(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1及び第2の第2導電型センストランジスタ、第1及び第2の第1導電型センストランジスタ、第3及び第4の第2導電型センストランジスタ、及び第3及び第4の第1導電型センストランジスタは、前記第1の方向に配置される、ことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
前記第1乃至第4の第1導電型センストランジスタ及び前記第1乃至第4の第2導電型センストランジスタがそれぞれ流す電流の方向は、前記第1及び第2の素子分離領域の延在方向と等しく、
前記第1及び第2の第1導電型ドライバトランジスタ及び前記第1及び第2の第2導電型ドライバトランジスタがそれぞれ流す電流の方向は、前記第1及び第2の素子分離領域の延在方向と直交する、ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記載の半導体装置。
前記第3のドライバトランジスタは、前記第1及び第2の第1導電型ドライバトランジスタが電気的に非導通した後に導通する、ことを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
前記第1の電位は外部から供給される外部電位であり、前記第3の電位は前記第1の電位を降圧させた内部電位である、ことを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
前記第1及び第2の第1導電型ドライバトランジスタを構成する第1のゲート膜厚と、前記第1及び第2の第2導電型ドライバトランジスタを構成する第2のゲート膜厚は、互いに等しい、ことを特徴とする請求項10乃至13のいずれか一項に記載の半導体装置。
前記第1及び第2の第2導電型センストランジスタ、前記第1及び第2の第1導電型センストランジスタ、前記第3及び第4の第2導電型センストランジスタ、及び前記第3及び第4の第1導電型センストランジスタのゲート膜厚を構成する第3のゲート膜厚は、前記第1及び第2のゲート膜厚に等しい、ことを特徴とする請求項14に記載の半導体装置。
前記第3のドライバトランジスタのゲート膜厚を構成する第4のゲート膜厚は、前記第1及び第2のゲート膜厚よりも厚い、ことを特徴とする請求項14または15に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の課題を解決する技術思想(コンセプト)の代表的な一例は、以下に示される。但し、本願の請求内容はこの技術思想に限られず、本願の請求項に記載の内容であることは言うまでもない。すなわち、本発明は、第1の方向に直列に展開して配置された導電型の異なる3つのウェル間のそれぞれの境界線(即ち2つの境界線)にそれぞれ隣接して各ウェルにドライバトランジスタを配置(即ち4つのドライバトトランジスタを配置)し、前記それぞれの境界線からそれぞれ対応する4つのドライバトランジスタよりも離れた位置の各ウェルに、クロスカップルされた一対のセンストランジスタをそれぞれ配置することを技術思想とする。これにより、センストランジスタと境界線と間に一定以上の距離が確保され、且つ効率の良い小面積の回路を実現できる。詳細には、境界線からの距離によってセンストランジスタのしきい値が変化するという、境界線の近傍で生じる現象の影響が低減され、その結果、クロスカップルされた一対のトランジスタ同士、及び複数の前記一対のトランジスタ同士の特性の両方を、正確に一致させることが可能となる。
【0017】
図1は、本発明の原理を説明するための模式的なレイアウト図である。
【0018】
図1に示す半導体装置は、第1の方向に直列に展開して配置された2つのPウェル1a,1bと、1つのNウェル2と、これらを分離する2つの境界線とを備える。2つの境界線のそれぞれは、第1の方向において、Nウェル2のエッジ3−1とPウェル1a,1bのエッジ3−2との間に所定の幅を有する。前記所定の幅を素子分離領域3と呼ぶ。下側に配置される第1のPウェル1aには対応する第1の素子分離領域3aに隣接してNチャンネル型のドライバトランジスタ4aが設けられ、Nウェル2の下側には第1の素子分離領域3aに隣接してPチャンネル型のドライバトランジスタ5aが設けられている。さらに、第1のPウェル1aにはドライバトランジスタ4aよりも第1の素子分離領域3aから離れた位置にNチャンネル型のセンストランジスタ6a,7aが第1の方向に設けられ、Nウェル2の下側にはドライバトランジスタ5aよりも素子分離領域3aから離れた位置にPチャンネル型のセンストランジスタ8a,9aが第1の方向に設けられている。上側に配置される第2のPウェル1bには対応する第2の素子分離領域3aに隣接してNチャンネル型のドライバトランジスタ4bが設けられ、Nウェル2の上側には第2の素子分離領域3bに隣接してPチャンネル型のドライバトランジスタ5bが設けられている。さらに、第2のPウェル1bにはドライバトランジスタ4bよりも第2の素子分離領域3bから離れた位置にNチャンネル型のセンストランジスタ6b,7bが第1の方向に設けられ、Nウェル2の上側にはドライバトランジスタ5bよりも第2の素子分離領域3bから離れた位置にPチャンネル型のセンストランジスタ8b,9bが第1の方向に設けられている。尚、
図1が示す複数のドライバトランジスタ4a,5a,4b,5b、並びに複数のセンストランジスタ6a乃至9a、6b乃至9bのそれぞれの領域は、ドレイン及びソース電極に対応する拡散層を示し、ゲート電極を示すゲート層は省略している。
【0019】
ドライバトランジスタ4aは、センストランジスタ6a,7aのソース電極(電源ノード)に低位側の電位VSSを供給する。センストランジスタ6a,7aは回路的に互いのゲート電極が互いのドレイン電極にクロスカップルされており、図示しないビット線対に生じている電位差に基づいてその一方をVSSに駆動する。また、ドライバトランジスタ5aは、センストランジスタ8a,9aのソース電極(電源ノード)に高位側の電位VDDを供給する。センストランジスタ8a,9aは回路的に互いのゲート電極が互いのドレイン電極にクロスカップルされており、図示しない前記ビット線対に生じている電位差に基づいてその他方をVDDに駆動する。故に、ドライバトランジスタ4a、センストランジスタ6a,7aは、第1のサブグループであり、ドライバトランジスタ5a、センストランジスタ8a,9aは、第2のサブグループである。第1と第2のサブグループで、1対のビット線をセンシングするセンスアンプとそのドライバとして第1のグループを構成する。ドライバトランジスタ4b、センストランジスタ6b,7bは、第3のサブグループであり、ドライバトランジスタ5b、センストランジスタ8b,9bは、第4のサブグループである。第3と第4のサブグループで、1対のビット線をセンシングするセンスアンプとそのドライバとして第2のグループを構成する。
【0020】
図1に示すように、第1の素子分離領域3aからセンストランジスタ6a,7aまでの距離は互いに異なっている。同様に、第1の素子分離領域3aからセンストランジスタ8a,9aまでの距離も互いに異なっている。トランジスタのしきい値電圧は素子分離領域(正確には、それぞれ対応するウェルのエッジ)からの距離によって変化し、その変化量は素子分離領域との距離が近いほど顕著となる。ウェルのエッジの濃度は、ウェルの中心の濃度と異なるからである。しかしながら、
図1に示すレイアウトによれば、第1の素子分離領域3aに隣接してドライバトランジスタ4a,5aが配置されているため、その分、第1の素子分離領域3aとセンストランジスタ6a〜9aの距離が確保される。このため、第1の素子分離領域との距離によるしきい値の変化(変移量)は、センストランジスタ6a〜9aが配置された領域においては十分に小さくなり、その結果、クロスカップルされた一対のセンストランジスタ6a,7a及び8a,9aの特性をそれぞれ正確に一致させることが可能となる。尚、ドライバトランジスタ4a,5aは、それぞれしきい値の変化(変移量)が大きいが、センシングを行う2つのトランジスタの2つの閾値の精度までは要求されない。ドライバトランジスタ4a,5aは、それぞれ対応する2つのセンストランジスタへ電源を供給するからであり、前記2つのセンストランジスタの互いの感度は同じであるからである。
【0021】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0022】
図2は、本発明の好ましい実施形態による半導体装置10の全体構成を示すブロック図である。
【0023】
本実施形態による半導体装置10はDRAMであり、
図2に示すようにメモリセルアレイ11を備えている。メモリセルアレイ11には、互いに交差する複数のワード線WLと複数のビット線BLが設けられており、その交点にメモリセルMCが配置されている。ワード線WLの選択はロウデコーダ12によって行われ、ビット線BLの選択はカラムデコーダ13によって行われる。ビット線BLは、センス回路14内の対応するセンスアンプSAにそれぞれ接続されており、カラムデコーダ13により選択されたビット線BLは、センスアンプSAを介してアンプ回路15に接続される。センス回路14の動作は、センスアンプ駆動回路16によって制御される。
【0024】
ロウデコーダ12、カラムデコーダ13、アンプ回路15及びセンスアンプ駆動回路16の動作は、アクセス制御回路20によって制御される。アクセス制御回路20には、アドレス端子21及びコマンド端子22を介してそれぞれ外部からアドレス信号ADD及びコマンド信号CMDが供給される。アクセス制御回路20は、アドレス信号ADD及びコマンド信号CMDを受け、これらに基づいてロウデコーダ12、カラムデコーダ13、アンプ回路15及びセンスアンプ駆動回路16を制御する。
【0025】
具体的には、コマンド信号CMDがアクティブ動作を示している場合には、アドレス信号ADDはロウデコーダ12に供給される。これに応答して、ロウデコーダ12はアドレス信号ADDが示すワード線WLを選択し、これにより、対応するメモリセルMCがそれぞれビット線BLに接続される。その後、アクセス制御回路20は、所定のタイミングでセンスアンプ活性信号SAEBを生成し、センスアンプ活性信号SAEBから原信号S1〜S3を生成し、原信号S1〜S3がセンスアンプ駆動回路16を起動し、センスアンプSAを活性化させる。アクセス制御回路20は、原信号S1〜S3を生成する回路を含み、詳細は後述する。
【0026】
一方、コマンド信号CMDがリード動作又はライト動作を示している場合には、アドレス信号ADDはカラムデコーダ13に供給される。これに応答して、カラムデコーダ13はアドレス信号ADDが示すビット線BLをアンプ回路15に接続する。リード動作時においては、センスアンプSAを介してメモリセルアレイ11から読み出されたリードデータDQがアンプ回路15を介してデータ端子23から外部に出力される。また、ライト動作時においては、データ端子23を介して外部から供給されたリードデータDQがアンプ回路15及びセンスアンプSAを介してメモリセルMCに書き込まれる。
【0027】
これら各回路ブロックは、それぞれ所定の内部電圧を動作電源として使用する。これら内部電源は、
図2に示す電源回路30によって生成される。電源回路30は、電源端子31,32を介してそれぞれ供給される外部電位VDD及び接地電位VSSを受け、これらに基づいて内部電圧VPP,VPERI,VARYなどを生成する。尚、本明細書においてVDD,VPP,VPERI,VARYとは、当該電位のレベルを示すほか、接地電位VSSに対する電位差(電圧)をも示す。例えば、「VDD」とは、外部電位VDDの電位レベルそのものを指すほか、接地電位VSSに対する電位差(電圧)をも示す。VPP,VPERI,VARYについても同様である。本実施形態では、
VPP>VDD>VPERI≒VARY
である。内部電位VPPは外部電位VDDを昇圧することによって生成され、内部電位VPERI,VARYは外部電位VDDを降圧することによって生成される。
【0028】
内部電圧VPPは、主にロウデコーダ12において用いられる電圧である。ロウデコーダ12は、アドレス信号ADDに基づき選択したワード線WLをVPPレベルに駆動し、これによりメモリセルMCに含まれるセルトランジスタをオンさせる。内部電圧VARYは、センス回路14において用いられる電圧である。センス回路14が活性化すると、ビット線対の一方をVARYレベル、他方をVSSレベルに駆動することにより、読み出されたリードデータの増幅を行う。センス回路14には、さらに外部電圧VDDも供給される。内部電圧VPERIは、アクセス制御回路20などの大部分の周辺回路の動作電圧として用いられる。これら周辺回路の動作電圧として外部電圧VDDよりも電圧の低い内部電圧VPERIを用いることにより、低消費電力化が図られている。
【0029】
図3は、センスアンプSAの回路構成及びレイアウトを説明するための図である。
【0030】
図3に示すように、メモリセルアレイ11はマトリクス状にレイアウトされた複数のメモリマット11aに分割されている。そして、各メモリマット11aのX方向における両側には、ワードドライバ列12aが配置され、各メモリマット11aのY方向における両側には、センスアンプ列14aが配置される。ワードドライバ列12aには、Y方向に配列された複数のワードドライバSWDが含まれており、各ワードドライバSWDはそれぞれ対応するワード線WLを駆動する。また、センスアンプ列14aには、X方向に配列された複数のセンスアンプSAが含まれており、各センスアンプSAにはそれぞれ対応するビット線対BLT,BLBが接続される。ワードドライバ列12aとセンスアンプ列14aとが交差するクロスエリアXAには、ドライバトランジスタ43が配置されている。ワード線WLとビット線対BLT,BLBとの夫々の交点には、メモリセルが接続される。
【0031】
複数のセンスアンプSAのうち第1のセンスアンプSAは、クロスカップルされた一対のPチャンネル型のMOSトランジスタ51,52と、クロスカップルされた一対のNチャンネル型のMOSトランジスタ53,54とを含む。クロスカップルとは、一方のドレインが他方のゲートに接続され、他方のドレインが一方のゲートに接続された接続関係を指す。複数のセンスアンプSAのうち第1のセンスアンプSAに物理的に隣接する第2のセンスアンプSAは、クロスカップルされた一対のPチャンネル型のMOSトランジスタ55,56と、クロスカップルされた一対のNチャンネル型のMOSトランジスタ57,58とを含む。本発明においては、センスアンプSAを構成するこれらのトランジスタをセンストランジスタと呼ぶことがある。センスアンプSAを構成するこれらのトランジスタは、ゲート絶縁膜の膜厚が薄い薄膜ゲートトランジスタが用いられている。また、センスアンプSAは、対応する第1のメモリマット11aのビット線BLTと、対応する第2のメモリマット11aのビット線BLBと、を対象とするオープンビット線構造である。更に、X軸方向に展開される複数のセンスアンプのレイアウトは、2つのセンスアンプ(第1及び第2のセンスアンプSA)で所定のレイアウトが描画され、前記所定のレイアウトがX軸方向に展開される。つまり、2つのビット線対(4本のビット線)で前記所定のレイアウトが描画される。詳細は、後述(
図4)する。
【0032】
センストランジスタ51,52のソースはコモンソースラインCSPに共通接続され、センストランジスタ53,54のソースはコモンソースラインCSNに共通接続されている。本発明においては、コモンソースラインを「センスアンプ駆動ライン」と呼ぶことがある。また、センストランジスタ51,53のドレインは第1のビット線BLTに接続され、センストランジスタ52,54のドレインは第2のビット線BLBに接続されている。センストランジスタ55,56のソースはコモンソースラインCSPに共通接続され、センストランジスタ57,58のソースはコモンソースラインCSNに共通接続されている。また、センストランジスタ51,53のドレインは第3のビット線BLTに接続され、センストランジスタ52,54のドレインは第4のビット線BLBに接続されている。これにより、コモンソースラインCSP,CSNにそれぞれ高位側電位及び低位側電位が供給されると、2つのビット線対のそれぞれにおいて、ビット線対BLT,BLBのうち、より電位の高いビット線側が高位側電位に駆動され、より電位の低いビット線側が低位側電位に駆動される。
図3に示すように、コモンソースラインCSP,CSNは、センスアンプ列14aに含まれる複数のセンスアンプSAに対して共通接続されている。
【0033】
コモンソースラインCSPには、2種類のドライバトランジスタ41,43が接続されている。ドライバトランジスタ41は、ゲート絶縁膜の膜厚が薄い薄膜ゲートトランジスタが用いられている。ドライバトランジスタ43は、ゲート絶縁膜の膜厚が厚い厚膜ゲートトランジスタが用いられている。ドライバトランジスタ41は、外部電位VDDが与えられる電源ラインとコモンソースラインCSPとの間に接続されたPチャンネル型のMOSトランジスタであり、そのゲート電極(制御ノード)にはセンスアンプ駆動信号SAP1Bが供給される。センスアンプ駆動信号SAP1Bは、VSSからVDDまでの振幅を有する信号であり、VSSレベルが活性レベルである。センスアンプ駆動信号SAP1BがVSSレベルに活性化すると、コモンソースラインCSPはドライバトランジスタ41を介して外部電位VDDに駆動される。一方、ドライバトランジスタ43は、内部電位VARYが与えられる電源ラインとコモンソースラインCSPとの間に接続されたNチャンネル型のMOSトランジスタであり、そのゲート電極にはセンスアンプ駆動信号SAP2Tが供給される。センスアンプ駆動信号SAP2Tは、VSSからVPPまでの振幅を有する信号であり、VPPレベルが活性レベルである。センスアンプ駆動信号SAP2TがVPPレベルに活性化すると、コモンソースラインCSPはドライバトランジスタ43を介して内部電位VARYに駆動される。尚、
図4で後述するように、トランジスタ41は、トランジスタ41a及びトランジスタ41bで構成される。トランジスタ41aは、第1のセンスアンプに対応し、トランジスタ41bは、第2のセンスアンプに対応している。トランジスタ42は、トランジスタ42a及びトランジスタ42bで構成される。トランジスタ42aは、第1のセンスアンプに対応し、トランジスタ42bは、第2のセンスアンプに対応している。つまり、トランジスタ41a及びトランジスタ42aは、奇数である複数のセンスアンプに対応し、トランジスタ41b及びトランジスタ42bは、偶数である複数のセンスアンプに対応している。
【0034】
内部電位VARYは、メモリセルMCに書き込まれるハイ側の電位に相当する。メモリセルMCに書き込まれるロー側の電位はVSSである。したがって、トランジスタ41がオンすると、ビット線対BLT,BLBの一方は、メモリセルMCのハイ側電位VARYよりも高い電位にオーバードライブされることになる。本実施形態では、センス動作の初期においてこのようなオーバードライブを行うことによって、センス動作を高速化している。
【0035】
コモンソースラインCSNには、ドライバトランジスタ42が接続されている。ドライバトランジスタ42は、ゲート絶縁膜の膜厚が薄い薄膜ゲートトランジスタが用いられている。ドライバトランジスタ42は、外部電位VSSが与えられる電源ラインとコモンソースラインCSNとの間に接続されたNチャンネル型のMOSトランジスタであり、そのゲート電極にはセンスアンプ駆動信号SANTが供給される。センスアンプ駆動信号SANTは、VSSからVDDまでの振幅を有する信号であり、VDDレベルが活性レベルである。センスアンプ駆動信号SANTがVDDレベルに活性化すると、コモンソースラインCSNはドライバトランジスタ42を介して外部電位VSSに駆動される。上述の通り、メモリセルMCのハイ側電位はVARYであることから、ドライバトランジスタ42のゲート電極にVDDレベル(>VARY)の信号を印加しても、センス速度は実質的に向上しない。しかしながら、本実施形態では敢えてセンスアンプ駆動信号SANTの振幅をVSSからVDDとすることにより、スキューの解消を図っている。これについては後述する。
【0036】
図4は、半導体基板上におけるセンスアンプSAのレイアウトを説明するための図であり、(a)は略平面図、(b)はA−A線に沿った略断面図である。
【0037】
図4(a),(b)に示すように、センスアンプ列14aにはX方向に延在するNウェル61が設けられており、そのY方向における両側にはX方向に延在するPウェル62,63が設けられている。つまり、Nウェル61は、2つのPウェル62,63にY方向から挟まれている。Pウェル62,63は、隣接するメモリマット11aと共有することができる。
【0038】
Nウェル61とPウェル62との間には、素子分離領域71が存在する。同様に、Nウェル61とPウェル63との間には、素子分離領域72が存在する。これら素子分離領域71,72は、いずれもX方向に延在する。
【0039】
Pウェル62には、素子分離領域71に隣接し且つ素子分離領域71に沿って、Nチャンネル型のMOSトランジスタ42aが設けられている。Nチャンネル型のMOSトランジスタ42aの拡散層と素子分離領域71が含むPウェル62のエッジとの間は所定の距離があるのは、言うまでもない。トランジスタ42aは、
図3に示したドライバトランジスタ42を構成する一部のトランジスタである。同様に、Pウェル63には、素子分離領域72に隣接し且つ素子分離領域72に沿って、Nチャンネル型のMOSトランジスタ42bが設けられている。Nチャンネル型のMOSトランジスタ42b拡散層と素子分離領域72が含むPウェル63のエッジとの間は所定の距離があるのは、言うまでもない。トランジスタ42bも、
図3に示したドライバトランジスタ42を構成する一部のトランジスタである。トランジスタ42a,42bのゲート電極には、センスアンプ駆動信号SANT(
図3)が共通に供給される。
【0040】
Nウェル61には、素子分離領域71に隣接し且つ素子分離領域71に沿って、Pチャンネル型のMOSトランジスタ41aが設けられている。Pチャンネル型のMOSトランジスタ41aの拡散層と素子分離領域71が含むNウェル61のエッジとの間は所定の距離があるのは、言うまでもない。トランジスタ41aは、
図3に示したドライバトランジスタ41を構成する一部のトランジスタである。さらに、Nウェル61には、素子分離領域72に隣接し且つ素子分離領域72に沿って、Pチャンネル型のMOSトランジスタ41bが設けられている。Pチャンネル型のMOSトランジスタ41bの拡散層と素子分離領域72が含むNウェル61のエッジとの間は所定の距離があるのは、言うまでもない。トランジスタ41bも、
図3に示したドライバトランジスタ41を構成する一部のトランジスタである。トランジスタ41a,41bのゲート電極には、センスアンプ駆動信号SAP1B(
図3)が共通に供給される。
【0041】
図4(a),(b)に示すように、これらドライバトランジスタ41,42のゲート電極はX方向に延在している。したがって、これらトランジスタがオンした場合の電流の流れる方向はY方向となる。即ち、Y方向は、ドライバトランジスタ41,42のチャネル長を示す。他方、ドライバトランジスタ41,42のゲート長(X方向の幅)は、任意であるが、
図4においては、8つのセンスアンプで共有している。
【0042】
さらに、Pウェル62には、ドライバトランジスタ42aよりも素子分離領域71から離れた位置にセンストランジスタ53,54が配置される。センストランジスタ53,54の素子分離領域71からの距離は互いに異なっている。但し、素子分離領域71からセンストランジスタ53,54までの距離は、D2以上である。D2の意味は、
図6で後述する。同様に、Pウェル63には、ドライバトランジスタ42bよりも素子分離領域72から離れた位置にセンストランジスタ57,58が配置される。センストランジスタ57,58の素子分離領域72からの距離は互いに異なっている。但し、素子分離領域72からセンストランジスタ57,58までの距離は、D2以上である。ここで、Pウェル62に配置されたセンストランジスタ53,54と、Pウェル63に配置されたセンストランジスタ57,58は、互いに異なるセンスアンプSAを構成するトランジスタである。後述する
図5の複数のビット線の接続から容易に理解できる。
【0043】
Nウェル61には、ドライバトランジスタ41aよりも素子分離領域71から離れた位置にセンストランジスタ51,52が配置される。センストランジスタ51,52の素子分離領域71からの距離は互いに異なっている。但し、素子分離領域71からセンストランジスタ51,52までの距離は、D2以上である。さらに、Nウェル61には、ドライバトランジスタ41bよりも素子分離領域72から離れた位置にセンストランジスタ55,56が配置される。センストランジスタ55,56の素子分離領域72からの距離は互いに異なっている。但し、素子分離領域72からセンストランジスタ55,56までの距離は、D2以上である。ここで、素子分離領域71側に配置されたセンストランジスタ51,52と、素子分離領域72側に配置されたセンストランジスタ55,56は、互いに異なるセンスアンプSAを構成するトランジスタである。後述する
図5の複数のビット線の接続から容易に理解できる。
【0044】
かかるレイアウトにより、素子分離領域71,72と各センストランジスタ51〜54,55〜58とのそれぞれの間には、必ずドライバトランジスタ41又は42が介在することになる。つまり、素子分離領域71,72と各センストランジスタ51〜54,55〜58とのそれぞれの距離が
図4(b)に示す距離D2以上に確保される。距離D2の意義は、
図6で後述する。また、センスアンプSAを構成する複数のトランジスタ、及びそれら複数のトランジスタに関連する複数のドライバトランジスタ41,42は、薄膜ゲートトランジスタのみが用いられている。よって、距離D2を有しながらも、センスアンプ列14aの面積の増大を抑止している。
【0045】
図4(a),(b)に示すように、センストランジスタ51〜54の各ゲート電極(白枠)はY方向に延在している。したがって、これらトランジスタがオンした場合の電流の流れる方向はX方向となる。
【0046】
図5は、各トランジスタの接続関係を説明するための図であり、(a)は略平面図、(b)はA−A線に沿った略断面図である。
【0047】
図5に示すように、第1のセンスアンプSAにおけるセンストランジスタ51,53のドレインは第1のビット線BLTに接続されるとともに、センストランジスタ52,54のゲート電極に共通接続される。同様に、第1のセンスアンプSAにおけるセンストランジスタ52,54のドレインは第2のビット線BLBに接続されるとともに、センストランジスタ51,53のゲート電極に共通接続される。さらに、センストランジスタ51,52のソースはドライバトランジスタ41aのドレインに接続され、センストランジスタ53,54のソースはドライバトランジスタ42aのドレインに接続される。尚、センストランジスタ51,53の残りのゲート電極は、第1のセンスアンプSAの左側に隣接する不図示のセンスアンプに関連するトランジスタのゲートである。センストランジスタ52,54の残りのゲート電極は、第1のセンスアンプSAの右側に隣接する不図示のセンスアンプに関連するトランジスタのゲートである。更に、第2のセンスアンプSAにおけるセンストランジスタ55,57のドレインは第3のビット線BLTに接続されるとともに、センストランジスタ56,58のゲート電極に共通接続される。同様に、第2のセンスアンプSAにおけるセンストランジスタ56,58のドレインは第4のビット線BLBに接続されるとともに、センストランジスタ55,57のゲート電極に共通接続される。さらに、センストランジスタ55,56のソースはドライバトランジスタ41bのドレインに接続され、センストランジスタ57,58のソースはドライバトランジスタ42bのドレインに接続される。尚、センストランジスタ56,58の残りのゲート電極は、第2のセンスアンプSAの左側に隣接する不図示のセンスアンプに関連するトランジスタのゲートである。センストランジスタ55,57の残りのゲート電極は、第2のセンスアンプSAの右側に隣接する不図示のセンスアンプに関連するトランジスタのゲートである。これにより、
図3に示したセンスアンプSAの回路が実現される。尚、クロスエリアXA(
図3)に配置されるドライバトランジスタ43の出力線は、Nウェル61領域を通過(不図示)し、対応するトランジスタ41a及びトランジスタ41bの夫々のドレイン電極、並びにトランジスタ51,52,55,56の夫々のソース電極に電気的に接続する。
【0048】
本実施形態では、Y方向に8個のセンストランジスタが並べて配置されており、これにより、2個のセンスアンプSAが構成される。(複数の前記残りのゲート電極は除く)つまり、1ピッチ分のエリアに2個のセンスアンプSAがレイアウトされることになる。
図5において実線で示しているのが一方のセンスアンプSA(第1のセンスアンプSA)に関連する配線であり、破線で示しているのが他方のセンスアンプSA(第2のセンスアンプSA)に関連する配線である。したがって、
図5(a),(b)の下側に位置するセンスアンプSA(第1のセンスアンプSA)は、実線で示したビット線対BLT,BLB(第1のビット線BLT,第2のビット線BTB)を駆動し、
図5(a),(b)の上側に位置するセンスアンプSA(第2のセンスアンプSA)は、破線で示したビット線対BLT,BLB(第3のビット線BLT,第4のビット線BTB)を駆動する。
【0049】
図6は、Nウェルに形成されるPチャンネル型のMOSトランジスタのしきい値Vthと素子分離領域からの距離Dとの関係を示すグラフである。
図6に示すように、Pチャンネル型のMOSトランジスタのしきい値Vthは素子分離領域からの距離が近くなると高くなる。しかも、その変化量は素子分離領域からの距離が約400nm未満(D0)の領域において顕著であり、素子分離領域からの距離が約400nm以上(D1)になるとあまり変化しなくなり、素子分離領域からの距離が約800nm以上(D2)に殆ど変化しなくなる。このような傾向は、Pチャンネル型のMOSトランジスタのみならず、Nチャンネル型のMOSトランジスタにおいても同様に見られる。但し、それらの安定なしきい値Vthの距離は、同じではない場合もある。
図4において、素子分離領域71,72のそれぞれから全てのセンストランジスタまでの距離は、D2の距離である。
【0050】
図7は、第1の比較例によるセンスアンプSAのレイアウトを説明するための図であり、(a)は略平面図、(b)はB−B線に沿った略断面図である。
【0051】
図7に示す例では、ドライバトランジスタ41,42をいずれもNチャンネル型のMOSトランジスタによって構成し、これを一方のPウェル62のみに配置している。ドライバトランジスタ41が有する第1のゲート電極は、センストランジスタ51,52に関連し、ドライバトランジスタ41が有する第2のゲート電極は、センストランジスタ55,56に関連する。ドライバトランジスタ42が有する第1のゲート電極は、センストランジスタ53,54に関連し、ドライバトランジスタ42が有する第2のゲート電極は、センストランジスタ57,58に関連する。その結果、Nウェル61においては、素子分離領域71,72にそれぞれ隣接してセンストランジスタ51,55が配置される一方、それぞれ対応するセンストランジスタ52,56については素子分離領域71,72からやや離れて配置されることになる。
【0052】
この場合、素子分離領域71,72のそれぞれからセンストランジスタ51,55までの距離(D0)と、素子分離領域71,72のそれぞれからセンストランジスタ52,55までの距離(D2)が、異なる。D2は、
図4に示した実施形態によるレイアウトが示すD2と同じである。しかしながら、センストランジスタ51,55において、それぞれ対応する素子分離領域71,72までの距離の絶対値D0と短いため、
図6を用いて説明したように、距離の差によって生じるしきい値の差が大きくなる。その結果、本来、同じ特性を有するべき一対のセンストランジスタ51,52及び一対のセンストランジスタ55,56のそれぞれに無視できない特性差が生じ、これがセンスマージンを悪化させる原因となる。2つの一対のトランジスタ間のセンスマージンの違いも、大きな問題である。
【0053】
この現象は、Pウェル63に配置されたセンストランジスタ57,58についても同様に言える。その一方で、Pウェル62に配置されたセンストランジスタ53,54については、素子分離領域71からの距離がD2と遠いため、センストランジスタ53,54間の特性差は少なくなる。つまり、センスアンSAごとにも特性がばらつくことになる。
【0054】
図8は、第2の比較例によるセンスアンプSAのレイアウトを説明するための図であり、(a)は略平面図、(b)はC−C線に沿った略断面図である。
【0055】
図8に示す例では、本実施形態と同様、ドライバトランジスタ41,42をそれぞれPチャンネル型のMOSトランジスタ及びNチャンネル型のMOSトランジスタによって構成しているが、いずれも素子分離領域71側にのみ配置している点において本実施形態と異なる。ドライバトランジスタ41が有する第1のゲート電極は、センストランジスタ51,52に関連し、ドライバトランジスタ41が有する第2のゲート電極は、センストランジスタ55,56に関連する。ドライバトランジスタ42が有する第1のゲート電極は、センストランジスタ53,54に関連し、ドライバトランジスタ42が有する第2のゲート電極は、センストランジスタ57,58に関連する。このため、図面の下側に配置された一方のセンスアンプSAについては、各トランジスタ51〜54と素子分離領域71とのそれぞれの距離がD3と遠いのに対し、図面の上側に配置された他方のセンスアンプSAに関する各トランジスタ55〜58については、各トランジスタ55〜58と素子分離領域72とのそれぞれの距離がD1と近くなる。
【0056】
その結果、図面の上側に配置されたセンスアンプSAにおいては、素子分離領域72からの距離の差によって生じるしきい値の差が大きくなり、本来、同じ特性を有するべき一対のセンストランジスタ55,56及び一対のセンストランジスタ57,58にそれぞれ無視できない特性差が生じ、これがセンスマージンを悪化させる原因となる。
【0057】
この現象は、ドライバトランジスタ41,42に隣接するセンスアンプSAにおいては、素子分離領域71からの各トランジスタ51〜54の距離がD3と大きいためほとんど生じない。つまり、センスアンSAごとにも特性がばらつくことになる。
【0058】
これらの比較例に対し、本実施形態では、いずれのセンストランジスタ51〜54も素子分離領域71,72には隣接せず、各センストランジスタ51〜54,55〜58とそれぞれ対応する素子分離領域71,72との間には、必ずドライバトランジスタ41又は42が介在する。これにより、素子分離領域71,72からの距離は、必ずD2以上となり、閾値Vthの差に基づくセンスアンプ内の特性差が無視できるレベルにまで小さくなるため、センスマージンを向上させることが可能となる。センスアンプ内の特性差とは、互いにクロスカップルされたPチャンネル型のMOSトランジスタ同士の第1の特性差、互いにクロスカップルされたNチャンネル型のMOSトランジスタ同士の第2の特性差、第1の特性差と第2の特性差同士の差を含む。更に、複数のセンスアンプ同士の特性差も抑制できる。
【0059】
図9は、センスアンプSA及びセンスアンプ駆動回路16内の回路の一部を示す図である。
【0060】
図9に示すように、センスアンプ駆動回路16には、センスアンプ駆動信号SAP1B,SANT,SAP2Tをそれぞれ生成する駆動回路81〜83が含まれている。駆動回路81〜83は、振幅がVSSからVPERIである原信号S1〜S3の電圧振幅を変換するレベル変換回路81a〜83aを含む。このうち、レベル変換回路81a,82aは、振幅がVSSからVPERIである原信号S1,S2の振幅をVSSからVDDに変換する回路である。外部電位VDDは、電源端子31,32を介してそれぞれ半導体装置の外部から供給される電位である。また、レベル変換回路83aは、振幅がVSSからVPERIである原信号S3の振幅をVSSからVPPに変換する回路である。VPPは、VPERI及びVDDよりも高い電位である。VDDは、VPERIよりも高い電位である。
図10は、アクセス制御回路20に含まれる原信号S1〜S3を生成する回路を示す図であり、いずれもセンスアンプ活性信号SAEBに基づいて生成される。センスアンプ活性信号SAEB及び原信号S1〜S3は、アクセス制御回路20(
図2)が生成する複数の制御信号である。センスアンプ活性信号SAEBは、アクティブ時にHighからLowへ遷移する信号である。具体的には、原信号S1はセンスアンプ活性信号SAEBの反転信号及び原信号S3の反転信号を受けるNANDゲート回路によって生成され、原信号S3はセンスアンプ活性信号SAEBを複数の遅延素子DLによって遅延させることによって生成され、原信号S2はセンスアンプ活性信号SAEBをスキュー調整用遅延素子DL0によってタイミング調整することによって生成される。原信号S1〜S3を生成する回路は、すべてVPERIの電位が供給される。
【0061】
これらのレベル変換回路81a〜83aによってレベル変換された信号は、それぞれ出力インバータ81b〜83bを介し、それぞれセンスアンプ駆動信号SAP1B,SANT,SAP2Tとして出力される。出力インバータ81b,82bの電源はVDD及びVSSであり、出力インバータ83bの電源はVPP及びVSSである。
【0062】
このようにして生成されるセンスアンプ駆動信号SAP1B,SANT,SAP2Tは、それぞれドライバトランジスタ41〜43のゲート電極に供給される。ドライバトランジスタ41はPチャンネル型のMOSトランジスタであり、ドライバトランジスタ42,43は夫々Nチャンネル型のMOSトランジスタである。ここで、ドライバトランジスタ43については、ゲート電極に印加されるセンスアンプ駆動信号SAP2Tの高電位側のレベルがVPPレベルであることから、信頼性確保のためにゲート絶縁膜の膜厚が厚い厚膜ゲートトランジスタが用いられている。出力インバータ83bも同様である。レベル変換回路83aの出力ノードに関連する一部のトランジスタも同様である。
図9においてトランジスタ43の一部を太線で表示しているのは、当該トランジスタが厚膜ゲートトランジスタであることを意味している。これに対し、ドライバトランジスタ41,42については、ゲート電極に印加されるセンスアンプ駆動信号SAP1B,SANTの高電位側のレベルがVDDレベルであることから、ゲート絶縁膜の膜厚が薄い薄膜ゲートトランジスタが用いられている。薄膜ゲートトランジスタは、厚膜ゲートトランジスタよりも電流駆動能力が高いため、センスアンプ駆動信号SAP1B,SANTが活性化すると、コモンソースラインCSP,CSNは速やかに駆動される。
【0063】
図11は、センスアンプSAの動作を説明するための動作波形図である。
【0064】
図11に示すように、時刻t0において所定のワード線WLが選択され、ワード線WLがVPPレベルに昇圧されると、これによってビット線対BLT,BLB間にメモリセルが含む電荷に対応して電位差が生じる。
図11に示す例では、ビット線BLTのレベルが中間レベルであるVARY/2よりも僅かに上昇している。ビット線BLBは参照側となるビット線であり、中間レベルVARY/2を維持している。
【0065】
その後、時刻t1において、センスアンプ駆動信号SAP1B,SANTがそれぞれVSSレベル及びVDDレベルに活性化する。これにより、コモンソースラインCSPについてはVDDレベルにオーバードライブされ、コモンソースラインCSNについてはVSSレベルに駆動される。センスアンプ駆動信号SAP1B,SANTの振幅は互いに等しく、したがって、
図9に示したレベル変換回路81aとレベル変換回路82aの動作遅延量も等しいことから、センスアンプ駆動信号SAP1B,SANTは正しく同時に活性化する。
【0066】
その後、時刻t2においてセンスアンプ駆動信号SAP1BがVDDレベルに非活性化するとともに、センスアンプ駆動信号SAP2TがVPPレベルに活性化する。これにより、コモンソースラインCSPはVARYレベルに駆動され、その結果、ビット線BLTについてはVARYレベルとなり、ビット線BLBについてはVSSレベルとなる。
【0067】
図12は、第1の比較例によるセンスアンプSA及びセンスアンプ駆動回路16内の回路の一部を示す図である。
【0068】
図12に示す第1の比較例では、ドライバトランジスタ41xがNチャンネル型のMOSトランジスタによって構成されており、そのゲート電極に印加されるセンスアンプ駆動信号SAP1BがVSSレベルからVPPレベルの振幅を有している。このため、ドライバトランジスタ41xとしては厚膜ゲートトランジスタが用いられる。
【0069】
また、センスアンプ駆動回路16内においては、振幅がVSSからVPERIである原信号の振幅をVSSからVPPに変換するレベル変換回路81xと、レベル変換回路81xによって変換されたセンスアンプ駆動信号SAP1BをコモンソースラインCSPに出力する出力インバータ81yが設けられている。一方、センスアンプ駆動信号SANTについては、原信号の振幅VSSからVPERIのままであり、したがってレベル変換回路を介することなく、出力インバータ82yによってコモンソースラインCSNに出力される。
【0070】
図13は、
図12に示した第1の比較例によるセンスアンプSAの動作を説明するための動作波形図である。
【0071】
本例においては、時刻t1において、センスアンプ駆動信号SAP1B,SANTがそれぞれVPPレベル及びVPERIレベルに活性化する。これにより、コモンソースラインCSPについてはVDDレベルにオーバードライブされ、コモンソースラインCSNについてはVSSレベルに駆動される。しかしながら、比較例ではセンスアンプ駆動信号SAP1Bを生成するパスにはレベル変換回路81xが介在するのに対し、センスアンプ駆動信号SANTを生成するパスにはレベル変換回路が介在しないことから、両者の間にはスキューが生じる。更に、センシングの動作初期に作用するセンスアンプを動作させる2つの信号(SANT,SAP1B)が、互いに異なる電圧幅の振幅(SANTはVSS〜VPERIの振幅幅、SAP1BはVSS〜VPPの振幅幅)であるからである。
【0072】
図14は、第2の比較例によるセンスアンプSA及びセンスアンプ駆動回路16内の回路の一部を示す図である。
【0073】
図14に示す第2の比較例では、センスアンプSAの回路構成が本実施形態と同じであるが、センスアンプ駆動信号SANTの振幅がVSSレベルからVPERIレベルである点において、本実施形態と相違している。これにより、センスアンプ駆動回路16からは、原信号S2の振幅を変換するレベル変換回路が削除されている。本例においても、センスアンプ駆動信号SAP1Bを生成するパスにはレベル変換回路81aが介在するのに対し、センスアンプ駆動信号SANTを生成するパスにはレベル変換回路が介在しないことから、両者の間にはスキューが生じることになる。第1の比較例と同様に、センシングの動作初期に作用するセンスアンプを動作させる2つの信号(SANT,SAP1B)が、互いに異なる電圧幅の振幅(SANTはVSS〜VPERIの振幅幅、SAP1BはVSS〜VDDの振幅幅)であるからである。
【0074】
これら比較例に対し、本実施形態においては、コモンソースラインCSP,CSNが同一な電圧の振幅幅(SANTはVSS〜VDDの振幅幅、SAP1BはVSS〜VDDの振幅幅)で駆動されることから、スキューが生じずにセンスアンプのセンスマージンを拡大することが可能となる。尚、本実施形態においては、SANTとSAP1Bの夫々の波形のクロスポイントをVARY/2またはVDD/2にすることがベストモードであるが、必ずしもそれらのクロスポイント電位でなければならない訳ではない。SANTとSAP1Bが、同一な電圧の振幅幅でそれぞれスウィング(遷移)することが重要であり、この視点において本実施形態においては、スキューが生じていない。更に、本実施形態においては、SANTのHigh側の電位がVDDであり、第2の比較例(
図14)が示すSANTのHigh側の電位VPERIと異なっている点に特徴がある。ドライバトランジスタ42のゲート電極に供給される電位が、本願が示すVDDでも第2の比較例が示すVPERIであっても、センスアンプの動作初期の特性にはさほど影響は生じない。それにも拘らず、本実施形態において、SANTのHigh側電位がVDDであることは、前述のSAP1Bとのスキューを抑止するからである。
【0075】
図15は、本発明の好ましい実施形態による半導体装置を用いたデータ処理システム100の構成を示すブロック図であり、本実施形態による半導体装置がDRAMである場合を示している。
【0076】
図15に示すデータ処理システム100は、データプロセッサ120と、本実施形態による半導体装置(DRAM)130が、システムバス110を介して相互に接続された構成を有している。データプロセッサ120としては、例えば、マイクロプロセッサ(MPU)、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)などを含まれるが、これらに限定されない。
図15においては簡単のため、システムバス110を介してデータプロセッサ120とDRAM130とが接続されているが、システムバス110を介さずにローカルなバスによってこれらが接続されていても構わない。
【0077】
また、
図15には、簡単のためシステムバス110が1組しか描かれていないが、必要に応じ、コネクタなどを介しシリアルないしパラレルに設けられていても構わない。また、
図15に示すデータ処理システムでは、ストレージデバイス140、I/Oデバイス150、ROM160がシステムバス110に接続されているが、これらは必ずしも必須の構成要素ではない。
【0078】
ストレージデバイス140としては、ハードディスクドライブ、光学ディスクドライブ、フラッシュメモリなどが挙げられる。また、I/Oデバイス150としては、液晶ディスプレイなどのディスプレイデバイスや、キーボード、マウスなどの入力デバイスなどが挙げられる。また、I/Oデバイス150は、入力デバイス及び出力デバイスのいずれか一方のみであっても構わない。さらに、
図15に示す各構成要素は、簡単のため1つずつ描かれているが、これに限定されるものではなく、1又は2以上の構成要素が複数個設けられていても構わない。
【0079】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0080】
本願の技術思想は、様々な回路形式(CMOS型、カレントミラー型等)の入力回路に適用できる。更に、図面で開示した各回路ブロック内の回路形式、その他の制御信号を生成する回路は、実施例が開示する回路形式限られない。
【0081】
本発明の半導体装置の技術思想は、様々な半導体装置に適用することができる。例えば、CPU(Central Processing Unit)、MCU(Micro Control Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ASSP(Application Specific Standard Product)、メモリ(Memory)等の半導体装置全般に、本発明を適用することができる。このような本発明が適用された半導体装置の製品形態としては、例えば、SOC(システムオンチップ)、MCP(マルチチップパッケージ)やPOP(パッケージオンパッケージ)などが挙げられる。これらの任意の製品形態、パッケージ形態を有する半導体装置に対して本発明を適用することができる。
【0082】
また、トランジスタとして電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor; FET)を用いる場合には、MOS(Metal Oxide Semiconductor)以外にもMIS(Metal-Insulator Semiconductor)、TFT(Thin Film Transistor)等の様々なFETに適用できる。更に、装置内に一部のバイポーラ型トランジスタを有しても良い。
【0083】
更に、NMOSトランジスタ(N型チャネルMOSトランジスタ)は、第1導電型のトランジスタ、PMOSトランジスタ(P型チャネルMOSトランジスタ)は、第2導電型のトランジスタの代表例である。
【0084】
また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【0085】
以下、本発明のその他の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
それぞれの電源ノードが第1のセンスアンプ駆動ラインに共通接続され、ビット線対に生じている電位差に基づいて前記ビット線対の一方を前記第1のセンスアンプ駆動ラインの電位に駆動するクロスカップルされた第1及び第2の第1導電型センストランジスタと、
それぞれの電源ノードが第2のセンスアンプ駆動ラインに共通接続され、前記ビット線対に生じている電位差に基づいて前記ビット線対の他方を前記第2のセンスアンプ駆動ラインの電位に駆動するクロスカップルされた第1及び第2の第2導電型センストランジスタと、
第1の電位が与えられる第1の電源ラインと前記第1のセンスアンプ駆動ラインとの間に接続された第1のドライバトランジスタと、
第2の電位が与えられる第2の電源ラインと前記第2のセンスアンプ駆動ラインとの間に接続された第2のドライバトランジスタと、
第3の電位が与えられる第3の電源ラインと前記第1のセンスアンプ駆動ラインとの間に接続された第3のドライバトランジスタと、を備え、
前記第1の電位と前記第2の電位との電位差は、前記第3の電位と前記第2の電位との電位差よりも大きく、
第1の期間においては、前記第1及び第2のドライバトランジスタが電気的に導通し、前記第3のドライバトランジスタが電気的に非導通し、
前記第1の期間に続く第2の期間においては、前記第2及び第3のドライバトランジスタが電気的に導通し、前記第1のドライバトランジスタが電気的に非導通し、
前記第1のドライバトランジスタの制御ノードには第1のセンスアンプ駆動信号が供給され、
前記第2のドライバトランジスタの制御ノードには第2のセンスアンプ駆動信号が供給され、
前記第1のセンスアンプ駆動信号と前記第2のセンスアンプ駆動信号の電圧振幅は互いに等しい、ことを特徴とする半導体装置。
(付記2)
前記第1のドライバトランジスタは第1導電型のトランジスタであり、前記第2のドライバトランジスタは第2導電型のトランジスタである、ことを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3)
前記第1及び第2のセンスアンプ駆動信号は、いずれも前記第1の電位と前記第2の電位の電位差を示す電圧振幅を有している、ことを特徴とする付記2に記載の半導体装置。
(付記4)
前記第1の電位は外部から供給される外部電位であり、前記第3の電位は前記第1の電位を降圧させた内部電位である、ことを特徴とする付記2又は3に記載の半導体装置。
(付記5)
第4の電位と前記第2の電位の電圧振幅を有する第1の原信号をレベル変換し、前記第1の電位と前記第2の電位の電圧振幅を有する前記第1のセンスアンプ駆動信号を生成する第1のレベル変換回路と、
前記第4の電位と前記第2の電位の電圧振幅を有する第2の原信号をレベル変換し、前記第1の電位と前記第2の電位の電圧振幅を有する前記第2のセンスアンプ駆動信号を生成する第2のレベル変換回路と、をさらに備えることを特徴とする付記3又は4に記載の半導体装置。
(付記6)
前記第3のドライバトランジスタの制御ノードには第3のセンスアンプ駆動信号が供給され、
前記第3のセンスアンプ駆動信号は、前記第1の電位よりも高い第5の電位と前記第2の電位の電圧振幅を有している、ことを特徴とする付記1乃至6のいずれか一項に記載の半導体装置。
(付記7)
第4の電位と前記第2の電位の電圧振幅を有する第3の原信号をレベル変換し、前記第5の電位と前記第2の電位の電圧振幅を有する前記第3のセンスアンプ駆動信号を生成する第3のレベル変換回路と、をさらに備えることを特徴とする付記6に記載の半導体装置。
(付記8)
前記第4の電位は、前記第1の電位を降圧させた内部電位である、ことを特徴とする付記5または7に記載の半導体装置。
(付記9)
前記第1及び第2のドライバトランジスタは、それぞれ前記第1及び第2のセンスアンプ駆動信号に基づいて同時に活性化する、ことを特徴とする付記5に記載の半導体装置。
(付記10)
前記第1及び第2のドライバトランジスタのゲート膜厚は互いに等しい、ことを特徴とする付記1乃至6のいずれか一項に記載の半導体装置。
(付記11)
前記第3のドライバトランジスタのゲート膜厚は、前記第1及び第2のドライバトランジスタのゲート膜厚よりも厚い、ことを特徴とする付記10に記載の半導体装置。
(付記12)
互いのドレイン電極と互いのゲート電極とが、それぞれ接続する第1と第2のトランジスタと、
互いのドレイン電極と互いのゲート電極とが、それぞれ接続する第3と第4のトランジスタと、
互いに接続する前記第1と第2のトランジスタのソース電極と、第1の電位を供給する第1のラインと、の間に接続する第5のトランジスタと、
互いに接続する前記第3と第4のトランジスタのソース電極と、第2の電位を供給する第2のラインと、の間に接続する第6のトランジスタと、
前記第5のトランジスタのゲート電極に、高電位として前記第1の電位及び低電位として前記第2の電位を有する第1の制御信号を供給する第1のドライバと、
前記第6のトランジスタのゲート電極に、高電位として前記第1の電位及び低電位として前記第2の電位を有する第2の制御信号を供給する第2のドライバと、を備えることを特徴とする半導体装置。
(付記13)
更に、高電位として前記第1の電位よりも低く前記第2の電位よりも高い第3の電位及び低電位として前記第2の電位を有する第3の制御信号を、前記第1の電位及び前記第2の電位の電圧振幅に変換して前記第1のドライバに供給する第1のレベル変換回路と、
更に、高電位として前記第3の電位及び低電位として前記第2の電位を有する第4の制御信号を、前記第1の電位及び前記第2の電位の電圧振幅に変換して前記第2のドライバに供給する第2のレベル変換回路と、を備えることを特徴とする付記12に記載の半導体装置。
(付記14)
更に、互いに接続する前記第1と第2のトランジスタのソース電極と、前記第1の電位よりも低く前記第2の電位よりも高い第4の電位を供給する第3のラインと、の間に接続する第7のトランジスタと、
前記第7のトランジスタのゲート電極に、前記第1の電位よりも高い第5の電位及び低電位として前記第2の電位を有する第5の制御信号を供給する第3のドライバと、を備えることを特徴とする付記13に記載の半導体装置。
(付記15)
更に、高電位として前記第3の電位及び低電位として前記第2の電位を有する第6の制御信号を、前記第5の電位及び前記第2の電位の電圧振幅に変換して前記第3のドライバに供給する第3のレベル変換回路と、を備えることを特徴とする付記14に記載の半導体装置。
(付記16)
前記第1乃至第6のトランジスタは、第1のゲート絶縁膜の膜厚で構成され、
前記第7のトランジスタは、前記第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも厚い第2のゲート絶縁膜の膜厚で構成される、ことを特徴とする付記14または15に記載の半導体装置。
(付記17)
更に、互いに接続する前記第1と第3トランジスタのドレイン電極に接続する第1のビット線と、
互いに接続する前記第2と第4のトランジスタのドレイン電極に接続する第2のビット線と、を備え、
前記第1乃至第4のトランジスタは、前記第1と第2のビット線にそれぞれ接続する第1と第2のメモリセルの情報をセンシングするセンスアンプである、ことを特徴とする付記12乃至16のいずれか一項に記載の半導体装置。
(付記18)
前記半導体装置は、第1の領域に配置された複数の前記センスアンプを含み、
前記第5と第6のトランジスタは、前記第1の領域に配置され、
前記第7のトランジスタは、前記第1の領域と異なる第2の領域に配置される、ことを特徴とする付記17に記載の半導体装置。
(付記19)
前記第1乃至第3のドライバ及び前記第1乃至第3のレベル変換回路は、前記第1と第2の領域と異なる第3の領域に配置される、ことを特徴とする付記18に記載の半導体装置。
(付記20)
前記第1の電位は、前記半導体装置に供給される外部電位である、ことを特徴とする付記12乃至19のいずれか一項に記載の半導体装置。