(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記センサ筐体が、凸状に湾曲した下方筐体片を備え、力が前記センサ筐体に印加されないとき、前記凹状に湾曲した上方筐体片の外縁が前記凸状に湾曲した下方筐体の対応する外縁から離間している、請求項1に記載の整形外科的装置。
前記センサ筐体が実質的に平面であり、前記患者の脊椎の第1椎骨と第2椎骨との間に定置されるような大きさであり、前記センサ筐体が前記患者の脊髄の一部を受容するような形状の切り込みを備える、請求項7に記載の整形外科的装置。
前記センサ筐体が実質的に平面であり、前記患者の膝蓋骨と大腿骨との間に定置されるような大きさであり、前記センサ筐体がほぼ楕円形状を有する、請求項7に記載の整形外科的装置。
【図面の簡単な説明】
【0014】
詳細な説明は、特に以下の図面を参照する。
【
図1】患者の関節の関節力データを測定及び表示するためのシステムの1つの実施形態の略図。
【
図2】
図1のシステムのセンサモジュールの1つの実施形態の斜視図。
【
図7】
図2のセンサモジュールのディスプレイ用のディスプレイプロトコルの1つの実施形態のグラフ。
【
図8】
図2のセンサモジュールのセンサ配列の1つの実施形態の略図。
【
図9】
図2のセンサモジュールのセンサ配列の別の実施形態の略図。
【
図10】
図2のセンサモジュールの電気回路の1つの実施形態の略ブロック図。
【
図11】
図2のセンサモジュールにより遂行することができる関節力のデータを決定及び表示する方法の1つの実施形態の略フロー図。
【
図12】
図2のセンサモジュールにより遂行することができる相対的関節力のデータを表示する方法の1つの実施形態の略フロー図。
【
図13】
図1のシステムのセンサモジュールの別の実施形態の斜視図。
【
図14】
図1のシステムのセンサモジュールの別の実施形態の斜視図。
【
図15】
図1のシステムのセンサモジュールの別の実施形態の斜視図。
【
図16】
図1のシステムのセンサモジュールの別の実施形態の斜視図。
【
図17】
図1のシステムのセンサモジュールの別の実施形態の斜視図。
【
図18】
図1のシステムのセンサモジュールの別の実施形態の斜視図。
【
図19】
図1のシステムのセンサモジュールの別の実施形態の斜視図。
【
図20】
図1のシステムのディスプレイモジュールの1つの実施形態の斜視図。
【
図22】
図20のセンサモジュールの電気回路の1つの実施形態の略ブロック図。
【
図23】関節力データを表示する方法の1つの実施形態の略フロー図。
【
図24】
図20のディスプレイモジュール上に、ユーザに対して表示され得る例示的スクリーンショット。
【
図25】
図20のディスプレイモジュール上に、ユーザに対して表示され得る例示的スクリーンショット。
【
図26】
図20のディスプレイモジュール上に、ユーザに対して表示され得る例示的スクリーンショット。
【
図27】
図2のセンサモジュールが連結された、
図1のシステムの関節伸延具(joint distactor)の1つの実施形態の斜視図。
【
図31】
図1のシステムの関節伸延具の別の実施形態の斜視図。
【
図32】
図1のシステムのコンピュータを利用した外科的システムの1つの実施形態の略ブロック図。
【
図33】
図32のコンピュータを利用した外科的システムを用いて整形外科的処置を実行する方法の1つの実施形態の略フロー図。
【
図34】
図32のコンピュータを利用した外科的システムにより遂行することができるナビゲーション及び関節力を決定並びに表示する方法の1つの実施形態の略フロー図。
【
図35】
図32のコンピュータを利用した外科的システムにより遂行することができる患者の関節の屈曲角及び関節力を決定並びに表示する方法の1つの実施形態の略フロー図。
【
図36】
図1のシステムを用いて整形外科的処置を実行する方法の1つの実施形態の略フロー図。
【
図37】
図2のセンサモジュールを用いる整形外科的処置中の伸展状態にある患者の関節の斜視図。
【
図38】伸延具及び
図20のセンサモジュールを用いる整形外科的処置中の患者の関節の斜視図。
【
図39】
図2のセンサモジュールを用いる整形外科的処置中の屈曲状態にある患者の関節の別の斜視図。
【
図40】
図2のセンサモジュールを用いる整形外科的処置中の伸展状態にある患者の関節の別の斜視図。
【
図41】
図2のセンサモジュールを用いる整形外科的処置中の屈曲状態にある患者の関節の別の斜視図。
【0015】
〔図面の詳細な説明〕
本開示の概念には様々な改変及び代替的形態が考えられるが、その特定の例示的な実施形態を図面に例として示し、本明細書に詳しく述べる。ただし、本開示の概念を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、添付の「特許請求の範囲」において定義される発明の趣旨及び範囲に包含されるすべての改変物、均等物及び代替物を網羅することを意図するものである点を理解すべきである。
【0016】
解剖学的参照を表す前側、後側、内側、外側、上、下等の用語は、本開示全体にて、本明細書に記載する整形外科的インプラントと、患者の天然の解剖学的構造との両方に関して使用され得る。これらの用語は、解剖学的構造の研究及び整形外科の分野の両方にて十分理解される意味を有する。明細書及び特許請求の範囲におけるこれらの解剖学的参照用語の使用は、特に言及しない限り、それらの十分理解された意味と一致することが意図される。
【0017】
ここで
図1を参照すると、1つの実施形態では、整形外科的処置中に患者の関節の関節力を決定及び表示するためのシステム10は、センサモジュール12、手持ち式ディスプレイモジュール14、及び関節伸延具16を含む。システム10はまた、いくつかの実施形態では、コンピュータを利用した外科的システム(CAOS)システム18を備えてもよい。以下により詳細に論じるように、センサモジュール12は、患者の関節に挿入されるように構成され、整形外科医に関節力の視覚的指標を提供する。例えば、1つの例示的実施形態では、センサモジュール12は、患者の膝関節の内側−外側関節力の相対又は釣り合いの視覚的指標を提供する。センサモジュール12はまた、無線通信リンク20を介して手持ち式ディスプレイモジュール14に、及び/又は無線通信リンク22を介してコンピュータを利用した外科的システム18に、関節力データを送信するように構成されてもよい。それに応答して、ディスプレイモジュール14及び/又はコンピュータを利用した外科的システム18は、関節力データ、又はそれに由来するデータを整形外科医に表示するように構成される。更に、全又は部分膝関節形成処置のような整形外科的処置の実行中、センサモジュール12は関節伸延具16に連結されて、以下に論じるような伸延中の患者の関節の関節力の視覚的指標を提供することができる。
【0018】
ここで
図2〜10を参照すると、センサモジュール12は、センサ筐体30及びセンサ筐体30に連結されたハンドル32を含む。センサ筐体30は、患者の関節に位置付けられるような大きさ及び形状である。例示的実施形態では、センサ筐体30は、脛骨パドル34として具体化され、これは患者の膝関節に位置付けられるような形状である。しかしながら、センサ筐体30は、
図11及び12に関連して以下に詳細に論じるように、他の実施形態では、患者の他の関節に用いられるように構成されてもよい。
【0019】
使用中、脛骨パドル34は、患者の切除された脛骨の近位平坦部上に位置付けられるように構成される(例えば、
図29〜33を参照)。以下に詳細に論じるように、脛骨パドル34は、患者の脛骨に接触して定置されてもよく、介在するプラットホーム又は他の部材上に定置されてもよい。更に、センサモジュール12を、患者の左膝に用いてもよく、右膝に用いてもよい。例えば、センサモジュール12を、脛骨パドル34が内側被膜切開(medial capsular incision)を介して患者の左膝に挿入される、内側外科的アプローチを介して患者の左膝に用いてもよい。このような位置では、以下に論じるように、ハンドル32は、内側被膜切開から延在する。あるいは、センサモジュール12を単純に反転させる又はひっくり返すことにより、モジュール12は、脛骨パドル34が外側被膜切開を介して患者の左膝に挿入される、外側外科的アプローチを介して患者の左膝に用いてもよい。再び、このような位置では、ハンドル32は、外側被膜切開から延在する。
【0020】
よって、センサモジュール12は、内側又は外側外科的アプローチを用いて、患者の左膝又は右膝に用い得ることを理解すべきである。記載を明確にするために、センサモジュール12及びシステム10は、以下で、内側外科的アプローチを用いる(すなわち、患者の関節に接近するために内側被膜切開を用いる)整形外科的処置を参照して論じる。しかしながら、このような記載は同様に外側外科的アプローチ処置にも適用可能であることを理解すべきである。よって、いくつかの構造は、モジュール12が外側外科的アプローチ処置で用いられるとき、このような参照が反転又は切り換えられるという了解の下で、特定の解剖学的参照(例えば、外側及び内側)を用いて記載する。例えば、脛骨パドル34の「内側」は、外側外科的アプローチ処置で用いられるとき、脛骨パドル34の「外側」になる。
【0021】
脛骨パドル34は、実質的に平面であり、一般的に患者に植え込まれる整形外科的人工関節の形状に対応する形状を有する。例えば、例示的実施形態では、脛骨パドル34は、一般的に特定の大きさの人工膝関節に対応する形状を有する。しかしながら、以下により詳細に論じるような他の実施形態では、パドル34(又はセンサ筐体30)は、一般的に人工股関節、人工肩関節、人工足関節、人工脊椎、又は人工膝蓋骨のような、他の種類の整形外科的人工器官に対応する形状を有してもよい。
【0022】
例示的脛骨パドル34は、湾曲した前側面36、湾曲した外側面38、湾曲した内側面40、及び湾曲した後側面42を備え、それぞれ整形外科的人工膝関節の脛骨ベアリングの形状に近似した形状である。再び、上記で論じたように、外側面38及び内側面40は、それぞれ、センサモジュール12が外側外科的アプローチ処置で用いられる実施形態では、外側面及び内側面である。後側面42は、後側切り込み44を備えて、脛骨パドル34を後側十字靱帯のような患者の関節の軟組織の周りに位置付けることができる。更に、いくつかの実施形態では、後側切り込み44はまた、可動性ベアリング跡(mobile bearing trails)を回転させるための跡柱(trail post)のような他の外科的装置の取り付け台を提供することもできる。更に、いくつかの実施形態では、後側切り込み44は、固定及び/若しくは可動性脛骨トライアル等のような他の整形外科的装置の取り付け台を提供するように、延在してもよく、又は別の方法で他の構成を有してもよい。
【0023】
脛骨パドル34の全体の大きさは、患者の具体的な解剖学的構造に基づいて選択することができる。例えば、いくつかの実施形態では、脛骨パドル34は、様々な大きさの患者に適合するように種々の大きさで提供されてもよい。パドル34(及びセンサ筐体30)の一般的な形状及び大きさは、パドル34又は筐体30が、周囲の軟組織に悪影響を及ぼすことのないように、関連する患者の骨の解剖学的構造に対して著しく突き出さないよう設計及び選択されることが理解されるべきである。
【0024】
ハンドル32は、ハンドル32の第1端部54に連結された1対のディスプレイ50、52を含む。第1端部54に対向するハンドル32の第2端部56は、脛骨パドル34に連結される。
図2の例示的実施形態では、ハンドル32及び脛骨パドル34は、実質的にモノリシック構造である。しかしながら、他の実施形態では、脛骨パドル34は、好適な連結装置等を介してハンドル32に取り外し可能に連結されてもよい。
【0025】
図3及び4に例示するように、ハンドル32は脛骨パドル34の側面から延在する。例示的実施形態では、ハンドル32は、内側面40(これは、センサモジュール12が外側外科的アプローチ処置で用いられるとき外側面である)から延在する。ハンドル32はパドル34の側面から延在するため、脛骨パドル34は、患者の膝蓋骨を亜脱臼又は外転させる必要なく患者の膝関節に位置付けることができることを理解すべきである。つまり、脛骨パドル34は、天然の位置では、患者の膝蓋骨を用いて患者の脛骨近位と大腿遠位との間に適切に位置付けられ得る。
【0026】
整形外科医により用いられる具体的な外科的アプローチに応じて、外科医は、脛骨パドル34が関連する被膜切開を通して患者の膝関節に挿入されるように、センサモジュール12を適切な配向に反転させてもよい。いずれかの配向では、ハンドル32は被膜切開から延在し、整形外科医はディスプレイ50、52の少なくとも1つを見ることができる。例えば、整形外科医が患者の左膝に内側外科的アプローチを用いている場合、整形外科医は、脛骨パドル34が膝関節に挿入され、整形外科医がディスプレイ50を見ることができるとき、ハンドル32が患者の膝の内側面から延在するように(内側被膜切開を通して)、
図3に例示する配向でセンサモジュール12を位置付けることができる。あるいは、整形外科医が患者の左膝に外側外科的アプローチを用いている場合、整形外科医は、脛骨パドル34が膝関節に挿入され、整形外科医がディスプレイ52を見ることができるとき、ハンドル32が患者の膝の外側面から延在するように(外側被膜切開を通して)、
図4に例示する配向でセンサモジュール12を位置付けることができる。
【0027】
上記のように、センサモジュール12は、整形外科的処置の実行中、整形外科医を支援するように構成される。よって、センサモジュール12は、生体適合性材料から形成される外部筐体58を含む。例えば、外部筐体58は、生体適合性プラスチック又はポリマーから形成されてもよい。1つの具体的な実施形態では、センサモジュール12は単回使用のために構成され、よって無菌形態で提供される。例えば、センサモジュール12は、無菌包装で提供されてもよい。しかしながら、脛骨パドル34がハンドル32に取り外し可能に連結される実施形態では、脛骨パドル34は単回使用のために設計してもよく、ハンドル32はオートクレーブ処置等を介して再利用可能に構成されてもよい。
【0028】
図5に例示するように、センサモジュール12の外部筐体58は、上方筐体60及び下方筐体62を含み、これらは互いに連結される。いくつかの実施形態では、上方筐体60及び下方筐体62は、互いに鏡像である。上方筐体60は、上方脛骨パドル筐体64及び上方ハンドル筐体66を含む。同様に、下方筐体62は、下方脛骨パドル筐体68及び下方ハンドル筐体70を含む。
【0029】
ディスプレイ50は、上方筐体60の端部54に連結され、ディスプレイ52は下方筐体62の54に連結される。
図6に例示するように、ディスプレイ50、52は、発光ダイオードの配列として例示的に具体化される。しかしながら、他の実施形態では、ディスプレイ50、52は、液晶ディスプレイ、分割ディスプレイ等のような他の種類のディスプレイとして具体化されてもよい。
図6の例示的実施形態では、ディスプレイ50、52はそれぞれ、5つの別々の発光ダイオード80、82、84、86、88を含む。以下により詳細に論じるように、中央の発光ダイオード84は、患者の膝関節の内側−外側関節力がほぼ等しいときに点灯する。更に、発光ダイオード80及び/又は82は、患者の膝関節の内側関節力が所定の閾値だけ外側関節力より大きいとき点灯し、発光ダイオード86及び88は、患者の膝の外側関節力が所定の閾値だけ内側関節力より大きいとき点灯する(再び内側外科的アプローチと見なす)。
図6に示すように、ディスプレイ50、52の発光ダイオード80、82、84、86、88は、配向にかかわらず(すなわち、上方筐体60又は下方筐体62のいずれかが上方を向くかどうかにかかわらず)、発光ダイオード80、82が脛骨パドル34の内側面40に対応し、発光ダイオード86、88が脛骨パドル34の外側面38に対応するよう配置される。
【0030】
以下により詳細に論じるように、発光ダイオード80、82、84、86、88は、所定のディスプレイプロトコルに従って明るくなり、相対的な内側−外側関節力の釣り合いの視覚的指標を外科医に提供することができる。発光ダイオード80、82、84、86、88のうち1つ以上が作動する又は点灯することにより、整形外科医は、患者の関節のどちらの側がより大きな力を及ぼしているか、及び患者の関節の対向する側に対するこのような力の一般的な規模を視覚的に決定することができる。例えば、1つの例示的ディスプレイプロトコルを
図7のグラフ170に提示する。例示的ディスプレイプロトコル170に従って、内側−外側関節力の釣り合いが、それぞれ30%内側−70%外側である、又は更に外側が大きい場合、発光ダイオード88のみが点灯する。しかしながら、内側−外側関節力の釣り合いがそれぞれ約35%内側−65%外側である場合、発光ダイオード86及び88の両方が点灯する。内側−外側関節力の釣り合いがそれぞれ約40%内側−60%外側である場合、発光ダイオード86のみが点灯する。内側−外側関節力の釣り合いがそれぞれ約45%内側−55%外側である場合、発光ダイオード84及び86の両方が点灯する。内側−外側関節力の釣り合いが約50%内側−50%外側である場合、発光ダイオード84のみが点灯する。内側−外側関節力の釣り合いがそれぞれ約55%内側−45%外側である場合、発光ダイオード82及び84の両方が点灯する。内側−外側関節力の釣り合いがそれぞれ約60%内側−40%外側である場合、発光ダイオード82のみが点灯する。内側−外側関節力の釣り合いがそれぞれ約65%内側−35%外側である場合、発光ダイオード80及び82の両方が点灯する。更に、内側−外側関節力の釣り合いがそれぞれ約70%内側−30%外側である、又は更に内側が大きい場合、発光ダイオード80のみが点灯する。このように、患者の膝の相対的な関節力の釣り合いの視覚的指標が整形外科医に提供される。無論、他の実施形態では、他のディスプレイプロトコルを用いて、ディスプレイ50、52を制御及び点灯させることもできる。
【0031】
センサモジュール12は、脛骨パドル34に位置付けられるセンサ配列90を含み、センサ配列90は、ハンドル32に位置付けられる制御回路92に通信的に連結される。センサ配列90は、上方筐体片60と下方筐体片62との間に「挟まれる」。しかしながら、上方筐体片60及び下方筐体片62は、離間して、センサ配列90を、脛骨パドル34に適用される関節力により圧縮させる。例えば、
図6に例示するように、上方筐体64は外縁94を備え、下方筐体66は外側縁96を備え、これは上方筐体64の外縁94から距離98だけ離間している。関節力が脛骨パドル34に適用されるとき、外縁94、96は、センサ配列90が圧縮されるとき、互いに向かって移動する。
【0032】
センサ配列90は、センサ配列90に適用される関節力を示すセンサ信号を発生させるように構成された複数の圧力センサ又はセンサ要素100を含む。例示的実施形態では、圧力センサ100は、容量性圧力センサとして具体化されるが、他の実施形態では他の種類のセンサとして具体化されてもよい。例示的実施形態では、センサ配列90の圧力センサ100は、特定の構成で配置される。例えば、
図8に例示するような1つの実施形態では、センサ配列90は、実質的に円形パターンで配置され、脛骨パドル34の内側面38に向かって位置付けられる1式の圧力センサ102、104、106、108を含む。更に、センサ配列90は、実質的に円形パターンで配置され、脛骨パドル34の外側面40に向かって位置付けられる1式の圧力センサ112、114、116、118を含む。センサ配列90はまた、脛骨パドル34の前側面36及び内側面38に向かって位置付けられる圧力センサ120、並びに脛骨パドル34の前側面36及び外側面40に向かって位置付けられる圧力センサ122を含む。更に、センサ配列90は、脛骨パドル34の後側面42及び内側面38に向かって位置付けられる圧力センサ124、並びに脛骨パドル34の後側面42及び外側面40に向かって位置付けられる圧力センサ126を含む。無論、他の実施形態では、他の構成で配置された圧力センサを有するセンサ配列を用いてもよい。例示的実施形態では、圧力センサ102、104、106、108、及び112、114、116、118は、伸延具16の脛骨パドルの形状及び大きさに対応するパターンで配置されて、
図27に例示され、
図27に関して以下に記載するようにそれに対する感受性を改善する。
【0033】
圧力センサ102、104、108、106、120、124は、患者の膝の関節力の内側関節力コンポーネントを示すセンサ信号を発生させる圧力センサの内側セットを形成する(再び、内側外科的アプローチと見なす)。同様に、圧力センサ112、114、118、116、122、125は、患者の膝の関節力の外側関節力コンポーネントを示すセンサ信号を発生させる圧力センサの外側セットを形成する。更に、圧力センサ102、104、120は、患者の膝の関節力の前側−内側関節力コンポーネントを示すセンサ信号を発生させる圧力センサの前側−内側セットを形成する。同様に、圧力センサ112、114、122は、患者の膝の関節力の前側−外側関節力コンポーネントを示すセンサ信号を発生させる圧力センサの前側−外側セットを形成する。圧力センサ106、108、124は、患者の膝の関節力の後側−内側関節力コンポーネントを示すセンサ信号を発生させる圧力センサの後側−内側セットを形成する。同様に、圧力センサ116、118、126は、患者の膝の関節力の後側−外側関節力コンポーネントを示すセンサ信号を発生させる圧力センサの後側−外側セットを形成する。
【0034】
他の実施形態では、センサ配列90は、より多くの又はより少ない圧力センサを含んでもよい。1つの具体的な実施形態では、センサ配列90は、患者の大腿骨の各顆用の追加の内側及び外側圧力センサを含んでもよい。例えば、
図9に例示するように、センサ配列90は、内側−内側圧力センサ180、内側−外側圧力センサ182、外側−内側圧力センサ184、及び外側−外側圧力センサ186を含んでもよい。つまり、圧力センサ180は、患者の内側大腿顆により及ぼされる内側関節力の内側コンポーネントを感知又は測定するように構成される。同様に、圧力センサ182は、患者の内側大腿顆により及ぼされる内側関節力の外側コンポーネントを感知又は測定するように構成される。圧力センサ184は、患者の外側大腿顆により及ぼされる外側関節力の内側コンポーネントを感知又は測定するように構成される。同様に、圧力センサ186は、患者の外側大腿顆により及ぼされる外側関節の外側コンポーネントを感知又は測定するように構成される。圧力センサ180、182、184、186の具体的な形状及び大きさを、センサ配列90の他の圧力センサの大きさ、形状、及び位置に基づいて選択することができる。
【0035】
図10を参照すると、制御回路92は、プロセッサ130及び記憶装置132を含む。プロセッサ130は、本明細書に記載の機能を実行するように構成される任意の種類のプロセッサとして具体化されてもよい。例えば、プロセッサ130は、別々の集積回路又は電子装置の集合として具体化されてもよい。更に、プロセッサは、単一又はマルチコアプロセッサであってもよい。単一プロセッサ130のみを
図10に例示するが、他の実施形態では、制御回路92は任意の数の追加のプロセッサを含んでもよいことを理解すべきである。記憶装置132は、読み取り専用記憶装置及び/又はランダムアクセス記憶装置として具体化されてもよい。例えば、記憶装置132は、電気的消去書込み可能な読取り専用記憶装置(EEPROM)、動的ランダムアクセス記憶装置(DRAM)、同期型ランダムアクセス記憶装置(SDRAM)、ダブルデータレート動的ランダムアクセス記憶装置(DDR SDRAM)、及び/又は他の揮発性若しくは非揮発性記憶装置として具体化されてもよく、又は別の方法でそれらを備えてもよい。更に、単一記憶装置のみを
図10に例示するが、他の実施形態では、制御回路92は追加の記憶装置を含んでもよい。
【0036】
プロセッサ130は、信号経路134を介して記憶装置132に通信的に連結される。信号経路134は、プロセッサ130と記憶装置132との間の通信を促進することができる任意の種類の信号経路として具体化されてもよい。例えば、信号経路134は、任意の数のワイヤ、プリント回路基板トレース、バイア(via)、バス、介在性装置等として具体化されてもよい。プロセッサ130はまた、信号経路136を介してセンサ配列90に通信的に連結される。信号経路134と同様に、信号経路136は、例えば、任意の数のワイヤ、プリント回路基板トレース、バイア(via)、バス、介在性装置等を含む、プロセッサ130とセンサ配列90との間の通信を促進することができる任意の種類の信号経路として具体化されてもよい。更に、信号経路136は、センサ配列90のプラグ端140を受容するように構成された連結装置138(
図5を参照)を含んでもよい。
【0037】
制御回路92はまた、電源142及び関連する電源制御回路144も含む。電源142は、センサモジュール12に適応するような大きさの多数の電池として具体化されてもよい。電源142は、信号経路146を介して電源制御回路144に電気的に連結され、電源制御回路144は信号経路148を介してプロセッサ130及び制御回路92の他の装置に電気的に連結される。信号経路146、148は、例えば、任意の数のワイヤ、プリント回路基板トレース、バイア(via)、バス、介在性装置等を含む、任意の種類の信号経路として具体化されてもよい。電源回路144は、電源制御、分配、及び選別回路を含んでもよく、電源142からプロセッサ130及び制御回路92の他の装置若しくはコンポーネントに電力を提供又は分配するように構成される。
【0038】
制御回路92はまた、信号経路152を介してプロセッサ130に通信的に連結されたユーザ制御部150も含む。ユーザ制御部150は、ディスプレイ50、52上に位置し、センサモジュール12の電源を入れるためにユーザにより選択可能な電源ボタン154(
図6を参照)として具体化される。しかしながら、例示的実施形態では、センサモジュール12の電源が入った後、制御回路92は、電源ボタン154又は他の制御を介してセンサモジュール12の電源が切られることを防ぐ、又は他の方法でユーザの能力を制限するように構成される。つまり、いったん電源が入ると、制御回路92は、電源142が消耗するまで、電源が入った状態で保持されるように構成される。このような構成は、センサモジュール12が単一整形外科的処置中に用いられ、複数の処置では他の方法で再利用可能ではないことを確定的にする。
【0039】
信号経路152は信号経路134と類似しており、例えば、任意の数のワイヤ、プリント回路基板トレース、バイア(via)、バス、介在性装置等を含む、ユーザ制御部150とプロセッサ130との間の通信を促進することができる任意の種類の信号経路として具体化されてもよい。
【0040】
制御回路92はまた、ディスプレイ50、52を駆動及び/又は制御するためのディスプレイ回路156を含む。ディスプレイ回路156は、信号経路158を介してプロセッサ130に、及び信号経路160を介してディスプレイ50、52に通信的に連結される。上記信号経路134と同様に、信号経路158、160は、それぞれ、プロセッサ130とディスプレイ回路156、及びディスプレイ回路156とディスプレイ50、52との間の通信を促進することができる任意の種類の信号経路として具体化されてもよい。例えば、信号経路158、160は、任意の数のワイヤ、プリント回路基板トレース、バイア(via)、バス、介在性装置等として具体化されてもよい。上記のように、例示的実施形態では、ディスプレイ50、52は、発光ダイオード80、82、84、86、88の配置として具体化される。
【0041】
いくつかの実施形態では、センサモジュール12は、力データをディスプレイモジュール14及び/又はコンピュータを利用した整形外科的(CAOS)システム18に送信するように構成される。このような実施形態では、制御回路は、送信機回路162及びアンテナ164を含む。送信機回路162は、信号経路166を介してプロセッサ130に、及び信号経路168を介してアンテナ164に通信的に連結される。信号経路166、168は、それぞれ送信機回路162とプロセッサ130及びアンテナ164との間の通信を促進することができる任意の種類の信号経路として具体化されてもよい。例えば、信号経路134と同様に、信号経路166、168は、任意の数のワイヤ、プリント回路基板トレース、バイア(via)、バス、介在性装置等として具体化されてもよい。送信機回路162は、任意の種類の無線通信プロトコル、標準、又は技術を用いて、関節力データをディスプレイモジュール14及び/又はコンピュータを利用した整形外科的(CAOS)システム18に送信するように構成されてもよい。例えば、送信機回路162は、無線ネットワーキングプロトコル、符号分割多重アクセス(CDMA)プロトコルのようなセルラ通信プロトコル、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)プロトコル又は他の無線通信プロトコル、標準、若しくは技術を用いるように構成されてもよい。
【0042】
ここで
図11及び12を参照すると、使用中、制御回路92は、患者の関節の関節力データを決定し、患者の関節力の内側−外側の釣り合いの視覚的指標を提供するための方法200を実行するように構成される。方法200は、制御回路92が初期化されるブロック202で始まる。例えば、ブロック202では、制御回路92は、任意の数のシステムチェックを実行し、プロセッサ130の任意のレジスタを消去し、並びに/又は他の初期化及び/若しくはインテグリティチェックを実行することができる。更に、いくつかの実施形態では、制御回路92は、手持ち式ディスプレイ装置14及び/又はコンピュータを利用した整形外科的(CAOS)システム18を用いて、ブロック132でハンドシェーキングルーチンを実行するように構成される。このハンドシェーキングルーチン中、制御回路92及び手持ち式ディスプレイ装置14、並びに/又はコンピュータを利用した整形外科的(CAOS)システム18は、通信プロトコルを決定し、及び/又は他の方法でセンサモジュール12から装置14若しくはシステム18に関節力データを送信するための任意の種類の通信手順を確立するように構成されてもよい。
【0043】
ブロック206では、制御回路92は、センサ配列90からセンサ信号又はデータを受信する。上記のように、センサ配列90は、パドル34が患者の膝関節に位置付けられるとき、脛骨パドル34に適用される関節力を示すセンサ信号を発生させる。ブロック208では、制御回路92のプロセッサ130は、センサ配列90から受信されたセンサ信号に基づいて関節力データを決定する。関節力データは、患者の膝の関節力を示す。いくつかの実施形態では、関節力データは、内側関節力値、外側関節力値、前側関節力値、及び/又は後側関節力値のような特定の関節力値として具体化されてもよく、それぞれの力はニュートン又は同様に力測定単位で決定されている。このような実施形態では、内側関節力は、圧力センサ102、104、106、108、120、124からのセンサ信号に基づいて決定されてもよい。外側関節力は、圧力センサ112、114、116、118、122、126からのセンサ信号に基づいて決定されてもよい。前側関節力は、圧力センサ前側−内側圧力センサ102、104、120、及び/又は前側−外側圧力センサ112、114、122に基づいてもよい。更に、後側関節力は、後側−内側圧力センサ106、108、124及び/又は後側−外側センサ116、118、126からのセンサ信号に基づいてもよい。続いて、ブロック210では、制御回路92はディスプレイ50、52を制御又は別の方法で作動させて、ブロック208で決定された関節力データを表示させる。例えば、1つ以上の特定の関節力が決定される実施形態では、プロセッサ130は決定関節力又はその印をディスプレイ50、52に表示してもよい。
【0044】
更に、又は、あるいは、制御回路92は、相対的な内側−外側関節力の釣り合いを決定し、ブロック208、210で、ディスプレイ50、52上にこのような内側−外側の釣り合いの印を表示するように構成されてもよい。例えば、
図12に例示するように、制御回路92は、患者の関節の相対的な内側−外側関節力を決定するための方法220を実行してもよい。ブロック222では、制御回路92は、圧力センサ102、104、106、108、120、124から受信したセンサ信号に基づいて内側関節力データを決定する。同様に、ブロック224では、制御回路92は、圧力センサ102、104、106、108、120、124から受信したセンサ信号に基づいて外側関節力データを決定する。内側及び外側関節力データは、ニュートンで決定された特定の関節力として具体化されてもよく、又はそのいくつかの表現として具体化されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、内側及び外側関節力データは電気容量で測定される。ブロック222及び224はいずれの順序で実行されてもよいことを理解すべきである。
【0045】
ブロック226では、制御回路92は、患者の関節の関節力の相対的な内側−外側の釣り合いを決定する。そうするために、制御回路92は、内側力データ及び外側力データを比較する。例えば、1つの実施形態では、制御回路92は、内側力データと外側力データを合成することにより、総力値を決定するように構成される。制御回路92は、その後、内側力データを総力値で除することにより内側百分率値を、外側力データを総力値で除することにより外側百分率値を決定する。よって、患者の関節の内側及び外側力が釣り合う場合、内側百分率値は約50%であると決定され、外側百分率値は約50%であると決定される。無論、いくつかの実施形態では、制御回路92は、内側及び外側百分率値のうち1つのみを決定するように構成されてもよく、残りの1つは既知である又は単純に100%から減じることにより決定される。
【0046】
ブロック228では、制御回路92はディスプレイ50、52を作動又は制御して、患者の関節の関節力の相対的な内側−外側の釣り合いの視覚的指標を提供する。例えば、ディスプレイ50、52が発光ダイオードとして具体化される実施形態では、制御回路92は発光ダイオードのうち1つ以上を作動又は点灯させて、関節力の内側−外側の釣り合いの視覚的指標を提供するように構成される。制御回路92は、このような関節力の適切な指標を整形外科医に提供する発光ダイオードの任意のディスプレイプロトコル又は点灯パターンを使用してもよい。
【0047】
例えば、1つの具体的な実施形態では、制御回路92は、
図7に図示され、
図7に関して上記したディスプレイプロトコル170に従って、ディスプレイ50、52を制御するように構成される。このような実施形態では、制御回路92は、内側及び外側関節力がほぼ等しい(すなわち、約50%内側−50%外側)場合、ディスプレイ50、52の中央に位置する発光ダイオード84を点灯させるように構成される。制御回路92は、関節力の内側−外側の釣り合いがそれぞれ約45%内側−55%外側である場合、中央に位置する発光ダイオード84及び外側発光ダイオード86を点灯させるように構成される。制御回路92は、関節力の内側−外側の釣り合いがそれぞれ約35%内側−65%外側である場合、発光ダイオード86、88を点灯させるように構成される。更に、制御回路92は、関節力の内側−外側の釣り合いがそれぞれ約30%内側−70%外側(又はより外側が大きい)である場合、最も外側の発光ダイオード88を点灯させるように構成される。同様に、制御回路92は、関節力の内側−外側の釣り合いがそれぞれ約55%内側−45%外側である場合、中央に位置する発光ダイオード84及び内側発光ダイオード82を点灯させるように構成される。制御回路92は、関節力の内側−外側の釣り合いがそれぞれ約65%内側−35%外側である場合、外側発光ダイオード80、82を点灯させるように構成される。更に、制御回路92は、関節力の内側−外側の釣り合いがそれぞれ約70%内側−30%外側である(又はより内側が大きい)場合、最も内側の発光ダイオード80を点灯させるように構成される。
【0048】
このように、センサモジュール12は、患者の関節の相対的な内側−外側力の視覚的指標を、整形外科医に提供する。以下により詳細に論じるように、整形外科医は、ディスプレイ50、52を介して内側及び外側力の現在の釣り合いを監視しながら、患者の膝関節に釣り合わせ処置を実施して、特定の患者に対して所望の釣り合いを達成することができる。更に、センサモジュール12は各側にディスプレイ50、52を含むため、整形外科医は、外科医が患者の左膝で作業しようと右膝で作業しようと、関節力の視覚的指標を提供される。
【0049】
図12を振り返ると、ディスプレイ50、52を作動させてブロック210で関節力の視覚的指標を提供することに加えて、センサモジュール12はブロック212で関節力データを送信するように構成されてもよい。上記のように、センサモジュール12は、ブロック212で、関節力データを、手持ち式ディスプレイ14及び/又はコンピュータを利用した整形外科的(CAOS)システム18に送信することができる。送信された関節力データは、例えばニュートンで測定された具体的な関節力として具体化されてもよく、又はその表現であってもよい。例えば、センサ配列90から受信されたセンサ信号又はこのような信号の水準の電気的表現を、ブロック212で送信することができる。それにもかかわらず、センサモジュール12は、ブロック212で、患者の膝関節の関節力を示す関節力データをディスプレイ14及び/又はシステム18に送信するように構成される。
【0050】
ここで
図13及び14を参照すると、他の実施形態では、ハンドル32及び脛骨パドル34は、他の配向で及び/又は他の介在性構造を介して互いに連結されてもよい。例えば、
図13に示すように、センサモジュール12は、いくつかの実施形態では、ハンドル32が脛骨パドル34の前側面36に連結されたモジュール232として具体化されてもよい。このような実施形態では、ハンドル32は、脛骨パドル34が内部に挿入されたとき、患者の膝関節(例えば、前側被膜切開を通して)から前側に延在する。あるいは、
図14に例示するように、センサモジュール12は、ハンドル32及び脛骨パドル34がワイヤ234を介して互いに連結されるモジュール232として具体化されてもよい。ワイヤ234は、複数のワイヤ、ケーブル、又は脛骨パドル34に位置付けられるセンサ配列90を、ハンドル32に位置する制御回路92に通信的に連結する他の相互接続として具体化されてもよい。ワイヤ234は
図14の実施形態では脛骨パドル34の後側面36に例示的に連結されるが、ワイヤ234は、他の実施形態では、外側面38、内側面40、又は後側面42上で脛骨パドル34に連結されてもよいことを理解すべきである。
【0051】
ここで
図15〜19を参照すると、いくつかの実施形態では、センサモジュール12は、患者の膝関節以外の関節に用いるように構成されてもよい。例えば、1つの実施形態では、センサモジュール12はセンサモジュール250として具体化され、これはセンサ筐体252と、細長い首部256を介してセンサ筐体252に接続されたハンドル254とを含む。ハンドル254は、センサモジュール12の筐体32に類似しており、内部に位置付けられる制御回路92と、ハンドル254の端部258に連結されるディスプレイ50、52とを含む。センサ筐体252は、しかしながら、患者の股関節又は肩関節のような患者の球関節に位置付けられるように構成される。よって、センサ筐体252は実質的に「カップ」形状であり、凹面上方筐体片260及び対応する凸面下方筐体片262を含む。凹面上方筐体片260は、内部のくぼみ260を画定し、これは整形外科的処置の実施中、整形外科的若しくは外科的トライアル、又は患者の天然若しくは人工骨の端部の一部を受容することができる。センサ筐体30と同様に、センサ配列90はセンサ筐体252に位置付けられ、患者の相対的関節の関節力を示すセンサ信号を発生させるように構成される。
【0052】
いくつかの実施形態では、センサ筐体252はハンドル254から取り外すことができるが、それらが通信的に連結されると、特定の関節にセンサモジュール250を使用するのが容易になる。例えば、
図12に例示するように、センサ筐体252及びハンドル254は、互いに取り外すことができるが、ワイヤ又は複数のワイヤ266を介して通信的に連結される。つまり、センサ筐体252に位置付けられるセンサ配列90は、ハンドル254に位置付けられる制御回路90に通信的に連結される。
【0053】
図17に例示するような別の実施形態では、センサモジュール12は、患者の脊椎関節に用いるように構成されるセンサモジュール270として具体化されてもよい。センサモジュール270は、細長い首部256を介してハンドル254に連結される脊椎パドル272を含む。脊椎パドル272は、患者の脊椎の椎骨間に挿入されるように構成される。例示的実施形態では、パドル272は実質的に円形状(curricular shape)を有するが、他の実施形態では他の形状を有する場合もある。脊椎パドル272は、脊椎パドル272が患者の脊椎に完全に挿入され得るように、患者の脊髄の一部を受容するように構成される切り込み274を含む。センサ配列は、脊椎パドル272に含まれて、患者の脊椎の関節力を測定又は感知する。脊椎センサ配列は、上記センサ配列90に類似の構成、又は別の構成で配置される任意の数の圧力センサを有してもよい。
【0054】
更に、
図18に例示するようないくつかの実施形態では、センサモジュール12は、膝蓋大腿力を測定するために患者の膝関節の膝蓋骨で用いられるように構成されたセンサモジュール280として具体化されてもよい。
図17に関連して上記したセンサモジュール270と同様に、センサモジュール280は、細長い首部256を介してハンドル254に連結される膝蓋骨パドル282を含む。膝蓋骨パドル282は、患者の膝蓋骨と大腿骨との間に挿入されるように構成される。例示的実施形態では、パドル282は実質的に楕円形状であるが、他の実施形態では他の形状を有してもよい。センサ配列は、膝蓋骨パドル282に含まれて、患者の大腿骨上の患者の膝蓋骨により及ぼされる力を測定又は感知する。膝蓋骨センサ配列は、上記センサ配列90と同様の構成又は別の構成で配置される任意の数の圧力センサを有してもよい。
【0055】
図19を参照すると、別の実施形態では、センサモジュール12は、患者の足関節に用いるように構成されたセンサモジュール290として具体化される。センサモジュール290は、ワイヤ294を介してハンドル254に連結される足関節センサ筐体(ankle sensor housing)292を含む。ワイヤ294は、複数のワイヤ、ケーブル、及び/又は足関節センサ筐体292及びハンドル254に位置する制御回路92を通信的に連結する他の相互接続として具体化されてもよい。足関節センサ筐体292は、患者の足関節に挿入されるように構成される。例示的実施形態では、足関節センサ筐体292は、半円筒のような形状であるが、他の実施形態では他の形状を有してもよい。センサ配列は、患者の足関節力を測定又は感知する足関節センサ筐体292に含まれる。足関節センサ配列は、上記センサ配列90に類似の構成、又は別の構成で配置される任意の数の圧力センサを有してもよい。
【0056】
ここで
図20〜26を参照すると、手持ち式ディスプレイモジュール14は、整形外科医の手で把持され、整形外科的処置の実行中に使用されるような大きさの筐体300を含む。このように、ディスプレイモジュール14は可動性であるように構成される。ディスプレイモジュール14はまた、筐体300の上方側面304に連結されたディスプレイ302を含む。複数のユーザ入力ボタン306、308、310はまた、ディスプレイ302の下方の筐体300の上方側面304上に位置付けられる。ディスプレイモジュール14はまた、電源ボタン312を含む。
図20〜26の例示的実施形態では、電源ボタン312は、入力ボタン306、308、310の列の下方に位置付けられるが、ボタン306、308、310、312は、他の実施形態では、他の構成及び/又は配向で位置付けられてもよい。更に、ディスプレイモジュール14は、電源投入表示器314、及び筐体300の上方側面304上に位置する電源状態表示器316を含んでもよい。
【0057】
上記のように、手持ち式ディスプレイモジュール14は、センサモジュール12とともに用いられて、モジュール12から関節力データを受信し、患者の関節の関節力を示す印をディスプレイ302に表示するように構成される。センサモジュール12と同様に、ディスプレイモジュール14は、患者の関節力の相対的な内側−外側及び/又は前側−後側の釣り合いを決定し、ディスプレイ302にこのような釣り合いの印を表示するように構成されてもよい。更に、ディスプレイモジュール14は、患者の関節力の前側−後側の釣り合いを決定し、ディスプレイ302にこのような釣り合いの印を表示するように構成されてもよい。更に、以下により詳細に論じるように、ディスプレイモジュール14は、特定の関節力値(例えば、内側及び外側関節力)を決定し、ディスプレイ302上にこのような関節力値を表示するように構成されてもよい。つまり、互いに対する関節力の指標に加えて、手持ち式ディスプレイモジュール14は、ニュートンのような好適な力の単位で測定するとき関節力値の規模を算出する、又は別の方法で決定してもよい。更に、ディスプレイモジュール14はまた、ディスプレイ302に表示するとき患者の関節力のスクリーンショット及びデータを保存する、及びこのようなデータを他の装置にダウンロードする等の他の機能を実行するように構成されてもよい。
【0058】
図22に例示するように、手持ち式ディスプレイモジュール14は、筐体300に位置付けられる制御回路320を含む。制御回路320は、プロセッサ322及び記憶装置324を含む。プロセッサ322は、本明細書に記載の機能を実行するように構成可能な任意の種類のプロセッサとして具体化されてもよい。例えば、プロセッサ322は、別々の集積回路又は電子装置の集合として具体化されてもよい。更に、プロセッサは単一又はマルチコアプロセッサであってもよい。単一プロセッサ322のみを
図22に例示するが、他の実施形態では、制御回路320は任意の数の追加のプロセッサを備えてもよいことを理解すべきである。記憶装置324は、読み取り専用記憶装置及び/又はランダムアクセス記憶装置として具体化されてもよい。例えば、記憶装置324は、電気的消去書込み可能な記憶装置(EEPROM)、動的ランダムアクセス記憶装置(DRAM)、同期型ランダムアクセス記憶装置(SDRAM)、ダブルデータレート動的ランダムアクセス記憶装置(DDR SDRAM)、及び/又は他の揮発性若しくは非揮発性記憶装置として具体化されてもよく、又は別の方法でそれらを含んでもよい。更に、単一記憶装置のみを
図22に例示するが、他の実施形態では、制御回路320は追加の記憶装置を含んでもよい。
【0059】
プロセッサ322は、信号経路326を介して記憶装置324に通信的に連結される。信号経路326は、プロセッサ322と記憶装置324との間の通信を促進することができる任意の種類の信号経路として具体化されてもよい。例えば、信号経路326は、任意の数のワイヤ、プリント回路基板トレース、バイア(via)、バス、介在性装置等として具体化されてもよい。
【0060】
プロセッサ322はまた、信号経路328を介してユーザ入力ボタン306、308、310に、及び信号経路344を介して電源表示器314に通信的に連結される。信号経路326と同様に、信号経路328、344は、それぞれ、プロセッサ322と、ユーザ入力ボタン306、308、310、及び電源表示器314間の通信を促進することができる任意の種類の信号経路として具体化されてもよい。例えば、信号経路328、344は、任意の数のワイヤ、プリント回路基板トレース、バイア(via)、バス、介在性装置等を含んでもよい。ユーザ入力ボタン306、308、310は、ソフトウェア又は「ソフト」ボタンであり、これらのそれぞれの機能性をディスプレイ302に表示される特定のスクリーンに基づいて決定することができる。
【0061】
制御回路320はまた、外部電源入力回路330、再充電可能な電池等のような再充電可能な電源332、及び電源回路334を含む。外部電源入力回路330は、「壁充電器」のような充電器のプラグを受容するように構成され、信号経路336を介して再充電可能な電源332に通信的に連結される。再充電可能な電源332は、信号経路338を介して電源回路334に通信的に連結される。電源回路334は、信号経路340を介してプロセッサ332に、及び信号経路342を介して電源ボタン312に通信的に連結される。信号経路336、338、340、342は、例えば、任意の数のワイヤ、プリント回路基板トレース、バイア(via)、バス、介在性装置等を含む、任意の種類の信号経路として具体化されてもよい。電源回路334は、電源制御、分配、及び選別回路を備えてもよく、再充電可能な電源332の電力をプロセッサ322及び他の装置若しくは制御回路320のコンポーネントに提供又は分配するように構成される。
【0062】
制御回路320はまた、ディスプレイ392を駆動及び/又は制御するためのディスプレイ回路346も含む。ディスプレイ回路346は、信号経路348を介してプロセッサ322に、及び信号経路350を介してディスプレイ302に通信的に連結される。信号経路348、350は、それぞれ、プロセッサ322とディスプレイ回路346及びディスプレイ回路346とディスプレイ302間の通信を促進することができる任意の種類の信号経路として具体化されてもよい。例えば、信号経路348、350は任意の数のワイヤ、プリント回路基板トレース、バイア(via)、バス、介在性装置等として具体化されてもよい。
【0063】
上記のように、手持ち式ディスプレイモジュール14は、センサモジュール12から関節力データを受信するように構成される。したがって、制御回路320は、受信機回路352及びアンテナ354を含む。受信機回路352は、信号経路356を介してプロセッサ322に、及び信号経路358を介してアンテナ354に通信的に連結される。信号経路356、358は、それぞれ、受信機回路352と、プロセッサ322及びアンテナ354との間の通信を促進することができる任意の種類の信号経路として具体化されてもよい。例えば、信号経路356、358は、任意の数のワイヤ、プリント回路基板トレース、バイア(via)、バス、介在性装置等として具体化されてもよい。受信機回路352は、センサモジュール12から関節力データを受信するために、任意の種類の無線通信プロトコル、標準、又は技術を用いるように構成されてもよい。例えば、センサモジュール12に関して上述したように、ディスプレイモジュール14は、無線ネットワーキングプロトコル、符号分割多重アクセス(CDMA)プロトコルのようなセルラ通信プロトコル、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)プロトコル又は他の無線通信プロトコル、標準、又は技術を用いてセンサモジュール12と通信するように構成されてもよい。
【0064】
制御回路320はまた、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)インタフェース360も含む。USBインタフェース360は、信号経路362を介してプロセッサ322に通信的に連結され、それはUSBインタフェース360とプロセッサ322との間の通信を促進することができる任意の種類の信号経路として具体化されてもよい。例えば、信号経路362は、任意の数のワイヤ、プリント回路基板トレース、バイア(via)、バス、介在性装置等として具体化されてもよい。USBインタフェース360を用いて、ディスプレイモジュール14からコンピュータのような別の装置に、関節力データ又はスクリーンショットデータのようなデータをダウンロードしてもよい。更に、USBインタフェース360を用いて、制御回路320のソフトウェア又はファームウェアをアップデートしてもよい。
【0065】
ここで
図23〜26を参照すると、使用中、制御回路320は、患者の関節に関する関節力データを決定し、整形外科医に表示するための方法400を遂行するように構成される。方法400は、制御回路320が初期化されるブロック402で始まる。例えば、ブロック402では、制御回路320は、任意の数のシステムチェックを実行し、プロセッサ322の任意のレジスタを消去し、並びに/又は他の初期化及び/若しくはインテグリティチェックを実行することができる。更に、いくつかの実施形態では、制御回路320は、センサモジュール12を用いてブロック404でハンドシェーキングルーチンを実行するように構成される。このハンドシェーキングルーチン中、制御回路320及びセンサモジュール12は、通信プロトコルを決定し、及び/又は他の方法でセンサモジュール12から装置モジュール14に関節力データを送信するための任意の種類の通信手順を確立するように構成されてもよい。
【0066】
ブロック406では、制御回路320は、センサモジュール12から関節力データを受信する。上記のように、関節力データは、センサモジュール12のセンサ配列90により発生するセンサ信号により示されるとき、患者の膝の関節力を示す。ブロック408では、制御回路320は、ブロック406において受信される関節力データに基づいて、内側関節力値及び外側関節力値を決定する。内側関節力値は、圧力センサ102、104、106、108、120、124から受信されるセンサ信号に基づき、外側関節力値は、圧力センサ112、114、116、118、122、126から受信されるセンサ信号に基づく。ブロック410では、制御回路320は、ブロック408で決定される内側関節力値及び外側関節力値に基づいて平均内側/外側力値を決定する。内側関節力値、外側関節力値、及び平均関節力値は、その後、ブロック412でディスプレイ302に表示される。例えば、
図24、25、及び26にスクリーンショット450、452、454に例示するように、内側関節力値430はディスプレイ302の内側に指定された側面460に向かって表示され、外側関節力値432はディスプレイ302の外側に指定された側面462に向かって表示され、平均関節値434は後側に指定された側面464に向かって表示される。
【0067】
ブロック414、416では、制御回路320は、整形外科医がどのモードを選択したかを決定する。例示的実施形態では、整形外科医は、患者の関節力の内側−外側釣り合いのみの印がディスプレイ302に表示される第1モード、又は患者の関節力の内側−外側及び前側−後側の釣り合いの印がディスプレイ302に表示される第2モードを選択してもよい。ユーザは、適切なユーザ入力ボタン306、308、310を選択することにより、2つのモードの間を切り換えることができる。
【0068】
整形外科医が内側−外側のみのモードを選択した場合、方法400はブロック418に進行し、そこで患者の膝の関節力の内側−外側の釣り合いの印がディスプレイ302に表示される。そうするために、
図24に例示するように、スクリーンディスプレイ450は、ディスプレイモジュール14のディスプレイ302上に提示される。スクリーンディスプレイ450は、背景画像470を含み、これは切除された脛骨の近位端の画像として具体化される。制御回路320は、患者の関節の関節力の相対的な内側−外側釣り合いを示す位置に、背景画像470上にバランスバー472を、バランスバー472上にアイコン474を表示する。例えば、例示的スクリーンディスプレイ450では、丸みをおびた矩形として具体化される、アイコン474は、スクリーンディスプレイ450の外側面462(すなわち、切除された脛骨画像470の外側面に対応するディスプレイ302の側面であり、これはディスプレイ302の右側に例示的に対応する)に向かってバランスバー472上に表示される。このような位置は、患者の膝関節の総関節力の外側力コンポーネントが、内側関節力コンポーネントより大きいことを示す。バランスバー472の中心からアイコン474が位置する距離が離れるにつれて、それぞれの内側又は外側力コンポーネントがより大きくなる。いくつかの実施形態では、バランスバー472は、内側−外側力間の数値的釣り合いを示すこと(an indicative of the numerical balance)を提供するように較正されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、背景画像470は、アイコン474がアイコン476の境界内に位置するとき、患者の膝の内側関節力及び外側関節力は釣り合っている、又は互いの所定の閾値内であるように、例示的に丸みをおびた矩形外形として具体化され、背景画像470上に位置付けられる、「釣り合った」アイコン476を含む。
【0069】
しかしながら、整形外科医が内側−外側及び前側−後側モードを選択した場合、方法400はブロック420に進行し、そこで患者の膝の関節力の内側−外側及び前側−後側の釣り合いの印はディスプレイ302に表示される。そうするために、
図25に例示するように、スクリーンディスプレイ452は、ディスプレイモジュール14のディスプレイ302上に提示される。スクリーンディスプレイ450は、切除された脛骨の近位端の画像として例示的に具体化される、背景画像470を含み、その上にバランスバー472がある。制御回路320は、バランスバー472を表示し、アイコン474が表示される。再び、バランスバー472上のアイコン474の位置は、患者の関節の関節力の相対的な内側−外側の釣り合いを示す。しかしながら、更に、バランスバー472の内側端480及びバランスバー472の外側端482は、対応する前側−後側の釣り合いに基づいて位置付けられる。例えば、バランスバー472の内側端480は、内側関節力の前側−後側の釣り合いに基づいて、ディスプレイ302の後側面464又はディスプレイ302の前側面466に向かって位置付けられる。上記のように、内側関節力の前側後側の釣り合いは、前側コンポーネントでは圧力センサ102、104、120、及び後側コンポーネントでは圧力センサ106、108、124からのセンサ信号に基づいて決定することができる。同様に、バランスバー472の外側端482は、外側関節力の前側−後側の釣り合いに基づいて、ディスプレイ302の後側面464又はディスプレイ302の前側面466に向かって位置付けられる。上記のように、外側関節力の前側後側の釣り合いは、前側コンポーネントでは圧力センサ112、114、122、及び後側コンポーネントでは圧力センサ116、118、126からのセンサ信号に基づいて決定することができる。
【0070】
図26の例示的スクリーンディスプレイ452では、バランスバー472の内側端480は、ディスプレイ302の前側面466に向かって位置付けられ、バランスバー472の外側端482はディスプレイ302の後側面464に向かって位置付けられる。このような位置付けは、内側力コンポーネントの前側力コンポーネントが、内側力コンポーネントの後側力コンポーネントより大きく、外側力コンポーネントの後側力コンポーネントが外側力コンポーネントの前側力コンポーネントより大きいことを示す。前側−後側中心から端480、482への距離が離れるにつれて、それぞれの前側又は後側力コンポーネントがより大きくなる。
【0071】
図23を振り返ると、いったん関節力の釣り合いの適切な印がディスプレイ302に表示されると、制御回路320は、整形外科医がブロック422で現在のディスプレイのスナップ写真を撮影したいかどうかを決定する。整形外科医は、適切なユーザ入力ボタン306、308、310を選択することにより、ディスプレイ302のスクリーンショットを撮影することができる。更に、スクリーンショットは、ブロック424で記憶装置324に記憶され、その後ディスプレイモジュール14からダウンロードされてもよい。
【0072】
スクリーンショットを保存するとき、アイコン484はディスプレイ302の上方右角部に現れる。アイコン484は、それぞれの保存されたスクリーンショット上で測定した平均力値を表示する。任意の数のアイコン484が、ディスプレイ302上に表示されて、対応する記憶されたスクリーンショットを示すことができる。更に、選択番号のアイコン484のみをディスプレイ302上に表示してもよいが、制御回路320は任意の数のスクリーンショットを保存するように構成されてもよい。アイコン484に加えて、スクリーンショットが記憶されるとき、対応する垂直な釣り合い線486がディスプレイ302に表示される。釣り合い線486は、関連する記憶されたスクリーンショットに表示される内側−外側の釣り合いの視覚的指標を提供する。更に、整形外科医が内側−外側及び前側−後端モードを選択した場合、前側−後端の釣り合い線488がディスプレイ302に表示される。釣り合い線488は、関連する保存されたスクリーンショットに表示される患者の膝関節の内側及び外側力の前側−後端の釣り合いの視覚的指標を提供する。
【0073】
図27〜30を参照すると、上記のように、センサモジュール12は、整形外科的処置中、関節伸延具16に連結されてもよい。関節伸延具16は、センサモジュール12を受容する大きさであり、そのように構成されるクレードル500、クレードル500の側面504に移動可能に連結される第1伸延具コンポーネント502、及び側面504に対向するクレードル500の側面508に移動可能に連結される第2伸延具コンポーネント506を含む。
図28に示すように、クレードル500は、センサモジュール12のハンドル32の断面形状に一致する形状を有する開口部509を含む。センサモジュール12は、クレードル500内にセンサモジュール12のハンドルをまずスライドさせることにより関節伸延具16に連結されてもよい。クレードル500は、クレードル500にセンサモジュール12を留めるために操作可能な留め機構510を含む。
【0074】
図29に例示するように、各伸延具コンポーネント502、504はそれぞれ、実装棒512、514を含む、これはクレードル500の対応するスロット516、518に受容される。伸延具コンポーネント502、504は、クレードル500の対応するスロット516、518に又はそれから、それぞれの実装棒512、514をスライドさせることにより、クレードル500に対して外向きの方向520に独立して移動することができる。よって、伸延具コンポーネント502、504のいずれかは、関節伸延具が内側又は外側アプローチのいずれかから患者のどちらかの膝に使用するために選択的に構成されるように、他のコンポーネント502、504からより離れて延在するよう位置付けられてもよい。更に、伸延具コンポーネント502、504は、センサモジュール12のセンサ筐体30の形状及び/若しくは大きさ、患者の膝の形状及び大きさ、並びに/又は他の規準に基づいて、調節され、位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、
図29に例示するように、実装棒512、514は、それぞれの伸延具コンポーネント502、504の伸長の量の視覚的指標を提供する印を含んでもよい。このような視覚的指標は、クレードル500に定められるウインドウ522、524を介して整形外科医が見ることができる。伸延具コンポーネント502、504が所望の構成に位置付けられているとき、対応する実装棒512、514は、関連する留め機構526、528の使用を介して所定の位置に留めることができる。このように留められるとき、伸延具コンポーネント502、504は、クレードル500に対する運動が制限される。
【0075】
図30に例示するように、各伸延具コンポーネント502、504は、パドルセット530、532及び1対のハンドル534、536を含む。伸延具コンポーネント502のパドルセット530は、脛骨パドル538及び大腿骨パドル540を含む。同様に、伸延具コンポーネント504のパドルセット532は、脛骨パドル542及び大腿骨パドル544を含む。ハンドル534を、脛骨パドル538に対して大腿骨パドル540を移動させるように操作することができる(例えば、脛骨パドル538から上向きに)。同様に、ハンドル536を、脛骨パドル542に対して大腿骨パドル544を移動させるように操作することができる(例えば、脛骨パドル538から上向きに)。脛骨パドル538、542及び大腿骨パドル540、544は、バネ546、548を介して近接した又は接触している位置に偏っており、これらはハンドル534、536内に例示的に位置付けられる。更に、各対のハンドル534、536は、それぞれ関連する留め機構550、552を含み、これはハンドル534、536を留め、それにより選択された位置に、関連する脛骨パドル538、542及び大腿骨パドル540、544を留めるよう操作可能である。
【0076】
使用中、センサモジュール12はクレードル500に位置付けられ、留め機構510を介して所定の位置に固定される。患者のどちらの膝が操作されるかに応じて、伸延具コンポーネント502、504は、脛骨パドル538、542が、
図20に例示するように、センサモジュール12の脛骨パドル34に接触するように位置付けることができる。脛骨パドル538、542は、圧力センサ102、104、106、108の円形配向及び圧力センサ112、114、116、118の円形配向に一般的に対応する、実質的に円形状を有することを理解すべきである。関節伸延具16及びセンサモジュール12は、次いで、患者の関節に挿入されてもよい(例えば、患者の脛骨の近位端及び患者の大腿骨の遠位端の間)。関節伸延具16は、その後、脛骨パドル34に適用される関節力に応答して、患者の関節を伸延するために用いることができ、センサモジュール12は、選択された伸延の程度で関節の関節力の内側−外側の釣り合いを表示する。このように、整形外科医は、伸延具16及びセンサモジュール12を用いて、整形外科的処置の実行中、患者の関節の相対的な関節力を調節及び監視することができる。
【0077】
図27〜30の例示的実施形態では、大腿骨パドル540、544は、車軸関節554を中心として脛骨パドル538、542に対して旋回する(
図30を参照)。よって、大腿骨パドル540、544は、使用中、脛骨パドル538、542に対して斜位配向に動かされる。しかしながら、
図31に例示する別の実施形態では、伸延具16は、大腿骨パドル540、544が使用中に脛骨パドル538、542に対して実質的に平行な配向に動かされるように構成された、4軸リンク機構272又は他の機構を含んでもよい。つまり、このような実施形態では、大腿骨パドル540、544及び脛骨パドル538、542は、大腿骨パドル540、544が脛骨パドル538、542から離れて移動するとき、互いに実質的に平行のままである。よって、伸延具コンポーネント502、504はクレードル500が連結されてもよい伸延具コンポーネントの1つの例示的実施形態にすぎず、他の実施形態では、クレードル500は、伸延具コンポーネント502、504に類似する又は異なる方式で作動するように構成された他の種類の伸延具コンポーネントに連結されてもよいことを理解すべきである。
【0078】
図32〜35を参照すると、いくつかの実施形態では、センサモジュール12は、コンピュータを利用した整形外科的(CAOS)システム18とともに使用するように構成されてもよい。このような実施形態では、センサモジュール12は、関節力データをシステム18に送信するように構成される。
図32に例示するように、コンピュータを利用した整形外科的(CAOS)システム18は、コンピュータ600、ディスプレイ602、及びカメラユニット604を含む。コンピュータ600は、信号経路606を介してディスプレイ602に、及び信号経路608を介してカメラユニット604に通信的に連結される。信号経路606、608は、それぞれ、コンピュータ600及びディスプレイ602並びにコンピュータ600及びカメラユニット604間の電気的通信を促進することができる任意の種類の信号経路として具体化されてもよい。例えば、信号経路は、任意の数のワイヤ、プリント回路基板トレース、バイア(via)、バス、介在性装置等として具体化されてもよい。
【0079】
ディスプレイ602は、液晶ディスプレイモニタ、陰極線管(CRT)ディスプレイモニタ等のような任意の種類の装置として具体化されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ディスプレイ602は、「ヘッドアップ」ディスプレイとして具体化されてもよい。このような実施形態では、信号経路606は、有線又は無線信号経路として具体化されてもよい。カメラユニット604は、2つ以上のカメラ610を備え、これらは患者612の該当する骨に連結される反射配列620が、カメラ610の視野614内にあるように位置する。
【0080】
コンピュータ600は、プロセッサ622、記憶装置624、及び受信機又は受信機回路626を含む。プロセッサ622は、本明細書に記載の機能を実行するように構成可能な任意の種類のプロセッサとして具体化されてもよい。例えば、プロセッサ622は、別々の集積回路又は電子装置の集合として具体化されてもよい。更に、プロセッサは単一又はマルチコアプロセッサであってもよい。単一プロセッサ622のみを
図32に例示するが、他の実施形態では、コンピュータ600は任意の数の追加のプロセッサを備えてもよいことを理解すべきである。記憶装置624は、読み取り専用記憶装置及び/又はランダムアクセス記憶装置として具体化されてもよい。例えば、記憶装置624は、電気的消去書込み可能な記憶装置(EEPROM)、動的ランダムアクセス記憶装置(DRAM)、同期型ランダムアクセス記憶装置(SDRAM)、ダブルデータレート動的ランダムアクセス記憶装置(DDR SDRAM)、及び/又は他の揮発性若しくは非揮発性記憶装置として具体化されてもよく、又は別の方法でそれらを備えてもよい。更に、単一記憶装置のみを
図32に例示するが、他の実施形態では、コンピュータ600は追加の記憶装置を備えてもよい。
【0081】
受信機回路626は、センサモジュール12から関節力データを受信するために、任意の種類の無線通信プロトコル、標準、又は技術を用いるように構成されてもよい。例えば、センサモジュール12に関して上述したように、コンピュータ600は、センサモジュール12と通信するために、無線ネットワーキングプロトコル、符号分割多重アクセス(CDMA)プロトコル、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)プロトコル又は他の無線通信プロトコル、標準、又は技術のようなセルラ通信プロトコルを用いて通信するように構成されてもよい。
【0082】
使用中、コンピュータを利用した整形外科的(CAOS)システム18は、反射配列620が連結され、ある量の外科的処置ウォークスルーを提供する、患者の該当する骨の解剖学的構造(例えば、患者の脛骨及び大腿骨)の位置を追跡及び表示することにより、外科的ナビゲーションを提供するように構成される。更に、コンピュータを利用した整形外科的(CAOS)システム18は、センサモジュール12から関節力データを受信し、ディスプレイ602に患者の関節の関節力データ又は関節力の他の印を表示するように構成される。
【0083】
そうするために、コンピュータ600は、
図33に例示するような整形外科的処置を実行するための方法700を遂行してもよい。方法700は、システム18が初期化されるブロック702で始まる。例えば、ブロック702では、コンピュータ600は、任意の数のシステムチェックを実行し、プロセッサ622の任意のレジスタを消去し、並びに/又は他の初期化及び/若しくはインテグリティチェックを実行することができる。更に、CAOSシステム18の任意の数の設定、プリファレンス、及びキャリブレーションを、ブロック702で確立し、実行してもよい。例えば、ディスプレイ602のビデオ設定を選択してもよく、コンピュータ600に表示される言語を選択してもよく、ディスプレイ装置602のタッチスクリーンを、適用可能な場合、ブロック702でキャリブレーションしてもよい。
【0084】
ブロック704では、整形外科的処置の選択及びプリファレンスは、外科医により選択される。このような選択は、実行されるべき整形外科的処置の種類(例えば、全膝関節形成)、用いられる整形外科的インプラントの種類(例えば、製造、モデル、大きさ、固定化の種類等)、操作の順序(例えば、脛骨又は大腿骨を最初に)等を含んでもよい。いったん整形外科的処置をブロック704で設定すると、患者の骨はブロック706で登録される。そうするために、反射配列620は、患者の該当する骨(例えば、患者の脛骨及び大腿骨)と連結される。更に、このような骨の輪郭は、適切な登録ツールを用いて登録される。そうするために、このようなツールのポインタの端部は、登録されるべき骨の種々の領域に触れられる。登録に応答して、コンピュータ600は、骨の位置及び配向がそれに連結された反射配列に基づいて決定され、骨の輪郭が登録された点に基づいて決定される、骨のレンダリングされた画像を表示する。更に、1つ以上の外科的ツールを、ブロック706でコンピュータを利用した整形外科的(CAOS)システムを用いて登録してもよい。
【0085】
いったん適当な骨をブロック706で登録すると、コンピュータ600は、カメラユニット604と協働して、ブロック708で整形外科的処置及び関連するナビゲーションデータ(例えば、外科的ツールの位置)の外科的工程の画像を表示する。そうするために、処理工程708は、各外科的処置工程が関連するナビゲーションデータとともに順番に整形外科医に表示される、任意の数のサブ工程を含んでもよい。更に、ブロック710では、コンピュータ600は、センサモジュール12から関節力データを受信する。上記のように、関節力データは、センサモジュール12のセンサ配列90により発生するセンサ信号により示されるとき、患者の膝の関節力を示す。
【0086】
ブロック712では、コンピュータ600は、ディスプレイ602上に、関節力データ又は患者の関節の関節力を示すそれから由来する他のデータを表示する。コンピュータ600は、ブロック712で関節力データに基づいて任意の1つ以上の関節力値を決定するように構成されてもよい。例えば、手持ち式ディスプレイモジュール14と同様に、コンピュータ600は、ブロック710で受信された関節力データに基づいて内側関節力値及び外側関節力値を決定するように構成されてもよい。再び、このような内側関節力値は、圧力センサ102、104、106、108、120、124から受信されるセンサ信号に基づき、外側関節力値は、圧力センサ112、114、116、118、122、126から受信されるセンサ信号に基づく。コンピュータ600はまた、内側関節力値及び外側関節力値に基づいて平均内側/外側力値を決定することもできる。このような実施形態では、内側関節力値、外側関節力値、及び平均関節力値は、その後、ブロック712でディスプレイ602に表示される。更に、コンピュータ600は、関節力データに基づいて関節力の内側−外側及び/又は前側/後側の釣り合いを決定し、手持ち式ディスプレイモジュール14と同様の方式でディスプレイ602に関節力の釣り合いの印を表示するように構成されてもよい。例えば、コンピュータ600は、ブロック412で、それぞれ
図24、25及び26に関して例示し前記に記載したディスプレイ450、452、454と同様のディスプレイを提示することができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、コンピュータを利用した外科的(CAOS)システム18は、ナビゲーションデータに関連してディスプレイ602上で関節力データを決定し表示するように構成されてもよい。例えば、コンピュータ600は、
図34に例示するように、ナビゲーションデータに関連する関節力データを表示するための方法720を遂行してもよい。方法720は、コンピュータ600がセンサモジュール12から関節力データを受信するブロック722を含む。再び、関節力データは、センサモジュール12のセンサ配列90により発生するセンサ信号により示されるとき、患者の膝の関節力を示す。ブロック724では、コンピュータ600は、ブロック722で受信した関節力データに基づいて、内側、外側、及び/又は平均関節力値を決定する。
【0088】
ブロック722における関節力値の決定と同時に、コンピュータ600は、ブロック724で患者の膝が整形外科的処置を受けている実施形態では、患者の大腿骨及び脛骨のような患者の該当する骨の位置及び配向を決定する。その後、ブロック728で、コンピュータ600は、ブロック722で決定された関節力値及びブロック728で決定された膝関節の画像を表示する。よって、コンピュータ600を用いて、例えば、患者の膝の内側及び外側顆の屈曲及び伸長ギャップを表示し、同時に患者の膝の関連する内側、外側、及び/又は平均関節力値を表示することができる。屈曲及び伸長ギャップ、並びに関連する関節力値を監視することにより、整形外科医は特定の整形外科処置のために適切な量のギャップ又は関節力を決定することができる。
【0089】
更に、いくつかの実施形態では、コンピュータ600はまた、ブロック726で決定された患者の骨の配向及び位置に基づいて他の解剖学的データを決定し、関連する関節力値とともにこのような解剖学的データを表示するように構成されてもよい。例えば、1つの実施形態では、コンピュータ600は、患者の膝の内反/外反角を決定し、関連する内側及び外側関節力を表示するように構成される。更に、コンピュータ600は、内側及び外側力値に基づいてロードされた顆を決定し、ディスプレイ602上で整形外科医にロードされた顆を確認させるように構成されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、コンピュータ600は、記憶装置624又は他の保存装置に、互いに関連する、解剖学的データ、関節力値、及び/又はインプラントの種類、大きさ、患者の識別データ、等のような他の外科的データを保存するように構成されてもよい。
【0090】
コンピュータ600はまた、いくつかの実施形態では、屈曲角及び関連する関節力値のグラフを決定し、表示するように構成されてもよい。そうするために、コンピュータ600は、
図35に例示するように、方法730を遂行する。方法730は、コンピュータ600がセンサモジュール12から関節力データを受信するブロック732を含む。再び、関節力データは、センサモジュール12のセンサ配列90により発生するセンサ信号により示されるとき、患者の膝の関節力を示す。ブロック734では、コンピュータ600は、ブロック732で受信した関節力データに基づいて、内側、外側、及び/又は平均関節力値を決定する。
【0091】
ブロック732における関節力値の決定と同時に、コンピュータ600はブロック736で患者の膝の屈曲角を決定する。そうするために、コンピュータ600は、患者の脛骨及び大腿骨の相対的な位置を決定し、これらの位置に基づいてそれらの間で画定される屈曲角を決定する。ブロック738では、コンピュータ600は、ブロック734で決定される関節力データ、及びブロック738で決定される屈曲角データを保存する。方法は、ブロック732、734、736を繰り返して、データ及び屈曲の所望の範囲内の各又は全ての所定の屈曲角を収集する。このようなデータを収集した後、方法730は、コンピュータ600が関節力値対屈曲角のグラフを表示するブロック740に進行する。このようなグラフは、内側及び外側関節力値を含んでもよく、又は整形外科医の嗜好に応じて平均関節力値を含んでもよい。
【0092】
図36〜41を参照すると、前述のとおり、センサモジュール12を、整形外科的処置の実行中に用いて、患者の関節力の相対的な内側−外側の釣り合いを監視することができる。例えば、センサモジュール12を用いて全膝関節形成術を実行するための外科的方法800を、
図36に例示する。方法800は、患者の脛骨近位900が切除されるブロック802で始まる。患者の脛骨900を切除することにより、切除された平面表面又は平坦部は、脛骨近位端上に確立される。コンピュータを利用した外科的(CAOS)システム18が用いられない実施形態のような、いくつかの実施形態では、患者の大腿骨902の遠位端はブロック804で切除されてもよい。
【0093】
ブロック806では、患者の膝は伸展状態にある。その後、ブロック808では、患者の膝は伸展状態にありながら伸延され、関節力は釣り合っている。そうするために、整形外科医は、患者の膝関節にセンサモジュール12の脛骨パドル34を定置してもよい。具体的には、脛骨パドル34は、
図37に例示するように、患者の近位脛骨の切除された平坦部850上に定置される。脛骨パドル34は、患者の脛骨に接触して定置してもよく、又は膜若しくは他の介在性部材上に定置されてもよい。
図37に示すように、スペーサブロック832を用いて、伸展状態にある患者の膝を所望の量に伸延してもよい。あるいは、センサモジュール12は関節伸延具16に連結されてもよく、これは患者の膝関節に挿入され、所望の量関節を伸延するよう操作されてもよい。典型的には、患者の膝関節は、ほぼ矩形の関節ギャップ(すなわち、患者の大腿骨の切除された遠位端とおよそ平行である患者の脛骨の切除された平坦部850)を確立するのに必要な量、伸展状態で伸延される。
【0094】
いったんほぼ矩形の関節ギャップが確立されると、整形外科医は内側及び外側関節力を釣り合わせることができる。そうするために、整形外科医は、靱帯解放(ligament release)又は釣り合わせ処置を実行して、患者の膝の内側又は外側力を低下させることができる。そうしている間、整形外科医は、センサモジュール12及び/又は手持ち式ディスプレイモジュール14のディスプレイ50、52を監視して、どちら側を緩めるか、及び、いつ内側及び外側力がおよそ等しいか(例えば、中央の発光ダイオード84が明るくなったとき)を決定することができる。無論、整形外科医は、45%/55%内側−外側関節力の釣り合いのような代替の関節力の釣り合いが、例えば、患者の年齢、患者の性別、患者の関節の軟組織の損傷の程度、患者の関節の術前変形の程度等のような基準に基づいて特定の患者に望ましいということを決定できる。更に、コンピュータを利用した外科的(CAOS)システム18を用いる実施形態のような、いくつかの実施形態では、患者の大腿骨902の遠位端をブロック810で切除してもよい。
【0095】
整形外科医が伸展状態にある患者の関節の内側−外側関節力を適切に釣り合わせた後、患者の関節をブロック812で屈曲状態におく。その後、ブロック814では、患者の膝は、屈曲状態にありながら、関節力の所望の釣り合いに伸延される。そうするために、整形外科医は、再び、患者の近位脛骨900の切除された平坦部850上に、センサモジュール12の脛骨パドル34を定置してもよい。脛骨パドル34は、患者の脛骨に接触して定置してもよく、又は膜若しくは他の介在性部材上に定置されてもよい。整形外科医は、内側及び外側関節力がおよそ等しくなるまで、伸延具16、560、又は異なる量患者の大腿骨の各顆を伸延するための他の伸延具を用いて、患者の膝を伸延してもよい。内側及び外側関節力を等しくすることにより、大腿骨の回転が確立される。
【0096】
患者の関節が伸延されて、ブロック814で所望の内側−外側の釣り合いが達成された後、多数の追加切除をブロック816で患者の遠位大腿骨902で実行する。そうするために、
図38に例示するように、切断ブロック860は関節伸延具16に連結され、患者の関節を屈曲状態で伸延しながら、患者の遠位大腿骨902上の前側大腿骨切断、後側大腿骨切断、及び/又は面取り切断を実行するために使用されることができる。1つの具体的な実施形態では、切断ブロック860は、患者の膝が上記のように屈曲状態で伸延されながら、前側及び後側大腿骨切断が脛骨切断に対して実質的に平行であるように、位置付けられる。他の実施形態では、切断ブロック860は、前側及び後側大腿骨切断の角が意図するインプラントの特定の角に一致するように位置付けられてもよい。よって、前側及び後側大腿骨切断は、大腿骨を所望の位置に回転させながら実行される。切断ブロック860の位置はまた、整形外科的インプラントのための屈曲ギャップを設定するため前側又は後側に調節してもよい。
【0097】
あるいは、いくつかの実施形態では、屈曲状態にある大腿骨の回転は、後側顆、ホワイトサイド線、及び/又は経上顆軸(transepicondylar axis)のような解剖学的基準に基づいて予め決定される。前側大腿骨切断、後側大腿骨切断、及び/又は面取り切断は、所定の大腿骨の回転に基づいて、患者の遠位大腿骨902上で実行される。
図39に例示するように、スペーサブロック854を用いて、このような面取り切断をチェック又は確認することができる。更に、整形外科医は靱帯解放を用いて、所望の内側−外側関節力を釣り合わせる又は画定することができる。このような実施形態では、整形外科医はまた、屈曲状態で実行される靱帯解放が伸展状態で関節力の釣り合いに悪影響を及ぼさないことを検証することもできる。
【0098】
患者の遠位大腿骨の最終切除が完了した後、患者の膝関節の関節力の釣り合いがブロック818で確認される。そうするために、整形外科医は、
図40及び41に例示するように、患者の近位脛骨900の切除された平坦部850上にセンサモジュール12の脛骨パドル34を定置してもよい。トライアル脛骨インサート又はベアリング862は、脛骨パドル34上に定置されてもよく、トライアル大腿骨コンポーネントは一時的に患者大腿骨902の遠位端に連結されてもよい。患者の膝関節は、次いで、整形外科医がセンサモジュール12のディスプレイ50、52により示されるような関連する関節力の釣り合いを監視して、所望の関節の釣り合いが患者の関節の屈曲全体にわたって維持されることを確認しながら、
図41に例示するように、屈曲の種々の程度に移動させてもよい。
【0099】
システム10は、関節力の測定、決定、及び表示に関連して上記されている。このような関節力は、一般的に、画定された領域上の患者の関節の関節圧に対応する。よって、他の実施形態では、センサモジュール12、手持ち式ディスプレイモジュール14、及びコンピュータを利用した外科的システム18は、患者の関節力に加えて又はその代わりに患者の相対的な関節圧を測定、決定、及び表示するように構成されてもよいことが理解されるべきである。例えば、1つの実施形態では、患者の関節圧は、センサ配列90の圧力センサ又はセンサ要素100の各センサの既知の領域に基づいて決定することができる。
【0100】
以上、図面及び上記の説明文において本開示内容を詳細に図示、説明したが、こうした図示、説明はその性質上、例示的なものとみなすべきであって、限定的なものとみなすべきではなく、あくまで例示的実施形態を示し、説明したにすぎないのであって、本開示の趣旨の範囲に含まれる変更並びに改変はすべて保護されることが望ましい点は理解されよう。
【0101】
本明細書に記載の装置、システム、及び方法の様々な特性から本開示の複数の利点が生ずる。本開示の装置、システム、及び方法の代替実施形態は、記載された特性の全てを含んでいない場合もあるが、それでも依然としてこのような特性の利点の少なくともいくらかから恩恵を享受していることが留意される。当業者であれば、本発明の1つ以上の特徴を取り入れた、「特許請求の範囲」において定義される本開示の趣旨及び範囲に包含される装置、システム、及び方法を独自に実施することが容易に可能であろう。
【0102】
〔実施の態様〕
(1) 患者の関節に位置付けられるような形状であり、凹状に湾曲した上方筐体片を有するセンサ筐体と、
前記センサ筐体内に位置付けられるセンサ配列であって、前記患者の関節の関節力を示すセンサ信号を発生させるよう構成される複数の圧力センサを備える、センサ配列と、
前記センサ筐体に固定されるハンドルと、
前記ハンドルの端部に固定される第1ディスプレイと、
前記ハンドルに位置付けられる回路であって、前記センサ配列からの前記センサ信号を受信し、前記ディスプレイを制御して前記患者の関節の前記関節力の視覚的指標を提供するよう構成される、回路と、を備える、整形外科的装置。
(2) 前記センサ筐体がカップ形状である、実施態様1に記載の整形外科的装置。
(3) 前記センサ筐体が前記患者の股関節に位置付けられるような形状である、実施態様2に記載の整形外科的装置。
(4) 前記センサ筐体が前記患者の肩関節に位置付けられるような形状である、実施態様2に記載の整形外科的装置。
(6) 前記センサ筐体が、凸状に湾曲した下方筐体片を備え、力が前記センサ筐体に印加されないとき、前記凹状に湾曲した上方筐体片の外縁が前記凸状に湾曲した下方筐体の対応する外縁から離間している、実施態様1に記載の整形外科的装置。
(7) 前記複数の圧力センサが容量性圧力センサである、実施態様1に記載の整形外科的装置。
(8) 前記第1ディスプレイが複数の発光ダイオードを備え、
前記回路が前記複数の発光ダイオードを制御して、前記関節力の視覚的指標を提供するように構成される、実施態様1に記載の整形外科的装置。
(9) 前記ハンドルの前記端部に固定される第2ディスプレイを更に備え、
前記ハンドルが上部ハンドル筐体及び底部ハンドル筐体を備え、前記第1ディスプレイが前記上部ハンドル筐体の端部に固定され、前記第2ディスプレイが前記底部ハンドル筐体の端部に固定される、実施態様1に記載の整形外科的装置。
(10) 前記回路が、前記関節力を示すデータを送信するよう構成される無線送信機を備える、実施態様1に記載の整形外科的装置。
【0103】
(11) 患者の関節に位置付けられる形状のセンサ筐体と、
前記センサ筐体内に位置付けられるセンサ配列であって、前記患者の関節の関節力を示すセンサ信号を発生させるよう構成される複数の圧力センサを備える、センサ配列と、
複数のワイヤを介して前記センサ筐体に通信的に連結されるハンドルと、
前記ハンドルの端部に固定される第1ディスプレイと、
前記ハンドルに位置付けられる回路であって、前記センサ配列からの前記センサ信号を受信し、前記ディスプレイを制御して前記患者の関節の前記関節力の視覚的指標を提供するよう構成される、回路と、を備える、整形外科的装置。
(12) 前記センサ筐体が半球形外表面を含む、実施態様11に記載の整形外科的装置。
(13) 前記センサ筐体が実質的に平面であり、前記患者の脊椎の第1椎骨と第2椎骨との間に定置されるような大きさであり、前記センサ筐体が前記患者の脊髄の一部を受容するような形状の切り込みを備える、実施態様11に記載の整形外科的装置。
(14) 前記センサ筐体が実質的に平面であり、前記患者の膝蓋骨と大腿骨との間に定置されるような大きさであり、前記センサ筐体がほぼ楕円形状を有する、実施態様11に記載の整形外科的装置。
(15) 前記第1ディスプレイが複数の発光ダイオードを備え、
前記回路が前記複数の発光ダイオードを制御して、前記関節力の視覚的指標を提供するよう構成される、実施態様11に記載の整形外科的装置。
(16) 前記ハンドルの前記端部に固定される第2ディスプレイを更に備え、
前記ハンドルが上部ハンドル筐体及び底部ハンドル筐体を備え、前記第1ディスプレイが前記上部ハンドル筐体の端部に固定され、前記第2ディスプレイが前記底部ハンドル筐体の端部に固定される、実施態様11に記載の整形外科的装置。
(17) 患者の関節に位置付けられる形状のセンサ筐体と、
前記センサ筐体内に位置付けられ、前記患者の前記関節の関節力を示すセンサ信号を発生させるよう構成される、複数の圧力センサと、
前記センサ筐体に連結されるハンドルと、
前記ハンドルに連結されるディスプレイと、
前記複数の圧力センサ及び前記ディスプレイに電気的に連結されるプロセッサと、
内部に保存された複数の命令を有する記憶装置であって、前記命令は、前記プロセッサにより遂行されるとき、前記プロセッサに前記ディスプレイを制御させて、前記患者の前記関節の前記関節力の視覚的指標を提供する、記憶装置と、を備える、整形外科的装置。
(18) 前記センサ筐体がカップ形状である、実施態様17に記載の整形外科的装置。
(19) 前記センサ筐体が実質的に平面であり、前記患者の脊椎の第1椎骨と第2椎骨との間に定置されるような大きさであり、前記センサ筐体が前記患者の脊髄の一部を受容するような形状の切り込みを備える、実施態様17に記載の整形外科的装置。
(20) 前記センサ筐体が実質的に平面であり、前記患者の膝蓋骨と大腿骨との間に定置されるような大きさであり、前記センサ筐体がほぼ楕円形状を有する、実施態様17に記載の整形外科的装置。