特許第5710100号(P5710100)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5710100有形のコンピュータ可読媒体、解剖学的構造を画像化するための器械、及び、解剖学的構造を画像化するための器械の作動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5710100
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】有形のコンピュータ可読媒体、解剖学的構造を画像化するための器械、及び、解剖学的構造を画像化するための器械の作動方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20150409BHJP
   A61B 8/14 20060101ALI20150409BHJP
   A61B 6/03 20060101ALI20150409BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20150409BHJP
【FI】
   A61B8/12
   A61B8/14
   A61B6/03 360Q
   A61B6/03 377
   A61B5/05 380
   A61B5/05 390
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2008-303854(P2008-303854)
(22)【出願日】2008年11月28日
(65)【公開番号】特開2009-131632(P2009-131632A)
(43)【公開日】2009年6月18日
【審査請求日】2011年10月12日
(31)【優先権主張番号】11/946,983
(32)【優先日】2007年11月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508080229
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレス・クラウディオ・アルトマン
(72)【発明者】
【氏名】イツハック・シュワルツ
【審査官】 杉田 翠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−305357(JP,A)
【文献】 特開2006−312037(JP,A)
【文献】 特表2005−529701(JP,A)
【文献】 特開2007−296362(JP,A)
【文献】 特開2000−135215(JP,A)
【文献】 特開2002−119507(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B5/00−5/01
5/055
6/00−6/14
8/00−8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ上で解剖学的構造を画像化するための有形のコンピュータ可読媒体において、
コンピュータ命令が記憶されており、前記命令は、コンピュータにより読み取られると、前記コンピュータに、前記解剖学的構造の最初の空間描写を取得させ、前記解剖学的構造の近くにある器具の場所を判定させ、前記場所に応答して前記解剖学的構造の一部の画像を生成させ、前記一部の前記画像における前記器具の先端部が位置する場所に近接する領域を再構築領域として画定し、前記再構築領域内の前記画像に第1の表示パラメータを適用し、前記第1の表示パラメータとは異なる第2の表示パラメータを、前記一部の前記画像における前記再構築領域の外側の画像に適用して、前記一部の前記画像における前記解剖学的構造の前記再構築領域の外側の要素に比べて前記解剖学的構造の前記再構築領域内の要素の可視性を高めるようになし、その際に表示パラメータを、明暗度、色、解像度および透明度から選択し、前記第1の表示パラメータが適用された前記再構築領域内の前記画像、及び、前記第2の表示パラメータが適用された前記一部の前記画像における前記再構築領域の外側の前記画像を表示させ、
オペレータからの指示に基づき前記コンピュータ命令が、前記コンピュータに前記再構築領域の寸法も変更させる、
有形のコンピュータ可読媒体。
【請求項2】
解剖学的構造を画像化するための器械において、
前記解剖学的構造の近くに位置付けられるように構成された、器具と、
プロセッサであって、前記解剖学的構造の最初の空間描写を取得するように、前記器具の場所を判定するように、前記場所に応答して前記解剖学的構造の一部の画像を生成するように構成されており、ここで、前記プロセッサは、前記一部の前記画像における前記器具の先端部が位置する場所に近接する領域を再構築領域として画定し、前記再構築領域内の前記画像に第1の表示パラメータを適用し、前記第1の表示パラメータとは異なる第2の表示パラメータを、前記一部の前記画像における前記再構築領域の外側の画像に適用して、前記一部の前記画像における前記解剖学的構造の前記再構築領域の外側の要素に比べて前記解剖学的構造の前記再構築領域内要素の可視性を高めるようになし、その際に表示パラメータが、明暗度、色、解像度および透明度から選択され、前記第1の表示パラメータが適用された前記再構築領域内の前記画像、及び、前記第2の表示パラメータが適用された前記一部の前記画像における前記再構築領域の外側の前記画像を表示させる、プロセッサと、
を含み、
オペレータからの指示に基づき前記プロセッサが、前記再構築領域の寸法を変更するようにも構成されている、
器械。
【請求項3】
請求項2に記載の器械において、
前記器具は、超音波ビームを発生させるように構成されたカテーテルを含み、
前記画像を生成することは、前記超音波ビームの方向に応答して、前記画像を生成することを含む、器械。
【請求項4】
請求項2に記載の器械において、
前記プロセッサは、前記解剖学的構造の前記一部の範囲を描くように構成された、位置指示装置を含む、器械。
【請求項5】
請求項2に記載の器械において、
前記プロセッサは、前記画像の範囲を描く、前記解剖学的構造の前記一部の前記画像の明確な輪郭を生成して、前記明確な輪郭を前記最初の空間描写に適用して再び画定された空間描写を形成するように構成され、
前記一部の前記画像を付加することは、前記再び画定された空間描写に前記一部の前記画像を付加することを含む、器械。
【請求項6】
請求項2に記載の器械において、
前記器具を表すアイコンを、前記組み合わせられた空間描写と位置合わせして、前記ディスプレイ上で重ね合わせること、
をさらに含む、器械。
【請求項7】
請求項2に記載の器械において、
前記最初の空間描写は、Cartoマップ、コンピュータ断層撮影による(CT)画像、および磁気共鳴(MR)画像のうち少なくとも1つを含む、器械。
【請求項8】
請求項2に記載の器械において、
前記最初の空間描写は、超音波画像を含み、
前記解剖学的構造の前記一部の前記画像は、前記超音波画像の一部分を含む、器械。
【請求項9】
請求項8に記載の器械において、
前記一部分は、前記超音波画像の断片を含み、前記断片は、10%〜50%の範囲内で存在する、器械。
【請求項10】
請求項2に記載の器械において、
前記器具を位置付けることは、前記解剖学的構造の内部で前記器具を位置付けることを含む、器械。
【請求項11】
請求項2に記載の器械において、
前記プロセッサは、前記器具の向きを判定するように構成され、
前記一部の前記画像を生成することは、前記向きに応答して前記一部の前記画像を生成することを含む、器械。
【請求項12】
請求項2に記載の器械において、
前記第2の表示パラメータを適用することは、当該表示パラメータの明暗度をゼロになるようにして、または単一の色で、前記再構築領域の外側の前記画像を表示することを含む、器械。
【請求項13】
請求項2に記載の器械において、
前記器具は、超音波ビームを発生させるように構成されたカテーテルを含み、
前記再構築領域を画定することは、前記ビームの方向に応答して、前記領域の範囲を描くことを含む、器械。
【請求項14】
解剖学的構造を画像化するための器械の作動方法において、
前記解剖学的構造の近くに位置付けられた器具を含む空間中における前記解剖学的構造から取得したデータに基づき、前記解剖学的構造の最初の空間描写を前記ディスプレイ上で判定することと、
前記器具の場所を前記ディスプレイ上で判定することと、
前記場所に応答して、前記解剖学的構造の一部の画像を前記ディスプレイ上に生成することと、
前記一部の前記画像における前記器具の先端部が位置する場所に近接する領域を再構築領域として前記ディスプレイ上に画定し、前記再構築領域内の前記画像に第1の表示パラメータを適用し、前記第1の表示パラメータとは異なる第2の表示パラメータを、前記一部の前記画像における前記再構築領域の外側の画像に適用して、前記一部の前記画像における前記解剖学的構造の前記再構築領域の外側の要素に比べて前記解剖学的構造の前記再構築領域内要素の可視性を高めるようになし、その際に表示パラメータを、明暗度、色、解像度および透明度から選択することと、
前記第1の表示パラメータが適用された前記再構築領域内の前記画像、及び、前記第2の表示パラメータが適用された前記一部の前記画像における前記再構築領域の外側の前記画像を表示することと、
を含み、
オペレータからの指示に基づきプロセッサが前記再構築領域の寸法を変更するようにも構成されている、
方法。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の技術分野〕
本発明は、概して画像化に関し、具体的には、解剖学的構造の医学的画像化に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
心臓の3次元(3−D)超音波画像は、多くのカテーテルベースの診断適用および治療適用に有用である。リアルタイム画像処理(Real-time imaging)により、医師の能力が向上し、比較的経験不足の医師ですら、複雑な外科処置をより容易に行うことが可能となる。3次元画像化はまた、いくつかの外科処置を行うのに必要とされる時間を減ずる。
【0003】
心内膜(すなわち、心臓の内面)を3−Dマッピングする方法が、当技術分野で知られている。例えば、本発明の譲受人に譲渡され、開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、Ben-Haimに付与された米国特許第5,738,096号が、心臓のマップを構築する方法を記載している。侵襲性のプローブもしくはカテーテルが、心臓壁の複数の場所と接触させられる。侵襲性プローブの位置が、それぞれの場所に対して決定され、その位置は、組み合わせられて、心臓の少なくとも一部の構造マップを形成する。
【0004】
前記に言及した米国特許第5,738,096号に記載されているもののような、いくつかのシステムでは、心臓の表面における局所的な電気的活性だけでなく、追加的な生理学的特性も、カテーテルにより得られる。対応するマップが、得られた局所情報を組み込む。
【0005】
いくつかのシステムは、位置検出を組み込んだ複合型カテーテルを用いる。例えば、本発明の譲受人に譲渡され、開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、Ben-Haimらに付与された米国特許第6,690,963号が、侵襲性医療器具の場所および向きを判定するための、位置確認システム(locating system)を記載している。
【0006】
音響トランスデューサを備えたカテーテルが、心内膜の非接触式画像化(non-contact imaging)に用いられることができる。例えば、本発明の譲受人に譲渡され、開示内容が参照により本明細書に同じく組み込まれる、Govariに付与された米国特許第6,716,166号、および、Govariらに付与された同6,773,402号が、体腔、特に心臓の3−Dマッピングおよび幾何学的再構築のためのシステムを記載している。このシステムは、複数の音響トランスデューサを含む心臓カテーテルを使用する。トランスデューサは、超音波を出し、この超音波は、腔表面から反射され、トランスデューサにより再び受信される。トランスデューサのそれぞれから、そのトランスデューサに向かい合う表面の点もしくはエリアまでの距離が判定され、その距離の測定値が組み合わせられて、その表面の3−D形状を再構築する。カテーテルは、位置センサも含み、この位置センサは、心臓内のカテーテルの場所座標および向き座標(location and orientation coordinates)を判定するのに用いられる。
【0007】
典型的には、このようなシステムは、「内視鏡的な図(endoscopic view)」を提供し、この内視鏡的な図では、再構築された画像が、あるカテーテルもしくは他のプローブを通して見た場合に見えてくるであろうように示される。例えば、開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、Packerらに付与された米国特許第6,556,695号が、心臓の高解像度リアルタイム画像を生成する方法を記載している。心臓内の生理学マッピングおよびアブレーションなどの医療処置の間、リアルタイム画像は、心臓に挿入された超音波トランスデューサにより生成される。高解像度の心臓モデルが、取得されたリアルタイム画像と位置合わせされ、処置の間に表示するための動的な高解像度画像を生成するのに用いられる。音響トランスデューサで目的の構造体を「狙う(aim)」ようにカテーテル遠位端部を動かすことにより、解剖学的組織の異なる部分を見ることができる。解剖学的組織の他の部分がカテーテルを動かすことなく調べられるようになっている場合、超音波トランスデューサの視野から離れてスキャンするために操作レバーが用いられうる。解剖学的構造(例えば心腔)内での向きは、開示内容が参照により本明細書に同じく組み込まれる、Robbらに付与された米国特許第6,049,622号に記載されるような、進路決定アイコンを用いて保たれる。
【0008】
同様に、開示内容が参照により本明細書に同じく組み込まれる、Dekelらに付与された米国特許第6,203,497号が、解剖学上の身体の内部画像を可視化するシステムおよび方法を記載している。身体の内部画像は、超音波画像化トランスデューサにより取得され、この超音波トランスデューサは、空間決定子(spatial determinator)により座標系において追跡される。座標系における画像の位置は、トランスデューサ上の固定点に対する画像のベクトル位置を生じさせるように、超音波画像化トランスデューサを較正すること(calibrating)により判定される。このベクトル位置は次に、空間決定子により決定される座標系におけるトランスデューサの固定点の場所および向きに加えられうる。患者に対して用いられる医療器具の場所および向きもまた、空間決定子により座標系において追跡される。この情報は、器具の場所に空間的に関係する視野からの処理画像を生成するのに用いられる。
【0009】
開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、Verardらに付与された米国特許第6,892,090号が、仮想内視鏡検査(virtual endoscopy)のための方法および器械を記載している。患者の体腔内にある外科器具の視点から患者の体腔の仮想容積測定場面(virtual volumetric scene)を視覚的にシミュレートする、外科器具進路決定システムが提供されている。
【0010】
いくつかのシステムは、進路決定および画像化のガイドとして、超音波画像と共に超音波カテーテル先端部を表示する。例えば、開示内容が参照により本明細書に同じく組み込まれる、Veselyらに付与された米国特許第6,019,725号が、身体に挿入された外科器具(例えば、カテーテル、プローブ、センサ、針など)の位置を追跡し、かつ外科器具の周りの環境の3−D画像に関連してその外科器具の位置を示す3−D画像を表示する、3−D追跡および画像化システムを記載している。この3−D追跡および画像化システムは、身体の中で外科器具をガイドすることにおいて、医師を助ける。
【0011】
開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、Ritterらに付与された米国特許第7,020,512号は、患者の身体の内側の医療装置の場所を突き止める方法を記載している。異なる周波数のAC磁気信号が、患者の身体の外側の既知の場所の点と、患者の身体の内側の医療装置上の点との間で送信される。送信されたAC磁気信号は次に、医療装置上の点の位置、ゆえに、医療装置の場所を判定するように処理される。この処理は、異なる周波数で、送受信される信号を用いることにより、近くの金属の影響を中和すること(correcting)を含む。
【0012】
米国特許第7,020,512号は、代替的実施形態も記載しており、この代替的実施形態では、基準の装置(reference device)が患者の身体の内側に準備され、医療装置は、基準のカテーテルに対して場所を突き止められる。少なくとも2つの周波数を含む信号の使用は、この相対的位置測定の実施形態(relative localization embodiment)に用いられても、用いられなくてもよいが、典型的には、少なくとも基準のカテーテルの場所を突き止めるために使用される。
【0013】
〔発明の概要〕
心臓などの解剖学的構造の3次元または4次元(3−Dまたは4−D、本明細書ではひとまとめにしてn−Dとも記す)超音波画像は、膨大な量の視覚情報を含み、あまりに情報が多いので、観察者は、目的の特徴部を理解し、かつ、その目的の特徴部を周囲の背景と区別するのがしばしば困難である。本発明は、観察者、典型的には、以下オペレータと言われる、システムオペレータもしくは医師が、n−D画像全体の小さな部分のみを選択し、かつ見ることができるようにすることにより、この問題に取り組む。その部分は、本明細書では、「再構築領域(reconstruction region)」と言われ、典型的には、器具から特定の距離内にあるように使用者により選択され、その器具は、解剖学的構造の近くに、そして一部の実施形態では、解剖学的構造内部にある。典型的には、解剖学的構造は、器官であり、器具は、その器官に挿入されるカテーテルである。
【0014】
一実施形態では、再構築領域は、実際の器具が通常挿入されている器官の、3−D空間描写(3-D spatial representation)、典型的にはマップ、に付加される。n−D超音波画像は、前述した、限られた再構築領域内でのみ表示されうる。代わりに、その領域の外側で、n−D超音波画像が、その領域内での表示とは異なるように表示されてもよい。その差異は、色、透明度/不透明度、解像度、もしくは他の画像表示パラメータ、またはこれらのパラメータの組み合わせにおけるものであってよく、その差異は、典型的には、領域内での要素の可視性を高めるように選択される。加えて、その領域の外側で、オペレータは、3−D空間描写を表示するように、もしくは表示しないように選択することができる。
【0015】
代替的実施形態では、再構築領域は、3−D空間描写に付加されない。それどころか、オペレータは、再構築領域内のn−D超音波画像のみを表示する。代わりに、オペレータは、実質的には前述したような、異なる画像表示パラメータを用いて、再構築領域内では1つの形態で、領域の外側では別の異なる形態で、n−D超音波画像を表示することができる。
【0016】
したがって、オペレータには、例えばカテーテル先端部が位置付けられるか、もしくは超音波カテーテルが向けられている、目的の場所の近くにおける、解剖学的特徴部の表示が示される。その表示から、オペレータは、画像化されている器官部分の一部に関連して、実際の器具がある所を可視化することができる。ゆえに、この表示により、オペレータは、器官内の局所的特徴部の視覚的理解を維持することができる。この表示は、以下では、閃光撮影写真図(flashlight view)と言われる。
【0017】
一部の実施形態では、器具を示すアイコンが、再構築領域と位置合わせされて、閃光撮影写真図上に示されることができる。
【0018】
再構築領域は、典型的には、オペレータにより選択可能な、以下の方法のうち1つ以上により画定されうる。
・挿入される器具、例えばカテーテルの先端部、の場所に対して。
・超音波発生器などの器具からの超音波ビームの方向に対して。この場合の領域は、典型的には、ビームの方向における、所定の厚さを有する容積測定スライス(volumetric slice)である。
・オペレータは、典型的にはマウスなどの位置指示装置を用いることにより、領域のサイズおよび場所を変えることができる。
【0019】
最初の2つの方法については、オペレータは、器具が動く際にアップデートするように表示を構成することができ、または、表示は、選択された場所で「フリーズされ(frozen)」てもよい。
【0020】
ゆえに、本発明の実施形態によると、ディスプレイ上で解剖学的構造を画像化する方法であって、
解剖学的構造の最初の空間描写を取得することと、
解剖学的構造の近くに器具を位置付けることと、
器具の場所を判定することと、
その場所に応答して、解剖学的構造の一部の画像を生成することと、
組み合わせられた空間描写を表示するために、最初の空間描写に画像を付加することと、
を含む、方法が提供される。
【0021】
典型的には、器具は、超音波ビームを発生させるように構成されたカテーテルを含み、画像を生成することは、超音波ビームの方向に応答して画像を生成することを含む。画像を生成することは、解剖学的構造の一部の範囲を描くように位置指示装置を用いることを含みうる。
【0022】
ある実施形態では、組み合わせられた空間描写を表示することは、画像表示パラメータを用いて画像を表示することと、画像表示パラメータとは異なる空間描写表示パラメータを用いて最初の空間描写を表示することと、を含む。画像表示パラメータ、および空間描写表示パラメータは、明暗度(intensity)、色、解像度、および透明度を含むパラメータから選択されてよい。
【0023】
一実施形態では、この方法は、画像の範囲を描く、解剖学的構造の一部の画像の明確な輪郭(definition)を生成することと、再び画定された空間描写(redefined spatial representation)を形成するために最初の空間描写にその明確な輪郭を適用することと、を含み、画像を付加することは、再び画定された空間描写に画像を付加することを含む。
【0024】
解剖学的構造は、解剖学的器官の表面を含むことができる。
【0025】
この方法は、器具を示すアイコンを、組み合わせられた空間描写と位置合わせして、重ね合わせることを含むことができる。
【0026】
典型的には、最初の空間描写は、Cartoマップ、コンピュータ断層撮影による(CT)画像、および磁気共鳴(MR)画像のうち少なくとも1つを含む。
【0027】
代わりに、最初の空間描写は、超音波画像を含み、解剖学的構造の一部の画像は、超音波画像の一部分を含む。この部分は、超音波画像の断片を含むことができ、この断片は、10%〜50%の範囲内で存在する。
【0028】
典型的には、器具を位置付けることは、解剖学的構造の内部で器具を位置付けることを含む。
【0029】
開示された実施形態では、この方法は、器具の向きを判定することを含み、画像を生成することは、その向きに応答して画像を生成することを含む。
【0030】
本発明の実施形態によれば、ディスプレイ上で解剖学的構造を画像化するためのコンピュータソフトウェア製品がさらに提供され、このコンピュータソフトウェア製品は、コンピュータ命令が記憶されている有形のコンピュータ可読媒体を含み、その命令は、コンピュータにより読み取られると、コンピュータに、解剖学的構造の最初の空間描写を取得させ、解剖学的構造の近くにある器具の場所を判定させ、その場所に応答して解剖学的構造の一部の画像を生成させ、組み合わせられた空間描写を形成するようにその画像を最初の空間描写に付加させ、かつ、組み合わせられた空間描写を表示させる。
【0031】
本発明の実施形態によれば、ディスプレイ上で解剖学的構造を画像化する方法であって、
解剖学的構造の近くに器具を位置付けることと、
器具の場所を判定することと、
その場所に応答して解剖学的構造の画像を生成することと、
その場所に応答して画像の部分的領域を画定することと、
複合画像を形成するために、第1の表示パラメータを部分的領域内の画像に、第1の表示パラメータとは異なる第2の表示パラメータを部分的領域の外側の画像に、適用することと、
ディスプレイ上で複合画像を示すことと、
を含む、方法がさらに提供される。
【0032】
ある実施形態では、第2の表示パラメータを適用することは、画像情報がない状態で、部分的領域の外側の画像を表示することを含む。
【0033】
典型的には、器具は、超音波ビームを発生させるように構成されたカテーテルを含み、部分的領域を画定することは、ビームの方向に応答して、その領域の範囲を描くことを含む。
【0034】
本発明の実施形態によれば、解剖学的構造を画像化するための器械であって、
解剖学的構造の近くに位置付けられるように構成された、器具と、
プロセッサであって、器具に連結されるように構成されており、組み合わせられた空間描写をディスプレイ上で示すために、解剖学的構造の最初の空間描写を取得するように、器具の場所を判定するように、その場所に応答して解剖学的構造の一部の画像を生成するように、かつ最初の空間描写上でその画像を付加するように、配列されている、プロセッサと、
を含む、器械がさらに提供される。
【0035】
本発明の実施形態によれば、ディスプレイ上で解剖学的構造を画像化するための器械であって、
解剖学的構造の近くに位置付けられるように構成された、器具と、
プロセッサであって、複合画像を形成し、かつ、その複合画像をディスプレイ上で示すために、器具の場所を判定するように、その場所に応答して解剖学的構造の画像を生成するように、その場所に応答して画像の部分的領域を画定するように、第1の表示パラメータを部分的領域内の画像に、また、第1の表示パラメータとは異なる第2の表示パラメータを部分的領域の外側の画像に、適用するように、構成された、プロセッサと、
を含む、器械がさらに提供される。
【0036】
本発明をよりよく理解するために、例証として、発明の詳細な説明に対する参照が行われる。この発明の詳細な説明は、以下の図面と共に読まれるべきものであり、図面では、同様の要素には、同様の参照番号が与えられている。
【0037】
〔発明の詳細な説明〕
以下の説明では、本発明の完全な理解を与えるために、多くの具体的な詳細が述べられている。しかしながら、本発明がこれらの具体的な詳細なしで行われうることは、当業者には明らかであろう。他の場合においては、本発明を不必要にあいまいにすることのないよう、従来のアルゴリズムおよび処理のための、周知の回路、制御論理、ならびにコンピュータプログラム命令の細目は、詳細には示されていない。
【0038】
本発明の態様を具体化するソフトウェアプログラミングコードは、典型的には、有形のコンピュータ可読媒体などの固定記憶装置に保持される。クライアントサーバー環境では、そのようなソフトウェアプログラミングコードは、クライアントもしくはサーバーに記憶されうる。ソフトウェアプログラミングコードは、データ処理システムと共に使用するための様々な既知の媒体のうちいずれかにおいて具体化されることができる。この媒体は、磁気式記憶装置および光学式記憶装置、例えばディスクドライブ、磁気テープ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、および信号が変調される搬送波を備えるか、もしくは備えていない、伝送媒体において具体化されるコンピュータ命令信号を含むが、これらに限定されない。例えば、伝送媒体は、インターネットなどの通信ネットワークを含むことができる。加えて、本発明は、コンピュータソフトウェアにおいて具体化されうるが、本発明を実施するのに必要な機能は、アプリケーション特有の集積回路もしくは他のハードウェアなどのハードウェアコンポーネント、またはハードウェアコンポーネントとソフトウェアとの何らかの組み合わせを用いて、部分的に、または全体が、代替的に具体化されてもよい。
【0039】
本発明の実施形態は、異なる解剖学的構造、典型的には腔を含む構造、の画像を見るのに用いられうる。以下では、例証として、解剖学的構造は、患者の心臓を含むものとする。
【0040】
次に図面に移り、まず図1を参照すると、図1は、本発明の開示された実施形態による、心臓24の閃光撮影写真図を取得するためのシステム20の絵図である。システム20は、カテーテル27を含み、カテーテル27は、本明細書では医師とされる、システム20のオペレータにより、静脈もしくは動脈を通して心臓の腔に挿入される。カテーテル27は、典型的には、医師がこのカテーテルを操作するためのハンドル28を含む。ハンドル28に対する適切な制御により、医師は、カテーテル27の遠位端部29を所望のとおりに向け、位置させ、かつ方向付けることができる。
【0041】
システム20は、カテーテル27の場所座標および向き座標を測定する、位置付けサブシステム30を含む。明細書および特許請求の範囲において、用語「場所(location)」は、カテーテル27などの物体の空間座標を指し、用語「向き(orientation)」は、その物体の角度座標を指し、用語「位置(position)」は、場所座標および向き座標の双方を含む、物体の完全な位置情報を指す。
【0042】
一実施形態では、位置付けサブシステム30は、カテーテル27の位置を判定する、磁気式位置追跡システムを含む。位置付けサブシステム30は、患者の近くの予め定められた作業容積(working volume)に磁場を発生させ、カテーテル27においてこれらの磁場を感知する。位置付けサブシステム30は、典型的には、場を発生させるコイル(field generating coils)31などの、1組の外部放射体を含み、この1組の放射体は、患者の外側で、固定された既知の位置に置かれている。コイル31は、場、典型的には磁場を、心臓24の近くで発生させる。
【0043】
コンソール34が、位置付けプロセッサ36を含み、この位置付けプロセッサ36は、カテーテルの位置センサ32により送られた信号に基づいて、カテーテル27の場所および向きを計算する。位置付けプロセッサ36は典型的には、ケーブル33を介して、センサ32から信号を受信し、プロセッサは、その信号を増幅し、フィルター処理し、デジタル化し、かつ別様に処理する。コンソール34は、画像プロセッサ43も含む。以下に説明するように、プロセッサ43は、コンソールにより受信された画像データを処理し、処理されたデータを画像としてディスプレイ44上で出力する。コンソール34は、トラックボール、マウス、および/もしくは操作レバーなどの位置指示装置45を含み、この位置指示装置45により、システム20を操作する医師は、典型的には、医師が見るために選択するグラフィック・ユーザー・インターフェース(GUI)により、システムを制御することができる。明確にするために、GUIは、図1には示されていない。GUIは、ディスプレイ44、もしくは別のディスプレイで見られることができる。
【0044】
本発明の実施形態で使用されうるいくつかの位置追跡システムが、例えば前記に言及した米国特許第6,690,963号、ならびに米国特許第6,618,612号および同第6,332,089号、ならびに米国特許出願公開第2004/0147920 A1号および同第2004/0068178 A1号に記載されており、これらの文献はすべて参照により本明細書に組み込まれる。位置付けサブシステム30は磁場を用いているが、本発明の実施形態は、電磁場測定、音響測定および/または超音波測定に基づいたシステムなど、任意の他の適切な位置付けサブシステムを用いて実行されうる。
【0045】
図2は、本発明の実施形態による、図1に示されたシステムに用いられるカテーテル27の遠位端部29の絵図である。前述の、発生された場は、位置センサ32により感知され、位置センサ32は、感知した場に応答して、ケーブル33を通じてコンソール34へと位置関連電気信号を送信する。代わりに、位置センサ32は、無線リンクを通じて、コンソールに信号を送信してもよい。
【0046】
代替的実施形態では、コイルなど、カテーテルの放射体は、磁場を発生させ、この磁場は、患者の身体の外側のセンサにより受信される。この外部センサは、位置関連電気信号を生成する。
【0047】
一部の実施形態では、カテーテル27は、超音波画像化センサ39を含む。超音波画像化センサ39は、典型的には、超音波トランスデューサ40のアレイを含む。超音波トランスデューサ40は、直線的なアレイ構成で配列されて示されているが、円形もしくは凸状の構成など、他のアレイ構成が用いられてもよい。一実施形態では、超音波トランスデューサ40は、圧電性トランスデューサである。超音波トランスデューサ40は、窓41の中、もしくは窓41に隣接して位置付けられ、この窓41は、カテーテル27の本体もしくは壁部の中にある開口部を画定している。超音波画像化センサ39は、以下で説明するように、心臓24(図1)の超音波画像を生成する。
【0048】
一部の実施形態では、カテーテル27の遠位端部29はまた、電気生理学的マッピングおよび無線周波数(RF)アブレーションなど、診断機能、治療機能、もしくはそれらの機能の双方を果たすための、少なくとも1つの電極42を含む。一実施形態では、電極42は、局所的な電位を感知するのに用いられることができ、この電位は、(以下により詳細に説明される)Cartoマップを生成するために用いられうる。電極42により測定される電位は、心臓内の表面における局所的な電気的活動をマッピングするのに用いられうる。電極42が心臓24(図1)の内面における点と接触させられるか、もしくはその点の近くにくると、電極は、その点で局所的な電位を測定する。測定された電位は、電気信号に変換され、カテーテル27によって画像プロセッサ43(図1)まで送信される。他の実施形態では、局所的な電位は、適切な電極および位置センサを含む、カテーテル27に概ね類似した別のカテーテルから得られ、これら電極および位置センサはすべてコンソール34に接続されている(明確にするため、その他のカテーテルは図1には示されていない。)
【0049】
代替的実施形態では、電極42は、様々な組織特性、温度、および血流など、前述の電位とは異なるパラメータを測定するのに用いられうる。電極42は、単一のリング電極として示されているが、カテーテル27は、典型的には当技術分野で既知の形で、実質的に任意の都合の良い数の電極を含むことができる。例えば、カテーテル27は、前記に言及した診断機能および治療機能を果たすために、2つ以上のリング電極、複数の点電極もしくは点電極のアレイ、先端電極、またはこれらのタイプの電極の任意の組み合わせを含むことができる。
【0050】
位置センサ32は、典型的には、電極42および超音波トランスデューサ40に隣接して、カテーテル27の遠位端部29の中に位置する。典型的には、位置センサ32と電極42と超音波画像化センサ39の超音波トランスデューサ40との間の場所および向きのオフセットは、一定である。これらのオフセットは、典型的には、位置センサ32の測定された位置があれば、超音波画像化センサ39の位置および電極42の位置を求めるために、位置付けプロセッサ36(図1)により用いられる。別の実施形態では、カテーテル27は、2つ以上の位置センサ32を含み、これら位置センサ32のそれぞれは、電極42および超音波トランスデューサ40に対して一定の場所および向きのオフセットを有する。一部の実施形態では、このオフセット(もしくは同等の較正パラメータ(calibration parameters))は、予め較正され、位置付けプロセッサ36(図1)に記憶される。代わりに、オフセットは、典型的にはカテーテル27のハンドル28に嵌められた、電気的にプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)などのメモリデバイスに記憶されてもよい。
【0051】
位置センサ32は、典型的には、前記に言及した米国特許第6,690,963号に記載されるもののような、(不図示の)3つの非同心コイルを含む。代わりに、任意の数の同心コイルもしくは非同心コイルを含むセンサ、ホール効果センサ(Hall-effect sensors)、および/または磁気抵抗センサなど、任意の他の適切な位置センサ配列が用いられてもよい。
【0052】
一実施形態では、超音波画像化センサ39は、16〜64個の超音波トランスデューサ40、典型的には48〜64個の超音波トランスデューサ40を含む。典型的には、超音波トランスデューサ40は、数ミリ〜約16cmにわたる典型的な侵入深さで、5〜10MHzの範囲の中心周波数で、超音波エネルギーを発生させる。この侵入深さは、超音波画像化センサ39の特性、周囲組織の特性、および動作周波数によって決まる。代替的実施形態では、他の適切な周波数範囲および侵入深さが用いられてもよい。
【0053】
典型的には、超音波画像化トランスデューサ40は、フェーズドアレイとして動作し、窓41を通してアレイの隙間(array aperture)から超音波ビームを連帯的に送信する。一実施形態では、このアレイは、ショートバーストの超音波エネルギーを送信し、次に、周囲組織から反射される超音波信号を受信するための受信モードに転換する。典型的には、超音波画像化トランスデューサ40は、超音波ビームを所望の方向に向けるために、制御された様式で個別に駆動される。トランスデューサの適切なタイミングにより、発生した超音波ビームには、トランスデューサアレイから所定の距離でそのビームを焦点に集めるように、同心に湾曲した波面が与えられうる。
【0054】
反射された超音波を受信した後、超音波トランスデューサ40は、反射された超音波に基づいた電気信号を、ケーブル33を通じてコンソール34の画像プロセッサ43に送信する。プロセッサは、その信号から超音波画像を生成し、その画像および位置情報を用いて、患者の心臓の、目標とする構造の3次元超音波画像を生成する。
【0055】
典型的には、超音波画像および位置測定値の双方は、身体表面心電図(ECG)信号もしくは心臓内心電図に対するゲート信号および画像キャプチャにより、心臓周期と同期される。一実施形態では、ECG信号は、電極42により生成されうる。心臓の特徴部は、心臓の周期的な収縮および弛緩の間にその形状および位置を変えるので、全体の画像化プロセスは、典型的には、この期間に対して特定のタイミングで行われる。
【0056】
一部の実施形態では、各組の画像および位置データは、心臓周期の異なる時間に得られる。各組の画像および位置データはそれぞれ、ある時点における心臓の3−D画像を構築するのに用いられてよく、その3−D画像は、4−D(時間で変化する(time-varying))画像を形成するために組み合わせられてよい。
【0057】
図3は、本発明の開示された実施形態による、心臓の閃光撮影写真図100の概略図である。閃光撮影写真図100は、ディスプレイ44上に生成される。閃光撮影写真図100では、解剖学的構造の3−D超音波画像104の一部102が示されている。この部分102は、本明細書では、再構築領域102とも言われる。典型的には、領域102の面積は、完全な超音波画像104の面積の約10%〜50%の範囲である。典型的には、領域102の大きさ(dimensions)および境界、したがって、領域102の面積は、以下により詳細に説明するように、システム20のオペレータにより調節されうる。例として、以下の説明では、解剖学的構造は、心臓24(図1)とする。
【0058】
再構築領域102内において、画像プロセッサ43は、画像104の詳細な部分を生成する。プロセッサ43は、領域102と位置合わせされている、カテーテル27を示すアイコン110も生成することができる。再構築領域102の外側では、画像プロセッサ43は、領域102のパラメータとは異なるパラメータを有するように画像104を生成する。画像104の2つの部分間の差異は、典型的には、色、色調、明暗度、透明度/不透明度、解像度、もしくは他の画像パラメータ、またはこれらのパラメータの組み合わせにおける差異を含む。典型的には、これらの差異は、再構築領域102の外側の要素の可視性と比べて、領域内の要素の可視性を高めるように選択される。
【0059】
例として、再構築領域102は、アイコン110の先端部120を中心とする球面により横断された、心臓24のほぼ平坦な部分に対応するものとされる。この場合、再構築領域は、先端部120と直接位置合わせされている。再構築領域102のサイズは、オペレータによって、典型的には、ディスプレイ44(図1)上でオペレータに示されるグラフィック・ユーザー・インターフェース(GUI)を介してサイズパラメータを変えるオペレータによって、設定されうる。本発明の一部の実施形態では、再構築領域の中心は、再構築領域が先端部120と直接位置合わせされないように、先端部120以外の点であってよい。例えば、この中心は、オペレータにより定められた、先端部に対して固定された方向にあってよい。加えて、もしくは代わりに、この中心は、位置指示装置45を操作するオペレータにより調節されてもよい。
【0060】
システム20のオペレータは、他の基準にしたがって領域102の大きさを画定することができる。例えば、1つの基準は、遠位端部29から出る超音波ビームの方向を含むことができ、オペレータは、領域102を描くのに用いられるべき、ビームの一般的な方向における、スライスの大きさを画定することができる。代わりに、もしくは加えて、オペレータは、領域102の大きさを描くために、装置45などの位置指示装置を、ディスプレイ44と共に使用することができる。一部の実施形態では、オペレータは、位置指示装置により画定された領域を、ディスプレイ44上の所望の場所に置きなおすことができる。
【0061】
一部の実施形態では、領域102内の画像104の要素のみがディスプレイ44上に示され、領域の外側の要素は、画像情報なしで表示される。例えば、プロセッサ43は、領域102の外側の画像パラメータの明暗度を、効率的にはゼロになるように、または単一の色を含むように、設定することができる。
【0062】
次に図4Aを参照すると、図4Aは、本発明の開示された代替的実施形態による、心臓の閃光撮影写真図150の概略図である。閃光撮影写真図100に関しては、閃光撮影写真図150は、ディスプレイ44上に示される。閃光撮影写真図100が、超音波画像(画像104)からのみ実質的に生成されているのに対し、閃光撮影写真図150では、超音波画像が別のタイプの画像に付加されている点において、閃光撮影写真図150は、閃光撮影写真図100図3)と異なる。
【0063】
図4Aでは、Cartoマップ155が示されている。Cartoマップ155は、心臓の、3−Dの色分けされた電気解剖学的マップ、もしくは3−Dの、グレースケールでコードされた電気解剖学的マップであり、このマップは、例えばカリフォルニア州91765、ダイアモンド・バー、ダイアモンド・キャニオン・ロード3333のBiosense Webster Inc.から入手可能な、Carto-Biosense(登録商標)ナビゲーションシステムを用いて、得ることができる。ディスプレイ44上では、Cartoマップ155が、通常は黒を背景にして、異なる色および濃淡で示される。図4Aでは、Cartoマップは、主に白色の領域として示されている。ディスプレイ44に黒で示される図4Aの領域151は、図面では平行な斜めのハッチングにより示されている。
【0064】
閃光撮影写真図150は、より大きな超音波画像から形成された再構築領域154のみを、マップ155に付加することにより形成される。明確にするために、このより大きな超音波画像は、図4Aには示されていないが、典型的には、このより大きな超音波画像は、領域151のかなりの部分に及ぶであろう。図4Aでは、再構築領域154は、点々のある領域として示されており、より大きな超音波画像から生成された、より小さな超音波画像160を画定している。再構築領域154は、球状の弓形に概ね似ており、有限の厚さを有する、オレンジの皮の断片に概ね似たものと考えられてよい。オペレータは、例証として、位置指示装置45と共にアイコン190およびそのアイコンに付随する矢印を用いて、領域154の境界および厚さを含む、領域154を描くものとする。例えば、矢印の端部が、「ハンドル」として実行されてよく、このハンドルは、使用者が再構築領域の大きさを調節することを可能にする。しかしながら、領域を描くための、他のあらゆる便利な方法が用いられてよい。アイコン190は、カテーテル27の遠位端部29を示す。領域154は、平行でない陰影線(non-parallel hatch lines)を有する領域170として図4Aに示される第1の平面と、線171として示される第2の平面と、により境界を付けられている。領域170を画定する2つの湾曲線172、173間の間隔が、領域154の厚さを示している。
【0065】
閃光撮影写真図150では、再構築領域154は、マップ155に付加され、このため、マップは、その領域の上に重ね合わせられているように見える。再構築領域154およびマップ155の外側では、より大きな超音波画像は表示されない(これはゼロの明暗度を有する)。
【0066】
前記の説明は、Cartoマップが、閃光撮影写真図150において用いられることを想定している。MRIマップもしくはCTマップなどの他のマップが、閃光撮影写真図においてCartoマップの代わりに用いられてもよく、そのようなマップはすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【0067】
図4Bは、本発明の開示されたさらなる代替的実施形態による、心臓の閃光撮影写真図195の概略図である。以下に記載する差異は別として、閃光撮影写真図195は、閃光撮影写真図150に概ね似ており、両方の閃光撮影写真図において同じ参照番号により示される要素は、構造および作用が概ね似ている。閃光撮影写真図195では、オペレータは、再構築領域の明確な輪郭にマップ155を含め、このマップは、頭を切られる(truncated)ことによって再び画定される。マップの切頭体(truncations)を画定する平面が、楕円162および線171の一部164により図4Bに概略的に示されている。ゆえに、閃光撮影写真図195では、閃光撮影写真図150で不明瞭になっている領域154の一部166が、オペレータに見える。さらなる実施形態では、オペレータは、楕円162の中にある、領域154の一部168を、少なくとも部分的に見えるようにすることができる。
【0068】
次に図5を参照すると、図5は、本発明の開示された実施形態による、閃光撮影写真図を表示する方法を示すフローチャート201である。この方法は、図3の閃光撮影写真図100図4Aの閃光撮影写真図150、および図4Bの閃光撮影写真図195をそれぞれ参照して説明される。
【0069】
最初のステップ205で、心臓24の第1の空間描写が取得される。図3の例では、第1の空間描写は、3−D超音波画像104を含み、図4Aおよび図4Bの例では、第1の空間描写は、マップ155を含む。代替的実施形態では、第1の空間描写は、電気解剖学的マップ、CT(コンピュータ断層撮影による)画像、MR(磁気共鳴)画像、もしくは心臓24の任意の他の画像、またはそのような画像の組み合わせを含むことができる。
【0070】
判断ステップ207では、オペレータは、表示されるべき他のタイプの空間描写があるかどうか判断する。判断ステップ207の結果は、典型的には、オペレータが利用することのできる空間描写、および/もしくはオペレータにより選択される選択肢により決まる。図3の例では、判断ステップ207の結果は、否定的なもの(negative)である。図4Aおよび図4Bの例では、判断ステップ207の結果は、1回目の試み(pass)では肯定的なもの(affirmative)、2回目の試みでは否定的なものである。本発明の一部の実施形態では、2つ以上の余分な空間描写が、オペレータにより選択される。例えば、オペレータは、CTマップおよびMRマップを選択する場合があり、これにより、ステップ207の間に2回以上の試みをすることになる。
【0071】
判断ステップ207での判定が肯定的なものである場合、制御は、追加的な空間描写が取得されるステップ210に進む。この追加的な空間描写は、最初のステップ205に関して本明細書で説明されたタイプのうちいずれかを含むことができる。図4Aおよび図4Bの例では、追加的な空間描写は、図4Aおよび図4Bに関して前記で参照された、より大きな超音波マップを含む。追加的な空間描写は、おそらくはその後再構築されるセグメントになって、典型的には予め取得される。しかしながら、追加的な空間描写は、フローチャート201を実施する間に取得されてもよい。
【0072】
ステップ215では、画像プロセッサ43が、2つの描写を位置合わせする。ゆえに、図4Aおよび図4Bに関して前記で参照された、より大きな超音波画像は、マップ155と位置合わせして置かれて、複合画像、もしくは組み合わせられた画像を作り出す。適切な位置合わせ技術が、本発明の譲受人に譲渡され、かつ参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,650,927号に開示されている。例えば、より大きな超音波画像およびCartoマップ155の双方に共通の目印および/もしくは他の基準の印が、典型的には自動的に、しかし代替的に、もしくは追加的にはオペレータからの助けにより、一致させられる。より大きな超音波画像の縮尺が調節され、その画像は、再び位置付けられて、共通の特徴部が整列するまで回転させられる。制御は判断ステップ207に戻る。
【0073】
判断ステップ207における判定が否定的なものであった場合、制御は、ステップ218に進む。ステップ218では、使用者は、典型的にはGUIを用いて、複合画像を表示するためのパラメータを特定する。このパラメータは、空間描写を表示するための視覚的モードを定め、(前述された)再構築領域の内側の表示のための第1の表示パラメータ、および再構築領域の外側の表示のための第2の表示パラメータを含む。パラメータは、とりわけ、解像度、明暗度、色、および透明度(すなわち、透明、部分的に透明、もしくは不透明)を含むことができる。パラメータは、カテーテルもしくは他の器具のアイコンが表示されるべきかどうかということも含むことができる。本発明の一部の実施形態では、パラメータは、予め選択されていてもよく、その場合、ステップ218は、ステップ205の前に行われるものと考えられてよい。
【0074】
ステップ220では、位置付けプロセッサ36は、カテーテル27の遠位端部29の場所および向きを判定する。カテーテル27の遠位端部29の場所および向きを判定する方法は、図1を参照して本明細書で前述されている。
【0075】
カテーテルのアイコンが表示されるべき場合に行われる、ステップ225では、画像プロセッサ43は、ステップ207が否定的な答えを返した後で利用可能な画像と位置合わせされている、カテーテル27の遠位端部29を示すアイコン110(図3)もしくはアイコン190(図4Aおよび図4B)を置く。この画像は、ステップ215が行われている場合、複合画像である。ステップ215が行われていない場合、この画像は、第1の空間描写から成る。
【0076】
ステップ230では、オペレータは、典型的には、ディスプレイ44(図1)上で使用者に示されるグラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)によりサイズパラメータを変更するオペレータによって、かつ/もしくは図4Aに関して前述したように領域の大きさを調節するオペレータによってステップ220で決められた端部29に対して、再構築領域の形状およびサイズを特定する。本発明の一部の実施形態では、使用者は、位置指示装置45を調節することにより、もしくは追加のパラメータ、例えば超音波ビームの方向におけるカテーテル27の遠位端部29からの距離、を特定することにより、再構築領域の大きさを特定することができる。本発明の他の実施形態では、再構築領域の中心は、カテーテルの遠位端部であってよい。
【0077】
ステップ235では、画像プロセッサ43は、ステップ230で入力された値から再構築領域の範囲を判定し、ステップ218の画像パラメータを、その領域と、ディスプレイ44に示されるべき画像の残りの部分と、に適用する。
【0078】
したがって、閃光撮影写真図100図3)の場合、プロセッサ43は、再構築領域102の範囲を判定し、領域内部および領域の外側で、ステップ218の画像パラメータを適用する。先端部120が再構築領域102の中心に置かれた、アイコン110のパラメータも計算されうる。典型的には、領域102内の画像パラメータは、領域の外側の画像パラメータよりも、さらに詳細な、かつ/もしくはさらによい可視性をオペレータに与える。
【0079】
閃光撮影写真図150図4A)の場合、プロセッサ43は、再構築領域154の範囲を判定し、領域内部および領域の外側で、ステップ218の画像パラメータを適用する。領域154の大きさは、(図4Aに関して前述した)より大きな超音波画像に適用されるのみである。閃光撮影写真図150では、画像パラメータは、マップ155を付加し、このため、下にある超音波画像の部分を不明瞭にしているように見え、かつ、完全なマップ155が表示されている。
【0080】
閃光撮影写真図195図4B)は、マップが頭を切られて、領域154の、オペレータが画定した大きさに一致するように、領域154の大きさもマップ155に適用されることを除いて、閃光撮影写真図150に概ね似ている。
【0081】
フローチャート201の最終ステップ240では、画像プロセッサ43は、ステップ235で判定された閃光撮影写真図の2−D投影図をディスプレイ44に示す。
【0082】
典型的には、画像プロセッサ43(図1)は、ほぼ連続して、かつリアルタイムでオペレータに閃光撮影写真図を与えるように、フローチャート201を反復する。
【0083】
フローチャート201のステップが示された順番で必ずしも行われる必要がないことが理解されるべきである。例えば、ステップ210は、ステップ205の前に、もしくはステップ205と同時に行われてもよい。順番における他の変更が、当業者には明らかであろう。
【0084】
閃光撮影写真図100、150、および195は、例として本明細書に提供されたこと、ならびに、他のタイプの閃光撮影写真図が、ディスプレイ44上でオペレータに示されてもよいことも、理解されるであろう。
【0085】
例えば、閃光撮影写真図100に関して、領域102およびその領域の外側のエリアを示すディスプレイ44の代わりに、オペレータは、例えば領域の外側のエリアを黒などの1つの色として有することにより、領域102のみを示すこと、およびディスプレイ44に領域の外側のいかなる画像情報も提供させないことを選択することができる。
【0086】
閃光撮影写真図150に関して、オペレータは、領域の外側の画像情報なしで超音波画像160のみを示すこと、もしくは画像がマップに重ね合わせられたように見えるように画像160をマップ155に付加することを選択することができる。後者の場合、画像は、マップを不明瞭にしているように見える。代わりに、オペレータは、画像もしくはマップを、それらが重なり合う所で部分的に透明にすることにより、不明瞭さ(obscuration)がなくなるように、ステップ218におけるパラメータを選択することができる。
【0087】
閃光撮影写真図195に関して、オペレータは、頭を切られたマップ155のみを示すこと、および超音波画像160を示さないことを選択することができる。代わりに、頭を切られたマップの少なくとも一部は、領域154により画定される、下にある超音波画像160が見えるように、部分的に透明にされてよい。
【0088】
代替的実施形態では、本明細書に記載された技術は、他の解剖学的構造、例えば、胃などの、心臓から離れた器官に適用されてもよい。
【0089】
前述された実施形態は、例として言及されたこと、および、本発明は、前記に詳細に示され、説明されたものに限定されないこと、が認識されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、前述した様々な特徴部の組み合わせおよびサブコンビネーションの双方、ならびに前記の説明を読めば当業者が思いつくであろう、先行技術には開示されていない、これら特徴部の変更および改変を含むものである。
【0090】
〔実施の態様〕
(1) ディスプレイ上で解剖学的構造を画像化する方法において、
前記解剖学的構造の最初の空間描写を取得することと、
前記解剖学的構造の近くに器具を位置付けることと、
前記器具の場所を判定することと、
前記場所に応答して、前記解剖学的構造の一部の画像を生成することと、
組み合わせられた空間描写を表示するために、前記最初の空間描写に前記画像を付加することと、
を含む、方法。
(2) 実施態様1に記載の方法において、
前記器具は、超音波ビームを発生させるように構成されたカテーテルを含み、
前記画像を生成することは、前記超音波ビームの方向に応答して、前記画像を生成することを含む、方法。
(3) 実施態様1に記載の方法において、
前記画像を生成することは、前記解剖学的構造の前記一部の範囲を描くように位置指示装置を用いることを含む、方法。
(4) 実施態様1に記載の方法において、
前記組み合わせられた空間描写を表示することは、
画像表示パラメータを用いて前記画像を表示することと、
前記画像表示パラメータとは異なる空間描写表示パラメータを用いて前記最初の空間描写を表示することと、
を含む、方法。
(5) 実施態様4に記載の方法において、
前記画像表示パラメータおよび前記空間描写表示パラメータは、明暗度、色、解像度、および透明度を含む、パラメータから選択される、方法。
【0091】
(6) 実施態様1に記載の方法において、
前記画像の範囲を描く、前記解剖学的構造の前記一部の前記画像の明確な輪郭を生成することと、
再び画定された空間描写を形成するために、前記最初の空間描写に前記明確な輪郭を適用することと、
を含み、
前記画像を付加することは、前記再び画定された空間描写に前記画像を付加することを含む、方法。
(7) 実施態様1に記載の方法において、
前記解剖学的構造は、解剖学的器官の表面を含む、方法。
(8) 実施態様1に記載の方法において、
前記器具を示すアイコンを、前記組み合わせられた空間描写と位置合わせして、重ね合わせること、
をさらに含む、方法。
(9) 実施態様1に記載の方法において、
前記最初の空間描写は、Cartoマップ、コンピュータ断層撮影による(CT)画像、および磁気共鳴(MR)画像のうち少なくとも1つを含む、方法。
(10) 実施態様1に記載の方法において、
前記最初の空間描写は、超音波画像を含み、
前記解剖学的構造の前記一部の前記画像は、前記超音波画像の一部分を含む、方法。
【0092】
(11) 実施態様10に記載の方法において、
前記一部分は、前記超音波画像の断片を含み、前記断片は、10%〜50%の範囲内で存在する、方法。
(12) 実施態様1に記載の方法において、
前記器具を位置付けることは、前記解剖学的構造の内部で前記器具を位置付けることを含む、方法。
(13) 実施態様1に記載の方法において、
前記器具の向きを判定すること、
を含み、
前記画像を生成することは、前記向きに応答して、前記画像を生成することを含む、方法。
(14) ディスプレイ上で解剖学的構造を画像化するためのコンピュータソフトウェア製品において、
コンピュータ命令が記憶されている有形のコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、コンピュータにより読み取られると、前記コンピュータに、前記解剖学的構造の最初の空間描写を取得させ、前記解剖学的構造の近くにある器具の場所を判定させ、前記場所に応答して前記解剖学的構造の一部の画像を生成させ、組み合わせられた空間描写を形成するように前記画像を前記最初の空間描写に付加させ、前記組み合わせられた空間描写を表示させる、有形のコンピュータ可読媒体、
を含む、コンピュータソフトウェア製品。
(15) ディスプレイ上で解剖学的構造を画像化する方法において、
前記解剖学的構造の近くに器具を位置付けることと、
前記器具の場所を判定することと、
前記場所に応答して、前記解剖学的構造の画像を生成することと、
前記場所に応答して、前記画像の部分的領域を画定することと、
複合画像を形成するために、第1の表示パラメータを前記部分的領域内の前記画像に、また、前記第1の表示パラメータとは異なる第2の表示パラメータを前記部分的領域の外側の前記画像に、適用することと、
前記ディスプレイ上で前記複合画像を示すことと、
を含む、方法。
【0093】
(16) 実施態様15に記載の方法において、
前記第2の表示パラメータを適用することは、画像情報がない状態で、前記部分的領域の外側の前記画像を表示することを含む、方法。
(17) 実施態様15に記載の方法において、
前記器具は、超音波ビームを発生させるように構成されたカテーテルを含み、
前記部分的領域を画定することは、前記ビームの方向に応答して、前記領域の範囲を描くことを含む、方法。
(18) 解剖学的構造を画像化するための器械において、
前記解剖学的構造の近くに位置付けられるように構成された、器具と、
プロセッサであって、前記器具に連結されるように構成されており、組み合わせられた空間描写をディスプレイ上で示すために、前記解剖学的構造の最初の空間描写を取得するように、前記器具の場所を判定するように、前記場所に応答して前記解剖学的構造の一部の画像を生成するように、および前記最初の空間描写上で前記画像を付加するように、配列(arrange)されている、プロセッサと、
を含む、器械。
(19) 実施態様18に記載の器械において、
前記器具は、超音波ビームを発生させるように構成されたカテーテルを含み、
前記画像を生成することは、前記超音波ビームの方向に応答して、前記画像を生成することを含む、器械。
(20) 実施態様18に記載の器械において、
前記プロセッサは、前記解剖学的構造の前記一部の範囲を描くように構成された、位置指示装置を含む、器械。
【0094】
(21) 実施態様18に記載の器械において、
前記組み合わせられた空間描写を表示することは、
画像表示パラメータを用いて前記画像を表示することと、
前記画像表示パラメータとは異なる空間描写表示パラメータを用いて前記最初の空間描写を表示することと、
を含む、器械。
(22) 実施態様21に記載の器械において、
前記画像表示パラメータおよび前記空間描写表示パラメータは、明暗度、色、解像度、および透明度を含む、パラメータから選択される、器械。
(23) 実施態様18に記載の器械において、
前記プロセッサは、前記画像の範囲を描く、前記解剖学的構造の前記一部の前記画像の明確な輪郭を生成して、前記明確な輪郭を前記最初の空間描写に適用して再び画定された空間描写を形成するように構成され、
前記画像を付加することは、前記再び画定された空間描写に前記画像を付加することを含む、器械。
(24) 実施態様18に記載の器械において、
前記器具を表すアイコンを、前記組み合わせられた空間描写と位置合わせして、前記ディスプレイ上で重ね合わせること、
をさらに含む、器械。
(25) 実施態様18に記載の器械において、
前記最初の空間描写は、Cartoマップ、コンピュータ断層撮影による(CT)画像、および磁気共鳴(MR)画像のうち少なくとも1つを含む、器械。
【0095】
(26) 実施態様18に記載の器械において、
前記最初の空間描写は、超音波画像を含み、
前記解剖学的構造の前記一部の前記画像は、前記超音波画像の一部分を含む、器械。
(27) 実施態様26に記載の器械において、
前記一部分は、前記超音波画像の断片を含み、前記断片は、10%〜50%の範囲内で存在する、器械。
(28) 実施態様18に記載の器械において、
前記器具を位置付けることは、前記解剖学的構造の内部で前記器具を位置付けることを含む、器械。
(29) 実施態様18に記載の器械において、
前記プロセッサは、前記器具の向きを判定するように構成され、
前記画像を生成することは、前記向きに応答して前記画像を生成することを含む、器械。
(30) ディスプレイ上で解剖学的構造を画像化するための器械において、
前記解剖学的構造の近くに位置付けられるように構成された、器具と、
プロセッサであって、複合画像を形成し、かつ前記複合画像を前記ディスプレイ上で示すために、前記器具の場所を判定するように、前記場所に応答して前記解剖学的構造の画像を生成するように、前記場所に応答して前記画像の部分的領域を画定するように、第1の表示パラメータを前記部分的領域内の前記画像に、また、前記第1の表示パラメータとは異なる第2の表示パラメータを前記部分的領域の外側の前記画像に、適用するように、構成された、プロセッサと、
を含む、器械。
【0096】
(31) 実施態様30に記載の器械において、
前記第2の表示パラメータを適用することは、画像情報がない状態で、前記部分的領域の外側の前記画像を表示することを含む、器械。
(32) 実施態様30に記載の器械において、
前記器具は、超音波ビームを発生させるように構成されたカテーテルを含み、
前記部分的領域を画定することは、前記ビームの方向に応答して、前記領域の範囲を描くことを含む、器械。
【図面の簡単な説明】
【0097】
図1図1は、本発明の開示された実施形態による、心臓の閃光撮影写真図を取得するためのシステムの絵図である。
図2図2は、本発明の実施形態による、図1に示されたシステムに用いられるカテーテルの遠位端部の絵図である。
図3図3は、本発明の開示された実施形態による、心臓の閃光撮影写真図の概略図である。
図4A図4Aは、本発明の代替的実施形態による、心臓の閃光撮影写真図の概略図である。
図4B図4Bは、本発明のさらなる代替的実施形態による、心臓の閃光撮影写真図の概略図である。
図5図5は、本発明の開示された実施形態による、図3図4A、および図4Bに例示された閃光撮影写真図を表示する方法を示すフローチャートである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5