特許第5710300号(P5710300)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5710300マーク検出装置、基板検査装置およびマーク検出方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5710300
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】マーク検出装置、基板検査装置およびマーク検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20150409BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20150409BHJP
【FI】
   G01B11/00 H
   H05K3/00 P
   H05K3/00 T
【請求項の数】3
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2011-22326(P2011-22326)
(22)【出願日】2011年2月4日
(65)【公開番号】特開2012-163383(P2012-163383A)
(43)【公開日】2012年8月30日
【審査請求日】2014年1月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104787
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 伸司
(72)【発明者】
【氏名】西城 善之
(72)【発明者】
【氏名】若林 計良
(72)【発明者】
【氏名】山浦 純一
【審査官】 岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−160006(JP,A)
【文献】 特開2005−195531(JP,A)
【文献】 特開2001−116925(JP,A)
【文献】 特開平11−44889(JP,A)
【文献】 特開平1−170803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B11/00−11/30
H05K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明なフィデューシャルマークが設けられた透明基板の一方の面に光を照射する光照射部と、前記透明基板の前記一方の面を撮像して撮像データを出力する撮像部と、前記撮像データに基づいて前記フィデューシャルマークを検出する検出部とを備えたマーク検出装置であって、
前記透明基板の他方の面に接するように配設された有色半透明シートと、
前記有色半透明シートにおける前記透明基板に対する接触面の裏面に接するように配設された有色不透明シートとを備え、
前記光照射部は、前記光としての赤色光を照射可能なLED光源を備えて構成され、
前記撮像部は、前記撮像データとしての単色画像データを出力可能に構成され、
前記有色半透明シートは、緑色、青色および黒色のうちのいずれかの色で形成され、
前記有色不透明シートは、少なくとも前記有色半透明シートに対する接触面が黒色および緑色のいずれかの色で形成されているマーク検出装置。
【請求項2】
請求項1記載のマーク検出装置と、前記透明基板に対する検査処理を実行する検査部と、前記マーク検出装置による前記フィデューシャルマークの検出の結果に基づいて前記検査部による前記透明基板に対する前記検査処理の実行位置を補正する処理部とを備えて構成された基板検査装置。
【請求項3】
透明なフィデューシャルマークが設けられた透明基板の一方の面に光を照射すると共に、前記透明基板の前記一方の面を撮像した撮像データに基づいて前記フィデューシャルマークを検出するマーク検出方法であって、
緑色、青色および黒色のうちのいずれかの色で形成された有色半透明シートを前記透明基板の他方の面に接するように配設すると共に、少なくとも前記有色半透明シートに対する接触面が黒色および緑色のいずれかの色で形成された有色不透明シートを前記有色半透明シートにおける前記透明基板に対する接触面の裏面に接するように配設した状態において、前記他方の面が前記有色半透明シートに接するように配設した前記透明基板の前記一方の面にLED光源から前記光としての赤色光を照射すると共に、前記撮像データとしての単色画像データを出力可能な撮像部によって前記一方の面を撮像し、当該撮像部から出力された前記単色画像データに基づいて前記フィデューシャルマークを検出するマーク検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィデューシャルマークが設けられた透明基板の一方の面を撮像してフィデューシャルマークを検出するマーク検出装置およびマーク検出方法、並びに、そのマーク検出装置を備えて構成された基板検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の基板検査装置として、出願人は、基板検査用カメラおよび照明装置を備えた基板検査装置を特開2010−160006号公報に開示している。この基板検査装置による被検査基板の検査に際しては、まず、被検査基板を第1の検査ユニットの基板検査用カメラによって撮像して、被検査基板に印刷されているフィデューシャルマークの位置を特定する。この場合、出願人が開示している基板検査装置では、上記の第1の検査ユニットにおける基板検査用カメラのレンズ面の周囲に、複数個の光源(LED等)を有する照明装置(以下、「第1の照明装置」ともいう)が配設されている。また、第1の照明装置は、発光色が相違する複数種類の光源(例えば、白色LED、赤色LEDおよび青色LED)が混在するように配置されると共に、任意の発光色の光源だけを発光させることができるように構成されている。さらに、出願人が開示している基板検査装置では、上記第1の検査ユニットだけでなく、第2の検査ユニットや第3の検査ユニットにも上記の照明装置と同様の照明装置が配設されている。
【0003】
この場合、第1の検査ユニットに配設されている照明装置は、被検査基板に対してほぼ垂直に光を照射するように配置されている。また、第2および第3の検査ユニットに配設されている照明装置は、被検査基板に対して斜めに光を照射するように配置されている。このため、出願人が開示している基板検査装置では、任意の照明装置における任意の光源を点灯させることで、被検査基板におけるフィデューシャルマークが印刷されている部位に対して、任意の色の光を任意の角度で照射することが可能となっている。したがって、撮像対象のフィデューシャルマークの状態(例えば、フィデューシャルマークに対するフラックスの付着の有無等)に応じて被検査基板に対して照射する光の色や照射角度を変更することにより、撮像した画像におけるフィデューシャルマークとその周囲との明暗のコントラストを大きくして、フィデューシャルマークを容易に識別することが可能となっている。このため、出願人が開示している基板検査装置では、フィデューシャルマークの位置(座標)を正確に特定することができる結果、予め特定した位置に基づく位置補正処理を実行することで、規定された検査位置に対してコンタクトプローブを正確にプロービングさせることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−160006号公報(第4−6頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、出願人が開示している基板検査装置には、以下の改善すべき課題が存在する。すなわち、出願人が開示している基板検査装置では、発光色が相違する複数種類の光源を有すると共に被検査基板に対する光の照射角度がそれぞれ相違する複数の照明装置を備えて、任意の照射装置における任意の光源を点灯させることで、フィデューシャルマークの印刷部位に対して任意の色の光を任意の照射角度で照射する構成が採用されている。一方、この種の基板検査装置によって検査する被検査基板のなかには、静電型タッチパネルおよび感圧式タッチパネルなどの各種タッチパネルや、液晶表示器における液晶パネルのように、基材(母材)や、電極などが透明な透明基板が存在する。このような透明基板を検査する際にも、通常の基板に対する検査時と同様にしてフィデューシャルマークを検出して位置を特定する必要がある。この場合、透明基板のなかには、透明な電極の形成に際して電極を構成する材料と同じ材料でフィデューシャルマークを形成したものが存在する。このような透明基板においては、フィデューシャルマークが電極と同様にしてほぼ透明となっている。
【0006】
一方、出願人が開示している基板検査装置では、基材(母材)、導体パターンおよびフィデューシャルマークなどが不透明な基板を対象とする検査を実行可能に構成されている。このため、上記したような構成を採用することで、撮像した画像においてフィデューシャルマークを容易に識別することが可能となっている。しかしながら、出願人が開示している基板検査装置によって透明基板のフィデューシャルマークを検出しようとしても、基材およびフィデューシャルマークの双方が透明であるため、撮像した画像においてフィデューシャルマークを識別するのが困難となっているという現状がある。このため、出願人が開示している基板検査装置を用いて透明基板を検査するときには、一例として、フィデューシャルマークを容易に識別できる状態とするために、撮像した画像に対する画像処理(例えば、明暗のコントラストを大きくする画像処理)を実行する必要があり、これに起因して、フィデューシャルマークの検出処理が煩雑となっている。
【0007】
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、透明基板に設けられたフィデューシャルマークを確実かつ容易に検出し得るマーク検出装置および基板検査装置、並びにマーク検出方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく請求項1記載のマーク検出装置は、透明なフィデューシャルマークが設けられた透明基板の一方の面に光を照射する光照射部と、前記透明基板の前記一方の面を撮像して撮像データを出力する撮像部と、前記撮像データに基づいて前記フィデューシャルマークを検出する検出部とを備えたマーク検出装置であって、前記透明基板の他方の面に接するように配設された有色半透明シートと、前記有色半透明シートにおける前記透明基板に対する接触面の裏面に接するように配設された有色不透明シートとを備え、前記光照射部は、前記光としての赤色光を照射可能なLED光源を備えて構成され、前記撮像部は、前記撮像データとしての単色画像データを出力可能に構成され、前記有色半透明シートは、緑色、青色および黒色のうちのいずれかの色で形成され、前記有色不透明シートは、少なくとも前記有色半透明シートに対する接触面が黒色および緑色のいずれかの色で形成されている。
【0009】
なお、「透明基板」における「透明」には、極く僅かな反射や吸収が生じる状態が含まれる。また、「有色不透明シート」における「不透明」には、極く僅かな反射や透過が生じる状態が含まれる。さらに、「有色半透明シート」における「半透明」とは、「透明」よりも光透過性が低く、かつ「不透明」よりも光透過性が高い状態を意味する。
【0010】
また、請求項2記載の基板検査装置は、請求項1記載のマーク検出装置と、前記透明基板に対する検査処理を実行する検査部と、前記マーク検出装置による前記フィデューシャルマークの検出の結果に基づいて前記検査部による前記透明基板に対する前記検査処理の実行位置を補正する処理部とを備えて構成されている。
【0011】
さらに、請求項3記載のマーク検出方法は、透明なフィデューシャルマークが設けられた透明基板の一方の面に光を照射すると共に、前記透明基板の前記一方の面を撮像した撮像データに基づいて前記フィデューシャルマークを検出するマーク検出方法であって、緑色、青色および黒色のうちのいずれかの色で形成された有色半透明シートを前記透明基板の他方の面に接するように配設すると共に、少なくとも前記有色半透明シートに対する接触面が黒色および緑色のいずれかの色で形成された有色不透明シートを前記有色半透明シートにおける前記透明基板に対する接触面の裏面に接するように配設した状態において、前記他方の面が前記有色半透明シートに接するように配設した前記透明基板の前記一方の面にLED光源から前記光としての赤色光を照射すると共に、前記撮像データとしての単色画像データを出力可能な撮像部によって前記一方の面を撮像し、当該撮像部から出力された前記単色画像データに基づいて前記フィデューシャルマークを検出する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載のマーク検出装置、および請求項3記載のマーク検出方法では、緑色、青色および黒色のうちのいずれかの色で形成された有色半透明シートを透明基板の他方の面に接するように配設すると共に、少なくとも有色半透明シートに対する接触面が黒色および緑色のいずれかの色で形成された有色不透明シートを有色半透明シートにおける透明基板に対する接触面の裏面に接するように配設した状態において、他方の面が有色半透明シートに接するように配設した透明基板の一方の面にLED光源からの赤色光を照射すると共に、撮像データとしての単色画像データを出力可能な撮像部によって透明基板の一方の面を撮像し、撮像部から出力された単色画像データに基づいてフィデューシャルマークを検出する。
【0013】
したがって、請求項1記載のマーク検出装置、および請求項3記載のマーク検出方法によれば、LED光源から出射した赤色光のうち、フィデューシャルマークの形成部位を除く部位(フィデューシャルマークの周囲)に照射されて透明基板を透過した赤色光の一部が、有色半透明シートを透過する際に有色半透明シートによって吸収され、有色半透明シートによって吸収されなかった赤色光の一部が有色不透明シートによって吸収されると共に、有色半透明シートにおける有色不透明シート側の一面において赤色光が反射されることで生じた極く少量の反射光についても、透明基板に向かって有色半透明シートを透過させられる際に有色半透明によって吸収されるため、フィデューシャルマークの形成部位以外の部位に照射された赤色光が撮像部に向かって反射される光量を十分に小さく抑えることができる。したがって、フィデューシャルマークの形成部位と、フィデューシャルマークの形成部位を除く部位(フィデューシャルマークの周囲)との明暗のコントラストが十分に大きい画像の撮像データを得ることができるため、フィデューシャルマークを確実かつ容易に検出して、その位置を正確に特定することができる。
【0014】
また、請求項2記載の基板検査装置によれば、上記のマーク検出装置と、透明基板に対する検査処理を実行する検査部と、マーク検出装置によるフィデューシャルマークの検出の結果に基づいて検査部による透明基板に対する検査処理の実行位置を補正する処理部とを備えて構成したことにより、フィデューシャルマークについての正確に検出された位置に基づき、透明基板において検査すべき部位を正確に検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】基板検査装置1の構成を示す構成図である。
図2】基板保持機構2における載置台2a、有色不透明シート9a、有色半透明シート9bおよび検査対象基板10と、マーク検出部3(LED光源21および撮像部22)との位置関係について説明するための一部断面図である。
図3】フィデューシャルマークMについて説明するための検査対象基板10の平面図である。
図4】有色不透明シート9aおよび有色半透明シート9bの組み合わせと、フィデューシャルマークMの識別状態との関係について説明するための説明図である。
図5】黒色の有色不透明シート9aと、緑色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1について説明するための図面代用写真である。
図6】緑色の有色不透明シート9aと、緑色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1について説明するための図面代用写真である。
図7】黒色の有色不透明シート9aと、青色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1について説明するための図面代用写真である。
図8】緑色の有色不透明シート9aと、青色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1について説明するための図面代用写真である。
図9】黒色の有色不透明シート9aと、黒色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1について説明するための図面代用写真である。
図10】緑色の有色不透明シート9aと、黒色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1について説明するための図面代用写真である。
図11】やや明るい黒色の有色不透明シート9aと、緑色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1について説明するための図面代用写真である。
図12】やや明るい緑色の有色不透明シート9aと、緑色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1について説明するための図面代用写真である。
図13】やや明るい黒色の有色不透明シート9aと、青色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1について説明するための図面代用写真である。
図14】やや明るい緑色の有色不透明シート9aと、青色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1について説明するための図面代用写真である。
図15】やや明るい黒色の有色不透明シート9aと、黒色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1について説明するための図面代用写真である。
図16】やや明るい緑色の有色不透明シート9aと、黒色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1について説明するための図面代用写真である。
図17】白色の有色不透明シート9aと、緑色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1について説明するための図面代用写真である。
図18】黄色の有色不透明シート9aと、緑色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1について説明するための図面代用写真である。
図19】赤色の有色不透明シート9aと、緑色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1について説明するための図面代用写真である。
図20】黒色の有色不透明シート9aと、黄色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1について説明するための図面代用写真である。
図21】黒色の有色不透明シート9aと、赤色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1について説明するための図面代用写真である。
図22】黒色の有色不透明シート9aと、透明シートとを使用して撮像した撮像データD1について説明するための図面代用写真である。
図23】有色半透明シート9bを使用せずに黒色の有色不透明シート9aだけを使用して撮像した撮像データD1について説明するための図面代用写真である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、マーク検出装置、基板検査装置およびマーク検出方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0017】
図1に示す基板検査装置1は、検査対象基板10(図3参照)を電気的に検査可能に構成された検査装置であって、基板保持機構2、マーク検出部3、測定部4、操作部5、表示部6、処理部7、記憶部8、有色不透明シート9aおよび有色半透明シート9bを備えて構成されている。この場合、図3に示す検査対象基板10は、「透明基板」に相当し、一例として、光透過性樹脂材料で形成された基材10a、および図示しない透明電極を備えてシート状に形成されている。また、この検査対象基板10には、基板検査装置1などによる検査時や、検査の完了後に所定形状に切断する際に、検査装置や切断装置に対する検査対象基板10の位置決め(または、検査対象基板10に対する検査位置や切断位置等の補正)に使用するフィデューシャルマークMが、一例として、その4つの角部にそれぞれ設けられている。この場合、フィデューシャルマークMは、一例として、上記の透明電極の形成に際して透明電極を構成する材料と同じ材料で形成されている。
【0018】
基板保持機構2は、複数の吸気孔(図示せず)が形成された載置台2a(図2参照)と、図示しない吸気装置とを備え、処理部7の制御に従って、各吸気孔を介して載置台2aにおける載置面側の空気を吸気することで、検査対象基板10を吸着して保持する。マーク検出部3は、処理部7と相まって「マーク検出装置」を構成する。具体的には、図2に示すように、マーク検出部3は、赤色光L1を出射可能な複数のLED21aを有するLED光源21(「光照射部」の一例)と、処理部7の制御に従って検査対象基板10等を撮像して「単色画像データ(一例として、グレースケールの画像データ)」の撮像データD1を出力する撮像部22とを備えて構成されている。この場合、本例の「マーク検出装置」では、同図に示すように、検査対象基板10の表面(同図における上面:「一方の面」の一例)に対して、LED光源21から斜めに赤色光L1を照射すると共に、その撮像光軸が検査対象基板10の表面に対して直交するように配置された撮像部22によって検査対象基板10からの反射光(赤色光L2)を受光して検査対象基板10を撮像する構成が採用されている。
【0019】
測定部4は、処理部7と相まって「検査部」を構成する。この測定部4は、一例として、X−Y−Z方向に移動可能な図示しない接触型のプローブを備えると共に、プローブを介して検査対象基板10に検査用電圧を印加する電源を備え、検査用電圧を印加した状態において検査対象基板10を流れる電流の電流値を測定して測定データD2として処理部7に出力する(測定処理の実行)。なお、「検査部」による検査の内容は、本例の基板検査装置1における検査処理のようにプローブを使用した電気的検査に限定されるものではなく、非接触型プローブを使用した電気的検査や、撮像データに基づいて検査対象基板10の良否を検査する画像検査などを実行可能に構成することもできる。操作部5は、基板検査装置1の動作条件を設定操作するための各種操作スイッチを備え、スイッチ操作に応じた操作信号を処理部7に出力する。表示部6は、処理部7の制御に従い、基板検査装置1の動作条件を設定するための動作条件設定画面(図示せず)や、検査対象基板10についての検査結果表示画面(図示せず)などを表示する。
【0020】
処理部7は、基板検査装置1を総括的に制御する。具体的には、処理部7は、基板保持機構2を制御して、検査対象基板10を有色不透明シート9aおよび有色半透明シート9bと共に載置台2aに吸着保持させる。また、処理部7は、フィデューシャルマークMの検出に際して、マーク検出部3のLED光源21に制御信号S1を出力して(LED光源21を制御して)検査対象基板10に対して赤色光L1を照射させると共に、マーク検出部3の撮像部22に制御信号S1を出力して(撮像部22を制御して)検査対象基板10を撮像させる。さらに、処理部7は、撮像部22から出力される撮像データD1に対する画像解析処理を実行することにより、撮像データD1に対応する画像内におけるフィデューシャルマークMの位置を特定する(フィデューシャルマークMを検出する)と共に、その撮像データD1の撮像時における撮像部22の位置と、画像解析処理の結果に基づいて特定したフィデューシャルマークMの位置とに基づき、載置台2a上における検査対象基板10の位置や載置姿勢を特定する。
【0021】
また、処理部7は、測定部4に制御信号S2を出力して(測定部4を制御して)上記の測定処理を実行させる。この際に、処理部7は、載置台2a上における検査対象基板10の位置や載置姿勢に応じて、測定部4のプローブをプロービングさせる位置を補正する。なお、前述したように撮像データに基づいて検査対象基板10の良否を検査する画像検査を実行する構成を採用している場合には、処理部7は、検査対象基板10の検査に際して撮像する位置を、載置台2a上における検査対象基板10の位置や載置姿勢に応じて補正する。さらに、処理部7は、測定部4から出力される測定データD2と、記憶部8に記憶されている検査用基準データD0とに基づき、検査対象基板10の良否を検査する。また、記憶部8は、上記の検査用基準データD0、処理部7の動作プログラム、および処理部7の演算結果などを一時的に記憶する。
【0022】
有色不透明シート9aは、一例として、その一面(後述するように有色半透明シート9bが接触させられる接触面)が、黒色および緑色のいずれかの色に着色された紙で構成されて、一辺の長さが10mm程度の方形状に切断されている。ただし、有色不透明シート9aの固定を容易にするなどの都合により、検査対象基板10と同じ大きさであってもよい。なお、この有色不透明シート9aについては、紙に限定されず、少なくとも一面が黒色および緑色のいずれかの色に着色されている限り、樹脂シートや、金属シート等の各種のシートで構成することができる。また、有色不透明シート9aにおける上記の接触面の裏面(載置台2aに接触させられる面)については、接触面と同じ色とすることもできるし、黒色および緑色以外の任意の色とすることもできる。この場合、後述するフィデューシャルマークMの検出に際して有色半透明シート9bを透過した赤色光L1の反射率を低減するために、この有色不透明シート9aについては、少なくとも有色半透明シート9bに対して接触させられる接触面(上記の「いずれかの色」に着色された一面)を非光沢面で形成するのが好ましい。
【0023】
有色半透明シート9bは、一例として、緑色、青色および黒色のうちのいずれかの色に着色された樹脂材料(一例として、ポリプロピレンやポリエチレン)で一例として、0.2mmのシート状に形成されると共に、一辺の長さが10mm程度の方形状に切断されている。ただし、有色半透明シート9bの固定を容易にするなどの都合により、検査対象基板10と同じ大きさであってもよい。この場合、この有色半透明シート9bについては、その厚みが薄すぎると、後述する赤色光L1の吸収率が低下し過ぎる(赤色光L1の透過率が高くなり過ぎる)と共に、その厚みが厚すぎると、後述する載置台2aに対する検査対象基板10の吸着の妨げとなるおそれがある。
【0024】
この基板検査装置1によって検査対象基板10を検査する際には、まず、有色不透明シート9a、有色半透明シート9bおよび検査対象基板10を載置台2aの上に載置する。なお、本例では、一例として、黒色の有色不透明シート9aと、緑色の有色半透明シート9bとを使用する。この際には、検査対象基板10における各フィデューシャルマークMの形成部位の下方(載置台2a側)に、検査対象基板10の厚み方向に沿って載置台2aの側から有色不透明シート9aおよび有色半透明シート9bをこの順で積層する。また、有色不透明シート9aについては、着色された面(本例では、黒色に着色された面)に有色半透明シート9bを接触させるように、着色された面を上向きにして載置台2a上に載置する。
【0025】
次いで、操作部5の所定の操作スイッチを操作すると、処理部7が基板保持機構2の吸気装置を制御して、各吸気孔を介して載置台2aの上面側の空気を吸引させることにより、有色不透明シート9a、有色半透明シート9bおよび検査対象基板10を載置台2aに吸着保持させる。続いて、処理部7は、マーク検出部3のLED光源21に制御信号S1を出力することにより、検査対象基板10に対して赤色光L1を照射させると共に、マーク検出部3の撮像部22に制御信号S1を出力することにより、検査対象基板10を撮像させる。これに応じて、撮像部22から検査対象基板10を撮像した撮像データD1が出力される。
【0026】
この際に、図2に示すように、LED光源21の各LED21aから出射された赤色光L1は、その極く一部が検査対象基板10の表面において反射されて赤色光L2として撮像部22に入射する。また、LED光源21から出射された赤色光L1の大半は、検査対象基板10の基材10aを透過する。この際に、フィデューシャルマークMの形成部位においては、検査対象基板10の基材10a内に進入した赤色光L1が、フィデューシャルマークMを構成する層と、基材10aとの界面や、フィデューシャルマークMを構成する層内において反射して赤色光L2として撮像部22に入射する。この結果、フィデューシャルマークMを撮像するのに十分な光量の赤色光L2が撮像部22に入射する。
【0027】
一方、フィデューシャルマークMの形成部位を除く部位(フィデューシャルマークMの周囲)においては、基材10a内に進入した赤色光L1が、有色半透明シート9bに向かって基材10aを透過する。この際に、検査対象基板10を透過した赤色光L1の極く一部は、検査対象基板10における有色半透明シート9bとの接触面において反射されて、赤色光L2として基材10a内を撮像部22に向かって進行して検査対象基板10から出射されて撮像部22に入射する。また、検査対象基板10から有色半透明シート9b側に出射された赤色光L1は、有色半透明シート9b内を透過させられる。この際に、本例では、緑色の有色半透明シート9bを使用しているため、赤色光L1が有色半透明シート9b内を透過させられる際に、その一部が有色半透明シート9bによって吸収される。
【0028】
さらに、有色半透明シート9b内において吸収されずに有色半透明シート9bにおける有色不透明シート9a側の一面に達した赤色光L1は、有色半透明シート9bにおける有色不透明シート9a側の一面において反射されて、赤色光L2として有色半透明シート9bおよび検査対象基板10(基材10a)をこの順で透過させられる。この際に、有色半透明シート9bが緑色に形成されているため、赤色光L2の一部が有色半透明シート9bによって吸収される。したがって、有色半透明シート9bにおける有色不透明シート9a側の一面において赤色光L1が反射されることで生じる極く少量の赤色光L2のうちの検査対象基板10を透過させられる赤色光L2の光量が十分に少なくなっている。また、LED光源21から出射されて有色半透明シート9b内において吸収されずに有色半透明シート9bにおける有色不透明シート9a側の一面に達した赤色光L1の他の一部は、有色半透明シート9bから有色不透明シート9aに向けて出射される。この際に、本例では、黒色の有色不透明シート9aを使用しているため、有色半透明シート9bから出射された赤色光L1が有色不透明シート9aの表面において殆ど反射されることなく、有色不透明シート9aによって吸収される。
【0029】
このように、載置台2a上に、黒色の有色不透明シート9a、緑色の有色半透明シート9b、および検査対象基板10をこの順で積層した状態でLED光源21の各LED21aから検査対象基板10に向けて赤色光L1を出射する本例では、フィデューシャルマークMの形成部位については、基材10a内に進入した赤色光L1が、フィデューシャルマークMを構成する層と、基材10aとの界面やフィデューシャルマークMを構成する層内において反射して赤色光L2として撮像部22に入射するのに対し、フィデューシャルマークMの形成部位を除く部位(フィデューシャルマークMの周囲)については、検査対象基板10と有色半透明シート9bとの接触面や、有色半透明シート9bにおける有色不透明シート9aとの接触面において反射された極く少量の赤色光L2が撮像部22に入射するだけとなる。したがって、この状態において撮像部22によって検査対象基板10を撮像することにより、フィデューシャルマークMの形成部位と、フィデューシャルマークMの周囲との明暗のコントラストが十分に大きい画像、つまりフィデューシャルマークMの形成部位が明るく、フィデューシャルマークMの周囲が暗い画像が撮像される。
【0030】
一方、処理部7は、撮像部22から出力された撮像データD1に対する画像解析処理を実行することにより、撮像データD1に対応する画像内におけるフィデューシャルマークMの位置を特定する(「撮像データに基づいてフィデューシャルマークを検出する」との処理の一例)。以上により、フィデューシャルマークMの検出処理が完了する。次いで、処理部7は、撮像データD1に対応する画像の撮像時における撮像部22の位置と、上記の画像解析処理の結果特定したフィデューシャルマークMの位置とに基づき、載置台2a上における検査対象基板10の位置や載置姿勢を特定する。
【0031】
続いて、処理部7は、測定部4に制御信号S2を出力して、予め規定された手順に従って検査対象基板10についての測定処理を実行させる。この際に、処理部7は、載置台2a上における検査対象基板10の位置や載置姿勢に応じて、測定部4のプローブをプロービングさせる位置を補正する(「フィデューシャルマークの検出の結果に基づいて検査部による透明基板に対する検査処理の実行位置を補正する」との処理の一例)。次いで、処理部7は、測定部4から出力される測定データD2と、記憶部8に記憶されている検査用基準データD0とに基づき、検査対象基板10の良否を検査する。以上により、検査対象基板10についての検査が完了する。
【0032】
この場合、上記の例では、黒色の有色不透明シート9aと、緑色の有色半透明シート9bとを使用することで、フィデューシャルマークMの形成部位とフィデューシャルマークMの周囲との明暗のコントラストが大きな画像の撮像データD1を得ている。しかしながら、黒色の有色不透明シート9aに代えて緑色の有色不透明シート9aを使用したり、緑色の有色半透明シート9bに代えて青色または黒色の有色半透明シート9bを使用したりした場合においても、フィデューシャルマークMの形成部位とフィデューシャルマークMの周囲との明暗のコントラストが大きな画像の撮像データD1を得ることができることが確認されている。具体的には、上記の例とは色が相違する有色不透明シート9aおよび有色半透明シート9bの組み合わせや、有色不透明シート9aおよび有色半透明シート9bの有無と、明暗のコントラストとの関係について、図4に図示する。
【0033】
なお、同図では、明暗のコントラストが十分に大きく、フィデューシャルマークMを容易に特定することができる画像の撮像データD1を得られた組み合わせを「○」とし、ある程度の明暗のコントラストを得られたが、フィデューシャルマークMの特定が容易ではない画像の撮像データD1を得られた組み合わせを「△」とし、明暗のコントラストが小さく、フィデューシャルマークMの特定が困難な画像の撮像データD1を得られた組み合わせを「×」として図示している。また、上記の各種組み合わせのうちの一部において撮像した撮像データD1の画像に関する図面代用写真を図5〜23に示す。
【0034】
この場合、図5は、黒色の有色不透明シート9aと、緑色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1の画像であり、図6は、緑色の有色不透明シート9aと、緑色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1の画像であり、図7は、黒色の有色不透明シート9aと、青色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1の画像であり、図8は、緑色の有色不透明シート9aと、青色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1の画像であり、図9は、黒色の有色不透明シート9aと、黒色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1の画像であり、図10は、緑色の有色不透明シート9aと、黒色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1の画像である。
【0035】
また、図11は、やや明るい黒色の有色不透明シート9aと、緑色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1の画像であり、図12は、やや明るい緑色の有色不透明シート9aと、緑色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1の画像であり、図13は、やや明るい黒色の有色不透明シート9aと、青色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1の画像であり、図14は、やや明るい緑色の有色不透明シート9aと、青色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1の画像であり、図15は、やや明るい黒色の有色不透明シート9aと、黒色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1の画像であり、図16は、やや明るい緑色の有色不透明シート9aと、黒色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1の画像である。
【0036】
さらに、図17は、白色の有色不透明シート9aと、緑色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1の画像であり、図18は、黄色の有色不透明シート9aと、緑色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1の画像であり、図19は、赤色の有色不透明シート9aと、緑色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1の画像であり、図20は、黒色の有色不透明シート9aと、黄色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1の画像であり、図21は、黒色の有色不透明シート9aと、赤色の有色半透明シート9bとを使用して撮像した撮像データD1の画像であり、図22は、黒色の有色不透明シート9aと、透明シートとを使用して撮像した撮像データD1の画像であり、図23は、有色半透明シート9bを使用せずに黒色の有色不透明シート9aだけを使用して撮像した撮像データD1の画像である。
【0037】
図4および図5〜10に示すように、緑色および黒色のうちのいずれかの色で形成された有色不透明シート9aと、緑色、青色および黒色のいずれかの色で形成された有色半透明シート9bとの組み合わせにおいては、フィデューシャルマークMを確実かつ容易に識別し得る十分なコントラストの撮像データD1を得ることができた。また、図4および図11〜16に示すように、有色不透明シート9aの色が、やや明るい黒色(濃い灰色)や、やや明るい緑色であっても、有色半透明シート9bの色が緑色、青色および黒色のうちのいずれかの色であれば、フィデューシャルマークMを識別し得る十分にコントラストの撮像データD1を得ることができた。これらは上記した黒色の有色不透明シート9aと緑色の有色半透明シート9bとを使用する組み合わせの例と同様に作用して同様の結果が得られるものと考えられる。
【0038】
これに対して、図4および図17に示すように、有色不透明シート9aの色が白色の場合には、有色半透明シート9bの色が緑色であっても、フィデューシャルマークMを容易に識別し得る十分なコントラストの撮像データD1を得ることができなかった。同様にして、図4および図18,19に示すように、有色不透明シート9aの色が黄色や赤色の場合には、有色半透明シート9bの色が緑色であっても、フィデューシャルマークMを識別し得る十分なコントラストの撮像データD1を得ることができなかった。この場合、図4に示すように、有色不透明シート9aの色が白色、黄色および赤色の場合(黒色および緑色以外の色の場合)には、有色半透明シート9bの色が青色や黒色、またはそれ以外の色であっても、フィデューシャルマークMを識別し得る十分なコントラストの撮像データD1を得ることができなかった。
【0039】
また、図4および図20,21に示すように、有色半透明シート9bの色が黄色または赤色の場合には、有色不透明シート9aの色が黒色であっても、フィデューシャルマークMを識別し得る十分なコントラストの撮像データD1を得ることができなかった。さらに、図4および図22に示すように、有色半透明シート9bに代えて透明シートを使用した場合には、有色不透明シート9aの色が黒色であっても、フィデューシャルマークMを識別し得る十分なコントラストの撮像データD1を得ることができなかった。この場合、図4に示すように、有色半透明シート9bが黄色および赤色のいずかの色の場合(緑色、青色および黒色以外の色の場合)、または、有色半透明シート9bに代えて透明シートを使用した場合には、有色不透明シート9aの色が緑色、またはそれ以外の色であっても、フィデューシャルマークMを識別し得る十分なコントラストの撮像データD1を得ることができなかった。
【0040】
さらに、図4および図23に示すように、有色半透明シート9bが存在しない場合には、有色不透明シート9aの色が黒色であっても、フィデューシャルマークMを識別し得る十分なコントラストの撮像データD1を得ることができなかった。この場合、有色半透明シート9bが存在しない場合には、有色半透明シート9bの色が緑色、またはそれ以外の色であっても、フィデューシャルマークMを識別し得る十分なコントラストの撮像データD1を得ることができなかった。なお、有色不透明シート9aが存在しない場合には、載置台2aの表面の色と同じ有色不透明シート9aを有色半透明シート9bの下に載置したのと同様の条件となるため、有色不透明シート9aが存在しない例については検証していない。
【0041】
このように、この基板検査装置1におけるマーク検出装置(本例では、マーク検出部3、処理部7、有色不透明シート9aおよび有色半透明シート9b)、およびこのマーク検出装置によるマーク検出方法では、緑色、青色および黒色のうちのいずれかの色で形成された有色半透明シート9bを検査対象基板10の他方の面(下面)に接するように配設すると共に、少なくとも有色半透明シート9bに対する接触面が黒色および緑色のいずれかの色で形成された有色不透明シート9aを有色半透明シート9bにおける検査対象基板10に対する接触面の裏面に接するように配設した状態において、上記の他方の面が有色半透明シート9bに接するように配設した検査対象基板10の一方の面(表面)にLED光源21からの赤色光L1を照射すると共に、単色画像データの撮像データD1を出力可能な撮像部22によって検査対象基板10の一方の面を撮像し、撮像部22から出力された撮像データD1に基づいてフィデューシャルマークMを検出する。
【0042】
したがって、この基板検査装置1におけるマーク検出装置、およびこのマーク検出装置によるマーク検出方法によれば、LED光源21から出射した赤色光L1のうち、フィデューシャルマークMの形成部位を除く部位(フィデューシャルマークMの周囲)に照射されて検査対象基板10(基材10a)を透過した赤色光L1の一部が、有色半透明シート9bを透過する際に有色半透明シート9bによって吸収され、有色半透明シート9bによって吸収されなかった赤色光L1の一部が有色不透明シート9aによって吸収されると共に、有色半透明シート9bにおける有色不透明シート9a側の一面において赤色光L1が反射されることで生じた極く少量の赤色光L2についても、検査対象基板10(基材10a)に向かって有色半透明シート9bを透過させられる際に有色半透明シート9bによって吸収されるため、フィデューシャルマークMの形成部位以外の部位に照射された赤色光L1が赤色光L2として撮像部22に向かって反射される光量を十分に小さく抑えることができる。したがって、フィデューシャルマークMの形成部位と、フィデューシャルマークMの形成部位を除く部位(フィデューシャルマークMの周囲)との明暗のコントラストが十分に大きい画像の撮像データD1を得ることができるため、フィデューシャルマークMを確実かつ容易に検出して、その位置を正確に特定することができる。
【0043】
また、この基板検査装置1によれば、上記の「マーク検出装置(本例では、マーク検出部3、処理部7、有色不透明シート9aおよび有色半透明シート9b)」と、検査対象基板10に対する検査処理を実行する「検査部(本例では、測定部4および処理部7)」と、「マーク検出装置」によるフィデューシャルマークMの検出の結果に基づいて「検査部」による検査対象基板10に対する検査処理の実行位置を補正する処理部7とを備えて構成したことにより、フィデューシャルマークMについての正確に検出された位置に基づき、検査対象基板10において検査すべき部位を正確に検査することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 基板検査装置
3 マーク検出部
4 測定部
7 処理部
8 記憶部
9a 有色不透明シート
9b 有色半透明シート
10 検査対象基板
10a 基材
21 LED光源
21a LED
22 撮像部
D0 検査用基準データ
D1 撮像データ
D2 測定データ
L,L1,L2 赤色光
M フィデューシャルマーク
S1,S2 制御信号
図1
図2
図3
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