(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0004】
[0004]代表的な歯科用CTシステムでは、患者は直立して座り、X線線源及び検出器が、患者の頭の中央を貫通する垂直軸の周りを回転する構台(ガントリー)の対向する端部に搭載される。高解像度のCT画像化では水平面内の頭部の大部分の範囲である、頭の所望の部分をカバーする十分なデータを得るために、この検出器は、構台の回転軸に直角な円周方向、すなわち水平方向に、かなりの距離を測定しなければならない。
【0005】
[0005]現在利用可能な電子検出器は、それらの各々が規定されたピクセル面積上に規定された時間に入ってくるX線を引き続く計算のためのデジタルの強度値に容易に変換することができる電荷に変換する、電荷結合素子(CCD)または他の検出器のフラットパネルアレーを含む。歯科用CTユニットに使用するのに適した、ユタ州Salt Lake CityのVarian Medical Systems Inc.から市販されるフラットパネル検出器の1つは、127μm(マイクロメートル)平方のピクセルサイズを有し、約25cmx20cmの全体パネルサイズを有する。円錐ビームでの歯科用画像化では、パネルに向かうビームの発散のために、そのパネルは約16cmx13cmの有効視野を与える。したがって、長軸を水平にして搭載するとき、25cm長さのパネルは約16cmの直径を有する視野が可能になり、この大きさは、代表的な歯科用使用に対して軸(水平)方向で、高解像度で構造体を画像化するのに十分な有効範囲を可能にするのに十分である。
【0006】
[0006]しかしほとんどの通常の成人に対して、この20cm高さのパネルは、下顎の底部からほぼ目の眼窩の底部(見られている物体のレベルのところの約13cmの有効高さ)までしか画像化できない。それはほとんどの歯科及び口腔外科用途に対して十分であるが、いくつかの種類の歯列矯正及び正顎の外科用途に対しては、眉間のレベル、概略で眉のレベルまでのX線画像は不可欠である。「フルフェイス(full face)」として知られているそのような画像は過去に、異なるレベルのところで13cm高さの2つの重ね合わされた走査を行い、この画像を結合することによって作り出されてきた。2度の走査を行うことは、患者に対する放射線量を増大させる。画像を継ぎ目無く結合することは、特に2つの走査の間で構台を再配置するために、または患者の体位を変えるために時間が掛かるとき、患者が動くのが可能になるので困難である。約98%の成人に対して単一の走査で直径的に口の完全な有効範囲のCTスキャンを生じさせる幅とフルフェイス走査を生じさせる高さの両方を有する25cm平方の検出器パネルを使用することは可能であろうが、検出器パネルのコストはパネルのサイズに対して不釣合いに増加し、完全な高さがめったに必要でないとき簡単には引き合わない。
【0007】
[0007]たった今説明した状況を改善するために、(2007年1月24日出願の米国特許仮出願第60/897,421号の優先権を主張する2008年1月24日出願の)国際出願第PCT/US08/51922号に記載され、図示される機器が開発された。前述の文章に述べた両方の出願は、現行の出願の権利者に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれている。それらの出願は、(レセプターとしても知られている)検出器を横長方向の向きから縦長方向の向きに、あるいはその逆に回転させる機器を開示する。この回転は、特定の手順で使用されるとき視野の増加をもたらす。しかし、横長方向の向きから縦長方向の向きへの、あるいはその逆の回転によってさえ、より良好なX線断層画像及び処理を与えるために対処することがあり得る、他の視野の問題点が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】[0013]断層画像を発生させるための装置の概略図である。
【
図2】[0014]検出器パネルを回転させる機構を示すためにカバーを取り除いた、
図1の装置の構台の部分の斜視図である。
【
図3】[0015]構台の
図2と同じ部分の異なる斜視図である。
【
図4A】[0016]検出器が横長方向の向きにある、カバー及びケーブル保護具が取り外された、
図2の検出器端部の外側の立面図である。
【
図4B】[0017]検出器が縦長方向の向きにある、カバー及びケーブル保護具が取り外された、
図2の検出器端部の外側の立面図である。
【
図5A】[0018]横長方向の向きにある、
図2の検出器端部の内側の立面図である。
【
図5B】[0019]縦長方向の向きにある、
図2の検出器端部の内側の立面図である。
【
図6】[0020]
図2の実施形態の一部分の詳細図である。
【
図7】[0021]図示のように1つの軸の周りを回転し、検出器のu軸周りで検出器の傾動が可能である検出器を有する一実施形態の図である。
【
図8】[0022]構台上に角度の付いた方式で、かつ走査されている物体に対して異なる高さのところに線源及び検出器を有する一実施形態の図である。
【
図9】[0023]回転可能な構台画像化システム内の検出器パネル及び線源の動きを説明するために使用されるu、v、及びw軸を示す図である。
【
図10】[0024]構台が伸縮する一実施形態の図である。
【
図11】[0025]検出器アレーが平行移動する一実施形態の図である。
【
図12】[0026]検出器アレーを平行移動させるために使用される検出器の構成部品の図である。
【
図13】[0027]検出器アレーを平行移動させるために使用される構成部品を示す、検出器の分解図である。
【
図14】[0028]ビーム制限器の構成部品(またはX線を平行にするために使用される構成部品)を示すX線線源の部分分解図である。
【
図15】[0029]X線線源が中に配置されるチャンバとビーム制限器またはコリメーターが中に配置されるチャンバを分離するパネルを示す、
図14に示すX線線源のハウジングの斜視図である。
【
図16】[0030]コリメーターの扉内に使用される多数のばね板(leaf)を示す、コリメーターの部分分解図である。
【
図17】[0031]X線を平行にするために使用される構成部品の斜視図である。
【
図18】[0032]先の図のコリメーター内の扉の部分切欠き図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0035]次にそれらの例を添付の図面に示す、本発明の様々な実施形態について詳細に言及する。
[0036]図面を参照すると、
図1は本発明の一実施形態による断層装置10を示し、それはディスプレイ18を有する制御盤16によって制御される走査装置12及びコンピュータ13を含む。走査装置12は、X線の線源14と、長方形のセンサアレー22を支持する移動可能なハウジング21(例えば、プラスチックハウジング)を含むX線検出器20とを含む。走査装置12は、画像化すべき物体用の支持部24も含む。一実施形態では、この走査装置12は、人間の患者(図示せず)の頭、または頭の部分、特に顎及び歯を画像化するように構成される。したがってこの支持部24は、患者の頭または顔(図示せず)のための支持部または抑制部26を有する座席または椅子であることができる。次いでX線線源14及びX線検出器20は、互いに位置合わせされたままで患者の頭の位置の周りを回ることができるように、回転式のキャリアー即ち構台28上に搭載される。このX線検出器20は、X線感受性要素の長方形のアレーを有するパネルを含む。X線検出器20は、異なる角度からの患者の頭のX線シャドウグラムの流れを記録する。コンピュータ13は、走査装置12からこのX線画像データを受け取り、X線密度の3次元空間分布を計算する。
【0014】
[0037]患者の頭の画像化及び空間的分布の計算は、この分野で既に知られている方法及び装置によって行うことができ、簡潔さの利益のためにここではさらに説明しない。適切な装置は、例えばペンシルバニア州HatfieldのImaging Sciences Internationalからi−CAT Cone Beam 3−D Dental Imaging Systemが市販されている。
【0015】
[0038]次に本発明の第1の実施形態を
図1〜6を参照して説明する。X線検出器20は、構台28に取り付けられた(
図2に示され、参照により組み込まれている文献で論じられている)搭載パネル32上の円筒状ローラー軸受30によって支持される。電気ケーブル及びこのケーブルを移動部品から保護する保護具は図示されていない。X線線源14は、X線線源14の中心と位置合わせされる軸(「X線軸」33)に沿ってX線のビームを放射するように配置され、走査装置12のフレームに対する構台28の構台回転軸36と直角に交差する。
【0016】
[0039]検出器の軸38(
図3、5A、及び5B)は、X線軸33から水平にオフセットし、長方形のセンサアレー22の底部と一端部から等しい距離に位置決めされる。数字を使用する一例として、一実施形態では、このパネルは動作面積20cm×25cmを有する長方形のセンサアレー22を有し、次いで検出器軸38はセンサアレー22の底縁部40のそれぞれ及び一短縁部42(
図2に見える左端部または
図3、5A、及び5Bに見える右端部)から10cmのところにある。したがって、X線検出器20が
図5Aに見える横長方向の向きから
図5Bの縦長方向の向きまで検出器軸38の周りを90°回転するとき、この検出器は縦長方向の向きの底部短縁部42が横長方向の向きの底部長縁部40と同じ線上にある位置を取る。
【0017】
[0040]やはり企図されるが、図示しないさらなる実施形態は以下の通りである。検出器軸38は、X線軸33から水平にオフセットされ、長方形のセンサアレー22の頂縁部44、底縁部40、及び短縁部42から等しい距離に位置決めされる。図示の実施形態と同じ数字を使用する一例に対して、このパネルは動作面積20cm×25cmを有する長方形のセンサアレー22を有し、次いで検出器軸38はアレーの頂部、底部、及び一端部(
図2に見える左端部)のそれぞれから10cmのところにある。したがって、X線検出器20が横長方向の向きから縦長方向の向きまで検出器軸38の周りを90°回転するとき、この検出器は縦長方向の向きの左手長縁部が横長方向の向きの左手短縁部と同じ線上にある位置(図示せず)を取り、また、縦長方向の向きの底部長縁部が横長方向の向きの左手短縁部と同じ線上にある。
【0018】
[0041]ローラー軸受30は、例えば5.5cm直径の大直径軸受であり、最小限の遊び及びバックラッシュ(遊び)しか有さない。X線検出器20の高解像度画像化パネルは、例えば127μmのピクセルサイズを有することができる。X線検出器20の位置決めは、余分な計算なしの高品質の画像化のために、走査内及び走査の間の両方で1ピクセルの1片内、すなわち0.1mm(100μm)内になるように安定であるべきである。したがって、非常に安定な軸受30が望ましい。
【0019】
[0042]その搭載は別として、このX線検出器20は、ユタ州Salt Lake CityのVarian Medical Systems、Inc.によって供給されるものなどの、市販のフラットパネルX線検出器でよい。
【0020】
[0043]X線検出器20の位置は、
図2、4A、及び4Bに見ることができる構成部品によって制御される。内部ねじを有する電機子48(図示せず)を有するステッパーモータ46が、外側にねじ切りされたシャフト50を延ばし、後退させる。このシャフトは、モータの回転力に抵抗する2本の固定ロッド56に沿って移動する案内部55を有する把持ブロック(grab block)52に連結される。この把持ブロック52は、ベルト54に締結される。このベルトは、2つのプーリー57上と、ローラー軸受30に取り付けられたジャーナル58の周りを移動する。モータ46がシャフト50を延ばし、後退させるとき、このベルト54は、ジャーナル58をそしてそれによってX線検出器20を回転させるように時計方向に、及び反時計方向に移動する。
【0021】
[0044]ジャーナル58に頭部62を担持する腕部60が取り付けられる。ジャーナル58が回転するとき、頭部62は、ジャーナル58と腕部60が端部停止部64間で正確に90度回転することができるように位置決めされる2つの端部停止部64の間である円弧に沿って移動する。この端部停止部64は、頭部62が端部停止部64によって停止させられる位置の正確な調整のためのピン66が設けられている。この停止部は、硬化接触表面68を有し、この頭部は、硬化接触表面70を有する(
図6)。この硬化表面は、両方の硬化表面が検出器軸38から延びる単一の平面に沿って存在するように、頭部内の座ぐり穴72内に配置される。ピン66の非接触端部は、端部停止部64内の調整ねじ74(図示せず)に接触して置かれている。この停止部は、ねじ76を締め付けるとピン66をしっかりと締結するように、2分割されている。
【0022】
[0045]正確さを維持するために、これらの接触部が磨耗または変形しないことが重要である。腕部と停止部の間の接触に先立つゆっくりした、低出力の回転速度が衝撃を低減させる。この目的のためにジャーナル58に、ジャーナル58がその端部位置のうちの1つに近づいたときを検出する1対のリミットスイッチ80用のアクチュエータとして作用する突起部またはローブ78a及び78bが設けられている。このリミットスイッチは、コンピュータ13にモータの速度を調節するための位置を信号で伝える。把持ブロック52は、ジャーナル58の位置に応じた速度で移動し続け、頭部62の接触部70が接触部68と接触するとき停止する。ばね82が、モータを助力し、モータの動作中モータの失速を防止するのを助けるために、搭載パネル32とジャーナル58に枢動的に連結される。
【0023】
[0046]上記で説明した位置の制御は、低速度接触のために企図される1つの方法にしか過ぎない。別法として、ジャーナル58の移動は別の方法で追跡することができる。例えば、ローブ78a、78b及びリミットスイッチ80は、頭部62が端部停止部64のうちの1つから短い距離にあるとき、コンピュータ13に信号を送るように配置される2次の接触部を有することができる。
【0024】
[0047]動作では、長方形のアレーを構台軸36と位置合わせした状態で、X線検出器20の端部位置が横長方向の位置及び縦長方向の位置になるように、ピン66が設定される。この位置合わせは、必要な正確さの量は本発明の異なる実施形態に対して異なる可能性があるが、アレーの長さに全体にわたりピクセルサイズの一片内になるように正確にすることができる。コンピュータ13は、90度の回転のために数秒掛かる適度な速度で、ジャーナル58を、したがってX線検出器20を回転させるようにプログラムすることができる。次いで、頭部62が回転の遠い方の端部のところの端部停止部64に到達する直前に、モータ46はブレーキが掛けられ、頭部62はピン66に対して穏やかに閉じられ、その結果X線検出器20は、システムのどのような部分をも損傷させる可能性のない衝撃で正確に位置決めされる。特に、実際的である限り、X線検出器20の端部位置でドリフトに結果としてなる可能性のある頭部62またはピン66の変形を避けることが望ましい。
【0025】
[0048]使用では、口腔の区域のコンピュータによる断層走査のために、走査装置12はX線検出器20と共に横長方向の向きで使用することができる。25cm幅の長方形のセンサアレー22によって、ほとんど全ての歯科用及び口腔用外科のための十分な品質のコンピュータによる断層撮影を可能にする、軸から十分に遠く離れたX線の検出が可能になる。20cm高さの長方形のセンサアレー22によって、ほとんどの人の頭を下側の顎の直下から眼窩のほぼ底部まで延びる区域にわたり画像化することが可能になる。特定の目的のためにより低い高さの区域のみを画像化することが必要な場合は、患者に対するX線線量を減らすために調整可能なコリメーターによってX線ビームの高さを減少させることができる。検出器パネルの位置の変更に対してX線ビームを平行にするために、4つの独立に制御可能なジョー(顎状部材)を有するコリメーターが適切であり、管轄区域によっては必要である。そのようなコリメーターはこの分野で良く知られており、簡潔さの利益のためにここではさらに説明しない。
【0026】
[0049]X線検出器20を縦長方向の向きにすることによって、25cm高さの長方形のセンサアレー22は、下側の顎の直下からほぼ眉間のレベル、おおよそ眉のレベルまで延びる区域にわたりほとんどの人の頭を画像化することが可能になる。ある種類の歯列矯正及び正顎の外科のために割り増しの高さが必要になり、その場合は25cm高さの長方形のセンサアレー22が成人の約98%に対して十分である。X線検出器20に対して検出器軸38を位置決めすることが、検出器パネルの長方形のセンサアレー22の底部が縦長方向及び横長方向の向きで結果として同じレベルになり、その結果走査装置12内での患者の位置決めが縦長方向及び横長方向の走査の両方で同一になり、そのことが患者が不正確に位置決めされたため走査を繰り返さなければならないリスクを低減する。
【0027】
[0050]20cm×25cmの長方形のセンサアレー22を縦長方向の向きにすることによって、検出器の幅が減少するために画像品質のいくらかの損失が存在する。しかし、X線検出器20に対する検出器軸38の位置決めは、長方形のセンサアレー22の片側がX線軸から一杯の12.5cmであり、アレーのもう1つの側がX線軸からたったの7.5cmであるように選ぶことができる。軸の片側のこの12.5cmの範囲は、一般に「半ビームモード(half−beam mode)」と呼ばれる知られた復元方法を使用することによって、コンピュータによる断層撮影画像化においてX線軸の両側を10cmまで延びるパネルより直径的により良好な有効範囲を与える。この画像品質は25cm幅のアレーによるものより低いけれども、歯列矯正及び正顎の外科のほとんどの形態に対して十分であることが見出されている。例えば、口腔診断または外科のいくつかの形態のために、実際の歯の高解像度画像が必要な場合は、この25cm高さのフルフェイス走査は、X線検出器20を25cm幅の横長方向の向きで使用する、ただし6cmまたは8cm高さまでのみ平行にしたX線ビームによる第2の走査と組み合わせることができる。そのような2重走査は、25cm幅×20cm高さの固定検出器パネルを有する走査装置からの2つのオーバーラップする走査を使用するフルフェイス走査から結果として生じるものより低い患者に対するX線線量で行うことができる。
【0028】
[0051]センサアレー22の向きを横長方向の向き(
図5A)から縦長方向の向き(
図5B)に変更するのに加え、X線軸がセンサアレーの前表面と非直角の角度で交差するようにX線軸に対してセンサアレー22の向きを変更することが可能である。上記で述べたように、X線軸33は構台軸36と直角に交差し、通常は、X線軸33がセンサアレー22の前表面と直角に交差するようにセンサアレーが位置合わせされる。
図7に示す実施形態では、センサアレー22は、X線軸33がセンサアレー22と90°より小さい角度92で交差するように円弧91に沿って移動することができるように、X線検出器20に対して枢動的に搭載される。センサアレー22の向きを変更することによってX線の焦点、したがって、装置10によって画像化される被写体の特定の場所が変化する。
図10は、構台28が伸縮式腕部100を有する場合の一実施形態を示す。この伸縮式腕部100は、第1の位置P1と第2の位置P2の間を直線の経路LPに沿って移動可能である。腕部100の位置を経路LPに沿って変更することによって、線源14から放射されるX線の焦点を変更することができる。構台の長さが拡張しまたは収縮するとき、線源と、物体と、検出器の相対的位置が変化する。これは結果として走査品質と、視野と、解像度の変化になる。
【0029】
[0052]具体的には、検出器と患者/物体との間の距離が増加するとき、倍率がより大きく、解像度がより高くなる。しかし、視野がより狭くなり、X線線源が点線源ではなくむしろ1ミリメートルなどの有限な直径を有することによって生じる焦点効果の結果として、画像の縁部がぼやけることによって解像度ゲインがある点で相殺される。検出器と患者/物体の間の距離を減少させることによって、視野が増加し、焦点効果を減少させ、それによって縁部の鮮明さを改善する。しかしこれらの特徴は、低下する倍率と、低下する解像度の犠牲で生じる。構台の伸縮式機構によって、所与の用途に対する倍率と、視野と、焦点効果の制御との所望の組み合わせの選択が可能になる。
【0030】
[0053]
図8に追加の一実施形態が示され、そこでは、X線軸33が患者または被写体と交差する角度が可変になるようにX線の線源14及びX線検出器20が枢動可能である。
図8に示す実施形態によって、被写体を移動させる必要なく異なる角度からの被写体の画像化が可能になる。この可変性は、被写体の問題の特定の場所のより良好なまたは機能強化された画像になる可能性がある。例えば、ある欠陥または異常性は、特定の向きまたは特定の視点から画像化されるときのみ可視または検出可能になる可能性がある。この機能強化された画像は診断及び処置を容易にする可能性がある。
【0031】
[0054]上記で説明した回転移動と置き換えるまたは回転移動を補完することができる、回転可能な構台CT画像化システムでの検出器パネルまたは線源の移動のための他の追加の代替実施形態を以下で論じる。行われる説明では、3つの方向の軸に対して言及される。これらの軸は線源と検出器の両方に適用される。それらはu、v、及びw軸であり、
図9に示す。x、y、及びz軸の標示は、それらが走査場体積データのx、y、及びz方向と混同する可能性があるので意図的に使用しない。
【0032】
[0055]最初に、走査に伴う要因についてのいくつかの論議が必要である。「放射線点(ray point)」は、点線源を去る直角の放射線が検出器パネルを打つ、検出器パネル上の位置として定義される。検出器のu軸に対するこの放射線点の位置は強固なパラメータである、すなわち復元の品質はu軸上の放射線点の相対的な位置決めの強い関数である。v軸に対しては、この放射線点位置は重要なパラメータであるが、u軸に対する位置ほど強いパラメータではない。これらの2つの放射線点位置パラメータは、平行移動する検出器の位置合わせ及び較正のために結合される。本明細書で提示される実施形態の各々は、画像品質に影響するパラメータを改善することができる方式での検出器の位置合わせ及び較正を可能にする。
【0033】
[0056]本明細書で
図11から18に詳細を示す第1の代替実施形態では、検出器は
図9に示すようにu軸に沿って平行移動する(移動する)。この直線の移動は、線源及び回転の中心のどのような移動もなしに起きる。これは、検出器に入射する垂直な放射線に対する(u方向での)大きな量の移動を導入し、機械がハーフビーム(half−beam)モードで動作するとき通常使用されるであろう。この結果は、検出器サイズを増加させないで、より大きな視野になる。同様な結果は、上記に記載し、2008年1月24日出願の国際出願第PCT/US08/51922号に記載されているように、検出器を縦長方向モードから横長方向モードに回転させることによって得ることができる。本実施形態との相違は、本実施形態はパネルを回転させずに移動させることにある。検出器の位置と構台の間に正確な関係が存在することが必要なので、検出器を回転させる場合と同じ位置合わせ精度が必要である。
【0034】
[0057]図示の実施形態では、X線検出器20は検出器パネルまたはハウジング110と、2本の案内レール120及び122に沿って走る3つの案内輪114と、116と、118とを有する検出器支持部(または案内プレート)112とを含む。この検出器支持部112は、支持部を駆動シャフトまたは駆動ねじ126とステッパーモータ128に連結する駆動連結器124を有する。モータを一方向または他の方向に電源を入れると検出器支持部112、及びそれによってセンサアレー22が平行移動する。センサアレーが正確に位置合わせされていることが重要である。ハウジング110上に搭載される、硬化接触部を有する剛体の停止部130及び131(
図14)が存在する。検出器支持部112上に、やはり硬化接触表面を有する剛体の停止部133及び135が存在する。代替の構造では、この停止部は、この剛体の停止部の中と外にバッキングねじをねじ切りし、次いでそれらを所定の位置にロックすることによって調整することができる。正確さを維持するために、この接触部が磨耗または変形しないことが重要である。この目的のために、このハウジングは2つのリミットスイッチ137及び139を有し、検出器支持部112は、それらのリミットスイッチ用の2つのトリガー表面142及び143を有する。検出器支持部がリミットスイッチと接触するとき、設定された数のステップが剛体の停止部133及び135を剛体の停止部130及び131の近くのまたは剛体の停止部130及び131に隣接する位置まで駆動するように、モータに送られる。しかし代替の構造では、モータを可変速度で駆動することが望ましい可能性がある。例えば、平行移動のほとんどを迅速に行うことができるが、剛体の停止部の衝撃を減らすために剛体の停止部間の接触に先立って減速した、より低い電力での速度をモータに開始させるように、検出器が迅速に平行移動することが望ましい可能性がある。
【0035】
[0058]第2の代替実施形態では、この検出器はv軸に沿って平行移動する(移動する)。これは、前に説明した検出器パネル平行移動構成部品を、約90度回転した位置に設定することによって行うことができる。検出器パネルを垂直に平行移動させることは視野を増加させない可能性があるが、体積有効範囲の整形が可能になる。例えば、走査面積の頂部は、円錐の方向というだけの理由で、当然円錐形状を示す。検出器をv方向に移動させることによって、この形状は円錐の量を増加させる/減少させるように、あるいは場合によっては円錐を逆さにするように改変することができる。
【0036】
[0059]図は、構台の水平の梁部材と検出器装着ポッドの間の連結部が固定されたまま、検出器装着ポッド上を検出器が平行移動する一実施形態を示すが、装着ポッドをベースに対して平行移動及び/または回転で移動可能にすることも可能である。以下の論議は他のそのような実施形態に関する。
【0037】
[0060]本発明の原理を実施する第3及び第4の代替実施形態では、検出器はそのu軸またはv軸の周りをそれぞれ回転することができる。w軸周りの回転は、上記で参照する特許出願に全体的に開示されている。u軸またはv軸周りの回転は、有効解像度を増加させ、かつ/またはより高い解像度の体積走査を達成する可能性がある。
【0038】
[0061]第5及び第6の代替実施形態では、軸uまたは軸vに沿った平行移動は、代替実施形態1及び2でそれぞれ検出器に対して行われたように、線源に対して行うことができる。
【0039】
[0062]第7及び第8の代替実施形態では、軸uまたは軸v周りの同じ回転を、代替実施形態3及び4でそれぞれ検出器に対して行われたように、線源に対して行うことができる。w軸(X線が線源からそこを通り供給される軸)周りの線源の回転は、線源が(ほとんど)点線源である理由のため画像に大きな影響を有することはありそうもない。
【0040】
[0063]第9の代替実施形態では、線源及び検出器がそのu軸に沿って回転することができるように構台に角度を付けることができる(一例として
図8参照)。この考え方の適用の一例は、X線線源14を比較的低い位置に、好ましくは被写体の肩の下に配置し、線源14を上向きに向けることである。これは、線源14が構台28の端部に対して垂直軸に沿って移動可能なように、線源を軌道または案内部上に搭載することを含む、多数の方法で実施することができる。線源14がより下側にあるとき、検出器は相対的な表現でより高くなる。角度の付けられた向きは静止していることができ、あるいは制御可能な方式で線源の向きを変える構台内の取付具を使用して、特別な走査動作のために動的に選択することができる。上記で述べたように、
図8に示す実施形態によって、被写体を移動させる必要なく異なる角度からの被写体の画像化が可能になる。この可変性が、問題の特定の位置のより良好なまたは機能強化された画像につながることができる。
【0041】
[0064]第10の代替実施形態では、X線の(ときには動的平行化と呼ばれる)動的ビーム限定は、走査場の1つの特定の区域のみを目標にする。この実施形態では、機械はあたかも視野全体を考慮するかのように同じ方式で走査場の周りを回転する。しかし、X線場が問題である体積のみカバーするように、ビーム制限器がX線ビームを動的に整えるために使用される。
【0042】
[0065]この第10の代替実施形態では、場合によってはこのビーム制限器は、構台が回転するとき問題の体積の照射を維持するために移動場を作り出す必要がある可能性がある。これは、機械が走査場の周りを回転するとき、照射される領域を変更するようにプログラム的に制御される、動的ビーム制限器の使用が必要になる。
【0043】
[0066]ビーム制限器の一実施形態を添付の
図14から
図19に示す。ビーム制限器200が
図14に示されている。このビーム制限器200は、X線線源14の一部であり、ハウジング204内に配置されるプレート202に取り付けられる。図示のビーム制限器200の実施形態は、散乱遮蔽支持プレート208及び鉛の散乱遮蔽体210を有する散乱遮蔽構造体206と、2つのシャッター構造体212及び214とを含む。図示の構造では、シャッター構造体212及び214は同じ構成部品を含み、したがって略して1つのみ説明する。例えば、シャッター構造体212は、2つの扉またはシャッター218及び220を支持する搭載プレート216を含み、各扉218及び220は、互いに対して移動するように対応するキャリアープレート222及び224に連結される。このキャリアープレート222及び224は、対応する光学センサ230及び232にそれぞれ接続されるモータ226及び228によってそれぞれ作動させられる。この光学センサ230及び232は、扉218及び220の相対的な位置を求め、扉218及び220を互いに対して移動させるために、センサ230及び232に対するキャリアープレート222及び224の位置に関する信号を発生させる。
【0044】
[0067]両方のシャッター構造体212及び214の扉218及び220は、放射すべきX線のために制御可能な場所に窓を作り出すために使用される。図示の構造では、シャッター構造体214の扉218及び220はu方向に水平に移動し、シャッター構造体212の扉218及び220はv方向に垂直に移動する。どちらのセットの扉も、線源が物体を照射するのを遮断するように合わさることができ、あるいは所望の位置のところに開くことができる。1セットの扉を開き、もう1つを部分的に閉じることによって、垂直なまたは水平のスリットのような開口部が作り出される。第2のセットの扉も部分的に閉じた位置にもって行く場合は、このスリットの長さを減少させることができる。このようにすると、スリットを長方形または正方形の開口部にすることができる。4つの扉の相対的な位置を制御することによって、この長方形または正方形は、X線線源14の前で多数の異なる位置に動的に移動させることができる。(両方のシャッター構造体212及び214の218及び220の)4つの扉の動きを構台28及び/または検出器20の動きと協調させることによって、走査されている物体の特定の部分を目標にすることができる。例えば、顎の1つの歯の領域である。これを行う理由の中には、患者に対するX線線量を制限すること、後光などの画像の問題点を生じさせるX線散乱の量を制限すること、及び処理がより迅速に行うことができるように検出器に到達するデータの合計量を減らすことがある。
【0045】
[0068]上記で説明したビーム制限器200の実施形態は、結果として長方形または正方形の開口部になる散乱遮蔽体及び扉を使用する。しかし、円形形状などの他の形状の開口部に結果としてなる可能性のある他の幾何学的形状も企図される。
【0046】
[0069]他の実施形態では、2008年1月24日出願の国際出願第PCT/US08/51922号によって記載されるような、検出器20の縦長方向から横長方向への回転は、この出願のu、v、及びw軸周りで説明された平行移動、回転、及び角度付けと組み合わせることができる。そのような組み合わせの1つの利点は、パネルの一部分のみ読み出すことにより速度が改善されることであろう。パネルが縦長方向または横長方向のモードであるかに変更することによって、パネルがそのデータを取得している間に、より容易に従ってより迅速に読み込まれるデータをパネルのその部分によって取り込むことができる。これによって、全てのCT走査用途で望ましい特徴である、処理の速度を上げることができる。
【0047】
[0070]X線検出器20として使用するのに適したいくつかの市販の検出器パネルは、高解像度のパノラマ画像化モードのための組み込み電子機器を装備しており、そこでX線ビームは狭い垂直スリットに平行にされ、検出器アレーの対応する部分内の検出器ピクセルのみ読み出される。そのモードは、読まれるピクセルの数を減少させることによって読み出し処理を極めて速くする。しかし、使用可能なパネルは、横長方向の向きでしかパノラマスリットモードを支持しない。高解像度、フルフェイスのパノラマ画像化は通常必要ではないが、いずれかの向きでの固定された検出器パネルがそれらのモードのうちの1つしか提供できない場合、本機器の回転可能なX線検出器20によって、25cm高さのフルフェイス走査とパノラマスリットモードを含む動作モード間の切り替えが可能になる。
【0048】
[0071]様々な組み合わせ、改変形態及び変形形態を本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明内で行うことができる。したがって本発明は、それらが添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物に入る場合は、説明された実施形態の組み合わせ、改変形態及び変形形態を包含することを意図している。
【0049】
[0072]一例として、20cm×25cmのセンサのアレーを有する検出器パネルが使用された。それは一例でしかなく、他のサイズの検出器パネルを使用することができる。
[0073]一例として、底縁部及び1つの側縁部が横長方向及び縦長方向のモードで構台に対して同じ位置になるように、パネルの2つの縁部から等距離のところにある軸受30の軸によって位置決めされるX線検出器20が説明されてきた。底縁部及び1つの側縁部が横長方向及び縦長方向のモードで構台に対して同じ位置になるように、パネルの3つの縁部から等距離のところにある軸受30の軸によって位置決めされるX線検出器20も一例として説明されてきた。それらの配置に対するいくつかの理由が確認されてきた。しかし、軸受30の軸に対するX線検出器20の他の位置が可能であり、特定の目的または特定の走査装置形態に対して望ましい可能性がある。
【0050】
[0074]
図1は、画像データが処理され、分析されるコンピュータ13が走査装置12に接続されるのを示す。単一のコンピュータ13が走査装置12を制御し、データを処理することの両方を行うことができる。別法として、処理の一部分または全てを別のコンピュータで行うことができる。走査装置12からのデータは、都合の良いフォーマット、例えばDICOMフォーマットで処理の都合の良い段階でコンピュータからコンピュータに伝送することができる。このデータは、例えばコンピュータからコンピュータに直接伝送することができ、あるいは例えば記憶サーバーにアップロードし、記憶サーバーからダウンロードすることができる。モータ46及びX線検出器20の移動の詳細な制御は、走査装置12内の専用の論理制御器によって制御し、コンピュータ13または他の外部制御器は、縦長方向及び横長方向の向きのうちの特定された1つを採用するための命令を発し、X線検出器20が特定の向きにあることを確認する信号を受け取るのみであることができる。