特許第5710897号(P5710897)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5710897硬化性樹脂組成物の反射皮膜を有する反射シート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5710897
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】硬化性樹脂組成物の反射皮膜を有する反射シート
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/08 20060101AFI20150409BHJP
   C08L 63/00 20060101ALI20150409BHJP
   C08G 59/58 20060101ALI20150409BHJP
   C08L 33/08 20060101ALI20150409BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20150409BHJP
   C08K 5/49 20060101ALI20150409BHJP
   H01L 31/056 20140101ALI20150409BHJP
   C08L 33/02 20060101ALI20150409BHJP
【FI】
   G02B5/08
   C08L63/00 A
   C08G59/58
   C08L33/08
   C08K3/22
   C08K5/49
   H01L31/04 624
   C08L33/02
【請求項の数】2
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2010-141687(P2010-141687)
(22)【出願日】2010年6月22日
(65)【公開番号】特開2012-7001(P2012-7001A)
(43)【公開日】2012年1月12日
【審査請求日】2013年6月20日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390005223
【氏名又は名称】株式会社タムラ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100143959
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 秀一
(72)【発明者】
【氏名】土屋 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】喜多村 明
(72)【発明者】
【氏名】原嶋 啓太
【審査官】 薄井 義明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−302510(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/133827(WO,A1)
【文献】 特開平08−239435(JP,A)
【文献】 特開2010−120321(JP,A)
【文献】 特開平06−006127(JP,A)
【文献】 特開平09−100305(JP,A)
【文献】 特開平10−101751(JP,A)
【文献】 特開2003−159751(JP,A)
【文献】 特開2003−315509(JP,A)
【文献】 特開2003−315513(JP,A)
【文献】 特開2005−010359(JP,A)
【文献】 特開2006−342258(JP,A)
【文献】 特開2007−326910(JP,A)
【文献】 特開2008−053510(JP,A)
【文献】 特開2009−024157(JP,A)
【文献】 特開2009−025575(JP,A)
【文献】 特開2009−076463(JP,A)
【文献】 特開2008−108416(JP,A)
【文献】 特開2009−138233(JP,A)
【文献】 特開2009−155586(JP,A)
【文献】 特開2011−091299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/08
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化性樹脂組成物で形成された反射皮膜を有する、太陽電池モジュール用反射シートであって、
前記硬化性樹脂組成物が、
(A−1)一般式(I)
【化1】

(式中、R1は水素原子またはメチル基を示す)で表される化合物と、
一般式(III)
【化2】

(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、Rはフェニル基、α-クミル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、アルキル基の炭素数1〜10のアシル基、t-ブチル基、アダマンチル基またはトリフルオロメチル基を示し、Aは直鎖若しくは環状骨格を含む炭素数2〜10のアルキレン基または炭素数3〜10ヒドロキシアルキレン基を示し、mは0または1〜3の整数、pは1〜5の整数である)で表される化合物を反応させて得られる共重合樹脂、
または、(A−2)一般式(I)
【化3】

(式中、R1は水素原子またはメチル基を示す)で表される化合物と、
一般式(II)
【化4】

(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、Rはフェニル基、α-クミル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、アルキル基の炭素数1〜10のアシル基、t-ブチル基、アダマンチル基またはトリフルオロメチル基を示し、mは0または1〜3の整数である)で表される化合物及び/若しくは一般式(III)
【化5】

(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、Rはフェニル基、α-クミル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、アルキル基の炭素数1〜10のアシル基、t-ブチル基、アダマンチル基またはトリフルオロメチル基を示し、Aは直鎖若しくは環状骨格を含む炭素数2〜10のアルキレン基または炭素数3〜10ヒドロキシアルキレン基を示し、mは0または1〜3の整数、pは1〜5の整数である)で表される化合物を反応させて得られる共重合体のカルボキシル基の一部に、オキシラン環とエチレン性不飽和結合を有する化合物を付加させた共重合樹脂、
(B)硬化剤、
(C)希釈剤、並びに
(D)無機白色顔料を含むことを特徴とする、太陽電池モジュール用反射シート。
【請求項2】
前記オキシラン環とエチレン性不飽和結合を有する化合物が、一般式(IV)
【化6】

(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、A2は炭素数2〜10のアルキレン基を示し、qは0または1〜5の整数である)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール用反射シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性樹脂組成物の硬化物を反射皮膜として有する反射シートに関し、特に、太陽電池モジュールのバックシートとして使用できる反射シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
化石エネルギー源の燃焼時に発生する二酸化炭素の増加に起因した地球温暖化や、NOX、SOXの放出による大気汚染といった環境破壊への対策が急務となっている。そこで、近年、太陽光から直接電気を得ることができる太陽電池が、環境負荷の無い新エネルギー源として注目されている。太陽電池は複数の光起電力素子が組み合わされており、数枚〜数十枚の光起電力素子を直列、並列に配線した構造となっている。また、太陽電池は長期間にわたって自然環境中に設置されるので、光起電力素子を保護するためにカバー材料でパッケージングした太陽電池モジュールとして使用されている。
【0003】
具体的には、太陽電池モジュールは、太陽光が当たる面側から順に、ガラスや透明なプラスチック等からなる上部透明材料と、エチレン酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂からなる封止層と、光起電力素子を直列、並列に配線した複数枚の太陽電池セルと、封止層(前記封止層と同様の層)と、太陽電池バックシートとが積層されている。
【0004】
前記太陽電池のバックシートは裏面側の保護部材として設置されるものであり、一般的に、耐衝撃性に優れた材料が使用されている。また、バックシートは、太陽電池モジュールへの入射光を有効に利用して電力変換効率を高めるために、高い反射能を有する白色系の色調を有するものが求められている。一方で、太陽電池モジュールは、上記のように自然環境に長期間設置されるので、太陽電池バックシートには、封止層との接着性が良好で、耐候性、耐湿性等の諸特性に優れることが求められている。そこで、太陽電池モジュールを構成する封止層と貼り合わさる最内面に、酸化チタンを主成分とする白色顔料で着色されたポリアクリル酸樹脂からなる接着性塗布層を備えた太陽電池バックシートが提案されている(特許文献1)。
【0005】
しかし、上記従来の太陽電池バックシートでは、太陽電池モジュールは過酷な自然環境に曝されることから、長期間にわたって日射、太陽熱及び湿気等の影響を受けることによって、次第に光反射性が劣化していくという問題があった。
【0006】
一方で、太陽電池バックシート用の白色塗料として光硬化性樹脂組成物を使用する場合、塗膜を加熱して硬化させたときに変色が起こって着色することがあり、光反射率が低下していた。そこで、紫外線や熱による変色及び反射率の低下を抑えるための光硬化性樹脂組成物として、(A)脂環骨格エポキシ樹脂から得られ、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂、(B)チオール系化合物、(C)光重合開始剤、(D)希釈剤、(E)ルチル型酸化チタン、および(F)エポキシ系熱硬化性化合物を含有する感光性樹脂組成物が知られている(特許文献2)。
【0007】
しかし、特許文献2の感光性樹脂組成物でも、なお、塗膜の表面が黄色に変化して反射率が低下してしまうという問題が残っていた。また、太陽電池バックシートには、太陽電池モジュール裏面と密着させることで電力変換効率を向上させる点から低反り性が求められ、さらに、輸送時・設置作業時における破損防止の点から柔軟性を、自然環境に長期間設置する点から難燃性を有することも求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−109240
【特許文献2】特開2008−211036
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記事情に鑑み、本発明の目的は、耐候性、耐熱性及び耐光性等の諸特性に優れ、柔軟性、低反り性、難燃性を有する反射皮膜を備えた反射シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様は、硬化性樹脂組成物で形成された反射皮膜を有する反射シートであって、前記硬化性樹脂組成物が、(A−1)一般式(I)
【0011】
【化1】
【0012】
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示す)で表される化合物と、一般式(II)
【0013】
【化2】
【0014】
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rはフェニル基、α-クミル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、アルキル基の炭素数1〜10のアシル基、t-ブチル基、アダマンチル基またはトリフルオロメチル基を示し、mは0または1〜3の整数である)で表される化合物及び/若しくは一般式(III)
【0015】
【化3】
【0016】
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rはフェニル基、α-クミル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、アルキル基の炭素数1〜10のアシル基、t-ブチル基、アダマンチル基またはトリフルオロメチル基を示し、Aは直鎖若しくは環状骨格を含む炭素数2〜10のアルキレン基または炭素数3〜10ヒドロキシアルキレン基を示し、mは0または1〜3の整数、pは1〜5の整数である)で表される化合物を反応させて得られる共重合樹脂、または、(A−2)一般式(I)
【0017】
【化4】
【0018】
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示す)で表される化合物と、一般式(II)
【0019】
【化5】
【0020】
(式中、RR1は水素原子またはメチル基を示し、Rはフェニル基、α-クミル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、アルキル基の炭素数1〜10のアシル基、t-ブチル基、アダマンチル基またはトリフルオロメチル基を示し、mは0または1〜3の整数である)で表される化合物及び/若しくは一般式(III)
【0021】
【化6】
【0022】
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rはフェニル基、α-クミル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、アルキル基の炭素数1〜10のアシル基、t-ブチル基、アダマンチル基またはトリフルオロメチル基を示し、Aは直鎖若しくは環状骨格を含む炭素数2〜10のアルキレン基または炭素数3〜10ヒドロキシアルキレン基を示し、mは0または1〜3の整数、pは1〜5の整数である)で表される化合物を反応させて得られる共重合体のカルボキシル基の一部に、オキシラン環とエチレン性不飽和結合を有する化合物を付加させた共重合樹脂、(B)硬化剤、(C)希釈剤、並びに(D)無機白色顔料を含むことを特徴とする反射シートである。
【0023】
反射シートの反射皮膜には、上記した硬化性樹脂組成物の硬化物が用いられる。そして、上記硬化性樹脂組成物に配合される(A−1)の共重合樹脂は、上記一般式(I)で表される化合物と、上記一般式(II)で表される化合物及び/若しく上記一般式(III)で表される化合物との共重合体であり、芳香環を有するカルボキシル基含有共重合樹脂である。また、上記硬化性樹脂組成物に配合される(A−2)の共重合樹脂は、共重合体である上記(A−1)に、さらにオキシラン環とエチレン性不飽和結合を有する化合物を付加させて得られる、芳香環を有するカルボキシル基含有共重合樹脂である。
【0024】
本発明の第2の態様は、前記オキシラン環とエチレン性不飽和結合を有する化合物が、一般式(IV)
【0025】
【化7】
【0026】
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Aは炭素数2〜10のアルキレン基を示し、qは0または1〜5の整数である)で表される化合物であることを特徴とする反射シートである。
【0027】
本発明の第3の態様は、前記(A−1)共重合樹脂及び前記(A−2)共重合樹脂が、5〜40質量%の芳香族炭化水素骨格を有することを特徴とする反射シートである。すなわち、(A−1)共重合樹脂、(A−2)共重合樹脂中には、それぞれ芳香族炭化水素骨格が5〜40質量%含有されている。本発明の第4の態様は、(A−1)共重合樹脂の酸価及び(A−2)共重合樹脂の酸価が、30〜150mgKOH/gであることを特徴とする反射シートである。
【0028】
本発明の第5の態様は、前記(B)硬化剤が、1分子中にエポキシ基を二つ以上有する化合物、メラミン及びメラミン誘導体からなる群から選択された少なくとも一種を含むことを特徴とする反射シート、本発明の第6の態様は、前記(C)希釈剤が、1分子中にエチレン性不飽和基を1つ以上有する化合物を含むことを特徴とする反射シート、本発明の第7の態様は、前記(C)希釈剤が、(メタ)アクリル基を2つ以上有し、かつ(メタ)アクリル当量が200g/eq以上である化合物であることを特徴とする反射シート、本発明の第8の態様は、前記(D)無機白色顔料が、ルチル型酸化チタンであることを特徴とする反射シート、本発明の第9の態様は、さらに、(E)光重合開始剤を含むことを特徴とする反射シート、本発明の第10の態様は、さらに、(F) リン系の難燃剤を含むことを特徴とする反射シート、本発明の第11の態様は、さらに、(G)金属水酸化物を含むことを特徴とする反射シートである。
【0029】
本発明の第12の態様は、上記反射シートを備えた太陽電池モジュールである。
【発明の効果】
【0030】
本発明の第1、第2の態様によれば、(メタ)アクリル酸を共重合体の構成要素とし、共重合樹脂のカルボキシル基を(メタ)アクリル酸由来の構造に特定することで、熱、光及び経時による反射皮膜の反射率低下を抑制できるので、耐熱性、耐光性及び耐候性に優れた反射皮膜を有する反射シートが得られる。また、一般式(II)、一般式(III)に示すように、重合後、芳香族炭化水素骨格の側鎖α位に水素原子を有さない化合物が共重合樹脂の構成要素となっている、すなわち、芳香族炭化水素骨格に対して側鎖のα位に水素原子がない化合物または芳香族炭化水素骨格に対してα位の水素原子が主鎖に存在することとなる化合物が共重合樹脂の構成要素となっているので、反射皮膜の変色を抑えることができる。
【0031】
本発明の第3の態様によれば、(A−1)共重合樹脂及び(A−2)共重合樹脂が、5〜40質量%の芳香族炭化水素骨格を有しているので、耐熱性、難燃性に優れた反射皮膜を有する反射シートを得ることができる。また、(C)希釈剤等との相溶性を有することにより、反射皮膜のパターンを形成する際にアルカリ現像性に優れるとともに、良好な光硬化性と熱硬化性から、柔軟性にも優れた反射皮膜を有する反射シートを得ることができる。よって、輸送時・設置作業時における反射シートの破損を防止できる。
【0032】
また、本発明では、低反り性を有する反射シートを得ることができるので、例えば、反射シートが太陽電池のバックシートとして使用される場合には、太陽電池モジュールとの密着性が確保される。
【発明を実施するための形態】
【0033】
次に、本発明の反射シートの反射皮膜に用いる硬化性樹脂組成物について説明する。反射シートの反射皮膜の形成に用いる硬化性樹脂組成物は、(A−1)上記一般式(I)で表される化合物と、上記一般式(II)で表される化合物及び/若しくは上記一般式(III)で表される化合物を反応させて得られる共重合樹脂、または、(A−2)上記一般式(I)で表される化合物と、上記一般式(II)で表される化合物及び/若しくは上記一般式(III)で表される化合物を反応させて得られる共重合体のカルボキシル基の一部に、オキシラン環とエチレン性不飽和結合を有する化合物を付加させた共重合樹脂、(B)硬化剤、(C)希釈剤、並びに(D)無機白色顔料を含むことを特徴とする。
【0034】
(A−1)、(A−2):共重合樹脂
(A−1)の共重合樹脂は、一般式(I)で表されるアクリル酸またはメタクリル酸と、一般式(II)で表される芳香環を有するエチレン性不飽和モノマー及び/または一般式(III)で表される芳香環を有する(メタ)アクリレートとを共重合させて得られる。また、(A−2)の共重合樹脂は、一般式(I)と一般式(II)及び/または一般式(III)を共重合させて得られた(A−1)の共重合体のカルボキシル基の一部に、さらにオキシラン環とエチレン性不飽和結合を有する化合物を付加させて得られる。
【0035】
一般式(II)で表される芳香環を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、スチレン、αメチルスチレン、p‐メトキシスチレン、m‐tブトキシスチレン、p‐tブトキシスチレン、p‐(1‐エトキシエトキシ)スチレン、p‐フルオロスチレン等を挙げることができる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0036】
一般式(III)で表される芳香環を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート及び2‐(2−フェノキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート等のフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート及び2‐フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等のフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、4‐αクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の4‐αクミルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、並びに2‐フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の2‐フェニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなど挙げることができる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0037】
なお、(A−1)、(A−2)の共重合樹脂を得るには、一般式(II)で表される芳香環を有するエチレン性不飽和モノマーまたは一般式(III)で表される芳香環を有する(メタ)アクリレートの何れか一方を使用してもよく、両方を混合して使用してもよい。
【0038】
オキシラン環とエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、オキシラン環とエチレン性不飽和結合を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、上記一般式(IV)で表される化合物が挙げられ、より具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレ−ト等の(メタ)アクリル酸のエポキシシクロヘキシル誘導体類、(メタ)アクリレ−トの脂環エポキシ誘導体類などが挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0039】
また、必要に応じて、一般式(II)で表される芳香環を有するエチレン性不飽和モノマー、一般式(III)で表される芳香環を有する(メタ)アクリレートに、芳香環もカルボキシル基も有さないエチレン性不飽和モノマーを加えて、一般式(I)で表されるアクリル酸またはメタクリル酸と共重合させてもよい。芳香環もカルボキシル基も有さないエチレン性不飽和モノマーには、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、i-プロピルアクリレート、n‐ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アクリレート、2−メチルー2−アダマンチル(メタ)アクリレート及び2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等の直鎖、分岐または脂環骨格を有するアルキル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3―ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート及びノナンジオールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシモノ(メタ)クリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート及びアルコキシ化テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の環状エーテル骨格含有(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート・カプロラクトン付加物及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート・カプロラクトン付加物等のヒドロキシモノ(メタ)クリレート・カプロラクトン付加物、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート及びポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール変成ヒドロキシモノ(メタ)クリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びエトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルキル末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)クリレート、2,2,2−トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロブチル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート等のフッ素含有(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルマレイミド及びN−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等のイミド基含有(メタ)アクリレート、並びにジメチルシロキサン骨格を有するモノ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリルシリコーン化合物等を挙げることができる。
【0040】
上記した(A−1)共重合樹脂及び(A−2)共重合樹脂の芳香族炭化水素骨格のそれぞれの含有量について、その下限値は難燃性及び(C)希釈剤等との相溶性の点から5質量%が好ましく、特に10質量%が好ましい。また、その上限値は硬化塗膜、すなわち反射皮膜の柔軟性の点から40質量%が好ましく、特に30質量%が好ましい。
【0041】
(A−1)共重合樹脂、(A−2)共重合樹脂は、公知の溶液重合法により合成することができる。使用する溶剤はラジカル重合に不活性なものであれば特に限定されない。その例としては、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類等の酢酸エステル類;ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;トリエチレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールジアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、オクタン、デカン等の炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸エステル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。溶剤の使用量は共重合樹脂100質量部に対し、30〜1000質量部、好ましくは50〜800質量部である。
【0042】
溶液重合法で用いるラジカル重合開始剤は特に限定されず、例えば、有機過酸化物やアゾ化合物を使用することができる。具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシル−3、3−イソプロピルヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジクミルヒドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスカルボンアミドなどが使用できる。ラジカル重合開始剤は、重合温度に応じて適当な半減期のものを適宜選択する。ラジカル重合開始剤の使用量は、ラジカル重合性不飽和化合物の合計100質量部に対して0.5〜20質量部であり、好ましくは1〜10質量部である。
【0043】
重合方法は、昇温させた溶剤中に不飽和モノマーとラジカル重合開始剤を滴下後攪拌してもよく、不飽和モノマーとラジカル重合開始剤を溶剤に溶解し攪拌しながら昇温して重合反応を行なってもよい。また、溶剤中にラジカル重合開始剤を添加し昇温した中に不飽和モノマーを滴下してもよい。
【0044】
上記重合方法により得られた(A−1)の共重合樹脂中のカルボキシル基の一部に、オキシラン環とエチレン性不飽和結合を有する化合物を付加反応させることで、(A−2)の共重合樹脂を得ることができる。(A−1)の共重合樹脂中のカルボキシル基1当量に対するオキシラン環とエチレン性不飽和結合を有する化合物の付加量について、その下限値は、十分な感光性を確保する点から0.1当量であり、好ましくは0.2当量である。またその上限値は、反射皮膜のパターンを形成する場合にカルボキシル基の量が少なくなりすぎて現像性が不十分となるのを防止する点から0.8当量であり、好ましくは0.6当量である。
【0045】
また、(A−1)の共重合樹脂中のカルボキシル基と、オキシラン環とエチレン性不飽和結合を有する化合物との反応に使用する触媒は、例えば、トリフェニルホスフィン、ナフテン酸リチウム、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸クロム、アセチルアセトネートクロム、塩化クロム等が上げられる。また、重合禁止剤として、メトキシハイドロキノン等を挙げることができる。反応は公知の方法で実施可能であり、例えば、上記重合反応で得られた溶剤中の(A−1)の共重合樹脂を所定温度に設定後、オキシラン環とエチレン性不飽和結合を有する化合物、前記触媒、前記重合禁止剤を混合し、攪拌を行う方法が挙げられる。このとき、触媒の使用量は、(A−1)共重合樹脂およびオキシラン環とエチレン性不飽和結合を有する化合物の合計に対して0.01〜1質量%である。重合禁止剤の使用量は、(A−1)共重合樹脂およびオキシラン環とエチレン性不飽和結合を有する化合物の合計に対して0.01〜1質量%である。また、反応温度は60〜150℃であり、反応時間は3〜60時間である。
【0046】
(A−1)共重合樹脂の重量平均分子量について、その下限値は硬化塗膜である反射皮膜の強靭性及び指触乾燥性の点から3000であり、好ましくは5000である。一方、その上限値は、(C)希釈剤等との相溶性及びアルカリ現像性の点から200000であり、好ましくは50000である。また、(A−2)共重合樹脂の重量平均分子量について、その下限値は硬化塗膜である反射皮膜の強靭性及び指触乾燥性の点から3000であり、好ましくは5000である。一方、その上限値は、(C)希釈剤等との相溶性及びアルカリ現像性の点から200000であり、好ましくは50000である。
【0047】
得られた(A−1)共重合樹脂及び(A−2)共重合樹脂の酸価は、それぞれ30〜150mgKOH/gの範囲にあることが好ましい。酸価が30mgKOH/g未満の場合には(B)硬化剤成分との硬化性が低下し、150mgKOH/gを越えると反射皮膜の耐候性が劣るからである。
【0048】
(B)硬化剤
硬化剤は、硬化塗膜の架橋密度を上げて十分な反射皮膜を得るためのものであり、例えば、エポキシ樹脂を挙げることができる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型など)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、2,5‐ジ‐tert-ブチルハイドロキノン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、さらにシクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、核水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、核水添ビフェニル型エポキシ樹脂等の核水添型エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、無水フタル酸ジグリシジルエステル、無水ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のエステル型エポキシ樹脂、メラミン、メチル化メチロールメラミン、ブチル化メチロールメラミン、イミダゾール、ジシアンジアミド等を挙げることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。硬化剤の使用量は、硬化後に十分な塗膜を得る点から、共重合樹脂100質量部に対して、10〜100質量部であり、20〜50質量部が好ましい。
【0049】
(C)希釈剤
希釈剤は、例えば、光重合性モノマーであり、硬化性樹脂の光硬化を十分にして、耐酸性、耐熱性、耐アルカリ性などを有する反射皮膜を得るために使用する。光重合性モノマーとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ビスフェノールA型EO変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型PO変性ジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、例えば(メタ)アクリル基とヒドロキシ基を一つ以上有する化合物とイソシアネート基を1つ以上有する化合物とを反応させることにより得られるウレタン系アクリル化合物等を挙げることができる。希釈剤の使用量は、共重合樹脂100質量部に対して、2.0〜150質量部であり、10〜80質量部が好ましい。また、(メタ)アクリル基を2以上有する希釈剤の場合、その(メタ)アクリル当量は、柔軟性及び低反り性の点から200g/eq以上が好ましく、300g/eg以上が特に好ましい。なお、本明細書における(メタ)アクリル当量とは、(メタ)アクリロイル基1個当たりの分子量を意味する。
【0050】
(D)無機白色顔料
無機白色顔料は、硬化塗膜を白色化するためのものであり、例えば、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタンを挙げることができる。アナターゼ型酸化チタンは、ルチル型酸化チタンと比較して白色度は高いものの、光触媒活性を有するので、硬化性樹脂組成物中の樹脂の変色を引き起こすことがある。これに対して、ルチル型酸化チタンは光触媒活性をほとんど有さず、反射皮膜の変色を防止できる点で好ましい。ルチル型酸化チタンの粒子の平均粒径は特に限定されないが、通常は、0.01〜1μmである。また、ルチル型酸化チタン粒子の表面処理剤も特に限定されない。ルチル型酸化チタンには、例えば、富士チタン工業(株)製「TR−600」、「TR−700」、「TR−750」、「TR−840」、石原産業(株)製「R−550」、「R−580」、「R−630」、「R−820」、「CR−50」、「CR−60」、「CR−90」、「CR−93」、チタン工業(株)製「KR−270」、「KR−310」、「KR−380」、テイカ(株)製「JR−1000 」等を使用することができる。ルチル型酸化チタンの使用量は、共重合樹脂100質量部に対して30〜800質量部であり、好ましくは50〜500質量部である。
【0051】
本発明の反射シートの反射皮膜形成に用いる硬化性樹脂組成物では、上記各成分の他に、必要に応じて、下記成分を配合させることができる。
【0052】
(E)光重合開始剤
光重合開始剤は、一般的に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、オキシム系開始剤、ベンゾイン、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン等がある。光重合開始剤の使用量は、共重合樹脂100質量部に対して、5〜20質量部であり、8〜15質量部が好ましい。
【0053】
(F) リン系の難燃剤
リン系の難燃剤は、硬化性樹脂組成物に難燃性を付与するためのものであり、例えば、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、2,3−ジブロモプロピル−2,3−クロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの含ハロゲン系リン酸エステル;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェートなどのノンハロゲン系脂肪族リン酸エステル;トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリス(トリメチルフェニル)ホスフェート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェートなどのノンハロゲン系芳香族リン酸エステル;トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ビスジエチルホスフィン酸亜鉛、ビスメチルエチルホスフィン酸亜鉛、ビスジフェニルホスフィン酸亜鉛、ビスジエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスジエチルホスフィン酸チタン、ビスメチルエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスメチルエチルホスフィン酸チタン、ビスジフェニルホスフィン酸チタニル、テトラキスジフェニルホスフィン酸チタンなどのホスフィン酸の金属塩、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイド(以下HCA)、HCAとアクリル酸エステルの付加反応生成物、HCAとエポキシ樹脂の付加反応生成物、HCAとハイドロキノンの付加反応生成物等のHCA変性型化合物、ジフェニルビニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリアルキルホスフィンオキサイド、トリス(ヒドロキシアルキル)ホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド系化合物等が挙げられる。これらのうち、環境負荷を抑える点から、ノンハロゲン系のリン酸エステル、ホスフィン酸の金属塩、HCA変性型化合物、ホスフィンオキサイド系化合物が好ましく、少量にて、難燃性だけではなく、耐ブリードアウト性、耐変色性に優れる点からホスフィン酸の金属塩が特に好ましい。リン系の難燃剤の使用量は、共重合樹脂100質量部に対して3〜20質量部であり、十分な難燃性を確保しつつ反射皮膜の機械的強度の低下を確実に抑える点から、4〜15質量部が好ましい。
【0054】
金属水酸化物は、難燃助剤として配合するものであり、例えば、水酸化アルミニウム等を挙げることができる。その使用量は、共重合樹脂100質量部に対して1〜100質量部である。
【0055】
また、本発明では、必要に応じて、さらに、種々の添加成分、例えば、消泡剤、分散剤、体質顔料、無機イオンキャッチャー、有機溶剤等を適宜配合することができる。消泡剤には、公知のものを使用でき、例えば、シリコーン系、炭化水素系、アクリル系等を挙げることができる。分散剤には、シラン系、チタネート系、アルミナ系等のカップリング剤が挙げられる。体質顔料は、塗工した反射皮膜の物理的強度を上げるためのものであり、例えば、シリカ、硫酸バリウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、タルク、マイカ等を挙げることができる。無機イオンキャッチャーとしては、リン酸ジルコニウム系化合物等を挙げることができる。
【0056】
有機溶剤は、硬化性樹脂組成物の粘度や乾燥性を調節するためのものであり、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等の酢酸エステル類等を挙げることができる。
【0057】
上記した本発明の反射シートに用いる硬化性樹脂組成物の製造方法は、特定の方法に限定されないが、例えば、上記各成分を所定割合で配合後、攪拌機で予備混合し、室温にて三本ロールにより混合分散させて製造することができる。
【0058】
次に、上記した硬化性樹脂組成物をシート状ベースフィルムの表面に塗工して、本発明の反射シートを製造する方法の例について説明する。上記のようにして得られた硬化性樹脂組成物を熱硬化させて反射皮膜を形成する場合には、例えば、シート状ベースフィルム表面を酸で処理して洗浄後、洗浄した表面に、上記硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷法、スプレーコート法等の方法を用いて所望の厚さ、例えば5〜100μmの厚さに塗布する。次に、熱風炉または遠赤外線炉等で予備乾燥を行い、硬化性樹脂組成物から溶剤を揮発させて塗膜の表面をタックフリーの状態にする。予備乾燥では、60〜80℃程度の温度で15〜60分間程度加熱する。次いで、例えば130〜170℃の熱風炉または遠赤外線炉等の乾燥機等で10〜80分間加熱することによりポストキュアを行って、ベースフィルム表面の塗膜を熱硬化させ、反射皮膜を有する反射シートを製造する。
【0059】
上記のようにして得られた硬化性樹脂組成物を光硬化させて反射皮膜を形成する場合には、例えばシート状ベースフィルム表面を酸で処理して洗浄後、洗浄した表面に、硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷法、スプレーコート法等の方法を用いて所望の厚さ、例えば5〜100μmの厚さに塗布する。次に、硬化性樹脂組成物中の溶剤を揮散させるために60〜80℃程度の温度で15〜60分間程度加熱する予備乾燥を行う。その後、塗布した硬化性樹脂組成物上に紫外線を照射して光硬化させる。このとき、反射シートに反射皮膜の所定パターンを形成する場合には、透光性にした所定パターン部を有するネガフィルムを、塗布した硬化性樹脂組成物上に密着させ、その上から紫外線を照射し、前記所定パターンに対応する非露光領域を希アルカリ水溶液で除去することにより所定パターンを有する反射皮膜が現像される。現像方法には、スプレー法、シャワー法等が用いられ、使用される希アルカリ水溶液としては0.5〜5%の炭酸ナトリウム水溶液が一般的であるが、他のアルカリも使用可能である。その次に、130〜170℃の熱風循環式の乾燥機等で20〜80分間ポストキュアを行うことにより、シート状ベースフィルム上に目的とする反射皮膜を形成した反射シートを製造する。
【0060】
上記シート状ベースフィルムの材料は、特に限定されないが、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルフロライド(PVF)、フッ化エチレン・プロピレンコポリマー(FEP)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、アラミド、ポリアミド・イミド、エポキシ、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)等を挙げることができる。
【0061】
太陽電池バックシート用の反射シートを製造する場合には、例えば、ベースフィルムとして、厚さ40μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる。また、硬化後の膜厚が例えば20〜23μmとなるように、ポリエチレンテレフタレートフィルム表面に硬化性樹脂組成物を塗工する。さらに、硬化性樹脂組成物の塗工部位は、太陽電池モジュール裏面に対向したベースフィルム表面領域の全面または略全面について行なうのが好ましい。
【0062】
次に、本発明の反射シートの使用方法例について説明する。例えば、本発明の反射シートは、太陽電池モジュールの裏面側、すなわち日射を受ける表面とは反対側の表面上に配置することで太陽電池バックシートとして使用できる。本発明の反射シートを太陽電池バックシートとして使用すると、太陽電池モジュールの発電素子に受光されずに太陽電池モジュール内を透過した太陽光が、反射シートにより反射されて太陽電池モジュールの裏面側から再度太陽電池モジュール内部に戻されるので、太陽電池モジュールの発電効率が向上する。なお、太陽電池モジュール裏面への反射シートの設置方法には、例えば、接着剤や接着用テープを用いて太陽電池モジュール裏面に直接貼り合わせる方法が挙げられる。
【実施例】
【0063】
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
【0064】
(A−1)(A−2)芳香環を有するカルボキシル基含有共重合樹脂の合成
合成例1
攪拌機、温度計、還流管を取付けた500mL四つ口フラスコに、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、DPM)110gを投入し、窒素雰囲気下で120℃まで昇温後、メタクリル酸17.2g(0.2mol)、フェノキエチルメタクリレート(サートマー社製SR-340、以下、PEMA)92.8g(0.45mol)、ジメチル2,2’-アゾビス(2‐メチルプロピオネート)(和光純薬製V-601、以下、DMAMP)4.6g及びDPM10gの混合溶液を約1時間かけて滴下後、3時間120℃で攪拌することで、合成例1の共重合樹脂を約49質量%含むDPM溶液を生成し、合成例1の共重合樹脂を得た。この芳香環を有するカルボキシル基含有共重合樹脂の重量平均分子量は約25000(ポリスチレン換算)、固形分酸価は98mgKOH/gであった。
【0065】
合成例2
攪拌機、温度計、還流管を取付けた500mL四つ口フラスコに、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(以下DPM)125gを投入し、窒素雰囲気下で120℃まで昇温後、メタクリル酸34.4g(0.4mol)、PEMA82.5g(0.4mol)、DMAMP5.5g及びDPM10gの混合溶液を約1時間かけて滴下後、3時間120℃で攪拌することで、カルボキシル基を有する共重合体を得た。
【0066】
次に、フラスコ内の温度を100℃まで下げた後、フラスコ内に空気と窒素の混合気体(空気体積対窒素体積比が1対2)を200mL/minにて通気させながら、グリシジルメタクリレート(日本油脂製ブレンマーGH、以下GMA)21.3g(0.15mol)と、反応触媒としてトリフェニルホスフィン(以下TPP )0.3g、重合禁止剤としてメトキシハイドロキノン(以下MEHQ)0.1gを加え、100℃で5時間反応後、115℃で酸価の低下が終わるまで反応を継続して、合成例2の共重合樹脂を約52質量%含むDPM溶液を生成し、合成例2の共重合樹脂を得た。重量平均分子量は約18000(ポリスチレン換算)、固形分酸価は97mgKOH/gであった。
【0067】
合成例3
合成例2のPEMA82.5g(0.4mol)を74.2g(0.36mol)に、GMA21.3g(0.15mol)を4‐ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(日本化成製4‐HBAGE、以下4‐HBAGE)30.0g(0.15mol)に変更した以外は合成例2と同様にして、合成例3の共重合樹脂を約52質量%含むDPM溶液を生成し、合成例3の共重合樹脂を得た。重量平均分子量は約16000(ポリスチレン換算)、固形分酸価は97mgKOH/gであった。
【0068】
合成例4
合成例2のDPM125gを160gに、メタクリル酸34.4g(0.4mol)を56.8g(0.66mol)に、PEMA 82.5g(0.4mol)を47.4g(0.23mol)に、DMAMP5.5gを6.5gに、更にGMA21.3g(0.15mol)を4‐HBAGE70.1g(0.35mol)に変更した以外は合成例2と同様にして、合成例4の共重合樹脂を約52質量%含むDPM溶液を生成し、合成例4の共重合樹脂を得た。重量平均分子量は約19000(ポリスチレン換算)、固形分酸価は96mgKOH/gであった。
【0069】
合成例5
合成例2のPEMA82.5g(0.4mol)を2(2‐フェノキシエトキシ)エチルメタクリレート(日油製ブレンマーPAE-100、以下2PEEMA )85.1g(0.34mol)に変更した以外は合成例2と同様にして、合成例5の共重合樹脂を約52質量%含むDPM溶液を生成し、合成例5の共重合樹脂得た。重量平均分子量は約18000(ポリスチレン換算)、固形分酸価は96mgKOH/gであった。
【0070】
合成例6
合成例2のPEMA 82.5g(0.4mol)を2PEEMA75.1g(0.3mol)に変更した以外は合成例2と同様にして、合成例6の共重合樹脂を約52質量%含むDPM溶液を生成し、合成例6の共重合樹脂得た。重量平均分子量は約20000(ポリスチレン換算)、固形分酸価は97mgKOH/gであった。
【0071】
合成例7
合成例2のDPM125gを105gに、メタクリル酸34.4g(0.4mol)を25.8g(0.3mol)に、PEMA82.5g(0.4mol)をスチレン42.7g(0.4mol)とノルマルブチルメタクリレート(三菱レイヨン製アクリエステルBMA、以下nBMA)15.6g(0.1mol)に、更にGMA21.3g(0.15mol)を4‐HBAGE22.0g(0.11mol)に変更した以外は合成例2と同様にして、合成例7の共重合樹脂を約47質量%含むDPM溶液を生成し、合成例7の共重合樹脂を得た。重量平均分子量は約14000(ポリスチレン換算)、固形分酸価は95mgKOH/gであった。
【0072】
合成例8
合成例2のDPM125gを110gに、メタクリル酸34.4g(0.4mol)をアクリル酸25.2g(0.35mol)に、PEMA82.5g(0.4mol)を59.8g(0.29mol)に、DMAMP5.5gを4gに変更した以外は合成例2と同様にして、合成例8の共重合樹脂を約48質量%含むDPM溶液を生成し、合成例8の共重合樹脂を得た。重量平均分子量は約16000(ポリスチレン換算)、固形分酸価は101mgKOH/gであった。
【0073】
合成例9
合成例2のメタクリル酸34.4g(0.4mol)をアクリル酸23.8g(0.33mol)に、PEMA82.5g(0.4mol)を2PEEMA57.6g(0.23mol)に、DMAMP5.5gを4.0gに変更した以外は合成例2と同様にして、合成例9の共重合樹脂を約48質量%含むDPM溶液を生成し、合成例9の共重合樹脂を得た。重量平均分子量は約15000(ポリスチレン換算)、固形分酸価は94mgKOH/gであった。
【0074】
下記表1に、上記合成例1〜9に係る樹脂の原料比(mol)、芳香族炭化水素骨格比率(質量%)及び酸価(mgKOH/g)を示す。
【0075】
【表1】
【0076】
比較合成例1
攪拌機、温度計、還流管を取付けた500mL四つ口フラスコに、プロピレングリコールジアセテート(以下PGDA)80gを投入し、窒素雰囲気下で90℃まで昇温後、GMA28.4g(0.2mol)、2-ヒドロキシエチルメタクリレートのカプロラクトン付加物(平均1mol付加、ダイセル化学工業製プラクセルFM1D)49.9g(0.2mol)、DMAMP 1g、メルカプトプロピオン酸-2エチルヘキシル(堺化学工業製、EHMP)1g及びPGDA 80gの混合溶液を約1時間かけて滴下後、8時間90℃で攪拌することで、エポキシ基を有する共重合体を得た。
【0077】
次に、フラスコ内に空気と窒素の混合気体(空気体積対窒素体積比が1対2)200mL/minにて通気させながら、アクリル酸72.02g(0.21mol)、反応触媒としてTPP0.5g、重合禁止剤としてMEHQ0.2gを加え、100℃で5時間反応後、115℃で酸価の低下が終わるまで反応を継続して、共重合体のエポキシ基とアクリル酸のカルボキシル基の付加反応を行った。酸価が2以下になった後、フラスコ内の温度を90℃まで下げた後、コハク酸無水物16.0g(0.16mol)を加えて8時間以上反応させて、酸無水物の開環付加反応を行った。IRで酸無水物のピークが消失した時点を反応の終点として、芳香族炭化水素骨格を有さない比較合成例1の共重合樹脂の溶液を得た。この樹脂溶液の固形分は約40質量%、重量平均分子量が約12000(ポリスチレン換算)、固形分酸価は78mgKOH/gであった。
【0078】
比較合成例2
攪拌機、温度計、還流管を取付けた500mL四つ口フラスコに、DPM105gを投入し、窒素雰囲気下で120℃まで昇温後、メタクリル酸43.0g(0.5mol)、n-BMA21.3g(0.15mol)、DMAMP4.5g及びDPM10gの混合溶液を約1時間かけて滴下後、3時間120℃で攪拌することで、カルボキシル基を有する共重合体を得た。
【0079】
次に、フラスコ内の温度を100℃まで下げた後、フラスコ内に空気と窒素の混合気体(空気体積対窒素体積比が1対2)を200mL/min通気させながら、GMA14.2g(0.1mol)とm,p‐クレジルグリシジルエーテル(坂本薬品製m,p-CGE)32.8g(0.2mol)、反応触媒としてトリフェニルホスフィン(以下TPP)0.3g、重合禁止剤としてメトキシハイドロキノン(以下MEHQ)0.1gを加え、100℃で5時間反応後、115℃で酸価の低下が終わるまで反応を継続し、カルボキシル基、側鎖のα位に水素原子を有する芳香族炭化水素骨格及びメタクリル基を有する共重合樹脂を約48質量%含むDPM溶液を生成し、比較合成例2の共重合樹脂を得た。重量平均分子量は約15000(ポリスチレン換算)、固形分酸価は96mgKOH/gであった。
【0080】
比較合成例3
比較合成例2のGMA14.2g(0.1mol)とm,p‐クレジルグリシジルエーテル32.8g(0.2mol)を、GMA42.6g(0.3mol)に換えた以外は比較製造例2と同様にして、カルボキシル基とメタクリル基を有するが芳香族炭化水素骨格は有さない共重合樹脂を約49質量%含むDPM溶液生成し、比較合成例3の共重合樹脂を得た。重量平均分子量は約15000(ポリスチレン換算)、固形分酸価は100mgKOH/gであった。
【0081】
実施例1〜23、比較例1〜9
下記表2、3、4に示す各成分を下記表2、3、4に示す配合割合にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜23、比較例1〜9にて使用する硬化性樹脂組成物を調製した。そして、調製した硬化性樹脂組成物を以下のように塗工して試験片を作成した。下記表2、3、4に示す配合量は質量部を表す。
【0082】
【表2】
【0083】
表2中、
エピコート828:ジャパンエポキシレジン(株)製ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
DPHA:日本化薬(株)製ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、
DPM:協和発酵工業(株)製ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、
ルチル型酸化チタン:石原産業(株)製「CR-80」、
KS-66:信越シリコーン(株)製シリコンオイルである。
【0084】
【表3】
【0085】
表3中、
YX-8000:ジャパンエポキシレジン(株)製の核水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
TPO:2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド、
BAPO:ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイドである。
【0086】
【表4】
【0087】
表4中、
ACA-Z250:ダイセル化学工業(株)製樹脂溶液(脂環式骨格を有し、芳香族炭化水素骨格を有さず、カルボキシル基とアクリル基を持つ)、
エピコート1004F:ジャパンエポキシレジン(株)製ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
YDC-1312:東都化成(株)製ジターシャリーブチルハイドロキノン変性エポキシ樹脂、
BP4EA:共栄社化学製EO変性ビスフェノールA型アクリレート(EO=4)、
AH-600:共栄社化学製 2官能ウレタン変性エポキシアクリレート、
EBECRYL3708:ダイセルサイテック(株)製 2官能エポキシアクリレート、
UF-8001G:共栄社化学製 2官能ウレタンアクリレート、
SPEEDCURE TPO:日本シイベルヘグナー社製、
IRGACURE 819:チバ スペシャルティ ケミカルズ社製である。
【0088】
試験片作成工程1(実施例1〜2、比較例1〜3)
熱硬化させた塗膜の反射率と硬度を評価するための試験片作成工程である。硬度については、厚さ40μmのシート状ポリエチレンテレフタレートフィルム表面にスクリーン印刷法にて、硬化性樹脂組成物を塗布後、BOX炉内にて、70℃、20分間加熱して予備乾燥を行った。予備乾燥後、BOX炉にて150℃で60分のポストキュアを行って硬化塗膜を形成して、反射シートの試験片を作成した。ポストキュア後の硬化塗膜の厚みは、20〜23μmであった。反射率については、加速試験である環境放置に伴うポリエチレンテレフタレート自体の劣化の影響を除くため、シート状ポリエチレンテレフタレートフィルムに代えてガラス板(1.2mm厚)上に、上記した硬度の評価と同様の工程にて硬化塗膜を形成して、反射シートの試験片を作成した。
【0089】
試験片作成工程2(実施例3〜12、比較例4〜6)
光硬化させた塗膜の反射率と硬度を評価するための試験片作成工程である。硬度については、厚さ40μmのシート状ポリエチレンテレフタレートフィルム表面にスクリーン印刷法にて、硬化性樹脂組成物を塗布後、BOX炉にて80℃で20分の予備乾燥を行った。予備乾燥後、塗膜上に露光装置(オーク社製HMW−680GW)にて500mJ/cm露光した後、BOX炉にて150℃で60分のポストキュアを行ってポリエチレンテレフタレートフィルム表面に硬化塗膜を形成して、反射シートの試験片を作成した。ポストキュア後の硬化塗膜の厚みは、20〜23μmであった。反射率については、加速試験である環境放置に伴うポリエチレンテレフタレート自体の劣化の影響を除くため、シート状ポリエチレンテレフタレートフィルムに代えてガラス板(1.2mm厚)上に、上記した硬度の評価と同様の工程にて硬化塗膜を形成して、反射シートの試験片を作成した。
【0090】
試験片作成工程3(実施例13〜23、比較例7〜9)
光硬化させた塗膜の反射率、柔軟性、反り性、難燃性を評価するための試験片作成工程である。硬度、柔軟性、反り性、難燃性については、希硫酸(3%)により表面処理をほどこした厚さ40μmのシート状ポリエチレンテレフタレートフィルム表面にスクリーン印刷法にて、硬化性樹脂組成物を塗布後、BOX炉にて80℃で20分の予備乾燥を行った。予備乾燥後、塗膜上に露光装置(オーク社製HMW−680GW)にて500mJ/cm露光した後、BOX炉にて150℃で60分のポストキュアを行ってポリエチレンテレフタレートフィルム表面に硬化塗膜を形成して、反射シートの試験片を作成した。ポストキュア後の硬化塗膜の厚みは、20〜23μmであった。反射率については、加速試験である環境放置に伴うポリエチレンテレフタレート自体の劣化の影響を除くため、シート状ポリエチレンテレフタレートフィルムに代えてガラス板(1.2mm厚)上に、上記した柔軟性等の評価と同様の工程にて硬化塗膜を形成して、反射シートの試験片を作成した。
【0091】
評価
(1)反射率(%)
初期:ポストキュア後の試験片について、分光光度計U‐3410((株)日立製作所製:φ60mm積分球)にて、450nmおける反射率を測定した。
加熱後:反射シートの反射率について、耐熱性を評価するものであり、試験片を170℃で100時間加熱後、分光光度計U‐3410((株)日立製作所製:φ60mm積分球)にて、450nmおける試験片の反射率を測定した。
照射後:反射シートの反射率について、耐光性を評価するものであり、50J/cmのUV照射(2分間)後、分光光度計U‐3410((株)日立製作所製:φ60mm積分球)にて、450nmおける試験片の反射率を測定した。
加湿加熱後:反射シートの反射率について、耐候性を評価するものであり、試験片を85℃、85%RHにて1000時間処放置後、分光光度計U‐3410((株)日立製作所製:φ60mm積分球)にて、450nmおける試験片の反射率を測定した。
(2)硬度
硬化塗膜に、芯の先が平らになるように研がれたBから9Hの鉛筆を約45°の角度で押しつけて、塗膜の剥がれが生じない鉛筆の硬さを記録した。
(3)柔軟性
露光後の塗膜について、円筒形マンドレル法により、塗膜の柔軟性を目視観察及び×200の光学顕微鏡観察から評価したものであり、○:直径2mm以下で異常なし、△:直径4mmで異常なしだが、直径2mm以下でクラック、剥離等の異常あり、×:直径4mm以上でクラック、剥離等の異常あり、の3段階で評価した。
(4)反り性
試験片を2cm×2.5cmに切り出した後、 水平な台上に上が凹になるように静かに試験片を置き、特に外力を加えないようにして、4か所の角と台との間の垂直な隔たりを直尺で1mmの単位まで測定し、その最大値を反り量とした。測定結果については、○:5mm未満の反り量、△:5〜8mmの反り量、×:8mm超の反り量、の3段階で評価した。
(5)難燃性
試験片について、UL94規格に準拠した垂直燃焼試験を行った。評価はUL94規格に基づいて、VTM−0〜燃焼で表した。
【0092】
実施例1〜23、比較例1〜9の測定結果を下記表5、6、7に示す。
【0093】
【表5】
【0094】
【表6】
【0095】
【表7】
【0096】
硬化性樹脂組成物を熱硬化させて反射シートの反射皮膜を形成した場合、実施例1、2と比較例1、2より、共重合体の原料にメタクリル酸を用いることで、反射皮膜の加熱後、UV照射後及び加湿加温後における反射率の低下を抑えることができた。また、実施例1、2と比較例3より、重合後、芳香族炭化水素骨格の側鎖α位には水素原子を有さない一般式(II)及び一般式(III)を用いることで、反射皮膜の加熱後、UV照射後及び加湿加温後における反射率の低下を抑えることができた。さらに、実施例1、2では、いずれも硬度4H以上であり塗膜の硬度にも優れていた。一方、m,p‐クレジルグリシジルエーテルを付加したことで、重合後、側鎖α位に水素原子がある芳香族炭化水素を含有する比較例3では、共重合体の原料にメタクリル酸を用いても、加熱後、照射後、加湿加温後ともに反射皮膜の反射率は低下した。
【0097】
硬化性樹脂組成物を光硬化させて反射シートの反射皮膜を形成した場合、実施例3〜12と比較例4、5より、共重合体の原料に(メタ)アクリル酸を用いることで反射皮膜の加熱後、UV照射後及び加湿加温後における反射率の低下を抑えることができた。また、実施例3〜12と比較例6より、重合後、芳香族炭化水素骨格の側鎖α位には水素原子を有さない一般式(II)及び一般式(III)を用いることで、反射皮膜の加熱後、UV照射後及び加湿加温後における反射率の低下を抑えることができた。さらに、実施例3〜12では、いずれも硬度4H以上であり塗膜の硬度にも優れていた。一方、m,p‐クレジルグリシジルエーテルを付加したことで、重合後、側鎖α位に水素原子がある芳香族炭化水素を含有する比較例6では、共重合体の原料にメタクリル酸を用いても、加熱後、照射後、加湿加温後ともに反射皮膜の反射率は低下した。
【0098】
硬化性樹脂組成物であってリン系の難燃剤と金属水酸化物をさらに配合した硬化性樹脂組成物を光硬化させて反射シートの反射皮膜を形成した場合、実施例13〜23、比較例8、9と比較例7との対比より、共重合体の原料に(メタ)アクリル酸を用いることで反射皮膜の加熱後、UV照射後及び加湿加温後における反射率の低下を抑えることができた。また、実施例13〜23では、柔軟性、低反り性及び難燃性のいずれも優れていた。一方、比較例7、8では芳香族炭化水素骨格を含有しないので、希釈剤等との相溶性が劣って柔軟性が低下し、難燃性も見られなかった。実施例13〜23と比較例9より、共重合体の原料に(メタ)アクリル酸を用いることで、芳香族炭化水素骨格を含有しなくとも各反射率の低下を抑えることができたが、芳香族炭化水素骨格を含まずに脂環式の骨格を有するので、希釈剤等との相溶性が劣って柔軟性が低下し、難燃性も見られなかった。また、比較例7、9では、反りが大きく反り性も劣っていた。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、紫外線照射後、加熱後及び加湿加温後の反射率、並びに柔軟性、低反り性、難燃性に優れた反射皮膜を有する反射シートを提供するので、特に、優れた耐光性、耐熱性及び耐候性と取り扱いの容易性が要求される太陽電池モジュールのバックシートの分野で利用価値が高い。