(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
直流プラズマトーチと、前記直流プラズマトーチから離隔して対向配置された対向電極と、前記直流プラズマトーチと前記対向電極との間に形成された材料気化反応室を側面側から囲繞する壁面部とを、備えており、前記直流プラズマトーチは、リング状の磁石と、円筒形状であり、前記磁石が前記円筒の空洞内部に配置され、前記磁石と所定の距離だけ離隔している移行型プラズマ用電極と、当該直流プラズマトーチの略中央部に設けられた原料材料が通る原料材料通路部と、円筒形状であり、前記移行型プラズマ用電極が当該円筒形状の空洞内部に配置され、当該移行型プラズマ用電極と所定の距離だけ離隔している外筒とを、備えており、前記移行型プラズマ用電極は、前記対向電極との間において、移行型プラズマを発生する電極である、微粒子生成装置における微粒子生成方法であって、
(A)前記直流プラズマトーチ内の前記原料材料通路部の外側である、前記移行型プラズマ用電極と前記外筒との間を通って、前記材料気化反応室内にプラズマガスを供給するステップと、
(B)前記原料材料通路部内を通って、前記材料気化反応室内に、前記原料材料である粉末状の粉末材料を供給するステップと、
(C)前記移行型プラズマ用電極と前記対向電極との間に直流電圧を印加し、当該直流電圧印加と前記磁石の磁力とにより、前記材料気化反応室内に、回転状態の移行型プラズマを発生させ、当該移行型プラズマにより、前記回転状態内において前記粉末材料を気化させるステップとを、
備えており、
前記移行型プラズマは、
前記移行型プラズマ用電極と前記対向電極との間で発生し、前記円筒形状である前記移行型プラズマ用電極の周りを回転するプラズマである、
ことを特徴とする微粒子生成方法。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0022】
<実施の形態1>
図1は、本発明に係る微粒子生成装置100の全体構成を示す図である。
図1に示すように、微粒子生成装置100は、直流プラズマトーチ50を具備する。
図2は、
図1に示す直流プラズマトーチ50の先端部付近の構成を示す拡大断面図である。
【0023】
図1に示すように、微粒子生成装置100は、直流プラズマトーチ50、真空ポンプ60、プラズマ電源61、冷却水供給部62、第一のプラズマガス供給部63、第二のプラズマガス供給部64、プラズマトーチ昇降機構65、粉末材料供給部66、ガス供給部67、微粒子生成冷却室70、微粒子捕獲室71、微粒子捕獲フィルター72、および熱交換器73を、備えている。さらに、
図2に示すように、微粒子生成装置100は、対向電極10、壁面部11、および複数の絶縁物12,13も備えている。
【0024】
図1に示した丸で囲まれた領域の構成(つまり、直流プラズマトーチ50の先端部付近の構成)が、
図2に示されている。
図2に示すように、直流プラズマトーチ50は、移行型プラズマ用電極1、内筒2、磁石3、外筒4、および複数の絶縁物5,6を、備えている。なお、
図2に示すように、これらの部材1〜6は全て、プラズマトーチ先端部において配設されている。
【0025】
<直流プラズマトーチおよびその周辺の構成>
まず、直流プラズマトーチ50の構成について説明する。
【0026】
移行型プラズマ用電極1、内筒2および外筒4は各々、円筒形状を有しており、導電性材料から成る。移行型プラズマ用電極1は、内筒2を、所定の距離だけ離れて囲繞している。つまり、移行型プラズマ用電極1の円筒形の径は、内筒2の円筒形の径よりも大きい。また、外筒4は、移行型プラズマ用電極1を、所定の距離だけ離れて囲繞している。つまり、外筒4の円筒形の径は、移行型プラズマ用電極1の円筒形の径よりも大きい。
【0027】
外筒4の空洞内には、内筒2および移行型プラズマ用電極1が配置されており、移行型プラズマ用電極1の空洞内には、内筒2が配置されている。ここで、移行型プラズマ用電極1の円筒形の中心軸と、内筒2の円筒形の中心軸と、外筒4の円筒形の中心軸は、一致している。当該中心軸を、
図2において中心軸AXとして図示している。
【0028】
なお、以下の説明において、当該中心軸AXの方向を、「軸方向」と称する。また、各部材1,2,4の円筒形の径の方向を、「径方向」と称する。
【0029】
内筒2の空洞は、原料材料が通る原料材料通路部25として機能し、直流プラズマトーチ50の略中心部に存する。また、内筒2と移行型プラズマ用電極1との間に形成された空間は、プラズマガスが通るガス通路部26として機能する。また、移行型プラズマ用電極1と外筒4との間に形成された空間は、プラズマガスが通るガス通路部27として機能する。
【0030】
また、磁石3は、リング形状を有する、永久磁石である。当該磁石3のリング形状の中心軸も、上記中心軸AXと一致している。また、磁石3は、中心軸AX方向に磁化している。具体的に、リング状の磁石3において、上部(原料材料供給側)が「N極」であり、下部(対向電極10に面する側)が「S極」である。
【0031】
また、移行型プラズマ用電極1は、磁石3を、所定の距離だけ離れて囲繞している。つまり、磁石3は、移行型プラズマ用電極1の円筒の空洞内部に配置される。
図2に示す形態で、磁石3は、内筒2の内部に配設(内蔵)されている。より具体的には、磁石3は、内筒2の内部において、対向電極10配置側(内筒2の底部付近)に、配置されている。つまり、対向電極10により近い位置に、磁石3は配設されている。
【0032】
また、
図2に示すように、絶縁物5は、内筒2の底面側端部を被覆するように形成されている。より具体的に、絶縁物5は、内筒2の対向電極10と対面する部分および、当該部分付近における内筒2の側面部の一部を覆っている。つまり、絶縁物5は、軸方向における磁石3の磁場が径方向における磁石3の磁場より大きくなる領域において、配設されている。
【0033】
さらに、移行型プラズマ用電極1と対向する外筒4の側面部には、絶縁物6が配設されている。当該絶縁物6は、対応電極10と対面する側の外筒4の端部領域において、所定の範囲で、移行型プラズマ用電極を所定の距離だけ離れて囲繞するように配設されている。具体的に、絶縁物6は、軸方向における磁石3の磁場が径方向における磁石3の磁場より大きくなる領域において、配設されている。
【0034】
ここで、各絶縁物5,6として、たとえば高温耐久性を有する窒化ボロン(または酸化シリコン)、または安価なアルミナなどを採用することができる。
【0035】
なお、内筒2の端部(底部)、移行型プラズマ用電極1の端部(底部)および外筒4の端部(底部)の、対向電極10側への突出具合は、次の通りである。外筒4の底部が、最も対向電極10側に突出しおり、内筒2の端部が、最も対向電極10側に突出していない。移行型プラズマ用電極1の対向電極10側への突出具体は、前者両者の間である。
【0036】
ここで、上記構成の直流プラズマトーチ50は、
図2における上下方向に、移動することができる。換言すれば、直流プラズマトーチ50は、対向電極10と対面している方向に、移動可能である。
【0037】
さて、
図2に示すように、直流プラズマトーチ50のプラズマ出力側において、当該直流プラズマトーチ50から離隔・対向して、対向電極10が設けられている。
【0038】
当該対向電極10は、直流プラズマトーチ50側から平面視して、リング形状を有する。したがって、対向電極10の当該リング形状の貫通部20は、一方において材料気化反応室35と連通しており、他方において微粒子生成冷却室70と連通している。したがって、当該貫通部20を介して、材料気化反応室35と微粒子生成冷却室70とが接続される。
【0039】
当該対向電極10の当該リング形状の中心軸は、上記中心軸AXと略一致している。また、対向電極10の当該リング形状の外径D4は、移行型プラズマ用電極1の外径D1以下である(D4≦D1)。また、対向電極10の当該リング形状の内径D3は、移行型プラズマ用電極1の内径D2より小さい(D3<D2)。さらに、
図2に示すように、直流プラズマトーチ50と対面する対向電極10の面は、断面視において、対向電極10の前記リング形状の内径側から当該リング形状の外径側に進むに連れて、直流プラズマトーチ50から遠ざかる方向に傾斜した形状を有する。なお、
図2に示すように、対向電極10は、微粒子生成冷却室70の上部壁面と連接されている。
【0040】
さて、
図2に示すように、直流プラズマトーチ50と対向電極10との間には、材料気化反応室35が形成されている。そして、当該材料気化反応室35を、側面側から囲繞するように壁面部11が形成されている。具体的に、直流プラズマトーチ50、対向電極10、微粒子生成冷却室70の上部壁面および壁面部11により、材料気化反応室35が囲まれている。当該壁面部11と微粒子生成冷却室70の上部壁面とは、固定部材b2により固定されている。
【0041】
当該材料気化反応室35は、貫通部20、原料材料通路部25およびガス通路部26,27を除いて、直流プラズマトーチ50、対向電極10、微粒子生成冷却室70の上部壁面および壁面部11により、気密性が保持されている(密閉されている)。
【0042】
ここで、上記のように、直流プラズマトーチ50は
図2の上下方向に移動可能(昇降移動可能)である。したがって、直流プラズマトーチ50の当該昇降移動に応じて、材料気化反応室35の容積は変動する。なお、対向電極10側の部材を昇降移動させることにより、材料気化反応室35の容積を変動させても良い。つまり、材料気化反応室35の容積は、直流プラズマトーチ50と対向電極10との間の距離を変化させることにより、可変となる。
【0043】
壁面部11は、固定部材b1により固定されるように接続された、トーチ当接部15を有する。当該トーチ当接部15は、直流プラズマトーチ50の側面部に当接される。ここで、当該トーチ当接部15には部分的に溝が形成されており、当該溝にはオーリング16が配設されている。トーチ当接部15は、直流プラズマトーチ50の上記昇降移動の受けとして機能しており、当該オーリング16の配設により、当該昇降材料気化反応室35の気密性が保持される。
【0044】
また、
図2に示すように、対向電極10を除く材料気化反応室35に面する底面部(つまり、材料気化反応室35に面する微粒子生成冷却室70の上部壁面の一部)は、絶縁物13が形成されている。また、材料気化反応室側35に面する壁面部11は、絶縁物12が形成されている。
【0045】
ここで、各絶縁物12,13として、たとえば高温耐久性を有する窒化ボロン(または酸化シリコン)、または安価なアルミナなどを採用することができる。
【0046】
<微粒子生成装置の構成>
プラズマトーチ昇降機構65は、直流プラズマトーチ50の上方に配設されており、当該直流プラズマトーチ50の上記昇降移動を行う。プラズマ電源61は、移行型プラズマ用電極1および対向電極10に対して、直流電源を供給する。
図2に示す例は、正極性時の電源供給の様子を示している(つまり、移行型プラズマ用電極1にマイナス電圧を印加し、対向電極10にプラス電圧を印加する場合である)。
【0047】
冷却水供給部62は、直流プラズマトーチ50、微粒子生成冷却室70および熱交換機73の各々に対して、冷媒(以下、冷却水を例示して説明する)を供給する。具体的に、冷却水供給部62は、移行型プラズマ用電極1内、内筒2内および外筒4内を、冷却水が循環するように、冷却水を供給している。当該冷却水の循環により、直流プラズマトーチ50の得冷却が可能となる。なお、内筒2内に内蔵されている磁石3の周囲においても、冷却水は循環している。
【0048】
また、微粒子生成冷却室70の上部内、側部内および底部内(微粒子生成冷却室70の壁面)、さらに対向電極10内において、冷却水が循環するように、冷却水供給部62は冷却水を供給する。当該冷却水の循環により、微粒子生成冷却室70内の冷却および対向電極10の冷却が可能となる。なお、熱交換器73に供給された冷却水は、熱交換に利用される。
【0049】
ここで、
図1に示す構成例では、材料気化反応室35や微粒子捕獲室71の壁面は、冷却水で冷却されてないが、冷却水で冷却してもよい。
【0050】
第一のプラズマガス供給部63は、直流プラズマトーチ50内の原料ガス材料通路部25の外側を通って、材料気化反応室35に、プラズマガスを供給する。具体的に、第一のプラズマガス供給部63は、外筒4と移行型プラズマ用電極1との間に形成されたガス通路部27を通って、材料気化反応室35に、プラズマガスを供給する。ここで、
図1に示すように、第一のプラズマガス供給部63が供給するプラズマガスとして、不活性ガス(アルゴン、ヘリウム等)および/または気化した粉末材料と反応する反応ガス(酸素分子、窒素分子等)などが採用できる。
【0051】
第二のプラズマガス供給部64は、直流プラズマトーチ50内の原料ガス材料通路部25の外側を通って、材料気化反応室35に、プラズマガスを供給する。具体的に、第二のプラズマガス供給部64は、内筒2と移行型プラズマ用電極1との間に形成されたガス通路部26を通って、材料気化反応室35に、プラズマガスを供給する。ここで、
図1に示すように、第二のプラズマガス供給部64が供給するプラズマガスとして、不活性ガス(アルゴン、ヘリウム等)および/または気化した粉末材料と反応する反応ガス(酸素分子、窒素分子等)などが採用できる。
【0052】
粉末材料供給部66には、原料材料となる粉末材料が収容されている。当該粉末材料は、粒径が100μm以下の粉体(粉末状)である。また、粉末材料供給部66には、ガス供給部67から、担体ガスが供給される。ここで、当該担体ガスは、不活性ガス(アルゴン、ヘリウム等)および/または気化した粉末材料と反応する反応ガス(酸素分子、窒素分子等)などが採用できる。粉末材料供給部66から出力された粉末材料は、担体ガスにより運ばれ、原料材料通路部25を通って、材料気化反応室35に供給される。
【0053】
プラズマ電源61からの電源供給およびプラズマガス供給部63,64からのプラズマガス供給により、材料気化反応室35内の移行型プラズマ用電極1と対向電極10との間において、移行型プラズマP1が発生する。なお、後述するように、当該移行型プラズマP1は、磁石3からの磁力(より具体的に、径方向の磁力)の影響を受けることにより、当該材料気化反応室35内において、中心軸AXの周りを回転する。つまり、材料気化反応室35内の移行型プラズマ用電極1と対向電極10との間において、中心軸AXの周りで、円筒状を形成するように回転している、移行型プラズマP1が発生する。当該円筒の一方端部は、移行型プラズマ用電極1の端部であり、当該円筒の他方端部は、対向電極10の上面である。
【0054】
また、粉末材料供給部66から供給された粉末材料は、当該材料気化反応室35内において、上記回転状態の移行型プラズマP1により加熱される。そして、当該加熱により、粉末材料は、当該材料気化反応室35内において気化する。
【0055】
微粒子生成冷却室70は、導電性を有する部材(壁面)に周囲が囲まれることにより、形成されている。上記のように、当該微粒子生成冷却室70の壁面には冷却水が循環しており、当該冷却水の循環により、当該微粒子生成冷却室70の壁面および微粒子生成冷却室70内は、冷却される。また、当該微粒子生成冷却室70の壁面にプラズマ電源からの電圧を印加することにより、当該微粒子生成冷却室70の壁面と接続している対向電極10に当該電圧が印加される。上記のとおり、微粒子生成冷却室70は、貫通部20を介して材料気化反応室35と接続されている。また、側面部において、微粒子生成冷却室70は、微粒子捕獲室71と接続されている。
【0056】
真空ポンプ60は、微粒子生成冷却室70、微粒子捕獲室71および熱交換器73内の気圧を低下させるために、用いられる。当該真空ポンプ60と大気を供給するバルブとにより生じた気圧差を利用して、材料気化反応室35内で気化された粉末材料(以下、気化材料)は、貫通部20を通って、微粒子生成冷却室70へと移動し、さらに当該微粒子生成冷却室70を通って、微粒子捕獲室71へと移動する。
【0057】
微粒子生成冷却室70内では、当該気化材料は冷却され、凝縮し、超微粒子(ナノ粒子)が生成される。当該微粒子生成冷却室70で生成された超微粒子は、微粒子捕獲室71に送られる。微粒子捕獲フィルター72は熱交換器73を通じて吸引状態にあり、超微粒子は、当該吸引状態の微粒子捕獲フィルター72により捕集される。なお、微粒子捕獲フィルター72を通過したガス等は、熱交換器73において十分冷却される。
【0058】
<微粒子生成装置における超微粒子の生成方法>
次に、微粒子生成装置100における動作について説明する。
【0059】
図1,2に示すように、プラズマ電源61を用いて、たとえば正極性の直流電源を、移行型プラズマ用電極1と対向電極10との間に印加する。また、第一のプラズマガス供給部63が、ガス通路部27を通って材料気化反応室35に、プラズマガスを供給する。また、第二のプラズマガス供給部64が、ガス通路部26を通って材料気化反応室35に、プラズマガスを供給する。
【0060】
すると、移行型プラズマ用電極1と対向電極10との間において、移行型プラズマP1が発生し、磁石3の磁場の作用により、当該移行型プラズマP1は回転し、円筒状のプラズマとなる(
図2参照)。ここで、絶縁物5,6の存在により、移行型プラズマP1は、両電極1,10との間で、つまり径方向における磁石3の磁場が軸方向における磁石3の磁場より大きい領域において、生成される。換言すれば、当該絶縁物5,6は、回転に寄与しない磁界部分に移行型プラズマP1が移行しないようにするために、配設されている。
【0061】
上記のとおり、移行型プラズマP1は、磁石3により生成される磁界により、中心軸AXを中心として回転する。具体的には、下記の通りである。
【0062】
図2に示すように、リング状の磁石3は内筒2内に内蔵されているが、当該磁石3は、
図3に示すように、中心軸AX方向に磁化している。したがって当該磁石3により、直流プラズマトーチ50の先端部では、
図4に示す磁界MFが形成される。
【0063】
当該磁界MF生成下において、移行型プラズマ用電極1と対向電極10との間に正極性である所定値の直流電圧を印加すると、移行型プラズマP1が発生する。さらに、対向電極10から移行型プラズマ用電極1に向かって、移行型プラズマアーク電流I1が流れる(
図4参照)。
【0064】
ここで、絶縁物5,6の存在により、対向電極10と当該対向電極10に対面する移行型プラズマ用電極1の端部(底部)との間においてのみ、移行型プラズマアーク電流I1が流れる。換言すれば、磁界MFの径方向の磁場が当該磁界MFの軸方向の磁場より大きい領域においてのみ、移行型プラズマアーク電流I1が流れる。なお、絶縁物12,13の形成により、移行型プラズマアーク電流I1が、材料気化反応室35の他の壁面に移行することを防止できる。
【0065】
したがって、
図4に示すように、フレミングの左手の法則により、移行型プラズマP1は、当該径方向の磁場B1の影響により中心軸AX廻りの力F1が働く。よって、移行型プラズマP1は、中心軸AXの回りにおいて時計回りに回転する。なお、力F1の大きさは、径方向磁場B1×移行型プラズマアーク電流I1、である。このように、移行型プラズマP1は、常に回転する。
【0066】
さて、回転している移行型プラズマP1が発生している状態において、粉末材料供給部66は、原料材料通路部25内を通って、材料気化反応室35内に、粉末状の粉末材料を供給する。ここで、粉末材料は、たとえば粒径100μm以下の粉体であり、担体ガスに乗って、材料気化反応室35内に供給される。
【0067】
原料材料通路部25は、中心軸AXに沿って延設されている。したがって、原料材料通路部25を通った粉末材料は、中心軸AXの周りで回転している移行型プラズマP1の回転内部へと供給される。粉末材料は、当該移行型プラズマP1の回転内部を対向電極10に向かって移行する間に、当該移行型プラズマP1により加熱され、気化する。
【0068】
ところで、上記のとおり、プラズマトーチ昇降機構65により、両電極1,10間の距離を変化させ、材料気化反応室35の容積を変化させることができる。これにより、粉末材料及びガスに対して、移行型プラズマP1による加熱の加熱量及び加熱時間の調節ができる。
【0069】
たとえば、気化しにくい粉末材料を気化させる場合には、両電極1,10間の距離を長くし、材料気化反応室35の容積を拡大させる。これにより、当該粉末材料に対する移行型プラズマP1による加熱の加熱量及び加熱時間を、増加できる。他方、気化しやすい粉末材料を気化させる場合には、両電極1,10間の距離を短くし、材料気化反応室35の容積を縮小させる。これにより、当該粉末材料に対する移行型プラズマP1による加熱の加熱量及び加熱時間を、減少できる。つまり、粉末材料の種類に応じて、両電極1,10間の距離を変化させ、材料気化反応室35の容積を変化させることにより、移行型プラズマP1による無駄な加熱処理を、防止できる。換言すれば、粉末材料の効率的な気化処理が可能となる。
【0070】
さて、材料気化反応室35内で気化した原料は、貫通部20を介して、微粒子生成冷却室70内へと入る。ここで、担体ガスおよびプラズマガスとして不活性ガスを採用した場合には、当該不活性ガスも気化した原料と共に、貫通部20を介して、微粒子生成冷却室70内へと入る。また、担体ガスおよびプラズマガスとして反応ガスを採用した場合には、材料気化反応室35内で生成された反応生成気化物および反応しなかった反応ガスも、気化した原料と共に、貫通部20を介して微粒子生成冷却室70内へと入る。
【0071】
微粒子生成冷却室70では、気化した原料、担体ガス、プラズマガス、反応生成気化物などが冷却され、凝結、凝固し、超微粒子(ナノ粒子)が形成される。
【0072】
たとえば、担体ガスおよびプラズマガスが全て不活性ガス(たとえば、アルゴンガス)であり、粉末材料がチタンである場合には、微粒子生成冷却室70では、気化した粉末材料が凝結、凝固し、チタンの超微粒子が生成される。
【0073】
これに対して、担体ガスおよびプラズマガスが全て反応ガス(たとえば、酸素)であり、粉末材料がチタンである場合には、微粒子生成冷却室70では、気化した粉末材料と反応ガスで反応生成されたものが凝結、凝固し、TiO
2、Ti
2O、Ti
2O
3等の超微粒子が生成される。
【0074】
また、担体ガスおよびプラズマガスが全て反応ガス(たとえば、酸素)と不活性ガス(たとえば、アルゴンガス)との混合ガスである場合(または、第一のプラズマガス供給部63が供給するプラズマガスと担体ガスとが不活性ガス(たとえば、アルゴンガス)であり、第二のプラズマガス供給部64が供給するプラズマガスが反応ガス(たとえば、酸素)である場合)であり、粉末材料がチタンである場合には、微粒子生成冷却室70では、気化した粉末材料と反応生成されたものとの混合物が凝結、凝固し、Ti、TiO、TiO
2、Ti
2O、Ti
2O
3等の超微粒子が生成される。ここで、前記混合物の割合は、不活性ガスと反応ガスとの割合、プラズマ状態(温度)により変わる。
【0075】
なお、上記で示した、不活性ガス、反応ガスおよび粉末材料は、あくまで例示であることは言うまでもない。たとえば、反応ガスとして、混合物(たとえば、空気)や化合物(たとえば、化合物:CO
2)なども採用でき、当該例示のものを採用し、粉末材料としてチタンを採用した場合には、微粒子生成冷却室70では、TiNやTiCなどの超微粒子も生成される。
【0076】
さて、微粒子生成冷却室70内で生成された超微粒子は、当該微粒子生成冷却室70に接続されている微粒子捕獲室71に入る。そして、当該超微粒子は、当該微粒子捕獲室71に設置されている微粒子捕獲フィルター72に吸引捕集される。ここで、上記のように、微粒子捕獲フィルター72は、熱交換器73を介して真空ポンプ60により吸引されている。
【0077】
なお、移行型プラズマP1の発生前または発生後(発生中)において、プラズマトーチ昇降機構65は、直流プラズマトーチを、対向電極10と対面している方向に、移動させる。つまり、移行型プラズマ用電極1と対向電極10との距離は長短変化し、これにより、材料気化反応室35の容積は増減する。
【0078】
以上のように、本発明に係る微粒子生成装置100では、直流プラズマトーチ50を用いており、移行型プラズマ用電極1と対向電極10との間で、移行型プラズマP1を発生させている。そして、リング状の磁石3により、当該移行型プラズマP1を回転させている。そして、移行型プラズマ用電極1と対向電極10との間に、壁面部11で囲繞された材料気化反応室35が形成されている。
【0079】
したがって、材料気化反応室35内で回転している移行型プラズマP1により、原料材料(粉末材料)を気化させることができる。また、直流プラズマトーチ50を用いているので、トーチ全体の大きさを小さくでき、エネルギー効率を向上させることができる。さらに、上記構成に起因して、装置全体の低コスト化および小型化(簡素化)も可能となる。
【0080】
また、移行型プラズマP1を回転させるために、1個のリング状の磁石3を内筒2内に内蔵配置させているだけである。したがって、直流プラズマトーチ50の小型化(簡素化)が、可能となる。
【0081】
さらに、移行型プラズマP1は常に回転しているため、ある個所に集中的に移行型プラズマP1が照射され、当該照射が維持されることを防止できる。よって、移行型プラズマP1の照射による電極消耗を、抑制することができる。
【0082】
また、本発明に係る微粒子生成装置100では、直流プラズマトーチ50の略中央部に、中心軸AXに沿って、原料材料が通る原料材料通路部25が形成されている。そして、当該中心軸AXの回りにおいて、移行型プラズマP1を回転させている。
【0083】
したがって、材料気化反応室35内において、移行型プラズマP1により、原料材料を均一に加熱することができる。また、当該構成に起因して、材料気化反応室35に供給される原料材料(粉末材料)のほとんど全てを、気化させることができる。よって、超微粒子生成に際して、余分な原料材料の供給を防止でき、原料材料の節約も可能となる。また、回転している移行型プラズマP1の当該回転内部において原料材料が閉じ込められ、当該状態で原料材料が気化される。
【0084】
また、本発明に係る微粒子生成装置100では、対向電極10は、直流プラズマトーチ50側から平面視して、リング形状であり、貫通部20が対向電極10に形成されている。したがって、材料気化反応室35内で気化した粉末材料等を、移行型プラズマP1の移行方向に存する対向電極10の貫通部20から、抽出することができる。
【0085】
また、本発明に係る微粒子生成装置100では、直流プラズマトーチ50の中心軸は、対向電極10のリング形状の中心軸と、略一致している(両中心軸とも中心軸AXで一致している)。さらに、対向電極10のリング形状の外径D4は、移行型プラズマ用電極1の外径D1以下である。
【0086】
したがって、回転している移行型プラズマP1の当該回転の径を、対向電極10側において、移行型プラズマ用電極1側以下とできる。よって、気化した粉末材料等を効率良く、対向電極10の貫通部20に導くことができる。
【0087】
さらに、本発明に係る微粒子生成装置100では、対向電極10のリング形状の内径D3は、移行型プラズマ用電極1の内径D2より小さい。したがって、より効率良く、気化した粉末材料等を、対向電極10の貫通部20に導くことができる。
【0088】
さらに、本発明に係る微粒子生成装置100では、断面視して、直流プラズマトーチ50と対面する側において対向電極10は、貫通部20側において、当該直流プラズマトーチ50側に突出している。これにより、移行型プラズマP1の先端部を、対向電極10の貫通部20に近づけることができる。したがって、気化粉末材料等の殆ど全てを、対向電極10の貫通部20を通過させることができる。
【0089】
また、本発明に係る微粒子生成装置100では、直流プラズマトーチ50と対向電極10との距離を変動することにより、材料気化反応室35の容積を変動させている。
【0090】
したがって、直流プラズマトーチ50と対向電極10との間に発生する移行型プラズマP1の長さを可変できる。よって、原料材料(粉末材料)の種類に応じて、材料気化反応室35の容積を変動させることができる。つまり、原料材料(粉末材料)の種類に応じて、材料気化反応室35における、移行型プラズマP1による加熱量および加熱時間を変化させることができる。したがって、原料材料(粉末材料)の種類に応じて、常に、移行型プラズマP1による加熱の最適化を図ることができる。つまり、最適な熱効率の設定が、可能となる。
【0091】
たとえば、気化しやすい原料材料では、移行型プラズマP1による加熱時間・加熱量は、比較的少なくて良い。したがって、当該場合には、余分な加熱時間・加熱量の印加を防止するため、プラズマトーチ昇降機構65により、直流プラズマトーチ50を対向電極10に近づける。
【0092】
たとえば、気化しにくい原料材料では、移行型プラズマP1による加熱時間・加熱量は、比較的多く必要である。したがって、当該場合には、余分な加熱時間・加熱量の印加を防止しつつ、必要最小限の加熱時間・加熱量の印加を可能とするため、プラズマトーチ昇降機構65により、適正位置まで、直流プラズマトーチ50を対向電極10から遠ざける。
【0093】
また、本発明に係る微粒子生成装置100では、対向電極10を除く、材料気化反応室35に面する底面部には、絶縁物13が形成されている。そして、材料気化反応室側35に面する壁面部11には、絶縁物12が形成されている。
【0094】
したがって、材料気化反応室35内において発生した移行型プラズマP1が、対向電極10以外の方向に移行することを防止できる。
【0095】
また、本発明に係る微粒子生成装置100では、対向電極10の貫通部20と連通して、微粒子生成冷却室70が設けられている。さらに、当該微粒子生成冷却室70と接続されて、微粒子捕獲フィルター72を有する微粒子捕獲室71が設けられている。
【0096】
したがって、微粒子生成冷却室70内において、材料気化反応室側35内で気化された粉末材料等を、超微粒子生成可能温度(気化物凝結可能温度)まで冷却した後に、当該冷却により生成された超微粒子を、たとえば真空ポンプ60等を利用して、微粒子捕獲室71内において効率良く捕獲できる。
【0097】
また、本発明に係る微粒子生成装置100では、導電性を有する外筒4の側面部において、移行型プラズマ用電極1を所定の距離だけ離れて囲繞する、絶縁物6が設けられている。また、導電性を有する内筒2の底部(対向電極10と対面する部分)には、絶縁物5が設けられている。
【0098】
したがって、回転に寄与しない磁場内に、移行型プラズマP1が移行することを防止できる。
【0099】
また、材料気化反応室35は密閉されており、微粒子生成冷却室70等には真空ポンプ60が接続されている。したがって、不純物の少ない超微粒子の生成が可能となる。
【0100】
<実施の形態2>
本実施の形態では、直流プラズマトーチ50では、移行型プラズマに加えて、非移行型プラズマをも発生させる。つまり、本実施の形態では、直流プラズマトーチ50において内筒2は、非移行プラズマ用電極2として機能する。したがって、当該非移行プラズマ用電極2は、所定の電圧の印加が可能となる。なお、実施の形態1で説明したように、内筒(本実施の形態では、非移行プラズマ用電極)2は、導電性を有する材料から形成されている。
【0101】
本実施の形態では、上記のように、直流プラズマトーチ50は、移行型プラズマトーチとしても非移行型プラズマトーチとしても機能する。上記以外の構成(つまり、実施の形態1で説明した内筒2を、非移行型プラズマ用電極として機能させること以外の構成)は、本実施の形態に係る微粒子生成装置と実施の形態1に係る微粒子生成装置とでは、同じである。したがって、本実施の形態においても、実施の形態1で説明した構成・動作が流用される。
【0102】
次に、
図5を用いて、本実施の形態に係る微粒子生成装置の動作について説明する。
【0103】
たとえば、プラズマトーチ昇降機構65により、
図5に示すように、直流プラズマトーチ50を対向電極10側に近づける。そして、当該状態において、
図5に示すように、プラズマ電源61は、移行型プラズマ用電極1と対向電極10との間に正極性の電圧を印加する(つまり、移行型プラズマ用電極1に「マイナス」電位を印加し、対向電極10に「プラス」電位を印加している)。これに加え、本実施の形態に係る微粒子生成装置では、
図5に示すように、プラズマ電源61は、非移行型プラズマ用電極2に「プラス」の電位を印加する。
【0104】
したがって、移行型プラズマ用電極1と対向電極10との間で所定の電圧値の電位が印加されると共に、移行型プラズマ用電極1と非移行型プラズマ用電極2との間で他の所定の電圧値の電位が印加される。
【0105】
ところで、微粒子生成装置では、直流プラズマトーチ50を対向電極10側に十分近づけたとしても、直流プラズマトーチ50と対向電極10との距離は、移行型プラズマ用電極1と非移行型プラズマ用電極2との間の距離(つまり、ガス通路部26の幅)よりも、大きく設定されている。換言すれば、微粒子生成装置では、移行型プラズマ用電極1と非移行型プラズマ用電極2との間の距離は、十分に小さい。
【0106】
したがって、まず、移行型プラズマ用電極1と非移行型プラズマ用電極2との間における電圧印加と、ガス通路部26内に流れるプラズマガスとに起因して、両電極1,2間において、非移行型プラズマP2が発生する。なお、プラズマ電源61は、移行型プラズマ用電極1と非移行型プラズマ用電極2との間に電圧を印加し、非移行型プラズマP2が発生したのちに、当該プラズマ電源61は、移行型プラズマ用電極1と対向電極10との間に電圧を印加しても良い。
【0107】
さて、当該非移行型プラズマP2も、磁石3の影響により回転する。具体的には、次の通りである。
【0108】
移行型プラズマ用電極1と非移行型プラズマ用電極2との間に所定の電圧を印加すると、非移行型プラズマP2が発生し、非移行型プラズマ用電極2から移行型プラズマ用電極1に向かって、非移行型プラズマアーク電流I2が流れる(
図5参照)。
【0109】
ここで、
図5には図示されていないが、非移行型プラズマ用電極2の側面部において、径方向における磁石3の磁場が軸方向における磁石3の磁場より大きい領域を覆っている、絶縁物が形成されることが望ましい。換言すれば、非移行型プラズマ用電極2の側面部において、軸方向における磁石3の磁場が、径方向における磁石3の磁場より大きい領域は、露出され、それ以外の領域は絶縁物で覆われていることが望ましい。当該絶縁物が形成されれば、軸方向の磁場が径方向の磁場より大きい領域においてのみ、非移行型プラズマアーク電流I2を流すことができる。
【0110】
さて、
図5の構成においても磁石3は、
図3に示すような方向に磁化しているとする。すると、磁石3の側方付近では、
図5に示すように、径方向の磁場よりも大きな軸方向の磁場B2が存在する(磁場B2は、
図5の上から下に向かう方向である)。
【0111】
したがって、非移行型プラズマ用電極2から移行型プラズマ用電極1に向かって非移行型プラズマアーク電流I2が流れるので、上記磁場B2下では
図5に示すように、フレミングの左手の法則により、非移行型プラズマP2には中心軸AX廻りの力F2が働く。よって、非移行型プラズマP2は、中心軸AXの回りにおいて反時計回りに回転する。なお、力F2の大きさは、軸方向磁場B2×非移行型プラズマアーク電流I2、である。
【0112】
さて、当該回転する非移行型プラズマP2の発生により、移行型プラズマ用電極1と対向電極10との間において、移行型プラズマP1の電路が形成される。つまり、当該非移行型プラズマP2の発生により、当該非移行型プラズマP2非発生の場合と比較して、移行型プラズマP1は発生しやすくなる。
【0113】
したがって、移行型プラズマ用電極1と対向電極10との間における電圧印加により、実施の形態1で説明した行型プラズマP1は簡単に発生し、当該移行型プラズマP1は、磁石3の影響により回転運動を行う。
【0114】
なお、非移行型プラズマP2の発生以外の動作は、実施の形態1で説明した微粒子生成装置の動作と同じであるので、ここでの説明は省略する。
【0115】
以上のように、本実施の形態に係る微粒子生成装置では、リング状の磁石3が内蔵されている内筒2を、非移行型プラズマ用電極として機能させている。また、実施の形態1で説明したように、第二のプラズマガス供給部64は、内筒(非移行型プラズマ用電極)2と移行型プラズマ用電極1との間に形成されたガス通路部26を通って、材料気化反応室35に、プラズマガスを供給している。
【0116】
したがって、移行型プラズマ用電極1と非移行型プラズマP2との間で、回転する非移行型プラズマP2を発生させることができる。そして、当該回転する非移行型プラズマP2の発生により、移行型プラズマ用電極1と対向電極10との間において、移行型プラズマP1の電路が形成される。つまり、当該非移行型プラズマP2の発生により、当該非移行型プラズマP2非発生の場合と比較して、移行型プラズマP1は発生しやすくなる。
【0117】
また、本実施の形態においても、実施の形態1で説明したように、内筒(非移行型プラズマ用電極)2の底部(対向電極10と対面する部分)には、絶縁物5が設けられている。
【0118】
したがって、回転に寄与しない磁場内に、プラズマP1,P2が移行することを防止できる。
【0119】
なお、実施の形態1,2において、プラズマ電源61は正極性の電圧印加を行う場合に言及した。つまり、実施の形態1では、プラズマ電源61は、対向電極10に「プラス」、移行型プラズマ用電極1に「マイナス」を印加し、当該電極1,10間に所定の電圧値を印加した。また、実施の形態1では、プラズマ電源61は、対向電極10に「プラス」、移行型プラズマ用電極1に「マイナス」を印加し、当該電極1,10間に所定の電圧値を印加し、かつ、非移行型プラズマ用電極2に「プラス」、移行型プラズマ用電極1に「マイナス」を印加し、当該電極1,2間に他の所定の電圧値を印加した(移行型プラズマ用電極1は、移行型、非移行型で、同じ「マイナス」端子と接続)。
【0120】
しかしながら、実施の形態1,2において、プラズマ電源61は、逆極性の電圧を印加しても良い。
【0121】
たとえば、
図6に示すように、実施の形態1で示す構成において、プラズマ電源61は、対向電極10に「マイナス」、移行型プラズマ用電極1に「プラス」を印加し、当該電極1,10間に所定の電圧値を印加しても良い。
【0122】
また、
図7に示すように、実施の形態2に示す構成において、プラズマ電源61は、対向電極10に「マイナス」、移行型プラズマ用電極1に「プラス」を印加し、当該電極1,10間に所定の電圧値を印加し、かつ、非移行型プラズマ用電極2に「マイナス」、移行型プラズマ用電極1に「プラス」を印加し、当該電極1,2間に他の所定の電圧値を印加しても良い(移行型プラズマ用電極1は、移行型、非移行型で、同じ「プラス」端子と接続)。