(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ポール本体が長尺に形成され、かつ、当該ポール本体に光波距離測定に使用するための反射ミラーを前記ポール本体の長手方向に沿ってスライド可能に取り付けることができる測量用ポールであって、
前記ポール本体は、当該ポール本体の前記長手方向に沿って長尺に延びる金属製のシャフト部と、
前記ポール本体において前記反射ミラーがスライドされるスライド範囲内の所定位置に設けられて、前記シャフト部において前記所定位置に隣接される周辺部に対する色の違いによって前記反射ミラーのスライド位置の標識として機能する色違い部と、
前記シャフト部に設けられて、当該シャフト部において前記色違い部が設けられるべき前記ポール本体の前記所定位置に対応する位置に前記色違い部を固定する固定部と、を備え、
前記固定部は、前記色違い部に対応した形状の前記シャフト部の凹みとして形成されて、当該凹みに前記色違い部を嵌合一体化された状態に固定し、
前記固定部の前記凹みは、前記シャフト部の前記長手方向に沿って一定の間隔を空けて並ぶように設けられることで、前記シャフト部と前記色違い部との色の違いにより前記ポール本体の前記長手方向に沿って一定の間隔を有する色分けを形成させ、
さらに、前記固定部の前記凹みは、前記シャフト部を当該シャフト部の前記長手方向と交わる前記シャフト部の周方向に取り巻いたくびれ形状に形成され、前記色違い部は、前もって前記固定部の前記凹みが形成された状態の前記シャフト部をインサート品として熱可塑性樹脂をインサート成形することにより、前記固定部の前記凹みに対応する形状の環として形成され、
さらに、前記固定部は、当該固定部の前記凹みの底であって前記色違い部に対向する外周面に前記シャフト部の前記長手方向に長尺に延びる滑り止め溝を備え、当該滑り止め溝には、前記色違い部を形成する前記熱可塑性樹脂が充填された状態とされ、
さらに、前記色違い部は、前記シャフト部において前記色違い部の前記周辺部となる部分に対して面一となるように、前記固定部の前記凹みに嵌合一体化されて固定されていることを特徴とする測量用ポール。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来技術では、全体が円柱状に形成された測量用ポールの外側面の上に赤色の塗料の層を設ける。このため、上記技術には、反射ミラーをスライドさせる際にこの反射ミラーが上記赤色の塗料の層に引っかかったり、測量用ポールの周囲の障害物に上記赤色の塗料の層がぶつかったりした場合に、この赤色の塗料の層が測量用ポールの外側面から容易にはがれ落ちるという問題があった。
本発明は、上記した問題を解決するものとして創案されたものである。すなわち、本発明が解決しようとする課題は、色違い部を備え、かつ、反射ミラーが取り付けられてスライドされる測量用ポールにおいて、色違い部の固着強度を向上させることで、上記反射ミラーが上記色違い部に引っかかったり、上記測量用ポールの周囲の障害物に上記色違い部がぶつかったりした場合に、この色違い部を上記測量用ポールからはがれ落ちにくくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の測量用ポールは次の手段をとる。
まず、第1の発明は、ポール本体が長尺に形成され、かつ、このポール本体に光波距離測定に使用するための反射ミラーをポール本体の長手方向に沿ってスライド可能に取り付けることができる測量用ポールである。上記ポール本体は、このポール本体の長手方向に沿って長尺に延びる
金属製のシャフト部と、上記ポール本体において上記反射ミラーがスライドされるスライド範囲内の所定位置に設けられて、
上記シャフト部において上記所定位置に隣接される周辺部に対する色の違いによって上記反射ミラーのスライド位置の標識として機能する色違い部と、上記シャフト部に設けられて、このシャフト部において上記色違い部が設けられるべき上記ポール本体の所定位置に対応する位置に上記色違い部を固定する固定部と、を備えている。この固定部は、上記色違い部に対応した形状のシャフト部の凹みとして形成されて、この凹みに上記色違い部を嵌合一体化された状態に固定する。
この第1の発明によれば、測量用ポールのポール本体において、色違い部は固定部の凹みに嵌合一体化された状態に固定される。このため、色違い部は、上記ポール本体のシャフト部に高い固着強度で固定される。これにより、上記ポール本体に沿ってスライドされる反射ミラーが上記色違い部に引っかかったり、上記測量用ポールの周囲の障害物に上記色違い部がぶつかったりした場合に、この色違い部を上記測量用ポールからはがれ落ちにくくすることができる。
【0006】
ついで、第2の発明は、上述した第1の発明において、上記固定部の凹みは、上記シャフト部をこのシャフト部の長手方向と交わるシャフト部の周方向に取り巻いたくびれ形状に形成され、上記色違い部は、前もって上記固定部の凹みが形成された状態の上記シャフト部をインサート品として熱可塑性樹脂をインサート成形することにより、上記固定部の凹みに対応する形状の環として形成されているものである。
また、第2の発明において、上記固定部の凹みは、上記シャフト部の長手方向に沿って一定の間隔を空けて並ぶように設けられることで、上記シャフト部と色違い部との色の違いにより上記ポール本体の長手方向に沿って一定の間隔を有する色分けを形成させる。
この第2の発明によれば、色違い部は、熱可塑性樹脂のインサート成形によりシャフト部にくびれ形状に形成された固定部の凹みをシャフト部の周方向に環状に取り巻くように成形される。このため、固定部の凹みに対して嵌合一体化される色違い部を一体成形し、かつ、この色違い部を上記凹みから外れないようにすることができる。そして、色違い部を固定部の凹みに対して着脱可能に嵌合一体化させる場合と比べて、ポール本体のシャフト部に対する上記色違い部の固着強度をさらに向上させることができる。これにより、上記ポール本体に沿ってスライドされる反射ミラーが上記色違い部に引っかかったり、測量用ポールの周囲の障害物に上記色違い部がぶつかったりした場合に、この色違い部を上記測量用ポールからさらにはがれ落ちにくくすることができる。
また、シャフト部と色違い部との色の違いによりポール本体の長手方向に沿って一定の間隔を有する色分けを形成する構成によれば、色違い部を反射ミラーのスライド位置の標識として機能させることができる。
【0007】
さらに、第3の発明は、上述した第2の発明において、上記固定部は、この固定部の凹み
の底であって上記色違い部に対向する
外周面に上記シャフト部の長手方向に延びる滑り止め溝を備え、この滑り止め溝には、上記色違い部を形成する熱可塑性樹脂が充填された状態となっているものである。
また、第3の発明において、上記色違い部は、上記シャフト部において上記色違い部の周辺部となる部分に対して面一となるように、上記固定部の凹みに嵌合一体化されて固定されている。
上述した第2の発明によれば、色違い部は、固定部の凹みをシャフト部の周方向に環状に取り巻くように成形されるため、上記固定部に対して上記シャフト部の周方向の滑りを発生させるおそれがある。ここで、上記第3の発明によれば、色違い部を形成する熱可塑性樹脂がシャフト部の長手方向に延びる固定部の滑り止め溝に充填された状態となることで、上記色違い部の上記固定部に対する上記シャフト部の周方向の滑りを抑えることができる。これにより、反射ミラーがポール本体において色違い部のある位置にスライドされた際に、この色違い部の上記固定部に対する上記シャフト部の周方向の滑りが反射ミラーに伝わってこの反射ミラーがぶれることにより光波距離測定の精度が低下することを抑えることができる。
また、第3の発明によれば、色違い部は、シャフト部において色違い部の周辺部となる部分に対して面一となる。このため、反射ミラーをスライドさせる際にこの反射ミラーが上記色違い部と上記周辺部との境界部分において引っかかることが少なくなる。これにより、上記反射ミラーのスライドをスムーズにすることができるとともに、この反射ミラーのスライドに対して上記色違い部が損耗することを抑えて、この色違い部の耐久性を向上させることができる。
【0008】
ついで、第4の発明は、上述した第1
または第2の発明のいずれかにおいて、上記色違い部は、この色違い部の周辺部に対して面一となるように、上記固定部の凹みに嵌合一体化されて固定されているものである。
この第4の発明によれば、色違い部とこの色違い部の周辺部とが面一となる。このため、反射ミラーをスライドさせる際にこの反射ミラーが上記色違い部と上記周辺部との境界部分において引っかかることが少なくなる。これにより、上記反射ミラーのスライドをスムーズにすることができるとともに、この反射ミラーのスライドに対して上記色違い部が損耗することを抑えて、この色違い部の耐久性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の一実施形態にかかる測量用ポール1の構成について、
図1ないし
図5を用いて説明する。なお、以下において、測量用ポールのキャップおよび石突とポール本体とを互いに螺合させる螺合構造などの付随的な構成については、その詳細な説明を省略する。
上記測量用ポール1は、
図1ないし
図3に示すように、長尺のポール本体10の各端部にキャップ1Aおよび石突1Bをそれぞれ螺合させることで長尺に組み立てられる組み立て式の測量用ポールである。
【0011】
上記ポール本体10には、
図1に示すように、プリズム(図示省略)を用いた光波距離測定用の反射ミラー20が、この反射ミラー20のスライドブロック20Aを介してポール本体10の長手方向(測量用ポール1の長手方向、図示上下方向)にスライド可能に取り付けられる。また、上記石突1Bは、観測地点30に対して位置合わせするための尖端を備えた形状に形成されている。また、上記スライドブロック20Aは、ポール本体10に取り付けられた状態で、このポール本体10の垂直出しをすることができる水準器(図示省略)を備えている。
上記構成によれば、測量用ポール1の石突1Bの尖端を観測地点30に位置合わせして、測量用ポール1のポール本体10の垂直出しを行いながら、このポール本体10に対して反射ミラー20をスライドさせることで、観測地点30に対する上記反射ミラー20の相対位置を設定することができる。これにより、上記反射ミラー20の位置をトータルステーション(図示省略)を用いて光波距離測定することで、上記観測地点30の位置を測量することができる。
【0012】
上記ポール本体10は、
図1ないし
図3に示すように、ステンレス鋼によりそれぞれ長尺の円柱状に形成されて1本に繋げられるシャフト部11、12と、上記各シャフト部11、12とは異なる色(本実施形態では赤色)を呈する複数の色違い部13と、上記各シャフト部11、12にそれぞれ設けられて、この各シャフト部11、12に上記色違い部13を固定する複数の固定部14と、を備えている。
なお、上記シャフト部12は、上記シャフト部11と比べて短く形成されている点を除いて、このシャフト部11と全く同じ構成となっている。このため、本明細書においては、ポール本体10の各構成について、その説明をシャフト部11側の各構成に付した符号を用いて行う。そして、ポール本体10におけるシャフト部12側の各構成のうち、シャフト部11側の各構成と共通する構成については、シャフト部11の各構成に付した符号と同じ符号を付して対応させる。
【0013】
上記各シャフト部11、12は、
図1に示すように、ポール本体10の長手方向(図示上下方向)に沿って長尺に延びるように1本に螺合されて繋げられる。すなわち、各シャフト部11、12は、それぞれ一方側(図示上側)の各端部に雄ネジ部11A、12Aを、他方側(図示下側)の各端部に雌ネジ部11B、12Bを備えている。そして、各シャフト部11、12は、シャフト部11の雌ネジ部11Bとシャフト部12の雄ネジ部12Aとを互いに螺合させることにより1本に繋げられる。
なお、
図1ないし
図3に示すように、シャフト部11の雄ネジ部11Aは上述したキャップ1Aに螺合され、シャフト部12の雌ネジ部12Bは上述した石突1Bに螺合されるようになっている。
【0014】
上記各シャフト部11、12においては、上記雄ネジ部11Aと上記雄ネジ部12Aとが同じ形状に形成され、上記雌ネジ部11Bと上記雌ネジ部12Bとが同じ形状に形成されている。
上記構成によれば、シャフト部11またはシャフト部12を複数本用意して、各シャフト部11、12を1本に螺合させて繋げることで、ポール本体10の長さを適宜延ばすことができる。
【0015】
上記各固定部14は、
図2ないし
図5に示すように、ポール本体10において上述した反射ミラー20(
図1参照)がスライドされるスライド範囲内の複数箇所に凹み14Aとして設けられている。そして、各固定部14は、その各凹み14Aに上記色違い部13を嵌合一体化された状態に固定するようになっている。
なお、各固定部14の凹み14Aは、各シャフト部11、12の長手方向(図示上下方向)に沿って、一定の間隔(本実施形態では10[cm])を開けて並ぶように設けられている。
【0016】
上記構成によれば、ポール本体10には、
図1に示すように、その各シャフト部11、12と上記各色違い部13との色の違いにより、一定の間隔を有する色分けがポール本体10の長手方向(図示上下方向)に沿って形成される。これにより、上記各色違い部13を上述した反射ミラー20のスライド位置の標識となる色分けとして機能させることができる。
ここで、上記各色違い部13は各固定部14の凹み14Aに嵌合一体化された状態に固定されるため、各色違い部13は、上記ポール本体10のシャフト部11、12に高い固着強度で固定される。これにより、上記ポール本体10に沿ってスライドされる反射ミラー20が上記色違い部13に引っかかったり、測量用ポール1の周囲の障害物(図示省略)に上記色違い部13がぶつかったりした場合に、この色違い部13を上記測量用ポール1からはがれ落ちにくくすることができる。
【0017】
ところで、本実施形態において、シャフト部11は、雄ネジ部11A側の端部から雌ネジ部11B側の端部までの長さが60[cm]となるように形成されている。また、シャフト部12は、雄ネジ部12A側の端部から雌ネジ部12B側の端部までの長さが、雌ネジ部12Bに螺合される石突1Bの長さ(5[cm])だけ短い55[cm]となるように形成されている。
また、各固定部14の凹み14Aは、各シャフト部11、12において、各雄ネジ部11A、12A側の端部からの距離が0〜10[cm]、20〜30[cm]、40〜50[cm]となる3箇所ずつに形成されて、それぞれに色違い部13を嵌合一体化させている。
上記構成によれば、組み立てられた測量用ポール1の全体に、上記各色違い部13により上記石突1Bの尖端から上述したキャップ1A側に向かって10[cm]間隔となる色分けを形成することができる。そして、この色分けにより、上記測量用ポール1の石突1Bの尖端を観測地点30に位置合わせした状態(
図1参照)において、この観測地点30から測量用ポール1に取り付けられた反射ミラー20までの距離を10[cm]刻みで容易に認識することができる。
【0018】
続いて、上述した各固定部14およびこの各固定部14に固定される各色違い部13の構成について説明する。上記各固定部14は、
図4および
図5に示すように、上述した各シャフト部11、12をこの各シャフト部11、12の長手方向(図示上下方向)と交わる各シャフト部11、12の周方向に取り巻いたくびれ形状の凹み14Aとして形成されている。
上記各凹み14Aには、色違い部13に対向する外周面に各シャフト部11、12の長手方向(図示上下方向)に延びる複数本の滑り止め溝14B(本実施形態では平目のローレット溝)が形成されている。
【0019】
また、各色違い部13は、
図6に示すように、前もって固定部14の凹み14Aが形成された状態のシャフト部11またはシャフト部12をインサート品M4として赤色に着色されたポリプロピレンPPをインサート成形することにより形成される。
すなわち、各色違い部13は、上記インサート品M4を金型の上型M1および下型M2で挟み込んでキャビティM3を形成してこのキャビティM3にインサート品M4をセットし、上記キャビティM3に上記ポリプロピレンPPを充填することで成形される。これにより、各色違い部13は、インサート品M4(シャフト部11またはシャフト部12)にくびれ形状に形成された各固定部14の凹み14Aに対応する形状の環として、上記凹み14Aを上記インサート品M4の周方向に環状に取り巻くように形成される。ここで、上記ポリプロピレンPPは、本発明における「熱可塑性樹脂」に相当する。
【0020】
上記構成によれば、各固定部14の凹み14Aに対して嵌合一体化される各色違い部13を一体成形し、かつ、この各色違い部13を上記各凹み14Aから外れないようにすることができる。このため、各色違い部13を各固定部14の凹み14Aに対して着脱可能に嵌合一体化させる場合と比べて、ポール本体10の各シャフト部11、12に対する上記各色違い部13の固着強度をさらに向上させることができる。
これにより、上記ポール本体10に沿ってスライドされる反射ミラー20(
図1参照)が上記色違い部13に引っかかったり、測量用ポール1の周囲の障害物(図示省略)に上記色違い部13がぶつかったりした場合に、この色違い部13を上記測量用ポール1からさらにはがれ落ちにくくすることができる。
【0021】
ところで、色違い部13は、上述もしたように、固定部14の凹み14Aをシャフト部11、12の周方向に環状に取り巻くように成形される。このため、上記固定部14は、上記色違い部13に上記シャフト部11、12の周方向に外力がはたらいた場合に、上記色違い部13を上記周方向に滑らせるおそれがある。
ここで、上述した色違い部13のインサート成形において、上述したインサート品M4の固定部14の滑り止め溝14Bには、
図6に示すように、上記色違い部13を形成するポリプロピレンPPが充填される。これにより、インサート品M4の固定部14と、この固定部14をインサート品M4の周方向に環状に取り巻く色違い部13と、の間において、上記インサート品M4の周方向の滑りを抑えることができる。
【0022】
上記構成によれば、上述したポール本体10の各シャフト部11、12において、各色違い部13の各固定部14に対する上記各シャフト部11、12の周方向の滑りを抑えることができる。
これにより、反射ミラー20がポール本体10において色違い部13のある位置にスライドされた際(
図1参照)に、上記各シャフト部11、12の周方向の滑りが上記反射ミラー20に伝わってこの反射ミラー20がぶれることによる光波距離測定の精度の低下を抑えることができる。
【0023】
また、上述したキャビティM3は、内径が均一な円柱形状に形成されて、上述した色違い部13のインサート成形において上述したインサート品M4の大径部分を押圧しながら隙間なく嵌合させる(
図6参照)ようになっている。
上記構成によれば、上記色違い部13は、この色違い部13に隣接するインサート品M4の大径部分に対して面一となるように、このインサート品M4の固定部14の凹み14Aに嵌合一体化されて固定される。言い換えると、
図1ないし
図3に示すように、上述した各シャフト部11、12において、色違い部13とこの色違い部13の周辺部(すなわち色違い部13に隣接する各シャフト部11、12の大径部分)とは、互いに面一となる。
【0024】
ところで、本実施形態においては、
図1に示すように、測量用ポール1の色分けの間隔(10[cm])が反射ミラー20のスライドブロック20Aの取り付け長(約7[cm])よりも長く設定されている。このため、上記色違い部13とこの色違い部13の周辺部との境界部分における外径の違いにより段差が生じた場合、この境界部分を越えてより大径となる側に上記反射ミラー20をスライドさせると反射ミラー20の引っかかりが生じるおそれがある。
ここで、上記構成によれば、測量用ポール1のポール本体10に沿って反射ミラー20をスライドさせる際に、この反射ミラー20が上記色違い部13とこの色違い部13の周辺部との境界部分において引っかかることが少なくなる。これにより、上記反射ミラー20のスライドをスムーズにすることができるとともに、この反射ミラー20のスライドに対して上記色違い部13が損耗することを抑えて、この色違い部13の耐久性を向上させることができる。
【0025】
本発明は、上述した一実施形態で説明した外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、以下のような各種の形態を実施することができる。
(1)測量用ポールのポール本体は、複数本のシャフト部が螺合により1本に繋ぎあわされる組み立て式のものに限定されない。すなわち、例えばシャフト部の全体を1本の長尺部材としてポール本体の全体を一体とした測量用ポール、または、小径のシャフト部を大径の筒状に形成された中空シャフト部から引き出してポール本体とする伸縮式の測量用ポールなど、光波距離測定に使用するための反射ミラーを長尺に形成されたポール本体の長手方向に沿ってスライド可能に取り付けることができる任意の測量用ポールに対して、本発明を適用することができる。
(2)測量用ポールのポール本体は、ステンレス鋼製のシャフト部に設けた固定部の凹みに赤色に着色されたポリプロピレン製の色違い部を嵌合一体化させたものに限定されない。すなわち、シャフト部の素材として、例えばスチール鋼やアルミニウムなどの金属、木材、グラスファイバー、または、繊維強化プラスチックなど、任意の素材を採用することができる。また、色違い部の素材として、任意の色に着色されたポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂や銅などの金属など、周辺部に対して色の違いを示すことができる任意の素材を採用することができる。
(3)固定部の凹みに色違い部を嵌合一体化された状態に成形するための方法は上述したものに限定されない。すなわち、例えばシャフト部および色違い部の素材として金属を用いる場合は前もって成形されたシャフト部を鋳ぐるむことで色違い部を成形するインサート鋳造を採用するなど、固定部の凹みに色違い部を嵌合一体化された状態に成形する方法を適宜変更することができる。
(4)固定部の凹みに色違い部を嵌合一体化された状態に固定するための方法は、上記固定部に上記色違い部を嵌合一体化された状態に成形する方法に限定されない。すなわち、例えば帯状に形成された色違い部を固定部の凹みに巻きつけて固定する方法、熱収縮チューブとして形成された色違い部にシャフト部を挿通させた状態で上記色違い部を加熱により縮径させながら固定部の凹みに嵌合させる方法、または、固定部の凹みに色違い部を嵌めこんで固定する方法など、任意の固定方法により固定部の凹みに色違い部を嵌合一体化された状態に固定することができる。また、前もって成形された色違い部をインサート品としてシャフト部をインサート成形またはインサート鋳造により成形させることで、このシャフト部において固定部の凹みに上記色違い部を嵌合一体化させた状態とする方法を採用することができる。