特許第5711093号(P5711093)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5711093固体酸化物形燃料電池のガスセパレート材及び固体酸化物形燃料電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5711093
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】固体酸化物形燃料電池のガスセパレート材及び固体酸化物形燃料電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/02 20060101AFI20150409BHJP
   H01M 8/12 20060101ALI20150409BHJP
【FI】
   H01M8/02 B
   H01M8/12
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-225340(P2011-225340)
(22)【出願日】2011年10月12日
(65)【公開番号】特開2013-84528(P2013-84528A)
(43)【公開日】2013年5月9日
【審査請求日】2013年7月22日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000173522
【氏名又は名称】一般財団法人ファインセラミックスセンター
(73)【特許権者】
【識別番号】510311388
【氏名又は名称】FCO Power株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須田 聖一
(72)【発明者】
【氏名】ウィフ ヴェルドゥゴ ファン パウロ
【審査官】 山内 達人
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−091929(JP,A)
【文献】 特開2008−226762(JP,A)
【文献】 特表2009−534538(JP,A)
【文献】 特表平11−501764(JP,A)
【文献】 特表2008−544452(JP,A)
【文献】 特表2009−537958(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0099442(US,A1)
【文献】 特表2009−526908(JP,A)
【文献】 Jong-Jin Choi et al.,Oxidation Behavior of Ferritic Steel Alloy Coated with Highly Dense Conducting Ceramics by Aerosol Deposition,J. Am. Ceram. Soc.,2008年,91 [8],pp.2601-2606
【文献】 Xuan Chen et al.,Protective coating on stainless steel interconnect for SOFCs: oxidation kinetics and electrical properties,Solid State Ionics,2005年,176,pp.425-433
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00−8/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体酸化物形燃料電池のガスセパレート材であって、
マンガンクロマイト(Mn1+xCr2-x4)(ただし、0≦x<0.4)をその表層においてより高濃度で含む、ガスセパレート材(ただし、金属材料を備えるものを除く)。
【請求項2】
Cr濃度が表層から内部に向かって低下する傾斜組成を有する、請求項に記載のガスセパレート材。
【請求項3】
ランタンマンガナイト系酸化物〔(La1-yyzMnO3〕(ただし、Aは、Ca又はSrであり、0.1≦y≦0.4、0.97≦z≦1)を主成分とする、請求項1又は2に記載のガスセパレート材。
【請求項4】
セパレータである、請求項1〜のいずれかに記載のガスセパレート材。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のガスセパレート材を備える、固体酸化物形燃料電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体酸化物形燃料電池のガスセパレート材及固体酸化物形燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
平板形の固体酸化物形燃料電池(以下、単にSOFCともいう。)は、燃料極、固体電解質及び空気極からなるユニットを単セルと称し、このような単セルをセパレータを介して積層してスタック構造体とすることで直列接続を実現して発電システムを構築している。また、円筒形のSOFCにおいては、インターコネクタを介して円筒内外のガス流路を遮断している。
【0003】
SOFCにおけるセパレータやインターコネクタなどのガスセパレート材は、ガス遮断性のほか、酸化還元雰囲気に対する化学的安定性及び良好な導電性が求められる。この種のガスセパレート材としては、例えば、ランタンクロマイト系ペロブスカイト型酸化物が用いられている(特許文献1)。
【0004】
特許文献1記載のSOFCにおけるセパレータでは、TiやNiを含めることでセパレータの反りや剥がれを防止して気密性の高いセパレータを形成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−226762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
SOFCを効率的に製造することを意図するとき、燃料極、固体電解質及び空気極とともにガスセパレート材を共焼結によって一体化することが望まれる。しかしながら、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物にあっては、燃料極や空気極の焼結条件においては緻密化が困難であった。すなわち、ランタンクロマイト系ペロブスカイト型酸化物の緻密化には、電極材料や固体電解質材料よりも高い温度での焼結が必要であった。また、反りや剥がれの問題もあった。このため、従来のランタンクロマイト系ペロブスカイト型酸化物をガスセパレート材として用いて電極材料や固体電解質と共焼結を試みても、上記したSOFCのガスセパレート材に求められる各種特性を充足することが困難であった。
【0007】
そこで、本発明では、焼結性が良好でしかもSOFCのガスセパレート材に求められる特性を充足できるSOFC用のガスセパレート材、当該ガスセパレート材を備えたSOFC及びSOFCの製造方法を提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、SOFC用のガスセパレート材として種々検討している中、焼結性の良好なスピネル型結晶構造を有するスピネル型酸化物に着目した。なかでも、金属セパレータと空気極の成分であるランタンマンガナイト(LaMnO3)が反応した結果生じるMn1+xCr2-x4(マンガンクロマイト)に着目した。検討の結果、マンガンクロマイトは、還元雰囲気における経時的な導電性低下が抑制された化合物であり、かつマンガンクロマイトは、高い密着性でかつ緻密性を兼ね備えた高いガスセパレート材として機能できるという知見を得た。本発明によれば、以下の手段が提供される。
【0009】
(1)固体酸化物形燃料電池のガスセパレート材であって、
マンガンクロマイト(Mn1+xCr2-x4)(ただし、0≦x<0.4)を含むガスセパレート材(ただし、金属材料を備えるものを除く。)
(2)その表層側にマンガンクロマイトを高濃度で含む、(1)に記載のガスセパレート材。
(3)Cr濃度が表層から内部に向かって低下する傾斜組成を有する、(1)又は(2)に記載のガスセパレート材。
(4)ランタンマンガナイト系酸化物〔(La1-yyzMnO3〕(ただし、Aは、Ca又はSrであり、0.1≦y≦0.4、0.97≦z≦1)を主成分とする、(1)〜(3)のいずれかに記載のガスセパレート材。
(5)セパレータである、(1)〜(4)のいずれかに記載のガスセパレート材。
(6)マンガンクロマイト(Mn1+xCr2-x4)(ただし、0≦x<0.4)を含む固体酸化物形燃料電池のガスセパレート材(ただし、金属材料を備えるものを除く。)用のコーティング材。
(7)(1)〜(5)のいずれかに記載のガスセパレート材を備える、固体酸化物形燃料電池。
(8)固体酸化物形燃料電池の製造方法であって、
燃料極材料層、空気極材料層及び固体電解質材料層、並びに前記燃料極材料層及び/又は空気極材料層に接するガスセパレート材料層(ただし、金属材料層を備えるものを除く。)を備える、積層体を一括焼成する工程を備え、
前記焼成工程において、前記ガスセパレート材料層には、マンガンクロマイト材料及び/又はマンガンクロマイトを前記積層体の焼成に際してその場生成する組成の材料を含む、製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】SOFC一例を示す図である。
図2】SOFCの他の一例を示す図である。
図3】本発明のガスセパレート材の一例を示す図である。
図4】本発明のガスセパレート材の他の一例を示す図である。
図5】マンガンクロマイトの生成を示すXRD回折分析結果を示す図である。
図6】ガスセパレート材の水素中での導電率の経時的変化を示す図である。
図7】ガスセパレート材の内部構造を示すSEM像を示す図である。
図8】マンガンクロマイト層を表層に有するガスセパレート材の表面のEDS分析結果を示す図である。
図9】マンガンクロマイト層を表層に有するガスセパレート材の表面のXRD回折分析結果を示す図である。
図10】マンガンクロマイト層を表層に有するガスセパレート材の水素中での導電率の経時的変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、SOFC用のガスセパレート材、当該ガスセパレート材用のコーティング材及び前記ガスセパレート材を備えたSOFC並びにSOFCの製造方法等に関する。本発明のセパレート材は、マンガンクロマイトを含んでいる。本発明者らは、マンガンクロマイトは、それ自体良好な導電性とその安定性と、酸化還元雰囲気における安定性、緻密性を確保できる材料であることを見出した。このため、これまでのSOFCのガスシール材料と共存させて使用することができるとともに、従来のガスセパレート材料と複合化することで良好なガスセパレート材特性を有するガスセパレート材を提供することができる。また、空気極材料とともに複合化したときには、共焼結性を有し、密着性がよく耐剥離性等に優れたガスセパレート材を提供できる。さらに、マンガンクロマイト層を表層に有するガスセパレート材をその場生成によりSOFCに一体化させることもできる。
【0012】
以下、本発明の実施形態について適宜図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
(ガスセパレート材)
本発明のガスセパレート材は、SOFC用に好適である。SOFCの電極材料、固体電解質材料等の焼結条件で共に焼結させることができて、SOFCにおいてガスセパレート材に求められるガスセパレート特性を発揮することができるからである。
【0014】
本発明のガスセパレート材を適用するSOFCの種類は特に限定されない。平板形及びその積層体、円筒形及びその積層体、など、SOFCのセルの形態やスタック形態を問わずに適用できる。特に、共焼結が可能であることや密着性が良好であることを考慮すると、平板形、特に積層形のセパレータとして好ましく適用することができる。
【0015】
本発明のガスセパレート材は、例えば、全体として平板形であって、薄膜化された単セルの積層体に用いるセパレータであることが好ましい。こうしたスタック構造体としては、例えば、特許文献(国際公開第WO2009/119771号パンフレット)に記載の積層型固体酸化物形燃料電池用のスタック構造体が挙げられる。このスタック構造体によれば、固体電解質層、燃料極層、空気極層がそれぞれ薄膜化される一方、特定積層構造で積層されているために共焼結により良好な機械的強度と発電特性を発揮しうる。このため、本ガスセパレート材をセパレータとして好ましく適用できる。
【0016】
本発明のガスセパレート材は、例えば、図1及び図2に示す形態で、平板形SOFC及び円筒形SOFCに適用される。図1においては、本発明のガスセパレート材はセパレータとして、ガス遮断性、酸化還元雰囲気安定性、電子伝導性が求められる。また、図2においては、本発明のガスセパレート材は、ガス遮断性、酸化還元雰囲気安定性(特に還元雰囲気)、電子伝導性が求められる。
【0017】
本発明のガスセパレート材は、マンガンクロマイト(Mn1+xCr2-x4)(ただし、0≦x≦0.4)含んでいる。マンガンクロマイトは、上記のとおり、SOFCのガスセパレート材として好ましい特性を兼ね備えることができる。ここで、xは、0以上0.4未満であることがより好ましい。この範囲であると、電子伝導性と雰囲気安定性に優れるからである。また、より好ましくは0以上0.3以下である。
【0018】
本発明のガスセパレート材は、マンガンクロマイトのみから構成されていてもよいが、SOFCの他要素との熱膨張性差等を考慮すると、他の材料も含んで複合化されていることが好ましい。複合化合物される材料としては、従来、SOFCのセパレータやインターコネクタに用いられていたセラミックス系材料が挙げられる。こうした材料と組み合わせることで、これらのガスセパレート特性を改善することができる。
【0019】
こうしたセラミックス材料としては、例えば、例えば、ランタンクロム系酸化物(LaCrO3)、ランタンストロンチウムクロム系酸化物(La(1-x)SrxCrO3,0<x≦0.5)などのランタン−クロム系ペロブスカイト型酸化物,又はこうしたランタン−クロム系ペロブスカイト型酸化物と希土類元素を固溶させたジルコニアとを含むセラミックスを用いることが好ましい。希土類固溶ジルコニアとしては、(1−x)ZrO2・xY23(式中Yは希土類元素を表し、0.02≦x≦0.20である。)が挙げられる。
【0020】
また、ガスセパレート材の基部材料としては、例えば、ステンレス系の金属材料も用いることができる。
【0021】
また、本発明のガスセパレート材にあっては、マンガンクロマイトをその場生成させるに、他の材料として、Mnを含有するMn含有材料を用いることが好ましい。Mn含有材料としては、後述する空気極材料のうちMnを含む材料やMnOが挙げられる。
【0022】
また、本発明のガスセパレート材にあっては、空気極材料を他の材料として好ましく用いることができる。空気極材料を他の材料として複合化することは、空気極との熱膨張差を抑制できる点のほか、Mnを含有する場合には、マンガンクロマイトを焼成工程においてその場生成することができる点において有利である。この場合、ガスシール材に用いるのに好適な材料としては、例えば、(Sm,Sr)CoO3、(La,Sr)MnO3,La(Ca、Sr)MnO3、(La,Sr)CoO3、(La,Sr)(Fe,Co)O3、(La,Sr)(Fe,Co,Ni)O3等の酸化物が挙げられる。なお、これらの一般式の()の金属は、()内に記載の金属から選択される1種又は2種以上を組成に含まれることを意味している(以下において同じ。)。好ましくは、(La,Sr)MnO3、La(Ca、Sr)MnO3である。また、SOFCの焼成工程におけるマンガンクロマイトのその場生成を考慮すると、ガスセパレート材に用いられる材料は、上述のなかでもMnを含んでいることが好ましく、例えば、(La,Sr)MnO3、La(Ca、Sr)MnO3が挙げられる。
【0023】
ガスシール材の好ましい他の材料として、(La1-yyzMnO3(ただし、Aは、Ca又はSrであり、0.1≦y≦0.4、0.97≦z≦1)が挙げられる。この材料は、気密性、電子導電性、安定性、低反応性及び熱膨張差の観点から好ましく用いられる。この材料は、Mnを含んでいるので、マンガンクロマイトを表層に付与する形態用としても使用可能であるほか、マンガンクロマイトその場生成用としても好ましい。
【0024】
こうしたガスセパレート材におけるマンガンクロマイト以外の材料は、上述したセラミックス材料を、熱膨張率差やマンガンクロマイトのその場生成の意図を考慮して1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0025】
ガスセパレート材における複合化形態は特に限定されないが、好ましい複合化形態を、マンガンクロマイトの分布状態で表現することができる。例えば、図3に示すように、マンガンクロマイト以外の材料のマトリックスに対してマンガンクロマイトがほぼ均一に分散している形態が挙げられる。また、例えば、図4に示すように、マトリックスのガスセパレート材の表層側にマンガンクロマイトが偏在している形態が挙げられる。
【0026】
図3に示す分散形態の場合、ガスシール性を確保するためには、マトリックスにおけるCr/Mn+Cr(atm%)が適宜調整される。例えば、マンガンクロマイト以外の他の材料として、ランタンマンガナイト系酸化物であるLSMを用いる場合、上記Cr/Mn+Cr(atm%)は、13%以下であることが好ましい。13%であると、十分な気密性を確保できる。より好ましくは、11%以下であり、さらに好ましくは8%以下である。
【0027】
ガスセパレート材のガス遮断性、酸化還元雰囲気安定性、導電性を考慮すると、マンガンクロマイトをガスセパレート材の表層においてより高濃度で含む偏在形態が好ましい(図4参照)。こうした偏在形態は、ガスセパレート材が、マンガンクロマイトコート層を有している形態ともいえる。マンガンクロマイトをその表層により高濃度で含む偏在形態あっては、マンガンクロマイトを構成するCrの濃度が表層から内部に向かって低下する傾斜組成を有する形態が挙げられる。かかる形態は、例えば、上記した他の材料からなる(又はマンガンクロマイトを含んでいてもよい)マトリックスの表面に対してマンガンクロマイト層を形成して熱処理により一体化する際にマンガンクロマイト層からマトリックス内部にCrが内部に拡散したときに形成される。また、他には、マトリックスにマンガンを含む空気極材料などのマンガン含有材料を用い、マトリックスの表面に対してCr含有化合物を供給した状態で熱処理してマンガンクロマイトをその場生成したときに形成される。
【0028】
こうしたマンガンクロマイトコート層の厚みは、例えば、0.2μm以上5.0μm以下程度であることが好ましい。0.2μmよりも薄すぎると水素の漏洩やコート層に水素が拡散する可能性があり、5.0μmを大きく超えるとガスセパレート材自体の導電性の低下や剥離が起きやすくなるからである。
【0029】
ガスセパレート材の厚みは特に限定されないが、1μm以上200μm以下とすることができる。この範囲であると、平板形積層形SOFCにおいて単セル間を分離するように積層してスタック構造体を構成するとき、適切な機械的強度と発電特性を得ることができる。好ましくは10μm以上50μm以下であり、より好ましくは10μm以上40μm以下である。
【0030】
(ガスセパレート材の製造方法)
本発明のガスセパレート材の製造方法としては、マンガンクロマイトの分布形態に応じていくつかの製造形態がある。また、ガスセパレート材は、また、SOFCの他要素と共焼結を意図した焼成工程において製造することもできるし、焼成工程に先だって製造することもできる。なお、成形や成膜にあたっては、セラミックスの製造方法において公知の方法を適用することができる。
【0031】
マンガンクロマイトが表層に偏在する偏在形態のガスセパレート材の製造方法としては、例えば、以下の2種類の方法が挙げられる。一つは、LSMなどのMn含有材料を所定形状に仮成形あるいは仮成膜した後、このMn含有材料の表面にCr23などのCr含有材料を付与し、Mn含有材料の焼結可能な条件で熱処理を行う。例えば、1350℃で3〜7時間程度の熱処理とすることができる。熱処理条件は、Mn含有材料によっても変動するため、適宜調整される。これにより、得られた焼成体の表層近傍には、Mn含有材料中のMnとCr含有材料中のCrとが反応してマンガンクロマイトが生成する。マンガンクロマイトを含む表層(マンガンクロマイトコート層)においては、表層側から内部に向かってCr濃度が低下し、Mn濃度が増大する傾斜組成が形成される。また、この表層においては、Crの含有率により孔部が形成されることもあるが、表層から内側に連通するものではなく表層の気密性が維持される。
【0032】
また、他の一つの方法は、Mnを含むLSMなどのマンガン含有材料又はMnを含まないLSCなどのマンガン非含有材料を仮成形あるいは仮成膜した後、この仮成形体の表面に、マンガンクロマイトあるいはマンガンクロマイトをその場生成する、例えば、MnOやLSMなどのMn含有原料とCr23などのCr含有原料を付与して、これらが焼結可能な条件で熱処理を行う。熱処理条件は、上記のとおり適宜調整される。こうした熱処理により、得られた焼成体の表層近傍には、原料に由来するマンガンクロマイトが一体化しているか、又はMn含有原料中のMnとCr含有原料中のCrとが反応してマンガンクロマイトが生成する。こうしたマンガンクロマイト層とその内側の界面近傍には、当該界面から内部に向かってCr濃度が低下し、Mn濃度が増大する傾斜組成が形成される。
【0033】
マンガンクロマイトがおおよそ均一に分布する分散形態のガスシール材の製造方法としては、例えば、以下の2種の方法が挙げられる。一つは、LSMなどのMn含有材料とCr23などのCr含有材料とを混合して仮成形又は仮成膜し、これらを焼結可能な条件で熱処理を行う。例えば、1350℃で3〜7時間程度の熱処理とすることができる。熱処理条件は、これらの材料の組み合わせ等によっても変動するため、適宜調整される。これにより、得られた焼成体の全体において、Mn含有材料中のMnとCr含有材料中のCrとが反応してマンガンクロマイトが生成する。この焼成体は、マンガンクロマイトをほぼ均一に分布させた状態で含んでいる。
【0034】
また、他の一つの方法は、Mnを含むLSMなどのマンガン含有材料又はMnを含まないLSCなどのマンガン非含有材料と、マンガンクロマイトとを混合して、仮成形又は仮成膜し、これらを焼結可能な条件で熱処理を行う。熱処理条件は、上記のとおりであり、適宜調整される。熱処理後、得られた焼成体は、その全体において、マンガンクロマイトをほぼ均一に分布させた状態で含んでいる。
【0035】
これらの製造方法は、いずれも、後述するSOFCの製造方法における工程の一つである、セルないしスタック構造体の一括焼成工程においても実施できるし、セルやスタック構造体の焼成工程に、ガスシール材として供給するために、焼成工程とは別に実施することもできる。
【0036】
本発明のガスセパレート材は、以上説明したように、電気特性、化学的安定性、緻密性というSOFCのガスセパレート材に求められる特性を兼ね備えたマンガンクロマイトを含有している。このため、マンガンクロマイトをガスセパレート材に含めて用いることで、SOFCの特性を向上させることができる。また、本発明のガスセパレート材は、空気極材料を主体とするなど共焼結が可能であるとともに、用いる材料を選択することでマンガンクロマイトを焼成工程おいて生成させることができる。
【0037】
(ガスセパレート材用のコーティング材)
本発明のSOFCのガスセパレート材用のコーティング材は、マンガンクロマイト(Mn1+xCr2-x4)(0≦x≦0.4)又はマンガンクロマイトをその場生成する組成を含有している。本発明のコーティング材によれば、コーティング対象体の表面にコーティングすることで、そのコーティング対象体にガスセパレート特性を付与することができる。例えば、本発明のコーティング材は、SOFCの製造工程において、ガスセパレート材を形成するためのガスセパレート材料層の一部として、特に、燃料ガス又は空気ガスに曝される側において、ガスセパレート材のための他の材料層に積層される。
【0038】
本発明のコーティング材は、例えば、以下の組成を有することができる。
(1)マンガンクロマイトを含有する。
(2)マンガンクロマイトをその場生成する組成であり、MnOやLSMなどのMn含有原料とCr23などのCr含有原料を含んでいる。
(3)マンガンクロマイトをその場生成する組成であり、コーティング対象にMnOやLSMなどのMn含有原料を有する場合において、Cr23などのCr含有原料を含んでいる。
【0039】
なお、本発明のコーティング材において、Mn含有材料について本発明のガスセパレート材について既に説明した態様を適用することができる。
【0040】
(SOFC)
本発明のSOFCは、本発明のガスセパレート材を備えている。ガスセパレート材は、セパレータないしインターコネクタとして、従来公知のSOFCに適用される。本発明のSOFCは、平板形で積層形であり、単セルを積層したスタック構造を有していることが好ましい。本発明のSOFCは、少なくとも以下の要素を備えることができる。
【0041】
(固体電解質)
固体電解質は、SOFCの形態に依拠して、方形状、長方形状、円形状等の各種の形状を取ることができる。固体電解質としては、SOFCに通常使用されるもとして公知のものを使用することができる。例えば、サマリウムやガドリニウム等をドープしたセリア系酸化物、ストロンチウムやマグネシウムをドープしたランタン・ガレード系酸化物、スカンジウムやイットリウムを含むジルコニア系酸化物などの酸化物イオン伝導性セラミックス材料が挙げられる。
【0042】
固体電解質の厚みは特に限定されないが、1μm以上150μm以下とすることができる。この範囲であると、後述する燃料極及び空気極ともに単セルを構成し、さらに本発明のガスセパレート材とともにスタック構造体を構成するとき、適切な機械的強度と発電特性を得ることができる。より好ましくは、1μm以上100μm以下であり、さらに好ましくは1μm以上40μm以下であり、一層好ましくは1μm以上20μm以下である。
【0043】
(燃料極)
燃料極は、固体電解質に接して備えられている。燃料極材料としては、特に限定しないで公知のSOFCにおいて燃料極材料として用いられているものを用いることができる。例えば、金属触媒と酸化物イオン伝導体からなるセラミックス粉末材料との混合物又はその複合粉末が挙げられる。このとき用いられる金属触媒としては、ニッケル、鉄、コバルトや、貴金属(白金、ルテニウム、パラジウム等)等の還元性雰囲気中で安定であって水素酸化活性を有する材料を用いることができる。また、酸化物イオン伝導体としては、蛍石型構造又はペロブスカイト型構造を有するものを好ましく用いることができる。蛍石型構造を有するものとしては、例えばサマリウムやガドリニウム等をドープしたセリア系酸化物、スカンジウムやイットリウムを含むジルコニア系酸化物などを挙げることができる。また、ペロブスカイト型構造を有するものとしてはストロンチウムやマグネシウムをドープしたランタン・ガレード系酸化物が挙げられる。上記材料の中では、酸化物イオン伝導体とニッケルとの混合物で、燃料極を形成することが好ましい。また、上述したセラミックス材料は、1種類を単独で又は2種類以上を混合して使用することができる
【0044】
燃料極の厚みは特に限定されないが、1μm以上200μm以下とすることができる。この範囲であると、単セルを構成し、さらに本発明のガスセパレート材とともにスタック構造体を構成するとき、適切な機械的強度と発電特性を得ることができる。より好ましくは、1μm以上150μm以下とすることができる。さらに好ましくは、1μm以上100μm以下であり、一層好ましくは5μm以上40μm以下であり、さらに一層好ましくは5μm以上20μm以下である。
【0045】
(空気極)
空気極を構成する空気極材料としては、特に限定しないで公知の固体酸化物形燃料電池において空気極材料として用いられているものを用いることができる。具体的な材料は、ガスセパレート材の他の材料として記載した態様を適用でき、それらを1種又は2種以上を組み合わせることができる。
【0046】
空気極の厚みは特に限定されないが、1μm以上200μm以下とすることができる。この範囲であると、単セルを構成し、さらに本発明のガスセパレート材とともにスタック構造体を構成するとき、適切な機械的強度と発電特性を得ることができる。より好ましくは、1μm以上150μm以下とすることができる。さらに好ましくは、1μm以上100μm以下であり、一層好ましくは5μm以上40μm以下であり、より一層好ましくは5μm以上20μm以下である。
【0047】
(ガスセパレート材)
ガスセパレート材としては、本発明のガスセパレート材を用いる。SOFCが平板形であるときには、セパレータとして、また、円筒形であるときにはインターコネクタとして使用される。ガスセパレート材の厚みについては、既に説明したとおりである。
【0048】
(ガス流路)
図1及び図2に示すように、SOFCは、燃料ガス流路及び空気ガス流路を備えている。これらのガス流路の形態は、特に限定されないで、公知の各種形態を適用することができる。例えば、本発明のSOFCにおいては、こうしたガス流路は、燃料極や空気極の厚みの範囲内(層内)に形成されていることが好ましい。すなわち、燃料ガス流路及び空気ガス流路は、それぞれ、燃料極及び空気極を構成する材料で囲繞された状態で内在されていることが好ましい。こうすることで、各電極の全体に効率的にガスを供給することができる。
【0049】
本発明のSOFCにおいては、以上の固体電解質、燃料極及び空気極の厚みは、それぞれ、5μm以上40μm以下、30μm以上200μm以下及び50μm以上200μm以下であることが好ましい。また、ガスセパレート材の厚みが5μm以上120μm以下であることが好ましい。これらの要素がこの範囲の厚みであると、これらの焼成時及び使用時における熱膨張収縮特性の相違を調整することに大きく制限されないでこれらを一体化した単セルを形成できる。より好ましくは、燃料極及び空気極の厚みが50μm以上180μm以下である。さらに好ましくは、50μm以上150μm以下である。
【0050】
本発明のSOFCには、当業者に公知の適切な燃料ガス及び空気ガスの供給源からのガス供給系、集電部材やケーシング等を備えることができる。
【0051】
本発明のSOFCによれば、本発明のガスセパレート材をセパレータ又はインターコネクタとして備えるために、SOFCとしての電気的特性、一体性、機械的強度が確保されかつ維持されるため、良好な発電特性を発揮し維持することができる。
【0052】
(SOFCの製造方法)
本発明のSOFCの製造方法は、燃料極材料層、空気極材料層及び固体電解質材料層、並びに前記燃料極材料層及び/又は空気極材料層に接するガスセパレート材料層を備える、積層体を、一括焼成する工程を備え、前記焼成工程において、前記ガスセパレート材料層には、マンガンクロマイト及び/又はマンガンクロマイトを前記積層体の焼成に際してその場生成する組成の材料を含むことができる。本発明のSOFCの製造方法によれば、他のSOFCの要素と一括焼成して,これらの要素とガスセパレート材とを焼結させてガスセパレート特性に優れたガスセパレート材を付与し、発電特性に優れたSOFCを製造することができる。
【0053】
本発明のSOFCの製造方法は、特定のガスセパレート材を構成する材料をガスセパレート材料として用いて他のSOFC要素と一括焼成して電極、固体電解質及びガスセパレート材を焼結させることを特徴とするが、他の工程に関しては、従来公知のSOFCの製造方法に適用することができる。
【0054】
例えば、平板積層形のSOFCの場合には、積層工程及び焼成工程を備えることができる。
【0055】
積層工程は、燃料極、空気極及びセパレータ(ガスセパレート材)に対応する材料を含んだ未焼成スラリーを調製するとともに、これらの未焼成スラリーを、ナイフコート、ドクターブレードなどの塗工装置を用いたテープキャスト法などのキャスティングによるシート成形法を用いて直接積層するか、あるいは予め未焼成セラミックスグリーンシートを作製後に積層することができる。
【0056】
なお、未焼成スラリーは、セラミックス成分に加えて、バインダー樹脂、有機溶媒などが適量加えたスラリー調製される。
【0057】
本発明の製造方法では、ガスシール材料層を積層するのに際して、本発明のガスセパレート材を形成するための材料を付与する。既に説明したガスセパレート材の形態に応じてガスセパレート材料層を形成する。例えば、マンガンクロマイトをガスセパレート材の表層側に偏在させる形態のガスセパレート材を形成するには、燃料ガス又は空気ガスに曝される側において、本発明のコーティング材をさらに積層するようにする。
【0058】
積層体を得るには、適当な温度(例えば、40℃〜160℃程度)に加熱するとともに加圧して熱圧着することが好ましい。積層工程における積層順序は、SOFCを得られる範囲で任意に行うことができ、特に限定されない。例えば、順次積層してもよいし、部分的な積層体を作製した上で、これらの積層体同士を積層するようにしてもよい。
【0059】
焼成工程は、積層工程で得られた積層体を熱処理して一体化しかつ焼結させる工程である。熱処理は、積層体を構成するセラミックス材料が少なくとも一部が焼結されて緻密質又は多孔質の所望の焼成体を得られるように実施する。好ましくは、セル構成要素及びセパレータの全てを共焼結させる。例えば、1250℃以上1550℃以下の温度で加熱処理することができ、好ましくは1300℃以上1500℃以下である。より好ましくは1300℃以上1400℃以下である。なお、空気中で焼成することができる。
【0060】
この焼成工程により、本発明のガスセパレート材がSOFCに一体化される。特に、ガスシール材が空気極材料を主成分とするときは、熱膨張係数差の問題が解決され、一体性や機械的強度に優れたSOFCが得られることとなる。また、焼成によりマンガンクロマイトがその場生成される場合には、ガスセパレート特性に優れたガスセパレート材が簡易に形成できることになる。
【0061】
上記した本発明のSOFCの製造方法においては、当業者に公知の範囲で適宜変更を加えることができる。
【0062】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
【実施例】
【0063】
以下、発明を、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定するものではない。
【実施例1】
【0064】
La0.8Sr0.2MnO3(LSM)とCr23とを、所定のCr/Cr+Mn(atm%)となるように、配合して混合粉体を調製し、一軸プレス後に、空気中で1350℃で5時間熱処理し、Cr/Cr+Mn(Cr含量)が異なる成形体を作製した。これらの成形体につき、XRD回折を行い、マンガンクロマイトが生成しているかどうかを確認した。結果は、図5に示すように、Cr含量が5%以上の場合、LSM/Cr23ペレット中にマンガンクロマイトが生成していることがわかった。
【実施例2】
【0065】
La0.8Sr0.2MnO3(LSM)とCr23とを、Cr/Cr+Mn(atm%)が8%、11%及び13%となるように配合して混合粉体を調製し、一軸プレス後に、空気中で1350℃で5時間熱処理し、Cr/Cr+Mn(Cr含量)が異なる成形体を作製した。これらの成形体及びLSMのみからなる以外は同様に作製した成形体につき、750℃で3%加湿水素中における導電率の経時的変化を評価した。結果を図6に示す。
【0066】
図6に示すように、LSMの場合、初期導電率は高いものの,時間経過により導電率が大きく低下した。これに対して、LSM/Cr23ペレットでは初期導電率はLSMに比べ低いものの時間経過による導電率低下はLSMに比べ著しく小さく、Cr含量の増加に伴い低下率が減少した。70分までの低下率は,LSM:21%,LSM/Cr23(Cr=8%):18%,LSM/Cr23 (Cr=11%):16%,LSM/Cr23(Cr=13%):0%であった。以上のことから、マンガンクロマイトが生成したLSMでは、還元雰囲気における導電性低下が抑制されることがわかった。
【実施例3】
【0067】
La0.8Sr0.2MnO3(LSM)とCr23とを、Cr/Cr+Mn(atm%)が8%、13%及び17%となるように配合して混合粉体を調製し、一軸プレス後に、空気中で1350℃で5時間熱処理し、Cr/Cr+Mn(Cr含量)が異なる成形体を作製した。SEにて微構造を観察した。
【0068】
結果を図7に示す。図7に示すように、Cr含量の増加に伴い気孔が多数みられるようになったが,Cr=13%までは比較的高い緻密性を有していることがわかった。
【0069】
また、Cr=13%の成形体のガス透過性を,ガス透過性評価装置を用い室温にて評価した。テストガスには空気、酸素及び窒素を用いた。結果を表1に示す。
【0070】
【表1】

【0071】
表1に示すように、Cr=13%の成形体のガス透過係数は×10-12〜×10-13、Cr=17%では、×10-6であった。以上のことから、ガスシール材としてのマンガンクロマイトのCr含量は13%以下が好ましいことがわかった。
【実施例4】
【0072】
1350℃で焼成したLSM成形体をCr23系粉体に埋め込んだ状態で,空気中で1350℃で5時間焼成した。このLSM成形体の破断面をSEM/EDSで観察分析したところ、図8に示すように、表層から数μmにCrが検出された。また、この成形体の表面をXRD分析したところ、図9に示すように、マンガンクロマイトの存在が判明した。以上のことから、この成形体の表層には、2〜3μm程度のマンガンクロマイトを含む層が生成していることがわかった。
【0073】
さらに、このLSM成形体の7%加湿水素下750℃における導電性を四端子法で測定した。結果を図10に示す。図10に示すように、未処理(埋め込み処置なし)のLSM成形体の場合、750℃に昇温後7%加湿水素に切り替えてすぐに成形体が割れてしまうのに対し,マンガンクロマイトコート層を有するLSM成形体は7%加湿水素下においても割れは生じず,時間経過による導電率の低下は僅かであった。
【0074】
以上のことから、マンガンクロマイト層を表層側に形成したLSM成形体は、還元雰囲気での安定性とともに、優れた電子伝導率とその安定性を有していることがわかった。さらに、実施例3の結果からも明らかなように、気密性に優れていることから、マンガンクロマイトは、SOFCにおいてセパレータやインターコネクタに求められるガスシール特性を兼ね備えていることがわかった。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10