(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光軸の方向と、外部から加えられる振動の方向とを一致させて、前記偏光光学系、前記電気光学素子及び前記検光子を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光電圧センサ。
【背景技術】
【0002】
変電所や発電所等の電力機器や電気系統の周囲では大きな磁界が発生している。したがって、このような場所では、周囲の磁界による影響を受けるため、電気信号を利用して正確に電圧や電流を測定することができないことがある。これに対し、従来、磁界の影響を受けない光信号を用いて電圧や電流を測定する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図7を用いて、従来の光で電圧を測定する装置(光電圧測定装置)について簡単に説明する。従来の光電圧測定装置2では、光源駆動装置11の制御によって光源12から発光された光を光ファイバ13aを介して送光コリメータ14に導光する。送光コリメータ14は、光ファイバ13aから入射した光を平行光として偏光子15に送光する。偏光子15は、送光コリメータ14から入射した光を直線偏光し、位相差板16は、偏光子15で直線偏光された光を円偏光して基準となる光を形成する。電気光学素子17には、測定対象である電圧が印加されており、電気光学素子17は、位相差板16から入射する光を、印加電圧によって生じる電気光学効果に基づき偏光する。検光子18は、電気光学素子17で偏光された光を受光し、受光コリメータ19は、検光子18から入射した光を平行光として光ファイバ13bに導光する。検出器21は、光ファイバ13bを介して検出する光信号を電気信号に変換する。その後、電圧測定部22は、検出器21で変換された電気信号から測定対象の電圧を演算する。
【0004】
ここで、光電圧測定装置2において高精度の測定を行なうためには、偏光子15、位相差板16、電気光学素子17及び検光子18が出力する光の偏光状態を安定させる必要がある。しかしながら、各素子15〜18は振動により光弾性効果が生じ、この光弾性効果が偏光状態を乱す原因となっている。一方、光電圧測定装置2の電圧測定の対象である電力機器等が高圧機器であるとき、光電圧測定装置2が設置される環境で大きな振動が発生することがある。例えば、高圧機器は、異常発生時に電流を遮断する遮断器を備えているが、この遮断器のオン・オフで発生する振動は1000Gを超える。このように大きな振動が生じる条件下に設置される光電圧測定装置2では、偏光状態を安定させることが困難であった。
【0005】
従来、
図7に示すように、弾性体を介して基板25上に各素子14〜19を配置することで、弾性体に振動を吸収させて素子14〜19の振動を防止する防振対策が知られていた。
【0006】
図8〜
図10を用いて、電気光学素子17の接着方法と振動により生じる問題について説明する。ここでは、電気光学素子17の場合を用いて説明するが、他の素子14〜16,18,19も電気光学素子17と同様に基板25上に接着し、同様の問題が生じる。
【0007】
電気光学素子17は、
図8(a)に示すように基板25上に弾性体の接着剤23で接着される。基板25に外部から振動が与えられていない状態では、
図8(a)に示すように、電気光学素子17は、基板25に対して平行な状態である。一方、基板25に振動が与えられたとき、
図8(b)に示すように、電気光学素子17に働く慣性力によって、電気光学素子17は基板25に対して傾きが生じる。
【0008】
振動が与えられていない状態のとき、
図9(a)に示すように、電気光学素子17は光軸Lに対して垂直な状態となり、出射光は規定位置に備えられる受光コリメータ19の開口19aを通過することができるため、受光コリメータ19は、光を検出できる。
【0009】
一方、外部から振動が与えられると、電気光学素子17には傾きが生じるため、
図9(b)に示すように、電気光学素子17に角度ずれが生じる。すなわち、入射光の光軸L1と出射光の光軸L2とにδの角度ずれが生じたことにより、出射光は開口19aを通過することができず、受光コリメータ19が光を検出できない問題が生じる。このように、光が受光コリメータ19で検出されない場合には、測定対象としている電圧で光が偏光されたことによって光が検出できないのか、振動によって電気光学素子17等の素子に角度ずれが生じたことによって光が検出できないのか不明であり、正確な電圧測定をすることができなくなる。
【0010】
このように、振動によって生じる電気光学素子17の傾きは、接着剤23の厚さが厚くなるほど大きくなるという問題があった。そのため、防振対策として利用する弾性体の接着剤23が反って電気光学素子17に角度ずれを生じさせるという問題を起こしている。
【0011】
図10(a)は、
図9(a)と同様に、振動が与えられていない状態を示している。この状態から、外部から与えられた振動によって
図10(b)に示すように電気光学素子17が並進運動をした場合、電気光学素子17は、光軸Lに対して垂直な状態を保つことができる。したがって、
図10(b)に示すように電気光学素子17が振動によって並進運動した場合には、電気光学素子17を通過する光は、規定位置に備えられる開口を通過して後段の素子で検出され、光電圧測定装置2では正確な電圧測定をすることができる。
【0012】
上述したように、光電圧測定装置2では、各素子14〜19に振動が与えられて光軸ずれが生じたときには正確な電圧測定が妨げられるが、各素子14〜19が並進運動したときには振動の影響を受けにくいという特徴があった。
【0013】
しかしながら、従来のように平面状の基板25上に接着剤23で各素子14〜19を接着する方法では、外部からの振動によって各素子14〜19がどの方向に移動するか予測がつきにくく、移動方向をコントロールすることができなかった。したがって、例えば、防振対策の際に基板25上に素子14〜19を接着するときには、接着剤23の厚さを、振動によって素子14〜19に傾きが生じない最低限の厚さに抑えることしかできず、十分な防振対策が実現できていない問題があった。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を用いて本発明の最良の実施形態に係る光電圧センサを説明する。以下の説明において、同一構成についてはそれぞれ同一の符号を付して説明を省略する。また、
図7を用いて上述した従来の構成と同一の構成についてもそれぞれ同一の符号を付して説明を省略する。
【0020】
図1に示すように、本発明の最良の実施形態に係る光電圧センサ1は、入射する光を偏光する偏光光学系である偏光子15及び位相差板16と、偏光子15及び位相差板16で偏光された光の位相を印加される電圧に応じて変調する電気光学素子17と、電気光学素子17を透過した光を検出する検光子18とを備えている。また、光電圧センサ1は、両端が開放された円筒形の枠20a〜20cを備えている。
【0021】
図1に示す例では、光電圧センサ1は、光電圧測定装置2aに組み込まれている。この光電圧測定装置2aは、光源駆動装置11と、光源駆動装置11によって駆動される光源12と、光源12から発光された光を送光コリメータ14に導光する光ファイバ13aと、入射する光を平行光にして光電圧センサ1の偏光子15に送光する送光コリメータ14と、光電圧センサ1の検光子18を透過して開口19aを通過した光を受光して平行光にする受光コリメータ19と、受光コリメータ19から入射する光を検出器21に導光する光ファイバ13bと、光ファイバ13bから入射する光を検出して電気信号に変換する検出器21と、検出器21で変換された電気信号から電気光学素子17に印加された電圧を測定する電圧測定部22とを備えている。
【0022】
偏光子15は、入射光を直線偏光する素子であり、位相差板16は、偏光子15で直線偏光された光を円偏光する1/4波長板である。この偏光子15及び位相差板16は、光源12から発光されて送光コリメータ14を介して入力した光を予め定められる基準の状態に偏光する。偏光子15及び位相差板16は、それぞれ直方体の素子であり、外部から与えられた振動を吸収する弾性体の接着剤で枠20aの内部空間に固定されている。このとき、偏光子15及び位相差板16は、入射する光の光軸Lに垂直であるとともに光軸Lを中心軸として配置されている。
【0023】
電気光学素子17は、BGO(Bil
2GeO
2O)等の単結晶を用いた電気光学素子(ポッケルス効果素子)である。この電気光学素子17は、電気光学効果によって、位相差板16から入射する光の位相を印加される測定対象の電圧に応じて変調する。すなわち、この電気光学素子17は印加された電圧強度に応じた楕円率で楕円偏光されて光量が変化するため、被測定電圧に応じた光量の光が出力される。
【0024】
電気光学素子17は、偏光子15及び位相差板16と同様に直方体であり、外部から与えられた振動を吸収する弾性体の接着剤で枠20bの内部空間に固定されている。また、電気光学素子17も、入射する光の光軸Lに垂直であるとともに光軸Lを中心軸として配置されている。電気光学素子17には、電極を設けて測定対象の電圧を印加して入射する光を偏光してもよいし、電気光学素子17の周囲で発生している電界によって入射する光を偏光してもよい。
【0025】
検光子18は、電気光学素子17で被測定電圧に応じて光量が変化された光を検出する素子である。検光子18も、他の素子15〜17と同様に直方体であり、外部から与えられた振動を吸収する弾性体の接着剤で枠20cの内部空間に固定されている。また、検光子18も、入射する光の光軸Lに垂直であるとともに光軸Lを中心軸として配置されている。
【0026】
図1に示す例では、送光コリメータ14と受光コリメータ19も円筒形であり、この送光コリメータ14、受光コリメータ19及び各枠20a〜20cの直径は同一であるものとする。また、
図1に示す例では、送光コリメータ14、枠20a〜20c及び受光コリメータ19はそれぞれ独立した状態で配置されているが、送光コリメータ14、各枠20a〜20c及び受光コリメータ19が、それぞれの中心軸を基準として、一つの筒型に固定されているものとする。
【0027】
なお、光電圧測定装置2aの電圧測定部22は、検出器21が検出した光の光量を、光源12で発光した光の光量と比較することで、電気光学素子17における被測定電圧に応じた光量の損失を求め、電気光学素子17に印加された電圧を測定することができる。すなわち、電圧測定部22は、光源12から発光された光量と、偏光子15及び位相差板16で偏光された光の状態とを基準として、検出器21が検出した光量から、電気光学素子17に印加された電圧を求めることができる。
【0028】
次に、
図2を用いて枠20bに接着剤23で電気光学素子17を接着する方法について説明する。
図2は、電気光学素子17が接着された枠20bを、電気光学素子17の中心軸に沿って切断した横断面図である。
図8を用いて上述した従来の素子の接着方法では、平面形の基板25に接着していたが、本発明に係る光電圧センサ1では、
図1を用いて上述したような円筒形の枠20a〜20cに形成される内部空間に、それぞれの素子15〜18を接着している。このとき、各素子15〜18と枠20a〜20cとの間に振動を吸収する弾性体の接着剤23を充填し、各素子15〜18の中心軸と各枠20a〜20cの中心軸とが一致するようにする。
【0029】
光電圧センサ1で各素子15〜18が接着する枠20a〜20cの形状は、円筒形以外であっても振動を防止することができるが、円筒形である場合に最も防振効果が高くなる。この理由について、
図3及び
図4を用いて説明する。
【0030】
図3は、仮に、枠20bを直方体の筒型にした場合の一例であって、
図3(a)は電気光学素子17を接着する前の状態、
図3(b)は内部に電気光学素子17を接着した後の状態を表わしている。
【0031】
図3(a)に示すように、枠20bの内側には、電気光学素子17を配置する空間が形成されており、この枠20bの内部に電気光学素子17が配置され、接着剤23によって接着される。
図3(b)に示す例では、電気光学素子17が固定枠24に固定され、この固定枠24が枠20bと接着されているが、電気光学素子17を直接枠20bに接着しても同様である。ここで、電気光学素子17の中心軸と枠20bの中心軸とは一致しており、この中心軸を以下で中心軸Cとする。
【0032】
このように枠20bと電気光学素子17(
図3の例では、固定枠24)との間を弾性体の接着剤23で充填すれば、外部から与えられる振動を周囲の接着剤23が吸収し、電気光学素子17の傾きを防止し、角度ずれを防止することができる。特に、中心軸Cを基準として枠20bまで対角線を引いたとき、
図3(b)に示す枠20bのように、中心軸Cからの枠20b上の各点までは線対称となるときには、外部から与えられた振動は接着剤23に均一に吸収され、電気光学素子17に傾きを生じさせる回転運動は起こりにくく、
図9(b)で上述したような角度ずれの防止効果を高めることができる。
【0033】
しかしながら、電気光学素子17と枠20bを接着するとき、電気光学素子17と枠20bとの間に均一に接着剤23を充填しても、例えば、気泡の混入や硬化状態の不均一が生じる。したがって、枠20bに電気光学素子17を接着する接着剤23の硬さは各位置において不均一となり、例えば
図3(b)に示すように、柔らかい部分23aと硬い部分23bとによって構成されることになる。また、枠20bの形状が直方体であるとき、
図3(b)に示すようにその断面は四角形となって、枠20bの各辺の中点が中心軸Cから近く、枠20bの各頂点が中心軸Cから最も遠く、枠20bの各辺上の点から中心軸Cまでの距離は異なる。
【0034】
このように、接着剤23に柔らかい部分23aと硬い部分23bとが分布して存在し、かつ、中心軸Cから枠20b上の各点までの距離が異なる場合、外部から与えられた振動が接着剤23に均一に吸収されないため、回転運動が起こりやすく、角度ずれが生じやすくなる。
【0035】
一方、中心軸Cから枠20b上の各点までの距離を等しくした場合、接着剤23に柔らかい部分23aと硬い部分23bとが分布していても、回転運動を拘束する力は軸の両側でほぼ均等に分布するため、回転運動、すなわち角度ずれの発生を防止することができる。したがって、
図1に示しているように、光電圧センサ1では、円筒形の枠20a〜20cを利用することが最も望ましい。
【0036】
具体的には、
図4(a)に示すような、円筒形の枠20bを利用する。この枠20bの内側に、
図4(b)に示すように、電気光学素子17を固定する固定枠24を接着する。このように円筒形の枠20bを利用することで中心軸Cから枠20b上の各点までの距離を等しくすることができる。なお、中心軸Cは光軸Lと一致するように配置する。
【0037】
電気光学素子17を円柱形に形成することができれば、固定枠24を用いずに電気光学素子17を直接枠20bに接着剤23で接着することができる。しかしながら、実際の電気光学素子17は、直方体に製造することが容易であることが多く、また、実際に直方体でしか製品供給されていないものもある。したがって、上述したように、直方体の電気光学素子17を円筒形の固定枠24に固定した後、この固定枠24を接着剤23で枠20bに接着する。なお、固定枠24に電気光学素子17を接着する方法については、電気光学素子17が固定枠24に不動に固定することができれば、その方法を問わない。
【0038】
偏光子15、位相差板16及び検光子18も同様に円柱形であれば、固定枠を用いずに直接枠20a,20cに接着剤23で接着することができるが、円柱形の素子15,16,18が得られない場合には、直方体の素子15,16,18をそれぞれ円筒形の固定枠に固定して枠20a,20cに接着する。
【0039】
次に、
図5を用いて、
図4に示した枠20bに接着剤23で固定されている電気光学素子17と振動の方向との関係について説明する。
図5では、
図4に示した固定枠24を省略して説明する。電気光学素子17は、枠20bに接着剤23で接着されるとき、光軸Lが電気光学素子17及び枠20bの中心軸Cとも一致するとともに、この中心軸Cに対して線対称な構造である。
【0040】
振動のない場合には、
図5(a)に示すように、光軸Lは、電気光学素子17に対して垂直であって、電気光学素子17の中心軸Cと一致する。
【0041】
図5(a)に示すように接着された状態で、光軸方向の振動が加わった場合、
図5(b)に示すように、電気光学素子17は傾くことなく光軸Lに対して水平方向に移動する。したがって、光軸方向に振動が加わっても、電気光学素子17は、並進運動するのみであるので、光軸Lは、電気光学素子17に対して垂直であって、電気光学素子17の中心軸Cと一致している。
【0042】
一方、光軸Lと直交方向に振動が加わった場合には、
図5(c)に示すように、電気光学素子17には傾きが生じることがある。このような場合、電気光学素子17に対して斜めに光が入射し、入射光の光軸L1と出射光の光軸L2とは一致せず、また、光軸L1,L2は電気光学素子17の中心軸Cと一致しなくなる。
【0043】
したがって、光電圧センサ1を備える光電圧測定装置を設置する際には、このような予め把握している振動源となる位置に対して、光軸方向と同一の方向から各素子14〜19に与えられるように配置する必要がある。
【0044】
続いて、各素子15〜18を接着する場合の接着剤23の理想的な厚さについて説明する。光電圧センサ1において、弾性体の接着剤23を用いた場合、
図8(b)を用いて上述したように電気光学素子17が振動して角度ずれを増大させる問題があったため、弾性体の厚みは必要最低限に抑えていた。しかしながら、
図3及び4を用いて上述したように、本発明に係る光電圧センサ1では、光軸Lを中心軸Cと一致させ、この中心軸Cに対して線対称になるような枠20b内に電気光学素子17を接着する構造にした場合、弾性体である接着剤23の厚みを厚くしたほうがより角度ずれを抑制することができる。
【0045】
光電圧センサ1が備えられる光電圧測定装置の測定対象である電力機器では、事故時の高圧大電流を瞬時に遮断するための遮断器が設置されていることがある。この遮断器は、高速に動作しないと電流を遮断することができないため、遮断器の発生する振動は大きく、最大1000Gに及ぶこともある。したがって、電力機器の電圧測定に用いられる光電圧センサ1も1000Gの振動条件下でも正確に測定することができる必要がある。この1000Gの振動を抑制するために必要な接着剤23の厚みは、式1によって求められるように、最低でも0.5mmの厚みが必要となる。すなわち、接着剤23の厚みが0.5mm以上であることを要するのは、振動による振幅が0.5mm程度になることによる。式(1)において、Dを振動の変位、Gを振動加速度、Fを振動周波数としている。
【0046】
D=G・500/F
2 ・・・(1)
振動周波数としては、1kHz程度であるので、1000Gの振動が加わったときの振動振幅は0.5mmとなる。この振動を吸収するためには、通常のゴム等の接着剤23では振幅以上の厚みが必要となるため、接着剤23の厚みを0.5mm以上にすることが最適である。
【0047】
この接着剤23の厚みが薄いと弾性を失うため振動が吸収できなくなり、また、弾性を失うタイミングが中心軸での左右でばらつくと角度ずれの原因になる。したがって、角度ずれを防止するためにも、接着剤23の厚みを十分に確保することが必要である。
【0048】
上述したように、本発明に係る光電圧センサ1は、各素子15〜18を枠20a〜20cの内側に形成される空間に弾性体の接着剤23で接着している。したがって、上記の光電圧センサ1では、外部から与えられる振動を接着剤23が吸収し、振動の影響を防止することができる。なお、上述の説明では、各素子15〜18をそれぞれの枠20a〜20c内に配置し、その後、この複数の枠20a〜20cを一つの筒型に固定していたが、一つの筒形状の枠に全ての素子15〜18を配置させるように構成しても同一の効果を得ることができる。
【0049】
また、上記の光電圧センサ1では、枠20a〜20cの形状を中心軸に対して線対称となる筒型、とくに、円筒形にすることで、防振効果を高めることができる。
【0050】
さらに、上記の光電圧センサ1では、弾性体となる接着剤23の厚みを0.5mm以上にすることで、1000Gの振動が与えられた場合にも、この振動を吸収することができる。
【0051】
〈変形例〉
光電圧センサ1を利用する光電圧測定装置の変形例について、
図6を用いて説明する。
【0052】
図6に示すように、変形例に係る光電圧測定装置2bは、
図1の光電圧測定装置2bとは異なり、光ファイバ13a,13b、送光コリメータ14及び受光コリメータ19を有していない。そのため、光電圧測定装置2bでは、光源12で発光された光を偏光子15に直接導入し、また検光子18で検出された光を検出器21に直接導入しているが、他の点については同一であるので説明を省略する。
【0053】
上述の光電圧測定装置2bは、光が光ファイバを通ることがないため、光ファイバにおける光の損失を考慮せずに電圧測定をすることができる。また、光電圧測定装置2bは、光ファイバ、送光コリメータ及び受光コリメータを備えていないため、小型に構成することができる。したがって、光電圧測定装置2bは、光源12及び検出器21を他の素子14〜19の近くに配置することができる場合に有効的である。
【0054】
このように、光電圧センサ1は、
図1で上述したような光電圧測定装置2aの他にも光を利用して電圧を測定する様々な装置やシステムで利用することが出来る。