(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上述のような技術では、いずれの窓やドアを開けて換気すればよいかを居住者に伝えることはできるものの、通風が不要な場所や、なるべく通風経路の風下に配置すべき場所については考慮されていない。例えば、トイレやキッチンのように臭気を発する場所を通風経路の風上に配置してしまうと、当然、臭気は通風経路内を流通して建物内部全体に行き渡ってしまうことになる。
【0005】
本発明の課題は、通風非対象の場所および風下にすべき場所を考慮した通風経路の候補の選出を可能とし、快適な生活環境を形成することができる通風経路選出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、通風経路選出システム20であって、例えば
図1〜
図7に示すように、建物1外部の風向き、風速、外気温等の情報や、建物1内部の室温等の情報を取得する環境情報取得手段(例えば、制御部22、環境情報取得プログラム26a)と、
この環境情報取得手段によって取得した環境情報(例えば、環境情報データ27a)と、部屋(例えば、玄関2、1階寝室3、トイレ4等)の配置、開口部(例えば、玄関開口部2a、開口部3a、開口部3b、開口部4a等)の位置、居住者の部屋割り等の建物内部情報(例えば、建物内部情報データ27b)とに基づいて、通風非対象の場所および風下にすべき場所を決定したうえで、建物1内部の通風経路(例えば、通風経路A、通風経路B、通風経路C等)の候補を選出する通風経路選出手段(例えば、制御部22、通風経路選出プログラム26b)とを備えて
おり、
前記通風経路選出手段は、制御部22と、建物1内部の複数の通風経路の候補を選出するための通風経路選出プログラム26bと、を有しており、
前記通風経路選出プログラム26bに基づいて前記通風経路の候補を選出するに際し、
前記制御部22は、任意に選択された通風対象の場所と前記環境情報とに基づいて通風経路の暫定候補を選出し、さらに、当該暫定候補の中から、通風非対象の場所や風下にすべき場所を含んだものを候補から外すことで、前記通風経路の正規候補を選出し、
居住者または前記制御部22は、前記通風経路の正規候補の中から好適な通風経路を選択し、前記制御部22は、その通風経路に対応する開口部(例えば、開口部3a等)の開閉制御を行うことを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、前記環境情報取得手段(例えば、制御部22、環境情報取得プログラム26a)によって取得した環境情報(例えば、環境情報データ27a)と、前記建物内部情報(例えば、建物内部情報データ27b)とに基づき、前記通風経路選出手段(例えば、制御部22、通風経路選出プログラム26b)によって、通風非対象の場所および風下にすべき場所を決定したうえで、通風経路(例えば、通風経路A、通風経路B、通風経路C等)の候補を選出することができるので、居住者は、選出された候補の中から、通風非対象の場所および風下にすべき場所を考慮した通風経路を適宜選択することができる。
これによって、例えば通風によって、トイレ(例えば、トイレ4,12)やキッチン(例えば、キッチン10)の臭気が建物1内部全体に行き渡ってしまったり、他の部屋から独立して空調を行っている部屋の空気環境を阻害してしまったりすることを確実に防ぐことができるので、居住者にとって快適な生活環境を形成することが可能となる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、例えば
図1〜
図7に示すように、請求項1に記載の通風経路選出システム20において、
通風非対象の場所および風下にすべき場所は、臭気を発する部屋(例えば、トイレ4,12、キッチン10)に設定されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、通風非対象の場所および風下にすべき場所は、臭気を発する部屋(例えば、トイレ4,12、キッチン10)に設定されているので、建物1内部に流入した風は、通風非対象の場所を避けるとともに、風下にすべき場所を最終通過場所として建物1の外部に排出されることになる。これによって、臭気が通風経路(例えば、通風経路A、通風経路B、通風経路C等)を通じて建物1内部全体に行き渡ることを確実に防ぐことができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば
図1〜
図7に示すように、請求項1または2に記載の通風経路選出システム20において、
通風非対象の場所および風下にすべき場所は、病人が居る部屋(例えば、1階寝室3、2階寝室13、第1子供部屋15、第2子供部屋16等)に設定されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、通風非対象の場所および風下にすべき場所は、病人が居る部屋(例えば、1階寝室3、2階寝室13、第1子供部屋15、第2子供部屋16等)に設定されているので、建物1内部に流入した風は、通風非対象の場所を避けるとともに、風下にすべき場所を最終通過場所として建物1の外部に排出されることになる。これによって、飛沫として空気中に飛散した病原体や、薬品臭が建物1内部全体に行き渡ることを確実に防ぐことができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば
図1〜
図7に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の通風経路選出システム20において、
通風非対象の場所は、他の部屋から独立して空調を行っている部屋(例えば、1階寝室3、2階寝室13、第1子供部屋15、第2子供部屋16等)に設定されていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、通風非対象の場所は、他の部屋から独立して空調を行っている部屋(例えば、1階寝室3、2階寝室13、第1子供部屋15、第2子供部屋16等)に設定されているので、建物1内部に流入した風は、通風非対象の場所を避けて建物1の外部に排出されることになる。これによって、他の場所から独立して空調を行っている場所の空気環境を、建物1内部に流入した風によって阻害されることなく、確実に保持することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば
図1〜
図4,
図7に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の通風経路選出システム20において、
居住者の在・不在を検知する検知手段(例えば、人感センサー33)を備えており、
不在時における通風非対象の場所および風下にすべき場所は、臭気を発する部屋(例えば、トイレ4,12、キッチン10)に設定されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、居住者の在・不在を検知する検知手段(例えば、人感センサー33)を備えているので、居住者の在・不在を検知することができ、居住者の外出時にも通風を行ったり、反対に、居住者の不在を検知して通風を止めたりすることができる。
また、不在時における通風非対象の場所および風下にすべき場所は、臭気を発する部屋(例えば、トイレ4,12、キッチン10)に設定されているので、居住者の不在時に通風を行う際でも、臭気が通風経路(例えば、通風経路A、通風経路B、通風経路C等)を通じて建物内部全体に行き渡ることを確実に防ぐことができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、例えば
図1に示すように、請求項1〜5のいずれか一項に記載の通風経路選出システム20において、
前記通風経路(例えば、通風経路A、通風経路B、通風経路C等)に係る情報を居住者に報知するための報知手段(例えば、制御部22、出力部23、報知プログラム26d)を備えていることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、前記通風経路(例えば、通風経路A、通風経路B、通風経路C等)に係る情報を居住者に報知するための報知手段(例えば、制御部22、出力部23、報知プログラム26d)を備えているので、この報知手段によって、例えば複数の通風経路を選択肢として表示したり、通風経路の通風効果を表示したり、好適な通風経路をアドバイスしたりすることができる。これによって、居住者は、自身にとって好適な通風経路を任意に選択したり、通風経路の通風効果を適宜確認したり、アドバイスに従って通風経路を選択したりすることができるので、建物1内部において、居住者の意に沿った空気環境を容易に得ることができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、例えば
図1〜
図7に示すように、請求項1〜6のいずれか一項に記載の通風経路選出システム20において、
通風対象の場所(例えば、1階寝室3、2階寝室13、第1子供部屋15、第2子供部屋16等)には、該通風対象の場所における換気回数の基準値が設定されており、
建物1内部には通風補助装置(例えば、シーリングファン34、換気扇35)が設置されており、この通風補助装置は、前記通風対象の場所における換気回数が基準値よりも少ない場合に稼働するように設定されていることを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、前記通風補助装置は、前記通風対象の場所における換気回数が基準値よりも少ない場合に稼働するように設定されているので、建物1内部に風を流入させても通風対象場所の換気回数が基準値に達しないと判断された場合に、この通風補助装置によって通風補助を行うことができ、前記通風対象場所の換気回数を増加させることができる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、例えば
図1〜
図3に示すように、請求項1〜7のいずれか一項に記載の通風経路選出システム20において、
建物1の外壁には、窓等の開口部(例えば、開口部3a等)を介しての人の侵入や外部からの視線を遮蔽しつつ通気を可能とするシャッター装置37が設けられており、
このシャッター装置37によって閉塞される窓等の開口部には、この開口部を開閉する建具(例えば、建具3c)が設けられており、この建具は、候補の中から居住者によって選択される通風経路(例えば、通風経路A、通風経路B、通風経路C等)に応じて開閉制御可能に設定されていることを特徴とする。
【0021】
請求項8に記載の発明によれば、建物1の外壁に、窓等の開口部(例えば、開口部3a等)を介しての人の侵入や外部からの視線を遮蔽しつつ通気を可能とするシャッター装置37が設けられているので、居住者の不在時や睡眠中であっても、前記窓等の開口部(例えば、開口部3a等)を開放して通風を行うことができる。これによって、居住者の不在時や睡眠中であっても建物1内部の空気環境を良好に保つことができるので、帰宅時における熱気等の不快感を軽減したり、真夏の夜の寝苦しさを解消したりすることができる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、例えば
図1〜
図7に示すように、請求項1〜8のいずれか一項に記載の通風経路選出システム20において、
玄関ドア2bおよび建物1内部のドア(例えば、ドア3d,7b,12b等)は、候補の中から居住者によって選択される通風経路(例えば、通風経路A、通風経路B、通風経路C等)に応じて開閉制御可能に設定されていることを特徴とする。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、玄関ドア2bおよび建物1内部のドア(例えば、ドア3d,7b,12b等)は、候補の中から居住者によって選択される通風経路(例えば、通風経路A、通風経路B、通風経路C等)に応じて開閉制御可能に設定されているので、居住者が通風経路を選択した際に、自動的に玄関ドア2bおよび建物1内部のドアを制御して開放、閉塞させることができる。これによって、建物1内部に風を流入させやすくなるとともに、居住者自身が玄関ドア2bや建物1内部のドアを開閉する手間を省くことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、建物外部の風向き、風速、外気温等の情報や、建物内部の室温等の情報を取得する環境情報取得手段によって取得した環境情報と、部屋の配置、開口部の位置、居住者の部屋割り等の建物内部情報とに基づき、建物内部の通風経路の候補を選出する通風経路選出手段によって、通風非対象の場所および風下にすべき場所を決定したうえで、通風経路の候補を選出することができるので、居住者は、選出された候補の中から、通風非対象の場所および風下にすべき場所を考慮した通風経路を適宜選択することができる。
これによって、例えば通風によって、トイレやキッチンの臭気が建物内部全体に行き渡ってしまったり、他の部屋から独立して空調を行っている部屋の空気環境を阻害してしまったりすることを確実に防ぐことができるので、居住者にとって快適な生活環境を形成することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る通風経路選出システムの一例を示すブロック図であり、
図2〜
図4は通風経路選出システムが採用される住宅の一例を示す平面図である。
図2〜
図4において符号1は、住宅等の建物を示す。この建物1は2階建てであり、
図2および
図3は1階部分を示しており、
図4は2階部分を示している。なお、
図2の建物1の1階と、
図3の建物1の2階とは同じ構成となっている。
また、説明の便宜上、
図2〜
図4中において上側が北の方向とされており、下側が南の方向とされている。
【0027】
図2および
図3に示すように、この建物1の1階部分には、複数の部屋や廊下、階段等が配置されている。
すなわち、建物1の南側の中央西寄りには玄関2が配置されている。この玄関2を構成する外壁には、建物1内部と外部とを連通する玄関開口部2aが形成されており、この玄関開口部2aには建具として玄関ドア2bが設けられている。
【0028】
玄関2の西側には1階寝室3が配置されている。
この1階寝室3の南側の外壁には、窓としての開口部3aが形成されており、北側の外壁には窓としての開口部3bが形成されている。また、前記開口部3aには建具3cが設けられている。
また、この1階寝室3の東側に設けられている前記玄関2へと通じる出入口にはドア3dが設けられている。
【0029】
玄関2の北側にはトイレ4が配置されている。
このトイレ4の北側の外壁には窓としての開口部4aが形成されている。また、この開口部4aには建具が設けられている。
また、このトイレ4の西側に設けられている前記玄関2へと通じる出入口にはドア4bが設けられている。
なお、トイレ4は、このトイレ4の東側に配置される脱衣洗面所および浴室とともに水廻り室を構成している。
【0030】
玄関2とトイレ4との間には、東西方向に延在するとともに、前記第1寝室3の出入口とダイニング9(後述する)の出入口とをつなぐ廊下5が配置されている。
また、この廊下5の南側には、建物1の1階と2階とを接続する階段6が配置されている。この階段6は、折り返し階段とされており、
図4に示すように、廊下5の上方にも配置されている。
【0031】
玄関2の東側にはリビング(リビングルーム)7が配置されている。
このリビング7の南側の外壁には連窓である開口部7aが形成されている。また、この開口部7aには建具が設けられている。
また、このリビング7の西側に設けられている前記玄関2へと通じる出入口にはドア7bが設けられている。
【0032】
リビング7の東側には、床に複数枚の畳が敷設されたタタミ室8が配置されている。
このタタミ室8の南側の外壁には、窓としての開口部8aが形成されている。また、この開口部8aには建具が設けられている。
【0033】
タタミ室8の北側にはダイニング(ダイニングルーム)9が配置されている。
このダイニング9の東側の外壁には窓としての開口部9aが形成されている。また、この開口部9aには建具が設けられている。
また、このダイニング9の西側に設けられている前記廊下5へと通じる出入口にはドア9bが設けられている。
【0034】
ダイニング9の北側にはキッチン(キッチンルーム)10が配置されている。
このキッチン10の北側の外壁には窓としての開口部10aが形成されている。この開口部10aには建具が設けられている。
【0035】
前記リビング7と、タタミ室8と、ダイニング9と、キッチン10との間には建具が設けられない状態で配置されている。すなわち、これら部屋7,8,9,10は空間的に一体化されることによって他の部屋よりも広い大空間とされており、居住者全員が集う共用居住空間として使用されている。
【0036】
図4に示すように、建物1の2階部分には、複数の部屋等が配置されている。
すなわち、建物1の2階中央には、前記階段6に連続するとともに、南北に延在する廊下11が配置されている。階段6は、廊下11の西側に配置されている。
【0037】
廊下11の北側にはトイレ12が配置されている。
このトイレ12の北側の外壁には窓としての開口部12aが形成されている。また、この開口部12aには建具が設けられている。
また、このトイレ12の南側に設けられている前記廊下11へと通じる出入口にはドア12bが設けられている。
【0038】
廊下11の東側には2階寝室13が配置されている。
この2階寝室13の南側の外壁には、窓としての開口部13aが形成されており、東側の外壁には窓としての開口部13bが形成されている。また、これら開口部13a,13bには建具がそれぞれ設けられている。
また、この2階寝室13の西側に設けられている前記廊下11へ通じる出入口にはドア13cが設けられている。
【0039】
2階寝室13の北側には書斎14が配置されている。
この書斎14の北側の外壁には、窓としての開口部14aが形成されている。また、この開口部14aには建具が設けられている。
また、この書斎14の西側に設けられている前記廊下11へと通じる出入口にはドア14bが設けられている。
【0040】
階段6の北側には第1子供部屋15が配置されている。
この第1子供部屋15の北側の外壁には、窓としての開口部15a,15bが形成されている。また、これら開口部15a,15bには建具が設けられている。
また、この第1子供部屋15の南側に設けられている前記階段6へと通じる出入口にはドア15cが設けられている。
【0041】
階段6の南側には第2子供部屋16が配置されている。
この第2子供部屋16の南側の外壁には、窓としての開口部16a,16bが形成されている。また、これら開口部16a,16bには建具が設けられている。
また、この第2子供部屋16の東側に設けられている前記廊下11へと通じる出入口にはドア16cが設けられている。
【0042】
前記階段6の西側であって、前記第1子供部屋15と第2子供部屋との間には共用クローゼット17が配置されている。
この共用クローゼット17の北側および南側には、前記第1子供部屋15からも、前記第2子供部屋16からも出入りすることができるように出入口が設けられている。
【0043】
建物1の1階の外部には、前記1階寝室3に隣接するとともに前記開口部3bを介して行き来が可能なウッドデッキが設けられている。また、建物1の2階の外部には、前記2階寝室13および第2子供部屋16に隣接するとともに前記開口部13aおよび開口部16aを介して行き来が可能なバルコニーが設けられている。
【0044】
なお、前記玄関ドア2bや建具3c、ドア3d,4b,7b,9b,12b,13c,14b,15c,16c、その他の建具には、図示はしないが、建具を開閉させて開口部を開放させたり閉塞させたりする開閉装置が取り付けられている。
この開閉装置は、建具を開閉制御する制御部と、建具を摺動させたり開閉させたりする駆動部と、建具を開放させた状態または閉塞した状態で固定するストッパー部とを備えており、この開閉装置の制御部は、後述する通風経路選出装置21の制御部22と接続されているものとする。
また、建物1内部に採用されるドア等の建具として、建物1内の比較的パブリックなスペースには格子戸を採用して通風効果の向上を図るようにしてもよい。また、壁に欄間を設けることによって、ドアを開けなくても通風ができるようにしてもよい。
【0045】
一方、本実施の形態の通風経路選出システム20は、
図1に示すように、建物1内部に設けられる通風経路選出装置21と、この通風経路選出装置21と接続される風向・風量センサー30、外気温センサー31、室温センサー32、人感センサー33、シーリングファン34、換気扇35、エアコン36、シャッター装置37とを備えている。
前記風向・風量センサー30、外気温センサー31、室温センサー32は、建物1外部および内部の環境情報を取得する環境情報取得手段として用いられている。
また、前記シーリングファン34および換気扇35は、通風補助装置として用いられている。この時、前記エアコン36も通風補助装置の一つとして含めてもよいものとする。
なお、本実施の形態における通風経路とは、基本的に、建物1内部を通り抜けるようにして構成されたものであり、建物1を縦断したり、横断したりするものであることが望ましい。
【0046】
通風経路選出装置21は、各種プログラムを処理実行するための制御部22と、通風経路の情報を含む各種の情報を居住者に報知するための出力部23と、居住者からの指示等の情報を入力するための入力部24と、各種プログラムや各種データを記憶格納しておくための記憶部25と、センサー類30,31,32,33や空調設備類34,35,36、シャッター装置37との間でデータ等の送受信を行う通信部28とを有している。
【0047】
出力部23は、画像を表示する表示モニタが用いられている。また、この表示モニタに限られるものではなく、音声によって諸情報を出力するスピーカーを用いるようにしてもよいし、表示モニタとスピーカーとを組み合わせて用いてもよい。また、テレビやパソコンを利用するなどしてもよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0048】
入力部24は、例えば選出された通風経路を選択決定するための決定ボタンや、表示モニタに表示されるカーソルを操作するための操作ボタン等からなる操作部であり、表示モニタに表示される情報と組み合わせて用いることにより、居住者からの指示等の情報を入力できるようになっている。また、この入力部24にはキーボードやタッチパネル等を採用してもよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0049】
記憶部25は、各種プログラムが記憶格納されたプログラム記憶部26と、各種データが記憶格納されたデータ記憶部27とからなる。
【0050】
プログラム記憶部26には、建物1外部の風向き、風速、外気温等の情報や、建物1内部の室温等の情報を取得するための環境情報取得プログラム26aと、建物1内部の通風経路の候補を選出するための通風経路選出プログラム26bと、候補として選出された通風経路および居住者によって選択された通風経路の効果を判定するための通風効果判定プログラム26cと、居住者に報知すべき情報を表示モニタやスピーカーから出力して報知するための報知プログラム26dとが記憶格納されている。
また、このプログラム記憶部26には、その他にも、建物1内部を換気するうえで必要な機能を実行するための各種プログラムが記憶格納されているものとする。
【0051】
データ記憶部27には、取得した環境情報を含む環境情報データ27aと、前記玄関2、1階寝室3、トイレ4等の部屋の配置や、前記玄関開口部2a、開口部3a、開口部3b、開口部4a等の開口部の位置や、居住者の部屋割り等の建物内部情報を含む建物内部情報データ27bと、建物1の構造を考慮し、候補として選出可能な全ての通風経路の構成についての情報を含む通風経路データ27cと、通風経路の構成や各開口部の建具に対して設定される通風抵抗値データ27dとが記憶格納されている。
また、このデータ記憶部27には、その他にも、建物1内部を換気するうえで必要なデータが記憶格納されているものとする。例えば、表示モニタに表示される画面デザインのパターンデータや、スピーカーから発せられるアナウンスのパターンデータ等が記憶されている。
【0052】
通信部28は、通風経路選出装置21と、センサー類30,31,32,33や空調設備類34,35,36、シャッター装置37との間でデータ・情報の送受信を行うための装置であり、有線、無線あるいはこれらを組み合わせたものを採用する。
有線の場合は、建物1内部および建物1外部に、通風経路選出装置21と、センサー類30,31,32,33や空調設備類34,35,36、シャッター装置37とを接続する導線を配置しておくようにする。
無線の場合は、センサー類30,31,32,33や空調設備類34,35,36、シャッター装置37にもそれぞれ無線通信手段を設けておき、この無線通信手段によって通風経路選出装置21と、センサー類30,31,32,33や空調設備類34,35,36、シャッター装置37とを接続する。
【0053】
このような通風経路選出装置21は、前記通信部28を介してセンサー類30,31,32,33や空調設備類34,35,36、シャッター装置37と接続されているので、これらセンサー類30,31,32,33や空調設備類34,35,36、シャッター装置37のコントローラとしても使用することが可能となる。
また、通風経路選出装置21は、図示しない電源制御部を備えており、この通風経路選出装置21の電源をON/OFF切替できるようになっているものとする。
また、この通風経路選出装置21にはカレンダー・時計機能が備えられており、日付けや時刻に対応した制御やタイマー機能などが使えるようになっている。
【0054】
風向・風量センサー30は、建物1外部に吹く風の向きと量を検知して計測するものであり、図示はしないが、建物1外部の複数箇所に配置されている。
平面視において概ね方形に形成されている建物の場合であれば、少なくとも建物の四方それぞれに、1つずつ以上配置することが望ましい。すなわち、平面視略方形の建物の場合は、少なくとも4つの風向・風量センサー30が、建物の四方にそれぞれ配置されることになる。また、本実施の形態の建物1のように、平面視において外壁に凹部や凸部がある場合には、その平面形状や開口部との位置関係を考慮しながら、風向・風量センサー30の位置を決定するのが好ましい。
そして、この風向・風量センサー30は、前記通信部28を介して制御部22に接続されており、制御部22の動作に応じて、建物1外部に吹く風の向きと量を検知して計測することができる。
【0055】
外気温センサー31は、建物1外部の気温を計測するものであり、図示はしないが、建物1外部の複数個所に配置されている。
平面視において概ね方形に形成されている建物であれば、季節や太陽の角度、その他の諸条件により建物の四方の気温が異なる場合があるため、少なくとも建物の四方それぞれに、1つずつ以上配置することが望ましい。
そして、この外気温センサー31は、前記通信部28を介して制御部22に接続されており、制御部22の動作に応じて、建物1外部の気温を計測することができる。
【0056】
室温センサー32は、建物1内部の気温を計測するものであり、図示はしないが、建物1内部の複数個所に配置されている。
本実施の形態においては、例えば、1階寝室3や2階寝室13、子供部屋15,16等のように、ドアなどによって他の部屋から隔離可能に形成された部屋にはそれぞれ室温センサー32が設けられている。また、リビング7等を含む共用居住空間や、玄関2および廊下5のように、一体化した空間には室温を検知計測できる範囲で適当数設けられているものとする。
そして、この室温センサー32は、前記通信部28を介して制御部22に接続されており、制御部22の動作に応じて、建物1内部の気温を計測することができる。
【0057】
人感センサー33は、居住者の在・不在を検知するものであり、建物1内部または外部において居住者を検知可能な場所に適宜数配置されている。なお、人感センサー33としては、例えば赤外線センサー、光センサー、超音波センサー等が用いられる。
本実施の形態においては、図示はしないが、人感センサー33は、生活動線上に効率よく配置されている。少なくとも玄関2、廊下5、階段6、リビング7等を含む共用居住空間、廊下11に配置されていることが望ましい。
そして、この人感センサー33は、前記通信部28を介して制御部22に接続されており、制御部22の動作に応じて、居住者の在・不在を検知することができる。
【0058】
シーリングファン34は、図示はしないが、回転駆動部と、この回転駆動部によって回転駆動する駆動軸と、駆動軸の下端に取り付けられた羽根とを備えて構成されており、屋根に形成された天窓や排気塔等の下方に位置するようにして天井や壁等に取付固定されている。
本実施の形態のシーリングファン34は、図示はしないが、階段6の上方に配置されており、天窓が階段6上方の屋根に設けられているものとする。このようにシーリングファン34を配置することによって1階から2階に向かう空気の流れを形成しやすくなる。
なお、このシーリングファン34は駆動制御部を備え、前記回転駆動部の回転駆動を制御できるようになっている。
そして、この駆動制御部は、前記通信部28を介して制御部22に接続されており、制御部22の動作に応じた駆動制御と、制御部22の動作に関係なく通風経路選出装置21から独立した駆動制御とができるように設定されている。すなわち、シーリングファン34のON/OFF切替や運転の強弱切替等が、通風経路選出装置21からでも独自にも制御できるようになっている。
【0059】
換気扇35は、図示はしないが、キッチン10や、トイレ4,12、浴室を始めとする各部屋に設けられており、部屋の壁や天井に形成された換気孔に取り付けられている。その他の部屋にも適宜設けるようにしてもよいものとする。
この換気扇35も前記シーリングファンと同様に自身の回転駆動を制御する駆動制御部を備えている。そして、前記通信部28を介して制御部22に接続されており、制御部22の動作に応じた駆動制御と、制御部22の動作に関係なく通風経路選出装置21から独立した駆動制御とができるように設定されている。すなわち、換気扇35のON/OFF切替や運転の強弱切替等が、通風経路選出装置21からでも独自にも制御できるようになっている。
【0060】
エアコン36は、図示はしないが、建物1内部の複数個所に配置されている。
本実施の形態においては、例えば、1階寝室3や2階寝室13、子供部屋15,16等のように、ドアなどによって他の部屋から隔離可能に形成された部屋にはそれぞれエアコン36が設けられている。また、リビング7等を含む共用居住空間のように、一体化した空間には適当数設けられているものとする。
また、このエアコン36も独自の制御部を備えており、前記通信部28を介して制御部22に接続されている。したがって、制御部22の動作に応じた制御と、制御部22の動作に関係なく通風経路選出装置21から独立した制御とができるように設定されている。すなわち、エアコン36のON/OFF切替や、運転モード(冷房・暖房・除湿など)の切替、風量の調節、風向の調節等が、通風経路選出装置21からでも独自にも制御できるようになっている。
【0061】
なお、前記天窓およびシーリングファン34と、換気扇35と、エアコン36と、これらシーリングファン34と換気扇35とエアコン36とを制御する制御装置(図示せず)とによって、前記通風経路選出システム20とは異なる換気システムを動作させることができる。
すなわち、この換気システムは、温かい空気が上昇する性質を利用し、前記シーリングファン34と換気扇35の運転によって部屋の天井付近にこもる熱気を抜きながら自然の風を取り込む構成となっている。また、エアコン36を補助的に運転させることで、換気システム自体の運転時間を低減させることができるようになっている。
このような換気システムの制御装置は、前記通風経路選出装置21の制御部22に接続されており、この制御部22の動作に応じた制御と、制御部22の動作に関係なく通風経路選出装置21から独立した制御とができるように設定されている。すなわち、換気システムを独自に動作させることもでき、通風経路選出装置21と連動して動作させることができる。
【0062】
シャッター装置37は、窓等の開口部を介しての人の侵入や外部からの視線を遮蔽しつつ通気を可能とするものであり、
図2および
図3に示すように、本実施の形態においては前記開口部3aが形成された建物1の外壁に設けられている。
このシャッター装置37は、複数のスラットと、スラットが回転することにより他のスラットとの間に形成される通気部とを有するシャッターカーテンを備えている。また、このシャッターカーテンは、外壁に固定されたガイドレールに対して、摺動可能かつ強固に取り付けられており、防犯性に優れる。
また、このシャッター装置37も独自の制御部を備えており、前記通信部28を介して制御部22に接続されている。したがって、制御部22の動作に応じた制御と、制御部22の動作に関係なく通風経路選出装置21から独立した制御とができるように設定されている。すなわち、シャッターカーテンの巻き上げ/巻き下げ動作や、スラットの回転動作等が、通風経路選出装置21からでも独自にも制御できるようになっている。
【0063】
次に、以上のような通風経路選出システムを利用した通風経路選出方法と、この通風経路選出方法を含む建物の換気方法について説明する。
まず、前記記憶部25のデータ記憶部27に、建物1の内部情報のデータ27bを記憶させておく。
建物内部情報データ27bは、建物1内部の部屋の配置や開口部の位置、居住者の部屋割り等の情報を含む基本データと、居住者によって入力設定される通風対象の場所や、通風非対象の場所、風下にすべき場所等の情報を含む追加データとからなる。
【0064】
基本データのうち、部屋の配置や開口部の位置の情報は、リフォーム時を除いて建物完成後に大きく変更されにくいことから、居住者によって設定してもよいし、建築業者が予め設定しておいてもよい。部屋割りについても、一旦、居住者間で検討が済み、部屋割りされた後は大きく変更されにくい。したがって、これら部屋の配置等の情報は、基本データとして予め記憶しておくようにする。
【0065】
追加データのうちの通風対象の場所とは、建物1内部に風を取り込んで、この風によって特に換気を行いたい場所を指している。
また、通風非対象の場所とは、建物1内部に風を取り込んだ際に、風を通過させない場所を指している。
また、風下にすべき場所とは、建物1内部に風を取り込んだ際に、通風経路上の風上にしたくない場所を指している。
【0066】
また、追加データの通風非対象の場所および風下にすべき場所のうち、予め設定しておける場所は予め設定しておくようにする。
すなわち、このように予め設定しておける風下にすべき場所としては、例えば、トイレ4,12やキッチン10のように、部屋の配置を変更できず、かつ臭気を発する部屋が挙げられる。この臭気を発する部屋は、風を通過させない通風非対象の場所としてもよい。
なお、トイレ4,12と、キッチン10両方が選出された通風経路上にある場合は、キッチン10よりもトイレ4,12を風下にする。
トイレ4,12やキッチン10は、建物1内部における配置場所を容易に変更できる部屋ではないことから、居住者によって設定される追加データでありながら、基本データの性質に限りなく近いものとなっている。
また、この臭気を発する部屋は、居住者の不在時における通風非対象の場所および風下にすべき場所にも設定されている。
【0067】
なお、その他にも部屋の配置を変更できない風下にすべき場所として、浴室が挙げられる。すなわち、夏季や梅雨時のように湿度の高い季節に、浴室を風上にしてしまうと湿度の高い空気が建物1内部に行き渡ってしまい、快適な生活環境を形成しにくい場合がある。逆に冬季のように空気が乾燥する季節では、浴室を、通風経路上の風上に設定してもよく、特に入浴直後の浴室を通風経路の風上にすると、湿度の高い空気が建物1内部に行き渡るので好ましい。つまり、浴室を通風経路上に配置する場合は、天気や季節等を十分に考慮することが望ましい。
【0068】
また、その他の風下にすべき場所としては、例えば、病人が居る部屋が挙げられる。病人が居る部屋は、居住者同士の部屋割りに応じたものであり、どの居住者が病人になるかは不確定である。したがって、病人となった居住者の寝室を、風下にすべき場所として、その都度設定する。なお、この病人が居る部屋は、風を通過させない通風非対象の場所としてもよい。
なお、トイレ4,12と、病人が居る部屋の両方が、選出された通風経路上にある場合は、基本的にトイレ4,12を風下とし、伝染性の強い病気である場合は、風を、居住者の多くが使用するトイレを通過させずに外部に排出するようにする。
【0069】
また、風を通過させない通風非対象の場所としては、上述の臭気を発する場所や病人が居る部屋だけでなく、他の部屋から独立して空調を行っている部屋が挙げられる。すなわち、例えばエアコン36等によって、居住者個々の好みに合わせて部屋の温度の冷・暖を調節したり、ヒートショック対策として脱衣所等の温度を調節したりする場合がある。
このような独立して空調を行う場所は、通風経路の候補を選出する際に、その都度設定する。また、他の部屋から独立して空調を行っている部屋は、その設定が解除されるまで、通風非対象の状態が継続するように設定されている。
【0070】
追加データのうち、トイレ4,12やキッチン10のように予め設定しておける場所の情報を含むものを、説明の便宜上、第1追加データと称する。また、浴室や病人が居る部屋、他の部屋から独立して空調を行っている部屋のように通風経路選出の際に設定する場所の情報を含むものを、説明の便宜上、第2追加データと称する。
前記記憶部25のデータ記憶部27に記憶する建物内部情報データ27bは、予め記憶された基本データと、これら第1追加データおよび第2追加データを含む追加データとからなる。
そして、通風経路選出システム20を建物1に導入する際には、前記基本データと第1追加データとを建物内部情報データ27bの一部として予め前記記憶部25のデータ記憶部27に記憶させておく。すなわち、建物内部情報データ27bとして予め記憶させておけるものは、予め記憶させておき、換気を行おうとする際にすぐに換気を開始できるようにしておく。
【0071】
建物の換気を行おうとする際には、まず、
図5に示すように、居住者が通風対象場所を選択する(ステップS1)。この時、例えば表示モニタに、
図2〜
図4に示すような建物1の間取り図を表示し、居住者が通風対象場所を選べるようにする。
なお、このように居住者がシステムに対して情報入力したり、データを記憶させたりする際は、入力部24を用いて行うようにする。
【0072】
なお、通風対象場所として選択可能な部屋には、予め、換気回数の基準値が設定されている。
ここで、換気回数とは、室内の空気が1時間に何回外気と入れ替わるかを表した数値であり、換気量を室内の容積で割った値となっている。単位は「回/時間(h)」で表される。また、本実施の形態において、換気回数の基準値は、「自立循環型住宅への設計ガイドライン(国土交通省国土技術政策総合研究所・独立行政法人建築研究所監修、財団法人 建築環境・省エネルギー機構発行)」に則り、10回/hを目安とする。また、本実施の形態では、所定の時間(例えば10分)内にどれだけ換気が行われたかを確認することで、予測値として1時間の換気回数を計測する。したがって、建物1内部にも空気の流れを検知するセンサー(気流センサー)を複数設置することになる。
また、室内の容積および換気回数の基準値データは、前記建物内部情報データ27bに含まれており、部屋ごとに設定されているものとする。また、換気回数の基準値データは、10回/hを目安とし、昼と夜、季節等に応じて設定されており、上述のカレンダー・時計機能に基づいて判断できるようになっている。例えば、昼は夜よりも気温が高いため、昼の換気回数は、夜の換気回数よりも多く設定されている。
【0073】
続いて、環境情報取得プログラム26aに基づいて建物1外部および内部の環境情報データ27aを取得する(ステップS2)。
すなわち、前記風向・風量センサー30、外気温センサー31によって建物1外部の風の風向・風量を計測するとともに外気温を計測し、室温センサー32によって建物1内部の室温を計測し、これら計測結果を環境情報データ27aとしてデータ記憶部27に記憶する。
【0074】
続いて、通風経路選出プログラム26bに基づいて通風経路の候補を選出する。
通風経路選出プログラム26bは、建物1内部の室温が外気温以上である場合に通風経路の選出を行うように設定されており、まず、前記環境情報取得プログラム26aに基づいて取得した室温と外気温とを比較する(ステップS3)。
この時、室温が外気温よりも低い場合は、暖かい空気を建物1内に取り込んでしまい、建物1内の温度が上昇してしまう場合があるため、通風経路の選出および建物の換気を終了する。
【0075】
室温が外気温以上である場合は、外気温が30度以上であるか否かを判定する(ステップS4)。
外気温が30度以上である場合は、上述の通風経路選出システム20とは異なる換気システムによってエアコン36を補助的に運転させて室温の低下と、暖かい空気の上昇を促すようにする(ステップS5)。なお、この通風経路選出システム20とは異なる換気システムを導入しない場合は、ステップS4およびステップS5は省略する。
【0076】
外気温が30度以下である場合は、通風経路の候補の選出を行う(ステップS6)。
なお、詳細については後述するが、このステップS6では、ステップS1以前に設定記憶された建物内部情報データ27bと、前記通風経路データ27cとに基づいて、通風非対象の場所および風下にすべき場所を決定したうえで、建物1内部の通風経路の候補を選出する(ステップS12〜ステップS19)。
また、このステップS6における通風経路の候補選出時には、通風効果判定プログラム26cおよび前記通風抵抗値データ27dに基づいて、通風経路の候補ごとに通風効果を算出できるようになっている。
【0077】
続いて、報知プログラム26dに基づき、通風経路の情報を、表示モニタおよびスピーカー等の出力部23を用いて居住者に報知する(ステップS7)。報知される内容としては、例えば複数の通風経路候補の選択肢や、候補に挙がった通風経路の通風効果のアドバイス等が挙げられる。
居住者は、このように選出された通風経路の候補の中から、任意の通風経路を、建物の換気を行うための正規の通風経路として選択する(ステップS8)。
【0078】
続いて、通風効果判定プログラム26cと、前記建物内部情報データ27bに含まれた通風対象場所の部屋の容積および換気回数の基準値データに基づいて、該通風対象場所の通風効果が、換気回数において基準値以上であるか否かを判定する(ステップS9)。
ここで、換気回数が基準値よりも少なければ、例えば、前記シーリングファン34、換気扇35等を通風補助装置として稼働させる(ステップS10)。すなわち、これらシーリングファン34および換気扇35を稼働させることにより、通風量を向上させることができる。
一方、換気回数が基準値以上であれば、選択された通風経路に応じて、例えば前記玄関ドア2bや建具3c、ドア3d,4b,7b,9b,12b,13c,14b,15c,16c、その他の建具を適宜制御し、開口部を開放させる(ステップS11)。
以上のようにして通風経路を選出し、建物の換気を始めることができる。なお、このような換気は、居住者の任意やタイマー等によってシステムを終了させたり、環境情報に基づいて自動的に終了させたりすることができる。
【0079】
なお、正規の通風経路の補助として正規の通風経路とは別の通風経路を新たに追加選択できるようにしてもよい。すなわち、例えば
図3および
図4に示す建物1では、1階から2階にかけて風を通過させる通気経路Fが補助的に用いられている。
【0080】
次に、上述のステップS6について詳細に説明する。
まず、
図6に示すように、前記通風経路選出プログラム26bと、環境情報取得プログラム26aによって取得した環境情報データ27aと、ステップS1で居住者によって選択された通風対象場所の情報とに基づいて、建物1のいずれの開口部から風を取り込むことができるかを判定し、風の入り口となる開口部を少なくとも1つ選択する(ステップS12)。
【0081】
続いて、建物1の構造を考慮し、候補として選出可能な全ての通風経路の構成についての情報を含む通風経路データ27cのうち、通風対象場所と、風の入り口として選択された開口部とを含む通風経路を、暫定候補として選出する(ステップS13)。
すなわち、通風対象場所と、風の入り口として選択された開口部を含む通風経路であれば無作為に選出されることになる。
【0082】
前記通風経路選出プログラム26bと、建物内部情報データ27bと、通風経路データ27cとに基づいて、選出された通風経路の暫定候補の中に、経路上に風下にすべき場所を含んだものがあるか否かを判定する(ステップS14)。この時、選出された全ての通風経路の暫定候補について判定を行うものとする。
選出された通風経路の暫定候補の中に、経路上に風下にすべき場所を含んだものがある場合は、経路上に風下にすべき場所がある通風経路の暫定候補を、暫定候補から外す(ステップS15)。
【0083】
選出された通風経路の暫定候補の中に、経路上に風下にすべき場所を含んだものがない場合、もしくは経路上に風下にすべき場所がある通風経路の暫定候補を、暫定候補から外した後、残りの通風経路の暫定候補の中から、通風非対象の場所を含んだものを候補から外す。この際、まず、システム側は、居住者に対して通風非対象にしたい場所があるか否かを確認する(ステップS16)。
【0084】
通風非対象にしたい場所がある場合、居住者は、入力部24を利用して通風非対象にしたい場所を選択して入力する(ステップS17)。
システム側は、風下にすべき場所がある通風経路の暫定候補を外した後の残りの通風経路の暫定候補の中から、居住者が入力した通風非対象の場所を含んだ通風経路の暫定候補を、暫定候補から外す(ステップS18)。
【0085】
風下にすべき場所がある通風経路の暫定候補を外した後の残りの通風経路の暫定候補の中に、居住者が入力した通風非対象の場所を含んだものがない場合、もしくは通風非対象の場所を含んだ通風経路の暫定候補を、暫定候補から外した後、残った通風経路の候補を正規候補とし、これら通風経路の正規候補の通風効果を算出する(ステップS19)。
通風経路の正規候補の通風効果の算出は、通風効果判定プログラム26cおよび前記通風抵抗値データ27dに基づいて行われる。
この通風抵抗値データ27dは、通風経路の構成や各開口部の建具に対して設定されるものであり、予めデータ記憶部27に記憶されている。すなわち、この通風抵抗値データ27dは、例えば建具や障害物、コーナー等を数値に換算したものであり、この通風抵抗値データ27dを利用し、通風効果判定プログラム26cに基づいて、通風経路の通風効果を算出する。
例えば、通風経路上にいくつ建具があるか、いくつ障害物があるか、いくつコーナーがあるか、建具を開放した場合、建具を閉塞した場合等によって通風効果は変動する。したがって、選出された通風経路が、障害物もなく一直線に構成されていれば通風効果が高くなるというものである。
【0086】
次に、居住者の外出中における通風経路選出方法と、この通風経路選出方法を含む建物の換気方法について説明する。以下、居住者の外出中における通風経路選出方法を外出モードと称する。これに対し、上述の通常の通風経路選出方法については通常モードと称するものとする。
なお、この外出モードの説明においては、上述した通常の通風経路選出方法とは異なる構成部分について詳細に説明し、同じ構成部分については概要のみ説明する。
【0087】
この外出モードでは、
図7に示すように、まず、居住者が外出開始時間の設定を行う(ステップS20)。前記通風経路選出装置21にはカレンダー・時計機能が備えられており、日付けや時刻に対応した制御やタイマー機能などが使えるので、この機能を利用して外出開始時間の設定を行うようにする。したがって、外出モードでは、居住者が設定した外出開始時間になったら自動的に通風経路の選出および建物の換気を行うことができる。
なお、このステップS20では、外出開始時間だけでなく、帰宅予定時間の設定も行えるようにしてもよいものとする。
【0088】
続いて、システム側は、居住者に対して通風非対象にしたい場所があるか否かを確認する(ステップS21)。
通風非対象にしたい場所がある場合、居住者は、入力部24を利用して通風非対象にしたい場所を選択して入力する(ステップS22)。このステップS22で選択された通風非対象場所は、後工程で通風経路の暫定候補を選出する際に参照される。
【0089】
続いて、通風非対象にしたい場所がない場合、もしくは通風非対象にしたい場所を選択した後に、人感センサー33が作動する(ステップS23)。
そして、人感センサー33によって居住者の在・不在を確認し(ステップS24)、居住者がまだ在宅であれば、不在になるまで検知動作を続ける。
居住者が不在となった後、前記環境情報取得プログラム26aに基づいて建物1外部および内部の環境情報データ27aを取得する(ステップS25)。
【0090】
続いて、通風経路選出プログラム26bに基づいて通風経路の候補を選出する。
まず、前記環境情報取得プログラム26aに基づいて取得した室温と外気温とを比較する(ステップS26)。
この時、室温が外気温よりも低い場合は、暖かい空気を建物1内に取り込んでしまい、建物1内の温度が上昇してしまう場合があるため、建物1内部の室温が外気温以上になるまで断続的に環境情報の取得を行う。
【0091】
室温が外気温以上である場合は、外気温が30度以上であるか否かを判定する(ステップS27)。
外気温が30度以上である場合は、エアコン36を補助的に運転させて室温の低下と、暖かい空気の上昇を促すようにする(ステップS28)。
【0092】
続いて、前記通風経路選出プログラム26bと、環境情報取得プログラム26aによって取得した環境情報データ27aと、ステップS22で居住者によって選択された通風非対象場所の情報とに基づいて、建物1のいずれの開口部から風を取り込むことができるかを判定し、風の入り口となる開口部を少なくとも1つ選択する(ステップS29)。
【0093】
続いて、建物1の構造を考慮し、候補として選出可能な全ての通風経路の構成についての情報を含む通風経路データ27cのうち、通風非対象場所を含まず、かつ風の入り口として選択された開口部を含む通風経路を、暫定候補として選出する(ステップS30)。
すなわち、通風非対象場所を含まず、かつ風の入り口として選択された開口部を含む通風経路であれば無作為に選出されることになる。
【0094】
続いて、選出された通風経路の暫定候補の中に、経路上に風下にすべき場所を含んだものがあるか否かを判定する(ステップS31)。
選出された通風経路の暫定候補の中に、経路上に風下にすべき場所を含んだものがある場合は、経路上に風下にすべき場所がある通風経路の暫定候補を、暫定候補から外す(ステップS32)。
【0095】
選出された通風経路の暫定候補の中に、経路上に風下にすべき場所を含んだものがない場合、もしくは経路上に風下にすべき場所がある通風経路の暫定候補を、暫定候補から外した後は、残った通風経路の候補を正規候補とし、これら通風経路の正規候補の通風効果を算出する(ステップS33)。
そして、これら通風経路の正規候補のうち、最も通風効果の高いものを正規の通風経路として選択する(ステップS34)。
【0096】
続いて、通風効果判定プログラム26cと、前記建物内部情報データ27bに含まれた通風対象場所の部屋の容積および換気回数の基準値データに基づいて、該通風対象場所の通風効果が、換気回数において基準値以上であるか否かを判定する(ステップS35)。
ここで、換気回数が基準値よりも少なければ、例えば、前記シーリングファン34、換気扇35等を通風補助装置として稼働させて(ステップS36)、通風量の向上を図る。
一方、換気回数が基準値以上であれば、選択された通風経路に応じて、例えば前記玄関ドア2bや建具3c、ドア3d,4b,7b,9b,12b,13c,14b,15c,16c、その他の建具を適宜制御し、開口部を開放させる(ステップS37)。
以上のようにして居住者の外出中でも通風経路を選出し、建物の換気を始めることができる。なお、このような外出モード中の換気は、タイマー等によってシステムを終了させたり、環境情報に基づいて自動的に終了させたりすることができる。
【0097】
なお、本実施の形態の通風経路選出システム20は、その他にも、居住者の就寝中に通風経路の選出を行うとともに、建物の換気を行う就寝モードを選択できるように構成されていてもよいものとする。
この就寝モードは、通常モードと略変わらないものであり、通常モードと大きく異なる点は、通風対象場所の換気回数の基準値が、起きている時(通常モード時)よりも小さく設定されている点と、外気を建物1内部に導入する際の開口部の開口幅の制御に係る点とが挙げられる。
就寝モード中の換気回数の基準値が、通常モード中の換気回数の基準値よりも少ないのは、就寝中の体の冷えを防止するためである。
また、開口部の開口幅を制御するのは、急な雨の際の雨水の浸入や、居住者以外の人間の建物1内部への侵入を防ぐためである。したがって、就寝モード中は、前記シャッター装置37が特に活用される。
【0098】
次に、上述の建物1の場合の通風経路の一例を説明する。
図2に示す建物1の1階では、リビング7が通風対象場所に設定されており、キッチン10が通風非対象の場所または風下にすべき場所に設定されている。
【0099】
キッチン10が風下にすべき場所とされ、建物1の周囲の風が、北向きの風W1(すなわち、
図2の下側から上側に向かって吹く風)である場合には、風W1を、開口部7aから通風対象場所であるリビング7内に取り込み、ダイニング9を通過させるとともにキッチン10に流入させ、キッチン10の開口部10aから外部へと排出する通風経路Aを選出することができる。
【0100】
また、キッチン10が通風非対象の場所とされ、建物1の周囲の風が、南西向きの風W2(すなわち、
図2の右上側から左下側に向かって吹く風)である場合には、風W2を、開口部9aからダイニング9内に取り込み、キッチン10を通過させずにリビング7に流入させ、リビング7の開口部7aから外部へと排出する通風経路Bを選出することができる。
【0101】
また、キッチン10が通風非対象の場所または風下にすべき場所とされ、建物1の周囲の風が、南向きの風W3(すなわち、
図2の上側から下側に向かって吹く風)である場合には、風W3を、キッチン10に流入させなければならないため、
図2中の通風経路Cは、通風経路の候補として選出することができない。
【0102】
図2に示す建物1の場合、居住者は、環境情報データ27aに応じて選択される通風経路A,Bのうち、通風経路選出プログラム26bによって選出された通風経路を選択できるようになる。通風経路Cは、基本的には選択できず、建物内部情報データ27bの変更が必要となる。
【0103】
続いて、
図3には建物1の1階が示されており、
図4には建物1の2階が示されている。
図4に示す建物1の2階では、第1子供部屋15が通風対象場所に設定されており、第2子供部屋16が通風非対象場所に設定されている。また、この建物1の周囲には、北北東に風W4が吹いている。
【0104】
図4では、風W4を、開口部13aから2階寝室13に取り込み、廊下11を通過させるとともに第1子供部屋15に流入させ、第1子供部屋15の開口部15bから外部へと排出する通風経路Dと、風W4を、開口部16aから第2子供部屋16に取り込み、廊下11を通過させるとともに第1子供部屋15に流入させ、第1子供部屋15の開口部15bから外部へと排出する通風経路Eとが示されている。
この場合、居住者は、通風経路D,Eのうち、通風非対象場所に設定された第2子供部屋16を含む通風経路Eを選択できず、通風経路Dを選択できることになる。
【0105】
さらに、居住者は、通風経路Dとは他に、補助としての通風経路Fを追加選択することができる。通風経路Fは、階段6の上端部付近で、通風経路Dと合流するようになっており、通風対象場所における通風効果を向上できるようになっている。
なお、このような補助的な通風経路の情報は、前記報知プログラム26dに基づいて居住者にアドバイスとして報知される。
【0106】
通風経路選出システム20によって選出される通風経路は、建物の構造や立地、地域の気候、天気、季節等の様々な要因で、建物内のすべての通気経路の候補の中から選出されるものであるため、上述した通風経路A,B,C,D,E,Fだけに限られず、適宜変更可能である。
【0107】
本実施の形態によれば、前記制御部22と環境情報取得プログラム26a等から構成された環境情報取得手段によって取得した環境情報データ27aと、前記建物内部情報データ27bとに基づき、前記制御部22と通風経路選出プログラム26b等から構成された通風経路選出手段によって、通風非対象の場所および風下にすべき場所を決定したうえで、通風経路の候補A,B,C,D,E,Fを選出することができるので、居住者は、選出された候補の中から、通風非対象の場所および風下にすべき場所を考慮した通風経路を適宜選択することができる。
これによって、例えば通風によって、トイレ4,12やキッチン10の臭気が建物1内部全体に行き渡ってしまったり、他の部屋から独立して空調を行っている部屋の空気環境を阻害してしまったりすることを確実に防ぐことができるので、居住者にとって快適な生活環境を形成することが可能となる。
【0108】
また、通風非対象の場所および風下にすべき場所は、トイレ4,12、キッチン10等の臭気を発する部屋に設定されているので、建物1内部に流入した風は、通風非対象の場所を避けるとともに、風下にすべき場所を最終通過場所として建物1の外部に排出されることになる。これによって、臭気が通風経路を通じて建物1内部全体に行き渡ることを確実に防ぐことができる。
【0109】
また、通風非対象の場所および風下にすべき場所は、病人が居る部屋に設定されているので、建物1内部に流入した風は、通風非対象の場所を避けるとともに、風下にすべき場所を最終通過場所として建物1の外部に排出されることになる。これによって、飛沫として空気中に飛散した病原体や、薬品臭が建物1内部全体に行き渡ることを確実に防ぐことができる。
【0110】
また、通風非対象の場所は、他の部屋から独立して空調を行っている部屋に設定されているので、建物1内部に流入した風は、通風非対象の場所を避けて建物1の外部に排出されることになる。これによって、他の場所から独立して空調を行っている場所の空気環境を、建物1内部に流入した風によって阻害されることなく、確実に保持することができる。
【0111】
また、居住者の在・不在を検知する人感センサー33を備えているので、居住者の在・不在を検知することができ、居住者の外出時にも通風を行ったり、反対に、居住者の不在を検知して通風を止めたりすることができる。
また、不在時における通風非対象の場所および風下にすべき場所は、トイレ4,12、キッチン10等の臭気を発する部屋に設定されているので、居住者の不在時に通風を行う際でも、臭気が通風経路を通じて建物内部全体に行き渡ることを確実に防ぐことができる。
【0112】
また、前記通風経路に係る情報を居住者に報知するための報知プログラム26dを備えているので、この報知手段によって、例えば複数の通風経路を選択肢として表示したり、通風経路の通風効果を表示したり、好適な通風経路をアドバイスしたりすることができる。これによって、居住者は、自身にとって好適な通風経路を任意に選択したり、通風経路の通風効果を適宜確認したり、アドバイスに従って通風経路を選択したりすることができるので、建物1内部において、居住者の意に沿った空気環境を容易に得ることができる。
【0113】
また、前記シーリングファン34や換気扇35等の通風補助装置は、前記通風対象の場所における換気回数が基準値よりも少ない場合に稼働するように設定されているので、建物1内部に風を流入させても通風対象場所の換気回数が基準値に達しないと判断された場合に、この通風補助装置によって通風補助を行うことができ、前記通風対象場所の換気回数を増加させることができる。
【0114】
また、建物1の外壁に、前記開口部3aを介しての人の侵入や外部からの視線を遮蔽しつつ通気を可能とするシャッター装置37が設けられているので、居住者の不在時や睡眠中であっても、前記開口部3a等を開放して通風を行うことができる。これによって、居住者の不在時や睡眠中であっても建物1内部の空気環境を良好に保つことができるので、帰宅時における熱気等の不快感を軽減したり、真夏の夜の寝苦しさを解消したりすることができる。
【0115】
また、玄関ドア2bおよび建物1内部のドア3d,7b,12b等は、候補の中から居住者によって選択される通風経路に応じて開閉制御可能に設定されているので、居住者が通風経路を選択した際に、自動的に玄関ドア2bおよび建物1内部のドア3d,7b,12b等を制御して開放、閉塞させることができる。これによって、建物1内部に風を流入させやすくなるとともに、居住者自身が玄関ドア2bや建物1内部のドア3d,7b,12b等を開閉する手間を省くことができる。