(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
<第1の実施の形態>
図1は本発明に係る建物の所定階の一例を示す平面図である。
図1および
図2において符号1は建物を示しており、符号2は所定階を示しており、符号3は中間階を示している。所定階2は、本実施の形態においては、建物1の2階を指しており、中間階3は、2階よりも半階上がった位置に設けられる階を指している。
2階である所定階2の下方は1階となっており、1階から所定階2、中間階3への移動は階段4にて行われる。この階段4は折り返し階段とされており、1階と所定階2との間に設けられるホール5と、所定階2の床2aと同床レベルに設けられるホール6と、中間階3の床、すなわち中間床3aと同床レベルに設けられるホール7とを備えている。
【0021】
ホール5は、いわゆる中二階の高さに設定されており、中二階には、部屋100が設けられている。部屋100の床とホール5は同一の床レベルに設定されている。
所定階2の床2aと同床レベルのホール6は、所定階2に設けられる部屋等へと通じる廊下8と連続して設けられている。所定階2には、これらホール6および廊下8と同一の床レベルの低天井収納室10と、部屋20と、部屋101と、部屋102とが設けられている。
中間階3には、ホール7と同一の床レベルの中間部屋30と、部屋103とが設けられている。
【0022】
前記低天井収納室10は、
図1〜
図3に示すように、所定階2の床2aと、この床2aの上方に設けられた中間階を構成する中間床3aとの間に設けられている。また、前記部屋20に隣接するとともに、部屋20よりも天井高が低くなるように設定されている。
すなわち、この低天井収納室10の天井高は、0.9m〜1.4mに設定されている。これによって、人が前記低天井収納室10に入って、何とか作業ができる最低限の高さを確保できる。また、このように天井高を必要最小限に抑えることで、建物の高さが高くなることによって隣接する建物に及ぼす日照減少等の影響を極力少なくすることができる。
このような低天井収納室10は、居室としては使用できないし、ウォークインクローゼットのように普通に立った状態で内部を歩くことはできない。
そして、この低天井収納室10には、被収納物を収納する際に使用される収納用部品40が設けられている。
【0023】
低天井収納室10の周囲には複数の壁11,12,13,14が設けられており、上部には天井15が設けられている。
【0024】
壁11は、部屋20側に立設されている。この壁11には、低天井収納室10と部屋20とを行き来するための第1出入り口11aが形成されている。この第1出入り口11aは、壁11のうち、壁14側に形成されている。
【0025】
壁12は、廊下8側に立設されている。この壁12には、低天井収納室10と廊下8とを行き来するための第2出入り口12aが形成されている。
また、この第2出入り口12aには、壁12の幅方向に沿ってスライドするためのスライド手段を有する収納家具12b,12bが設けられている。この収納家具12b,12bは、物品を収納できるとともに、第2出入り口12aを開閉する引戸のようにして使うことができる。
【0026】
壁13は、階段4側に立設されている。この壁13には、いわゆる嵌め殺し窓のように開閉しないように構成されたガラス仕切り13aが設けられている。
また、このガラス仕切り13aは前記ホール5に面しており、階段4およびホール5から低天井収納室10内が見えるようになっている。
【0027】
壁14は、外部側に立設されている。この壁14には、窓14a,14aが設けられている。
【0028】
前記部屋20は、
図1〜
図3に示すように、前記低天井収納室10に隣接するとともに、低天井収納室10よりも天井高が高くなるように設定されている。
本実施の形態においては、この部屋20の天井25の高さ位置は、前記低天井収納室10の直上に位置する中間部屋30の天井35の高さ位置よりも若干低い程度に設定されている。天井高は、前記中間部屋30よりも、この部屋20の方が高くなるように設定されている。
【0029】
部屋20の周囲には複数の壁21,22,23,24が設けられており、上部には天井25が設けられている。
【0030】
壁21は、壁23に対向して配置されている。この壁21の下部には、
図4に示すように、姿見ミラー27が取り付けられており、この壁21の上部には、吊り棚60が取り付けられている。
壁22は、廊下8側に立設されている。この壁22には、部屋20と廊下8とを行き来するための出入り口22aが形成されている。
【0031】
壁23は、前記低天井収納室10の壁11と表裏一体に設けられるものであり、前記第1出入り口11aが形成されている。また、この壁23と前記壁21との間には、前記第1出入り口11aの上縁部と略等しい高さとなるように、かつ水平に配置されたカウンター板26が架設されている。このカウンター板26の上面には、被収納物を載置するようにして収納できる。
【0032】
壁24は、外部側に立設されており、上部には、外部に面する窓24aが設けられている。
【0033】
前記中間部屋30は、
図2および
図3に示すように、前記中間床3a上に設けられており、前記部屋20の上部に隣接している。
前記中間床3aの縁部には、前記部屋20の上部に面する手摺壁31aが立設されており、この手摺壁31aの上方は開放されている。本実施の形態においては、この手摺壁31a上方の開放部分を開口部31bと称する。この開口部31bは、引戸31cによって開閉できるようになっている。
【0034】
中間部屋30の周囲には複数の壁31,32,33,34が設けられており、上部には天井35が設けられている。
【0035】
壁31は、前記部屋20の壁21に対向して配置されている。また、この壁31は、前記中間床3aの縁部に設けられており、前記手摺壁31aを含んで構成されている。
【0036】
壁32は、前記廊下8側に立設されている。この壁32には、開口部32aが形成されており、この開口部32aによって中間部屋30と廊下8の上部とを連通している。
【0037】
壁33は、階段4側に立設されている。この壁33には、中間部屋30とホール7とを行き来するための出入り口33aが形成されている。この出入り口33aは、引戸33bによって開閉できるようになっている。
【0038】
壁34は、外部側に立設されている。この壁34には、窓34a,34aが設けられている。
【0039】
次に、前記収納用部品40について説明する。
本実施の形態において、前記収納用部品40を使用して低天井収納室10に収納される被収納物は、例えばハンガーに掛けられた衣類のように、引掛けたり、吊るしたりして収納できる物品を指しているものとする。
また、本実施の形態の収納用部品40は、
図1〜
図4に示すように、前記低天井収納室10と部屋20との並設方向に沿って長尺なパイプ材41であり、被収納物を引掛けたり、吊るしたりしやすく収納しやすい。そして、この収納用部品40は、前記低天井収納室10から前記部屋20に向かって延長している。
【0040】
この収納用部品40は、前記低天井収納室10の天井15に取り付けられている。すなわち、前記低天井収納室10の天井15に間隔をあけて配置されるとともに固定された複数の吊り支持材45…によって吊り下げられることによって天井15に吊り支持されている。
また、この収納用部品40の壁13側端部は、パイプ材41の端部を保持するパイプ受け金具41aを介して壁13に固定されている。
【0041】
さらに、収納用部品40は、前記低天井収納室10から、前記部屋20のうち前記低天井収納室10とは反対側の壁21まで延長している。すなわち、この収納用部品40であるパイプ材41は、前記低天井収納室10と部屋20とにわたって設けられている。
また、この収納用部品40の部屋20側端部は、パイプ受け金具41aを介して壁21に固定されている。したがって、収納用部品40は、両端部が壁13,21に固定されることによって、これら壁13,21間に架設された状態となっている。そして、中央部付近が、上述のように前記複数の吊り支持材45…によって吊り支持されており、これによってパイプ材41の撓みを防止している。
【0042】
また、収納用部品40のうち、部屋20側に延長する部分の上方には、前記カウンター板26が設けられている。
【0043】
さらに、収納用部品40は、前記低天井収納室10と部屋20との間に設けられた第1出入り口11aを通過するようにして設けられている。すなわち、低天井収納室10と部屋20との間の動線に沿って、収納用部品40が配置されることになる。
したがって、居住者が、部屋20に入室した段階で、収納用部品40が目に入るだけでなく、部屋20から低天井収納室10に移動する際にも、収納用部品40が目に入ることになる。
さらに、低天井収納室10は天井高が低いため、この収納用部品40を、低天井収納室10と部屋20との間を移動する際の手摺としても使用することができ、好ましい。
【0044】
なお、図示はしないが、第1出入り口11aに扉を設ける場合は、扉に、この扉を貫通することによって収納用部品40を挿通可能なスリットを形成するようにしても良い。
このスリットは、扉の移動方向に沿って形成されている。すなわち、例えば引戸であれば、引戸の幅方向に沿ってスリットが形成されており、スリットの一端は、引戸の幅方向一端側に開放された状態となっている。
これによって、第1出入り口11aの閉塞時には、スリット内に収納用部品40を納めておくことができる。さらに、第1出入り口11aを開放する時には、収納用部品40をスリットに挿通させた状態で、引戸を、この引戸の幅方向に沿ってスライドするように移動させることができる。また、スリットの一端は開放されているので、スリットが収納用部品40から離脱するようにして、引戸をスライド移動させ、第1出入り口11aを全開放させることができる。
したがって、収納用部品40が通過する第1出入り口11aに扉を設けたとしても、この扉で、第1出入り口11aを支障なく開閉することができる。
【0045】
本実施の形態において、被収納物を引掛けたり、吊るしたりする収納用部品40はパイプ材41であるとしたが、これに限られるものではなく、適宜変更可能である。
収納用部品40として、例えば
図5に示すように、断面略C型に形成されたチャンネル材42を使用しても良い。このチャンネル材42も、前記パイプ材41と同様に、前記低天井収納室10と部屋20との並設方向に沿って長尺に形成されており、前記低天井収納室10から前記部屋20に向かって延長している。
そして、このチャンネル材42の開放された部分から、ハンガーに掛けられた衣類等の被収納物を引掛けたり、吊るしたりすることができる。
【0046】
また、収納用部品40として、例えば
図6に示すように、断面略L型に形成されたフック状の長尺材43を使用しても良い。この長尺材43も、前記パイプ材41と同様に、前記低天井収納室10と部屋20との並設方向に沿って長尺に形成されており、前記低天井収納室10から前記部屋20に向かって延長している。
そして、この長尺材43の上方に向かって突出する部分に、ハンガーに掛けられた衣類等の被収納物を引掛けたり、吊るしたりすることができる。
【0047】
また、収納用部品40として、例えば
図7に示すように、ランナー44aを走行させることが可能なレール状に形成されたレール材44を使用しても良い。このレール材44も、前記パイプ材41と同様に、前記低天井収納室10と部屋20との並設方向に沿って長尺に形成されており、前記低天井収納室10から前記部屋20に向かって延長している。
そして、このレール材44に沿って走行可能なランナー44aに対して、ハンガーに掛けられた衣類等の被収納物を引掛けたり、吊るしたりすることができる。ランナー44aには車輪44b,44bが取り付けられており、これによってレール材44に沿って走行できるように構成されている。
【0048】
また、収納用部品40として、図示はしないが、ワイヤー等の長尺な線状部材を使用しても良い。この長尺な線状部材も、前記低天井収納室10と部屋20との並設方向に沿って設けられており、前記低天井収納室10から前記部屋20に向かって延長している。
そして、この線状部材自体に、ハンガーに掛けられた衣類等の被収納物を引掛けたり、吊るしたりすることができる。
【0049】
次に、前記吊り棚60について説明する。
前記吊り棚60は、上述のように前記壁21の上部に取り付けられており、下方には姿見ミラー27が設けられている。前記壁21の上部は、前記中間部屋30の手摺壁31aに対向して配置されている。
【0050】
この吊り棚60は、天板や底板、複数の側板、背板等を組み立てることによって形成されており、
図3および
図4に示すように、複数の箱状の収納部61…を備えている。これら複数の収納部61…は前方に向かって、すなわち前記中間部屋30側に開口している。
【0051】
この開口部61aからは、被収納物を収納できるだけなく、扉等を設けずに、収納した被収納物を意図的に露出させることができる。つまり、収納部61に収納された被収納物は、この収納部61の外部に対して可視化された状態となっている。
なお、この吊り棚60の複数の収納部61…に収納される被収納物としては、居住者の任意であり、例えば装飾品や美術品、服飾品、植物等、様々なものが挙げられるが、複数の収納部61…の内部は可視化されるため、観賞に堪える物品が好ましい。
【0052】
吊り棚60の下面には、この吊り棚60の底部を支持する底部支持板62が設けられている。この底部支持板62は、
図2に示すように、前記部屋20の壁21に固定されるとともに、壁22と壁24との間に架設固定されている。
【0053】
この底部支持板62の前端部は、前記吊り棚60よりも前方に突出している。この底部支持板62の突出方向側端面には、底部支持板62の長さ方向に沿って引掛けパイプ62aが取り付けられており、梯子63のフック部を引掛けることができる。
なお、梯子63は、部屋20の下部から前記吊り棚60に被収納物を収納する際に使用されるものであり、引掛けパイプ62aに沿って設置できるようになっている。
【0054】
吊り棚60の下方には、
図3に示すように、衣類等が掛けられたハンガーを吊るすためのハンガーパイプ64が設けられている。このハンガーパイプ64は、前記壁22と壁24との間に架設されている。
また、このハンガーパイプ64の中央部付近には、このハンガーパイプ64の中央部の撓みを防止する支柱65が設けられている。
【0055】
なお、前記カウンター板26や、収納用部品40、底部支持板62、ハンガーパイプ64のように、壁と壁との間に架設される部品等は、
図3および
図4に示すように、これら部品等が当接する壁の壁紙等の化粧材の裏側に予め設けられた取付下地材70に対して強固に取付固定されている。
この取付下地材70としては、例えば合板等のように、剛性に優れるとともに釘打ちやネジ止めが可能な素材が好ましい。
【0056】
次に、前記低天井収納室10と、部屋20と、中間部屋30の周囲における居住者の行動について説明する。
【0057】
まず、前記部屋20に対しては、前記出入り口22aから入退室でき、廊下8との間を行き来することができる。また、部屋20内では、梯子63を昇降することによって部屋20の上下方向に沿って移動でき、被収納物を吊り棚60に収納できる。
また、前記低天井収納室10に対しては、前記第2出入り口12aから入退室するか、前記部屋20を介して第1出入り口11aから入退室できる。前記第2出入り口12aを通じて廊下8との間を行き来することができる。
前記第1出入り口11aを通じて低天井収納室10と部屋20との間を行き来する際には、前記収納用部品40が目に入り、被収納物を収納する際に使用したり、手摺としても使用することができる。
【0058】
さらに、収納用部品40は、前記低天井収納室10でも部屋20でも、被収納物を収納する目的で使用できるようになっている。
このように収納用部品40を、前記低天井収納室10でも部屋20でも使用できれば、例えば被収納物を、収納用部品40に沿って低天井収納室10と部屋20との間で移動させるなどして、この収納用部品40を介して、低天井収納室10と部屋20とを連携して使用できるので、これら低天井収納室10と部屋20とを連続する空間として居住者に認識させることができる。
【0059】
前記中間部屋30に対しては、前記出入り口33aから入退室でき、ホール7との間を行き来することができる。
中間部屋30に入室した居住者は、前記開口部32aから廊下8を見ることができ、前記開口部31bから部屋20を見ることができる。
開口部31bの前方には前記吊り棚60が設けられており、開口部31bから吊り棚60の複数の収納部61…に収納された被収納物を見ることができる。
【0060】
このように吊り棚60を中間部屋30から見ることができれば、例えば被収納物として装飾品や美術品、服飾品、植物等、様々なものを吊り棚60に収納することで、これを中間部屋30から観賞できるので、前記部屋20と中間部屋30とを連携して使用できることになり、これら部屋20と中間部屋30とを連続する空間として居住者に認識させることができる。
【0061】
さらに、居住者にとっては、上述のように低天井収納室10と部屋20とが連続する空間であると認識し、部屋20と中間部屋30とが連続する空間であると認識することになるので、総じて、これら低天井収納室10と、部屋20と、中間部屋30とが連続する空間である認識することになる
これによって、居住者は、これら低天井収納室10と、部屋20と、中間部屋30とを、連続する空間として立体的に捉えることができる。
したがって、居住者は、これら低天井収納室10周囲の空間を、低天井収納室10と部屋20と中間部屋30とがそれぞれ別々の空間であると認識する場合に比して、広々とした空間として認識することができる。
【0062】
本実施の形態によれば、前記低天井収納室10に設けられた収納用部品40が、前記低天井収納室10から前記部屋20に向かって延長しているので、この収納用部品40を、前記低天井収納室10でも部屋20でも、被収納物を収納する目的で使用できる。これによって、例えば被収納物を、収納用部品40に沿って低天井収納室10と部屋20との間で移動させたり、低天井収納室10でも部屋20でも使用する被収納物を置いたり、この収納用部品40を介して、前記低天井収納室10と部屋20とを連携して使用できるので、これら低天井収納室10と部屋20とを連続する空間として居住者に認識させることができる。
これによって、これら低天井収納室10と部屋20とがそれぞれ別々の空間であると認識させる場合に比して空間を有効利用できるので、建物1内に快適な居住環境を形成しやすくなる。
【0063】
また、前記収納用部品40は、前記低天井収納室10の壁13および天井15と、前記部屋20の壁21とに取り付けられているので、被収納物を引掛けたり、吊るしたりするなどして収納しても、この被収納物を確実に支持できる。
【0064】
また、前記収納用部品40は、前記低天井収納室10から、前記部屋20のうち前記低天井収納室10とは反対側の壁21まで延長しているので、この壁21に前記収納用部品40の延長方向側端部を固定することによって、この収納用部品40の取付強度を向上させることができる。これによって、被収納物をより確実に支持できる。
【0065】
また、前記収納用部品40は、前記低天井収納室10と部屋20との間に設けられた第1出入り口11aを通過するようにして設けられているので、この収納用部品40を、前記低天井収納室10と部屋20との動線上に配置できる。これによって、低天井収納室10と部屋20との間を行き来するのと同時に、収納用部品40を使用して被収納物の収納を行えるので、使い勝手が良くなる。
【0066】
また、前記吊り棚60に収納した被収納物を、前記中間部屋30の手摺壁31a上方の開口部31bから見ることができる。これによって、例えば被収納物として装飾品や美術品、服飾品、植物等、様々なものを吊り棚60に収納することで、これを中間部屋30から観賞できるので、前記部屋20と中間部屋30とを連携して使用できることになり、これら部屋20と中間部屋30とを連続する空間として居住者に認識させることができる。
これによって、これら部屋20と中間部屋30がそれぞれ別々の空間であると認識させる場合に比して空間を有効利用できるので、建物1内に快適な居住環境を形成しやすくなる。
【0067】
<第2の実施の形態>
次に、図面を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。
なお、説明の便宜上、上述した第1の実施の形態とは異なる構成部分のみについて説明する。特に、低天井収納室10Aと、部屋20Aと、中間部屋30Aは、第1の実施の形態と略等しい構成とされている。
すなわち、本実施の形態においては、
図9および
図10に示すように、部屋20Aの壁23Aに引掛部23Aaが取り付けられている。この引掛部23Aaには、日常的に使用する物品を一時的に引掛けて収納しておくことができる。
また、本実施の形態においては、第1の実施の形態で説明したカウンター板26が設けられていない。さらに、姿見ミラー27Aが、
図8に示すように、壁24Aに取り付けられている。
【0068】
本実施の形態において、低天井収納室10Aには、
図8〜
図11に示すように、被収納物を収納する際に使用される収納用部品50が設けられている。この収納用部品50は、前記低天井収納室10Aから部屋20Aに向かって延長している。
また、本実施の形態において、前記収納用部品50を使用して低天井収納室10Aに収納される被収納物は、収納用部品50の上面に載置可能な全ての物品を指している。
また、本実施の形態の収納用部品50は、前記低天井収納室10Aと部屋20Aとの並設方向に沿って長尺で、かつ平面視矩形状のカウンター板であり、上面に、様々な種類の被収納物を載置して収納することができる。
【0069】
この収納用部品50は、前記低天井収納室10Aの壁14Aに取り付けられている。すなわち、前記壁14Aには、図示しないブラケット等の複数の支持具が間隔をあけて取り付けられており、この支持具によってカウンター板である収納用部品50が支持されている。
【0070】
さらに、収納用部品50は、前記低天井収納室10Aから、前記部屋20Aのうち前記低天井収納室10Aとは反対側の壁21Aまで延長している。すなわち、この収納用部品50であるカウンター板は、前記低天井収納室10Aと部屋20Aとにわたって設けられている。
【0071】
また、この収納用部品50の部屋20側端部は、その壁24A側面が、壁24Aに対して支持具を介して取付固定されており、その壁21A側面が、壁21Aに対して支持具を介して壁21Aに取付固定されている。
なお、前記部屋20Aの壁24Aは、前記低天井収納室10Aの壁14Aと面一になっている。
【0072】
さらに、収納用部品50は、前記低天井収納室10Aと部屋20Aとの間に設けられた第1出入り口11Aaを通過するようにして設けられている。すなわち、低天井収納室10Aと部屋20Aとの間の動線に沿って、収納用部品50が配置されることになる。
なお、第1出入り口11Aaに扉を設ける場合は、第1の実施の形態と同様に、扉にスリットを形成するようにしても良い。
【0073】
また、収納用部品50には、
図8,
図10および
図11に示すように、複数の引き出し51…が設けられている。
これら複数の引き出し51…は、前記姿見ミラー27Aが設けられた場所に対応して設けられている。すなわち、前記部屋20A内に設けられている。これによって、例えば椅子を設置するなどすれば、収納用部品50の部屋20A側部を、鏡台として使用することも可能となる。
【0074】
なお、本実施の形態においては、吊り棚60の底部支持板62の下面に底部支持板62が設けられていない状態となっているが、必要に応じて設けるようにしても良い。
【0075】
また、ハンガーパイプ64の壁24A側端部は、
図8に示すように、姿見ミラー27Aを貫通するようにして取り付けられている。
【0076】
また、
図8および
図11では、吊り棚60の複数の収納部61…への被収納物の収納例を示している。これら複数の収納部61…には、帽子や本等が収納されている。
【0077】
また、前記低天井収納室10Aには、可動式の収納ワゴン16が複数配置されている。これら複数の収納ワゴン16…は可動式であるため、第1出入り口11Aaを介して、低天井収納室10Aと部屋20Aとの間で移動させることができる。
【0078】
本実施の形態によれば、前記低天井収納室10Aに設けられた収納用部品50が、前記低天井収納室10Aから前記部屋20Aに向かって延長しているので、第1の実施の形態の効果と同様に、建物1内に快適な居住環境を形成しやすくなる。
また、前記収納用部品50は、前記低天井収納室10Aの壁14Aと、前記部屋20の壁24Aとに取付固定されているので、被収納物を、上面に載置するようにして確実に支持できる。
また、前記収納用部品50の部屋20A側端部が壁21Aまで延長して取付固定されているので、収納用部品50の取付強度を向上でき、被収納物をより確実に支持できる。
また、前記収納用部品50を、前記低天井収納室10Aと部屋20Aとの動線上に配置できるので、低天井収納室10Aと部屋20Aとの間を行き来するのと同時に、収納用部品50を使用して被収納物の収納を行えるので、使い勝手が良くなる。さらに、収納用部品50の上面に載置された被収納物は、この収納用部品50の上面に沿って低天井収納室10Aと部屋20Aとの間を移動させることできる。
また、部屋20A内では、収納用部品50の上面を、被収納物の載置用だけでなく、鏡台等の台として使用することができるので、より使い勝手が良くなる。