(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
窒素、メタン、エタン、及びプロパン並びにその他のC3+炭化水素を含むガス流を窒素、メタン、エタン、及びプロパンを含む軽質留分と、プロパン及びその他のC3+炭化水素を含む重質留分を含む少なくとも二つの留分に分別し、
第一セパレーター中で、軽質留分を窒素濃縮塔頂留分、窒素の減少されたボトム留分、及び中間の窒素含量の側部抜取留分を含む、少なくとも三つの留分に分離し、
第二セパレーター中で窒素減少留分をプロパン濃縮留分及びプロパン減少留分に分離し、
プロパン濃縮留分の少なくとも一部を還流として分別に供給し、
プロパン減少留分の一部を第一セパレーターに循環し、そして
プロパン減少留分の一部を天然ガス液製品流として回収することを特徴とする、天然ガス液の回収方法。
窒素除去ユニット中で窒素濃縮留分及び中間窒素含量留分の少なくとも一種を分離して窒素減少天然ガス流及び窒素濃縮天然ガス流を製造することを更に含む、請求項1記載の方法。
回収部分を側部抜取留分、窒素減少天然ガス流、及び窒素濃縮天然ガス流の少なくとも一種の少なくとも一部と混合して天然ガス液製品流を生成することを更に含む、請求項6記載の方法。
窒素、メタン、エタン、及びプロパン並びにその他のC3+炭化水素を含むガス流を窒素、メタン、エタン、及びプロパンを含む軽質留分と、プロパン及びその他のC3+炭化水素を含む重質留分を含む少なくとも二つの留分に分別し、
第一セパレーター中で軽質留分を窒素濃縮留分及び窒素減少留分を含む少なくとも二つの留分に分離し、
第二セパレーター中で窒素減少留分をプロパン濃縮留分及びプロパン減少留分に分離し、
プロパン濃縮留分の少なくとも一部を還流として分別に供給し、
プロパン減少留分の少なくとも一部を第一セパレーターに循環し、
窒素濃縮留分を窒素除去ユニット中で分離して窒素減少天然ガス流及び窒素濃縮天然ガス流を製造することを含むことを特徴とする、天然ガス液の回収方法。
軽質留分を分離することが軽質留分を窒素が濃縮され、プロパンが減少された塔頂留分、窒素が減少され、プロパンが濃縮されたボトム留分、及び中間のプロパン及び窒素含量の側部抜取留分を含む少なくとも三種の留分に分離することを含む、請求項9記載の方法。
窒素、メタン、エタン、及びプロパン並びにその他のC3+炭化水素を含むガス流を窒素、メタン、エタン、及びプロパンを含む軽質留分と、プロパン及びその他のC3+炭化水素を含む重質留分を含む少なくとも二つの留分に分別し、
第一セパレーター中で軽質留分を窒素濃縮留分及び窒素減少留分を含む少なくとも二つの留分に分離し、
窒素減少留分を圧縮し、冷却し、
第二セパレーター中でその圧縮され、冷却された窒素減少留分をプロパン濃縮留分及びプロパン減少留分に分離し、
プロパン濃縮留分の少なくとも一部を還流として分別に供給し、
プロパン減少留分の少なくとも一部を第一セパレーターに循環し、
ガス流、軽質留分、プロパン減少留分の一部、窒素濃縮留分、窒素減少留分、その圧縮され、冷却された窒素減少留分、及び冷媒の二つ以上の間で熱を交換し、そして
窒素濃縮留分を窒素除去ユニット中で分離することを含み、
前記窒素濃縮留分を窒素除去ユニット中で分離する工程は、
-窒素濃縮留分を第一膜分離段階で分離して第一窒素減少天然ガス流及び第一窒素濃縮天然ガス流を製造し、
-第一窒素濃縮天然ガス流を第二膜分離段階で分離して第二窒素減少天然ガス流及び第二窒素濃縮天然ガス流を製造し、そして
-第二窒素減少天然ガス流の少なくとも一部を第一膜分離段階における分離に循環することを含む
ことを特徴とする、天然ガス液の回収方法。
窒素、メタン、エタン、及びプロパン並びにその他のC3+炭化水素を含むガス流を窒素、メタン、エタン、及びプロパンを含む軽質留分と、プロパン及びその他のC3+炭化水素を含む重質留分を含む少なくとも二つの留分に分別し、
第一セパレーター中で軽質留分を窒素濃縮留分及び窒素減少留分を含む少なくとも二つの留分に分離し、
窒素減少留分を圧縮し、冷却し、
第二セパレーター中でその圧縮され、冷却された窒素減少留分をプロパン濃縮留分及びプロパン減少留分に分離し、
プロパン濃縮留分の少なくとも一部を還流として分別に供給し、
プロパン減少留分の少なくとも一部を第一セパレーターに循環し、
ガス流、軽質留分、プロパン減少留分の一部、窒素濃縮留分、窒素減少留分、その圧縮され、冷却された窒素減少留分、及び冷媒の二つ以上の間で熱を交換し、そして
窒素濃縮留分を窒素除去ユニット中で分離することを含み、
前記窒素濃縮留分を窒素除去ユニット中で分離する工程は、
-窒素濃縮留分を第一膜分離段階で分離して第一窒素減少天然ガス流及び第一窒素濃縮天然ガス流を製造し、
-第一窒素濃縮天然ガス流を第二膜分離段階で分離して第二窒素減少天然ガス流及び第二窒素濃縮天然ガス流を製造し、
-第一窒素減少天然ガス流を高btu天然ガス製品流として回収し、
-第二窒素減少天然ガス流を中間btu天然ガス製品流として回収し、そして
-第二窒素濃縮天然ガス流を低btu天然ガス製品流として回収することを含む
ことを特徴とする、天然ガス液の回収方法。
窒素、メタン、エタン、及びプロパン並びにその他のC3+炭化水素を含むガス流を窒素、メタン、エタン、及びプロパンを含む軽質留分と、プロパン及びその他のC3+炭化水素を含む重質留分を含む少なくとも二つの留分に分別し、
第一セパレーター中で軽質留分を窒素濃縮留分及び窒素減少留分を含む少なくとも二つの留分に分離し、
窒素減少留分を圧縮し、冷却し、
第二セパレーター中でその圧縮され、冷却された窒素減少留分をプロパン濃縮留分及びプロパン減少留分に分離し、
プロパン濃縮留分の少なくとも一部を還流として分別に供給し、
プロパン減少留分の少なくとも一部を第一セパレーターに供給し、
プロパン減少留分の一部を回収し、
ガス流、軽質留分、プロパン減少留分の一部、窒素濃縮留分、窒素減少留分、その回収部分、その圧縮され、冷却された窒素減少留分、及び冷媒の二つ以上の間で熱を交換し、そして
窒素濃縮留分を窒素除去ユニット中で分離し、
前記窒素濃縮留分を窒素除去ユニット中で分離する工程は、
-窒素濃縮留分を第一膜分離段階で分離して第一窒素減少天然ガス流及び第一窒素濃縮天然ガス流を製造し、
-第一窒素濃縮天然ガス流を第二膜分離段階で分離して第二窒素減少天然ガス流及び第二窒素濃縮天然ガス流を製造し、そして
-第二窒素減少天然ガス流の少なくとも一部を第一膜分離段階における分離に循環することを含み、そして
回収部分及び第一窒素減少天然ガス流を混合して天然ガス製品流を生成することを含むことを特徴とする、天然ガス液の回収方法。
窒素、メタン、エタン、及びプロパン並びにその他のC3+炭化水素を含むガス流を窒素、メタン、エタン、及びプロパンを含む軽質留分と、プロパン及びその他のC3+炭化水素を含む重質留分を含む少なくとも二つの留分に分別し、
第一セパレーター中で軽質留分を窒素濃縮留分、中間窒素含量留分、及び窒素減少留分を含む少なくとも三つの留分に分離し、
窒素減少留分を圧縮し、冷却し、
第二セパレーター中でその圧縮され、冷却された窒素減少留分をプロパン濃縮留分及びプロパン減少留分に分離し、
プロパン濃縮留分の少なくとも一部を還流として分別に供給し、
プロパン減少留分の少なくとも一部を第一セパレーターに循環し、
ガス流、軽質留分、プロパン減少留分の一部、窒素濃縮留分、窒素減少留分、その圧縮され、冷却された窒素減少留分、中間窒素含量留分、及び冷媒の二つ以上の間で熱を交換し、そして
窒素濃縮留分を窒素除去ユニット中で分離し、
前記窒素濃縮留分を窒素除去ユニット中で分離する工程は、
-窒素濃縮留分を第一膜分離段階で分離して第一窒素減少天然ガス流及び第一窒素濃縮天然ガス流を製造し、
-第一窒素濃縮天然ガス流を第二膜分離段階で分離して第二窒素減少天然ガス流及び第二窒素濃縮天然ガス流を製造し、そして
-第二窒素減少天然ガス流の少なくとも一部を第一膜分離段階における分離に循環することを含み、そして
中間窒素含量留分及び第一窒素減少天然ガス流を混合して天然ガス製品流を生成することを含むことを特徴とする、天然ガス液の回収方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に開示された方法はセパレーター、例えば、蒸留カラム、フラッシュ容器、吸収剤カラム等を使用して、混合された供給原料を重質留分及び軽質留分に分離する。例えば、蒸留カラム中で、混合された供給原料が塔頂(軽質/蒸気)留分及びボトム(重質/液体)留分に分離されてもよく、この場合、主成分を混合物中のその他の成分から分離することが所望される。蒸留カラムは主成分を残りの成分からストリッピング又は蒸留するように運転され、主成分の“濃縮”又は“減少”された塔頂留分及びボトム留分を得る。当業者は“濃縮”及び“減少”という用語が軽質又は重質留分からの主成分の所望の分離を表すこと、及び“減少”が主成分の非ゼロ組成物を含み得ることを認めるであろう。供給原料流が、例えば、側部抜取を備えた蒸留カラムにより、三つ以上の留分に分離される場合、中間主成分含量の留分がまた生成されてもよい。
【0011】
一局面において、本明細書に開示された実施態様は炭化水素を含むガス流中のC3+成分の回収だけでなく、C1成分及びC2成分からの窒素の分離を含む、天然ガス製品流の精製及び製造に関する。C3+成分は、例えば、炭化水素露点温度要件を満足するために除去されてもよく、また窒素除去が天然ガスパイプラインセールス流中の不活性成分についての要件を満足するために行なわれてもよい。
【0012】
天然ガス液(NGL)は井戸から製造されたような現場ガス、又は種々の石油プロセスからのガス流から本明細書に開示された実施態様に従って回収されてもよい。本明細書に開示された実施態様に従って加工すべき典型的な天然ガス供給原料は窒素、二酸化炭素、メタン、エタン、プロパン及びその他のC3+成分、例えば、イソブタン、ノルマルブタン、ペンタン等を含んでもよい。或る実施態様において、天然ガス流は、およそのモル%で、60〜95%のメタン、約20%までのエタン及びその他のC2成分、約10%までのプロパン及びその他のC3成分、約5%までのC4+成分、約10%以上までの窒素、及び約1%までの二酸化炭素を含んでもよい。
【0013】
天然ガスの組成は、その源及びあらゆる上流の加工に応じて、変化してもよい。本明細書に開示された実施態様の方法は或る実施態様において約4モル%より大きく、その他の実施態様において5モル%、6モル%、7モル%、8モル%、9モル%、及び10モル%より大きい窒素の如き、高窒素含量を有する天然ガス源に特に有益である。上流の加工は、例えば、水除去(例えば、天然ガスをモレキュラーシーブ系と接触させることによる)、及び二酸化炭素除去(例えば、アミン系による)を含んでもよい。本明細書に開示された実施態様の方法は“冷間”及び“熱間”の窒素除去システムの両方を含んでもよく、この場合、“熱間”システムは二酸化炭素の凝固点よりも上の温度で窒素除去を行ない、こうして二酸化炭素除去がこのようなシステムについて必要とされないかもしれない。
【0014】
露点組成セールス要件及び不活性組成セールス要件の両方を満足する天然ガス流は本明細書に開示された実施態様に従って等圧開放冷凍システムを使用して製造し得る。その他の実施態様において、露点組成セールス要件及び不活性組成セールス要件の両方を満足する窒素ガス流は本明細書に開示された実施態様に従って等圧開放冷凍システム(窒素除去を含む)を使用して製造し得る。その方法はプラント中のガス圧力の意図的な低下なしにほぼ一定の圧力で実施し得る。上記のように、加工すべき現場ガス又はその他のガス流は適度の圧力、例えば、約20バール〜35バール(300〜500psig)に圧縮されてもよく、また約1ppm(質量基準)未満の水に乾燥されてもよい。次いでガスが本明細書に開示された実施態様の等圧開放冷凍システムで加工されて天然ガス液及び不活性ガスを天然ガスから除去してもよい。本明細書に開示された実施態様の等圧開放冷凍システムを使用する天然ガス流の加工は、以下に記載されるように、典型的な天然ガス加工、例えば、窒素除去ユニットと直列の低温分離の効率をはるかに超えて、天然ガス流からの窒素の高度に有効な分離を与え得る。
【0015】
窒素、メタン、エタン、及びプロパン並びにその他のC3+炭化水素を含む、天然ガス供給原料は、一つ以上の蒸留カラム/吸収剤カラムを使用して、分別されて天然ガス液留分(主としてC3+炭化水素)、混合冷媒(主としてC1炭化水素及びC2炭化水素)及び窒素濃縮留分を生成し得る。分離により生成された混合冷媒はまた熱交換媒体として使用されて、天然ガス供給原料の所望の分離のための熱交換能力の少なくとも一部を与え得る。
【0016】
或る実施態様において、混合冷媒の少なくとも一部がパイプラインセールス(4%以下の窒素及びその他の不活性成分を含む)に使用されてもよい。その他の実施態様において、混合冷媒の少なくとも一部が4%より大きい窒素含量を有するプロセス流と合わされて4%以下の窒素及びその他の不活性成分を含む、パイプラインセールスに適した流れを生じてもよい。
【0017】
窒素除去システムを含む実施態様において、窒素濃縮留分は窒素除去システム中で分離されて高btu留分(15%未満の不活性成分)及び低btu留分(15%より大きい不活性成分)を含む、二つの留分を回収してもよい。或る実施態様において、窒素濃縮留分が高btu留分(15モル%未満の不活性成分)、中間btu留分(15〜30モル%の不活性成分)、及び低btu留分(30モル%より大きい不活性成分)を含む、三つの留分に分離されてもよい。
或る実施態様において、高btu留分はパイプラインセールスに適した、4モル%以下の窒素、又は4%以下の窒素及びその他の不活性成分を含んでもよい。
【0018】
その他の実施態様において、4モル%より多い窒素又は窒素及び不活性成分を含む高btu留分は混合冷媒の一部と合わされてパイプラインセールスに適した天然ガス組成物を生成し得る。その方法で製造されたその他の低窒素含量流はまた高btu留分と合わされてパイプラインセールスに適した天然ガスを製造し得る。例えば、そのプロセス条件は混合冷媒が実質的に窒素を含まず、主としてメタン及びエタンを含むように調節されてもよい。窒素の少ない、驚くほど多量の天然ガスが、非常に少ない増分加工コストで混合冷媒システムから回収されてもよい。こうして、回収された天然ガスの極めて低い窒素含量のために、窒素濃縮留分は必要とされる一層低い程度の窒素分離で加工されてもよい。こうして、本明細書に開示された実施態様は窒素を除去するための通常の低温加工と較べてかなり少ない加工工程を必要とし得る。更に、本明細書に開示された実施態様は窒素を天然ガス流から除去するのに必要とされる電力を実質的に低減し得る。
【0019】
本明細書に開示された或る実施態様において、例えば、窒素、メタン、エタン、及びプロパン並びにその他のC3+炭化水素を含む、天然ガス供給原料が、窒素、メタン、エタン、及びプロパンを含む軽質留分と、プロパン及びその他のC3+炭化水素を含む、重質留分を含む、少なくとも二つの留分に分別し得る。分別は、例えば、軽質炭化水素及び重質炭化水素を分離するための単一蒸留カラム中で行なわれてもよい。
次いで軽質留分が、例えば、フラッシュドラム、蒸留カラム、又は吸収剤カラム中のように、窒素濃縮留分及び窒素減少留分を含む、少なくとも二つの留分に分離されてもよい。
【0020】
次いで窒素減少留分は分離されて追加の天然ガス液、例えば、プロパンを回収してもよく、また、例えば、メタン及びエタンを含む、混合冷媒を生成してもよい。窒素減少留分はフラッシュドラム、蒸留カラム、又はその他の分離装置中で分離されてプロパン濃縮留分を生成してもよく、以下に記載されるように、追加の天然ガス液、及びプロパン減少留分(これはその方法で混合冷媒として使用されてもよい)の回収を可能にする。次いでプロパン濃縮留分が天然ガス液をガス供給原料から分別するための蒸留カラムに循環されてもよい。或る実施態様において、プロパン濃縮留分が蒸留カラムのための還流として使用されてもよい。
【0021】
次いでメタン、プロパン、及び窒素を含む、窒素濃縮留分は、窒素除去システムに供給されてもよい。例えば、或る実施態様において、窒素除去システムは膜分離システムを含んでもよい。或る実施態様において、膜分離システムは二酸化炭素と適合性の、熱間システムである。低温システム、圧力スイング吸着システム、吸収システム、並びに窒素及び軽質炭化水素の分離のためのその他の方法を含む、その他の窒素除去システムがまた使用されてもよい。
【0022】
膜窒素除去ユニットはメタン及びエタンが膜中を選択的に透過して、窒素濃縮流を高圧側に残すゴム状膜を含んでもよい。膜窒素除去ユニットは幾つかの異なる形状を有してもよく、また高度の分離を得るために内部圧縮要件を有してもよい。膜窒素分離ユニットは窒素濃縮留分供給原料を三つの流れ(セールスガスを製造するために混合冷媒の一部とブレンドされてもよい高btuガス、燃料に使用されてもよく、又は更なる加工のための窒素除去システム内で内部で循環されてもよい中間btuガス、及び高窒素含量、例えば、30又は40モル%より大きい窒素を有する低btuガスを含む)に分離してもよい。混合冷媒は窒素規格を超えるので、膜窒素除去ユニットからの高btu流はパイプライン規格量より大きい量の窒素を含んでもよく、こうして窒素除去システム内の分離要件を緩和する。膜窒素除去ユニットからの低窒素混合冷媒及び高btuガスは圧縮され、合わされてもよく、パイプラインセールスについての4モル%窒素規格を満足する。
【0023】
上記のように、本明細書に開示された方法は高レベルのNGL回収に必要な低温を得るために開放ループ混合冷媒方法を使用する。単一蒸留カラムが重質炭化水素を軽質成分から分離するのに利用されてもよい。蒸留カラムからの塔頂流が冷却されて塔頂流を部分的に液化する。部分液化された塔頂流が軽質成分を含む蒸気流と、混合冷媒として利用できる液体成分に分離される。混合冷媒はプロセス冷却を与え、また混合冷媒の一部は蒸留カラムで主成分を濃縮するための還流として使用される。蒸留カラム中で濃縮されたガスにより、蒸留カラムの塔頂流が一層温かい温度で凝縮し、蒸留カラムがNGLの高度の回収に典型的に使用されるよりも温かい温度で運転する。その方法はジュール-トンプソン弁又はターボエキスパンダーに基づくプラント中のようにガスを膨張させないで、かつ唯一の蒸留カラムにより所望のNGL成分の高度の回収を達成する。
【0024】
天然ガス液回収のためのターボエキスパンダー及び通常の窒素除去システムを使用することと較べて、本明細書に記載された窒素除去システムによる等圧開放冷凍は必要とされる膜面積及び窒素除去に関する電力消費を軽減し得る。或る実施態様において、膜面積が75%以上まで減少されてもよく、また電力消費が58%以上まで減少されてもよい。
上記のように、混合冷媒はNGLガスの高度の回収に必要とされる温度を得るためのプロセス冷却を与え得る。混合冷媒は供給原料ガス中の軽質炭化水素と重質炭化水素の混合物を含んでもよく、或る実施態様では供給原料ガスと較べて一層軽質の炭化水素が濃縮される。
【0025】
本明細書に開示された方法は高レベルのプロパン回収を得るのに使用されてもよい。或る実施態様において、供給原料中の99%以上程度の多くのプロパンがパイプラインセールスのために回収される天然ガス(セールスガス)とは別に、その方法で回収されてもよい。その方法はまたプロパンとともにかなりの量のエタンを回収し、又はパイプラインセールスのために回収される天然ガスとともにエタンの殆どを除く様式で操作されてもよい。また、その方法は供給原料流の高%のC4+成分を回収し、セールスガスとともにC3及び軽質成分を排出するように操作し得る。
【0026】
図1には、本明細書に開示された実施態様の等圧開放冷凍天然ガス液回収による窒素除去方法の簡素化された工程系統図が示される。その方法のための操作パラメーター、例えば、温度、圧力、流量及び種々の流れの組成がNGLの所望の分離及び回収を得るために確立されることが理解されるべきである。必要とされる操作パラメーターはまた供給原料ガスの組成に依存する。必要とされる操作パラメーターは、例えば、コンピュータシミュレーションを含む、既知の技術を使用して当業者により直ぐに決定し得る。
【0027】
供給原料ガスがライン12を通って主熱交換機10に供給される。マルチパス熱交換機が示されているが、多くの熱交換機の使用が同様の結果を得るために使用されてもよい。供給原料ガスは天然ガス、製油所ガス又は分離を必要とするその他のガス流であってもよい。供給原料ガスは典型的にはプラントに供給される前に濾過され、脱水されてNGLユニット中の凍結を防止する。供給原料ガスは典型的には約43℃〜54℃(110°F〜130°F)の温度及び約7バール〜31バール(100psia〜450psia)の圧力で主熱交換機に供給される。供給原料ガスは一層冷たいプロセス流及び/又は冷媒(これはそのプロセスに必要な追加の冷却を与えるのに必要な量でライン15を経由して主熱交換機に供給されてもよい)との間接的な熱交換により主熱交換機10中で冷却され、部分的に液化される。温かい冷媒、例えば、プロパンが供給原料ガスに必要な冷却を与えるのに使用されてもよい。供給原料ガスは主熱交換機中で約-18℃〜-40℃(0°F〜-40°F)の温度に冷却されてもよい。
【0028】
冷たい供給原料ガスが主熱交換機10を出て、供給ライン13を経由して蒸留カラム20に供給される。蒸留カラム20は供給原料ガスの圧力よりわずかに下の圧力で、典型的には供給原料ガスの圧力より約0.3〜0.7バール(5〜10psi)小さい圧力で作動する。蒸留カラム中で、重質炭化水素、例えば、プロパン及びその他のC3+成分が、軽質炭化水素、例えば、エタン、メタン及びその他のガスから分離される。重質炭化水素成分が液体ボトム中で蒸留カラムからライン16を通って出て、一方、軽質成分が蒸気塔頂ライン14を通って出る。或る実施態様において、ボトム流16が約65℃〜149℃(150°F〜300°F)の温度で蒸留カラムを出て、塔頂流14が約-23℃〜-62℃(-10°F〜-80°F)の温度で蒸留カラムを出る。
【0029】
蒸留カラムからのボトム流16が製品流18とリボイラー30に向けられるリボイル流22に分けられる。必要により、製品流18がクーラー(示されていない)中で約15℃〜54℃(60°F〜130°F)の温度に冷却されてもよい。製品流18は供給原料ガス流中の重質炭化水素を高度に濃縮される。
図1に示された実施態様において、製品流がプロパン及び重質成分を濃縮されてもよく、エタン及び軽質ガスが下記のように更に加工される。また、プラントは製品流がC4+炭化水素を重度に濃縮され、プロパンが製造されたセールスガス中にエタンとともに除去される。リボイル流22がリバイラー30中で加熱されて熱を蒸留カラムに与える。蒸留カラムに典型的に使用されるあらゆる型のリボイラーが使用されてもよい。
【0030】
蒸留カラム塔頂流14が主熱交換機10に流入し、そこでそれがプロセスガスとの間接的な熱交換により冷却されてその流れを少なくとも部分的に液化し、又は完全に(100%)液化する。蒸留カラム塔頂流がライン19を通って主熱交換機10を出て、充分に冷却されて以下に記載されるように混合冷媒を生成する。或る実施態様において、蒸留カラム塔頂流が主熱交換機10中で約-34℃〜-90℃(-30°F〜-130°F)に冷却される。
冷却され、部分的に液化された流れ19及び還流セパレーター40からの塔頂流28(調節弁75の後の流れ32)が蒸留カラム塔頂セパレーター60に供給されてもよい。
【0031】
蒸留カラム塔頂流19及び還流ドラム塔頂流32中の成分が塔頂セパレーター60中で塔頂流42、側部抜取留分51、及びボトム流34に分離される。蒸留カラム塔頂セパレーター60からの塔頂流42はメタン、エタン、窒素、及びその他の軽質成分を含み、窒素含量を濃縮される。側部抜取留分51は中間窒素含量のものであってもよい。蒸留カラム塔頂セパレーター60からのボトム流34は主熱交換機10中の冷却に使用される液体混合冷媒であり、これは窒素含量が減少されていてもよい。側部抜取留分はフロー弁95にわたって圧力を低下されてもよく、統合熱交換システム中の使用のために熱交換機10に供給され、フローライン52により回収される。
【0032】
塔頂流42中の成分が主熱交換機10に供給され、温められる。典型的なプラント中で、塔頂セパレーター60から流れ42により回収された塔頂留分は約-40℃〜-84℃(-40°F〜-120°F)の温度及び約5バール〜30バール(85psia〜435psia)の圧力である。主交換機10中の熱交換後に、流れ43により熱交換機10から回収された塔頂留分は約37℃〜49℃(100°F〜120°F)の温度であってもよい。塔頂留分は窒素含量を濃縮され、低btu天然ガス流として流れ43により回収されてもよい。
【0033】
上記された混合冷媒は、ボトムライン34により蒸留カラム塔頂セパレーター60から回収される。混合冷媒の温度は調節弁65にわたって冷媒の圧力を低下することにより低下されてもよい。混合冷媒の温度は主熱交換機10中の必要な冷却を与えるのに充分に冷たい温度に低下される。混合冷媒はライン35を通って主熱交換機に供給される。主熱交換機に入る混合冷媒の温度は典型的には約-51℃〜-115℃(-60°F〜-175°F)である。調節弁65が混合冷媒の温度を低下するのに使用される場合、温度が典型的には約6℃〜10℃(20°F〜50°F)だけ低下され、圧力が約6バール〜17バール(90〜250psi)だけ低下される。混合冷媒が蒸発され、それが主熱交換機10を通過し、ライン35aを通って出る際に過熱される。主熱交換機を出る混合冷媒の温度は約26℃〜38℃(80°F〜100°F)である。
【0034】
主熱交換機10を出た後に、混合冷媒がコンプレッサー80に供給される。混合冷媒が約110℃〜177℃(230°F〜350°F)の温度で、蒸留カラムの操作圧力よりも1バール〜2バール(15psi〜25psi)大きい圧力に圧縮される。混合冷媒を蒸留カラム圧力よりも大きい圧力に圧縮することにより、還流ポンプが必要とされない。圧縮された混合冷媒がライン36を通ってクーラー90に流入し、そこでそれが約21℃〜54℃(70°F〜130°F)の温度に冷却される。必要により、クーラー90が省かれてもよく、圧縮された混合冷媒が主熱交換機10に直接流入してもよい。次いで圧縮された混合冷媒がライン38を通って主熱交換機10に流入し、そこでそれが更に冷却され、部分的に液化される。混合冷媒が主熱交換機中で約-9℃〜-57℃(15°F〜-70°F)の温度に冷却される。部分液化された混合冷媒がライン39を通って還流セパレーター40に導入される。前記されたように、還流セパレーター40からの塔頂流28及び蒸留カラム20からの塔頂流14が蒸留カラム塔頂セパレーター60に供給される。還流セパレーター40からの液体ボトム26が還流26として蒸留カラム20に逆に供給される。調節弁75、85がコンプレーサーの圧力を保持して凝縮を促進するのに使用されてもよい。
【0035】
還流(流れ26により供給される)として使用される混合冷媒が蒸留カラム20を気相成分で濃縮する。濃縮された蒸留カラム中のガスにより、カラムの塔頂流が一層温かい温度で凝縮し、蒸留カラムがNGLの高度の回収に通常必要とされるよりも温かい温度で運転する。
【0036】
蒸留カラム20への還流はまた塔頂留分中の重質炭化水素を減少する。例えば、プロパンの回収方法において、還流が蒸留カラム中のエタンのモル分率を増大し、これが塔頂流を凝縮することを一層容易にする。その方法は、1回低温冷媒として、そして2回目の時点で蒸留カラムのための還流として、蒸留カラム塔頂セパレーター中で2回凝縮された液体を使用する。
【0037】
非常に低い窒素含量を有する、フローライン28中の混合冷媒の少なくとも一部が、セパレーター60の前にフロー流32exにより回収されてもよい。或る実施態様において、フロー流32exにより回収された部分がパイプラインセールスに使用されてもよい。その他の実施態様において、1モル%未満の窒素を有する、混合冷媒流32exが、4%より大きい窒素を有する高又は中間btu天然ガスプロセス流と混合されて4%以下の窒素を有するパイプラインセールス流をもたらしてもよい。例えば、混合冷媒流32exが流れ52(側部抜取)中の中間btu天然ガスと合わされてパイプラインセールスに適した天然ガス流をもたらしてもよい。流れ32ex及び52の流量は得られる製品流48が4モル%未満の窒素(不活性)含量を有するようなものであってもよい。或る実施態様において、フロー流32exが主熱交換機10に供給されてもよく、熱伝達後に、混合冷媒が中間btu流52との混合のためにフローライン41を経由して熱交換機10から回収されてもよい。その他のプロセス流がまたその他の実施態様で混合冷媒流32exと混合されてもよい。
【0038】
本明細書に開示された実施態様の方法は実質的なプロセス融通性を可能にし、上記のように、広範囲の窒素含量を有する供給原料ガス流を有効に加工する能力を与える。
図1に関して記載された実施態様は天然ガスセールス流としての供給原料ガスbtu値の大半の回収を可能にする。本明細書に開示された実施態様の等圧開放冷凍方法は更に高又は中間窒素含量流からの窒素の分離を含んでもよく、btu値の付加的な回収又はプロセス条件及び供給原料ガス窒素含量に関する付加的な融通性を可能にする。
【0039】
図2には、本明細書に開示された実施態様の等圧開放冷凍天然ガス液回収による窒素除去方法の簡素化された工程系統図が示され、この場合、同様の番号が同様の部品を表す。方法についての操作パラメーター、例えば、温度、圧力、流量及び種々の流れの組成が、NGLの所望の分離及び回収を得るために確立されることが理解されるべきである。必要とされる操作パラメーターはまた供給原料ガスの組成に依存する。必要とされる操作パラメーターは、例えば、コンピュータシミュレーションを含む、既知の技術を使用して当業者により直ぐに決定し得る。
【0040】
供給原料ガスがライン12を通って主熱交換機10に供給される。マルチパス熱交換機が示されているが、多くの熱交換機の使用が同様の結果を得るために使用されてもよい。供給原料ガスは天然ガス、製油所ガス又は分離を必要とするその他のガス流であってもよい。供給原料ガスは典型的にはプラントに供給される前に濾過され、脱水されてNGLユニット中の凍結を防止する。供給原料ガスは典型的には約43℃〜54℃(110°F〜130°F)の温度及び約7バール〜31バール(100psia〜450psia)の圧力で主熱交換機に供給される。供給原料ガスは一層冷たいプロセス流及び/又は冷媒(これはそのプロセスに必要な追加の冷却を与えるのに必要な量でライン15を経由して主熱交換機に供給されてもよい)との間接的な熱交換により主熱交換機10中で冷却され、部分的に液化される。温かい冷媒、例えば、プロパンが供給原料ガスに必要な冷却を与えるのに使用されてもよい。供給原料ガスは主熱交換機中で約-18℃〜-40℃(0°F〜-40°F)の温度に冷却されてもよい。
【0041】
冷たい供給原料ガスが主熱交換機10を出て、供給ライン13を経由して蒸留カラム20に供給される。蒸留カラム20は供給原料ガスの圧力よりわずかに下の圧力で、典型的には供給原料ガスの圧力より約0.3〜0.7バール(5〜10psi)小さい圧力で作動する。蒸留カラム中で、重質炭化水素、例えば、プロパン及びその他のC3+成分が、軽質炭化水素、例えば、エタン、メタン及びその他のガスから分離される。重質炭化水素成分が液体ボトム中で蒸留カラムからライン16を通って出て、一方、軽質成分が蒸気塔頂ライン14を通って出る。或る実施態様において、ボトム流16が約65℃〜149℃(150°F〜300°F)の温度で蒸留カラムを出て、塔頂流14が約-23℃〜-62℃(-10°F〜-80°F)の温度で蒸留カラムを出る。
【0042】
蒸留カラムからのボトム流16が製品流18とリボイラー30に向けられるリボイル流22に分けられる。必要により、製品流18がクーラー(示されていない)中で約15℃〜54℃(60°F〜130°F)の温度に冷却されてもよい。製品流18は供給原料ガス流中の重質炭化水素を高度に濃縮される。
図2に示された実施態様において、製品流がプロパン及び重質成分を濃縮されてもよく、エタン及び軽質ガスが下記のように更に加工される。また、プラントは製品流がC4+炭化水素を重度に濃縮され、プロパンが製造されたセールスガス中にエタンとともに除去される。リボイル流22がリバイラー30中で加熱されて熱を蒸留カラムに与える。蒸留カラムに典型的に使用されるあらゆる型のリボイラーが使用されてもよい。
【0043】
蒸留カラム塔頂流14が主熱交換機10に流入し、そこでそれがプロセスガスとの間接的な熱交換により冷却されてその流れを部分的に、又は完全に(100%)液化する。蒸留カラム塔頂流がライン19を通って主熱交換機10を出て、充分に冷却されて以下に記載されるように混合冷媒を生成する。或る実施態様において、蒸留カラム塔頂流が主熱交換機10中で約-34℃〜-90℃(-30°F〜-130°F)に冷却される。
【0044】
冷却され、部分的に液化された流れ19が還流セパレーター40からの塔頂流28(調節弁75の後の流れ32)と合わされ、蒸留カラム塔頂セパレーター60に供給されてもよい。また、流れ19が
図2に示されるように、還流セパレーター40からの塔頂流28(32)と合わされないで蒸留カラム塔頂セパレーター60に供給されてもよい。
【0045】
蒸留カラム塔頂流19及び還流ドラム塔頂流32中の成分が塔頂セパレーター60中で塔頂流42及びボトム流34に分離される。蒸留カラム塔頂セパレーター60からの塔頂流42はメタン、エタン、窒素、及びその他の軽質成分を含む。蒸留カラム塔頂セパレーター60からのボトム流34は主熱交換機10中の冷却に使用される液体混合冷媒である。
【0046】
塔頂流42中の成分が主熱交換機10に供給され、温められる。典型的なプラント中で、塔頂セパレーター60から流れ42により回収された塔頂留分は約-40℃〜-84℃(-40°F〜-120°F)の温度及び約5バール〜30バール(85psia〜435psia)の圧力である。主熱交換機10中の熱交換後に、流れ43により熱交換機10から回収された塔頂留分は約37℃〜49℃(100°F〜120°F)の温度であってもよい。塔頂留分は更なる加工のためにライン43を経由して窒素除去システム100に送られる。
【0047】
上記された混合冷媒は、ボトムライン34により蒸留カラム塔頂セパレーター60から回収される。混合冷媒の温度は調節弁65にわたって冷媒の圧力を低下することにより低下されてもよい。混合冷媒の温度は主熱交換機10中の必要な冷却を与えるのに充分に冷たい温度に低下される。混合冷媒はライン35を通って主熱交換機に供給される。主熱交換機に入る混合冷媒の温度は典型的には約-51℃〜-115℃(-60°F〜-175°F)である。調節弁65が混合冷媒の温度を低下するのに使用される場合、温度が典型的には約6℃〜10℃(20°F〜50°F)だけ低下され、圧力が約6バール〜17バール(90〜250psi)だけ低下される。混合冷媒が蒸発され、それが主熱交換機10を通過し、ライン35aを通って出る際に過熱される。主熱交換機を出る混合冷媒の温度は約26℃〜38℃(80°F〜100°F)である。
【0048】
主熱交換機10を出た後に、混合冷媒がコンプレッサー80に供給される。混合冷媒が約110℃〜177℃(230°F〜350°F)の温度で、蒸留カラムの操作圧力よりも1バール〜2バール(15psi〜25psi)大きい圧力に圧縮される。混合冷媒を蒸留カラム圧力よりも大きい圧力に圧縮することにより、還流ポンプが必要とされない。圧縮された混合冷媒がライン36を通ってクーラー90に流入し、そこでそれが約21℃〜54℃(70°F〜130°F)の温度に冷却される。必要により、クーラー90が省かれてもよく、圧縮された混合冷媒が主熱交換機10に直接流入してもよい。次いで圧縮された混合冷媒がライン38を通って主熱交換機10に流入し、そこでそれが更に冷却され、部分的に液化される。混合冷媒が主熱交換機中で約-9℃〜-57℃(15°F〜-70°F)の温度に冷却される。部分液化された混合冷媒がライン39を通って還流セパレーター40に導入される。前記されたように、還流セパレーター40からの塔頂流28及び蒸留カラム20からの塔頂流14が蒸留カラム塔頂セパレーター60に供給される。還流セパレーター40からの液体ボトム流26が還流26として蒸留カラム20に逆に供給される。調節弁75、85がコンプレーサーの圧力を保持して凝縮を促進するのに使用されてもよい。
【0049】
還流として使用される混合冷媒が蒸留カラム20を気相成分で濃縮する。濃縮された蒸留カラム中のガスにより、カラムの塔頂流が一層温かい温度で凝縮し、蒸留カラムがNGLの高度の回収に通常必要とされるよりも温かい温度で運転する。
【0050】
蒸留カラム20への還流はまた塔頂留分中の重質炭化水素を減少する。例えば、プロパンの回収方法において、還流が蒸留カラム中のエタンのモル分率を増大し、これが塔頂流を凝縮することを一層容易にする。その方法は、1回低温冷媒として、そして2回目の時点で蒸留カラムのための還流として、蒸留カラム塔頂セパレーター中で2回凝縮された液体を使用する。
【0051】
上記のように、メタン、エタン、窒素、及びその他の軽質成分を含む、セパレーター60からの塔頂留分が、ライン43を経由して窒素除去システム100に供給される。窒素除去ユニット100が一種以上の留分中の窒素を濃縮するのに使用されてもよい。例えば、膜分離ユニットの如き、窒素除去ユニット100が、窒素減少天然ガス留分47及び窒素濃縮天然ガス留分49を製造するのに使用されてもよい。或る実施態様において、窒素減少天然ガス留分が4モル%未満の窒素(不活性)含量を有してもよい。
【0052】
図3には、窒素分離ユニット100のための一つの可能な実施態様が示され、そこでは同様の番号が同様の部品を表す。この実施態様において、窒素含有流43がコンプレッサー150及びアフタークーラー155を含む、第一圧縮段階に供給される。次いでメタン、エタン、窒素、及びその他の軽質成分を含む、フローライン156中の圧縮され、冷却された成分が、ゴム状膜を含む、膜分離装置158と接触させられてもよく、メタン及びエタンが膜中を選択的に透過することを可能にし、窒素を高圧側158Hで濃縮する。窒素減少天然ガス留分がフローライン159を経由して低圧側158Lから回収されてもよい。次いで窒素減少天然ガス留分がフローライン159を経由してコンプレッサー160及びアフタークーラー165を含む、第二圧縮段階に供給されてもよく、圧縮され、冷却された窒素減少天然ガス留分(これは上記されたように、フローライン47を経由して回収されてもよい)をもたらす。
【0053】
窒素濃縮留分が高圧側158Hから回収されてもよく、フローライン166を経由して第二膜分離装置168(また、ゴム状膜を含む)に供給されてもよく、メタン及びエタンが膜中を選択的に透過することを可能にし、窒素を高圧側168Hで濃縮する。低btu留分の如き、天然ガス留分がフローライン49を経由して高圧側168Hから回収されてもよい。窒素減少留分がフローライン169を経由して低圧側168Lから回収されてもよく、圧縮段階(コンプレッサー170及びアフタークーラー175を含む)に供給されてもよく、圧縮された窒素減少留分413(これは第一膜分離ユニット158の上流に循環されて付加的な軽質炭化水素を回収してもよい)をもたらす。
【0054】
窒素分離ユニット100で得られる分離の程度は使用されるフロースキームに応じて変化し得る。例えば、約8モル%の窒素を含む供給原料ガス43が膜分離ユニット158に供給されてもよい。分離後に、約4モル%以下の窒素を含む窒素減少天然ガス留分(高btu留分)がフローライン47により回収されてもよく、ライン43中の供給原料ガスと較べて窒素濃縮留分(低btu留分)(約40モル%以上の窒素を含む)がフローライン49により回収されてもよい。この例において、フローライン47により回収された窒素減少天然ガス留分が4モル%未満の窒素を含む、セールスガスとして直接使用されてもよい。
【0055】
別の例として、約18モル%の窒素を含む供給原料ガス43が膜分離ユニット158に供給されてもよい。分離後に、約10モル%以下の窒素を含む窒素減少天然ガス留分(高btu留分)がフローライン47により回収されてもよく、ライン43中の供給原料ガスと較べて窒素濃縮留分(低btu留分)(約40モル%以上の窒素を含む)がフローライン49により回収されてもよい。この例において、フローライン47により回収された窒素減少天然ガス留分が冷媒流32からのようなメタン及びエタンで希釈されてもよく、4モル%未満の窒素を含む、セールスガスとしての使用に適した天然ガス製品流をもたらす。
【0056】
図4(この図では、同様の番号が同様の部品を表す)には、膜窒素分離ユニット100についての第二の選択肢が示される。この実施態様において、窒素濃縮留分413が循環されず、高btu流(流れ47)、低btu流(流れ49)、及び中間btu流(流れ413)の製造をもたらし、夫々が膜窒素分離ユニット100から回収される。
【0057】
図5には、本明細書に開示された実施態様の等圧開放冷凍天然ガス液回収による窒素除去方法の簡素化された工程系統図が示され、この図では、同様の番号が同様の部品を表す。この実施態様において、非常に低い窒素含量を有する、フローライン28中の混合冷媒の一部が、フローライン32exにより供給されてもよく、高btu流47と合わされてもよく、不活性ガス成分要件を満足する天然ガス製品をもたらす。例えば、1モル%未満の窒素を有する、混合冷媒流32exが、窒素除去ユニット100からの高btu天然ガス製品流47(4%よりも大きい窒素を有する)と混合されてもよい。流れ32ex及び47の流量は得られる製品流48が4モル%未満の窒素(不活性)含量を有するようなものであってもよい。或る実施態様において、フロー流32exが主熱交換機10に供給されてもよく、熱伝達後に、混合冷媒が高btu流47との混合のためにフローライン41を経由して熱交換機10から回収されてもよい。
【0058】
図6には、本明細書に開示された実施態様の等圧開放冷凍天然ガス液回収による窒素除去方法の簡素化された工程系統図が示され、この図では、同様の番号が同様の部品を表す。
図2について、混合冷媒28が圧力調節弁75にわたって圧力を低下され、
図2に上記されたように、フローライン32を経由してセパレーター60に供給される。この実施態様において、セパレーター60が塔頂留分14及び混合冷媒28を三つの留分に分離するのに使用されてもよい。窒素を濃縮され、プロパンを減少された塔頂留分が窒素分離ユニット100中の加工のためにフローライン42を経由してセパレーター60から回収されてもよい。窒素を減少され、プロパンを濃縮された、ボトム留分がフローライン34を経由してセパレーター60から回収されてもよい。第三留分として、中間プロパン及び窒素の留分がフローライン51により側部抜取として回収されてもよい。次いで側部抜取留分がフロー弁95にわたって圧力を低下されてもよく、統合熱交換システム中の使用のために熱交換機10に供給されてもよく、高btu流47との混合のためにフローライン52により供給されてもよく、パイプラインセールスにおける使用に適した窒素(不活性)組成(即ち、4モル%未満の窒素/不活性ガス)を有する天然ガス製品流48をもたらす。
【0059】
図7には、本明細書に開示された実施態様の等圧開放冷凍天然ガス液回収による窒素除去方法の簡素化された工程系統図が示され、この図では、同様の番号が同様の部品を表す。フロースキームの大半は
図1及び5(側部抜取51を含む)について記載されたものと同様である。更に、窒素分離ユニット100が
図4に関して示され、記載されたとおりである。この実施態様において、中間btuガス流413が窒素及び軽質炭化水素の付加的な分離及び回収のためにセパレーター60に循環されてもよい。循環中に、熱が熱交換機10中で中間btuガス流413と交換されてもよく、また所望により、追加の熱が熱交換機110中で側部抜取51と交換されてもよく、セパレーター60に供給される冷却された循環413Aをもたらす。
【実施例】
【0060】
以下の実施例はモデリング技術に由来する。研究は既に行なわれたが、出願人は適用しうる規則に従って、以下の実施例を過去時制で示していない。
【実施例1】
【0061】
図1に示されたものと同様のプロセスフロースキームをシミュレートする。表1に示された組成を有するガス供給原料を等圧開放冷凍天然ガス液回収による窒素除去方法に供給する。供給原料ガスの供給速度を49℃(120°F)の温度及び29バール(415psig)の圧力で11,022kg/h(24,300ポンド/h)にセットする。次いでガス供給原料を
図1に示されたように加工して高btu(混合冷媒)流41、中間btu流52、及び低btu流43を生じる。そのシミュレーションの結果を表1に提示する。
【0062】
主要パラメーターをそのシミュレーションで制御する。流れ15からの一次冷凍をセットアップして供給原料及び混合冷媒を冷却及び/又は部分凝縮し、冷媒温度を調節して熱伝達及び電力要求を最適化することができる。リボイラー熱を調節してエタン対プロパン比又はその他のNGL製品仕様を制御する。流れ35の圧力及び温度が主要パラメーターである。これは低温混合冷媒についての主制御パラメーターである。流れ35の圧力を低下する場合、相当する温度が低下し、流れ19の温度が低下し、混合冷媒の量が増大する。それ故、この流れ35の圧力パラメーターが蒸留カラム20への還流を変化し、塔頂流の純度を変化する。また、流れ35の圧力、温度及び流量を調節して主熱交換機10中の熱伝達要件を満たす。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
実施例2-5
【0065】
実施例2-5におけるシミュレーション研究の夫々につき、表2に示される組成を有するガス供給原料を等圧開放冷凍天然ガス液回収による窒素除去方法に供給する。供給原料ガスの供給速度を49℃(120°F)の温度及び29バール(415psig)の圧力で11,181 kg/h(24,650ポンド/h)にセットする。
【0066】
【表3】
【実施例2】
【0067】
図2に示されたものと同様のプロセスフロースキームをシミュレートし、この場合、窒素分離ユニット100は
図3に示されたとおりである。主要パラメーターをそのシミュレーションで制御する。流れ15からの一次冷凍をセットアップして供給原料及び混合冷媒を冷却及び/又は部分凝縮し、冷媒温度を調節して熱伝達及び電力要求を最適化することができる。リボイラー熱を調節してエタン対プロパン比又はその他のNGL製品仕様を制御する。流れ35の圧力及び温度が主要パラメーターである。これは低温混合冷媒についての主制御パラメーターである。流れ35の圧力を低下する場合、相当する温度が低下し、流れ19の温度が低下し、混合冷媒の量が増大する。それ故、この流れ35の圧力パラメーターが蒸留カラム20への還流を変化し、塔頂流の純度を変化する。また、流れ35の圧力、温度及び流量を調節して主熱交換機10中の熱伝達要件を満たす。夫々の分離段階で必要とされる膜のサイズを計算しつつ、窒素分離ユニット100を制御して4モル%の窒素含量を有する窒素減少(高btu)留分47を生じる。膜サイジングについて、窒素と比較してメタンを通過させるための膜の選択性を3対1にセットする。そのシミュレーションの結果を表3に示し、実施例2-5についての設備要件及び膜サイジングを表7中で比較する。
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【実施例3】
【0070】
図5に示されたものと同様のプロセスフロースキームをシミュレートし、この場合、窒素分離ユニット100は
図3に示されたとおりである。主要パラメーターをそのシミュレーションで制御する。流れ15からの一次冷凍をセットアップして供給原料及び混合冷媒を冷却及び/又は部分凝縮し、冷媒温度を調節して熱伝達及び電力要求を最適化することができる。リボイラー熱を調節してエタン対プロパン比又はその他のNGL製品仕様を制御する。流れ35の圧力及び温度が主要パラメーターである。これは低温混合冷媒についての主制御パラメーターである。流れ35の圧力を低下する場合、相当する温度が低下し、流れ19の温度が低下し、混合冷媒の量が増大する。それ故、この流れ35の圧力パラメーターが蒸留カラム20への還流を変化し、塔頂流の純度を変化する。また、流れ35の圧力、温度及び流量を調節して主熱交換機10中の熱伝達要件を満たす。流れ32ex中の輸出に利用できる低窒素天然ガスの量を増大するために、流れ35の温度を低下して混合冷媒が物質流量及びメタン含量の増大を有するようにさせて過剰の混合冷媒が流れ32ex中でそのシステムから去るようにする。流れ35が一層冷たく流れるが、それが増大されたメタン含量のために最終的に高圧であり得る。流れ32の流量を調節してセパレーター60中にストリッピングガスを与える。流れ32は窒素が少なく、窒素を混合冷媒源流34からストリッピングする。必要とされる膜(また、3:1の選択性を有する)のサイズを計算しつつ、窒素分離ユニット100を制御して40モル%の窒素含量を有する窒素濃縮(低btu)留分49を生じる。総合のフローシート計算制御をセットして天然ガスセールス流48に4モル%の窒素含量を持たせる。そのシミュレーションの結果を表4に示し、実施例2-5についての設備要件及び膜サイジングを表7中で比較する。
【0071】
【表6】
【0072】
【表7】
【実施例4】
【0073】
図6に示されたものと同様のプロセスフロースキームをシミュレートし、この場合、窒素分離ユニット100は
図3に示されたとおりである。主要パラメーターをそのシミュレーションで制御する。流れ15からの一次冷凍をセットアップして供給原料及び混合冷媒を冷却及び/又は部分凝縮し、冷媒温度を調節して熱伝達及び電力要求を最適化することができる。リボイラー熱を調節してエタン対プロパン比又はその他のNGL製品仕様を制御する。流れ35の圧力及び温度が主要パラメーターである。これは低温混合冷媒についての主制御パラメーターである。流れ35の圧力を低下する場合、相当する温度が低下し、流れ19の温度が低下し、混合冷媒の量が増大する。流れ35の圧力、温度及び流量を調節して主熱交換機10中の熱伝達要件を満たす。輸出に利用できる低窒素天然ガスの量を増大するために、流れ35の温度を低下して混合冷媒が物質流量及びメタン含量の増大を有し、過剰の混合冷媒がそのシステムから去るようにする。流れ35が一層冷たく流れるが、それが増大されたメタン含量のために最終的に高圧であり得る。流れ32ex中の低窒素天然ガスを除去する別法として、液体天然ガス、流れ51又は冷たい天然ガス蒸気をこのカラム中の位置(そこで窒素が適切に減少される)でセパレーター60から回収する。流れ39の温度及び圧力を微同調させて流れ26中の還流の流量を調節することができる。還流26の増大が蒸留カラム60塔頂中の重質主要成分の量を低下する。必要とされる膜(また、3:1の選択性を有する)のサイズを計算しつつ、窒素分離ユニット100を制御して40モル%の窒素含量を有する窒素濃縮(低btu)留分49を生じる。総合のフローシート計算制御をセットして天然ガスセールス流48に4モル%の窒素含量を持たせる。そのシミュレーションの結果を表5に示し、実施例2-5についての設備要件及び膜サイジングを表7中で比較する。
【0074】
【表8】
【0075】
【表9】
【実施例5】
【0076】
図7に示されたものと同様のプロセスフロースキームをシミュレートし、この場合、窒素分離ユニット100は
図4に示されたとおりである。主要パラメーターをそのシミュレーションで制御する。流れ15からの一次冷凍をセットアップして供給原料及び混合冷媒を冷却及び/又は部分凝縮し、冷媒温度を調節して熱伝達及び電力要求を最適化することができる。リボイラー熱を調節してエタン対プロパン比又はその他のNGL製品仕様を制御する。流れ35の圧力及び温度が主要パラメーターである。これは低温混合冷媒についての主制御パラメーターである。流れ35の圧力を低下する場合、相当する温度が低くなり、流れ19の温度が低くなり、混合冷媒の量が増大する。流れ35の圧力、温度及び流量を調節して主熱交換機10中の熱伝達要件を満たす。輸出に利用できる低窒素天然ガスの量を増大するために、流れ35の温度を低下して混合冷媒が物質流量及びメタン含量の増大を有し、過剰の混合冷媒がそのシステムから去るようにする。流れ35が一層冷たく流れるが、それが増大されたメタン含量のために最終的に高圧であり得る。液体天然ガス、流れ51をこのカラム中の位置(そこで窒素が適切に減少される)でセパレーター60から回収する。流れ51はそれを低温冷媒の優れた源にする高い%の液体メタンを有する。弁95にわたって流れ51の圧力を低下することは熱交換機110のための冷たい冷凍設備流(これは窒素分離ユニット100に由来する高窒素含量流413の一部を凝縮する)を与える。この循環が中間btuガス流413を消費し、中間btu燃料流を製造することに代えて、一層多くのセールスガス及び低btu窒素流を製造する。413a還流をセパレータ60に加えることが蒸留により行なわれる窒素-メタン分離を増大する。流れ39の温度及び圧力を微同調させて流れ26中の還流の流量を調節することができる。還流26の増大が蒸留カラム60塔頂中の重質主要成分の量を低下する。必要とされる膜(また、3:1の選択性を有する)のサイズを計算しつつ、窒素分離ユニット100を制御して10モル%の窒素含量を有する窒素減少(高btu)留分47を生じる。総合のフローシート計算制御をセットして天然ガスセールス流48に4モル%の窒素含量を持たせる。そのシミュレーションの結果を表6に示し、実施例2-5についての設備要件及び膜サイジングを表7中で比較する。
【0077】
【表10】
【0078】
【表11】
【0079】
必要とされる膜表面積及び窒素回収ユニット(NRU)電力要求を含む、上記シミュレーションからの結果を表7に要約する。
【0080】
【表12】
【0081】
実施例2と比較して、実施例3は本明細書に開示された実施態様に従って得られる膜要件及び圧縮要件の変化を示し、この場合、混合冷媒が吸収剤に行く前に分けられる。窒素回収ユニットの動力要求を現場からのガス百万標準立方フィート当り約197hpから82hpに低下するとともに、膜面積を実施例2で必要とされた膜面積の約25%に減少する。これは、ガスのスリップ流をブレンドのために等圧開放冷凍ユニットから引き出し、NGL加工経済性を大いに改良することにより当業者が予想し得るものをはるかに超えて、劇的な減少であり、この場合、このような経済性は製造される高窒素ガスの更に小さい現場を可能にするかもしれない。実施例4は低窒素ガスを等圧開放冷凍システムから除去するための吸収剤からの側部抜取を含み、高圧膜NRUを利用して、実施例3と較べて必要とされる膜面積の更なる減少をもたらす。
【0082】
実施例5は窒素除去ユニットを等圧開放冷凍システムと統合することの利益を示す。実施例5により示されるように、ガス加工設備の総合の物質バランスが変化でき、一層セールスできる製品を提供するとともに、実施例2と比較して少ない電力を消費し、かなり小さい膜面積を必要とする。実施例5において、中間btuガスの循環が高いメタン回収を与え得る。実施例5において、ほんの約3%のインレットメタンが窒素パージ流中で低btuガスとして失われる。電力消費がまた実施例2のそれよりも良く下まわる。実施例2と較べて、実施例4は4.7%多いメタンを回収するとともに正味の窒素回収ユニット馬力を減少する。
【0083】
上記実施例により示されるように、本明細書に開示された実施態様により提供される混合冷媒システムの応答は窒素分離を大いに高め、NGLの加工に適応できるシステムを提供する。等圧開放冷凍システムは冷凍圧縮の圧力比を増大しないで一層冷たい冷凍温度を可能にする。更に、等圧開放冷凍システムが利用されて、NGL回収及び窒素分離の両方を提供し、窒素除去と直列の通常のNGL回収を有する従来技術のユニット操作と較べてNGL加工についての経済性を大きく改良する。
【0084】
本明細書に開示された実施態様の方法は高い吸引圧力における低温を反直感的に可能にする。殆どの冷凍システムでは、低い吸引圧力が一層冷たい温度を得るのに必要とされる。しかしながら、流れ35、混合冷媒を比較すると、実施例2では、混合冷媒が-85.3℃(-121.5°F)の温度及び4バール(57.65psia)の圧力であり、1871kg/h(4124ポンド/h)の流量を有する。しかしながら、実施例3では、混合冷媒が-106.4℃(-159.5°F)の温度及び14.2バール(206psia)の圧力であり、3646kg/h(8039ポンド/h)の流量を有する。流れ組成を有利に操作することにより、本明細書に開示された方法は高メタン含量を有する付加的な混合冷媒が製造されることを可能にし、高い吸引圧力で一層冷たい温度をもたらす。本明細書に開示された実施態様により与えられるこのような有利な加工が輸出され、高窒素含量ガスとブレンドし得る実質的に窒素を含まない天然ガスの製造を可能にし、この場合、このような加工が一層低い必要とされる能力、一層低い必要とされる膜表面積、及び一層低い全加工コストを有する窒素回収ユニットを与える。
【0085】
上述したように、本明細書に開示された実施態様は窒素からの天然ガスの有効な分離のためのシステムに関する。更に詳しくは、本明細書に開示された実施態様は等圧開放ループ冷凍を使用する窒素からの天然ガスの有効な分離を可能にする。
【0086】
本明細書に開示された方法の利点の中に、蒸留カラムへの還流が、例えば、エタンを濃縮され、蒸留カラムからのプロパンの損失を減少することがある。また、還流が蒸留カラム中の、エタンの如き、軽質炭化水素のモル分率を増大し、塔頂流を凝縮することを一層容易にする。更に、本明細書に開示された方法は蒸留カラム塔頂で、1回は低温冷媒として、2回目の時点では蒸留カラムのための還流として、2回凝縮された液体を使用する。
【0087】
有利なことに、本明細書に開示された実施態様は窒素回収ユニットと統合された開放ループ冷凍システムを使用して、4モル%より多い不活性成分を含む製造されたガス流からの天然ガスセールス流の製造を与え得る。本明細書に開示された実施態様の高純度天然ガス流の統合は典型的な天然ガス分離方法と較べて減少されたエネルギー要求及び膜表面積要件を与え得る。更に詳しくは、プロセスフロー流の適切な利用により、組成要件を満足する天然ガス製品流が本明細書に開示された実施態様を使用して格別のプロセス効率で製造し得ることがわかった。本明細書に記載された実施態様の等圧開放冷凍及び窒素回収の統合は低窒素含量流の有利な使用を可能にし、低い設備要求、膜表面積要件、プロセス融通性及び上記されたようなその他の利点を有する有効な分離をもたらす。等圧開放冷凍及び窒素除去の統合は窒素除去と直列の天然ガスの加工に対して驚くべき相乗効果を与える。こうして、本明細書に開示された方法は低窒素含量天然ガス流の有効な分離を可能にし得るだけでなく、本明細書に開示された方法により与えられた利点が高窒素含量天然ガス流(それらについて、製造されることが従来経済的に実施可能ではなかった)を可能にする。
【0088】
本明細書の開示は制限された数の実施態様を含むが、この開示の利益を有する、当業者は本明細書の範囲から逸脱しないその他の実施態様が推考し得ることを認めるであろう。従って、本発明の観点は特許請求の範囲のみにより限定されるべきである。