特許第5711092号(P5711092)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5711092
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】サイフォン式雨樋装置
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/08 20060101AFI20150409BHJP
【FI】
   E04D13/08 J
   E04D13/08 301Z
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-220563(P2011-220563)
(22)【出願日】2011年10月5日
(65)【公開番号】特開2013-79537(P2013-79537A)
(43)【公開日】2013年5月2日
【審査請求日】2014年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】罍 真一郎
【審査官】 瓦井 秀憲
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−308399(JP,A)
【文献】 特開2005−330665(JP,A)
【文献】 特開平04−089954(JP,A)
【文献】 実開昭56−127230(JP,U)
【文献】 特開平03−267447(JP,A)
【文献】 特開平07−292894(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0056144(US,A1)
【文献】 米国特許第05584147(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0221373(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第1939372(EP,A2)
【文献】 米国特許第05220755(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/08
E04D 13/068
E04D 13/064
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軒先に設けられた軒樋の底部にサイフォン効果を生じる呼び樋が接続され、
この呼び樋に竪樋が接続され、
前記竪樋の口径が前記呼び樋の口径より大きくなっており、
前記呼び樋の外側は化粧カバーによって覆われており、
この化粧カバーの断面は前記竪樋の断面と等しい形状、大きさとなっており、
前記化粧カバーが前記竪樋に接続されていることを特徴とするサイフォン式雨樋装置。
【請求項2】
請求項に記載のサイフォン式雨樋装置において、
前記呼び樋は、水平に設けられた水平呼び樋と、鉛直に設けられて前記水平呼び樋に接続された鉛直呼び樋を有することを特徴とするサイフォン式雨樋装置。
【請求項3】
請求項に記載のサイフォン式雨樋装置において、
前記呼び樋は、前記軒樋の底部に接続されたドレン部と、このドレン部に略水平に接続された水平呼び樋と、この水平呼び樋に接続されたエルボと、このエルボに鉛直に接続された鉛直呼び樋とを備えていることを特徴とするサイフォン式雨樋装置。
【請求項4】
請求項に記載のサイフォン式雨樋装置において、
前記ドレン部は、略L型のドレンエルボであることを特徴とするサイフォン式雨樋装置。
【請求項5】
請求項またはに記載のサイフォン式雨樋装置において、
前記呼び樋の外側は化粧カバーによって覆われており、
この化粧カバーは、前記ドレン部、前記水平呼び樋、前記エルボ、前記鉛直呼び樋の外側をそれぞれ覆うドレン部カバー、水平呼び樋カバー、エルボカバー、鉛直呼び樋カバーを接続することによって構成されていることを特徴とするサイフォン式雨樋装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイフォン式雨樋装置に関する。
【背景技術】
【0002】
サイフォン式雨樋装置の一例と特許文献1に記載のものが知られている。
このサイフォン式雨樋装置は、軒先に設けられた軒樋の底壁に排水ドレンが設けられ、この排水ドレンに、下方に呼び樋と竪樋がエルボを介してこの順に接続され、竪樋の下端部が地中に埋設された排水管に接続されており、前記竪樋の口径が呼び樋の口径よりも小さくされているものである。
このような雨樋装置によれば、排水ドレンから呼び樋を流下する雨水は竪樋の中を満水状態にして流下することになるので、排水ドレンから呼び樋に流れ込んだ雨水は、竪樋内でサイフォン効果が生じ、この結果、排水処理量を増加させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4589655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、上記従来のサイフォン式雨樋装置では、竪樋にサイフォン効果を生じさせるようになっているので、竪樋内が雨水で満水状態にないと当該竪樋にサイフォン効果は生じない。
通常、竪樋は呼び樋より長く、特に2階建てやそれ以上の建物の場合、さらに竪樋が長くなる。このため、降雨量が少ないと竪樋内が満水状態となり難く、サイフォン効果が生じ難い。
一方、降雨量が少なくてサイフォン効果が生じなくても、雨水は竪樋内を自然落下していくので、さほど問題は生じないが、サイフォン効果によって軒樋内の雨水を強制的に吸い出すことができれば、軒樋の横断面を小さくできるので、軒樋を小さくでき、軒樋の材料費を軽減できるとともに、外観意匠性を高めることができる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、降雨量が少なくてもサイフォン効果によって軒樋内の雨水を吸い出すことができるサイフォン式雨樋装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1図3に示すように、軒先に設けられた軒樋7の底部にサイフォン効果を生じる呼び樋12が接続され、
この呼び樋12に竪樋13が接続され、
前記竪樋13の口径が前記呼び樋12の口径より大きくなっており、
前記呼び樋12の外側は化粧カバー30によって覆われており、
この化粧カバー30の断面は前記竪樋13の断面と等しい形状、大きさとなっており、
前記化粧カバー30が前記竪樋13に接続されていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、軒樋7の底部にサイフォン効果を生じる呼び樋12が接続されているので、降雨量が少なくても呼び樋12内が雨水で満水となり易く、その結果、サイフォン効果によって軒樋7内の雨水を強制的に吸い出すことができる。
そして、サイフォン効果によって呼び樋12内を満水状態で流れる雨水は竪樋13内を自然落下によって流れ落ちるが、竪樋13の口径が呼び樋12の口径より大きいので、呼び樋12内をサイフォン効果によって流れる雨水を問題なく排水できる。
【0009】
しかも、化粧カバー30の断面が竪樋13の断面と等しい形状、大きさとなっているので、外観上同じ形状、太さの呼び樋と竪樋に見え、デザイン性に優れたものとなる。
また、化粧カバー30によって呼び樋12を風雨等から保護できる。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項に記載のサイフォン式雨樋装置において、
前記呼び樋12は、水平に設けられた水平呼び樋15と、鉛直に設けられて前記水平呼び樋15に接続された鉛直呼び樋17を有することを特徴とする。
【0011】
ここで、鉛直呼び樋17の長さは、軒樋7の底部から鉛直呼び樋17の下端までの鉛直距離が1m以上となるような長さが望ましい。したがって、鉛直呼び樋17の長さ自体を少なくとも1m以上とすればよいが、鉛直呼び樋17の長さは1m以上であれば、サイフォン効果にさほど変わりがないため、あまり長くする必要はない。例えば、鉛直呼び樋17の長さは1m以上、1.5m以下とするのが望ましい。
【0012】
請求項に記載の発明によれば、呼び樋12が鉛直呼び樋17を有するので、この鉛直呼び樋17を竪樋13に接続することによって、呼び樋12を竪樋13に容易に接続できる。
また、鉛直呼び樋17を有するので、呼び樋12にサイフォン効果が生じ易くなる。
【0013】
請求項に記載の発明は、請求項に記載のサイフォン式雨樋装置において、
前記呼び樋12は、前記軒樋7の底部に接続されたドレン部14と、このドレン部14に略水平に接続された水平呼び樋15と、この水平呼び樋15に接続されたエルボ16と、このエルボ16に鉛直に接続された鉛直呼び樋17とを備えていることを特徴とする。
【0014】
請求項に記載の発明によれば、呼び樋12を、ドレン部14、水平呼び樋15、エルボ16、鉛直呼び樋17を備えた構成としたので、軒樋7の位置や大きさに応じて、適宜の長さのドレン部14、水平呼び樋15、エルボ16、鉛直呼び樋17を組み立てることによって、サイフォン式雨樋装置1を容易に組み立てることができる。
【0015】
請求項に記載の発明は、請求項に記載のサイフォン式雨樋装置において、
前記ドレン部14は、略L型のドレンエルボ14であることを特徴とする。
【0016】
請求項に記載の発明によれば、ドレン部14がドレンエルボ14であるので、別途エルボを使用しなくても、軒樋7と水平呼び樋15とをドレンエルボ14によって接続できる。
【0017】
請求項に記載の発明は、請求項またはに記載のサイフォン式雨樋装置において、
前記呼び樋12の外側は化粧カバー30によって覆われており、
この化粧カバー30は、前記ドレン部14、前記水平呼び樋15、前記エルボ16、前記鉛直呼び樋17の外側をそれぞれ覆うドレン部カバー20、水平呼び樋カバー22、エルボカバー25、鉛直呼び樋カバー26を接続することによって構成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項に記載の発明によれば、化粧カバー30がドレン部カバー20、水平呼び樋カバー22、エルボカバー25、鉛直呼び樋カバー26を接続することによって構成されているので、呼び樋12の形状、長さに応じた化粧カバー30によって呼び樋12を覆うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、軒樋の底部にサイフォン効果を生じる呼び樋が接続され、この呼び樋に竪樋が接続されているので、降雨量が少なくても呼び樋内が雨水で満水となり易く、その結果、サイフォン効果によって軒樋内の雨水を強制的に吸い出すことができる。
また、竪樋の口径が呼び樋の口径より大きくなっているので、呼び樋内をサイフォン効果によって流れる雨水を竪樋によって問題なく排水できる。
しかも、化粧カバーの断面が竪樋の断面と等しい形状、大きさとなっているので、外観上同じ形状、太さの呼び樋と竪樋に見え、デザイン性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係るサイフォン式雨樋装置の一例を示すもので、サイフォン式雨樋装置を軒先に設けた状態を示す断面図である。
図2】同、サイフォン式雨樋装置の拡大断面図である。
図3】同、サイフォン式雨樋装置の解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明に係るサイフォン式雨樋装置の一例について説明する。
図1は本発明に係るサイフォン式雨樋装置を軒先に設けた状態を示す断面図、図2はサイフォン式雨樋装置の拡大断面図、図3はサイフォン式雨樋装置の解斜視図である。
まず、本発明に係るサイフォン式雨樋装置を設ける軒先の構造について図1を参照して説明する。
図1において符号1は屋根を示す。この屋根1は、複数の屋根パネルを建物躯体上に敷設することによって屋根本体2を構成し、この屋根本体2の上面にルーフィングを挟んで屋根材3を敷設してなるものである。なお、屋根パネルは框材を矩形枠状に組み立て矩形枠を形成するとともに、この矩形枠内に補強桟材を縦横に取り付け、さらに矩形枠の上面に合板等からなる面材を取り付けたものである。
【0022】
前記屋根本体2の先端面には、調整桁材4が取り付けられており、この調整桁材4の前面4aは垂直面となっている。この前面4aには、鼻隠し5と、この鼻隠し5上から吊金具6が取り付けられている。屋根1の軒先には軒樋7が鼻隠し5の前方に配置されており、この軒樋7は吊金具6によって吊持されている。軒樋7は屋根1の軒先に沿って長尺なものであり、その下面7aは略水平面となっている。
【0023】
前記鼻隠し5は屋根1の軒先に沿って長尺(図1において紙面と直交する方法に長尺)なものであり、その後部は外壁8に合板を介して固定された受部材9によって支持されている。
鼻隠し5の上下方向の略下半分は調整桁材4より下方に延出しており、該鼻隠し5の略下半分には、通気口5aが形成されている。この通気口5aは、多数の縦スリットを横方向に所定間隔で形成することによって構成されている。
前記鼻隠し5の上部には、屋根1の先端部上面から延出する軒先水切り10が上方から被さっており、これによって、軒先水切り10は鼻隠し5の上部によって下方から支持補強されている。
【0024】
次に本発明に係るサイフォン式雨樋装置について図1図3を参照して説明する。
サイフォン式雨樋装置11は、呼び樋12と竪樋13とを備えている。
呼び樋12は、軒樋7の底部に接続されたドレン部14と、このドレン部14に略水平に接続された水平呼び樋15と、この水平呼び樋15に接続されたエルボ16と、このエルボ16に鉛直に接続された鉛直呼び樋17とを備えている。
【0025】
図2に示すように、ドレン部14は、略L型のドレンエルボ14であり、軒樋7の底部に形成された孔に挿通され、かつ、底部から突出する排水部14aと、この排水部14aに接続された略L形の円筒状のドレンパイプ14bとを有している。なお、ドレンパイプ14bは塩ビパイプ製のものである。
ドレンパイプ14bの上端部(一端部)は拡径された拡径部14cとなっており、この拡径部14cが排水部14aに接続されている。また、ドレンパイプ14bの右端部(他端部)は拡径された拡径部14dとなっており、この拡径部14dに前記水平呼び樋15の左端部が挿入されることによって、ドレンパイプ14bに水平呼び樋15が接続されている。
【0026】
前記ドレン部14の外側はドレン部カバー20によって覆われている。このドレン部カバー20はL型の四角筒状のアルミ合金製ものであり、その上端から前記排水部14aが突出しており、左端から前記拡径部14dが突出している。この拡径部14dの基端部には四角形状のフランジ14eが形成され、さらに、拡径部14dの外周部には軸方向に延びるリブ14fが周方向に所定間隔で複数形成されている。このリブ14fの上面と、前記フランジ14eの外周面と、前記ドレン部カバー20の内周面とはほぼ面一になっている。
【0027】
前記水平呼び樋15は円筒状の塩ビパイプ製のものであり、その断面形状、大きさは前記ドレンパイプ14bと等しくなっている。水平呼び樋15の外周部には、二つのリング状のスペーサ21,21が水平呼び樋15の両端部に外嵌されている。
水平呼び樋15の外側は水平呼び樋カバー22によって覆われている。この水平呼び樋カバー22は四角筒状のアルミ合金製ものであり、その長さは水平呼び樋15より長くなっている。また、水平呼び樋カバー22の断面形状、大きさは前記ドレン部カバー20の断面形状、大きさと等しくなっている。
このような水平呼び樋カバー22には、水平呼び樋15が挿入されており、この状態において、前記スペーサ21,21が水平呼び樋カバー22の内周面に当接している。また、水平呼び樋カバー22の左端部は前記ドレン部14の拡径部14dの外側に被されるとともに、リブ14fとフランジ14eに水平呼び樋カバー22の内周面が当接され、さらに、水平呼び樋カバー22の左端面がドレン部カバー20の右端面に突き当てられている。
【0028】
前記エルボ16はL型円筒状の塩ビパイプ製のものであり、その両端部はそれぞれ拡径された拡径部16a,16bとなっている。拡径部16aに前記水平呼び樋15の右端部が挿入されることによって、水平呼び樋15にエルボ16が接続されている。また、拡径部16bに前記鉛直呼び樋17の上端部が挿入されることによって、エルボ16に鉛直呼び樋17が接続されている。
前記エルボ16の外側はエルボカバー25によって覆われている。このエルボカバー25はL型の四角筒状のアルミ合金製ものであり、その左端から前記拡径部16aが突出しており、下端から前記拡径部16bが突出している。この拡径部16a,16bの基端部には四角形状のフランジ16c,16cが形成され、さらに、拡径部16a,16bの外周部には軸方向に延びるリブ16dが周方向に所定間隔で複数形成されている。このリブ16dの上面と前記フランジ16cの外周面と、前記エルボカバー25の内周面とはほぼ面一になっている。
【0029】
また、エルボカバー25の断面形状、大きさは前記水平呼び樋カバー22の断面形状、大きさと等しくなっている。
このようなエルボカバー25には、エルボ16が挿入され、当該エルボ16の端部の拡径部16a,16bはエルボカバー25の端部から突出している。また、前記水平呼び樋カバー22の右端部はエルボ16の拡径部16aの外側に被されるとともに、リブ16dとフランジ16cに水平呼び樋カバー22の内周面が当接され、さらに、エルボカバー25の左端面が水平呼び樋カバー22の右端面に突き当てられている。
【0030】
前記鉛直呼び樋17は、円筒状の塩ビパイプ製のものであり、その断面形状、大きさは前記エルボ16と等しくなっている。鉛直呼び樋17の外周部には、二つのリング状のスペーサ21,21が鉛直呼び樋17の両端部に外嵌されている。
鉛直呼び樋17の外側は鉛直呼び樋カバー26によって覆われている。この鉛直呼び樋カバー26は四角筒状のアルミ合金製ものであり、その長さは鉛直呼び樋17より長くなっている。また、鉛直呼び樋カバー26の断面形状、大きさは前記エルボカバー25の断面形状、大きさと等しくなっている。
このような鉛直呼び樋カバー26には、鉛直呼び樋17が挿入されており、この状態において、前記スペーサ21,21が鉛直呼び樋カバー26の内周面に当接している。また、鉛直呼び樋カバー26の上端部は前記エルボ16の拡径部16bの外側に被されるとともに、リブ16dとフランジ16cに鉛直呼び樋カバー26の内周面が当接され、さらに、鉛直呼び樋カバー26の上端面がエルボカバー25の下端面に突き当てられている。また、鉛直呼び樋17の下端部は鉛直呼び樋カバー26の下端より下方に突出している。
さらに、鉛直呼び樋カバー26の外壁8側を向く側面には取付部26aが固定されており、この取付部26aが外壁8に取り付けられることによって、鉛直呼び樋カバー26が外壁8に、当該外壁8に沿ってかつ当該外壁8と所定間隔をもって取り付けられている。
【0031】
前記竪樋13は四角筒状のアルミ合金製ものであり、その下端部は地中に埋設された図示しない排水管に接続されている。
また、竪樋13の断面形状、大きさは前記鉛直呼び樋カバー26の断面形状、大きさと等しくなっている。
さらに、竪樋13の外壁8側を向く側面には取付部13aが固定されており、この取付部13aが外壁8に取り付けられることによって、竪樋13が外壁8に、当該外壁8に沿ってかつ当該外壁8と所定間隔をもって取り付けられている。
上記のような竪樋13の上端部には、前記鉛直呼び樋17の下端部が挿入されている。竪樋13の口径(直径)は、鉛直呼び樋17の口径(直径)より大きくなっている。
ここで、呼び樋12は、ドレン部14と水平呼び樋15とエルボ16と鉛直呼び樋17とによって構成されており、ドレン部14のドレンパイプ14b、水平呼び樋15、エルボ16、鉛直呼び樋17のそれぞれの口径は等しくなっている。したがって、竪樋13の口径は呼び樋12の口径より大きくなっている。また、呼び樋12の開口面積は15cm2〜20cm2程度である。
【0032】
上記のような竪樋13はアルミ継手27によって鉛直呼び樋カバー26に接続されている。このアルミ継手27は四角筒状のアルミ合金製ものであり、その外径が前記竪樋13の内径および鉛直呼び樋カバー26の内径とほぼ等しくなっている。
アルミ継手27の外周部には、軸方向中央部にリブ27aが周方向に延在して形成されている。そして、アルミ継手27の下半分が竪樋13の上端部に挿入され、上半分が鉛直呼び樋カバー26に下端部に挿入されている。竪樋13の上端はリブ27aに下方から当接され、鉛直呼び樋カバー26の下端はリブ27aに上方から当接されている。これによって、竪樋13はアルミ継手27によって鉛直呼び樋カバー26に接続されている。
【0033】
上記のようなドレン部カバー20、水平呼び樋カバー22、エルボカバー25、鉛直呼び樋カバー26によって化粧カバー30が構成しており、この化粧カバー30によって呼び樋12の外側が覆われている。
また、この化粧カバー30に竪樋13が接続され、当該化粧カバー30、竪樋13はその断面形状や大きさが等しく、材質もアルミ合金製で同じものであるので、外観上、連続した呼び樋と竪樋となる。
【0034】
本実施の形態のサイフォン式雨樋装置によれば、軒樋7の底部にサイフォン効果を生じる呼び樋12が接続されているので、降雨量が少なくても呼び樋12内が雨水で満水となり易く、その結果、サイフォン効果によって軒樋7内の雨水を強制的に吸い出すことができる。
そして、サイフォン効果によって呼び樋12内を満水状態で流れる雨水は竪樋13内を自然落下によって流れ落ちるが、竪樋13の口径が呼び樋12の口径より大きいので、呼び樋12内をサイフォン効果によって流れる雨水を問題なく排水できる。
【0035】
また、化粧カバー30の断面が竪樋13の断面と等しい形状、大きさとなっているので、外観上同じ形状、太さの呼び樋と竪樋に見え、デザイン性に優れたものとなる。また、化粧カバー30によって呼び樋12を風雨等から保護できる。
さらに、呼び樋12が鉛直呼び樋17を有するので、この鉛直呼び樋17を竪樋13に接続することによって、呼び樋12を竪樋13に容易に接続できる。また、鉛直呼び樋17を有するので、呼び樋12にサイフォン効果が生じ易くなる。
また、呼び樋12を、ドレン部14、水平呼び樋15、エルボ16、鉛直呼び樋17を備えた構成としたので、軒樋7の位置や大きさに応じて、適宜の長さのドレン部14、水平呼び樋15、エルボ16、鉛直呼び樋17を組み立てることによって、サイフォン式雨樋装置1を容易に組み立てることができる。
【0036】
また、ドレン部14がドレンエルボ14であるので、別途エルボを使用しなくても、軒樋7と水平呼び樋15とをドレンエルボ14によって接続できる。
また、化粧カバー30がドレン部カバー20、水平呼び樋カバー22、エルボカバー25、鉛直呼び樋カバー26を接続することによって構成されているので、呼び樋12の形状、長さに応じた化粧カバー30によって呼び樋12を覆うことができる。
【符号の説明】
【0037】
7 軒樋
11 サイフォン式雨樋装置
12 呼び樋
13 竪樋
14 ドレン部
15 水平呼び樋
16 エルボ
17 鉛直呼び樋
20 ドレン部カバー
22 水平呼び樋カバー
25 エルボカバー
26 鉛直呼び樋カバー
図1
図2
図3