特許第5710612号(P5710612)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5710612個人化された情報のデジタルコンテンツへの挿入
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5710612
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】個人化された情報のデジタルコンテンツへの挿入
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/2668 20110101AFI20150409BHJP
   H04N 21/235 20110101ALI20150409BHJP
   H04N 21/239 20110101ALI20150409BHJP
   H04N 21/431 20110101ALI20150409BHJP
   G09C 5/00 20060101ALI20150409BHJP
【FI】
   H04N21/2668
   H04N21/235
   H04N21/239
   H04N21/431
   G09C5/00
【請求項の数】21
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2012-521785(P2012-521785)
(86)(22)【出願日】2010年7月22日
(65)【公表番号】特表2013-500629(P2013-500629A)
(43)【公表日】2013年1月7日
(86)【国際出願番号】US2010042922
(87)【国際公開番号】WO2011011615
(87)【国際公開日】20110127
【審査請求日】2012年11月30日
(31)【優先権主張番号】12/508,503
(32)【優先日】2009年7月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505446770
【氏名又は名称】エフエムアール エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・シー・マクドナフ
(72)【発明者】
【氏名】ハドリー・ルパート・スターン
【審査官】 古川 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−159004(JP,A)
【文献】 特開2001−357300(JP,A)
【文献】 特表2002−544609(JP,A)
【文献】 特開2003−339040(JP,A)
【文献】 特表2005−522113(JP,A)
【文献】 特表2006−508575(JP,A)
【文献】 特開2007−219685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 − 21/858
G09C 5/00
H04L 9/00 − 9/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオコンテンツを個人化するためのコンピュータ化された方法であって
コンピューティングデバイスがデジタルビデオコンテンツの要求を受け取るステップであって、前記要求は、クライアント装置のユーザーに関連した認証データを含むステップ;
前記コンピューティングデバイスが個人化されたデータを生成し、前記要求されたビデオコンテンツに挿入するステップ;及び
前記コンピューティングデバイスが、要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを前記個人化されたデータで置換して個人化されたビデオコンテンツを生成することによって、前記個人化されたデータと前記要求されたビデオコンテンツを結合させるステップ
を含む方法であり、
前記要求されたビデオコンテンツに結合させる前に前記個人化されたデータを暗号化するステップを更に含む、該方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記個人化されたデータは、前記要求されたビデオコンテンツに関連するビデオ又はオーディオを含まない方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記個人化されたデータは、前記要求されたビデオコンテンツに関連しない方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記個人化されたデータの一部が、複数の異なるユーザーに関する情報を含み、前記個人化されたビデオコンテンツが単一のビデオコンテンツである方法。
【請求項5】
請求項に記載の方法であって、更に以下のステップを含む方法:
前記クライアント装置の前記ユーザーに関連する前記個人化されたデータの一部を前記クライアント装置が抽出するステップ;及び
前記クライアント装置に表示するために前記個人化されたデータの一部を復号化するステップであって、前記復号化が前記ユーザーに関連する前記認証データに基づくステップ。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記認証データに基づいて前記クライアント装置の前記ユーザーを認証するステップを更に含む方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記個人化されたビデオコンテンツ中に含まれ、且つ前記ユーザーに関連する前記個人化されたデータにアクセスすることを前記ユーザーのみ可能にするために、前記認証データに基づいて前記個人化されたビデオコンテンツを暗号化するステップを更に含む方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記個人化されたデータ及び前記要求されたビデオコンテンツが、共通する特徴、ジャンル、主題、又はこれらの任意の組合せを共有している方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記個人化されたデータが前記ユーザーの財務上のポートフォリオに基づく方法。
【請求項10】
ビデオコンテンツを個人化するためのコンピュータ化されたシステムであって
デジタルビデオコンテンツの要求を受け取るステップであって、前記要求は、クライアント装置のユーザーに関連する認証データを含むステップ;
個人化されたデータを生成して前記要求されたビデオコンテンツに挿入するステップ;及び
要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを前記個人化されたデータで置換して個人化されたビデオコンテンツを生成することによって、前記個人化されたデータと前記要求されたビデオコンテンツとを結合させるステップを行うために設計されたコンピューティングデバイスを備えるシステムであり、
前記要求されたビデオコンテンツに結合させる前に前記個人化されたデータが暗号化される該システム。
【請求項11】
ビデオコンテンツを個人化するためのコンピュータ化されたシステムであって、デジタルビデオコンテンツの要求を受け取るための手段であって、前記要求は、クライアント装置のユーザーに関連する認証データを含む手段;
個人化されたデータを生成して前記要求されたビデオコンテンツに挿入するための手段;及び
要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを前記個人化されたデータで置換して個人化されたビデオコンテンツを生成することによって、前記個人化されたデータと前記要求されたビデオコンテンツとを結合させるための手段
の手段を備えるシステムであり、
前記要求されたビデオコンテンツに結合させる前に前記個人化されたデータが暗号化される該システム。
【請求項12】
コンピュータプログラムであって、コンピュータ読取可能記憶媒体中で具体的に実行され、データ処理装置に以下のステップを実行させるための実行可能な指示を含むコンピュータプログラム:
デジタルビデオコンテンツの要求を受け取るステップであって、前記要求は、クライアント装置のユーザーに関連する認証データを含むステップ;
個人化されたデータを生成して前記要求されたビデオコンテンツに挿入するステップ;及び
要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを前記個人化されたデータで置換して個人化されたビデオコンテンツを生成することによって、前記個人化されたデータと前記要求されたビデオコンテンツとを結合させるステップであり、前記要求されたビデオコンテンツに結合させる前に前記個人化されたデータが暗号化されるステップ
【請求項13】
個人化されたビデオコンテンツを表示するためのコンピュータ化された方法であって、以下のステップを含む方法:
デジタルメディアプレーヤーが個人化されたビデオコンテンツストリームを受け取るステップであって、該ストリームは、要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを置換するデータであって、且つユーザーに関連した個人化されたデータを含むステップであり、前記要求されたビデオコンテンツに結合させる前に前記個人化されたデータが暗号化されるステップ
前記プレーヤーが、前記ビデオコンテンツストリームの前記1以上の置換されたフレームから前記個人化されたデータを抽出するステップ;及び、
前記プレーヤーが、前記個人化されたデータ及び前記ビデオコンテンツストリームをユーザーに表示するステップ。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、前記ビデオコンテンツストリームを表示している領域の境界内に前記個人化されたデータを前記ユーザーに対して表示する方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記メディアプレーヤーに関連するポップインウィンドウ内に前記個人化されたデータを表示する方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法であって、前記ビデオコンテンツストリームを表示している領域の境界の外側に前記個人化されたデータを前記ユーザーに対して表示する方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、前記メディアプレーヤーに関連するフライアウトウィンドウ中に前記個人化されたデータを表示する方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、前記メディアプレーヤーに関連する別のポップアップウィンドウ内に前記個人化されたデータを表示する方法。
【請求項19】
個人化されたビデオコンテンツを表示するためのコンピュータ化されたシステムであって、以下のステップを行うために設計されたデジタルメディアプレーヤーを備えるコンピューティングデバイスを備えるシステム:
前記プレーヤーが個人化されたビデオコンテンツストリームを受け取るステップであって、該ストリームは、要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを置換するデータであって、且つユーザーに関連した個人化されたデータを含むステップであり、前記要求されたビデオコンテンツに結合させる前に前記個人化されたデータが暗号化されるステップ
前記プレーヤーが、前記ビデオコンテンツストリームの前記1以上の置換されたフレームから前記個人化されたデータを抽出するステップ;及び、
前記プレーヤーが、前記個人化されたデータ及び前記ビデオコンテンツストリームをユーザーに表示するステップ。
【請求項20】
個人化されたビデオコンテンツを表示するためのコンピュータ化されたシステムであって、以下の手段を備えるシステム:
デジタルメディアプレーヤーが個人化されたビデオコンテンツストリームを受け取るための手段であって、該ストリームは、要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを置換するデータであって、且つユーザーに関連した個人化されたデータを含む手段であり、前記要求されたビデオコンテンツに結合させる前に前記個人化されたデータが暗号化される手段
前記プレーヤーが、前記ビデオコンテンツストリームの前記1以上の置換されたフレームから前記個人化されたデータを抽出するための手段;及び、
前記プレーヤーが、前記個人化されたデータ及び前記ビデオコンテンツストリームをユーザーに表示するための手段。
【請求項21】
コンピュータプログラムであって、コンピュータ読取可能記憶媒体中で具体的に実行され、データ処理装置に以下のステップを実行させるための実行可能な指示を含むコンピュータプログラム:
前記データ処理装置が個人化されたビデオコンテンツストリームを受け取るステップであって、該ストリームは、要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを置換するデータであって、且つユーザーに関連した個人化されたデータを含むステップであり、前記要求されたビデオコンテンツに結合させる前に前記個人化されたデータが暗号化されるステップ
前記データ処理装置が、前記ビデオコンテンツストリームの前記1以上の置換されたフレームから前記個人化されたデータを抽出するステップ;及び、
前記データ処理装置が、前記個人化されたデータ及び前記ビデオコンテンツストリームをユーザーに表示するステップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の主題は、概して、個人化された情報をデジタルコンテンツに挿入するための方法及び装置(コンピュータプログラム製品を含む)に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルビデオコンテンツの普及及び利用可能性は、指数関数的に増加している。インターネット上のホストリソースの拡大と共に、手で持つことができるデジタルビデオカメラ及び高度な編集ソフトウェア等の記録技術及び作成技術の発展により、従来のメディアアウトレット(例えば、テレビネットワーク)、及び小規模の「do−it−yourself」コンテンツプロバイダの両方が様々なビデオコンテンツを一通り作成することが可能になった。また、ビデオコンテンツの消費は、もはや家庭用のコンピュータやテレビセットに限られない。Apple(登録商標)コンピュータ社のiPod touch(登録商標)や、Sony(登録商標)コーポレーションのPSP(登録商標)のような携帯メディア装置の増加によって、デジタルビデオコンテンツがほとんどあらゆる場所で簡単に利用できるになった。
【0003】
膨大な数のコンテンツの選択肢があるにも関わらず、該コンテンツを閲覧する個人用にカスタマイズされたデジタルビデオのソースはほとんどない。閲覧者が個人化(個人向けに特化、personalize)されたコンテンツ(例えば、ユーザーのポートフォリオに関する投資運用成績、個人のクレジットカード取引の概要等)を手に入れるために、しばしば、ユーザーは、異なるソース(例えば、情報にアクセスするために個別の認証を必要とするウェブサイト)に接続しなければならない。このことが意味することとして、ビデオコンテンツ及び個人化された情報を閲覧している間、ユーザーは複数のアプリケーションを開いて、及び/又はあちらこちらに切り替える。
【0004】
「個人化された」デジタルビデオコンテンツを提供する従来までの方法では、Adobe Flashファミリー製品を用いて作成されたオーバーレイのような技術を用いることができる。ビデオコンテンツストリームに個人化されたデータをフレームごとに挿入する代わりに、コンテンツプロバイダーは、特殊なソフトウェアを用いて(しばしば、変換を実行するための専用のサーバーハードウェアを用いて)、元となるビデオストリームをFlashアプリケーションに変換する。そして、Flash等のプロトコルでのコンテンツファイルは、時として、再生するために特定のプラグインを必要とする。特定種類のデバイス向けであるこれらのプラグインは、その可用性が限られる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記点に鑑みて、ユーザーが1回のコンテンツ閲覧作業でデジタルビデオと個人化された情報とを受け取ることができるように、デジタルビデオコンテンツ及び個人化された情報に関する完全に組み込まれたストリームを提供することができるシステム及び方法を開発することが望ましいであろう。また、多くのユーザー向けに個人化された情報を含むが、各ユーザーはコンテンツストリームの一部として各ユーザーに関係する個人化された情報のみ閲覧することが許される単一のビデオコンテンツストリームを配信することを可能にするシステム及び方法を開発することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の概要
一態様において、ビデオコンテンツを個人化するためのコンピュータ化された方法がある。デジタルビデオコンテンツの要求をコンピューティングデバイスが受け取る。前記要求は、クライアント装置のユーザーに関連する認証データを含む。前記要求されたビデオコンテンツに挿入する個人化されたデータは、前記コンピューティングデバイスによって生成される。前記個人化されたデータ及び前記要求されたビデオコンテンツは、前記コンピューティングデバイスによって結合される。前記結合は、前記要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを前記個人化されたデータで置換して、個人化されたビデオコンテンツを生成することを含む。
【0007】
別の態様において、ビデオコンテンツを個人化するためのシステムがある。前記システムは、デジタルビデオコンテンツの要求を受け取るために設計されたコンピューティングデバイスを含む。前記要求は、クライアント装置のユーザーに関連する認証データを含む。前記要求されたビデオコンテンツに挿入する個人化されたデータは、前記コンピューティングデバイスによって生成される。前記個人化されたデータ及び前記要求されたビデオコンテンツは、前記コンピューティングデバイスによって結合される。前記結合は、前記要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを前記個人化されたデータで置換して、個人化されたビデオコンテンツを生成することを含む。
【0008】
別の態様において、ビデオコンテンツを個人化するためのシステムがある。前記システムは、デジタルビデオコンテンツの要求を受け取るための手段を備える。前記要求は、クライアント装置のユーザーに関連する認証データを含む。前記システムは、要求されたビデオコンテンツに挿入する個人化されたデータを生成するための手段を備える。前記システムは、前記個人化されたデータ及び前記要求されたビデオコンテンツを結合するための手段を備える。前記結合は、前記要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを前記個人化されたデータで置換して、個人化されたビデオコンテンツを生成することを含む。
【0009】
別の態様において、ビデオコンテンツを個人化するためのコンピュータプログラム製品がある。前記コンピュータプログラム製品は、データ処理装置にデジタルビデオコンテンツの要求を受け取らせるための実行可能な指示を含む。前記要求は、クライアント装置のユーザーに関連する認証データを含む。要求されたビデオコンテンツに挿入される個人化されたデータは、データ処理装置によって生成される。前記個人化されたデータ及び前記要求されたビデオコンテンツは、データ処理装置によって結合される。前記結合は、前記要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを前記個人化されたデータで置換して、個人化されたビデオコンテンツを生成することを含む。
【0010】
別の態様において、個人化されたビデオコンテンツを表示するためのコンピュータ化された方法がある。前記個人化されたビデオコンテンツストリームは、デジタルメディアプレーヤーが受け取る。前記個人化されたビデオコンテンツストリームは、ユーザーに関連する個人化されたデータを含む。前記個人化されたデータは、要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを置き換える。前記個人化されたデータは、ビデオコンテンツストリームの1以上の置換されたフレームから抽出される。個人化されたデータ及びビデオコンテンツストリームがユーザーに表示される。
【0011】
別の態様において、個人化されたビデオコンテンツを表示するためのシステムがある。前記システムは、個人化されたビデオコンテンツストリームを受け取るために設計されたデジタルメディアプレーヤーを備えるコンピューティングデバイスを備える。前記個人化されたビデオコンテンツストリームは、ユーザーに関連する個人化されたデータを含む。前記個人化されたデータは、要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを置き換える。前記個人化されたデータは、ビデオコンテンツストリームの1以上の置換されたフレームから抽出される。個人化されたデータ及びビデオコンテンツストリームがユーザーに表示される。
【0012】
別の態様において、個人化されたビデオコンテンツを表示するためのシステムがある。前記システムは、個人化されたビデオコンテンツストリームを受け取るための手段を備える。前記個人化されたビデオコンテンツストリームは、ユーザーに関連する個人化されたデータを含む。前記個人化されたデータは、要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを置き換える。システムは、ビデオコンテンツストリームの1以上の置換されたフレームから個人化されたデータを抽出するための手段を備える。前記システムは、個人化されたデータ及びビデオコンテンツストリームをユーザーに表示すための手段を備える。
【0013】
別の態様において、個人化されたビデオコンテンツを表示するためのコンピュータプログラム製品がある。前記コンピュータプログラム製品は、データ処理装置に個人化されたビデオコンテンツストリームを受け取らせるための実行可能な指示を含む。前記個人化されたビデオコンテンツストリームは、ユーザーに関連する個人化されたデータを含む。前記個人化されたデータは、要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを置き換える。前記個人化されたデータは、ビデオコンテンツストリームの1以上の置換されたフレームからデータ処理装置によって抽出される。個人化されたデータ及びビデオコンテンツストリームはデータ処理装置によってユーザーに表示される。
【0014】
幾つかの例において、任意の態様では、1以上の後述する幾つかの特徴を含むことができる。個人化されたデータは、要求されたビデオコンテンツに関連するビデオ又はオーディオを含む必要はない。個人化されたデータは、要求されたビデオコンテンツに関連しなくともよい。
【0015】
個人化されたデータは、要求されたビデオコンテンツと結合させる前に暗号化することができる。一部の個人化されたデータは、複数の異なる各ユーザーに関連しても良い。クライアント装置の単一のユーザーに関連する一部の個人化されたデータは、クライアント装置によって抽出することができる。一部の個人化されたデータは、クライアント装置で表示するために復号化することができる。前記復号化は、単一のユーザーに関連する認証データに基づくことができる。
【0016】
個人化されたデータの抽出は、以下のステップを含むことができる:個人化されたデータを含有するビデオコンテンツストリームの1以上のフレームを同定するステップ;及び、特殊な圧縮プロトコルに従って、前記個人化されたデータを解凍、復号、又はその両方を行うステップ。
【0017】
クライアント装置のユーザーは、認証データに基づいて認証を行うことができる。個人化されたビデオコンテンツは、認証データに基づいて暗号化され、個人化されたビデオコンテンツ中に含まれるデータであって、ユーザーに関連する個人化されたデータに前記ユーザーのみがアクセスすることを許可することができる。
【0018】
個人化されたデータ及び要求されたビデオコンテンツは、共通の特徴、ジャンル、主題、又はこれらの任意の組合せを共有することができる。個人化されたデータは、ユーザーの財務上のポートフォリオに基づくことができる。
【0019】
ビデオコンテンツストリームを表示している領域の境界内に個人化されたデータをユーザーに対して表示することができる。個人化されたデータは、メディアプレーヤーに関連するポップインウィンドウ内に表示することができる。個人化されたデータは、ビデオコンテンツストリームを表示している領域の境界の外側に前記ユーザーに対して表示することができる。個人化されたデータは、メディアプレーヤーとは別のポップアップウィンドウ内に表示することができる。個人化されたデータは、メディアプレーヤーに関連するフライアウトウィンドウ中に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】個人化された情報をデジタルコンテンツに挿入するための例示的なシステムのブロック図である。
図2】個人化された情報をデジタルコンテンツに挿入するための例示的な方法のフロー図である。
図3】個人化された情報をデジタルコンテンツに挿入するための例示的なフレームの抽出及び挿入の図である。
図4】個人化されたビデオコンテンツをクライアント装置上に表示するためのメディアプレーヤーを描写したものである。
図5】個人化されたビデオコンテンツをメディアプレーヤーを介してユーザーに表示するための方法のフロー図である。
図6】複数の異なるユーザーの個人化された情報をデジタルコンテンツに挿入するためのシステムのブロック図である。
図7】複数の異なるユーザーの個人化された情報をデジタルコンテンツに挿入するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な説明
全体の概要として、後述の技術は、個人化された情報をデジタルコンテンツに挿入するための方法及び装置を含む。該技術は、デジタルビデオ及び/又はデジタルオーディオのフレームをビデオコンテンツストリームから抽出すること、及び個人化された情報のフレームをビデオストリームに埋め込むことに関する。
【0022】
図1は、個人化された情報をデジタルコンテンツに挿入するための例示的なシステム(100)のブロック図である。該システム(100)は、クライアントコンピューティングデバイス(102)、通信ネットワーク(104)、サーバーコンピューティングデバイス(106)、データソース(108)、及びビデオサーバー(110)を含む。サーバーコンピューティングデバイス(106)、データソース(108)、及びビデオサーバー(110)は同一の物理的な場所に存在することができ、或いは複数の物理的な場所に分散することもできる。サーバーコンピューティングデバイス(106)、データソース(108)、及びビデオサーバー(110)は、同一の物理的装置に組み込むことができる。或いは/更には、サーバーコンピューティングデバイス(106)、データソース(108)、及び/又はビデオサーバー(110)は、数多くの装置にわたって分散することができる。サーバーコンピューティングデバイス(106)、データソース(108)、及びビデオサーバー(110)は、通信ネットワーク(例えば、通信ネットワーク(104))を介して通信することができる。
【0023】
クライアントコンピューティングデバイス(装置)(102)は、個人化されたビデオコンテンツをユーザーに表示するハードウェアである。コンピューティングデバイスの例として数多くの形態をとることができ、以下の物が含まれるがこれらに限定されない;パソコン、スタンドアロンビデオプレーヤー、家庭用テレビゲームコンソール、携帯テレビゲームシステム、個人用の携帯情報端末(PDA)、インターネット装置、デジタルビデオレコーダー(DVR)、スマートフォン、セットトップボックス等。クライアントコンピューティングデバイス(102)は、インターネット等の通信ネットワーク(104)にユーザーが接続することを可能にするネットワークインターフェースコンポーネントを含むことができる。また、コンピューティングデバイス(102)は、デジタルコンテンツを閲覧及び再生できるプラグイン又はスタンドアロンソフトウェアを備えており、通信ネットワーク(104)を介して受け取ったデジタルコンテンツ(例えば、ビデオ及びオーディオ)及び個人化された情報の両方をユーザーが閲覧することを可能にする。デジタルコンテンツ再生ソフトウェアは、サーバーコンピューティングデバイス(106)から受け取った個人化されたビデオコンテンツのみを再生するようにカスタマイズすることができる。或いは、デジタルビデオコンテンツ再生ソフトウェアは、数多くの異なる形態のコンテンツを再生することができる;こうした例として以下の形態を含めることができる;Microsoft(登録商標)Windows(登録商標)Media(登録商標)Player、Adobe(登録商標)Flash(登録商標)Player、Apple(登録商標)コンピュータ社からのQuickTime(登録商標)、又は他の類似のアプリケーション。
【0024】
サーバーコンピューティングデバイス(106)は、通信ネットワーク(例えば、通信ネットワーク(104))を介してクライアントコンピューティングデバイス(102)と通信する。サーバーコンピューティングデバイス(106)は、個人化されたビデオコンテンツの要求をクライアントコンピューティングデバイス(102)から受け取る。サーバーコンピューティングデバイス(106)は、クライアントコンピューティングデバイス(102)に転送又は該デバイス上で再生するための個人化されたビデオコンテンツストリームを生成することができる。
【0025】
通信ネットワーク(104)は、クライアントコンピューティングデバイス(102)からサーバーコンピューティングデバイス(106)へ及びその逆方向への通信を伝送する。ネットワーク(104)は、ローカルネットワーク(例えばLAN)、又は広域ネットワーク(例えば、インターネットやWorld Wide Web)であってもよい。
【0026】
データソース(108)は、クライアントコンピューティングデバイス(102)のユーザーに関連する個人化された情報を保持する。サーバーコンピューティングデバイス(106)がクライアントコンピューティングデバイス(102)からビデオコンテンツの要求を受け取ると、サーバー(106)は、個人化されたビデオコンテンツストリームに挿入するための前記ユーザーに関する情報をデータソース(108)から回収することができる。1つのデータソース(108)が図示されているが、システム(100)内のデータソースは複数であってもよい。データソース(108)は、従来の意味で、データベースアプリケーションをホスト管理するコンピューティングデバイスである必要はない。幾つかの例において、データソース(108)は、以下の物であってもよい:センサーとの通信リンク;GPS可能な端末装置;又はデータを収集しているサーバー(106)に直接データを転送することができる他のデバイス。他の例において、データソース(108)は、サーバー(106)が回収するための利用可能且つ必要なデータを収集及び生成する様々な商業エンティティから受け取ったデータフィードであってもよい。他の更なる例において、データソース(108)は、データベースアプリケーションをホスト管理するコンピューティングデバイスである。
【0027】
ビデオサーバー(110)は、サーバーコンピューティングデバイス(106)が使用するためのビデオコンテンツをホスト管理する。サーバーコンピューティングデバイス(106)が、クライアントコンピューティングデバイス(102)からビデオコンテンツの要求を受け取ると、ビデオサーバー(110)上に要求されたビデオコンテンツを配置して、個人化されたビデオコンテンツストリームを生成することができる。ビデオコンテンツは、種々の形態をとることができる。ビデオコンテンツは、「ライブ」ストリームであってもよい。ビデオコンテンツは、予め記録されたストリーム又はクリップであってもよい。ビデオコンテンツは、短時間形態のコンテンツ(例えば、4分のミュージックビデオ)であってもよい。ビデオコンテンツは、長時間形態のコンテンツ(例えば、30分のテレビ番組)であってもよい。幾つかの例において、ビデオコンテンツは、ユーザーが投稿したアマチュアのビデオ又はビデオポッドキャストである。他の例において、ビデオコンテンツは、プロフェッショナルなテレビ番組、動画、ウェブキャスト、ミュージックビデオ又は他の類似のコンテンツである。ビデオコンテンツは、広告(例えば、商業広告)又は他のプロモーションコンテンツであってもよい。幾つかの例において、ビデオコンテンツは、標準の圧縮プロトコル(例えば、MPEG−2又はMPEG−4)中に存在することができる。或いは、ビデオコンテンツは、カスタマイズされた及び/又は専用の圧縮プロトコル中に存在することができる。
【0028】
図2は、個人化された情報をデジタルコンテンツに挿入するための例示的な方法のフロー図である。サーバーコンピューティングデバイス(106)は、ユーザーに関連するクライアントコンピューティングデバイス(102)からのビデオコンテンツの要求を受け取る(202)。サーバー(106)は、ビデオコンテンツに挿入するための個人化された情報を1以上のデータソース(108)から回収する(204)。また、サーバー(106)は、要求されたビデオコンテンツをビデオサーバー(110)から回収する(204)。前記回収ステップ(204)は、並行して行うこともでき、及び任意の順序で行うこともできる。ビデオコンテンツの1以上のフレームを個人化された情報で置き換える(208)ことによって個人化されたビデオコンテンツを生成するために、サーバー(106)は、個人化された情報をデジタルビデオコンテンツに挿入する。そして、サーバー(106)は、ユーザーが再生するためのクライアントコンピューティングデバイス(102)へ個人化されたビデオコンテンツを転送(210)する。
【0029】
幾つかの例において、クライアントコンピューティングデバイス(102)から送られた要求は、ユーザーに関連する認証データを含むことができ、そして、他の例において、認証データを、ビデオコンテンツの要求の前後で受け取ることができる。認証データは、ユーザーネーム、パスワード、個人識別番号(PIN)、デジタル証明書、パスコード、又はユーザーを特定するために使用される他の類似の証明書を含むことができる。必須ではないものの、好ましい実施形態では、ユーザーを特定するために2以上の認証データの種類を組み合せて取り込むであろう。サーバー(106)は、認証データを使用して、ユーザー用の個人化された情報を回収できるかどうかを決定し、もし回収できる場合には、回収すべき個人化された情報の種類及び量を決定することができる。一例において、サーバー(106)は、クライアント装置(102)に関連する安全なクッキーを生成し、前記ユーザーだけしか前記ユーザーの個人化されたデータにアクセスすることができないことを保証する。別の例では、ユーザーは、要求の一部として認証データを提供することを拒否することができる。その結果、サーバー(106)は、個人化された情報を回収することができず、代わりに、改変されていないビデオコンテンツをユーザーに送り返すことができる。他の例において、サーバー(106)は、別々のサブセットの利用可能なデータソース(例えば、データソース(108))、又は1以上のデータソース中に見出される別々のサブセットのデータ要素のみに対してユーザーを認証できるように決定することができる。そして、サーバー(106)は、データソース又はデータ要素のサブセットから回収した個人化された情報を挿入することができ、その一方で、全ての利用可能なデータソースにサーバー(106)がフルアクセスすることを認証データが可能にする別のユーザーについては、更に広い範囲の個人化された情報を受け取ることができる。
【0030】
幾つかの例において、サーバー(106)は、ビデオコンテンツの要求をクライアント(102)から受け取り、及びビデオコンテンツに関連する特徴を決定することができる。幾つかの例において、要求及び/又はビデオコンテンツは、特徴を特定する「タグ」又は特徴を特定する他の埋め込まれた証印を含むことができる。他の例において、特徴を決定するために、サーバー(106)は、ビデオコンテンツのスピーチ分析又はテキスト分析を行うことができる。特徴は広範囲のものであってもよく(例えば、ビデオのジャンル又は主題)、又は特徴は、より狭い範囲(例えば、ビデオ中で述べられている特定の人物又は会社)であってもよい。例えば、要求されたビデオコンテンツは、一般的に最近の株式市場の傾向、又は最新の企業合併について議論することができる。要求を受け取ると及び/又は要求されたビデオコンテンツをビデオサーバー(110)から回収すると、サーバー(106)は、ビデオコンテンツの特徴が財政に関する主題であることを決定することができる。別の例では、サーバー(106)は、ビデオコンテンツのオーディオコンポーネントを分析するための音声認識技術を用いることができ、ビデオ中の人物がフィデリティ社について言及していることを結論づけることができる。その結果、サーバー(106)は、ビデオコンテンツの特徴がフィデリティ社について述べていることにあることを決定することができる。
【0031】
幾つかの例において、サーバー(106)は、特定された特徴を用いることができ、そして、ユーザーと関連し、且つ幾つかの意味において該特徴と関連する個人化された情報を回収することができる。例えば、ビデオコンテンツの特徴としてサーバー(106)がフィデリティについて認識すること、そして、要求するユーザーが1以上のフィデリティ投資信託の出資権をユーザーの証券口座中に保有していることをサーバー(106)が決定することに基づいて、サーバー(106)は、フィデリティ社の現在の株式相場を回収することができる。他の例において、一般的な投資のアドバイスというビデオコンテンツの特徴、及びユーザーがフィデリティ投資に関するポートフォリオを所有しているというサーバー(106)の決定に基づいて、サーバー(106)はユーザーの最近のポートフォリオの取引概要を回収することができる。
【0032】
他の例において、サーバー(106)は、ビデオコンテンツの特徴を特定したり、又は特定された特徴を個人化された情報に関連づけたりする必要がない。ビデオコンテンツ及び個人化された情報は、主題又は任意の他の特徴において類似性を含む必要がない。例えば、国内ネットワークのホームコメディ(sitcom)の最近のエピソードについての要求を受け取ったときに、サーバー(106)は、ユーザーに関する最近のクレジットカード取引履歴をデータソース(108)から回収することができる。
【0033】
データソース(108)からどのような種類の個人化された情報を回収すべきかを決定する際において、任意の個人化された情報の嗜好性をユーザーが指定してやれば、サーバー(106)は前記決定を行うことができる。幾つかの例において:前記嗜好性は、クライアントコンピューティングデバイス(102)から受け取った要求の際に指定することができ;或いは、前記嗜好性は、データソース(108)中に保存されたユーザープロファイルの一部であってよく、該嗜好性は、ビデオコンテンツの要求を特定のユーザーから受け取ったときにサーバー(106)によって回収することができる。例えば、ユーザーは、任意のビデオコンテンツを要求したときに、該ユーザーの現在の銀行口座の収支を常に見たがるという嗜好性を特定することができる。その後、サーバー(106)がビデオコンテンツの要求を前記ユーザーから受け取ったときに、該サーバー(106)は、該嗜好性を含むデータソース(108)に問い合わせを行うことができ、そして、個人化されたビデオコンテンツを生成する際に該ユーザーの収支情報を回収することができる。
【0034】
幾つかの例において、ユーザープロファイルは、ユーザーに関連する様々な種類の情報(例えば、人口統計、財力、興味等)、及び特定のエンティティに関連する様々な種類の情報(例えば、フィデリティ投資)を含むことができる。前記エンティティは、ビデオコンテンツを配信する同一のエンティティであってもよい。例えば、ユーザーは、フィデリティ投資信託の口座(アカウント)を持つことができ、そして、ユーザープロファイルには、該口座に関する情報を含むことができる。他の例において、ユーザープロファイルは、第三者機関(サードパーティ)(例えば、クレジットカード会社、銀行、ソーシャルネットワーキングウェブサイト、Eメールサービス等)からの情報を含むことができる。ユーザープロファイルは、ユーザーによって入力された情報、並びに内部の及び/又は外部のデータソースから回収した情報を含むことができる。ユーザープロファイルは、ネットワークアプリケーション(例えば、ウェベページ)を介してユーザーが構築することができる。ユーザーは、ログインして、そして、ビデオコンテンツの配信に関連する該ユーザーのユーザープロファイルを更新することができる。例えば、ユーザーは、該ユーザーのフィデリティ口座のページにログインすることができ、そして、該ユーザーのフィデリティ口座が2つのクレジットカードと関連付けられていることを見ることができる(例えば、1つがユーザー自身が使用するためのものであり、もう1つがユーザーの妻が使用するためのもの)。ユーザーがビデオコンテンツを要求した場合に該ユーザー自身が使用するためのクレジットカードに関連する情報のみが表示されるように、ユーザーは、該ユーザーのユーザープロファイルを構築して、個人化された情報の表示を制限するができる。
【0035】
サーバー(106)が要求されたビデオコンテンツ及び個人化された情報を回収した後、該サーバー(106)は、デジタルビデオコンテンツの1以上のフレームを個人化された情報に置き換えることによって、個人化されたビデオコンテンツを生成する。図3は、例示的なフレーム抽出、及び個人化された情報をデジタルコンテンツに挿入するための例示的なフレーム挿入に関する図(300)である。
【0036】
一般的に、従来のビデオ圧縮技術は、「フレーム」という概念を用いて動作している。ビデオコンテンツストリームは、通常、生の非圧縮フレームに分割され、その後、フレーム間の多くの冗長なデータを特定及び排除するためのアルゴリズムを用いて圧縮される。結果として得られる圧縮フレームは、その後特定の種類のフレームに分類される。例えば、MPEG−2圧縮プロトコルは、イントラコードフレーム(I−フレーム)、プレディクティブコードフレーム(P−フレーム)、及びバイディレクショナリプレディクティブコードフレーム(B−フレーム)を用いる。メディアプレーヤー又は他の装置は、圧縮されたビデオコンテンツを受け取ると、コンテンツを表示するために、プレーヤーは、逆アルゴリズムを適用して、各フレームを、対応する生のフレームと実質的に同一のフレームに戻す。
【0037】
図3に示すように、類似の技術を特許請求の範囲に記載の発明に関連付けることができる。時間(1)において、サーバー(106)は、個人化された情報と及び要求されたビデオコンテンツストリーム(310)の少なくとも一部とを受け取る。サーバー(106)は、1以上のビデオコンテンツフレーム(320)をビデオコンテンツストリームから削除することを決定することができる。幾つかの例において、サーバー(106)は、幾つかの考慮すべき事項(例えば、ビデオの質全体に対する影響、ビデオコンテンツの連続性、バッファ容量、又は他の類似の考慮すべき事項)に基づいてどのビデオフレームを除くべきかについて決定することができる。他の例において、ビデオストリーム(310)は、抽出可能な予め割り当てられたフレームを有してもよく、又はサーバー(106)が個人化された情報を挿入することができる「空」フレームを有しても良い。
【0038】
一旦、特定されたビデオフレーム(320)をサーバー(106)が除去すると、時間(2)では、サーバー(106)は、データ圧縮プロトコルに適合する及び/又は組み込み可能なフレーム(340)に個人化された情報を変換することができ、そして、ビデオコンテンツストリーム(330)内のビデオフレームが除去された場所において該フレーム(340)を挿入することができる。
【0039】
また、幾つかの例において、情報をフレーム(340)に変換するタイミングの前又は後、及びビデオコンテンツストリーム(330)にフレーム(340)に挿入するタイミングの前又は後の何れかで、サーバー(106)は、個人化された情報を暗号化することができる。ある種の個人化されたデータは非常に影響が大きい(財務記録など)という理由から、転送されたビデオコンテンツをうかつに又は意図的に傍受した人が、該コンテンツ内に含まれる個人化されたデータにアクセスできないようにする目的で、サーバー(106)は、個人化された情報に対して既知の暗号化技術を適用することができる。また、サーバー(106)は、データ暗号化技術の一部として、ユーザーから受け取った認証データを用いることができる。クライアントコンピューティングデバイス(102)は、暗号化されたビデオコンテンツを受け取ることができ、続いて、ビデオ及び個人化された情報をユーザーに表示する目的でコンテンツを復号化することができる。
【0040】
幾つかの実施形態において、ビデオコンテンツの受け取り及び表示の一部として、サーバー(106)は、個人化されたセッション(又は「トンネル」)を自身とクライアントコンピューティングデバイス(102)との間で生成することができる。セッション期間中、個人化されたビデオコンテンツは、サーバー(106)からクライアント(102)へストリーミング形態で転送され、サーバー(106)は、個人化されたデータの「中間ストリーム(mid−stream)」を動的に変更することができる。例えば、ユーザーは、財政ニュースネットワークに関連するビデオコンテンツを要求することができる。サーバー(106)は前記要求を受け取ることができ、ビデオコンテンツを回収することができ、及びユーザーが現在所有している株に関連する会社のニュースヘッドラインについての個人化されたデータを挿入することができる。サーバー(106)は、セッションを作成しながら、個人化されたビデオコンテンツをクライアントコンピューティングデバイス(102)に転送することができる。ビデオコンテンツの再生中は、ユーザーの口座内に含まれる株の1つが特定のベンチマークに到達する可能性がある(例えば、52週高値に達したことなど)。ユーザーがコンテンツを閲覧している間、サーバー(106)は、こうしたベンチマークを検出することができ、そして、個人化されたデータとして価格警告をビデオコンテンツに挿入することができる。クライアントコンピューティングデバイス(102)に価格警告が届けられると、装置(102)は、ニュースヘッドラインをこれ以上表示せず、代わりにユーザーに警告を表示する。他の例において、装置(102)は、警告を表示する前に、ユーザーに確認を促すことができる。そして、もし、ユーザーが警告を閲覧することを望まない旨の指示を行った場合、サーバー(106)は、個人化された情報としてニュースヘッドラインの提供を継続するであろう。ビデオコンテンツの再生中に個人化された情報を動的に変更する技術については、最新の情報をユーザーに提供できる、より有用で興味深いビデオコンテンツの体験を生み出すことができるといった利点がある。
【0041】
他の例において、サーバー(106)は、ビデオコンテンツストリーム(330)内に設置されたデータフレーム(340)のサイズ及び完全性(integrity)についてチェックを行うことができる。ハッシュ等公知の例示的なデータ完全性技術を用いてチェックを行うことができる。
【0042】
図4は、クライアント装置(例えば、クライアントコンピューティングデバイス(102))上の個人化されたビデオコンテンツの表示用のメディアプレーヤー(400)を描写したものである。メディアプレーヤー(400)は、個人化されたビデオコンテンツに適合させる目的で設計され、カスタマイズされたソフトウェアアプリケーションであってもよい。メディアプレーヤー(400)は、ビデオコンテンツ表示領域(402)、及び再生コントロール(例えば、再生/一時停止ボタン(404a)、スクラブバー(404b)、ボリュームコントロール(404c)、及びタイムインジケータ(404d)(まとめて再生コントロール(404)と呼ぶ))を含む。また、メディアプレーヤー(400)は、ポップインウィンドウ領域(406)及びフライアウトウィンドウ領域(408)を含み、好ましくは、ビデオコンテンツの再生が始まると隠れて見えなくなる。また、メディアプレーヤー(400)とは別のポップアップウィンドウ(図示しない)を含むことができる。以降で更に詳述するが、ポップインウィンドウ(406)、フライアウトウィンドウ(408)、及び/又はポップアップウィンドウは、個人化された情報を表示するために含めることができる。
【0043】
図5は、個人化されたビデオコンテンツをメディアプレーヤー(例えば、メディアプレーヤー(400))を介してユーザーに表示するための方法のフロー図である。一旦サーバー(106)が個人化されたビデオコンテンツを生成すると、サーバー(106)は、要求したユーザーに関連するクライアントコンピューティングデバイス(102)にビデオコンテンツを転送(502)する。クライアント装置(102)は、ビデオコンテンツ及び個人化された情報をクライアント装置(102)上に位置するメディアプレーヤー(400)を介してユーザーに表示する。再生用の個人化されたビデオコンテンツを受け取ると、メディアプレーヤー(400)は、一時保存バッファ(例えば、クライアント装置(102)上に位置するメモリ又は他のストレージデバイス)中にコンテンツをバッファリング(504)する。バッファリングプロセス中、メディアプレーヤー(400)は、個人化されたビデオコンテンツのフレームを分析し(506)、及びフレームの種類(例えば、Iフレーム、Pフレーム、Bフレーム、又は個人化されたデータのフレーム)を決定する。フレームの種類がビデオコンテンツと関連している場合、メディアプレーヤー(400)は、フレームをユーザーに表示することができるように生データの形態にフレームを解凍(508)して戻し、そして、フレームをバッファ中に配置する。フレームの種類が個人化された情報と関連している場合、メディアプレーヤー(400)は、ビデオコンテンツの再生中に使用するため、フレームから個人化された情報を抽出(510)し、ストレージデバイス中に情報を保存する。
【0044】
幾つかの例において、メディアプレーヤー(400)は、個人化されたビデオコンテンツをサーバーデバイス(106)から暗号化形態で受け取る。他の例において、個人化されたビデオコンテンツストリーム内の、個人化された情報に関連するフレームのみ暗号化される。所定の暗号化アルゴリズムに基づいて、メディアプレーヤー(400)は、個人化されたビデオコンテンツを復号化することができる。また、復号化は、ユーザーの認証に関連して、メディアプレーヤー(400)が行うことができる。例えば、復号化技術の一部として、メディアプレーヤー(400)は、ユーザー、サーバーデバイス(106)から受け取った、及び/又はクライアント装置(102)から回収した認証証明書を用いることができる。他の例において、ビデオコンテンツの再生が始まる前に、メディアプレーヤー(400)はユーザーに認証証明書の提供を求めることができる。更なる別の例において、メディアプレーヤー(400)は、サーバーデバイス(106)と通信して、ユーザーの身元と、及び要求されたコンテンツをユーザーが閲覧することについての許可とを確認することによって、ユーザーを認証することができる。もし、ユーザーの認証及び/又は個人化されたビデオコンテンツの復号化が成功しなかった場合には、メディアプレーヤー(400)は、要求されたビデオコンテンツの再生をキャンセルすることができる。或いは、もし、認証及び/又は復号化が成功しなかった場合、メディアプレーヤー(400)は、個人化された情報のみの表示を制限又はキャンセルして、ビデオコンテンツストリームの再生は継続することができる。
【0045】
個人化されたビデオコンテンツの再生をメディアプレーヤー(400)が開始すると、ビデオコンテンツストリームは、ビデオコンテンツ表示領域(402)に表示される。ユーザーは、ビデオの表示又は他の特性(例えば、ボリューム)に影響するように再生コントロール(404)を操作することができる。ビデオが終了すると、ユーザーは、ビデオを最初から再開することを選択したり、又はスクラブバー(404b)を使用して、特定のポイントまでビデオを「巻き戻し」することを選択することができる。
【0046】
また、ビデオコンテンツの再生中、メディアプレーヤー(400)は、個人化された情報を表示することができる。メディアプレーヤー(400)は、ビデオコンテンツ表示領域(402)の境界内に個人化された情報の一部を表示するためにポップインウィンドウ(406)を使用することができる。幾つかの例において、ポップインウィンドウは、ビデオコンテンツをユーザーが見ることを完全に妨害することができる。他の例において、ポップインウィンドウ(406)は、透明であっても不透明であってもよく、下の層にあるビデオコンテンツをユーザーが見ることを可能にする。ポップインウィンドウ(406)は、自動的に消失する前に、所定量の時間の間(例えば、10秒間)表示することができ、又は、ユーザーが動作(例えば、メディアプレーヤー(400)内のボタンのクリック、又はクライアント装置(102)上のキープレス)を行ってポップインウィンドウ(406)を削除するまでは、ポップインウィンドウ(406)は、ビデオの再生中連続的に表示することができる。一旦ポップインウィンドウ(406)が閉じられると、ポップインウィンドウをユーザーが再度開くことを可能にするボタンを表示することができる。ポップインウィンドウ(406)は、ビデオコンテンツ内の特定の時間参照ポイントに基づいて表示されるように起動させることができる。例えば、ビデオコンテンツの経過時間が、例えば、02:25に達したときに、メディアプレーヤー(400)は、ポップインウィンドウ(406)内に個人化された情報を表示することができる。他の例において、ポップインウィンドウ(406)は現在表示されているビデオコンテンツに基づいて表示されるように起動してもよい。
【0047】
似たような態様で、メディアプレーヤー(400)は、フライアウトウィンドウ(408)を使用して、ビデオコンテンツ表示領域(402)の境界の外側に個人化された情報の一部を表示することができる。フライアウトウィンドウ(408)は、ビデオコンテンツ表示領域(402)の上、下、又は横に表示することができる。また、フライアウトウィンドウは、ビデオプレーヤーに隣接していないスクリーン上の他の場所に表示することができ、及び/又はポップアップウィンドウのように別のウィンドウ内に表示することができる。フライアウトウィンドウ(408)は、上述したポップインウィンドウ(406)と同様の特性を持つことができる。
【0048】
特許請求の範囲に記載された発明に係る他の実施形態では、サーバー(106)は、複数のユーザーに関する個人化されたデータを回収して、複数のユーザーに向けて転送するための単一の個人化されたビデオコンテンツストリームを生成することができる。これにより、サーバー(106)は、同一のビデオを要求するユーザーのグループにおいて、各ユーザーごとに個人化されたビデオコンテンツストリームを生成することを回避することができる。図6は、複数の異なるユーザーの個人化された情報をデジタルコンテンツに挿入するためのシステム(600)のブロック図である。
【0049】
例えば、ユーザーA(602a)及びユーザーB(602b)は、特定の投資信託(例えば、フィデリティ社によって提供されるFreedom Fund)において両者とも権利を保有している。ユーザーAは、クライアントコンピューティングデバイス(604a)に関連しており、そして、ユーザーBは、クライアントコンピューティングデバイス(604b)に関連している。クライアントコンピューティングデバイス(604a及び604b)は、サーバーデバイス(606)と通信している。データが、Freedom Fundの運用成績データ等の機密データでない場合、該データは、ユーザーA(602a)及びユーザーB(602b)の両方に非暗号化形態で転送され、そして、上述したように、各ユーザーの対応するビデオプレーヤー内で各ユーザーに対して表示される。
【0050】
図7は、複数の異なるユーザーの個人化された情報をデジタルコンテンツに挿入するための方法(700)である。例えば、サーバーデバイス(606)との通信を介してフィデリティのウェブサイトにログインすると、Freedom Fundに関連するビデオコンテンツへのリンクがユーザー(602a及び602b)にそれぞれ提示される。ユーザーA(602a)及びユーザーB(602b)の両者はリンクをクリックして、サーバーコンピューティングデバイス(606)からのビデオコンテンツ(608)を要求する(702)。上述したように、サーバーデバイス(606)は、ビデオサーバー(例えば、ビデオサーバー(110))からのビデオコンテンツと、及びFreedom Fundにおける権利を所有する全ての人物に関するデータソース(例えば、データソース(108))からの個人化された情報(例えば、現在の株価(評価額))とを回収することができる(704)。全ての人物の個人化された情報を含むフレームにビデオコンテンツからのビデオフレームを置き換えることによって、サーバーデバイス(106)は、個人化されたビデオコンテンツ(608)を生成することができる(706)。
【0051】
サーバーデバイス(606)は、同一の個人化されたビデオコンテンツストリーム(608)を各ユーザー(602a及び602b)に転送する。幾つかの例において、転送を受け取るユーザーは、全員登録を行って、特定の時間に表示されるようにスケジュールされたFreedom Fundに関するWebセミナーを受講することができる。他の例において、転送を受け取るユーザーは、全員、同一の期間内(例えば、全員互いに20秒以内)に転送を要求することができ、従って、配信を簡単にするためのマルチキャスト転送として、該転送を受け取ることができる。それぞれのクライアント装置(604a及び604b)がコンテンツストリーム(608)を受け取ると、各装置上のメディアプレーヤーは、コンテンツストリーム(608)から個人化された情報を抽出する。幾つかの例において、ユーザーAに関連する証明書に基づいてユーザーAを認証する(708)ことによって、メディアプレーヤーは、ユーザーA(602a)の身元を決定することができる。一旦ユーザーA(602a)が認証されると、メディアプレーヤーは、ビデオコンテンツストリーム(608)中に含まれるユーザーAに関連する個人化された情報のみを抽出することができる。また、幾つかの例において、復号化技術を用いて、且つ認証証明書に基づいてメディアプレーヤーは、個人化された情報を復号化することができる(710)。同様に、ユーザーB(602b)のクライアント装置(604b)上のメディアプレーヤーは、ユーザーBを認証して、ビデオストリーム(608)中に含まれるユーザーBに関連する個人化された情報のみを抽出することができる。ユーザーA(602a)及びユーザーB(602b)の両者は、同一の要求されたビデオコンテンツを閲覧するが、上述の技術によって、各ユーザー(602a及び602b)は、ビデオ再生中に、例えば、彼又は彼女の現在の個人資産価値が表示されるのを見ることができ、そして、他のユーザーの資産価値については見ることができない。こうした技術は、任意の数の異なるユーザーに適用することができ、個人化された情報のプライベートな特性をなおも維持しながら、コンテンツプロバイダーの処理効率を大きく向上させる。
【0052】
上述のシステム及び方法は、デジタル電子回路、コンピュータハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェア中で実施することができる。前記実施形態は、コンピュータプログラム製品(すなわち、コンピュータ読取可能記憶媒体中で具体的に実行されるコンピュータプログラム)としての形態であってもよい。前記実施形態は、例えば、機械読取可能ストレージデバイス中であってもよく、及び/又は、データ処理装置によって実行するための伝播シグナル若しくはデータ処理装置の操作をコントロールするための伝播シグナルを含むことができる。前記実施形態は、例えば、プログラム制御可能なプロセッサ、コンピュータ、及び/又はマルチコンピューターであってもよい。
【0053】
コンピュータプログラムは、プログラム言語の形態で記載することができ、コンパイル言語及び/又はインタプリタ言語が含まれる。コンピュータプログラムは任意の形態で配置することができ、スタンドアロンなプログラムとしての形態、若しくはサブルーチンとしての形態、エレメントとしての形態、及び/又はコンピューティング環境での使用に適した他のユニットとしての形態が含まれる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ又は1つのサイトにおける複数のコンピューター上で実行されるように配置することができる。
【0054】
方法のステップについては、1以上のプログラム制御可能なプロセッサが実行することができ、該プロセッサは、入力データを操作して出力を生成することにより本発明の機能を実行するためのコンピュータプログラムを実行する。また、方法のステップは、特定目的の論理回路によって実行されてもよく、及び装置は、特定目的の論理回路として実装することができる。前記回路は、例えば、FPGA(field programmable gate array)、ASIC(application−specific integrated circuit)、DSP(digital signal processor)、及び/又は所望の機能を実行するために設計された任意の他の別回路であってもよい。モジュール、サブルーチン、及びソフトウェアエージェントは、該機能性を実行するための以下のもの(物)の一部を意味することができる:コンピュータプログラム、プロセッサ、特定目的の回路、ソフトウェア、及び/又はハードウェア。
【0055】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例示的な意味で、汎用目的の及び特定目的のマイクロプロセッサと、任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1以上のプロセッサとの両方を含む。一般的に、プロセッサは、リードオンリメモリ、若しくはランダムアクセスメモリ、又はその両方から指示及びデータを受け取る。指示を実行するためのプロセッサ、並びに指示及びデータを記憶するための1以上のメモリデバイスはコンピュータに不可欠な要素である。一般的に、コンピュータは、データを保存するための1以上のマスストレージデバイス(例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、又は光学ディスク)を含むことができ、又は該デバイスからデータを受け取り、及び/又は該デバイスへデータを送る為に機能的に連結することができる。
【0056】
また、データ転送及び指示は、通信ネットワークを介して発生してもよい。コンピュータプログラムの指示及びデータを実行するのに適切なコンピュータ読取可能媒体には、あらゆる形態の不揮発性のメモリが含まれ、例えば、半導体メモリデバイスが含まれる。コンピュータ読取可能媒体は、例えば、以下の物であってもよい:EPROM、EEPROM、フラッシュメモリデバイス、磁気ディスク、内蔵型ハードディスク、リムーバブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、及び/又はDVD−ROMディスク。プロセッサ及びメモリは、特定目的の論理回路によって補強してもよく、及び/又は特定目的の論理回路内に組み込むこともできる。
【0057】
ユーザーとの相互作用を提供するため、上述した技術を、表示装置、又は伝送装置を有するコンピュータ上で実施することができる。表示装置は、例えば、陰極線管(CRT)及び/又は液晶ディスプレイ(LCD)モニターであってもよい。ユーザーとの相互作用は、例えば、ユーザーに情報を表示するディスプレイ並びにキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール)であってもよく、該キーボード及び該ポインティングデバイスにより、ユーザーがコンピュータに入力を行うことができる(例えば、ユーザーインタフェース要素との相互作用)。他の種類の装置を、ユーザーとの相互作用を提供するために使用することができる。他の装置は、例えば、任意の形態のセンサーフィードバック(例えば、視覚的フィードバック、聴覚的フィードバック、又は触覚的フィードバック)でユーザーに提供されるフィードバックであってもよい。ユーザーからの入力は、例えば、任意の形態で受け取ることができ、音、音声、及び/又は触覚的入力が含まれる。
【0058】
クライアント装置及びコンピューティングデバイスは、例えば、以下の物が含まれる:コンピュータ、閲覧装置を備えるコンピュータ、電話、IP電話、モバイル装置(例えば、携帯電話、個人情報端末(PDA)装置、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、電子メール装置)、及び/又は他の通信装置。閲覧装置としては、例えば、WWWブラウザ(例えば、Microsoft社から入手できるMicrosoft(登録商標) Internet Explorer(登録商標)、Mozilla社から入手できるMozilla(登録商標)Firefox)を備えるコンピュータ(例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ)が含まれる。モバイルコンピューティングデバイスとしては、例えば、Blackberry(登録商標)又はiPhone(登録商標)が含まれる。
【0059】
ウェブサーバーは、例えば、サーバーモジュール(例えば、Microsoft社から入手できるMicrosoft(登録商標) Internet Information Services(IIS)、Apache Software Foundationから入手できるApache Webサーバー、Apache Software Foundationから入手できるApache Tomcat Webサーバー)を備えるコンピュータであってもよい。
【0060】
上述の技術は、バックエンドコンポーネントを含む分散コンピューティングシステム内で実施することができる。バックエンドコンポーネントは、例えば、データサーバー、ミドルウェアコンポーネント、及び/又はアプリケーションサーバーであってもよい。上述の技術は、フロントエンドコンポーネントを含む分散コンピューティングシステム内で実施することができる。フロントエンドコンポーネントは、例えば、以下のものを備えるクライアントコンピュータであってもよい:グラフィカルユーザーインターフェース;ユーザーが例示的な実施形態を用いて相互作用することができるウェブブラウザ;及び/又は、転送デバイス用の他のグラフィカルユーザーインターフェース。システムの構成要素は、デジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)の任意の形態又は媒体によって相互接続することができる。
【0061】
システムは、クライアント及びサーバーを含むことができる。クライアント及びサーバーは、一般的には互いに離れており、典型的には通信ネットワークを通じて相互作用する。それぞれコンピューター上で実行され、クライアント−サーバー関係を相互に有するコンピュータプログラムによって、クライアント及びサーバーの関係が生じる。
【0062】
上述した通信ネットワークは、パケットベースのネットワーク、回路ベースのネットワーク、並びに/又はパケットベースのネットワーク及び回路ベースのネットワークの組合せで実装することができる。パケットベースのネットワークは、例えば、以下のものが含まれる:インターネット、キャリアインターネットプロトコル(IP)ネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、キャンパスエリアネットワーク(CAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ホームエリアネットワーク(HAN))、プライベートIPネットワーク、IP機内交換機(IPBX)、ワイヤレスネットワーク(例えば、無線アクセスネットワーク(RAN)、802.11ネットワーク、802.16ネットワーク、ジェネラルパケットラジオサービス(GPRS)ネットワーク、ハイパーLAN)、及び/又は他のパケットベースのネットワーク。回路ベースのネットワークは、例えば、以下のものが含まれる:公衆電話交換回線網(PSTN)、機内交換機(PBX)、ワイヤレスネットワーク(例えば、RAN、bluetooth(登録商標)、符号分割多重接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))ネットワーク)、及び/又は他の回路ベースのネットワーク。
【0063】
「含む、備える」(Comprise,include)、及び/又は各複数形態はオープンエンドであり、列挙された部分を含み、かつ列挙されていない更なる部分を含むことができる。「及び/又は」はオープンエンドであり、1以上の列挙された部分を含み、かつ列挙された部分の組合せも含む。
【0064】
本発明の思想及び本質的な特性から離れることなく他の特定形態で本発明を実施できることを当業者は理解するであろう。従って、上記実施形態は、本明細書に記載した本発明を限定するものではなく、あらゆる意味において例示的なものと考えるべきである。
本発明は、一側面において以下の発明を包含する。
(発明1)
ビデオコンテンツを個人化するためのコンピュータ化された方法であって、以下のステップを含む方法:
コンピューティングデバイスがデジタルビデオコンテンツの要求を受け取るステップであって、前記要求は、クライアント装置のユーザーに関連した認証データを含むステップ;
前記コンピューティングデバイスが個人化されたデータを生成し、前記要求されたビデオコンテンツに挿入するステップ;及び
前記コンピューティングデバイスが、要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを前記個人化されたデータで置換して個人化されたビデオコンテンツを生成することによって、前記個人化されたデータと前記要求されたビデオコンテンツを結合させるステップ。
(発明2)
発明1に記載の方法であって、前記個人化されたデータは、前記要求されたビデオコンテンツに関連するビデオ又はオーディオを含まない方法。
(発明3)
発明1に記載の方法であって、前記個人化されたデータは、前記要求されたビデオコンテンツに関連しない方法。
(発明4)
発明1に記載の方法であって、前記要求されたビデオコンテンツに結合させる前に前記個人化されたデータを暗号化するステップを更に含む方法。
(発明5)
発明1に記載の方法であって、前記個人化されたデータの一部が、複数の異なるユーザーのそれぞれと関連する方法。
(発明6)
発明4に記載の方法であって、更に以下のステップを含む方法:
前記クライアント装置の前記ユーザーに関連する前記個人化されたデータの一部を前記クライアント装置が抽出するステップ;及び
前記クライアント装置に表示するために前記個人化されたデータの一部を復号化するステップであって、前記復号化が前記ユーザーに関連する前記認証データに基づくステップ。
(発明7)
発明1に記載の方法であって、前記認証データに基づいて前記クライアント装置の前記ユーザーを認証するステップを更に含む方法。
(発明8)
発明1に記載の方法であって、前記個人化されたビデオコンテンツ中に含まれ、且つ前記ユーザーに関連する前記個人化されたデータにアクセスすることを前記ユーザーのみ可能にするために、前記認証データに基づいて前記個人化されたビデオコンテンツを暗号化するステップを更に含む方法。
(発明9)
発明1に記載の方法であって、前記個人化されたデータ及び前記要求されたビデオコンテンツが、共通する特徴、ジャンル、主題、又はこれらの任意の組合せを共有している方法。
(発明10)
発明1に記載の方法であって、前記個人化されたデータが前記ユーザーの財務上のポートフォリオに基づく方法。
(発明11)
ビデオコンテンツを個人化するためのコンピュータ化されたシステムであって、以下のステップを行うために設計されたコンピューティングデバイスを備えるシステム:
デジタルビデオコンテンツの要求を受け取るステップであって、前記要求は、クライアント装置のユーザーに関連する認証データを含むステップ;
個人化されたデータを生成して前記要求されたビデオコンテンツに挿入するステップ;及び
要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを前記個人化されたデータで置換して個人化されたビデオコンテンツを生成することによって、前記個人化されたデータと前記要求されたビデオコンテンツとを結合させるステップ。
(発明12)
ビデオコンテンツを個人化するためのコンピュータ化されたシステムであって、以下の手段を備えるシステム:
デジタルビデオコンテンツの要求を受け取るための手段であって、前記要求は、クライアント装置のユーザーに関連する認証データを含む手段;
個人化されたデータを生成して前記要求されたビデオコンテンツに挿入するための手段;及び
要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを前記個人化されたデータで置換して個人化されたビデオコンテンツを生成することによって、前記個人化されたデータと前記要求されたビデオコンテンツとを結合させるための手段。
(発明13)
コンピュータプログラム製品であって、コンピュータ読取可能記憶媒体中で具体的に実行され、データ処理装置に以下のステップを実行させるための実行可能な指示を含むコンピュータプログラム製品:
デジタルビデオコンテンツの要求を受け取るステップであって、前記要求は、クライアント装置のユーザーに関連する認証データを含むステップ;
個人化されたデータを生成して前記要求されたビデオコンテンツに挿入するステップ;及び
要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを前記個人化されたデータで置換して個人化されたビデオコンテンツを生成することによって、前記個人化されたデータと前記要求されたビデオコンテンツとを結合させるステップ。
(発明14)
個人化されたビデオコンテンツを表示するためのコンピュータ化された方法であって、以下のステップを含む方法:
デジタルメディアプレーヤーが個人化されたビデオコンテンツストリームを受け取るステップであって、該ストリームは、要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを置換するデータであって、且つユーザーに関連した個人化されたデータを含むステップ;
前記プレーヤーが、前記ビデオコンテンツストリームの前記1以上の置換されたフレームから前記個人化されたデータを抽出するステップ;及び、
前記プレーヤーが、前記個人化されたデータ及び前記ビデオコンテンツストリームをユーザーに表示するステップ。
(発明15)
発明14に記載の方法であって、前記ビデオコンテンツストリームを表示している領域の境界内に前記個人化されたデータを前記ユーザーに対して表示する方法。
(発明16)
発明15に記載の方法であって、前記メディアプレーヤーに関連するポップインウィンドウ内に前記個人化されたデータを表示する方法。
(発明17)
発明14に記載の方法であって、前記ビデオコンテンツストリームを表示している領域の境界の外側に前記個人化されたデータを前記ユーザーに対して表示する方法。
(発明18)
発明17に記載の方法であって、前記メディアプレーヤーに関連するフライアウトウィンドウ中に前記個人化されたデータを表示する方法。
(発明19)
発明17に記載の方法であって、前記メディアプレーヤーに関連する別のポップアップウィンドウ内に前記個人化されたデータを表示する方法。
(発明20)
発明14に記載の方法であって、前記抽出するステップが以下のステップを含む方法:
前記個人化されたデータを含有する前記ビデオコンテンツストリームの1以上のフレームを同定するステップ;及び
特殊な圧縮プロトコルに従って、前記個人化されたデータを解凍、復号、又はその両方を行うステップ。
(発明21)
個人化されたビデオコンテンツを表示するためのコンピュータ化されたシステムであって、以下のステップを行うために設計されたデジタルメディアプレーヤーを備えるコンピューティングデバイスを備えるシステム:
前記プレーヤーが個人化されたビデオコンテンツストリームを受け取るステップであって、該ストリームは、要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを置換するデータであって、且つユーザーに関連した個人化されたデータを含むステップ;
前記プレーヤーが、前記ビデオコンテンツストリームの前記1以上の置換されたフレームから前記個人化されたデータを抽出するステップ;及び、
前記プレーヤーが、前記個人化されたデータ及び前記ビデオコンテンツストリームをユーザーに表示するステップ。
(発明22)
個人化されたビデオコンテンツを表示するためのコンピュータ化されたシステムであって、以下の手段を備えるシステム:
デジタルメディアプレーヤーが個人化されたビデオコンテンツストリームを受け取るための手段であって、該ストリームは、要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを置換するデータであって、且つユーザーに関連した個人化されたデータを含む手段;
前記プレーヤーが、前記ビデオコンテンツストリームの前記1以上の置換されたフレームから前記個人化されたデータを抽出するための手段;及び、
前記プレーヤーが、前記個人化されたデータ及び前記ビデオコンテンツストリームをユーザーに表示するための手段。
(発明23)
コンピュータプログラム製品であって、コンピュータ読取可能記憶媒体中で具体的に実行され、データ処理装置に以下のステップを実行させるための実行可能な指示を含むコンピュータプログラム製品:
前記データ処理装置が個人化されたビデオコンテンツストリームを受け取るステップであって、該ストリームは、要求されたビデオコンテンツの1以上のフレームを置換するデータであって、且つユーザーに関連した個人化されたデータを含むステップ;
前記データ処理装置が、前記ビデオコンテンツストリームの前記1以上の置換されたフレームから前記個人化されたデータを抽出するステップ;及び、
前記データ処理装置が、前記個人化されたデータ及び前記ビデオコンテンツストリームをユーザーに表示するステップ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7