特許第5710756号(P5710756)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5710756汚れた布地の前処理及び洗濯方法並びに洗濯用製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5710756
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】汚れた布地の前処理及び洗濯方法並びに洗濯用製品
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/04 20060101AFI20150409BHJP
   B65D 1/02 20060101ALI20150409BHJP
【FI】
   C11D17/04
   B65D1/02
【請求項の数】10
【全頁数】41
(21)【出願番号】特願2013-516764(P2013-516764)
(86)(22)【出願日】2011年6月23日
(65)【公表番号】特表2013-536128(P2013-536128A)
(43)【公表日】2013年9月19日
(86)【国際出願番号】US2011041596
(87)【国際公開番号】WO2011163457
(87)【国際公開日】20111229
【審査請求日】2012年12月21日
(31)【優先権主張番号】61/357,737
(32)【優先日】2010年6月23日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100176094
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 満
(72)【発明者】
【氏名】ナリニ、チャウラ
(72)【発明者】
【氏名】トム、パトリック、コリンズ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル、デイビッド、サンダース
【審査官】 八木 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特表2000−504064(JP,A)
【文献】 特表2000−510902(JP,A)
【文献】 特表2000−504969(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D1/02、1/06
C11D17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚れた部分を有する布地の前処理及び洗濯用製品であって、
前記製品が、注ぎ可能な水性洗剤組成物と、前記注ぎ可能な水性洗剤組成物の分与用キャップとを備えてなり、
A.前記注ぎ可能な水性洗剤組成物が、
a)6〜9の疎水性指数を有する疎水性界面活性剤系を含んでなり、
B.前記キャップが、
a)基部の内部、及び前記基部の内部と反対側の基部の外部を有し、前記基部の内部が周辺部を有する基部と、
b)内面、及び前記内面と反対側の外面を有する容器壁部であって、前記容器壁部が周辺部から縁まで延び、前記内面及び前記基部の内部が注ぎ容積を画定し、前記基部の内部が前記注ぎ容積の閉鎖端部を形成する、容器壁部とを備えてなり、
i.前記キャップが、前記該キャップ上に配置されたコネクタ、及び前記容器の開口部上に配置された対応する受容部によって、前記洗剤組成物を含む容器と密閉係合され、 ii.該注ぎ容積が、該洗剤組成物の単位容量を提供するような大きさかつ寸法であり、
iii.該キャップが、縁上、該キャップ上に配置された該コネクタと該縁との間の該基部の外部上、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される位置に複数の第1表面凹凸部を更に備えてなり、
iv.該基部の外部が、その上部に配置される第1領域及び第2領域を有してなり、該第2領域が、該第1領域に隣接してなり、
前記第1領域が、複数の第1表面凸凹部を備えてなり、
前記第2領域が、複数の第2表面凸凹部を備えてなり、及び
前記第1表面凸凹部の形状が、前記第2表面凸凹部と異なっているものである、製品。
【請求項2】
前記組成物が、少なくとも2つのキレート剤を含むキレート剤系を更に含んでなる、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記組成物が、質量パーセントで4.5%未満のクエン酸を更に含んでなる、請求項1に記載の製品。
【請求項4】
前記組成物が、色相染料、真珠光沢剤、構造剤、又はこれらの組み合わせを更に含んでなる、請求項2に記載の製品。
【請求項5】
前記構造剤が、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油誘導体、微小繊維性セルロース、ヒドロキシ官能結晶性物質、長鎖脂肪アルコール、12−ヒドロキシステアリン酸、粘土、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項4に記載の製品。
【請求項6】
前記縁の一部が注ぎ口の形状を有する、請求項1に記載の製品。
【請求項7】
前記キレート剤系が、カテコール系キレート剤と、DTPADTPA、DTPMP、及びHEDPから選択されるキレート剤とを含んでなる、請求項2に記載の製品。
【請求項8】
前記組成物が、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、及びこれらの混合物からなる群から選択される酵素を更に含んでなる、請求項1に記載の製品。
【請求項9】
前記疎水性界面活性剤系が、AES、LAS、非イオン性、アミンオキシド、及びこれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤を含んでなる、請求項1に記載の製品。
【請求項10】
少なくとも1つの汚れた部分を有する布地の前処理及び洗濯方法であって、
該方法が、請求項1に記載のキャップ及び請求項1に記載の注ぎ可能な水性洗剤組成物を使用し、
a.該洗剤組成物を含む容器から該キャップを外す工程と、
b.該容器からキャップ内へ未希釈状態の洗剤組成物の所定の容量を注ぐ工程と、
c.該容量の少なくとも一部を該染みの付いた部分に塗布する工程と、
d.該染みの付いた部分を該キャップの一部分でこすり洗いする工程と、
e.該洗剤の少なくとも一部を未希釈状態で水槽に加え、洗剤が希釈された形態である洗浄液を形成する工程と、
f.該キャップの一部分で染みの付いた部分をこすり洗いした後に、該洗浄液中で該布地を洗濯する工程とを含んでなる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
汚れた布地の前処理及び洗濯用製品。
【背景技術】
【0002】
汚れた衣類は、改善され得る洗濯の一態様である。汚れ(染み)を処理するための様々な市販のアプローチが存在する。1つのアプローチでは、消費者は、汚れを処理する能力を有するとして謳われている洗剤を用いて洗浄するに過ぎない。かかるアプローチは、汚れが軽く、かつ油脂性でない場合は良好に機能する傾向にある。汚れがしつこい、特にしつこい油脂性汚れの場合には、洗剤の化学成分が洗浄中に薄まり、汚れにおいて濃くないため、汚れが取り除かれない場合がある。これは洗浄サイクルの完了時に、汚れが依然として見えている場合に、消費者に満足感を残し得ない。洗浄後に汚れ処理が成功する可能性は限定されており、汚れた衣類が乾燥するまで(汚れ除去の)失敗が検出されない場合は、特に、限定されている。
【0003】
汚れ処理の別のアプローチでは、例えば、汚れ処理助剤を汚れに直接噴霧若しくは吹きかけることにより、又は汚れ処理助剤を染み込ませたワイプを用いて汚れをこすることにより、別の汚れ処理助剤を汚れに塗布する場合がある。一部の汚れ処理助剤は、布地における汚れの処理を支援するための電動式ブラシ又はこすり洗い器具を含む。しかしこの方法では、洗剤、汚れ処理助剤、及び任意の付属デバイスといった複数の製品を消費者が購入し、使用する必要がある。消費者は、洗濯用製品がごちゃごちゃと集まっていることが多い洗濯機の近辺に、これら全ての製品を保管しなくてはならない。消費者は、汚れた衣類を洗濯機に投入する前に、忘れずに汚れを処理しなくてはならない。消費者は、汚れ処理助剤を配置し、汚れ処理助剤を汚れに塗布するためのパッケージ又はデバイスを操作しなければならない。汚れ処理助剤の塗布後、消費者は、洗濯洗剤を開けて適当量を計量し、計量した洗剤を洗濯機に投入しなければならない。最後に、消費者は洗濯洗剤を保管しなくてはならない。特に消費者の時間に対する他のあらゆる要求を考えると、この複数のプロセスは決して望ましい消費者経験ではない。
【0004】
更に別のアプローチでは、一部の液体洗剤を用いて、少量の洗剤を衣類の汚れた部分に局部的に塗布することにより汚れを前処理する場合がある。しかし、洗剤のパッケージがそのような前処理投与に合わせて設計されていないと、少量の洗剤を注ぎ、それを汚れに塗布することが困難な場合がある。また、洗剤に関連する前処理を思い出させる警告や合図がないと消費者は汚れの前処理を忘れる場合がある。最後に、液体洗剤の未希釈溶液を用いても、消費者が望む様々な汚れの除去を提供できない場合がある。例えば、一部の液体洗剤に含まれる高濃度の疎水性界面活性剤に汚れた布地を曝すと、油脂性汚れについて良好に除去することができるが、漂白可能な汚れ(例えば飲料の汚れ)は良好に除去できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの制限を考慮すると、汚れの適切な処理法を消費者に直感的に示す、直感的に消費者が塗布を忘れないようにする、塗布が容易である、及び単一の製品で様々な汚れの除去に有効であるような汚れの処理用製品及びアプローチに対して、未着手のニーズが引き続き存在する。本発明は、布地の前処理及び洗濯用「オールインワン」製品を提供することにより、上記ニーズに取り組む。このオールインワン製品は、以下に詳細に記載するように、多種多様な汚れを除去可能なキャップ及び洗剤組成物の新規組み合わせを備えてなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、本発明の一態様では、汚れた(染みの付いた部分)を有する布地の前処理及び洗濯用の製品であって、以下の注ぎ可能な水性洗剤組成物と、前記注ぎ可能な水性洗剤組成物の分与用キャップと、を備えてなる製品を提供することにより、1つ以上の上記ニーズの解決を試みる。
【0007】
A.該注ぎ可能な水性洗剤組成物が、
a)約6〜約9の疎水性指数を有する疎水性界面活性剤系を含んでなり、
B.前記キャップが、
a)基部の内部、及び前記基部の内部と反対側の基部の外部を有し、前記基部の内部が周辺部を有する基部と、
b)内面、及び前記内面と反対側の外面を有する容器壁部であって、前記容器壁部が周辺部から縁まで延び、前記内面及び前記基部の内部が注ぎ容積を画定し、前記基部の内部が前記注ぎ容積の閉鎖端部を形成する、容器壁部とを備えてなり、
i.キャップが、前記キャップ上に配置されたコネクタ、及び前記容器の開口部上に配置された対応する受容部によって、前記洗剤組成物を含む容器と密閉係合され、
ii.注ぎ容積が、洗剤組成物の単位容量を提供するような大きさかつ寸法であり、
iii.キャップが、縁上、キャップ上に配置されたコネクタと縁との間の基部の外部上、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される位置に複数の第1表面凹凸部を更に備えてなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1表面凹凸部を有するキャップの概略図。
図2】リブを例示する概略図。
図3】突起部を図示する概略図。
図4】毛を図示する概略図。
図5】リングを図示する概略図。
図6】注ぎ棚部、開口部、及び第1表面凹凸部を有するキャップの概略図。
図7】注ぎ棚部、開口部、及び第1表面凹凸部を有するキャップの概略図。
図8】第2表面凹凸部を有するキャップの概略図。
図9】第2表面凹凸部を有するキャップの概略図。
図10】注ぎ口を有するキャップの概略図。
図11】注ぎ口を有するキャップの概略図。
図12】第2表面凹凸部及び注ぎ口を有するキャップの概略図。
図13】第1表面凹凸部、注ぎ棚部、開口部、及び先端部を有するキャップの概略図。
図14】基部の外部上に第1領域及び第2領域を有するキャップの概略図。
図15図14に示されるキャップのプロファイル図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で使用するとき、「a」及び「an」のような冠詞は、特許請求の範囲で使用されるときには、1つ以上の請求又は記載されるものを意味するものと理解される。
【0010】
本明細書で使用するとき、「初期安定化剤」は、柔軟仕上げ剤の有効成分が水和される前、かつ柔軟仕上げ剤組成物の残りの構成成分(例えば香料、シリコーン、ポリマー)と混合される前に、柔軟仕上げ剤の有効成分に直接添加される剤を意味する。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「包含する(include)」、「包含する(includes)」及び「包含している(including)」は、限定することを意図しない。
【0012】
本明細書で使用するとき、「注ぎ可能」は、約7000cPs未満、典型的には約5000cPS未満、より典型的には約2000cPs未満、更により典型的には約1000cPs未満、更により典型的には約750cPS未満、最も典型的には約600cPs未満の粘度であり、かつ約50cPs超、典型的には約100cPs超、より典型的には約150cPs超、更により典型的には約300cPs超、最も典型的には約350cPs超の粘度を有する液体を指す。粘度は、20/sのせん断速度で、21℃において測定される。
【0013】
特記しない限り、成分又は組成物の濃度は全て、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0014】
本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されたものとして包含すると理解されるべきである。本明細書全体を通じて記載される最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通じて記載される数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0015】
汚れた布地の前処理及び洗濯用製品
本発明は、布地の前処理及び洗濯用「オールインワン」製品を提供することにより、汚れの適切な処理法を消費者に直感的に示す、直感的に消費者が塗布を忘れないようにする、塗布が容易である、及び単一の製品で様々な汚れの除去に有効であるような汚れの処理用製品及びアプローチに対するニーズに対応する。このオールインワン製品は、キャップ及び洗剤組成物の新規組み合わせを備えてなる。キャップは、特に粒子状の汚れ、例えば粘土及び化粧品に対する、消費者に対する汚れ前処理の視覚的注意喚起と、組込み式汚れ処理アプリケータとの両方の役割がある。洗剤組成物は、特に油脂性の汚れを除去するように処方される。具体的には、洗剤組成物は、低疎水性指数を有する界面活性剤系を含めて油脂性の汚れ除去をもたらすことが可能である。したがって、本発明の洗剤組成物とキャップの組み合わせにより、油脂性の汚れから粒子状の汚れまで、様々な汚れの除去を可能にする。
【0016】
注ぎ可能な水性洗剤組成物
本発明による組成物は、注ぎ口からの注入及び/又はスクイーズボトルからの送達が挙げられるがこれらに限定されない、任意の好適な方法で分与してよい。
【0017】
本発明による製品の粘度及びレオロジーは、製品が、布地、キャップ、又は洗濯機の部品上に残留物を残すことなく洗浄液中に放出するのに十分に低い粘度で、かつあまり容易に流動して飛び散りや汚れの危険性を高めないように十分に高い粘度を有するよう、当業者により調節されるであろう。
【0018】
本発明による注ぎ可能な水性洗剤組成物は、疎水性界面活性剤系を含んでよい。洗剤組成物は更に、キレート剤系、ビルダー、水、酵素、及びその他成分から選択される成分を含んでよい。
【0019】
疎水性界面活性剤系
本明細書で使用するとき、「疎水性界面活性剤系」は、約6〜約9、約7〜約8.5、又は約7.5〜8.0の「疎水性指数」を有する。約6〜約9の「疎水性指数」を有する疎水性界面活性剤系をもたらす界面活性剤の任意の組み合わせが有用である。洗剤組成物は、重量パーセントで約5%〜約50%、約10%〜約42%、又は約15%〜約31%の総界面活性剤を含んでよい。界面活性剤系は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、双極イオン性、両性の界面活性剤、及びこれらの混合物の群から選択される界面活性剤を含んでなる。
【0020】
アニオン性界面活性剤
好適なアニオン性界面活性剤は、液体洗剤製品で典型的に用いられる従来のアニオン性界面活性剤のいかなる種類のものであってもよい。このような界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸類及びそれらの塩類、並びにアルコキシル化又は非アルコキシル化アルキル硫酸塩材料類が挙げられる。代表的なアニオン性界面活性剤は、C10〜C16のアルキルベンゼンスルホン酸、好ましくは、C11〜C14のアルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩である。一態様では、アルキル基は直鎖である。このような直鎖アルキルベンゼンスルホネートは「LAS」として公知である。そのような界面活性剤及びそれらの調製は、例えば、米国特許第2,220,099号及び同第2,477,383号に記載されている。特に好ましいものは、アルキル基の炭素原子の平均数が約11〜14の線状直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びカリウムである。ナトリウムC11〜C14 LAS、例えば、C12 LASはそのような界面活性剤の具体的な例である。
【0021】
他の代表的な種類のアニオン性界面活性剤はエトキシル化アルキル硫酸塩界面活性剤を含んでなる。アルキルエーテル硫酸塩又はアルキルポリエトキシレート硫酸塩には、既知のこうした材料は、式:R’−O−(CO)−SOM(式中、R’はC〜C20アルキル基であり、nは約1〜20であり、Mは塩形成性カチオンである)に相当するものである。具体的な実施形態において、R’はC10〜C18アルキルであり、nは約1〜15であり、Mはナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウム、又はアルカノールアンモニウムである。より具体的な実施形態において、R’はC12〜C16であり、nは約1〜6であり、及びMはナトリウムである。
【0022】
アルキルエーテルサルフェートは一般に、様々なR’鎖長及び様々なエトキシル化度を含んでなる混合物の形態で使用される。しばしばそのような混合物はまた、必然的にいくつかの非エトキシル化アルキルサルフェート物質、即ち、上記エトキシル化アルキルサルフェート式で、式中、n=0である界面活性剤も含有することになる。非エトキシル化アルキルサルフェートも本発明の組成物に別途加え、存在してもよいいずれかのアニオン性界面活性剤成分として又は成分中で使用されてもよい。非アルコキシル化、例えば、非エトキシ化、アルキルエーテルサルフェート界面活性剤の具体例は、高級C〜C20脂肪族アルコールの硫酸化により製造されるものである。従来の一級アルキルサルフェート界面活性剤は、一般式ROSO(式中、Rは典型的に、直鎖又は分枝鎖であってもよいC〜C20アルキル基であり、Mは水溶性化カチオンである)を有する。具体的な実施形態において、RはC10〜C15アルキル基であり、Mはアルカリ金属であり、より具体的には、RはC12〜C14アルキルであり、Mはナトリウムである。
【0023】
本明細書で有用な特定のアニオン性界面活性剤の非限定的な例としては、a)C11〜C18アルキルベンゼンスルホネート(LAS);b)C10〜C20の一級分岐鎖及びランダムなアルキルサルフェート(AS);c)式(I)及び(II)を有するC10〜C18二級(2,3)−アルキルサルフェート
【化1】
(式中、式(I)及び(II)のMは、電荷の中性をもたらす水素又はカチオンであり、界面活性剤又は添加剤成分と会合又は非会合であっても全てのM単位は、当業者により単離された形態、又は化合物が使用される系の相対的pHによって水素原子又はカチオンのいずれかであることができ、好ましいカチオンの非限定例として、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びこれらの混合物が挙げられ、xは少なくとも約7、好ましくは少なくとも約9の整数であり、yは少なくとも8、好ましくは少なくとも約9の整数である);d)C10〜C18アルキルアルコキシサルフェート(AES)(好ましくはzは1〜30である);e)好ましくは1〜5個のエトキシ単位を含んでなるC10〜C18アルキルアルコキシカルボキシレート;f)米国特許第6,020,303号、及び同第6,060,443号に述べられるような中鎖分岐アルキルサルフェート;g)米国特許第6,008,181号及び同第6,020,303号に述べられるような中鎖分岐アルキルアルコキシサルフェート;h)国際公開第99/05243号、同第99/05242号、同第99/05244号、同第99/05082号、同第99/05084号、同第99/05241号、同第99/07656号、同第00/23549号、及び同第00/23548号に述べられるよう変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS);i)メチルエステルスルホネート(MES);及びj)α−オレフィンスルホネート(AOS)が挙げられる。
【0024】
本明細書で有用な好適な非イオン性界面活性剤には、液体洗剤製品で典型的に使用される従来の種類のいかなる非イオン性界面活性剤を含んでもよい。これらとしては、例えば、アルコキシル化脂肪族アルコール及びアミンオキシド界面活性剤が挙げられる。本明細書の液体洗剤製品における使用において好ましいものは、通常は液体である非イオン性界面活性剤である。本明細書での使用に適した非イオン性界面活性剤としてはアルコールアルコキシラート非イオン性界面活性剤が挙げられる。アルコールアルコキシレートは、一般式、R(C2mO)OHに対応する物質であり、式中、RはC〜C16アルキル基であり、mは2〜4であり、pは約2〜12の範囲である。好ましくは、Rは、第1級又は第2級であってもよいアルキル基であり、約9〜約15個の炭素原子、より好ましくは約10〜約14個の炭素原子を含有する。実施形態の1つでは、アルコキシル化脂肪族アルコールはまた、分子当り約2〜約12のエチレンオキシド部分、より好ましくは分子当り約3〜約10のエチレンオキシド部分を含有するエトキシ化物質であってもよい。
【0025】
本明細書の液体洗剤組成物において有用なアルコキシル化脂肪族アルコール物質はしばしば、約3〜17の範囲の親水親油バランス(HLB)値を有する。より好ましくはこの物質のHLB値は、約6〜15、最も好ましくは約8〜15の範囲である。好適なアルコキシル化脂肪族アルコール非イオン性界面活性剤は、シェル・ケミカル社(Shell Chemical Company)により商標名ネオドール(NEODOL)(登録商標)で市販されている。
【0026】
本明細書において有用な非イオン性界面活性剤の別の適当なタイプは、アミンオキシド界面活性剤を含んでなる。アミンオキシドは、しばしば当該技術分野では「半極性」非イオン性物質と呼ばれる物質である。アミンオキシドは、式:R(EO)(PO)(BO)N(O)(CH.qHOである。この式中、Rは、飽和又は不飽和、直鎖又は分枝鎖であり得る比較的長鎖のアルキル部分であり、8〜20、好ましくは10〜16個の炭素原子を含有でき、より好ましくはC12〜C16の第一級アルキルである。Rは短鎖部分で、好ましくは水素、メチル及び−CHOHから選択される。f+g+hが0と異なる場合、EOはエチレンオキシ、POはプロピレンオキシ、及びBOはブチレンオキシである。代表的なアミンオキシド界面活性剤は、C12〜C14アルキルジメチルアミンオキシドにより示されてもよい。
【0027】
非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、以下のものが挙げられる。a)C12〜C18アルキルエトキシレート、例えば、シェル社(Shell)製のネオドール(NEODOL)(登録商標)非イオン性界面活性剤、b)C〜C12アルキルフェノールアルコキシレートであって、ここでアルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位とプロピレンオキシ単位の混合物である、c)エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとの、C12〜C18アルコール及びC〜C12アルキルフェノールの縮合体、例えば、BASF社(BASF)製のプルロニック(PLURONIC)(登録商標)、d)米国特許第6,150,322号に述べられているようなC14〜C22中鎖分枝アルコール、(「BA」)、e)米国特許第6,153,577号、同第6,020,303号、及び同第6,093,856号に述べられているようなC14〜C22中鎖分枝アルキルアルコキシレート、(「BAE」)ここで、zは、1〜30である、f)米国特許第4,565,647号に述べられているようなアルキル多糖類であって、特に、米国特許第4,483,780号及び同第4,483,779号に述べられているようなアルキルポリグリコシド、g)米国特許第5,332,528号、国際公開第92/06162号、同第93/19146号、同第93/19038号、及び同第94/09099号に述べられているようなポリヒドロキシ脂肪酸アミド、及びh)米国特許第6,482,994号及び国際公開第01/42408号に述べられているような、エーテルで末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤。
【0028】
カチオン性界面活性剤は、当該技術分野において既知であり、これらの非限定例としては四級アンモニウム界面活性剤が挙げられ、26までの炭素原子を有することができる。追加の例にはa)米国特許第6,136,769号での述べられているようなアルコキシレート第四級アンモニウム(「AQA」)界面活性剤、b)米国特許第6,004,922号で述べられているようなジメチルヒドロキシエチル第四級アンモニウム、c)国際公開第98/35002号、同第98/35003号、同第98/35004号、同第98/35005号及び同第98/35006号で述べられているようなポリアミンカチオン性界面活性剤、d)米国特許第4,228,042号、同第4,239,660号、同第4,260,529号及び同第6,022,844号で述べられているようなカチオン性エステル界面活性剤並びにe)米国特許第6,221,825号及び国際公開第00/47708号で述べられているようなアミノ界面活性剤、例えばアミドプロピルジメチルアミン(「APA」)が挙げられる。
【0029】
双性イオン性界面活性剤の非限定例には、二級及び三級アミンの誘導体、複素環式二級及び三級アミンの誘導体、又は四級アンモニウム、四級ホスホニウム若しくは三級スルホニウム化合物の誘導体が挙げられる。双極性界面活性剤の例である、アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタイン、C〜C18(例えば、C12〜C18)アミンオキシド、並びに、例えば、アルキル基がC〜C18、及び特定の実施形態ではC10〜C14であることができるN−アルキル−N,N−ジメチルアミノ−1−プロパンスルホネートのようなスルホ及びヒドロキシベタインを包含するベタインについては、米国特許第3,929,678号の19欄38行〜22欄48行を参照のこと。
【0030】
両性電解質性界面活性剤の非限定的な例には、二級若しくは三級アミンの脂肪族誘導体、又は脂肪族基が直鎖又は分岐鎖であることができる複素環式二級及び三級アミンの脂肪族誘導体が挙げられる。脂肪族置換基の1つは、少なくとも約8個の炭素原子、例えば約8〜約18個の炭素原子を含有してもよく、少なくとも1つが、アニオン水溶性化基、例えば、カルボキシ基、スルホネート基、サルフェート基を含有する。両性界面活性剤の好適な例については、米国特許第3,929,678号、19欄18〜35行を参照のこと。
【0031】
界面活性剤系の非限定例としては、従来のC11〜C18アルキルベンゼンスルホネート(「LAS」)及び一級分枝鎖及びランダムC10〜C20アルキルサルフェート(「AS」)、式CH(CH(CHOSO)CH及びCH(CH(CHOSO)CHCH(式中、x及び(y+1)は少なくとも約7、他の実施形態では少なくとも約9の整数であり、及びMは水溶性化カチオン、特にナトリウムである)のC10〜C18二級(2,3)アルキルサルフェート、特にオレイルサルフェートなどの不飽和サルフェート、C10〜C18アルキルアルコキシサルフェート(「AES」、特にEO 1〜7エトキシサルフェート)、C10〜C18アルキルアルコキシカルボキシレート(特に、EO 1〜5エトキシカルボキシレート)、C10〜C18グリセロールエーテル、C10〜C18アルキルポリグリコシド及びそれらの対応する硫酸化ポリグリコシド、並びにC12〜C18 α−スルホン化脂肪酸エステルが挙げられる。所望される場合、従来の非イオン性及び両性界面活性剤、例えば、狭いピークを有するアルキルエトキシレートが挙げられるC12〜C18アルキルエトキシレート(「AE」)、及びC〜C12アルキルフェノールアルコキシラート(特にエトキシレート及び混合エトキシ/プロポキシレート)、C12〜C18ベタイン及びスルホベタイン(「スルタイン」)、C10〜C18アミンオキシド等もまた界面活性剤系に包含され得る。C10〜C18 N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミドもまた使用できる。国際公開第92/06154号を参照のこと。糖から誘導される他の界面活性剤としては、C10〜C18 N−(3−メトキシプロピル)グルカミドなどのN−アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミドが挙げられる。低発泡性のためには、N−プロピル〜N−ヘキシルC12〜C18グルカミドを使用することができる。C10〜C20の従来型石鹸を使用してもよい。高い泡立ちが望まれる場合には、分枝鎖のC10〜C16石鹸を使用してもよい。アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤の混合物が特に有用である。他の従来の有用な界面活性剤は、標準的な教科書に列挙されている。
【0032】
キレート剤系
本明細書に開示される注ぎ可能な水性組成物は、キレート剤系を含んでよい。いくつかの態様では、キレート剤系は少なくとも2つのキレート剤を含んでなる。キレート剤のうち少なくとも1つは遷移金属の強力な結合剤であり、飲料の汚れが挙げられるがこれに限定されない汚れを良好に除去する。キレート剤のうち少なくとも1つはカルシウムへの結合定数が低く、幅広い汚れ分類の汚れを除去するよう組成物に更に含まれる酵素の安定性を損なうことなく、飲料の汚れの除去を更に改善する。いくつかの実施形態では、キレート剤系は2つのキレート剤からなる二重キレート剤系である。本明細書で使用するとき、用語「二重キレート剤系」及び「キレート剤の組み合わせ」は、異なるコア分子構造を有する少なくとも2種類のキレート剤を意味し、同一のコア分子構造を有する2つのキレート剤を意味しないが、同一の基本コア構造の異なる会合対イオン又は異なるイオン化可能種であるものを含む。
【0033】
キレート剤の組み合わせは、当業者により、カルシウムイオンの過剰な結合により酵素安定性に悪影響を与えずに、重金属(例えばFe)封鎖をもたらすように選択されてよい。本発明で有用なキレート剤の非限定例は、米国特許第7445644号、同第7585376号、及び米国特許出願公開第2009/0176684A1号に含まれる。
【0034】
有用なキレート剤には、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)などの重金属キレート剤、及び/又はタイロンを含むがこれに限定されないカテコールが、挙げられる。二重キレート剤系が使用される実施形態では、キレート剤はDTPA及びタイロンであってよい。
【0035】
DTPAは以下のコア分子構造を有する:
【化2】
【0036】
1,2−ジヒドロキシベンゼン(diydroxybenzene)−3,5−ジスルホン酸としても既知であるタイロンは、カテコール族の1つであり、以下に示されたコア分子構造を有する:
【化3】
【0037】
他のスルホン化カテコールが有用である。ジスルホン酸に加えて、用語「タイロン」はまた酸のモノ−、又はジスルホネートの塩、例えば二ナトリウムスルホン酸塩を含んでもよく、これは同一のコア分子構造をジスルホン酸と共有する。
【0038】
本明細書に用いるのに好適な他のキレート剤は、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、多官能置換された芳香族のキレート剤、及びこれらの混合物からなる群から選択できる。特に有用なキレート剤には、HEDP(ヒドロキシエタンジメチレンホスホン酸)、MGDA(メチルグリシン二酢酸)、及びこれらの混合物が挙げられるが、これに限定されない。
【0039】
理論によって束縛されることを意図しないが、これらの材料の利益は、一部において、溶解性キレートの形成によって洗浄溶液から重金属イオンを除去することができる例外的な能力によるものであり、他の利点には、無機フィルム又はスケール防止が挙げられる。本明細書で用いるのに好適な他のキレート剤は、市販されているDEQUESTシリーズ、並びにMonsanto、DuPont、及びNalco,Inc.からのキレート剤である。
【0040】
キレート剤として有用なアミノホスホネートは、エチレンジアミンテトラアセテート、N−(ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリアセテート、ニトリロトリアセテート、エチレンジアミンテトラプロピオネート、トリエチレンテトラアミンヘキサアセテート、ジエチレントリアミン−ペンタアセテート、及びエタノールジグリシン、アルカリ金属、アンモニウム、及びその置換アンモニウム塩、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これに限定されない。
【0041】
洗剤組成物内の総リンが少なくとも低濃度で許容される場合、アミノホスホネートも本発明の組成物におけるキレート剤として使用するのに好適であり、それにはエチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)が挙げられる。好ましくは、これらのアミノホスホネートは、約6個を超える炭素原子を有するアルキル又はアルケニル基を含有しない。
【0042】
多官能置換された芳香族キレート剤も、本明細書の組成物中で有用である。米国特許第3,812,044号(Connorら、1974年5月21日発行)を参照のこと。好ましいこの種の酸型の化合物は、1,2−ジヒドロキシ−3,5−ジスルホベンゼンなどのジヒドロキシジスルホベンゼンである。
【0043】
本明細書で用いる生分解性キレート剤は、エチレンジアミンジサクシネート(「EDDS」)、特に(限定されないが)米国特許第4,704,233号に記載される[S,S]異性体である。三ナトリウム塩が好ましいが、その他の形態、例えばマグネシウム塩も有用であり得る。
【0044】
キレート剤系は、本明細書に開示される洗剤組成物の約.2重量%〜約.7重量%、約.3重量%〜約.6重量%で、本発明の注ぎ可能な水性組成物中に存在してよい。
【0045】
ビルダー
本明細書の組成物はビルダーを含んでよい。有用なビルダーとして、本明細書の組成物を使用する洗濯中に遭遇するカルシウム、マグネシウム、又は他のイオン、水の硬度の影響を弱めるように作用する物質が挙げられるが、これらに限定されない。こうした物質の例には、クエン酸、コハク酸、マロン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボン酸、ポリカルボン酸、及びポリアセチルカルボン酸のアルカリ金属塩が挙げられる。具体的な例としては、オキシジコハク酸、メリト酸、ベンゼンポリカルボン酸、C10〜C22脂肪酸、及びクエン酸のナトリウム塩、カリウム塩、及びリチウム塩が挙げられる。その他の例は、MonsantoによりDequestの商標名で販売されてきたもの及びアルカンヒドロキシホスホネートのような、有機ホスホネートタイプの金属イオン封鎖剤である。クエン酸塩及びC12〜C18脂肪酸石鹸が極めて好ましい。
【0046】
他の好適な有機ビルダーには、ビルダーの特性を有することが知られている、より高い分子量のポリマー及びコポリマーが挙げられる。例えば、こうした物質には、適切なポリアクリル酸、ポリマレイン酸、及びBASFによってSokalanの商標名で販売されているもののようなポリアクリル酸/ポリマレイン酸コポリマー及びそれらの塩が挙げられる。
【0047】
使用する場合、有機ビルダー物質は一般的に、組成物の0重量%〜約8重量%、約3重量%〜約7重量%、約2重量%〜6重量%を含んでなる。
【0048】
好ましいビルダーは、クエン酸、脂肪酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、クエン酸は利用される唯一のビルダーであり、約4.5重量%以下で組成物中に存在する。理論に束縛されるものではないが、クエン酸含有量が低いと、水の結合が少なくかつコストが低減することにより、コンパクト洗剤の処方の柔軟性がより増すと考えられる。いくつかの実施形態では、クエン酸は、4%未満、3%未満、2%未満、又は更に1%未満で組成物中に存在する。
【0049】

本明細書で使用するとき「水」は、製品中の全ての水分を意味し、水として直接添加されてもよく、又は製品のその他構成成分と組み合わせて添加されてもよい。例えば、他の製品成分を含んでなる溶液のペースト内に水を添加することができる。
【0050】
酵素
いくつかの実施形態では、注ぎ可能な水性洗剤組成物は酵素を含んでなる。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、洗剤組成物の約0.00001重量%〜約5重量%、具体的には約0.001重量%〜約2重量%、より具体的には約0.00001重量%〜約1重量%、更により具体的には約0.001重量%〜約0.2重量%、更に一層より具体的には約0.005重量%〜約0.1重量%の酵素を含む。
【0051】
本組成物が、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、及び/又はセルラーゼから選択される少なくとも3成分酵素系を含んでなることが好ましい場合がある。
【0052】
リパーゼ。好適なリパーゼとしては、細菌由来又は真菌由来のものが挙げられる。化学修飾された変異体又は改質されたタンパク質変異体が含まれる。有用なリパーゼの非限定例として、例えば、欧州特許第258 068号及び同第305 216号に記載されているH.ラヌギノーサ(T.ラノギノサス)、又はH.イソレンス(国際公開第96/13580号参照)から得られるヒューミコラ(同義語は、サーモミセス)、例えばP.アルカリゲネス又はP.シュードアルカリゲネス(欧州特許第218 272号参照)、P.セパシア(欧州特許331 376号参照)、P.スタツェリ(英国特許第1,372,034号参照)、P.フルオレッセンス、シュードモナスsp.菌株SD 705(国際公開第95/06720号、及び同第96/27002号参照)、P.ウィスコンシネシス(国際公開第96/12012号参照)から得られるシュードモナスリパーゼ、例えばB.サブティリス(Dartois et al.(1993),Biochemica et Biophysica Acta,1131,253〜360参照)、B.ステアサーモフィラス(日本特許第64/744992号参照)又はB.プミルス(国際公開第91/16422号参照)から得られるバチルスリパーゼ、などから得られるリパーゼが挙げられる。
【0053】
リパーゼは、米国特許第6,939,702号、及び同第2009/0217464号に説明されるものといった「第1サイクルのリパーゼ」であってもよい。一態様では、リパーゼは第1洗浄用リパーゼであり、好ましくはT231R及びN233R変異を含んでなる子嚢菌(Thermomyces lanuginosus)由来の野生型リパーゼの変異体である。野生型配列は、Swiss−protの受け入れ番号Swiss−Prot O59952の、(Thermomyces lanuginosus(Humicola lanuginosa)由来の)269個のアミノ酸(アミノ酸23〜291)である。好ましいリパーゼは、Novozymes,Bagsvaerd,Denmarkによって、Lipex(登録商標)、Lipolex(登録商標)、及びLipoclean(登録商標)の商品名で販売されるものが挙げられよう。
【0054】
いくつかの実施形態では、組成物は、野生型アミノ酸と>90%の同一性を有し、T231及び/又はN233における置換、好ましくはT231R及び/又はN233Rを含んでなるサーモミセス・ラヌギノーサリパーゼの変異体(本明細書において「第1洗浄用リパーゼ」)を含んでなる。
【0055】
プロテアーゼ。好適なプロテアーゼとして、サブチリシン(EC 3.4.21.62参照)などの、中性又はアルカリ性の微生物セリンプロテアーゼなどの、メタロプロテアーゼ及び/又はセリンプロテアーゼが挙げられる。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物、又は微生物起源のものが挙げられる。一態様では、そのような好適なプロテアーゼは、微生物起源のものとすることができる。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学修飾又は遺伝子組み換えの突然変異体が挙げられる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼなどのセリンプロテアーゼであり得る。
【0056】
好適な中性又はアルカリ性プロテアーゼの非限定例として、以下のものが挙げられる。
【0057】
(a)サブチリシン(EC 3.4.21.62)(Bacillus lentus、B.alkalophilus、B.subtilis、B.amyloliquefaciens、Bacillus pumilus及びBacillus gibsoniiなどのBacillusから誘導されたものを含む)(米国特許第6,312,936号、同第5,679,630号、同第4,760,025号、同第7,262,042号及び国際公開特許第09/021867号に記載)。
【0058】
(b)トリプシン(例えばブタ又はウシ由来)などのトリプシン型又はキモトリプシン型プロテアーゼ(PCT国際公開特許WO 89/06270号に記述されているフサリウムプロテアーゼ、及び同WO 05/052161号及び同WO 05/052146に記述されているCellumonasに由来するキモトリプシンプロテアーゼを含む)。
【0059】
(c)メタロプロテアーゼ(国際公開特許第07/044993号に記述されているBacillus amyloliquefaciensから誘導されたものを含む)。
【0060】
好ましいプロテアーゼとしては、Bacillus gibsonii又はBacillus Lentusから誘導されるものが挙げられる。
【0061】
好適な市販のプロテアーゼ酵素としては:Novozymes A/S(Denmark)より、Alcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquanase Ultra(登録商標)、Savinase Ultra(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)及びEsperase(登録商標)の商品名で販売されているもの、Genencor Internationalより、Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)及びPurafect OXP(登録商標)の商品名で販売されているもの、Solvay Enzymesより、Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)の商品名で販売されているもの、Henkel/Kemiraより入手可能なもの、すなわちBLAP(以下の変異S99D+S101R+S103A+V104I+G159Sを有する、米国特許第5,352,604号の図29で示される配列、以降BLAPとして参照する)、BLAP R(S3T+V4I+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)、BLAP X(S3T+V4I+V205Iを有するBLAP)及びBLAP F49(S3T+V4I+A194P+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)(以上、全てHenkel/Kemira)、並びに花王のKAP(変異A230V+S256G+S259Nを有するBacillus alkalophilusのサブチリシン)が挙げられる。
【0062】
いくつかの実施形態では、組成物は、BLAP、BLAP R、BLAP X、又はBLAP F49から選択されるサブチリシンプロテアーゼを含んでなる。
【0063】
セルラーゼ。好適なセルラーゼとしては、細菌由来又は真菌由来のセルラーゼが挙げられる。化学修飾された変異体又は改質されたタンパク質変異体が含まれる。好適なセルラーゼとしては、バチルス属(genera Bacillus)、シュードモナス(Pseudomonas)属、フミコラ(Humicola)属、フサリウム(Fusarium)属、チエラビア(Thielavia)属、アクレモニウム(Acremonium)属由来のセルラーゼが挙げられ、例えば、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、ミセリオフトラ・テルモフィラ(Myceliophthora thermophila)から作製される真菌セルラーゼ、及び米国特許第4,435,307号、同第5,648,263号、同第5,691,178号、同第5,776,757号及び国際公開特許第89/09259号に開示されているフザリウム・オキスポラム(Fusarium oxysporum)が挙げられる。
【0064】
一態様において、セルラーゼは、米国特許第7,141,403号のアミノ酸配列の配列番号2と少なくとも90%、94%、97%、及び更には99%の同一性を有する配列及びこれらの混合物を有する、例えば、バチルス属の一員に対して内因性の細菌性ポリペプチドなどの、エンド−β−1,4グルカナーゼ活性(E.C.3.2.1.4)を示す微生物由来のエンドグルカナーゼを含み得る。好適なエンドグルカナーゼは、Celluclean(登録商標)(Novozymes A/S,Bagsvaerd,Denmark)の商品名で販売されている。更に好適なエンドグルカナーゼは、米国特許第7,361,736号(Novozymes)に記載されるXYG1006酵素の変異体である。好適なエンドグルカナーゼは、Whitezyme(登録商標)(Novozymes A/S,Bagsvaerd,Denmark)の商品名で販売されている。
【0065】
いくつかの実施形態では、組成物は、17kDa〜30kDaの分子量を有する、グリコシルヒドロラーゼのファミリー45に属する洗浄セルラーゼ、例えば、Biotouch(登録商標)NCD、DCC、及びDCL(AB Enzymes,Darmstadt,Germany)の商品名で販売されるエンドグルカナーゼを含んでなる。
【0066】
アミラーゼ。好ましくは、本組成物は、バチルスsp.に内因性のAA560アルファアミラーゼと60%超の同一性を有するアミラーゼを含んでなる。DSM 12649は、好ましくは、バチルスsp.に内因性のAA560アルファアミラーゼの変異体である。DSM 12649は、
(a)9、26、149、182、186、202、257、295、299、323、339及び345のうち1つ以上の位置における突然変異、並びに(b)任意に、存在する場合には好ましくはR118K、D183、G184、N195F、R320K及び/又はR458Kを含んでなる118、183、184、195、320及び458の1つ以上、好ましくは全ての位置における置換及び/又は欠失を有する。
【0067】
好適な市販のアミラーゼ酵素としては、Stainzyme(登録商標)Plus、Stainzyme(登録商標)、Natalase、Termamyl(登録商標)、Termamyl(登録商標)Ultra、Liquezyme(登録商標)SZ(全てNovozymes,Bagsvaerd,Denmark)、及びSpezyme(登録商標)AA、又はUltraphlow(Genencor,Palo Alto,USA)が挙げられる。
【0068】
コリンオキシダーゼ。組成物は、D.Ribitschら、Applied Microbiology and Biotechnology,Volume 81,Number 5,pp 875〜886,(2009)に開示される技術を使用して生成される、アルスロバクタ・ニコチアナエに内因性の59.1kDaのコリンオキシダーゼ酵素などの、コリンオキシダーゼ酵素を含んでよい。
【0069】
他の酵素。他の好適な酵素は、植物、細菌、又は真菌由来のものを含む、ペルオキシダーゼ/オキシダーゼである。化学修飾された変異体又は改質されたタンパク質変異体が含まれる。有用なペルオキシダーゼの例は、コプリナス(Coprinus)属のペルオキシダーゼ、例えば、国際公開特許第93/24618号、同第95/10602号、及び同第98/15257号に記載のようなC.サイネレウス(cinereus)及びその変異型のペルオキシダーゼである。
【0070】
市販のペルオキシダーゼとしては、GUARDZYME(登録商標)(Novozymes A/S)が挙げられる。
【0071】
その他好ましい酵素として、Pectawash(登録商標)、Pectaway(登録商標)の商品名で販売されるペクチン酸リアーゼ;Mannaway(登録商標)の商品名で販売されるマンナナーゼ(全てNovozymes A/S,Bagsvaerd,Denmarkから)、及びPurabrite(登録商標)(Genencor International Inc.,Palo Alto,California);クチナーゼ;ラッカーゼ;ホスホリパーゼ;リゾホスホリパーゼ;アシルトランスフェラーゼ;ペルヒドロラーゼ;アリールエステラーゼ;並びにこれらの任意の混合物が挙げられる。
【0072】
他の成分
色相染料
いくつかの実施形態では、注ぎ可能な水性洗剤組成物は色相染料を含んでなる。任意の好適な色相染料が有用であり得る。有用な色相染料の非限定的な例として、米国特許第7,205,269号、同第7,208,459号、及び同第7,674,757 B2号に見出されるものが挙げられる。例えば、色相染料は、トリアリールメタンブルー及びバイオレット塩基性染料、メチンブルー及びバイオレット塩基性染料、アントラキノンブルー及びバイオレット塩基性染料、アゾ染料塩基性ブルー16、塩基性ブルー65、塩基性ブルー66、塩基性ブルー67、塩基性ブルー71、塩基性ブルー159、塩基性バイオレット19、塩基性バイオレット35、塩基性バイオレット38、塩基性バイオレット48、オキサジン染料、塩基性ブルー3、塩基性ブルー75、塩基性ブルー95、塩基性ブルー122、塩基性ブルー124、塩基性ブルー141、ナイルブルーA及びキサンテン染料塩基性バイオレット10、アルコキシル化トリフェニルメタンポリマー着色剤、アルコキシル化チオフェン(thiopene)ポリマー着色剤;チアゾリウム染料、並びにこれらの混合物の群から選択してよい。
【0073】
好ましい色相染料として、国際公開第08/87497 A1号に含まれる増白剤が挙げられる。これらの増白剤は以下の構造(I)によって特徴付けることができる:
【化4】
式中R及びRは、以下から独立して選択され得る:
a)[(CHCR’HO)(CHCR”HO)H]
式中、R’は、H、CH、CHO(CHCHO)H、及びそれらの混合物からなる群から選択され、R”はH、CHO(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、x+y≦5であり、式中、y≧1であり、式中、z=0〜5であり、
b)R=アルキル、アリール又はアリールアルキル、かつR=[(CHCR’HO)(CHCR”HO)H]
式中、R’はH、CH、CHO(CHCHO)H、及びそれらの混合物からなる群から選択され、R”はH、CHO(CHCHO)H、及びそれらの混合物からなる群から選択され、x+y≦10であり、y≧1であり、z=0〜5であり、
c)R=[CHCH(OR)CHOR]、及びR=[CHCH(OR)CHOR
式中、RはH、(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、z=0〜10であり、
は(C〜C16)アルキル、アリール基、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
d)R1及びR2はスチレンオキシド、グリシジルメチルエーテル、イソブチルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル及びグリシジルヘキサデシルエーテルのアミノ付加生成物、から独立して選択することができ、更に、1〜10個のアルキレンオキシド単位を付加するもの、から独立して選択することができる。
【0074】
本発明の好ましい増白剤は下記の構造(II)によって特徴付けることができる:
【化5】
式中、R’はH、CH、CHO(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、R”はH、CHO(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、x+y≦5であり、y≧1であり、z=0〜5である。
【0075】
本発明の更に好ましい増白剤は、以下の構造(III)によって特徴付けることができる:
【化6】
【0076】
いくつかの態様では、構造IIIを特徴とする増白剤は、合計5つのEO基を有する混合物である。この構造は、上記「パートa」の以下のペンダント基の構造Iにおける以下の選択によって達成される。
【表1】
【0077】
有用な更なる増白剤は、米国特許出願公開第2008 34511 A1号(Unilever)に記載されているものが挙げられる。好ましい剤は、この公開特許4ページに図示される「バイオレット13」である。
【0078】
構造剤
本発明のいくつかの実施形態では、液体洗濯洗剤組成物は構造剤を更に含んでなる。有用な構造剤として、米国特許出願公開第2006/0205631A1号、同第2005/0203213A1号、米国特許第7294611号、同第6855680号に開示されるものが挙げられる。米国特許第6855680号では、好適なヒドロキシ官能結晶性物質が詳細に定義されている。好ましいものは、硬化ヒマシ油である。有用な構造剤の非限定例として、硬化ヒマシ油;硬化ヒマシ油誘導体;微小繊維性セルロース;ヒドロキシ官能結晶性物質、長鎖脂肪アルコール、12−ヒドロキシステアリン酸;粘土、及びこれらの混合物の群から選択されるものが挙げられる。いくつかの実施形態では、交互に低分子量有機ゲル化剤を使用してよい。このような物質は、Richard G.Weiss及びPierre Terech編集のMolecular Gels,Materials with Self−Assembled Fibrillar Networksに定義されている。
【0079】
真珠光沢剤
本発明のいくつかの実施形態では、液体洗濯洗剤組成物は真珠光沢剤を更に含んでなる。有用な真珠光沢剤として、米国特許出願公開第2008/0234165A1号に記載されるものが挙げられる。真珠光沢剤の非限定例は、雲母;二酸化チタン被覆雲母;オキシ塩化ビスマス;魚のうろこ;以下の式のアルキレングリコールのモノ及びジエステルの群から選択してよい。
【化7】
式中、
a.Rは直鎖又は分枝鎖のC12〜C22アルキル基であり、
b.Rは直鎖又は分枝鎖のC2〜C4のアルキレン基である。
【0080】
c.Pは、H;C1〜C4アルキル;又は−CORの群から選択され、
d.n=1〜3である。
【0081】
いくつかの実施形態では、アルキレングリコールがエチレングリコールジステアリン酸(EGDS)であるようにR2はR1と同じである。
【0082】
汚れ
本発明の製品は、様々な汚れを効果的に除去する。汚れの非限定例として、油脂性の汚れ(飽和及び/又は不飽和を含む)、屋外の汚れ、赤色汚れ、飲料汚れ、血液、食物汚れ、及びこれらの混合物が挙げられる。飽和油脂性の汚れの非限定例として、タコスの油、ベーコンの油、及びハンバーガーの油が挙げられる。不飽和の汚れの非限定例として、オリーブ油、キャノーラ油、マーガリン、及びイタリアンドレッシングが挙げられる。屋外の汚れの非限定例として、草及び粘土(有機及び/又は無機)が挙げられる。赤色の汚れの非限定例として、ケチャップ及びトマトソースが挙げられる。飲料の汚れの非限定例として、グレープジュース、ワイン、ソーダ、及びCoolaid(商標)が挙げられる。汚れの更なる非限定例として、化粧料、血液、チョコレート、肉汁、及び果物の汚れが挙げられる。
【0083】
CAP
図1は、汚れを前処理するのに使用され得る洗剤組成物300を分与するためのキャップ10の実施形態を例示する。キャップ10は基部20を備えてなる。基部20は基部の内部30、及び基部の内部30と反対側の基部の外部40を有する。基部の内部30は周辺部50を有する。基部20は、材料の単一層、例えば高密度ポリエチレン若しくはポリプロピレン、多層化材料、中空部材、又は洗濯洗剤組成物300の容器110のキャップ10に使用されるのに十分な構造的一体性を有する、任意の他のこのような構造体又は材料であってよい。基部の外部40は、センチメートルの尺度で測定されたとき、テーブル、又は洗濯機若しくは乾燥機の平坦な一部分など、実質的に平坦である他の表面上に安定して設定され得る表面構成を提供することができる。かかる表面構成は概ね平坦な表面、又は起伏のある表面構成であってもよい。基部20が平坦な表面上に設定されたとき、容器110からの洗剤組成物300は、キャップ10の注ぎ容積100内に注ぐことができ、キャップ10は、洗剤組成物300が注ぎ容積100に注がれるとき、容易に横転しない。
【0084】
容器壁部60は周辺部50から縁90まで延びる。容器壁部60は、キャップの長手方向軸Lを中心に延びる。容器壁部60は内面70、及び内面70と反対側の外面80を有する。容器壁部60は、材料の単一層、例えば高密度ポリエチレン若しくはポリプロピレン、多層化材料、中空部材、又は洗濯洗剤組成物300の容器のキャップ10として使用されるのに十分な構造的一体性を有する、任意の他のこのような構造体又は材料であってよい。内面70は、洗剤組成物300の適切な単位用量を提供する所望のレベルの洗剤組成物300にマークを付ける、1つ以上のしるし62を備えてもよい。しるし62は、エッチング、凹部、隆起部、印刷、又は消費者によって観察可能である任意の他の構造体であり得る。容器壁部60は円筒部分であってもよい。
【0085】
内面70及び基部の内部30は共に注ぎ容積100を画定し、基部の内部30は、注ぎ容積100の閉鎖端部を形成する。注ぎ容積100は、洗剤組成物300の単位容量を提供するような大きさかつ寸法にされ得る。洗剤組成物300は、液体洗剤組成物300は、TIDE(The Procter & Gamble Co.(Cincinnati,OH,USA)から入手可能)など例えば市販されている任意の液体洗剤などの液体洗剤組成物300であってもよい。一実施形態では、内面70及び基部の内部30は共に、カップの閉鎖端を形成する基部の内部30を備える開口した又は部分的に開口したカップを形成する。長手方向軸Lは、縁90によって又は縁90によって部分的に画定されるキャップ10の開口端部の開口部分を通じて延びることができる。
【0086】
容器壁部60の内面70は、長手方向軸Lを中心とした回転面によって画定され得る。一実施形態では、容器壁部60の内面70は、中空の円筒の内面の一部分によって画定され得る。長手方向軸Lに平行でない関数の回転面、及び、非線型関数の回転面が考慮される。回転面である容器壁部60の内面70を有するキャップ10は、キャップ10の製造の容易さをもたらすことができ、製造及びパッケージング中に、洗剤組成物300で容器110を充填した後、キャップ10を容器110と係合する。
【0087】
キャップ10は、洗剤組成物300を含む容器110に密封係合され得る。密封係合されることによって、キャップ10は、容器110及びその内部に保管された洗剤組成物300の製造、パッケージング、搬送、取り扱い、保管、及び使用中に生じる、キャップ10及び容器110への応力下において、許容されない量の洗剤組成物300を容器から漏洩しない。キャップ10はキャップ10上に配置されたコネクタ130、及び容器の開口部112上に配置された対応の受容部132によって密閉係合され得る。コネクタ130及び対応の受容部132は、突起部及び溝部の組み合わせであってもよく、この組み合わせは、突起部がコネクタ130若しくは受容部132であってもよく、溝部は、突起部でないコネクタ130及び受容部132のいずれかであるように、配置される。コネクタ130及び受容部132は、キャップ10及び容器110上に螺旋状に設けられた、対応する配置されたねじ山134に連結してもよい。すなわち、コネクタ130はねじ山であってよく、かつ受容部132は対応するねじ山であってもよい。キャップ10は、キャップ10上に螺旋状に配置されたでねじ山134、及び容器110の開口部112上に対応して配置されたねじ山134によって容器と密閉係合されてもよい。キャップ10は、コネクタ130が容器110上で受容部132と動作可能に係合され得るように、任意の好適な位置に、コネクタ130を備えてもよい。コネクタ130は、容器壁部60の外面80上に配置されてもよい。コネクタ130は、容器壁部60の内面70上に配置されてもよい。キャップ10は、ねじ山134がコネクタ110と動作可能に係合され得るように、任意の好適な位置に、ねじ山134を備えてもよい。ねじ山134は容器壁部60の外面80上に配置されてもよい。ねじ山134は、容器壁部60の内面70上に配置されてもよく、これはキャップ10の、より清浄な使用をもたらすことができる。キャップ10は、圧入によって容器110に解放可能に取り付け可能であり、かつそこから取り外し可能であってもよい。
【0088】
図1に示すように、縁90は堰160を有してもよい。堰160は、キャップ10からの洗剤組成物300の流量を抑制することによって、少量の洗剤組成物300が汚れに塗布されたとき、布地の汚れに洗剤組成物300の、より正確な送達を提供することができる。堰160は、V形状、半円の形状、台形の形状、動水半径を記述する不連続関数を有するマルチレベルの堰、又は洗剤組成物300の流量を抑制する任意の他のかかる形状を含む、堰の任意の一般的な形状であってもよい。
【0089】
キャップ10は、縁90上、コネクタ130と縁90間の外面80上、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される位置に、複数の第1表面凹凸部150を備えることができる。例えば、図1に示されるように、第1表面凹凸部150は、縁90上、及びコネクタ130と縁90との間にあるとして示される。第1表面凹凸部150は、縁90上であってもよい。第1表面凹凸部150は、縁90の約5mm内であってもよい。第1表面凹凸部150は、縁90上、又は縁90の約5mm内であってもよい。第1表面凹凸部150は、縁90上、かつキャップ10上に設けられたコネクタ130と、縁90との間であってもよい。消費者がキャップ10を把持し、注ぎを実行するとき、いったん注がれると、そのように配置された第1表面凹凸部150は、消費者がその手にキャップを再配置する必要なく、第1表面凹凸部150を用いて、布地上の汚れをこすり洗いするために使用される。更に、第1表面凹凸部150を配置することによって、例えば前処理し、洗剤組成物300を投与するためにキャップ10を使用した後など、その上に少量の洗剤組成物300を有する場合がある第1表面凹凸部150、容器110内部のいずれかの乱雑状態を保持することができは、容器110の開口部112内に戻して適合される。
【0090】
汚れ前処理プロセスの一部として、布地内の汚れに洗剤組成物300が塗布される前又は後に、第1表面凹凸部150は、汚れた布地に対してこすることができる地形学的に多用な表面を提供することができる。地形学的に多用な表面は、平滑でない表面である。布地上の汚れに対してこすられるとき、第1表面凹凸部150は、汚れの凝集を除去し、布地の繊維構造を変形させ、洗剤組成物300が繊維構造に、より完全に浸透するのを可能にし、布地の繊維を操作することによって、繊維のより大きな表面積が洗剤組成物300によって湿潤されるのを可能にするのを助けると考えられる。理論に束縛されるものではないが、汚れの凝集を除去すること、洗剤組成物300を用いて、より完全に汚れた布地に浸透すること、及び繊維のより大きな表面積に洗剤組成物300を塗布することは、布地の汚れの前処理の有効性を改善することができると考えられる。
【0091】
複数の第1表面凹凸部150は、複数の第1表面凹凸部150に隣接するキャップ10の部分の表面トポグラフィとは異なる表面トポグラフィを有することができる。第1表面凹凸部150は、複数のピークと、隣接するピーク同士の間に振幅及び約0.1mmよりも大きい低い部分を有する複数の低い部分と、を有する表面を提供することができる。第1表面凹凸部150は、複数のピークと、隣接するピーク同士の間に振幅及び約0.2mmよりも大きい低い部分を有する複数の低い部分と、を有する表面を提供することができる。第1表面凹凸部150は、複数のピークと、隣接するピーク同士の間に振幅及び約0.5mmよりも大きい低い部分を有する複数の低い部分と、を有する表面を提供することができる。第1表面凹凸部150は、複数のピークと、隣接するピーク同士の間に振幅及び約1mmよりも大きい低い部分を有する複数の低い部分と、を有する表面を提供することができる。低い部分は谷部分であってもよい。複数の第1表面凹凸部150は、領域に隣接するキャップ10の部分の表面トポグラフィとは異なる表面トポグラフィを有する領域を画定することができる。第1表面凹凸部150は、断続的に配置された凹んだ部分を有する、一連の上昇した部分であってもよい。凹んだ部分は連続的であってもよい。上昇した部分は連続的であってもよい。
【0092】
縁90は、第1表面凹凸部150と概ね位置合わせされる堰160を有してもよい。かかる実施形態では、「概ね位置合わせされる」によって、堰160及び第1表面凹凸部150は、長手方向軸Lを中心25に、互いに少なくとも約0.25πラジアン内であるということを意味する。例えば、図1に示されるように、堰160は第1表面凹凸部150と位置合わせされてもよい。キャップ10のユーザーが汚れを前処理するために、堰160にわたって洗剤組成物300を分与するとき、消費者は、ユーザーが汚れに対して第1表面凹凸部150をこするために、その手を再配置する必要がないような位置でキャップ10を保持しているため、かかる実施形態は実用的であり得る。更に、消費者が注ぎを観察するとき、消費者は第1表面凹凸部150を見る可能性があり、これは消費者に、第1表面凹凸部150を使用して汚れをこすり洗いするための視覚的合図を提供する。
【0093】
更に、そのように配置された第1表面凹凸部150を用いて、ユーザーは、単位用量の注ぎが始められたとき、第1表面凹凸部150を見ることができる。これは、消費者にとって、汚れを前処理する前に洗面器に単位用量を注ぐときに、消費者が第1表面凹凸部150を見る場合、消費者にとって、汚れを前処理するリマインダーとして実用的であり得る。
【0094】
一実施形態では、第1表面凹凸部150は第1材料を含むことができ、第1材料の隣のキャップ10の他の部分は第2材料を含むことができ、第1材料及び第2材料は互いに異なる。一実施形態では、第1表面凹凸部150は第1材料を含んでもよく、第1材料の隣のキャップ10の他の部分は、第2材料を含んでもよく、第1材料及び第2材料は、弾性係数、化学組成、ショアA硬度、色、及びこれらの組み合わせよりなる群から正しく選択されることによって、互いに異なる。ショアA硬度は、材料が評価されるとき、同じ組成物の材料でASTM D2240に従って測定される。第1材料から構成される第1表面凹凸部150を備えてなるキャップ10、及び第2材料を含んでなる第1材料の隣のキャップ10の他の部分は、第1材料及び第2材料が別個のショットで成形型に送達される2ショットの射出成形プロセスによって形成されてもよい。一実施形態では、第1材料は、ポリプロピレン、ゴム、ネオプレン、及び/又はKRATONを含んでもよい。一実施形態では、第1材料の隣のキャップ10の部分は、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、スチロールアクリロニトリル(styro lacrylintrol)であってもよい。第1表面凹凸部はエラストマー材であってもよい。
【0095】
一実施形態では、より低いショアA硬度又はより低い弾性係数によって示され得るように、第1材料はユーザーにとって、第2材料よりも、より柔軟な感触を有してもよい。第2材料は、洗剤組成物300のパッケージング、保管、搬送、及び展示中、並びに汚れを前処理するために消費者によるキャップ10の使用中に、許容可能な全体の構造的安定性を提供するように選択されてもよい。より容易に変形可能な第1材料は、第2材料から形成されたこすり表面よりも、処理される布地上に穏やかであり、かつ処理される布地を損傷させる場合がないこすり洗い表面を提供してもよい。第1材料は約20〜約80のショアA硬度を有してよい。第1材料は約40〜約60のショアA硬度を有してよい。第1材料は、第1材料の隣のキャップ10の一部分のショアA硬度の約80%未満であるショアA硬度を有してもよい。
【0096】
第1材料及び第2材料を2つの異なる色で提供することは、キャップ10のどの部分が、汚れをこすり洗いするために使用されるように設計されているかということを素早く識別するのを助けることができ、キャップの製造及び/又は組み立て、並びに洗剤組成物300のパッケージング中にキャップ10を位置決めするのに使用され得る視覚システムにとって有用であり得る。異なる化学組成を有するように第1材料及び第2材料を提供することは、キャップ10のために、キャップ10のどの異なる部分が異なる機能(例えば、キャップの1つの部分はこすり洗いに関して実用的かつ耐久性があり、キャップ10の他の部分は構造的安定性を提供する)を提供するために設計されているということを生じさせることができる。
【0097】
潜在的に、より清浄な汚れの前処理プロセスを提供するために、キャップ10は、容器壁部60の外面80を少なくとも部分的に包囲するコレクタ250を提供することができ、この実施例は図1に示されている。コレクタ250は、容器壁部60の外面を少なくとも部分的に囲む、又はこれを囲むことができる。コレクタ250は、洗剤組成物300がキャップ10から分与されたとき、縁90又は開口部から滴る場合がある洗剤組成物300の容積の保持を提供することができる。コレクタ250の一部分は、容器壁部60の外面80から離間されてもよい。コレクタ250における空間及び外面80によって画定される保持容積は、縁90、堰160、又は開口部と、キャップ10上に配置されたコネクタ130との間の洗剤組成物300の流量の水力経路に沿って配置され得る。コレクタ250は、コネクタ130に洗剤組成物300がない状態を保持するのを助けることによって、消費者が洗剤組成物300と物理的に接触する場合がある可能性を低減する。コレクタ250は、容器110の開口部112に適合するような大きさかつ寸法であってもよく、これによって、キャップ10が前処理デバイスとして使用された後、容器110に再び取り付けられるとき、コレクタに捕獲された洗剤組成物300が容器110に戻って滴る。
【0098】
複数の第1表面凹凸部150は、リング、リブ152、突起部、毛、繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構造体であり得る。リブは、上昇した部分に対して窪んでいる、断続的に配置された細長い凹んだ部分を備える複数の細長い上昇した部分である。リブ152は例えば、基材にエッチングされた、又は成形された複数の隣接した溝部であってもよく、並びに複数の隣接した隆起部であってもよい。リブは、例えば基材に複数の隣接した溝部をエッチングすることによって、複数の隣接した溝部を背後に残すように基材を成形することによって、及び複数の隣接した隆起部を背後に残すように基材を成形することによって、基材に形成されてもよい。第1表面凹凸部150を有するキャップ10の一部分及び/又は複数のリブ152を有する第2表面凹凸部を形成することができる基材の実施例は、図2に概略的に例示されている。リブ152は、直線縁部及び円形を含め、任意の所望の断面を有してもよい。リブ152は、それらの長さに沿って湾曲していてもよい。リブ152は、布地を効果的にこすり洗いし、マッサージすることができる、凹凸のあるトポグラフィを提供すると考えられる。
【0099】
突起部154は、隣接する部分に対して上昇している、又は窪んでいる、概ね二次元の対称的な形状であり、その実施例の概略は図3に示されている。突起部は、非限定的な実施例として、半球の一部分の形状を有する上昇した部分若しくは窪んだ部分、又は直径Dの半分未満である高さHを有する円筒の形状を有する上昇した部分若しくは窪んだ部分であり得る。第1表面凹凸部150を有するキャップ10の一部分及び/又は複数の突起部154を有する第2表面凹凸部155を形成することができる基材の実施例は、図3に概略的に例示されている。突起部154は、布地を効果的にこすり洗いし、マッサージすることができる、凹凸のあるトポグラフィを提供すると考えられる。
【0100】
複数の毛156を有するキャップ10の一部分の実施例は、図4に概略的に例示されている。毛156は、約0.5よりも大きい直径Dに対する高さHのアスペクト比を有するフィラメントである。直径Dは、毛156がキャップ10から延びる位置である毛の基部において測定される。毛156の高さHは、そこから毛156の基部が、毛156と共に延びる表面に直交して測定され、毛156は、毛156の基部がそこから延びる表面から直交して延びる。毛156は、そこから毛156の基部が延びる表面から延びるとき、自立する形状を有することができる。非円筒形の断面を有する毛156に関して、直径Dは、そこから毛156がキャップ10から延びる位置に、毛156の断面積と同じ断面積を有する円筒形の直径であるようにとられる。フィラメントは別個のフィラメントであってもよい。毛156は、約1よりも大きい、直径Dに対する高さHのアスペクト比を有するフィラメントであってもよい。毛156は、約0.5よりも大きい、直径Dに対する高さHのアスペクト比を有するフィラメントであり得る。毛156は概ね円柱状の毛156であってもよい。毛156は、布地を効果的にこすり洗いし、マッサージすることができる、粗い質感/トポグラフィを提供すると考えられる。毛156は中空であってもよい。毛156は、固定された端部256及び自由端257を有してもよい。毛156は約1mm〜約10mmの高さを有してよい。毛156は約3mm〜約7mmの高さを有してよい。毛156は約7mm未満の高さを有してよい。
【0101】
リング158は閉鎖形状であり、その中では形状の中央部分159は形状の周辺部分161に対して凹んでおり、その概略的な実施例は図5に示されている。リング158は、布地を効果的にこすり洗いし、マッサージすることができる、凹凸のあるトポグラフィを提供するという点で実用的であると考えられる。リングは約0.5mm〜約3mmの高さを有してよい。リングは約2mm未満の高さを有してよい。リングは約1.5mmの高さを有してよい。
【0102】
繊維が織布、不織布、フック又はループ式の繊維であってもよく、例えば所望の位置に、キャップ10に取り付けられている織布又は不織布繊維によって提供されてもよい。キャップ10の安価で、かつ容易に製造された実施形態は、第1表面凹凸部150として繊維を使用することによって作製され得る。
【0103】
少量の洗剤組成物300の改良された制限のある注ぎを提供するキャップ10も検討される。例えば、キャップ10は、容器壁部60又は縁90からそれを通じて延びる開口部220を有する注ぎ棚部210を備えてもよく、その実施例は図6に示されている。開口部220は、別個かつ正確な注ぎを提供することができる。
【0104】
開口部220は、第1表面凹凸部150と概ね位置合わせされてもよい。かかる実施形態では、「概ね位置合わせされる」によって、開口部220及び第1表面凹凸部は、長手方向軸Lを中心に、互いに少なくとも約0.25πラジアン内であるということを意味する。
【0105】
図6に例示されるように、注ぎ棚部210は、容器壁部60又は縁90から長手方向軸Lの方へ戻って延びてもよい。汚れた布地上への少量の洗剤組成物300の注ぎを開始するためにキャップ10が僅かに傾けられているとき、キャップ10から開口部220を通じて洗剤組成物300が分与されるのを可能にすることによって、注ぎ棚部210は、消費者が、汚れた布地に塗布される洗剤組成物300の量を限定するのに役立つことができる。いったん正確な量の洗剤組成物300が汚れた布地に塗布されると、キャップ10に残っている洗剤組成物300は、洗濯機の上で更にキャップ10を傾けることによって洗濯機に投与することができ、洗濯組成物300がキャップ10から完全に注がれるのを可能にする。更なる便利性のために、開口部220は第1表面凹凸部150と概ね位置合わせされてもよく、これによってユーザーは第1表面凹凸部150を用いて汚れた布地のこすり洗いを始めるために、キャップ10をその手に再配置する必要がない。
【0106】
図7に示されるように、他の代替の配列では注ぎ棚部210は容器壁部60又は縁90から延びることができ、開口部220は注ぎ棚部210と基部20との間の容器壁部60にあり、開口部220は第1表面凹凸部150と概ね位置合わせされる。かかる実施形態では、「概ね位置合わせされる」によって、開口部220及び第1表面凹凸部150は、長手方向軸Lを中心に、互いに少なくとも約0.25πラジアン内であるということを意味する。
【0107】
消費者によって洗剤組成物300が少量で注がれたとき、注ぎ棚部210は、洗剤組成物300の流量の制限を提供するような大きさにされ、寸法にされ、及び配置されてもよい。注ぎ棚部210の一部分は容器壁部60又は縁90から戻って、長手方向軸Lの方へ延びてもよく、かつ長手方向軸Lに直交する面内にあってもよい。注ぎ棚部210の部分は面内の容器壁部60又は縁90から、長手方向軸Lに直交する約±0.5πラジアン内の面内に戻るように延びてもよい。注ぎ棚部210の一部分は注ぎ容積100において下方に基部の内部30に向かって更に延びてもよい。かかる設計は、前処理中に汚れに送達される洗剤組成物300の量の改善された制御を提供し得る。
【0108】
図8に示されるように、コネクタ130が縁90と第2表面凹凸部155との間であるように、キャップ10の外側でキャップが複数の第2表面凹凸部155を備えてなる実施形態もまた検討される。キャップ10は第2表面凹凸部155を有することができ、第1表面凹凸部150を有することができない。コネクタ130が縁90と第2表面凹凸部155との間であるように、かつ場合によってはキャップ上の他の場所には提供されように、キャップのこすり洗い表面はキャップの外側に提供されてもよい。キャップ10は、基部の外部40の一部分上、外面80の一部分上、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される位置に、複数の第2表面凹凸部155を備えてもよい。
【0109】
第2表面凹凸部155が、長手方向軸Lを中心に非対称に配置されながら、外面80上で、第2表面凹凸部155は、長手方向軸Lを中心に非対称に配置され、基部の外部40上では第2表面凹凸部155が毛156を備えてなり、外面80上では第2表面凹凸部155が毛156を備えてなり、及びこれらの組み合わせの状態で、キャップ10は前述の基部の外部40上からなる群から選択される位置に、複数の第2表面凹凸部155を備えることができる。かかる実施形態では、第2表面凹凸部155は、コネクタ130が縁90と第2表面凹凸部155との間にあるように配置され得る。第2表面凹凸部155は、第1表面凹凸部150に関して上記の構造体のいずれかであってもよい。第2表面凹凸部155は、リング158、リブ152、突起部154、毛156、繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構造体であってもよい。
【0110】
第2表面凹凸部155を、消費者が少量の洗剤組成物300を分与して、汚れを前処理するように、第2表面凹凸部155が配置されるように、第2表面凹凸部155を配置することによって、第2表面凹凸部155は、ユーザーがキャップ10をその手に再配置する、又は適切な位置において汚れに対してこすられるために第2表面凹凸部を位置決めすることができるように、その手を大きく動かす必要がないように、配置される。
【0111】
第2表面凹凸部155は第1材料を含んでもよく、第1材料の隣のキャップ10の他の部分は、第2材料を含んでもよく、第1材料及び第2材料は、弾性係数、化学組成、ショアA硬度、色、及びこれらの組み合わせから選択される特性において、互いに異なる。かかる構成は同じ方式で、キャップ10に関して上記と同じ理由のために提供されてもよく、ここでは第1表面凹凸部155はキャップ10の他の部分と異なる材料から形成される。
【0112】
第2表面凹凸部155が、長手方向軸Lを中心に非対称に配置される実施形態は、キャップ10のどの部分が、前処理中に汚れをこすり洗いするために提供されるかということを消費者が識別するのを助けることができる。非対称に配置されることによって、非対称に配置された第2表面凹凸部155が、外面80又は基部の外部40上の第2表面凹凸部155が単一位置(例えば長手方向軸L上のある点又は他の点など)付近でバランスがとられないように配置される。キャップ10は、外面80及び/又は基部の外部40上に複数の把持凹凸部260を備えてもよく、把持凹凸部260は、容器110からキャップ10を取り外すとき、消費者がキャップを把持するのを助ける構造体を提供するために所定の位置の付近に均一に分散され得る。把持凹凸部260は、1回対称、例えば長手方向軸L上のある点を通過する折れ目を有するように、ある位置の付近で外面80及び/又は基部の外部40上で対称に分布してもよい。
【0113】
第2表面凹凸部155は、第1材料から構成されてもよく、把持凹凸部260は第2材料から構成されてもよく、第1材料は第2材料とは、弾性率、化学組成、色、ショアA硬度、及びこれらの組み合わせから選択される特性において異なる。かかる構成は、こすり洗い器具として使用されるように設計されているキャップ10の部分をユーザーが識別するのを助けることができる。
【0114】
キャップ10は、注ぎ棚部210が容器壁部60又は縁90からそれを通じて延びる開口部220を有し、開口部220は第2表面凹凸部155と概ね位置合わせされている、あるいは注ぎ棚部210は容器壁部60又は縁90から延び、開口部220は、注ぎ棚部210と基部20との間で容器壁部60にあり、開口部220は第2表面凹凸部155と概ね位置合わせされる、キャップ10であってもよい。かかる実施形態の態様の実例は図8に示されている。
【0115】
図9に示されているように、縁90は堰160を有する場合があり、堰160は第2表面凹凸部155と概ね位置合わせされ得る。かかる実施形態では、「概ね位置合わせされる」によって、堰160及び第2表面凹凸部155は、長手方向軸Lを中心に、互いに少なくとも約0.25πラジアン内であるということを意味する。かかる実施形態では、ユーザーがキャップ10を傾け少量の洗剤組成物300を汚れに送達するとき、第2表面凹凸部155は自然に汚れに近接して配置され、ユーザーはキャップ10を更に傾ける又はキャップ10をその手に再配置する必要なく、こすり洗いの動作を容易に開始することができる。
【0116】
第2表面凹凸部155がリブ152である実施形態が図9に示されている。図9に示されるように、リブ152は、リブ152のパターンが外面80の周囲にわたって延びないパターンで、長手方向軸Lを中心に非対称に配置される。把持凹凸部260のパターンは、把持凹凸部260のパターンが、外面80の周囲にわたって延びるように、長手方向軸Lを中心に均一分散される。図9に示されるように、第2表面凹凸部155及び第1表面凹凸部150は、存在する場合、互いに概ね位置合わせされ得る。かかる実施形態では、「概ね位置合わせされる」ことによって、第1表面凹凸部150及び第2表面凹凸部155は、長手方向軸Lを中心に、互いに少なくとも約0.25πラジアン内であるということを意味する。かかる実施形態は、消費者に、彼らがこすり洗いのために使用することを望むキャップの部分の選択肢を与えるために提供することができる。キャップ10にある量の洗剤組成物300が残っている場合、消費者は第2表面凹凸部155の使用を好む場合がある。消費者は、異なるタイプの汚れに対する有効性に基づいて、第1表面凹凸部150と第2表面凹凸部155との間で選択することができる。
【0117】
キャップ10が第1表面凹凸部150及び第2表面凹凸部155の両方を有する場合、第2表面凹凸部155は第1表面凹凸部150に対して、物理的構造において実質的に同一であってもよい。かかる実施形態では、「実質的に同一」とは、第1表面凹凸部150及び第2表面凹凸部155は、異なるとしても、尺度又は寸法においてのみ異なる、同じ幾何学的特徴を有するということを意味する。例えば、第2表面凹凸部155が突起部154である場合、第1表面凹凸部もまた突起部154であってもよい。それぞれの位置における突起部154は同じ幾何学的特徴を有してもよく、突起部154の尺度又は寸法においてのみ異なっていてもよい。一実施形態では、第2表面凹凸部155はリブ152であってもよく、第1表面凹凸部150もまたリブ152であってもよい。かかる実施形態は、容器110が小売店において陳列されているとき、キャップ10が容器110と係合されるとき、第1表面凹凸部150が見えにくくなる設計を提供してもよい。第2表面凹凸部155は、この状態では消費者にとって見えるため、第2表面凹凸部155は、消費者がパッケージを開ける必要なく、見えにくい第1表面凹凸部150がどのように見えるかについて消費者に対する目安を提供することができる。これは、消費者が購入の前に、キャップ10に第1表面凹凸部150が備わっているかどうか見るために容器110を開けることを望む場合があるため、容器110が小売店で陳列されているときに重要であり得る。第2表面凹凸部155は、リング158、リブ152、突起部154、毛156、繊維、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される実施形態が検討される。
【0118】
毛156である第2表面凹凸部155に関して、毛156は、例えば図8に示されるように毛が長手方向軸に概ね平行に位置合わせされるように、又は長手方向軸Lに直交して概ね位置合わせされるように形成されてもよい。かかる構成では、第2表面凹凸部155が汚れた布地に対してこすり洗いされるとき、キャップ10が傾けられる傾向がある。したがって、ユーザーがキャップを用いてこすり洗いするとき、通常の力及び剪断力の組み合わせが、汚れた布地に送達され、毛156は、屈折することによって、ここの毛156の効果的なブラッシング運動を生じる傾向があり得る。
【0119】
毛156は、第2表面凹凸部155として存在する場合、毛156が長手方向軸Lからキャップ10の外面80の最大半径範囲で入れ子になるように設定されてもよい。かかる構成は、搬送、保管、及び使用中の損傷から毛156を保護することができる。同様の利益に関して、毛156は、長手方向軸Lに沿って最大軸範囲内に毛156が入れ子になるように設定することができる。
【0120】
縁90が注ぎ口92の形状を有するキャップ10の実施例が図10に示されている。縁90が、注ぎ口92の形状を有するキャップ10が、汚れた布地に対する少量の洗剤組成物300の正確な注入を提供し、並びに汚れの前処理中に偶発的に大量の洗剤組成物300が分与されるのを防ぐのを助けるために実用的であり得る。様々な注ぎ口92の形状、特に液体流をしっかりと導く傾向のあるこれらの形状が実用的であり得る。
【0121】
複数の第1表面凹凸部150が、注ぎ口92の先端部において提供され得る。一度少量の洗剤組成物300が汚れの上に注がれると、キャップ10が第1表面凹凸部150が都合良く汚れに対してこすられるようにユーザーの手に配置されるように、第1表面凹凸部150は有利に配置されてもよい。更に、ユーザーが、汚れを前処理するときに少量の洗剤組成物300のみを注ぎ容積100内に配置し、キャップ10をほとんど完全に傾けた場合、注ぎ口92は依然としてユーザーに見えており、ユーザーは第1表面凹凸部150を見ることができ、ユーザーの汚れのこすり洗いを観察することができる。注ぎ口92を有さずに、洗剤組成物300が分与される側と反対側に配置された縁90の部分は、第1表面凹凸部150及び消費者の汚れのこすり洗いの視界を邪魔する場合がある。更に、消費者がその手首を回転するとき、人指し指と親指との間の縁90上のある位置から流れが生じるように、消費者はキャップ10から注ぐ傾向があるため、消費者がこれらの機構を活用するためにこれらの機構が便利かつ人間工学的に配置されるように、第1表面凹凸部150は配置され得る。例えば、キャップ10は、縁90上、キャップ10上に配置されたコネクタ130と縁90との間、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される位置に、複数の第1表面凹凸部150を備えることができる。
【0122】
実用的な注ぎ口92の1つの代表的な設計は、図11に示されるように円筒部であってもよい。円筒形の部分の形状を有する注ぎ口92は、縁90の許容不可能な量の変形が汚れのこすり洗い中に発生しないように、構造的に安定であってもよい。更に、キャップ10の注ぎ容積100を洗剤組成物300で充填した後、ユーザーは洗剤組成物300の潤滑面を地面と水平に保持しようとする傾向がある場合がある。注ぎ容積100における洗剤組成物300の潤滑面が水平に保たれるとき、キャップ10のプロファイル図は見る者にとって角度の付いた縁90を呈する。キャップ若しくはカップなど、投与デバイスに対する消費者の期待は、例えば円筒形の注ぎ容積100を有するキャップの場合のように、キャップの縁90が地面と水平であるべきであるというものであり得る。したがって、洗剤組成物300を塗布して、汚れを前処理するとき、消費者は、カップ10から洗剤組成物300を注ぎ出す際に、キャップの縁90を自然にかつ直感的に平らにしようと試みる場合がある。消費者は、消費者が手首を回転するとき、流量が消費者の人差し指と親指の間のある位置から生じるように、キャップ10から注ぐ傾向があり得る。これらの見識を備えて、設計者は、縁90のどの部分を消費者がそこから注ぐために選択するのかということに大きな影響を有することができる場合がある。消費者を、縁90の特定部分から注ぐようにさせることによって、設計者はキャップ上の他の機構の位置、例えば第1表面凹凸部150、第2表面凹凸部155、開口部220、注ぎ棚部210、堰160、及びコレクタ250を、これらの形状が便利にかつ人間工学的に、ユーザーの手にキャップ10を再配置することなくユーザーがこれらの形状を使うことができるように、調整することができる。
【0123】
1つの例示の実施形態では、縁90は、基部の外部40に対して、約5度を超える角度βで傾斜した面に平行であってもよい。1つの例示の実施形態では、縁90は、基部の外部40に対して、約10度を超える角度βで傾斜した面に平行であってもよい。1つの例示の実施形態では、縁90は、基部の外部40に対して、約15度を超える角度βで傾斜した面に平行であってもよい。
【0124】
縁90は先端部94を有してもよく、これは洗剤組成物300が注ぎ容積100内に注がれ得るように、平坦な面上にキャップ10が配置されたとき、縁90の最も高い部分である。縁90は堰160を備えていてもよい。一実施形態では、縁90は、基部の外部40に対して、約5度を超える角度βで傾斜した面に平行であってもよく、縁は基部の外部40に対する先端部94を有してもよく、並びにキャップ10は縁90上で複数の第1表面凹凸部150を備えることができる。
【0125】
注ぎ口92を有するキャップ10は、基部の外部40の一部分又は外面80の一部分上に複数の第2表面凹凸部155を有することができ、その実施例は図12に示されている。1つの例示的な実施形態では、先端部94及び第2表面凹凸部155は互いに概ね位置合わせされる。かかる実施形態では、概ね位置合わせされることによって、先端部94及び第2表面凹凸部155は、長手方向軸Lを中心に、互いに少なくとも約0.25πラジアン内であるということを意味する。一実施形態では、縁90は先端部94において堰160を有してもよく、先端部94及び第2表面凹凸部155は、互いに概ね位置合わせされてもよい。かかる実施形態では、概ね位置合わせされることによって、先端部94及び第2表面凹凸部155は、長手方向軸Lを中心に、互いに少なくとも約0.25πラジアン内であるということを意味する。かかる第2表面凹凸部155を有する実施形態では、第2表面凹凸部155の位置を先端部94及び堰160(存在する場合)と調整することによって、消費者が洗剤組成物300を注ぎ終わって汚れを前処理するとき、消費者はその手にキャップ10を再配置する必要なく、第2表面凹凸部155を用いて汚れをこすり洗いするのに正確な位置に第2表面凹凸部155があり得る。注いだ後、消費者は第2表面凹凸部155が汚れた布地に近位に配置された状態で、キャップ10を直立位置で保持する傾向がある。
【0126】
注ぎ棚部210が、それを通じて縁90から延びる開口部220を有し、縁90が基部の外部40に対する先端部94を有し、開口部220が先端部94と概ね位置合わせされる例示の実施例が図13に示される。上記に開示されるように、注ぎ棚部210は、例えば容器壁部60又は縁90から延びてもよい。更に、上記に開示されるように、開口部220は、注ぎ棚部210と基部20との間で基部壁部60にあってもよく、開口部220は基部20よりも注ぎ棚部210に近い。これらの実施形態では、概ね位置合わせされることによって、開口部220及び先端部94は、長手方向軸Lを中心に、互いに少なくとも約0.25πラジアン内であるということを意味する。これらの形状の様々な組み合わせは所望の利点を提供することができ、並びにキャップ10として記載されてもよく、注ぎ棚部210はそれを通じて基部壁部60又は縁90から延びる開口部220を有し、縁90は基部の外部40に対する先端部94を有し、開口部220は先端部94と概ね位置合わせされる、又は他の実施形態では、注ぎ棚部210は容器壁部60又は縁90から延び、開口部220は、容器壁部60において注ぎ棚部210と基部20との間にあり、開口部220は基部20よりも注ぎ棚部210に近い。
【0127】
本明細書に開示の形状の様々な組み合わせを有するキャップ10は、効果的な汚れ前処理デバイスを提供することができる。キャップ10は、任意の位置又は上記の位置の組み合わせにおいて第1表面凹凸部150を備えてもよい。キャップ10は、任意の位置又は上記の位置の組み合わせにおいて第2表面凹凸部155を備えてもよい。キャップ10は、第1表面凹凸部150及び第2表面凹凸部155を備えていてもよく、これらのそれぞれは、上記の第2表面凹凸部155の位置の任意の位置又はこれらの位置の組み合わせに配置される。様々な実施形態は、より正確な注ぎを提供するために、上記のとおり注ぎ口(pouring spout)92を備えていてもよい。注ぎ口92は、円筒部であってもよい。本明細書において検討される実施形態のそれぞれは、上記のとおり、それを通じる開口部220を有する注ぎ棚部210を備えていてもよい。本明細書で検討される実施形態のそれぞれはコレクタ250を備えていてもよい。本明細書で検討される実施形態は、正確な注ぎを提供するために、縁90において堰160が提供されてもよい。キャップ10の形状は、上記の実施形態に関して記載されているように互いに対して配置されてもよい。
【0128】
キャップ10は、汚れた部分を有する布地物品を前処理する方法において使用されてもよい。本方法は、洗剤を含む容器からキャップ10を外すことと、容器110からキャップ10内へ洗剤組成物300の所定の容量を注ぐこと、すなわち分与することと、洗剤組成物300の量の少なくとも一部分を、汚れた布地物品の汚れた部分に塗布することと、汚れた部分をキャップ10の一部分でこすり洗いすることと、キャップ10を、洗剤組成物300を含む容器110と再係合することとを含むことができる。キャップ10の一部分を用いて汚れた部分こすり洗いするステップは、キャップ10の縁90、縁90と容器130との間のキャップ10の一部分、外面80、キャップ10の基部の外部40、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるキャップ10の一部分を用いて実施され得る。本方法で使用されるキャップ10は、様々な実施形態、及び本明細書で検討されるキャップ10の実施形態の組み合わせのいずれかであってもよい。キャップ10は、キャップ10をねじって開け、容器110上に配置されたねじ山134を、キャップ10上に配置された対応するねじ山134から外すことによって容器110から外されてもよい。キャップ10は、キャップ10をねじで締めて、容器110上に配置されるねじ山134を用いて、キャップ10上でねじ山134を係合することによって、容器110と再係合され得る。キャップ10は注ぎ口92を有し得る。注ぎ口92は、円筒部であってもよい。キャップ10内に注がれる洗剤組成物300の量は洗剤組成物300の単位容量であってもよい。本方法は、洗濯機のドラム内にキャップ10を配置する工程を含んでもよい。かかるアプローチでは、汚れの前処理の後にキャップ10に残っている洗剤組成物300は洗濯に送達され得る。
【0129】
第1材料及び第2材料の色は、色L、a、及びbの値について反射分光光度計により測定される。
【0130】
色差は、L値、a値、及びb値を用いて、ΔE=[(L.−L+(a.−a+(b−b1/2によって算出することができる。ここで、方程式における「X」は第1材料を表し、「Y」は第2材料を表し、X及びYは同時に測定される同じ2つの点ではない。いずれの特定の式差比較についても、Xの位置≠Yの位置である。
【0131】
Hunter Associates Laboratory(Reston,Va.)より入手したHunter Lab LabScan XE反射分光光度計を使用して、反射色を測定する。キャップ10は、18℃(65°F)〜24℃(75°F)の周囲温度、及び50%〜80%の相対湿度において試験する。
【0132】
分光光度計をCIELab色スケールに設定し、D65照明を用いる。観察者(Observer)を10°に設定し、モード(Mode)を45/0°に設定する。エリアビューを0.318cm(0.125インチ)に設定し、ポートサイズを0.51cm(0.20インチ)に設定する。分光光度計を較正してから、供給業者から機器とともに供給される黒のガラス及び白の参照用タイルを用いてサンプルを分析する。較正をLabScan XEユーザーズマニュアル、マニュアルバージョン1.1(2001年8月、A60−1010−862)に記載されているように製造業者の取扱説明書に従って実施する。参照用タイル又はサンプルのクリーニングが必要な場合、エンボス加工、ローション、又は光沢剤を含まないティッシュ(例えば、PUFFSティッシュ)のみを使用する。分析対象となる色を含むキャップ上の任意のサンプル点を選択できる。
【0133】
キャップ10は、そのキャップ10の背後に配置された白いクランプディスクを配置した状態で、分光光度計のサンプルポートの上に置く。
【0134】
キャップ10を取り外し、再配置して、少なくとも6回、キャップ10の色を測定する。可能な場合(例えば、対象となる要素上の付与された色のサイズが、6個の別個の異なる互いに重なり合わない試料点を得ることを制限しない場合)、どの2個の試料点も重なり合うことがないように、各読み取りを外側に見える表面上の実質的に異なる領域で実施する。第1材料及び第2材料を含んでなるキャップの部分のサイズは、サンプル点の重なり合いを必要とする場合、どの2つのサンプル点間の重なり合いも最小限に抑えるように選択されたサンプル点をもつ、6つのサンプルだけを取得すべきである。測定値を平均して、外側に見える要素の表面上の指定された色について記録されたL、a、及びb値を得る。
【0135】
第1材料及び第2材料は、ΔEが約1より大きい場合、異なる色を有すると考えられる。
【0136】
キャップ10が基部の外部40上に表面凸凹部の2つの領域を備えてなる実施形態が図14に示される。基部の外部40は、その上部に配置される第1領域400及び第2領域410を有してよい。第2領域410は第1領域400に隣接してよい。第1領域400は複数の第1表面凸凹部150を備えてもよく、第2領域410は複数の第2表面凸凹部155を備えてもよい。表面の各領域は異なる利点を不規則にもたらすことができる。例えば、第1表面凸凹部150は、布地又は衣類上の汚れのこすり洗いに使用できるこすり洗い具を提供できる。第2表面凸凹部155は、洗剤組成物300をかかる汚れの上に塗り広げることができる塗り広げ具を提供できる、又は第1表面凸凹部150で汚れをこすり洗いすると生じ得る洗剤組成物300の境界層を破壊する粗面を提供できる。
【0137】
基部の外部40上又は基部の外部40に近接する容器壁部60上に第1表面凸凹部150のみを有するキャップ10では、一部の消費者は、第1表面凸凹部150及び基部の外部40の残り部分が汚れに面するようにして、汚れに面する基部の外部40での汚れのこすり洗いを選択することにより、本明細書に開示されるようにキャップ10を使用し得る可能性がある。つまり、注ぎ容積100を洗剤組成物300の単位容量で充填するとき、キャップ10は、消費者がキャップ10を置く位置と本質的に同一の場所に配置され得る。第1表面凸凹部150を備えない基部の外部40の部分が概ね平坦である場合、レジャーでプールの滑り台を滑り降りるとき、又は滑らかな濡れた床を滑るときに水の薄層上を人が滑らかに動くのによく似て、その基部の外部40の部分は洗剤組成物300上を滑らかに動くことができる。このような結果は、処理される布地とキャップ10との間に境界層を形成する洗剤300の薄層が、第1表面凸凹部150と処理される布地との間を分離する、又は接触を低下させる(直接的接触がない)のに十分な粘度がある場合、望ましくないことがある。高粘度を有する最近の液体洗剤処方などの粘度が高く高密度の液体は、こすり洗い中に生じ得るように激しくせん断すると、境界層をかなり形成する。そのような液体の力が生じる場合、第1表面凸凹部150は処理される汚れに接触できず、キャップ10は汚れた布地周囲を滑る場合があり、汚れた布地は摩擦抵抗を示すことができない。キャップ10が、第1表面凸凹部150のみ、若しくはほぼ第1表面凸凹部150のみが処理される汚れに接触するように僅かに傾けられている場合、又はキャップ10が滑ることのできる液体の境界層が生じないようにキャップ10が傾いている場合に、ユーザーはこの懸念を緩和することができる。
【0138】
第1表面凸凹部150の形状は第2表面凸凹部155と異なっていてよい。この形状は、1つの形状がこすり洗いを提供し、もう片方が洗剤組成物300の境界層発生を妨害するという点で、異なる利点をもたらすように異なっていてもよい。キャップの基部の外部40に異なる領域が存在して異なる機能をもたらすことができ、汚れのこすり洗いに適切な領域を選択できることを消費者に認識させるのに、このような形状の違いを役立てることもできる。
【0139】
第1表面凸凹部150の形状は、高さ、直径、アスペクト比、様々な表面の曲率が挙げられるが、これらに限定されない特徴により、第2表面凸凹部155と異なっていてよい。例えば、第1表面凸凹部150は概ね円柱状形であってよく、第2表面凸凹部は不規則で粗い質感であってよい。
【0140】
複数の第1表面凸凹部150の先端部420は、複数の第2表面凸凹部155の先端部420と同一面内にあってよい。洗剤組成物300が注ぎ容積100内に注がれることができるように、表面上に安定して設置できるキャップ10を提供するのに、かかる構成は実用的であり得る。洗剤組成物300を充填すると、注ぎ容積100は液面を有することができ、ここで複数の第1表面凸凹部150の先端部420と、複数の第2表面凸凹部155の先端部は液面に対して平行、又は実質的に平行である。注ぎ容積100内に注がれるとき、液面は洗剤組成物300の自由表面である。
【0141】
高密度液体洗剤組成物300では、注ぎ容積100は、約10mL〜約200mLの注ぎ容積100をもたらすような大きさかつ寸法であってもよい。高密度液体洗剤組成物300のコンパクトさに応じて、注ぎ容積100は、約30mL〜約100mLの注ぎ容積100をもたらすような大きさかつ寸法であってもよい。高密度液体洗剤組成物300のコンパクトさに応じて、注ぎ容積100は、約45mL〜約77mLの注ぎ容積100をもたらすような大きさかつ寸法であってもよい。容器壁部60は、約225mmである長手方向軸Lを中心とした放射状の外周を画定できる。容器壁部60は、約67mmの高さを有してよい。
【0142】
第1表面凸凹部150は熱可塑性エラストマーを含んでもよい。第2表面凸凹部155は熱可塑性エラストマーを含んでもよい。第1表面凸凹部150及び第2表面凸凹部155は熱可塑性エラストマーを含んでもよい。処理される布地をこするとき、熱硬化性材料とは対照的に熱可塑性エラストマーは布地に優しい場合があるため、熱可塑性エラストマーを第1表面凸凹部150及び/又は第2表面凸凹部155に用いることは有利であり得る。熱可塑性エラストマーは、第1表面凸凹部、第2表面凸凹部、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される表面凸凹部を形成してよい。
【0143】
第1表面凸凹部150、第2表面凸凹部155、並びに第1表面凸凹部150及び第2表面凸凹部155の両方が、アクリロニトリルブタジエンスチレンであってよい。容器壁部60及び/又は基部20は、本明細書に記載される実施形態において熱硬化性材料からなってよい。容器壁部60及び/又は基部20は、アクリロニトリルブタジエンスチレンからなってよい。容器壁部60及び/又は基部20は、ポリプロピレンからなってよい。容器壁部60及び/又は基部20は、The Procter & Gamble Co.(Cincinnati,OH)製造の液体洗剤TIDEのパッケージのキャップに使用されている材料からなってよい。容器壁部及び/又は基部20は、Flint Hills Resources,LP(Wichita,Kansas,U.S.A.)から入手できるFlinthills AP5520HAからなってよい。
【0144】
容器壁部60及び/又は基部20がポリプロピレンであり、熱可塑性エラストマーが第1表面凸凹部150及び/又は第2表面凸凹部155のいずれか又は両方に用いられる場合、熱可塑性エラストマーはポリプロピレンに適合し得る種類になるように選択できる。熱可塑性エラストマーが使用される一実施形態では、第1表面凸凹部150、第2表面凸凹部、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される表面凸凹部に使用される熱可塑性エラストマーは、GLS Thermoplastic Elastomers(McHenry,Illinois,U.S.A.)から入手できるVERSAFLEX 9500であってよい。
【0145】
キャップ10の異なる部分に異なる利点をもたらすため、及び/又はキャップ10の製造コストを最適化するために、第1表面凸凹部150及び容器壁部60が互いに異なる化学組成の材料を含んでなるキャップ10を有することが実用的であり得る。同様に、キャップ10の異なる部分に異なる利点をもたらすため、及び/又はキャップ10の製造コストを最適化するために、第1表面凸凹部150及び第2表面凸凹部155が互いに異なる化学組成の材料を含んでなることが実用的であり得る。例えば、第1表面凸凹部155は柔軟なこすり洗い面を提供する熱可塑性エラストマーであってよく、第2表面凸凹部155は、洗剤組成物300の境界層を破壊するためのでこぼこした剛性の形状特性を提供し、耐久性のある熱硬化性材料であってよい。
【0146】
容器壁部60は、第1表面凸凹部150を超えるショアA硬度を有する材料を含んでなり、消費者がキャップ10を把持して容器110からキャップ10を外す際に硬く、消費者製品の製造中に容器110への取り付けに耐えるのに十分に硬く、かつ、搬送及び保管に耐えるのに十分に硬い剛性容器壁部を提供できる。
【0147】
図14に示すように、基部の外部40は非平面であってよい。複数の第1表面凸凹部150の先端部が複数の第2表面凸凹部155の先端部と同一面内にあり、基部の外部40が平面である場合、第1表面凸凹部150及び/又は第2表面凸凹部155の高さを多様にすることが困難な場合がある。第1表面凸凹部150及び/又は第2表面凸凹部155の高さHを多様にすることは、多様な高さHにより、キャップ10のどの部分が汚れの前処理に最も効果的であり得るのかについて、消費者に対して視覚的合図を提供できるため、望ましい場合がある。例えば、図14に示すように、第1表面凸凹部155は、基部20が容器壁部60と連結される位置に近接する高さHで最も高い。第1表面凸凹部150が高いと、低い第1表面凸凹部よりも効果的であると消費者が認識する場合があるため、基部20が容器壁部60と連結される位置に近接する第1領域400の縁部に最も効果的なこすり洗い面が位置するようにキャップ10をデザインでき、そのように使用されるキャップ10が人間工学的使用を提供できると、消費者が理解する場合がある。第1表面凸凹部150は高さHが変化してよい。第2表面凸凹部155は高さHが変化してよい。第1表面凸凹部150及び第2表面凸凹部155は高さHが変化してよい。第1表面凸凹部150は毛156であってよい。第1表面凸凹部150は高さが変化する毛156であってよく、毛の高さは長手方向軸Lからの距離に応じて高くなる。したがって、周辺部50に近接する毛は周辺部50から離れた毛156よりも高い。かかる実施形態では、第1表面凸凹部の先端部420が互いに同一面内に存在できるように、基部の外部40は非平面(起伏のある)であってよい。先端部420からの距離に応じて同一の断面積を有する毛156では、荷重下における各毛156の変形度合いは、高さに応じて大きくなる。したがって、毛156が長いと、短い毛156よりも可撓性があり、布地に優しいと消費者に認識され得る。第1表面凸凹部、第2表面凸凹部、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される表面凸凹部は高さが変化してよい。
【0148】
基部の外部40は基部の外部の表面積41を有し、これは基部の外部40の表面の面積である。汚れの前処理に効果的な十分に大きい第1領域400を有するキャップ10を提供するために、第1領域400は約10%〜約90%の基部の外部の表面積41を備えることができる。基部の外部40と前処理される布地との間の洗剤組成物300の境界層形成を破壊するのに効果的な十分に大きい第2領域410を有するキャップ10を提供するために、第2領域410は、約10%〜約90%の基部の外部の表面積41を備えることができる。第2領域410は50%超の基部の外部の表面積41を備えることができる。
【0149】
第1領域400は50%未満の基部の外部の表面積41を備えることができる。かかる構成を有することにより、第1領域400がキャップの基部20の残り部分と視覚的に対比されるため、基部の外部40のその他領域又は部分と比較して、第1領域400が特有の特性及び/又はキャップ性能をいくらか有することが消費者によってよりよく認識され得るであろう。人間工学的使用を提供するために、第1領域400は注ぎ口92の形状を有する縁90の一部と概ね位置合わせしてよい。消費者が少量の洗剤組成物300を注ぎ口92から汚れの上に注ぐと、こすり洗いによる汚れの前処理に使用できる第1領域400は、消費者にキャップ10を回転させることなく、又は手首の位置を変えさせることなく、既に消費者が使用する適切な位置にある。
【0150】
第1領域400は約10%〜約40%の基部の外部の表面積41を備えることができる。第2領域は約60%〜約90%の基部の外部の表面積41を備えることができる。
【0151】
新たな製品形態を消費者に売り出す際の課題の1つは、消費者が新たな習慣、特に製品による消費者満足を高めることができる習慣を身につけるのをサポートすることである。消費者が、本明細書に開示されるようなキャップ10の機能性及びキャップ10の使用法を理解するのをサポートするため、キャップ上に文書形態又は図形形態で示されるキャップ10の使用説明430を提供することが実用的であり得る。使用説明430は、容器110を開封し、製品を使用し始めるときに、消費者に使用説明が見えるように、有利には基部20上に取り付けてよい。文書形態の使用説明は「Xでの前処理」であってよく、このときXは容器110に含まれる洗剤組成物300のブランド名である。キャップ10の機能性を消費者に伝えるだけに必要な使用説明などの、その他使用説明も想到される。図形形態の使用説明は、所望の方法でキャップ10を把持している人の手、及び動作を示す矢印やその他しるしといった、キャップ10の使用方法についての図の表示であってよい。
【0152】
図14に示すキャップ10のプロファイル図を、キャップ10の一部を切り取って図15に示す。図15に示されるように、キャップ10を平らに置けるように、第1表面凸凹部150の複数の先端部420は複数の第2表面凸凹部155の先端部420と同一面内にある。更に図15に示されるのは、洗剤組成物300が注ぎ容積100内に注がれた後の洗剤組成物300の液面440である。
【0153】
III.方法
疎水性指数
混合界面活性剤系の「疎水性指数」つまり「HI」は以下のように算出できる。
【0154】
(1)HI=Σ(界面活性剤系中の界面活性剤yの重量%)×(界面活性剤yのHI
HIは、混合物中の個々の界面活性剤についてそれぞれ以下のように算出する。
【0155】
(2)HI=20×(先端基の分子量)/(界面活性剤の分子量)
イオン性界面活性剤の場合、式(2)中のHIは界面活性剤イオンについて算出し、式(1)中の重量パーセントは対応する界面活性剤イオンについてである。
【0156】
汚れ除去指数の測定
汚れ除去指数(「SRI」)は、「Standard Guide for Evaluating Stain Removal Performance in Home Laundering」(ASTM D4265−98)の変法を用いて測定する。変更点は以下のとおりである。外部検証として少なくとも4回繰り返し、内部検証として少なくとも2回繰り返して試験する。平面上に布地を置き、液体についてはピペットを、固体についてはブラシを用いて、各回所定量の汚れを塗布することにより、汚れを付ける。変性人工皮脂及びエアフィルター汚れについては試験しない。試験する汚れは、EMC、Empirical Manufacturing Companyによって供給される。
【0157】
前処理手順
本明細書で使用する前処理(PT)手順に従って、汚れを平らな表面上に広げ、マノスタットシリンジ(又は類似の用具)を用いて、各汚れを1mLの洗剤組成物で覆う。前処理キャップの利点を用いない前処理実施を模倣するため、汚れ全体を覆うように洗剤組成物を軽く広げ、5分間放置してから、前処理した汚れた布地を洗浄サイクルに導入する。前処理キャップの利点を用いた前処理実施を模倣するため、本発明の前処理キャップを用い5回同一方向に動かして洗剤組成物を汚れに塗り込み、5分間放置してから、前処理した汚れた布地を洗浄サイクルに導入する。
【実施例】
【0158】
代表的な液体洗剤組成物:液体洗剤組成物は、列挙された成分を記載の比率で混合することにより調製することができる。
【表2】
【表3】
Genencor International(South San Francisco,CA)から入手可能。
Novozymes(Denmark)より入手可能。
−NH当たり20個のエトキシレート基を有する、分子量600g/molのポリエチレンイミンコア。BASF(Ludwigshafen,Germany)より入手可能
国際公開第01/05874号に記載され、BASF(Ludwigshafen,Germany)より入手可能。
−NH当たり24個のエトキシレート基と−NH当たり16個のプロポキシレート基とを有する、分子量600g/molのポリエチレンイミンコア。BASF(Ludwigshafen,Germany)より入手可能
PEG−PVAグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖と複数のポリビニルアセテート側鎖とを有する、ポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は約6000であり、ポリ酢酸ビニルに対するポリエチレンオキシドの重量比は約40:60であり、エチレンオキシド単位50個当たりグラフト点は1個以下である。BASF(Ludwigshafen,Germany)より入手可能
商標名ThixinRとしてElementis Specialties(Highstown,NJ)から入手可能。
【0159】
V.データ−
油汚れ、草の汚れ、及び飲料の汚れに対する比較製品(組成物+キャップ)(親水性界面活性剤系を含有し、10超の疎水性指数を有する)の汚れ除去性能、並びに全般汚れ除去性能に対する、油汚れ、草の汚れ、及び飲料染の汚れに対する本発明(組成物+キャップ)の汚れ除去性能、並びに全般の汚れ除去性能を証明するため、一連の試験を実施する。
【0160】
表Iでは、疎水性指数が10.5である比較洗剤組成物の油脂性汚れの除去と比較した、疎水性指数が7.8及び7.9である本発明の洗剤組成物の油脂性汚れの除去を説明する比較データの概要を提供する。
【表4】
【0161】
表Iのデータは、本発明による洗剤組成物、それぞれHIが7.8及び7.9である上記A及びBが、それぞれ87.78及び86.57の油平均SRIを有する一方で、HIが10.5である比較組成物Cはわずか79.92の油平均SRIを有し、その差がそれぞれ7.86及び6.66 SRI単位であることを示す。
【0162】
表IIでは、本発明のキャップを用いずに得られる粒子状汚れの除去と比較した、本発明のキャップにより得られる粒子状汚れ除去を説明する比較データの概要を提供する。
【表5】
【0163】
表IIのデータは、本発明のキャップが、処方A及びBのそれぞれについて、19.16単位及び20.96単位の粒子平均SRIの上昇をもたらすことを示す。
【0164】
本明細書に開示した寸法及び値は、記述された正確な数値に厳しく限定されるものと理解すべきでない。むしろ、特に言及しない限り、そのようなそれぞれの寸法は、記述された値と、その値の周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0165】
相互参照されるか又は関連する全ての特許又は特許出願を含む、本願に引用される全ての文書を、特に除外すること又は限定することを明言しない限りにおいて、その全容にわたって本願に援用するものである。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求される全ての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他の全ての参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参考として組み込まれた文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
【0166】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
図1
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