特開昭62−196278(JP,A)
【文献】
特開2011−032053(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/032623(WO,A1)
【文献】
特許第2601500(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータシステムを制御する方法であって、
新たな乗客が出発階から目的階へのエレベータサービスを要求していることを判断するステップと、
少なくとも1つの基準に基づいて候補となる候補エレベータかごを順位付けするステップと、
順位付けられた候補エレベータかごに新たな乗客を割り当てる場合に、順位付けられた候補エレベータかごに割り当てられる各乗客の停止回数を判断するステップと、
順位付けられた候補エレベータかごが、新たな乗客を受け入れることができ、かつ有資格かごに割り当てられる各乗客の停止回数を所望の最大停止回数に制限することができる有資格かごであるか否かを判断するステップと、
有資格かごのうち最も優位に順位付けられた有資格かごに新たな乗客を割り当てるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記順位付けられた候補エレベータかごの何れもが現在のエレベータシステム条件では有資格かごではなく、
前記方法は、前記少なくとも1つの基準と異なる少なくとも1つの基準に基づいて、一の候補エレベータかごに新たな乗客を割り当てるステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1人の乗客について、前記所望の最大停止回数を、より多い最大停止回数へと少なくとも一時的に増加させるステップと、
順位付けられた候補エレベータかごが、新たな乗客を受け入れることができ、かつ有資格かごに割り当てられる少なくとも1人の乗客の停止回数をより多い最大停止回数に制限することができる有資格かごであるか否かを判断するステップと、
有資格かごのうち最も優位に順位付けられた有資格かごに新たな乗客を割り当てるステップと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1人の乗客の所望の最大停止回数を、少なくとも1人の他の乗客と異なるように増加させるステップ、及び
少なくとも一のエレベータかごに割り当てられた乗客の所望の最大停止回数を、少なくとも他の一のエレベータかごに割り当てられた乗客と異なるように増加させるステップ、
のうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの基準と異なる少なくとも1つの基準は、
一のエレベータかごに搭乗する乗客の待ち時間、
乗客のかご内での時間、
一のエレベータかごに割り当てられた乗客の人数、及び
一のエレベータかごの現在の移動方向、
のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1人についての第1の所望の最大停止回数を用いるステップを含み、
前記少なくとも1人についての第1の所望の最大停止回数は、少なくとも1人の他の乗客についての第2の所望の最大停止回数と異なることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
選択した乗客の所望の最大停止回数を選択するステップを含み、
前記選択するステップは、
前記選択した乗客の出発階、
前記選択した乗客の目的階、
前記選択した乗客からの要求を受信する日における時間、
前記選択した乗客の移動方向、及び
前記選択した乗客のステータス又は識別、
の少なくとも1つに基づくことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの基準は、
一のエレベータかごに搭乗する乗客の待ち時間、
乗客のかご内での時間、
一のエレベータかごに割り当てられた乗客の人数、及び
一のエレベータかごの現在の移動方向、
のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1人の乗客について、前記所望の最大停止回数を、より多い最大停止回数へと少なくとも一時的に増加させるステップと、
順位付けられた候補エレベータかごが、新たな乗客を受け入れることができ、かつ有資格かごに割り当てられる少なくとも1人の乗客の停止回数をより多い最大停止回数に制限することができる有資格かごであるか否かを判断するステップと、
有資格かごのうち最も優位に順位付けられた有資格かごに新たな乗客を割り当てるステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
できるだけ多くの候補エレベータかごについて、割り当てられる各乗客の停止回数を最小限にするステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
複数のエレベータかごと、
コントローラと、
を備えるエレベータシステムであって、
前記コントローラは、
新たな乗客が出発階から目的階へのエレベータサービスを要求していることを判断し、
少なくとも1つの基準に基づいて、候補となる候補エレベータかごを順位付けし、
順位付けられた候補エレベータかごに新たな乗客を割り当てる場合に、順位付けられた候補エレベータかごに割り当てられる各乗客の停止回数を判断し、
順位付けられた候補エレベータかごが、新たな乗客を受け入れることができ、かつ有資格かごに割り当てられる各乗客の停止回数を所望の最大停止回数に制限することができる有資格かごであるか否かを判断し、
有資格かごのうち最も優位に順位付けられた有資格かごに新たな乗客を割り当てるように構成されていることを特徴とするエレベータシステム。
【請求項12】
前記順位付けられた候補エレベータかごの何れもが現在のエレベータシステム条件では有資格かごではなく、
前記コントローラは、前記少なくとも1つの基準と異なる少なくとも1つの基準に基づいて、一の候補エレベータかごに新たな乗客を割り当てるように構成されていることを特徴とする請求項11に記載のエレベータシステム。
【請求項13】
前記コントローラは、
少なくとも1人の乗客について、前記所望の最大停止回数をより多い最大停止回数へと少なくとも一時的に増加させ、
順位付けられた候補エレベータかごが、新たな乗客を受け入れることができ、かつ有資格かごに割り当てられる少なくとも1人の乗客の停止回数を前記より多い最大停止回数に制限することができる有資格かごであるか否かを判断し、
有資格かごのうち最も優位に順位付けられた有資格かごに新たな乗客を割り当てるように構成されていることを特徴とする請求項12に記載のエレベータシステム。
【請求項14】
前記コントローラは、
少なくとも1人の乗客の所望の最大停止回数を、少なくとも1人の他の乗客と異なるように増加させ、
少なくとも一のエレベータかごに割り当てられた乗客の所望の最大停止回数を、少なくとも他の一のエレベータかごに割り当てられた乗客と異なるように増加させるように構成されていることを特徴とする請求項13に記載のエレベータシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの基準と異なる少なくとも1つの基準は、
一のエレベータかごに搭乗する乗客の待ち時間、
乗客のかご内での時間、
一のエレベータかごに割り当てられた乗客の人数、及び
一のエレベータかごの現在の移動方向、
のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項12に記載のエレベータシステム。
【請求項16】
前記コントローラは、少なくとも1人についての第1の所望の最大停止回数を用いるように構成されており、前記少なくとも1人についての第1の所望の最大停止回数は、少なくとも1人の他の乗客についての第2の所望の最大停止回数と異なることを特徴とする請求項11に記載のエレベータシステム。
【請求項17】
前記コントローラは、
前記選択した乗客の出発階、
前記選択した乗客の目的階、
前記選択した乗客からの要求を受信する日における時間、
前記選択した乗客の移動方向、及び
前記選択した乗客のステータス、
の少なくとも1つに基づいて、選択した乗客の所望の最大停止回数を選択するように構成されていることを特徴とする請求項11に記載のエレベータシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの基準は、
一のエレベータかごに搭乗する乗客の待ち時間、
乗客のかご内での時間、
一のエレベータかごに割り当てられた乗客の人数、及び
一のエレベータかごの現在の移動方向、
のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項11に記載のエレベータシステム。
【請求項19】
前記コントローラは、
少なくとも1人の乗客について、前記所望の最大停止回数をより多い最大停止回数へと少なくとも一時的に増加させ、
順位付けられた候補エレベータかごが、新たな乗客を受け入れることができ、かつ有資格かごに割り当てられる少なくとも1人の乗客の停止回数を前記より多い最大停止回数に制限することができる有資格かごであるか否かを判断し、
有資格かごのうち最も優位に順位付けられた有資格かごに新たな乗客を割り当てるように構成されていることを特徴とする請求項18に記載のエレベータシステム。
【請求項20】
前記コントローラは、できるだけ多くの候補エレベータかごについて、割り当てられる各乗客の停止回数を最小限にするように構成されていることを特徴とする請求項11に記載のエレベータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、乗客ごとの停止回数を制限するエレベータかご割当方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乗客の要求に応じてサービスを提供するため、種々のエレベータかご割当方法が存在する。その多くは、エレベータかごが到着して乗客がエレベータかごに搭乗する前に乗客が要するロビーでの待ち時間を最小限にすることに基づいている。エレベータかごに搭乗する乗客の待ち時間の量は、乗客の満足度に関する重要な基準となっている。例えば、乗客は、エレベータかごの到着までの時間が長いとイライラする傾向にある。
【0003】
他のエレベータかご割当方法は、例えば、エレベータかごの移動距離又はエレベータシステムの運転に必要なエネルギー量を最小限にするエレベータシステムの性能に焦点をあてたものがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エレベータシステムの運転やエレベータの乗客満足度に影響を及ぼす多くの事項について考慮しなければならず、これらの事項は、乗客にサービスを提供するためにどのようにしてエレベータかごを割り当てるかを決定する際の課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
例示的なエレベータシステム制御方法は、新たな乗客が出発階から目的階へのエレベータサービスを要求していることを判断するステップを含む。候補となる候補エレベータかごが順位付けされる。順位付けられた候補エレベータかごに新たな乗客を割り当てる場合に、順位付けられた候補エレベータかごに割り当てられる各乗客の停止回数が判断される。順位付けられた候補エレベータかごが、新たな乗客を受け入れることができ、かつ有資格かごに割り当てられる各乗客の停止回数を所望の最大停止回数に制限することができる有資格かごであるか否かの判断がなされる。新たな乗客は、有資格かごのうち最も優位に順位付けられた有資格かごに割り当てられる。
【0006】
例示的なエレベータシステムは、複数のエレベータかごを備える。コントローラは、新たな乗客が出発階から目的階へのエレベータサービスを要求していることを判断するように構成されている。コントローラは、少なくとも1つの基準に基づいて、候補となる候補エレベータかごを順位付けする。コントローラは、順位付けられた候補エレベータかごに新たな乗客を割り当てる場合に、順位付けられた候補エレベータかごに割り当てられる各乗客の停止回数を判断するように構成されている。また、コントローラは、順位付けられた候補エレベータかごが、新たな乗客を受け入れることができ、かつ有資格かごに割り当てられる各乗客の停止回数を所望の最大停止回数に制限することができる有資格かごであるか否かを判断するように構成されている。コントローラは、有資格かごのうち最も優位に順位付けられた有資格かごに新たな乗客を割り当てる。
【0007】
開示する実施例の他の特徴や特徴は、以下の発明の詳細な説明により当業者に明らかになる。詳細な説明に付随する図面について以下に簡単に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】乗客の要求をエレベータかごに割り当てる例示的な方法を簡潔に示したフローチャート。
【
図2】エレベータシステムの現在のステータスに関する情報を含んだエレベータシステムの一部を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、エレベータシステムの例示的な制御方法を簡略的に示したフローチャート20である。例示的な方法は、出発階から目的階まで移動する間に各乗客が経験する停止回数を制限するものである。
【0010】
図1の実施例はステップ22から開始される。ステップ22では、新たな乗客要求の出発階及び目的階に関する判断がなされる。これは、乗客がエレベータかごに乗り込む前にエレベータシステムが乗客の目的階を判断する周知の技術を用いたいくつかの実施例において行われる。例えば、そのような情報をエレベータシステムのコントローラに提供する周知の目的階入力システムがある。ある実施例では、乗客の停止回数を制限するための方法は、目的階入力システムが全ての乗客によって使用されない場合でも有益である。換言すると、本発明は、必ずしも周知の目的階入力システムに制限されない。
【0011】
ステップ24では、判断された出発階から判断された目的階まで新たな乗客を運ぶための潜在的な候補とみなされるエレベータかごである候補エレベータかごが、少なくとも1つの基準に基づいて順位付けされる。一実施例には、予め設定した順位付け基準に基づいて候補エレベータかごを順位付けすることが含まれる。前記順位付け基準には、例えば、エレベータかごに搭乗する乗客の待ち時間、乗客のかご内での時間、一のかごに割り当てられる乗客数、又は現在のかご移動方向のうち少なくとも1つが含まれる。一実施例には、候補エレベータかごを順位付けするために、上記基準のうち少なくとも2つを組み合わせたものを用いることが含まれる。選択した基準に基づいて有利なステータスを有する候補エレベータかごは、他の候補エレベータかごよりも、より優位に順位付けされる。
【0012】
一実施例において、待ち時間に基づいて候補エレベータかごを順位付けすることには、エレベータかごに搭乗する乗客の待ち時間が最も短いエレベータかごが含まれ、このエレベータかごは、待ち時間がより長い他のエレベータかごよりも優位に順位付けられる。かご内の時間を順位付けに用いる実施例では、乗客のエレベータかご内での時間がより短いものが、かご内時間がより長いものよりも優位であるとみなされる。かごに割り当てる乗客数を用いる場合には、乗客のより少ないかごが、乗客がより多いかごよりも優位であるとみなされる。いくつかの実施例には、エレベータかごを順位付けするための周知の方法が含まれる。
【0013】
一実施例では、かご割当アルゴリズムは、エレベータシステム内における可能な限り多くの乗客について停止回数を最小限にすることを企図することを含む。これは、一実施例におけるかごの順位付けのための1つの基準として考慮される。
【0014】
ステップ26では、候補エレベータかごに新たな乗客を割り当てる場合に、当該候補エレベータかごに割り当てられた各乗客の停止回数が判断される。割り当てられた乗客には、エレベータかごに現在搭乗している乗客と、該エレベータかごにピックアップされるのを待っている乗客と、が含まれる。割り当てられた乗客には、かごに乗り込み、目的階を入力するためにかご操作パネルを使用した乗客が含まれる。換言すると、少なくともいくつかの本発明の実施態様に、目的階入力システムを使用しない乗客を適用することが可能である。割り当てられた乗客を考慮する場合、開示する実施例には、エレベータかごに新たな乗客を加えることが乗客に影響を及ぼさないように、割り当てられた乗客が一度にエレベータかごから出発したか否かを判断することが含まれる。
【0015】
各乗客の停止回数は、可能である所望の最大停止回数に制限される。前述のかご割当アルゴリズムは、特定のエレベータかごによりサービスを受ける各乗客の停止回数を考慮しない。そのため、開示する実施例は、エレベータかごへの搭乗と目的階における到着との間における乗客の停止回数を制御することによって、向上した乗客サービスを提供する。
【0016】
ステップ28では、新たな乗客の割り当てを受けることが可能な有資格かご(qualified car)があるか否かの判断がなされる。本実施例における有資格かごは、所望の最大停止回数に制限された、当該かごに割り当てられた全ての乗客の停止回数を有する。有資格かごは、当該かごに新たな乗客が割り当てられた場合、その新たな乗客を含む全ての乗客の最大停止回数を満足させる。
【0017】
一実施例における所望の最大停止回数は、全ての乗客及び全てのかごについて同じである。他の実施例では、所望の最大停止回数は、乗客間で異なる。少なくとも1人の乗客は、少なくとも1人の他の乗客と異なる所望の最大停止回数を有する。そのようなアレンジにより、例えば、VIP又は他の特別な考慮事項に対応して、特定の乗客プレミアムサービスを提供することができる。そのようなシステムでは、
図1の実施例におけるステップ28での判断がなされるときに、乗客の識別を行い、その乗客の最大停止回数が判断される。
【0018】
他の実施例では、異なるエレベータかごは、特定の種類のサービスに割り当てられる。そのため、当該エレベータかごのうち一のエレベータかごにおける乗客の最大停止回数は、他のエレベータかごにおける乗客についての許容可能な最大停止回数と異なる。そのようなアレンジにより、上りピーク運転又は下りピーク運転に対応することが可能となるとともに、1つまたは複数のエレベータかごをそのような特定のサービスに適用させることが可能となる。他のエレベータかごは異なる方法で使用され得るため、乗客ごとに異なる停止回数とすることができる。いくつかの実施例には、新たな乗客の要求を受けた日における時間に基づいて所望の最大停止回数を変動させることが含まれる。
図1の実施例におけるステップ28での判断を行うための制御アルゴリズムは、例えば、時間依存型のものとし得る。
【0019】
他の実施例には、要求がなされた階(フロア)、目的階又はこれらの組合せに基づいて所望の最大停止回数を変動させることが含まれる。例えば、地上レベルからビルの頂部付近の目的階まで移動する乗客の停止回数は、同じビル内でより短い距離を移動する乗客の停止回数よりも多くなり得る。本明細書の記載により、当業者であれば、特定のエレベータシステムの形態及び特定の環境に見合った最適な所望の最大停止回数を選択することができるであろう。
【0020】
図1において符号30で示すように、新たな乗客は、有資格かごのうち、最も優位に順位付けされた有資格かごに割り当てられる。いくつかの例では、最も優位に順位付けされた有資格かごは、最も優位に順位付けされた候補かごとはならない。例えば、一のエレベータかごは、該エレベータかごに搭乗する一の乗客の待ち時間に基づいて最も優位に順位付けされ得る。しかし、同じエレベータかごは、他の乗客に既に割り当てられており、当該他の乗客の停止回数は、そのエレベータかごに新たな乗客が割り当てられると所望の最大停止回数を超えてしまう場合がある。一方、より低く順位付けされた候補かごであっても、エレベータかごに割り当てられた乗客の所望の最大停止回数を超えることなく、新たな乗客に対応することができる場合がある。
【0021】
いくつかの例では、ステップ28における判断は、有資格かごがないという結果になることがある。そのような状況下では、ステップ32において、割り当てを行うための少なくとも1つの基準に対して調節が行われる。例えば、少なくとも1人について最大停止回数を増加させてもよい。いくつかの実施例では、全ての乗客について許容可能な停止回数を増加させてもよい。異なる乗客に異なったステータスやクラスを適用する他の実施例では、例えば、優先順位がより低い乗客だけについて停止回数を増加させるようにしてもよい。また他の実施例には、ステップ32において、少なくとも1つのエレベータかごにおける乗客の許容可能な停止回数を増加させることにより調節を行うことが含まれる。例えば、有資格かごを見つけるために、全てのエレベータかごについて又は一部のエレベータかごだけについて許容可能な停止回数を増加させてもよい。
【0022】
一実施例では、有資格かごがない場合、かご割り当てを行うための決定要素として、最小待ち時間などの他の基準が用いられる。新たな乗客要求の割り当てを行うべく、1つの候補かごを選択するために、エレベータかごにおける現在の負荷、かご内時間又は他の要素などの他の基準が用いられる。
【0023】
符号34で示すように、調節された基準を用いて、少なくとも1つの候補エレベータかごが有資格かごとしての資格を有するか否かの判断がなされる。資格がない場合、ステップ30において割り当てを行うため、ステップ32において、有資格かごが見つけるまでさらに調節が行われる。
【0024】
一実施例では、全ての候補かごは、当該かごが有資格かごであるか否かを判断するために検討される。そのような実施例では、一のエレベータかごに新たな乗客要求を割り当てる前に、割り当てる乗客の全てについての停止回数が判断される。他の実施例では、最も優位(最上位)に順位付けされた候補かごが最初に検討される。この検討したかごが有資格かごである場合、他の候補かごを検討することなく、その検討したかごに新たな乗客を割り当てる。そのような一実施例では、有資格かごが特定され、新たな乗客がそのかごに割り当てられるまで、複数の候補かごが検討され、最上位から最下位まで順位付けされる。
【0025】
図2は、エレベータシステム40の例示的な運転状態を概略的に示している。説明を目的として、3つのエレベータかご及び複数の階(フロア)を概略的に示す。符号42で示すように、第1のエレベータかご(かごA)は、現在15階に位置している。かごAは、下降中であるか又はこれから下降するところである。第2のエレベータかご(かごB)は、符号44で示す位置にある。かごBは、下降中であり、
図2に示すように1階に位置している。第3のエレベータかご(かごC)は、符号46に示す位置にある。かごCは、現在上昇中であって10階を通過中である。
【0026】
エレベータコントローラ50は、現在位置及び移動方向を含む各エレベータかごに関する現在のステータス情報を維持するために、周知の技術を用いている。また、エレベータコントローラ50は、各エレベータかごに割り当てられた乗客のステータスに関する情報を維持するように構成されている。割り当てられた乗客には、各かごに搭乗中の乗客と、各かごにピックアップされるように割り当てられた乗客と、が含まれる。
【0027】
乗客インタフェース52により、乗客はエレベータサービスの要求を入力することができる。説明を目的として、エレベータかごに未だ割り当てられていない乗客は、新たな乗客とみなす。コントローラ50は、
図1に示して前述した割当方法を用いて、新たな乗客を一のエレベータかごに割り当てるように構成されている。
【0028】
例えば、新たな乗客がロビー階から15階に移動するための要求を入力するとする。また、任意のエレベータかごにおける乗客の所望の最大停止回数が現在は「3」と設定されているとする。
図2に示した条件に鑑みると、符号54で示したように、かごAは、既に割り当てられており、かつロビー階への移動を望む乗客をピックアップするため、14階に停止する。また、かごAは、既に割り当てられており、ロビー階への移動を望む乗客をピックアップするため、11階に停止する。これは、
図2に符号56で示している。さらに、符号58で示すように、ロビー階に向かうかごAは、既に割り当てられており、かつロビー階への移動を望む他の乗客をピックアップするために停止する。符号60で示すように、かごAはロビー階に停止し、乗客は意図した目的階でエレベータかごから降りることが可能となる。
【0029】
かごBは、符号62で示すように、現在1階に位置しており、ロビー階から11階に移動させるように割り当てられた乗客をピックアップするため下降中である。11階に向かう途中、かごBは、符号64に示すように、割り当てられた乗客をピックアップするために3階に停止する。この乗客は5階まで移動することを望んでいるため、符号66に示すように、かごBは5階に停止する。また、かごBは、符号68に示すように、11階への移動を望む乗客を6階でピックアップするように割り当てられている。符号70において、かごBは、2人の乗客の割り当て階に到着し、この階で乗客はエレベータかごから降りる。
【0030】
符号72で示すように、かごCは、12階からロビー階への移動を望む乗客であって、かつかごCに割り当てられた乗客をピックアップするため、10階から上昇中である。次いで、かごCは、符号74で示すように、割り当てられた目的階(すなわち、ロビー階)へと下降する。
【0031】
本実施例におけるエレベータコントローラ50は、新たな乗客をロビー階から15階へと移動させるため、潜在的な候補エレベータかごとして、3つの全てのかごを検討する。候補エレベータかごを順位付けするとき、かごBは最も優位に順位付けされる。これは、かごBはロビー階に最も近く、新たな乗客の待ち時間が最も短くなるためである。例えば、かごBは、新たな乗客を数秒以内に受け入れることができる。さらに、新たな乗客は、3階又は6階からピックアップされるようにかごBに割り当てられた乗客の待ち時間を増加させない。これは、符号62で示すように、かごBがロビー階で乗客をピックアップするように既に割り当てられているためである。本実施例では、かごCは、かごAよりも早く新たな乗客をピックアップすべくロビー階に到着することができるため、かごBに続いて第2位に順位付けられる。説明を目的として、かごCの到着は、かごAよりも約30秒早い。
【0032】
所望の最大停止回数が「3」に制限されている、割り当てられた全乗客の停止回数を有する有資格かごがあるか否かの判断をすると、かごA及びかごCだけが有資格かごとなる。かごBは、乗客に既に割り当てられている呼びに応じるため3階および6階に停止しなければならない。また、かごBは、符号66,70で示すように、割り当てられた目的階である5階および11階に停止しなければならない。かごBに新たな乗客が割り当てられると、この乗客は15階に到着する前に3回よりも多く停止することとなってしまう。したがって、かごBは、最も優位に順位付けられた候補エレベータかごであるが、上記の条件下では有資格かごとならない。
【0033】
本実施例では、かごA及びかごCがそれぞれ有資格かごとなる。かごA又はかごCの乗客は、当該かごに新たな乗客が割り当てられたとしても、所望の最大停止回数である「3」を超える停止回数を経験することはない。本実施例では、かごCは、より早くロビー階に到着するため、かごAよりも優位に順位付けされる。したがって、コントローラ50は、かごCに新たな乗客を割り当てる。
【0034】
ロビー階から9階に移動を望む乗客要求を受ける場合の他の実施例について述べる。上記実施例と同様にロビー階を出発階とし、システムの現在のステータスも上記実施例と同じとしているため、上記実施例と同様に、候補かごが順位付けられる。最初に、最も優位に順位付けされた候補かごを検討すると、かごBは、かごBに割り当てられた乗客の待ち時間を増加させることなく、新たな乗客の割り当てを受けることができる。しかし、新たな乗客がかごBに割り当てられると、ロビー階から11階への移動を望み、既にかごBに割り当てられている乗客の停止回数は3回よりも多くなってしまう。このため、かごBは有資格かごとはならない。本実施例の条件下では、かごC及びかごAが共に有資格かごとなる。かごCは、かごAよりも優位に順位付けされる。本実施例では、コントローラ50は、かごCに新たな乗客を割り当てる。
【0035】
上記の記載は例示的なものであり、限定的なものではない。当業者に明らかなように、開示した実施例に対して、本開示の本質から逸脱することなく種々の変更や修正がなされ得る。したがって、本開示に付与される法的保護の範囲は、以下の特許請求の範囲を検討することによって決定され得る。