(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
然るに、前述の下水処理施設に於いては、下水処理施設が日常的に稼動している限りは下水汚泥が発生し、かつこの下水汚泥を焼却した焼却灰は、下水処理場が稼動する限りは永久に発生し続けるので、従来のようにその焼却灰の処理を埋め立てのみに頼っていたのでは、何時かは埋め立て処理施設が行き詰まり、従来の下水処理システムが成り立たなくなってしまう問題があった。
【0004】
一方で、コンクリートを製造するに当たっては、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末が混和材としてセメントに対する混合比で5〜35%と比較的多量に使用されている。しかし、これ等のフライアッシュ、高炉スラグ微粉末はコンクリートの耐久性の向上、ワーカビリティの改善、高強度化等の点で効果を有するが、比較的高価であり、コンクリートをコスト高にする問題があった。
【0005】
また、本件特許出願人等は、前述の従来の大きな問題点を改善するために、下水処理施設に於いて日常的に大量に発生する
図10の顕微鏡写真、或いは
図11の粒径の分布グラフに示すような粉砕加工を施す以前の未処理焼却灰を骨材の一部に代えて混入したコンクリートを用いてヒューム管、コンクリート成形品等を製造する方法を発明し、実用化すると共にその発明を既に特許出願している(特願平11−361843号、特願平11−361848号)。
【0006】
前述の本件特許出願人等が新たに発明した方法は、下水汚泥を焼却して得られる焼却灰を骨材の一部に代えてコンクリートに混入して使用することが出来るようにした点で、画期的な発明であり、コンクリート業界に於いても注目された発明ではあるが、しかし、コンクリートに混入される前述の
図10及び
図11に示す下水汚泥焼却灰の混入量が、一定のワーカビリティを得るためには比較的少量(例えば15%以下)に限定されたり、この下水汚泥焼却灰をコンクリートに混入する際の取り扱い及び作業性に弱冠ではあるが問題があった。
【0007】
本発明に係るコンクリートは、前述の多くの問題点に鑑み開発された全く新規な発明であって、特に前述のようにコンクリートの中に混入される下水汚泥焼却灰の混入比率を高くして、極めて安価な下水汚泥焼却灰の消費量を多くすることが出来、かつ下水汚泥焼却灰の混入比率を高くした場合にも一定のワーカビリティを得ることが出来、しかもコンクリートを製造する際の作業性を著しく向上せしめることができる全く新しいコンクリートの技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るコンクリートは、前述の従来の問題点を根本的に改善した発明であって、高分子凝集剤等の凝集剤を使用して得られた汚泥を焼却処理した際に発生する焼却灰の固まりを解砕して粒子状にする粉砕して得られた、安息角が47°以下である粒度調整焼却灰を混和剤としてセメント量に対して5〜50%の範囲で混入して構成したことを特徴とするコンクリートである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るコンクリートに於いては、下水汚泥を焼却して得られた焼却灰をさらに粉砕してなる粒度調整焼却灰を混和材として混入してコンクリートを構成するので、ほぼ均一の粒径を持った焼却灰を混入することが出来、これによってワーカビリティに優れたコンクリートを得ることが出来る。
【0010】
したがって、コンクリートの製造に当たっては、極めて多量の粒度調整焼却灰を混入して使用することが出来、そのために大量の焼却灰を消費することが出来、かつコンクリートの製造コストを著しく下げることが出来る。また、粒度調整焼却灰を混入してコンクリートを製造する際の作業性を著しく向上させることが出来る。
【0011】
コンクリートを製造するに当たって、粒度調整焼却灰をセメントに対して約50%以下の範囲にした場合には、焼却灰を多量に積極的に消費すると共に、コンクリートの原価を著しく下げることが出来る。
【0012】
また、粒度調整焼却灰の安息角を47°以下にした場合には、径の大きな団粒状の粒子を持った焼却灰を無くすることが出来、かつ焼却灰の粒径分布を狭く揃えることが出来るので、焼却灰をコンクリートに混入する際の取り扱い及び作業性を著しく向上させることが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のコンクリートの一実施例を具体的に説明すると、次に詳述する通りである。
【0015】
先ず、本発明者等は、前述の本件特許出願人等が開発した2つの発明を実施したところ、既に説明したように一定のコンクリートの流動性を得るためには、コンクリートに混入される下水汚泥焼却灰の混入量が例えば15%以下に限定されたり、更にこの下水汚泥焼却灰をコンクリートを製造する場合に、取扱い及び作業性等に弱冠ではあるが、問題点があることを発見した。
【0016】
したがって、本発明者等は、この問題点を根本的に改善するための解決策を長期間に亘って研究すると共に、試験を繰り返して実施して来た結果、前記2件の特許出願に使用されている下水汚泥を焼却して得られる下水汚泥焼却灰は、例えば
図7の顕微鏡写真(1,480倍に拡大)に示すごとく、大きな団粒状のものと、小さな単粒状のものが混ざり合っており、粒径範囲の広いことが判明した。
【0017】
そして、このような粒径範囲の広い下水汚泥焼却灰を使用することが、コンクリートの流動性を阻害したり、或いはコンクリートを製造する場合粉体輸送などの取り扱い性と作業性を悪くしたりする原因であることが判明した。したがって、本発明はこれ等の点に注目し、種々の研究と実験の結果、後述のような発明を完成するに至ったものである。
【0018】
本発明の実施例を説明するために次の図を使用する。即ち、
図1は本発明に用いられる下水汚泥の焼却灰を3回粉砕して製造した粉砕焼却灰の1,490倍の顕微鏡写真であり、
図2は下水汚泥の焼却灰を1回粉砕して製造した粉砕焼却灰の粒径の分布を示すグラフ、
図3は同様に3回粉砕して製造した粉砕焼却灰の粒径の分布を示すグラフ、
図4は同様に5回粉砕して製造した粒径の分布を示すグラフである。
【0019】
図5はモルタルにおける未処理焼却灰と粉砕焼却灰の置換量とフロー値を示す棒グラフ、
図6はコンクリートにおける粉砕焼却灰利用率と水セメント比と骨材セメント比との関係を示す棒グラフ、
図7は未処理焼却灰利用率と減水剤との関係を示すグラフ、
図8は未処理焼却灰と粉砕焼却灰の利用率と水セメント比の関係を示すグラフ、
図9は未処理焼却灰と粉砕焼却灰との利用率と減水剤添加率との関係を示すグラフである。
【0020】
先ず、本実施例を具体的に説明する前に、本発明で使用する下水汚泥を焼却して得られた下水汚泥焼却灰の特性について説明し、かつこのようにして得られた下水汚泥焼却灰をさらに粉砕して得られる粉砕焼却灰について説明する。
【0021】
本発明の実施例で使用する下水汚泥焼却灰は、下水処理剤に石灰や塩化第二鉄を使用せずに、高分子凝集剤を使用して得られた次のような配合よりなる下水汚泥焼却灰を使用した。
【0022】
二酸化ケイ素(SiO2) 40〜50%
酸化カルシウム(CaO) 5〜10%
酸化第二鉄(Fe2O3) 5〜12%
酸化アルミニウム(Al2O3) 13〜25%
酸化マグネシウム(MgO) 5〜10%
五酸化リン(P2O5) 5〜15%
酸化ナトリウム(Na2O) 0.5〜3%
塩化物 0mg/kg
【0023】
また、下水汚泥焼却灰の処理方法の相違例として例示すると、東京都下水道局新河岸処理場で発生した焼却灰A、及び東京都下水道局東部汚泥処理プラントで発生した焼却灰Bの成分分析結果は表1の通りであった。
【0025】
本発明者等は、本件特許出願人等が開発した前記2発明で使用した下水汚泥焼却灰は、その粒度が
図10の顕微鏡写真に示すように、大きなバラツキがあるので、下水汚泥焼却灰を粉砕することによって、大きな固まりとなった団粒を解砕して全体の大きさを揃えるようにしたところ、
図1の顕微鏡写真或いは
図2、
図3、
図4に示すグラフに示すような結果が得られた。
【0026】
即ち、
図1の顕微鏡写真は、下水汚泥焼却灰を3回粉砕した粉砕焼却灰を拡大したものであるが、前述の
図10の粉砕する以前の下水汚泥焼却灰と比較して、その粒径の範囲が著しく小さくなっていることが明らかである。また、
図2、
図3、
図4は夫々下水汚泥焼却灰を1回、3回、5回粉砕した粉砕焼却灰の粒径(μm)の分布をグラフで表わしたものであるが、
図11のグラフに示すような粉砕する以前の下水汚泥焼却灰の分布と比較すると、その粒径の範囲が著しく小さくなっていることが明らかである。
【0027】
即ち、粉砕する以前の下水汚泥焼却灰の粒径は、
図11に示す如く、1〜300μm、の分布に渡っているのに対して、1回、3回、5回粉砕した粉砕焼却灰は、
図2、
図3、
図4に示す如く、約1〜80μmの分布に納まっていることが明らかである。特に粉砕焼却灰は、
図12に示す高炉スラグ粉末と類似していることが明らかである。
【0028】
前述のように、下水汚泥焼却灰を粉砕するに当たっては、サンプルミル微粉砕機を使用した。このサンプルミル微粉砕機は、結晶状の粒子をすりつぶして粉砕する方法ではなくて、大きな固まりを解砕して粒子状にする粉砕方式であって、これによって粉砕焼却灰の粒径を揃えて、その粒径のバラツキを小さくすることが出来るようにしたものである。
【0029】
さらに、本件発明者等は、下水汚泥焼却灰と粉砕焼却灰との差異を別の角度から測定した。即ち、両者の安息角(°)をパウダーテスターによって測定して比較したところ、次の表2に示す如き結果が得られた。
【0031】
前述のように、下水汚泥焼却灰に比較して粉砕した粉砕焼却灰は安息角が47°以下となって小さくなっており、これにより流動特性が大きく良い方向に変化していることが明らかである。このように安息角が小さくなることは、粉末をコンクリートに混入する際に、取り扱いが良く、作業性を良くし、かつ均一に混ぜて混入することが出来るようになる。
【0032】
次に本発明の実施に当たって、コンクリートの製造に使用されている使用材料について説明すると以下の通りである。
【0033】
セメントC:普通ポルトランドセメント
(太平洋セメント社製ρc=3.16)
細骨材S1:砕砂
(埼玉県児玉郡上里町産ρs1=2.60、F.M=2.96)
細骨材S2:天然砂
(埼玉県児玉郡上里町産ρs2=2.64、F.M=3.09)
粗骨材G:砕石6号
(埼玉県児玉郡上里町産ρG=2.70、F.M=5.91)
膨張剤GP:アサノジプカル
(太平洋セメント社製ρGP=3.00)
減水剤:マイティー150RX(高性能減水剤)
(花王社製)
焼却灰B:東京都新河岸処理場産
(東京都下水道局ρashB=2.60)
【0034】
前述のように、下水汚泥焼却灰を粉砕することによって得られた粉砕焼却灰を使用し、モルタルの流動性を確認するためテーブルフローにより試験したところ、表3に示すような結果が得られた。この表3に示すように、粉砕焼却灰については1回粉砕したもの、3回粉砕したもの、5回粉砕したものを夫々全く粉砕しない未処理焼却灰と比較した。
【0036】
前述の表3に示すように、未処理の下水汚泥焼却灰を使用した場合に比較して、粉砕焼却灰を使用した場合には、テーブルフロー値が著しく大きくなり、流動性が改善することが明らかである。
【0037】
そして、一定のフロー値を得るためには、未処理の下水汚泥焼却灰に比較して粉砕焼却灰は大量に置換し得ることが明らかとなった。これによって、粉砕焼却灰を使用した場合には、混和材としてセメントに対して大量に混入することが出来ると共に、例えば40%のように、大量に混入した場合にもフロー値が大きく下がることがなく、流動性を大きく阻害することがないことが判明した。このように、下水汚泥焼却灰の未処理のもの、1回、3回或は5回粉砕して処理したものの置換量とフロー値とを夫々比較して棒グラフで立体的に表示した結果は
図5に示す通りである。
【0038】
前述の試験に於いては、粉砕しない未処理の下水汚泥焼却灰と粉砕した粉砕焼却灰についてのフロー値について比較試験を実施したが、本件発明者等はその外に(1)粒度分布、(2)膨潤度、(3)ブレーン比表面積についても、下水汚泥焼却灰と粉砕焼却灰との比較試験を実施した。
【0039】
その結果、(1)粒度分布は既に説明した通りであるが、3回の粉砕と5回の粉砕とでは、その差異はほとんど認められなかった。(2)の膨潤度(単位g/g)は、固体物質が吸水して膨れたり保持する場合に、吸水量をその物質の乾燥重量で割ったものであるが、未処理焼却灰に比較して粉砕焼却灰のほうがわずかに大きかった。また、(3)ブレーン比表面積(単位cm2/g)は、未処理焼却灰に比較して粉砕焼却灰の方がわずかに大きい。
【0040】
一定のモルタルフロー値を得るための水セメント比について試験を行った結果、セメントに対する添加率(以下単に添加率と記す)5%、7%、10%、20%、30%、40%、50%の各割合で、粉砕焼却灰を添加した場合に、フロー値が一定(目標フロー値:210mm±20mm)となるためのコンクリート配合は表4或は
図6の棒グラフで立体的に表示する如くであった。なお、表中W/Cは水セメント比、S/Cは骨材セメント比、Wは水である(以下同じ)。
【0042】
また、同様に一定のワーカビリティを得るための減水剤の影響について試験を行った結果、フロー値(目標フロー値:210mm±20mm)及び水セメント比を一定とした場合の粉砕加工を施さない未処理焼却灰のモルタル配合は次の表5、焼却灰混入率と減水剤混入率との関係は
図7のグラフに示す如くであった。
【0044】
上記試験結果から、未処理焼却灰と粉砕焼却灰と水セメント比とを比較した場合には
図8に示すような結果が得られた。この
図8より未処理焼却灰は20%以上混入するとワーカビリティの点から全く実用的でないので20%迄しか利用できないのに対し、粉砕焼却灰は少なくとも水セメント比を大きくすれば、50%迄利用出来ることが明らかとなった。前述の表4に示す粉砕した焼却灰を利用したコンクリート配合(No.1−50)と、前述の表5に示す未処理焼却灰を利用したコンクリート配合(No.2−20)に於けるフロー値を一定にした場合の混練時間について試験したところ、表6のような結果が得られた。
【0046】
なお、上記練混ぜ試験におけるモルタルの練混ぜは、10リッターモルタルミキサーを使用し、練鉢内にセメント、砂、焼却灰、水及び減水剤を一度に投入し、30秒間混ぜてから一旦機械を停止させ、パドルと練鉢の周りについたモルタルを掻き落とし、その後60秒間練混ぜてからフロー値を測定した。また、モルタルの練混ぜ状況によって最終練混ぜ時間を延長した。
【0047】
表6の左欄に示す粉砕焼却灰の配合No.1−0〜1−50についてはフロー値は許容範囲に収まったが、表6の右欄に示す未処理焼却灰の配合No.2−0〜2−20(未処理焼却灰利用率20%)これ以上の利用率を高めると減水剤を増加したにもかかわらず混練時間が長くなり充分なワーカビリティを得ることは困難であった。
【0048】
コンクリートのワーカビリティについて、上記粉砕焼却灰を骨材に代えて添加した場合にコンクリートのワーカビリティに与える影響について試験した。一定のセメントワーカビリティを得るための水セメント比について、セメントに対する添加率5%、7%、10%、20%、30%、40%、50%の各割合で焼却灰を添加し、スランプが一定(目標スランプ:8cm±2cm)となるようにコンクリート配合Aを表7の如くになるような配合で試験を行った。
【0050】
一方で、今度は粉砕しない未処理の焼却灰を骨材に代えて添加した場合にコンクリートのワーカビリティに与える影響について試験したところ、一定のセメントワーカビリティを得るための水セメント比について試験を行った結果、セメントに対する添加率5%、7%、10%、15%、20%の各割合で焼却灰を添加した場合に、スランプが一定となるためのコンクリート配合Bは表8の如くであった。
【0052】
前述の表7と表8とを比較することによって、粉砕焼却灰を添加する場合と、未処理の焼却灰を添加する場合とでは、次のような差異があることが明らかである。即ち、減水剤を一定とし水セメント比を変化させる場合未処理の焼却灰を添加する場合は利用率が20%が限度であるのに対し、粉砕焼却灰を添加する場合には利用率が実用的には30%まで利用可能であった。
【0053】
また、同様に粉砕焼却灰を利用した場合に於ける一定のワーカビリティを得るための減水剤の影響について試験を行った結果によると、一定のスランプ(目標スランプ8cm±2cm)が得られる場合で、水セメント比を38%とした場合のコンクリート配合Cは次の表9に示す通りであった。なお、表中S/aは細骨材対全骨材比である。
【0055】
一方で、今度は粉砕しない未処理の焼却灰を利用した場合に於ける一定のワーカビリティを得るための減水剤の影響について試験を行った結果、一定のスランプ(目標スランプ8cm±2cm)が得られる場合で、水セメント比を38%とした場合のコンクリート配合Dは次の表10に示す通りであった。
【0057】
前述の表9と表10とを比較することによって、粉砕焼却灰を利用する場合と、未処理の焼却灰を利用する場合とでは、次のような差異があることが明らかである。即ち、未処理の焼却灰は20%の利用が限度であるのに対し、粉砕焼却灰は50%の利用が可能であった。
【0058】
上記各試験結果から、コンクリートにおける焼却灰利用率と減水剤添加率との関係は
図11に示す如くである。即ち、
図11によって未処理焼却灰を使用した場合には、焼却灰が20%しか利用できないのに対し、粉砕焼却灰を使用した場合には、減水剤添加率を上げることによって焼却灰を50%迄使用出来ることが明らかである。また、前記表7及び表9に示した配合における練混ぜ時間及びコンクリートの練混ぜ状況について試験した結果は表11のごとくであった。
【0060】
なお、上記練混ぜ試験におけるコンクリートの練混ぜは、パン型強制練ミキサー(最大練混ぜ容量55リッター)を用い練混ぜ量は45リッターとした。該ミキサー内にセメント、砂、粉砕焼却灰を投入してから30秒間空練りし、水及び減水剤を投入してから30秒間混ぜてモルタルとし、一旦ミキサーを停止して砂利を投入し、更に60秒間練混ぜた。また、コンクリートの練混ぜ状況によって最終練混ぜ時間を延長した。
【0061】
スランプを一定とするには、粉砕焼却灰利用率の増加とともに水セメント比及び減水剤の添加率は増加する傾向にある。
【0062】
以上の結果からモルタル及びコンクリート共、未処理焼却灰では、水セメント比を増加させることにより焼却灰利用率は20%程度、粉砕焼却灰では30%程度とすることができる。
【0063】
減水剤の増加では、未処理焼却灰においては焼却灰利用率は、20%程度、粉砕焼却灰では50%程度とすることができることが明らかとなった。
【0064】
前述のように、種々の試験を繰り返して本発明のように下水汚泥を焼却して得られる焼却灰を粉砕して形成した粉砕焼却灰を、混和材としてセメントに混入してコンクリートを構成した場合には流動性が良好であり、ワーカビリティに優れたコンクリートを得ることが出来る。したがって、コンクリートの製造に当たって、極めて多量の粉砕焼却灰を混入することが出来、粉砕焼却灰を多量に積極的に利用することが出来る。