(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5710908
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】サンギア駆動式倍力駆動工具
(51)【国際特許分類】
B25B 21/00 20060101AFI20150409BHJP
F16H 1/28 20060101ALI20150409BHJP
【FI】
B25B21/00 R
F16H1/28
B25B21/00 520A
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2010-179828(P2010-179828)
(22)【出願日】2010年8月10日
(65)【公開番号】特開2011-36996(P2011-36996A)
(43)【公開日】2011年2月24日
【審査請求日】2013年7月31日
(31)【優先権主張番号】12/461,524
(32)【優先日】2009年8月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599075531
【氏名又は名称】楊 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】楊 泰和
【審査官】
石田 智樹
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭62−134670(JP,U)
【文献】
実開平07−031277(JP,U)
【文献】
実開昭60−186166(JP,U)
【文献】
実開昭62−104871(JP,U)
【文献】
米国特許第03916734(US,A)
【文献】
米国特許第01343667(US,A)
【文献】
特開2007−296630(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 15/00 − 15/06
B25B 17/00
B25B 21/00
F16H 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意にカップリングまたは取外し可能なサンギア駆動式倍力駆動工具であって、リングギア及び遊星歯車の設置が不要であり、個別のファスナーセット、締付ける装置、またはねじり調整装置のねじり構造を有する応用機構を、締付けたり、調整したり、取外したりすることが可能なサンギア駆動式倍力駆動工具であって、
外保護蓋(100)、ナット駆動リング体(111)、遊星歯車(131)、遊星歯車のロッカーアーム台(127)及びサンギア柱体(121)から構成され、
前記外保護蓋(100)は、蓋状を呈し、固定ネジ(115)を通して取外し可能な締付け構造で軸方向に締付けられ、または、瓶蓋状を呈し、ナット駆動リング体(111)の上段の外リングにねじ込まれるかまたはスナップされ、遊星歯車セットを保護し、中間に穴を開けてサンギア柱体(121)を駆動する工具が入れ込まれ、または前記サンギア柱体(121)の上軸を露出させて工具により駆動され、
前記ナット駆動リング体(111)は、環状構造体を呈し、上段の内リング構造は一体構造または組立方式で内リングギア(102)を設置することが可能であり、前記環状構造体の下段のスリーブ構造(103)とナット(101)の外側とをカップリングすることにより、前記内リングギア(102)が駆動されるとき、正回転または逆回転を通して、前記ナット(101)を締付けまたは緩め、
前記遊星歯車(131)は、サンギア柱体(121)のサンギアとカップリングし、かつ、前記ナット駆動リング体(111)に設置された前記内リングギア(102)とカップリングすることにより、遊星歯車セットの機能を構成し、
前記遊星歯車のロッカーアーム台(127)は、上部に1コまたは1コ以上の軸柱(128)を設置することにより、前記遊星歯車(131)を回転させ、遊星歯車のロッカーアーム台(127)に第1軸孔(126)を設置して前記サンギア柱体(121)の下端の第1突出軸状構造(125)をその中で回転させ、遊星歯車のロッカーアーム台(127)の下側は一体構造または組立構成で下方へ向かって延伸する多面柱状構造(123)を呈すことが可能であり、ねじ山(142)を有するスタッド(140)の上端面の内部へ凹む第1多角形孔(141)とカップリングして伝動し、
前記軸柱(128)及び前記遊星歯車(131)は1コまたは1コ以上によって構成され、 前記サンギア柱体(121)は、柱状構造体を呈し、上段構造は一体構造または組立方式により柱形の歯端(122)を構成可能であり、前記柱形の歯端(122)の上側は内部へ凹む第2多角形孔(124)を有し、または内部へ凹む前記第2多角形孔(124)を多面形の第2柱体(124')に取り換えてもよく、操作工具を受けて駆動され回転し、サンギア柱体(121)の下端は一つの前記第1突出軸状構造(125)を有することにより、前記遊星歯車のロッカーアーム台(127)の前記第1軸孔(126)とカップリングして回転させ、任意にサンギア柱体(121)は分離またはカップリングする操作工具により駆動されるものを受けることが可能であり、或いは制御工具とサンギア柱体(121)の両者は組立構成または一体構造を呈すことが可能であり、
前記ナット駆動リング体(111)を通して、前記サンギア柱体(121)、前記遊星歯車(131)及び前記サンギア柱体(121)の駆動用工具が共同して構成され、
前記外保護蓋(100)は、前記遊星歯車(131)及び前記ロッカーアーム台(127)を取り外すことなく、着脱可能であることを特徴とするサンギア駆動式倍力駆動工具。
【請求項2】
前記制御工具と前記サンギア柱体(121)の両者は組立構成を呈し、または一体構造を呈すことを特徴とする請求項1に記載のサンギア駆動式倍力駆動工具。
【請求項3】
前記サンギア柱体(121)の内部へ凹む前記第2多角形孔(124)に代えて、多面形の前記第2柱体(124’)を用いることが可能であることを特徴とする請求項1に記載のサンギア駆動式倍力駆動工具。
【請求項4】
前記サンギア柱体(121)に設置する前記第1突出軸状構造(125)と前記遊星歯車のロッカーアーム台(127)に設置する前記第1軸孔(126)は、逆の構造型態にすることも可能であって、前記サンギア柱体(121)に第2軸孔(125’)を設置し、前記遊星歯車のロッカーアーム台(127)に第2突出軸状構造(126’)を設置してもよく、前記第2軸孔(125’)と前記第2突出軸状構造(126’)とは互いにカップリングして、回転可能であることを特徴とする請求項1に記載のサンギア駆動式倍力駆動工具。
【請求項5】
操作において、前記多面柱状構造(123)に代えて、前記遊星歯車のロッカーアーム台(127)の下側に製作または組立方式により内部へ凹む多角孔を有するスリーブ構造(123’)を用いることが可能であり、前記ねじ山(142)を有する前記スタッド(140)の上端と相対して製作した多面柱体の第1柱体(141’)とカップリングして伝動することを特徴とする請求項1に記載のサンギア駆動式倍力駆動工具。
【請求項6】
前記操作工具はドライバーを選択することが可能であり、前記スタッド(140)の内部へ凹む前記第1多角形孔(141)及び/または前記サンギア柱体(121)の内部へ凹む前記第2多角形孔(124)に代えて、ドライバーのワーク端の形状と嵌合可能な溝の形状によって構成されることが可能であることを特徴とする請求項1に記載のサンギア駆動式倍力駆動工具。
【請求項7】
人力により駆動し、または流体モータまたは機械力または電動モータにより前記操作工具を駆動し、前記サンギア柱体(121)を駆動することにより、さらに前記内リングギア(102)により前記ナット駆動リング体(111)を駆動し、また遊星歯車セットの減速倍数により倍力効果をもたらし、前記ナット(101)を動かして前記スタッド(140)の前記ねじ山(142)にねじ込むことにより、締付けまたは緩めることが可能であることを特徴とする請求項1に記載のサンギア駆動式倍力駆動工具。
【請求項8】
サンギア駆動式倍力駆動工具に駆動されるスタッド構造の前記スタッド(140)の根部端は、構造体(200)に溶接されてもよく、前記ナット(101)を前記スタッド(140)にねじ込むことにより、被固定体(300)を締付けまたは緩め、前記スタッドが工具の末端に、一つの内部へ凹む前記第1多角孔または前記第1多角形柱体を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のサンギア駆動式倍力駆動工具。
【請求項9】
サンギア駆動式倍力駆動工具に駆動されるスタッド構造の前記スタッド(140)の根部端は、スタッド構造が構造体(200)のネジ穴にねじ込まれ、前記ナット(101)を前記スタッド(140)にねじ込むことにより、被固定体(300)を締付けまたは緩め、前記スタッドが工具の末端に、一つの内部へ凹む前記第1多角孔または前記第1多角形柱体を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のサンギア駆動式倍力駆動工具。
【請求項10】
サンギア駆動式倍力駆動工具に駆動されるスタッド構造であって、前記スタッド(140)の根部端が構造体(200)を貫通してもよく、他端はスタッド用ナットを有し、また前記構造体(200)に結合され、前記ナット(101)を前記スタッド(140)にねじ込むことにより、被固定体(300)を締付けまたは緩め、前記スタッドが工具の末端に、一つの内部へ凹む前記第1多角孔または前記第1多角形柱体を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のサンギア駆動式倍力駆動工具。
【請求項11】
サンギア駆動式倍力駆動工具に駆動されるスタッド構造であって、前記スタッド(140)の根部端が構造体(200)を貫通してもよく、また他端は回転制限スクエアスタッド・ボルトヘッドを有し、また構造体(200)に結合され、前記ナット(101)を前記スタッド(140)にねじ込むことにより、被固定体(300)を締付けまたは緩め、前記スタッドが工具の末端に、一つの内部へ凹む前記第1多角孔または前記第1多角柱体を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のサンギア駆動式倍力駆動工具。
【請求項12】
サンギア駆動式倍力駆動工具に駆動されるスタッド構造の前記スタッド(140)の根部端は、構造体(200)と被固定体(300)の間を貫通してもよく、前記ナット(101)を前記スタッド(140)の両端にねじ込むことにより、被固定体(300)を締付けまたは緩め、前記スタッドが工具の末端に、一つの内部へ凹む前記第1多角孔または前記第1多角形柱体を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のサンギア駆動式倍力駆動工具。
【請求項13】
外部が多角形構造を呈し、内部に前記スタッド(140)の前記ねじ山(142)へねじ込む内ねじ山(112)を有するナット(101)と、
前記ねじ山(142)を有し、頭部は更に内部へ凹む前記第1多角形孔(141)または多面形の第1柱体(141’)を有する構造を呈すスタッド(140)と、
を備えるファスナー装置を駆動可能であることを特徴とする請求項1に記載のサンギア駆動式倍力駆動工具。
【請求項14】
前記スタッド(140)の頭部の内部へ凹む前記第1多角形孔(141)に代えて、多面形の前記第1柱体(141’)を用いることが可能であり、多面形の前記第1柱体(141’)を選択するとき、多面形の前記第1柱体(141’)とカップリングする前記多面柱状構造(123)も同時に内部へ凹む多角形のスリーブ構造(123’)に変更し、多面形の前記第1柱体(141’)を駆動することを特徴とする請求項13に記載のサンギア駆動式倍力駆動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンギア駆動式倍力駆動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サンギア駆動式ファスナーセットはリングギアをナットに設置し、及び遊星歯車をボルトに設置し、ファスナーセットを一件一件に遊星歯車セット構造を設置する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のサンギア駆動式ファスナーセットは、リングギアをナットに設置し、かつ遊星歯車をボルトに設置し、ファスナーセットに遊星歯車セット構造を一件一件に設置し、各ファスナーセットにギアセットを設置するために、製造コストは比較的高い。
本発明は、製造コストを削減することの可能なサンギア駆動式倍力駆動工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のサンギア駆動式倍力駆動工具は、任意にカップリングまたは取外し可能なサンギア駆動式倍力駆動工具であって、リングギア及び遊星歯車の設置が不要で、個別のファスナーセット、締付ける装置、ねじり調整装置等のねじり構造を有する応用機構を締付けたり、調整したり、取外したりする一対多の方式により、製造コストを削減する。
具体的に、本発明は、外保護蓋100、ナット駆動リング体111、遊星歯車131、遊星歯車のロッカーアーム台127及びサンギア柱体121から構成され、
外保護蓋100は、蓋状を呈し、固定ネジ115を通して取外し可能な締付け構造で軸方向に締付けられ、または、瓶蓋状を呈し、ナット駆動リング体111の上段の外リングにねじ込まれるかまたはスナップされ、遊星歯車セットを保護し、中間に穴を開けてサンギア柱体121を駆動する工具が入れ込まれ、またはサンギア柱体121の上軸を露出させて工具により駆動され、
ナット駆動リング体111は、環状構造体を呈し、上段の内リング構造は一体構造または組立方式で内リングギア102を設置することが可能であり、環状構造体の下段のスリーブ構造103とナット101の外側とをカップリングすることにより、内リングギア102が駆動されるとき、正回転または逆回転を通して、ナット101を締付けまたは緩め、
遊星歯車131は、サンギア柱体121のサンギアとカップリングし、かつ、ナット駆動リング体111に設置された内リングギア102とカップリングすることにより、インタラクト可能な遊星歯車セットの機能を構成し、
遊星歯車のロッカーアーム台127は、上部に1コまたは1コ以上の軸柱128を設置することにより、遊星歯車131を回転させ、遊星歯車のロッカーアーム台127に第1軸孔126を設置してサンギア柱体121の下端の第1突出軸状構造125をその中で回転させ、遊星歯車のロッカーアーム台127の下側は一体構造または組立構成で下方へ向かって延伸する多面柱状構造123を呈すことが可能であり、ねじ山142を有するスタッド140の上端面の内部へ凹む第1多角形孔141とカップリングして伝動し、
軸柱128及び遊星歯車131は1コまたは1コ以上によって構成され、
サンギア柱体121は、柱状構造体を呈し、上段構造は一体構造または組立方式により柱形の歯端122を構成可能であり、柱形の歯端122の上側は内部へ凹む第2多角形孔124を有し、または内部へ凹む第2多角形孔124を多面形の第2柱体124’に取り換えてもよく、操作工具を受けて駆動され回転し、サンギア柱体121の下端は一つの第1突出軸状構造125を有することにより、遊星歯車のロッカーアーム台127の第1軸孔126とカップリングして回転させ、任意にサンギア柱体121は分離またはカップリングする操作工具により駆動されるものを受けることが可能であり、或いは制御工具とサンギア柱体121の両者は組立構成または一体構造を呈すことが可能であり、
ナット駆動リング体111を通して、サンギア柱体121、遊星歯車131及びサンギア柱体121の駆動用工具が共同して構成されることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本発明の第1実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具のナット駆動リング体上面の断面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具の中心線を含む断面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具の底面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具を示す分解斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態の変形例を示す分解斜視図である。
【
図7】本発明の第2実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具を示す分解斜視図である。
【
図9】本発明の第2実施形態の変形例を示す分解斜視図である。
【
図11】本発明の第3実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具におけるサンギア柱体及び遊星歯車のロッカーアーム台の他の実施形態を示す分解斜視図である。
【
図12】本発明の第1〜第3実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具に駆動されるスタッドと構造体及び被固定体との構造の第1例を示す模式図である。
【
図13】本発明の第1〜第3実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具に駆動されるスタッドと構造体及び被固定体との構造の第2例を示す模式図である。
【
図14】本発明の第1〜第3実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具に駆動されるスタッドと構造体及び被固定体との構造の第3例を示す模式図である。
【
図15】本発明の第1〜第3実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具に駆動されるスタッドと構造体及び被固定体との構造の第4例を示す模式図である。
【
図16】本発明の第1〜第3実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具に駆動されるスタッドと構造体及び被固定体との構造の第5例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
従来、サンギア駆動式ファスナーセットは、リングギアをナットに設置し、かつ遊星歯車をボルトに設置し、ファスナーセットの一件一件に遊星歯車セット構造を設置するために、製作コストが比較的高い。これに対し、本発明の一実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具は、任意にカップリングまたは取外し可能なサンギア駆動式倍力駆動工具を通して、リングギア及び遊星歯車の設置が不要で、個別ファスナーセット、締付ける装置、ねじり調整装置等のねじり構造を有する応用機構を締付けたり、調整したり、取外したりする一対多の方式により、設置コストを削減する。
【0007】
(第1実施形態)
図1に本発明の第1実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具のナット駆動リング体上面を断面とする断面図を示す。
図2に本発明の第1実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具の中心線を含む縦断面図を示す。
図3に本発明の第1実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具の底面図を示す。
図4に本発明の第1実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具を示す分解斜視図を示す。
図1〜
図4に示すように、本発明の第1実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具は、下記のファスナー装置を駆動する。
ナット101は、外部が多角形構造を呈し、内部にスタッド140のねじ山142がねじ込まれる内ねじ山112を有する。
スタッド140は、ねじ山142を有し、さらにスタッド140の頭部は更に内部へ凹む第1多角形孔141または多面形の第1柱体141’を有する構造を呈す。
【0008】
(変形例)
上述したスタッド140の頭部の内部へ凹む第1多角形孔141に代えて、多面形の第1柱体141’を用いることが可能である。
図5に
図1〜
図4の内部へ凹む多角形孔141に代えて、多面形の第1柱体141’を用いる本発明の第1実施形態の変形例を示す。第1柱体141’を選択するとき、第1柱体141’とカップリングする多面柱状構造123も同時に内部へ凹む多角形のスリーブ構造123’に変更し、多面形の柱体141’を駆動するものと接続される。
図6に、
図5における多面形の柱体141’を組み付けた断面図を示す。
【0009】
(第2実施形態)
図7に本発明の第1実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具にねじ込み式保護蓋を設けた第2実施形態の分解斜視図を示す。
図8に
図7の縦断面図を示す。
【0010】
本発明の第2実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具は下記の構成を備える。
外保護蓋100は、蓋状を呈し、取外し可能な締付け構造を軸方向に締付け、瓶蓋状の外保護蓋をナット駆動リング体111の上段の外リングにねじ込むかまたはスナップする。上述した外保護蓋100の内側に遊星歯車セットを保護し、外保護蓋の中央に穴を開け、サンギア柱体121を駆動する工具を入れ込み、またはサンギア柱体121の上軸を露出させ、工具により駆動される。
【0011】
ナット駆動リング体111は、環状構造体を呈し、その上段の内リング構造は一体構造または組立方式で内リングギア102を設置することが可能である。その環状構造体の下段のスリーブ構造103とナット101の外側とをカップリングすることにより、内リングギア102が駆動されるとき、正回転または逆回転を通して、ナット101を緩めるかまたは締付ける。
【0012】
遊星歯車131は、サンギア柱体121のサンギアとカップリングし、かつ、ナット駆動リング体111を設置した内リングギア102とカップリングすることにより、インタラクト可能な遊星歯車セットの機能を構成する。
図9に示すように、遊星歯車のロッカーアーム台127の上部に、1コまたは1コ以上の軸柱128を設置することにより、遊星歯車131を回転させ、遊星歯車のロッカーアーム台127に第1軸孔126を設置し、サンギア柱体121の下端の第1突出軸状構造125をその中で回転させ、遊星歯車のロッカーアーム台127の下側は一体構造または組立構成で下方へ向かって延伸する多面柱状構造123を呈すことが可能であり、ねじ山142を有するスタッド140の上端面の内部へ凹む第1多角形孔141とカップリングして伝動する。
上述した軸柱128及び遊星歯車131は1コまたは1コ以上によって構成される。
【0013】
サンギア柱体121は、
図7及び
図8に示すように、柱状構造体を呈し、その上段構造は一体構造または組立方式により柱形の歯端122を構成することができ、柱形の歯端122の上側は内部へ凹む第2多角形孔124を有する。また、
図9及び
図10に示すように、内部へ凹む第2多角形孔124を多面形の第2柱体124’に取り換えてもよく、操作工具を受けて駆動され回転する。サンギア柱体121の下端は一つの第1突出軸状構造125を有することにより、遊星歯車のロッカーアーム台127の第1軸孔126とカップリングして回転させ、サンギア柱体121は分離または任意にカップリングする操作工具による駆動を受けることができ、或いは制御工具とサンギア柱体121の両者は組立構成または一体構造を呈することが可能である。
上述したナット駆動リング体111を通して、サンギア柱体121、遊星歯車131及びサンギア柱体121の駆動用工具が共同して、本発明の第2実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具を構成する。
【0014】
(変形例)
前述した本発明の第2実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具のサンギア柱体121の内部へ凹む第2多角形孔124に代えて、多面形の第2柱体124’を用いることが可能であり、
図9に多面形の第2柱体124’を用いる図を示す。
図10に第2多面形の柱体124’を設置した断面図を示す。
【0015】
(第3実施形態)
前述した第1、第2実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具のサンギア柱体121に設置する第1突出軸状構造125と遊星歯車のロッカーアーム台127に設置する第1軸孔126とは、逆の構造型態にすることも可能である。
図11に本発明の第3実施形態によるサンギア柱体121に第2軸孔125’を設置し、遊星歯車のロッカーアーム台127に第2突出軸状構造126’を設置する第3実施形態を示す。第2軸孔125’と第2突出軸状構造126’とは、互いにカップリングして、回転することができる。
【0016】
前述した第3実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具は、その操作はまた多面柱状構造123に代えて、上述した遊星歯車のロッカーアーム台127の下側に製作または組立方式により内部へ凹む多角孔を有するスリーブ構造123’を用いることが可能であり(
図5参照)、ねじ山142を有するスタッド140の上端と相対して製作した第1多面柱体141’とカップリングして伝動する。
前述した複数の実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具の操作工具は、ドライバー(DRIVER)を選択することが可能であり、スタッド140の内部へ凹む第1多角形孔141及び/またはサンギア柱体121の内部へ凹む第2多角形孔124に代えて、ドライバーのワーク端の形状とカップリングする溝槽によって構成されることが可能である。
【0017】
サンギア駆動式倍力駆動工具は、人力により駆動し、または流体モータまたは機械力または電動モータにより操作工具を駆動し、サンギア柱体121を駆動することにより、さらに内リングギア102を有するナットによりリング体111を駆動する。また遊星歯車セットの減速倍数により倍力効果をもたらし、ナット101を動かしてスタッド140のねじ山142にねじ込むことにより、締付けまたは緩めることが可能である。
【0018】
上述した複数の実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具により駆動するナット101とスタッド140の間に、防震O−リングワッシャの配置を選択するか、または直接スタッド140のねじ山142にねじ込むことができ、スタッド140の根部端を下記のいずれかにすることが可能である。
(1)スタッド140を構造体200に溶接し、ナット101をスタッド140にねじ込むことにより、被固定体300を締付けまたは緩める。その特徴はスタッドが工具の末端に、一つの内部へ凹む第1多角孔または第1多角形柱体を有することである。
図12に本発明の実施形態のスタッド140が構造体200に溶接されている図を示す。
【0019】
(2)スタッド140をスタッド構造により構造体200のネジ穴にねじ込み、ナット101をスタッド140にねじ込むことにより、被固定体300を締付けまたは緩める。その特徴はスタッドが工具の末端に、一つの内部へ凹む第1多角孔または第1多角形柱体を有することである。
図13に本発明の実施形態のスタッド140が構造体200のネジ穴にねじ込まれている図を示す。
【0020】
(3)スタッド140が構造体200を貫通し、他端はスタッド用ナットを有し、また構造体200に結合し、ナット101をスタッド140にねじ込むことにより、被固定体300を締付けまたは緩める。その特徴はスタッドが工具の末端に、一つの内部へ凹む第1多角孔または第1多角形柱体を有することである。
図14に本発明の実施形態のスタッド140が構造体を貫通し、また他端は別のナットを有する図を示す。
【0021】
(4)スタッド140が構造体200を貫通し、他端は回転制限スクエアスタッド・ボルトヘッドを有し、また構造体200に結合し、ナット101をスタッド140にねじ込むことにより、被固定体300を締付けまたは緩める。その特徴はスタッドが工具の末端に、一つの内部へ凹む第1多角孔または第1多角柱体を有することである。
図15に本発明の実施形態のスタッド140が構造体200を貫通し、また他端は回転制限スクエアスタッド・ボルトヘッドを有する図を示す。
【0022】
(5)スタッド140が構造体200と被固定体300の間を貫通し、ナット101をスタッド140の両端にねじ込むことにより、被固定体300を締付けまたは緩める。その特徴はスタッドが工具の末端に、一つの内部へ凹む第1多角孔または第1多角形柱体を有することである。
図16に本発明の実施形態のスタッド140の両端にナット101が設置されている図を示す。
【0023】
操作工具を駆動し、サンギア柱体121及び/またはスタッド140に対して、下記の一種または一種以上を含む駆動方式の操作を駆動する。(1)正転方向または逆転方向の回転を駆動することが可能である。(2)往復駆動されるとき、その中の一つの駆動方向に駆動作用をもたらし、また他方向は駆動作用をもたらさないよう単方向に駆動する。(3)往復駆動されるとき、その中の一つの駆動方向に駆動作用をもたらすように選択し、また他方向は駆動作用をもたらさないよう単方向に駆動することが可能である。
【0024】
本発明の複数の実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具において、サンギア柱体121が突出する多面形の第2柱体124’または内部へ凹む第2多角形孔124を有し、及び/またはスタッド140頭部が内部へ凹む第1多角形孔141または突出した多面形の第1柱体141’を有するが、その駆動工具には非常に多くの種類があり、下記に数種類の方式を挙げ、ただしそれに限定されることはなく、カップリング方式は下記の一種または一種以上によって構成されることが可能である。
【0025】
(1)サンギア柱体121は任意にT形またはL形柄の駆動工具とカップリングすることができる。
(2)サンギア柱体121とT形またはL形柄の駆動工具は、組立式構造または一体構造を呈すことを含む。
(3)サンギア柱体121と任意にカップリングする駆動工具、組立式駆動工具、または一体構造の駆動工具は、T形またはL形柄は彎曲の角度を調整し、または全方向の角度が調整可能の関節構造を含む。
【0026】
(4)サンギア柱体121は内部へ凹む第2多角形孔124を有することにより、相対してカップリングする駆動工具の駆動方式を受け、上記はレンチセットで動かし、または回転駆動装置に駆動されることを含む。
(5)サンギア柱体121は突出多面形を有することにより、相対してカップリングする駆動工具の駆動方式を受け、上記はレンチセットで動かし、または回転駆動装置に駆動されることを含む。
【0027】
本発明の複数の実施形態によるサンギア駆動式倍力駆動工具において、サンギア柱体121及び/またはスタッド140を駆動する駆動工具は、各種のソケットレンチ、またはオープンエンドレンチ、またはシールレンチ、または六角レンチ等の駆動工具を使用する以外に、駆動工具も更に一歩進んで下記の一種または一種以上を含む機能装置の駆動工具を有することが可能である。例えば、(1)駆動のトルク限界(torque limit)がある機能装置、(2)必要な駆動のトルク限界を調整・設定できる機能装置、(3)駆動のトルク限界を表示するアナログまたはデジタル表示付き機能装置、(4)駆動のトルク限界状態を表示する音響または語音装置、(5)駆動のトルク限界状態を表示するランプシグナル装置、である。
【符号の説明】
【0028】
100:保護蓋
101:ナット
102:内リングギア
103:スリーブ構造
111:ナット駆動リング体
112:内ねじ山
115:固定ネジ
121:サンギア柱体
122:柱形の歯端
123:多面柱状構造
123’:スリーブ構造
124:第2多角形孔
124’:第2柱体
125:第1突出軸状構造
125’:第2軸孔
126:第1軸孔
126’:第2突出軸状構造
127:ロッカーアーム台
128:軸柱
131:遊星歯車
140:スタッド
141:第1多角形孔
141’:第1柱体
142:ねじ山