【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の態様によれば、流体作動機械の制御方法であって、流体作動機械が、容積が周期的に変化する作動チャンバと、低圧マニホルド及び高圧マニホルドと、低圧マニホルドと作動チャンバとの間の連通を調整するための低圧バルブと、高圧マニホルドと作動チャンバとの間の連通を調整するための高圧バルブと、1つ又は複数の上記バルブをアクティブに制御して作動チャンバによる正味の流体吐出量をサイクルベースで決定する制御器とを含み、低圧バルブ及び高圧バルブの少なくとも一方が、作動チャンバ容積のサイクルに対する開放又は閉鎖のタイミングを変えることができる可変タイミングバルブである、方法において、方法が、作動チャンバ容積の初期サイクルの間に流体作動機械の性能のうちの1つ又は複数の特性を計測するステップと、初期サイクルの間に計測された1つ又は複数の特性を考慮して、作動チャンバ容積の後期サイクルの間に上記可変タイミングバルブの開放又は閉鎖のタイミングを制御するステップとを含むことを特徴とする方法が提供される。
【0014】
本発明はまた、第2の態様において、容積が周期的に変化する作動チャンバと、低圧マニホルド及び高圧マニホルドと、低圧マニホルドと作動チャンバとの間の連通を調整するための低圧バルブと、高圧マニホルドと作動チャンバとの間の連通を調整するための高圧バルブと、低圧バルブ及び高圧バルブの一方又は双方をアクティブに制御して作動チャンバによる正味の流体吐出量をサイクルベースで決定するように動作する制御器とを含み、低圧バルブ及び高圧バルブの少なくとも一方が、作動チャンバ容積のサイクルに対する開放又は閉鎖のタイミングを変えることができる可変タイミングバルブである、流体作動機械であって、流体作動機械の性能のうちの1つ又は複数の特性を計測するための1つ又は複数の計測装置と、作動チャンバ容積の初期サイクルの間に1つ又は複数の計測装置により計測された特性を考慮して、可変タイミングバルブの開放又は閉鎖のタイミングを決定するように動作するタイミング調整器とを特徴とする流体作動機械にも関する。当該又は各計測装置は、典型的には、圧力センサ、温度センサ、振動センサ、ノイズセンサ、流量センサ、電流センサ、電圧センサ、又はバルブ動作若しくは位置センサから選択されるセンサである。タイミング調整器は、典型的には流体作動機械の制御器(例えば流体作動機械の制御器により実行されるソフトウェアモジュール)である。流体作動機械の制御器は、典型的には、可変タイミングバルブを、及びいくつかの実施形態では低圧バルブ及び高圧バルブの双方を、アクティブに開放し、アクティブに閉鎖し、開放したまま保ち、又は閉鎖したまま保つようにバルブ制御信号を送る。
【0015】
作動チャンバ容積の初期サイクルの間における流体作動機械の性能のうちの1つ又は複数の特性を考慮して低圧又は高圧バルブ(上記可変タイミングバルブ)の開放又は閉鎖のタイミングを制御することにより、機械は、作動流体及び流体作動機械の構成部品それ自体の様々な特性に対する適合性が高まり、且つ他の場合と比べて、可変タイミングバルブの適切な開放又は閉鎖が不能となる点に、より近付いて運転することができる。この方法はまた、可変タイミングバルブを開放又は閉鎖するタイミング(例えば作動チャンバ容積のサイクルに対する位相)を動作不能が起こるまでサイクルごとに遅延させ、次にその動作不能点より前に開放又は閉鎖が起こるように早める方法と比べて好ましい。本発明の方法は、修復不可能であり得るバルブの開放又は閉鎖不能を回避し、且つ可変タイミングバルブの開放又は閉鎖と開放又は閉鎖不能が起こる時期との間の時間(例えば位相)の許容誤差を小さくし得るため好ましい。従って、本方法は、可変タイミングバルブの適切な開放又は閉鎖が不能となる時期(作動チャンバ容積のサイクル内における位相など)を予測するステップと、その時期より前に可変タイミングバルブが開放又は閉鎖の命令を受けることを確実にするステップとを含み得る。
【0016】
典型的には、第1の作動チャンバに関連する可変タイミングバルブのタイミングを制御するときに考慮される1つ又は複数の計測特性は、第1の作動チャンバの機能に関連する特性、例えば、第1の作動チャンバに関連する高圧又は低圧バルブを開放又は閉鎖するタイミングの特性、又は第1の作動チャンバ内の、又は第1の作動チャンバに入る、若しくはそこから吐出される流体の圧力若しくは他の物理的特性を含み、又はそれからなる。しかしながら、1つ又は複数の計測特性が、流体作動機械の第2の作動チャンバの機能のうちの少なくとも1つの計測特性、例えば、第2の作動チャンバ内にある、そこに入る、又はそこから吐出される作動流体の特性(混入気体濃度など)を含むこともあり得る。
【0017】
典型的には、作動チャンバ容積の後期サイクルは、作動チャンバ容積の初期サイクルと同じ作動チャンバの容積の後続サイクルである。しかしながら、いくつかの実施形態において作動チャンバ容積の後期サイクルは、作動チャンバ容積の初期サイクルと異なる作動チャンバの容積の後期サイクルである。初期サイクルが完了する前に後期サイクルが始まることもあり得る。
【0018】
典型的には、流体作動機械は制御器を含み、この制御器は、1つ又は複数のアクティブに制御されるバルブ(少なくとも可変タイミングバルブを含む)をアクティブに制御して作動チャンバによる正味の流体吐出量をサイクルベースで決定する。制御器は、典型的には可変タイミングバルブの開放又は閉鎖のタイミングを制御するが、しかしながら原則的にこのタイミングは第1の制御器により制御され、一方で第2の制御器が、作動チャンバ容積が特定のサイクルにある間にバルブを開放するか、又は閉鎖するかを決定し得る。
【0019】
典型的には、本方法は、作動チャンバ容積の各サイクルについて、1つ又は複数のアクティブに制御されるバルブ(少なくとも可変タイミングバルブを含む)を開放するか、閉鎖するか、開放したまま保つか、又は閉鎖したまま保つかを決定するステップであって、それにより作動チャンバが、正味の作動流体吐出量が実質的に生じないアイドルサイクルを実行するか、又は正味の作動流体吐出量が生じるアクティブサイクルを実行するかが選択され、アクティブサイクルが選択される場合、初期サイクルの間に計測された1つ又は複数の特性を考慮して決定されるのが可変タイミングバルブを開放又は閉鎖するタイミングである、ステップを含む。各サイクル中の正味の作動流体吐出量は、制御器により、どの作動チャンバにアクティブサイクルの命令を送り、どの作動チャンバにアイドルサイクルの命令を送るかを選択することにより決定されても、又は例えば本明細書によって参照により援用される欧州特許第0361927号明細書、欧州特許第0494236号明細書又は欧州特許第1537333号明細書に記載されるとおりの、先行技術に記載される方法に係る要求圧力との比較における計測圧力を使用した閉ループフィードバックにより決定されてもよい。従って、制御器は、閉ループフィードバックを使用して出力が要求信号に一致するようアイドルサイクル及びアクティブサイクルを選択してもよく、また、異なる閉ループフィードバックを用いてアクティブサイクル中のバルブ開放又は閉鎖イベントの正確なタイミングを制御してもよい。
【0020】
「アクティブに制御する」とは、制御器が、少なくともある状況下において、パワーを消費し、且つパッシブ応答、例えばバルブにわたる圧力差のみに応答したバルブの開放又は閉鎖に限られない制御機構により、電子制御式バルブの状態に影響を及ぼすことが可能であることを指す。「アクティブ制御」などの関連する用語は、これに対応して解釈されるべきである。しかしながら、主低圧バルブ、及び存在する場合に1つ又は複数の他の電子制御式バルブは、好ましくはパッシブな手段によっても開放又は閉鎖するように動作する。主低圧バルブは、典型的には、吸入行程中などの作動チャンバ内の圧力降下によってパッシブに開放する。例えば、主低圧バルブ、又は存在する場合に1つ又は複数の他の電子制御式バルブは、少なくとも一部のサイクル中は、圧力差によってパッシブに開放し、且つサイクルの一部分において制御器のアクティブな制御下に選択的に閉鎖可能であり得る。
【0021】
好ましくはバルブはまた、付勢手段によって付勢開放又は付勢閉鎖される。好ましくはバルブは、アクティブ制御下に第1の位置から第2の位置に動くことが可能であり、付勢手段によって第2の位置から第1の位置に動くことが可能である。好ましくは第1の位置又は第2の位置の一方が閉鎖位置であり、他方が開放位置である。
【0022】
「作動チャンバ容積のサイクルと位相が整合する関係」とは、主低圧バルブ、及び存在する場合に1つ又は複数の他の電子制御式バルブの制御器によるアクティブ制御のタイミングが、作動チャンバの容積サイクルの位相を参照して決定されることを指す。従って、流体作動機械は、典型的には位置センサなどの作動チャンバ位相決定手段を含む。例えば、作動チャンバ容積のサイクルがシャフトの回転と機械的に連係される場合、流体作動機械は好ましくはシャフト位置センサ、場合によりシャフト速度センサを含み、制御器がシャフト位置センサからシャフト位置信号を受け取り、場合により上記シャフト速度センサからシャフト速度信号を受け取るように動作する。異なる作動チャンバの容積サイクル間に位相差を有する複数の作動チャンバを含む実施形態において、制御器は、典型的には個々の作動チャンバの位相を決定するように動作し得る。
【0023】
「アクティブに制御する」(及び「アクティブ制御」などの関連する用語)とは、制御器が、電子制御式バルブの開放の実行、閉鎖の実行、開放の維持及び/又は閉鎖の維持のうちの1つ又は複数を選択的にもたらすように動作する可能性を含む。制御器は、作動サイクルの一部分における電子制御式バルブの状態にのみ影響を及ぼすことが可能であり得る。例えば、制御器は、作動チャンバ内の圧力が相当に大きいときは、作動サイクルの大部分において圧力差に逆らって主低圧バルブを開放することができなくともよい。上記可変タイミングバルブを開放又は閉鎖するタイミングは正確に制御されてもよいが、典型的には、バルブがいつそれぞれ開放又は閉鎖するかに関するいくらかの予測不可能性、又はさらにある状況下では(例えば計測値がまだ多くとられていない始動直後)、バルブがそれぞれ開放又は閉鎖するかどうかに関する予測不可能性が存在し得る。
【0024】
典型的には、制御器は電子制御式主低圧バルブ、及び存在する場合に1つ又は複数の他の電子制御式バルブを、電子制御式バルブに直接か、或いは半導体スイッチなどの電子制御式バルブ駆動器に対して制御信号を送ることによってアクティブに制御する。制御信号を送るとは、電子制御式バルブの意図した状態(例えば開放又は閉鎖)を表す信号、又は電子制御式バルブの状態が変更されるべきである(例えばバルブが開放又は閉鎖されるべきである)ことを表すパルス、又は電子制御式バルブの状態が維持されるべきであることを表すパルスを送ることを含む。制御器は、連続して信号を送り、その信号を止めたり、又は変更したりすることによって電子制御式バルブ、例えば電子制御式主低圧バルブ、又は存在する場合に1つ又は複数の他の電子制御式バルブの状態を変更してもよく、電子制御式バルブは、電流を供給することにより開放に保たれ、且つ電流がオフに切り換わることによりアクティブに閉鎖される常時閉電磁開放バルブを含み得る。
【0025】
制御器が必要に応じていつ信号を送り、送るのを止め、又は変更し、それにより上記可変タイミングバルブの開放又は閉鎖のタイミングを制御するかを決定するとき、上記可変タイミングバルブ(例えば低圧バルブ又は高圧バルブ)が開放又は閉鎖するのに必要な(推定された、計算された、又は既知の)時間が考慮されることもあり得る。
【0026】
典型的には、可変タイミングバルブを開放又は閉鎖するタイミングは、シャフトの位置に対する可変タイミングバルブに向けた、又はそれに対する命令信号のタイミングを変えることにより制御される。いくつかの実施形態において、制御されるのは、可変タイミングバルブに向けた、又はそれに対する命令信号のタイミングである。他の実施形態において、制御されるのは、可変タイミングバルブに向けた、又はそれに対する第2の命令信号のタイミングに対する可変タイミングバルブに向けた、又はそれに対する第1の命令信号のタイミングである。従って、制御されるのは、可変タイミングバルブに向けた、又はそれに対する命令信号の長さ、又は命令信号のデューティサイクルであってもよい。いくつかの実施形態において可変タイミングバルブを開放又は閉鎖するタイミングは、可変タイミングバルブに向けた、又はそれに対する命令信号の特性を変えることにより制御される。命令信号の特性としては、電流若しくは電圧パルスの長さ若しくはレベル、又は電流若しくは電圧信号の経時的なプロファイル、又はパルス幅が変調された電流若しくは電圧パルスのデューティサイクルを挙げることができる。従って、命令信号はパルス信号(例えばパルス幅変調信号)であってもよく、可変タイミングバルブを開放又は閉鎖するタイミングは、パルスの振幅、周波数又はデューティサイクルのうちの1つ又は複数を変化させることにより制御されてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、可変タイミングバルブをそれぞれ開放又は閉鎖に付勢するためバルブ部材に加えられる開放力又は閉鎖力の大きさ(例えば可変タイミングバルブが、電磁石、バルブシート及びバルブ部材を含み、バルブ部材が、電磁石と電磁的に連通している電機子に結合されたポペットを含む場合)もまた、初期サイクルの間に計測された1つ又は複数の特性を考慮して制御される。開放力又は閉鎖力とは、上記可変タイミングバルブが開放又は閉鎖に向けてアクティブに付勢される間の、又はアクティブに開放又は閉鎖されたまま保たれている間の平均の力を指す。作動流体の温度又は粘度、バルブなどの流体作動機械の構成部品の温度又は経過年数、可変タイミングバルブにわたる圧力差、及び作動流体中の混入気体の量及び種類などのパラメータが、可変タイミングバルブの開放又は閉鎖を成功させるために、又は許容される時間内に開放若しくは閉鎖するために必要な力に影響を及ぼし得るため、この力は重要である。従って、計測された1つ又は複数の特性に応じて、後期サイクルの間における開放力又は閉鎖力を増加又は低下させることができる。いくつかの実施形態において、伝送される制御信号は、開放力又は閉鎖力の大きさを伝える。例えば、伝送される制御信号はパルス幅変調信号であってもよく、ここでは信号の電流又は電圧を2つの値の間で切り換え、デューティサイクルを変化させることによってバルブ部材に加えられる開放力又は閉鎖力が調整される。この場合、信号は、例えば電磁石に加えられてもよく(直接的に、又は増幅器、スイッチ等を介して間接的に)、可変タイミングバルブは、電磁石と電磁的に連通したバルブ部材(例えば電機子と結合されたポペット)を含んでもよい。
【0028】
典型的には、制御されるのは、作動チャンバの後期サイクル内において可変タイミングバルブを開放又は閉鎖するタイミングである。制御器は、典型的には、各サイクル中に必要に応じて可変タイミングバルブを開放すべきか、又は閉鎖すべきかをさらに決定する。タイミングは、制御器が可変タイミングバルブに対して開放又は閉鎖するよう命令を送る時期であってもよく、可変タイミングバルブが開放又は閉鎖を開始する時期とは異なり得る。
【0029】
当該又は各可変タイミングバルブのタイミングは、初期サイクルの間に計測された1つ又は複数の特性を考慮して決定されてもよい。しかしながら、個々の作動チャンバにつき関連する複数のアクティブに制御されるバルブのうち1つのみのタイミングが、初期サイクルの間に計測された1つ又は複数の特性を考慮して決定されることもあり得る。アクティブに制御されるバルブのタイミングは、各々が後期サイクルより早い複数の初期サイクルの間における流体作動機械の性能のうちの1つ又は複数の特性を考慮してもよい。計測特性の一部又は全てが、可変タイミングバルブが関連する作動チャンバの直前10回の容積サイクル内で計測されることが好ましい。好ましくは、計測特性の一部又は全ては、作動チャンバ容積の第2のサイクルの直前の、可変タイミングバルブが関連する作動チャンバの容積サイクルの間に計測される。方法が、作動チャンバ容積の各サイクルについて、1つ又は複数のアクティブに制御されるバルブを開放するか、閉鎖するか、開放したまま保つか、又は閉鎖したまま保つかを決定するステップを含む実施形態において、好ましくは計測特性は、作動チャンバ容積の第2のサイクルの直前の、可変タイミングバルブが関連する作動チャンバのアクティブ容積サイクルの間に計測される。
【0030】
本方法は、流体作動機械のモータ運転サイクルをアクティブに制御する方法であり得る。この場合、典型的には高圧バルブが上記可変タイミングバルブである。モータ運転サイクルの(典型的には膨張行程の終わりに向かう)間に高圧バルブを閉鎖する正確な時期の制御は、次に作動チャンバ内の圧力が低圧バルブの開放を可能とするのに十分な低さに下がらなければならないため、重要である。本発明者らは、驚くことにモータ運転サイクル中の圧力降下速度が変化し得るとともに非線形的であることを発見しており、これは、受け入れられた作動流体内の混入気体の影響から作動流体が起泡し、混入気体種、混入気体の濃度、温度及び圧力に対して極めて敏感な形で減圧速度に影響が及ぶことに起因している。驚くことに、本発明者らは、高圧バルブの閉鎖速度もまた、例えば、残留磁気、渦電流/渦フラックス、スクイーズ膜及びリーク量に起因して変化することを発見している。高圧バルブが閉鎖され得る最も遅い時期を、あらゆる条件に対して単に一定として仮定するのではなく、計測特性に基づき推定することができるとき、より小さい許容誤差を用い得る。従って、本発明は、公知の方法によって確実に達成し得るものと比べて、各サイクル中に高圧マニホルドからより多くの作動流体を受け入れることが可能である。
【0031】
しかしながら、いくつかの実施形態では可変タイミングバルブは低圧バルブである。作動チャンバに関連する低圧バルブ及び高圧バルブの双方が可変タイミングバルブであってもよく、その各々の開放又は閉鎖のタイミングは、作動チャンバ容積の第2のサイクルの間に、第1のサイクル中に計測された1つ又は複数の特性を考慮して制御される。
【0032】
本方法は、低圧バルブ及び高圧バルブの少なくとも一方の開放又は閉鎖に関するパラメータを監視するステップを含んでもよく、少なくとも1つの計測特性は、監視されるバルブの開放又は閉鎖に関係し得る。
【0033】
可変タイミングバルブが上記低圧バルブ及び上記高圧バルブのうちの一方であり、及び監視されるバルブが上記低圧バルブ及び上記高圧バルブのうちの他方であることもあり得る。しかしながら、監視されるバルブが可変タイミングバルブであってもよい。
【0034】
監視されるバルブの開放又は閉鎖に関する1つ又は複数のパラメータは、以下の1つ又は複数を含み得る:監視されるバルブが作動チャンバ容積の初期サイクルの間に開放するかどうか、監視されるバルブが作動チャンバ容積の初期サイクルの間に閉鎖するかどうか、監視されるバルブが作動チャンバ容積の初期サイクルの間にいつ開放するか、監視されるバルブが作動チャンバ容積の初期サイクルの間にいつ閉鎖するか、監視されるバルブが作動チャンバ容積の初期サイクルの間にいつ閉鎖を開始するか、監視されるバルブが作動チャンバ容積の初期サイクルの間にいつ開放を開始するか、作動チャンバ容積の初期サイクルの間の監視されるバルブの開放速度、又は作動チャンバ容積の初期サイクルの間の監視されるバルブの閉鎖速度。
【0035】
本方法は、必要に応じて、バルブが開放又は閉鎖すべきであるという制御器の信号送出とバルブの開放又は閉鎖の開始及び/又は終了との間に経過する時間、作動チャンバ容積の変化量又はシャフト回転の大きさのうちの1つ又は複数を計測するステップを含み得る。これらは、バルブ及び作動流体の特性に応じて大幅に変化し得る重要なパラメータである。このように、制御器は、作動チャンバ容積の後期サイクルの間にいつ可変タイミングバルブの開放又は閉鎖の信号を送るべきかを決定するときに、上記時間を考慮し得る。
【0036】
監視されるバルブの開放又は閉鎖に関する1つ又は複数のパラメータは、低圧マニホルドの圧力、高圧マニホルドの圧力、作動チャンバの圧力、作動チャンバ容積のサイクルと機械的に連係したシャフトのトルク、又はそれらの変化量のうちの1つ又は複数から決定されてもよい。
【0037】
典型的には、流体作動機械の性能の1つ又は複数の特性の計測値は選択的に考慮される。例えば、一部の計測値は間違っている又は誤っている可能性があると判断され、それにより無視され得る。従って、作動チャンバ容積の後期サイクルの間における上記可変タイミングバルブの開放又は閉鎖の制御及びタイミングにおいて、考慮されない流体作動機械の性能の1つ又は複数の特性の計測値があり得る。作動チャンバ容積の後期サイクルの間に上記可変タイミングバルブの開放又は閉鎖のタイミングを制御するとき、いくつかの実施形態では、流体作動機械の1つ又は複数の特性から構成される計測値の全てが考慮されるが、いくつかの実施形態では、流体作動機械の性能の1つ又は複数の特性から構成される計測値の一部のみが考慮されることもあり得る。従って本方法は、作動チャンバ容積の少なくとも一部のサイクルについて、作動チャンバ容積の初期サイクルの間に流体作動機械の性能のうちの1つ又は複数の特性を計測するステップと、作動チャンバ容積の後期サイクルの間に上記可変タイミングバルブの開放又は閉鎖のタイミングを制御するときに、上記計測された1つ又は複数の特性を考慮しないことを決定するステップとをさらに含み得る。いくつかの実施形態において、上記可変タイミングバルブの開放又は閉鎖のタイミングを、作動チャンバの初期サイクルの間における流体作動機械の性能のうちの1つ又は複数の特性の計測値に応じて制御することが、例えば1つ又は複数の特性の測定量のうちの少なくとも1つが無効条件を満たすとの判断に応答して、選択的に一時抑制され得る。無効条件としては、上記1つ又は複数の特性の計測値が許容範囲外であること、上記1つ又は複数の特性を計測できないこと、予定外の時点における1つ又は複数の特性の計測、又は上記1つ又は複数の特性の適切且つ正確な計測を妨げることが分かっている他のイベントと同時に行われる1つ又は複数の特性の計測を挙げることができる。
【0038】
可変タイミングバルブが低圧バルブ及び高圧バルブの一方であり、本方法が、作動チャンバ容積の初期サイクルの間、制御器によって低圧バルブ及び高圧バルブの他方の閉鎖が生じた後、且つ可変タイミングバルブの開放が完了する前に起こる1つ又は複数のイベントを監視するステップを含むこともあり得る。例えば、本方法は、上記他方のバルブの閉鎖後、且つ続く可変タイミングバルブの開放前の1つ又は複数の時点において、作動チャンバ内の圧力の変化率を計測するステップを含み得る。
【0039】
典型的には、計測が関係する監視されるバルブの開放又は閉鎖はアクティブに制御される。しかしながら、監視されるバルブの開放又は閉鎖は、作動流体圧力が変化する結果としてパッシブに起こってもよい。典型的には本方法は、監視されるバルブのパッシブな開放又は閉鎖に関連又は応答するパラメータを監視するステップを含む。
【0040】
本方法は、作動チャンバ容積の初期サイクルの間に計測された1つ又は複数の特性の使用を含むが、可変タイミングバルブを開放又は閉鎖するタイミングは、作動チャンバに関連する計測パラメータの現在値をさらに考慮して決定されてもよい。現在値は、作動チャンバ容積の後期サイクルの間に計測され、典型的には作動チャンバ内の作動流体の現在の(通常は瞬間の)温度若しくは圧力、又は作動チャンバの容積の変化率(すなわちそれに関連するシャフトの回転速度)である。典型的には可変タイミングバルブを開放又は閉鎖するタイミングは、関数によって作動チャンバに関連する計測パラメータの現在値と関係付けられる。作動チャンバ容積の初期サイクルの間に計測された1つ又は複数の特性を使用して、可変タイミングバルブの開放又は閉鎖のタイミングを作動チャンバに関連する計測パラメータの現在値と関係付ける関数が修正され得る。
【0041】
計測されるバルブ(低圧バルブ又は高圧バルブである)は、ソレノイドを含む電磁操作式バルブであってもよい。この場合、本方法は、上記ソレノイドの少なくとも1つの電気特性を計測することにより1つ又は複数の計測特性の少なくとも1つを得るステップを含み得る。典型的にはソレノイドではバルブの動きに応答して電位差又は電流が誘導され得るため、計測されるバルブの開放又は閉鎖速度などのパラメータは、ソレノイドの計測される電気特性から典型的には決定することができる。計測されるバルブの開放又は閉鎖は、音響センサ(衝撃によって生じる音響又は振動を検出するため)、光学センサ、電気センサ(スイッチなど)又は磁気センサにより検出され得る。バルブの開放又は閉鎖はまた、入口若しくは出口マニホルドの、又は作動チャンバ内の圧力パルスからも検出され得る。バルブが開放又は閉鎖するか否かはまた、バルブが開放位置又は閉鎖位置のいずれにラッチされているものとして検出されるかによっても決定され得る。これはまた、インダクタンスなどの、ソレノイドとソレノイドが作用するバルブヘッドに結合された電機子との間の相対的な距離に応じて変化するソレノイドの電気特性からも決定され得る。
【0042】
本方法は、1つ又は複数の計測特性のうちの少なくとも1つを考慮して、低圧バルブ又は高圧バルブの少なくとも一方が開放又は閉鎖の一方又は双方を行うために必要な時間を推定するステップと、推定された時間を考慮して可変タイミングバルブの開放又は閉鎖のタイミングを決定するステップとを含み得る。
【0043】
先読みアルゴリズムを用いて、複数の初期サイクルの間に計測された値から後期サイクルの間における計測特性の予想値を決定してもよい。これは、1つ又は複数の計測特性が急速に変化するとき、例えば流体作動機械が始動又は停止する間、又は流体作動機械の動作圧が変動しているときに、特に有用である。
【0044】
可変タイミングバルブが低圧バルブ及び高圧バルブの一方であり、可変タイミングバルブを閉鎖するタイミングが、作動チャンバ容積の同じサイクルにおいて後に低圧バルブ及び高圧バルブの他方が開放不能となることを回避しながら、流体作動機械の効率及び円滑さの一方又は双方を最大化するように最適化されることもあり得る。可変タイミングバルブは、必要に応じて、適切に開放又は閉鎖するため指示され得た直前に決定された時期より所定の時間だけ早く開放又は閉鎖するよう指示を受けることがあってもよく、この所定の時間は、初めに機械の動作開始が行われるときは作動チャンバ容積のサイクル時間に対して比較的長く、次に動作が続くに従い作動チャンバ容積のサイクル時間に対して減少し、これは、特性の追加的な計測が行われ、又は計測特性のトレンドが計算され、又は機械の特性(例えば温度)が安定するに従い、作動チャンバ容積の特定のサイクルの間に可変タイミングバルブが開放又は閉鎖不能となることを回避するのに必要な安全マージンを低減し得ることに伴うものである。
【0045】
流体作動機械は複数の作動チャンバを含むことがあってもよく、ここで、第1の作動チャンバに関連する上記可変タイミングバルブのタイミングを制御するときに考慮される1つ又は複数の計測特性は、流体作動機械の第2の作動チャンバの機能のうちの少なくとも1つの計測特性を含む。例えば、受け入れられた作動流体の特性と関係付けられるいずれか一つの作動チャンバの機能の計測特性(例えば受け入れられた作動流体の温度、圧力又は混入気体濃度と関係付けられるもの)は、同様に同じ特性を有する作動流体を受け入れた別の作動チャンバに関連する可変タイミングバルブを開放又は閉鎖するタイミングの決定に有用であり得る。
【0046】
可変タイミングバルブを開放又は閉鎖するタイミングは、計算された最適時期から外れて、後続のサイクルの間における可変タイミングバルブを開放又は閉鎖する最適時期に関する続く計算を促進する計測値をとることが可能となるように変更されてもよい。従って、本方法は、作動チャンバ容積のサイクルに対して、上記低圧又は高圧バルブのアクティブに制御される開放又は閉鎖のタイミングを変化させるステップと、作動チャンバ容積の少なくとも1つの初期サイクルの間における上記アクティブに制御された開放又は閉鎖の各々に続いて流体作動機械の性能の1つ又は複数の特性を計測するステップと、アクティブに制御された開放又は閉鎖の上記タイミングに応じた上記1つ又は複数の特性の応答に関するデータを格納するステップと、作動チャンバ容積の後期サイクルの間における可変タイミングバルブの開放又は閉鎖のタイミングを決定するとき格納されたデータを考慮するステップとを含み得る。
【0047】
好ましくは、作動チャンバと、補助低圧ポートが加圧流体を放出する低圧マニホルドとの圧力差は、主低圧バルブが逆らって開放することのできる圧力差を少なくとも10倍、典型的には少なくとも100倍又は少なくとも1,000倍上回る。
【0048】
流体作動機械はモータであってもよく、その場合、モータ運転サイクルのみを実行するように動作し得る。しかしながら、流体作動機械は、異なる操作モードでモータ又はポンプのいずれとしても機能するように動作してもよく、その場合、モータとして動作している状況下でのみモータ運転サイクルを実行し得る。
【0049】
作動チャンバが、概して固定端と移動端とを有するピストン−シリンダである場合(例えば、ラジアル又はアキシアルピストン機械の場合)、主低圧バルブは好ましくはシリンダの固定端に提供され、主低圧バルブの動きが最小限に抑えられる。主低圧バルブは、シリンダの固定端でシリンダと同軸上にあっても、又はシリンダから半径方向に延在してもよい。高圧バルブもまた典型的にはシリンダの固定端に、典型的には低圧バルブと同軸上に、或いはそれから半径方向に延在して提供される。これらの構成では、好ましくは、補助低圧ポートはシリンダの反対端に提供される。これは、各サイクルにおいてシリンダのあらゆる部分で流体の交換が生じ、シリンダの基部周辺における流体のホットスポットが低減されるという利点を有する。例えば、補助低圧ポートは、シリンダの移動端でシリンダと同軸上にあっても、又はシリンダから半径方向に延在してもよい。
【0050】
制御器は、主低圧バルブの開放及び/又は閉鎖を制御するように動作する。高圧バルブが電子制御式バルブを含む場合、制御器は、好ましくは上記電子制御式バルブの開放及び/又は閉鎖を制御するように動作する。
【0051】
制御器は、好ましくは、特定のサイクルの間に特定の電子制御式バルブを開放及び/又は閉鎖するか否かの決定と、作動チャンバの容積のサイクルに対する特定の電子制御式バルブの開放及び/又は閉鎖の位相の決定との一方、又は好ましくは双方を行うことにより、少なくとも1つの電子制御式バルブ(少なくとも主低圧バルブを含む)の開放及び/又は閉鎖をサイクルベースで制御するように動作する。少なくとも1つの電子制御式バルブの開放及び/又は閉鎖の制御とは、バルブを開放又は閉鎖されたままに保つ可能性を含む。
【0052】
典型的には、少なくとも1つの電子制御式バルブ(少なくとも主低圧バルブを含む)の開放及び/又は閉鎖位相をサイクルベースで制御することにより、制御器は、作動チャンバが複数の異なる選択可能な容積から選択される流体の容積を置換することをサイクルベースでもたらすように動作する。典型的には、複数の異なる選択可能な容積は、個々の作動チャンバによる可能な最大吐出容積と、正味の吐出量なし、とを含む。正味の吐出量なしは、作動チャンバ容積のサイクル全体を通じて電子制御式低圧バルブが開放されたままであるアイドルサイクルによるか、又は例えば国際公開第2007/088380号パンフレットに記載されるとおり、作動チャンバ容積のサイクル全体を通じて作動チャンバを密閉することにより実現され得る。吐出量とは、当該又は各低圧マニホルドから当該(又は各)高圧マニホルドへの、又はその逆の流体の正味の移動を指し、低圧マニホルド間、又は高圧マニホルド間での流体のいかなる正味の移動にも(それは起こり得るが)言及するものではない。複数の異なる選択可能な容積はまた、好ましくは正味の吐出量なしと作動チャンバによる可能な最大吐出容積との間の少なくとも1つの容積、好ましくは複数の容積(例えば、連続的な容積範囲)を含む。しかしながら、複数の作動チャンバが提供される場合、制御器はまた、作動チャンバ群もこの方法で制御し得る。制御器は、典型的には、1つ又は複数の作動チャンバの時間平均正味流体処理量を、一定であっても、又は可変であってもよい受け取る要求信号に対して均衡させる。流体作動機械は、高圧及び/又は低圧マニホルドとそれぞれ連通する高圧及び/又は低圧アキュムレータと組み合わせて使用することにより、入力及び/又は出力流体の圧力又は流量を補整し得る。
【0053】
典型的には、要求信号が一定のままである場合にも、制御器は流量の動作範囲の下端に向かって、正味の流体吐出量がないアイドルサイクルと、作動チャンバの最大行程容積の一部を置換する部分サイクルとを散在させて組み込むように動作する。典型的には、要求信号が一定のままである場合にも、制御器は流量の動作範囲の一部分のなかで、正味の流体吐出量がないアイドルサイクルと、作動チャンバの最大行程容積の一部を置換する部分サイクルと、作動チャンバの最大行程容積を置換する完全サイクルとを散在させて組み込むように動作する。
【0054】
1つ又は複数の電子制御式バルブ(電子制御式主低圧バルブ、及び提供される場合には高圧バルブ及び/又は補助電子制御式バルブを含む)は、典型的には端面シール型バルブである。1つ又は複数の電子制御式バルブ(電子制御式主低圧バルブ、及び提供される場合には高圧バルブ及び/又は補助電子制御式バルブを含む)は、典型的にはポペットバルブである。1つ又は複数の電子制御式バルブ(電子制御式主低圧バルブ、及び提供される場合には電子制御式高圧バルブ及び/又は補助電子制御式バルブを含む)は、電磁作動式ポペットバルブであってもよい。1つ又は複数の電子制御式バルブ(電子制御式主低圧バルブ、及び提供される場合には電子制御式高圧バルブ及び/又は補助電子制御式バルブを含む)は、電磁操作式ポペットバルブであってもよい。
【0055】
低圧バルブは、典型的には作動チャンバに向かう内開きである。高圧バルブは、典型的には作動チャンバから外方に向かう外開きである。
【0056】
流体作動機械が複数の上記作動チャンバを含む実施形態では、必要に応じて、本明細書で考察される任意の好ましい特徴が、典型的には各上記作動チャンバ及び主低圧バルブに、及び関連する場合には各上記作動チャンバに関連する高圧バルブに適用される。典型的には、当該又は各低圧及び高圧マニホルドが複数の上記作動チャンバの2つ以上(例えば、各々)と連通している。
【0057】
本方法は、作動チャンバのモータ運転サイクルの間に、作動チャンバ容積のサイクルと位相が整合する関係で電子制御式主低圧バルブを開放するステップであって、それにより制御器のサイクルベースでのアクティブ制御下に作動チャンバを低圧マニホルドと流体連通させるステップを含み得るとともに、上記モータ運転サイクルの膨張行程の間に、主低圧バルブを開放する前に作動チャンバ内の圧力を放出するステップをさらに含む。圧力は補助低圧ポートを通じて放出され得る。補助低圧ポートは、作動チャンバ容積のサイクルと動作可能に連係する機械的装置によって開放される。典型的には、流体作動機械は回転自在シャフトを含み、補助低圧ポートの開口がその回転自在シャフトに機械的に連係される。
【0058】
本発明は、第3の態様において、流体作動機械の制御器上で実行されると、制御器による第1の態様の方法の実行をもたらすプログラムコードを含むコンピュータソフトウェアに関する。本発明はまた、コンピュータ上で実行されると、請求項1〜
19のいずれか一項に記載の方法により開放又は閉鎖がアクティブに制御される低圧又は高圧バルブを有する流体作動機械の動作の、コンピュータによるシミュレートをもたらすプログラムコードを含むコンピュータソフトウェアにも関する。コンピュータソフトウェアは、典型的にはコンピュータ可読データ記憶媒体内又は媒体上に格納される。
【0059】
本発明の第4の態様によれば、流体作動モータの作動チャンバに受け入れられた液圧作動液中の混入気体の特性を計測する方法であって、上記特性が、作動チャンバを隔離する第1のバルブの閉鎖と、作動チャンバをマニホルドと流体連通させる第2のバルブのパッシブな開放との間に経過する時間から決定される方法が提供される。典型的には、第2のバルブは圧力差(これは所定の圧力差であり得る)に逆らって開放するように動作する。
【0060】
上記特性は、受け入れられた液圧作動流体の圧縮率又は体積弾性率に関し得る。上記特性は、混入気体の濃度又は存在(例えば、混入気体が存在するかどうか、又は閾値を上回る影響を有する量の存在)に関し得る。
【0061】
上記特性は、典型的には、受け入れられた液圧作動液中の混入気体の濃度であるか、又はそれに関する。しかしながら、特性は、例えば作動チャンバ内に封じ込められた混入気体の濃度(及びまた組成)に関する密閉された作動チャンバ内での圧力変化率に関係する特性であってもよい。
【0062】
第2のバルブは、第2のバルブにわたる圧力差が所定の圧力差未満に小さくなるとパッシブに開放するように動作し得る。第2のバルブは、第2のバルブを開放するかどうかを決定するためにアクティブに制御され得るが、第2のバルブにわたる圧力差が所定の圧力差未満に小さくなるまでは開放しないように動作する。例えば、第2のバルブは、圧力差が所定の大きさ未満に小さくなると、主バルブの開放を促進するため実質的な圧力差に逆らって開放可能なパイロットバルブを含む電子的に作動可能なパイロット操作式バルブであってもよい。所定の圧力差は、典型的には付勢手段(典型的には1つ又は複数のばね又は他の弾性部材)によりバルブ部材に及ぼされる力に依存する。
【0063】
第5の態様において、本発明は、容積が周期的に変化する作動チャンバと、低圧マニホルド及び高圧マニホルドと、低圧マニホルドと作動チャンバとの間の連通を調整するための低圧バルブと、高圧マニホルドと作動チャンバとの間の連通を調整するための電子制御式高圧バルブと、低圧バルブ及び高圧バルブの少なくとも一方をアクティブに制御して作動チャンバによる正味の流体吐出量をサイクルベースで決定するように動作する制御器とを含む流体作動機械であって、作動チャンバに受け入れられた作動流体内の混入気体を計測する混入気体計測手段と、制御器が、低圧バルブ及び高圧バルブの少なくとも一方のアクティブな開放又は閉鎖のタイミングを決定するとき、計測された混入気体を考慮するように動作することを特徴とする流体作動機械に関する。
【0064】
混入気体計測手段は、作動チャンバを隔離する第1のバルブの閉鎖と、作動チャンバをマニホルドと流体連通させる第2のバルブのパッシブな開放との間に経過する時間から、作動流体内の混入気体に関連するパラメータを決定し、ここで第2のバルブは所定の圧力差に逆らって開放するように動作する。
【0065】
本発明はまた、流体作動機械の制御器上で実行されると、1つ又は複数のアクティブに制御されるバルブをアクティブに開放又は閉鎖するタイミングについての、混入気体の受け取った計測値を考慮した流体作動機械による決定をもたらすプログラムコード(典型的にはコンピュータ可読記憶媒体上又は媒体内にある)を含むコンピュータソフトウェアにも関する。
【0066】
本発明の第6の態様によれば、容積が周期的に変化する作動チャンバと、低圧マニホルド及び高圧マニホルドと、低圧マニホルドと作動チャンバとの間の連通を調整するための低圧バルブと、高圧マニホルドと作動チャンバとの間の連通を調整するための電子制御式高圧バルブと、少なくとも高圧バルブの閉鎖及び低圧バルブの閉鎖をアクティブに制御して作動チャンバによる正味の流体吐出量をサイクルベースで決定するように動作する制御器とを含む流体作動機械の機能のモデリング方法であって、上記方法が、高圧マニホルドから作動チャンバに受け入れられた流体中の混入気体の特性を考慮するステップを含むことを特徴とする方法が提供される。
【0067】
本発明はまた、第7の態様において、流体作動機械を設計し、シミュレートし、較正し、又は動作させる方法であって、本発明の第6の態様に係る方法により流体作動機械の機能をモデリングするステップを含む方法にも関する。
【0068】
本発明はまた、第8の態様において、流体作動機械の作動チャンバに受け入れられた流体中の混入気体の1つ又は複数の特性を計測するステップと、本発明の第6の態様に係る方法により流体作動機械の機能をモデリングするステップとを含む、流体作動機械を較正する又は動作させる方法であって、考慮される混入気体の特性が、混入気体の計測された1つ又は複数の特性を含む方法にも関する。
【0069】
本発明の第9の態様によれば、流体作動機械の制御方法であって、流体作動機械が、容積が周期的に変化する作動チャンバと、低圧マニホルド及び高圧マニホルドと、低圧マニホルドと作動チャンバとの間の連通を調整するための低圧バルブと、高圧マニホルドと作動チャンバとの間の連通を調整するための高圧バルブと、高圧マニホルド中の流体の検知圧力を計測するための圧力センサと、1つ又は複数の上記バルブをアクティブに制御して作動チャンバによる正味の作動流体吐出量をサイクルベースで決定し、且つ検知圧力を受け取るように動作する制御器とを含み、低圧バルブ及び高圧バルブの少なくとも一方は、作動チャンバ容積のサイクルに対する開放又は閉鎖のタイミングを検知圧力と関係付ける較正関数に従い作動チャンバ容積のサイクルに対する開放又は閉鎖のタイミングが変化する可変タイミングバルブである、方法において、制御器が、使用中に変化する追加のパラメータに応答して較正関数を修正することを特徴とする方法が提供される。
【0070】
従って、較正関数(これが作動チャンバ容積のサイクルに対する開放又は閉鎖のタイミングを検知圧力と関連付ける)は、追加のパラメータ、又は2つ以上の追加のパラメータに応答して修正され得る。追加のパラメータとは、検知圧力以外のパラメータを指す。
【0071】
従って可変タイミングバルブを開放又は閉鎖するタイミングは、瞬間の検知圧力のみならず、使用中に変化する少なくとも1つの追加のパラメータも考慮して制御することができる。これにより、可変タイミングバルブの開放又は閉鎖を、開放又は閉鎖不能となり得る、又は別のバルブを開放又は閉鎖不能と(典型的にはパッシブに)し得る点のより近くで作動させることが可能となる。例えば、高圧バルブの開放を可能にするには間に合う低圧バルブの閉鎖はなお確実にしながら、ポンプ運転サイクルの間における低圧バルブの閉鎖を他の場合と比べてさらに遅延させることが可能となり得る。他の場合では、高圧バルブの開放、従って動作不能の回避を確実にするため、より早い時期に低圧バルブを閉鎖することが必要となり得る。さらに、使用中に変化する追加のパラメータに起因して可変タイミングバルブを開放又は閉鎖する正確なタイミングに変動があった場合に、各サイクル中の流体の吐出容積を他の場合と比べてより正確に特定することが可能となり得る。
【0072】
較正関数は、新規の較正関数を計算することにより修正され得る。較正関数は、メモリから代替の較正関数をロードすることにより修正され得る。較正関数は、2つ以上の較正関数を選択的な方法で組み合わせることによるか、又は較正関数のスケールを変更する(関数の入力又は出力のスケールの変更を含み、及び非線形的スケーリングを含む)ことにより修正され得る。
【0073】
検知圧力は、流体作動機械上若しくはその近傍で計測されてもよく、又は流体作動機械から遠隔で、例えばそれと流体接続している流体作動システムにおいて計測されてもよい。
【0074】
正味の流体吐出量は高圧マニホルドと低圧マニホルドとの間で、ポンプ運転サイクルの場合には低圧マニホルドから高圧マニホルドに、或いはモータ運転サイクルの場合にはそれと逆に生じる。
【0075】
可変タイミングバルブが低圧バルブであり、及び作動チャンバが作動流体の目標正味容積を(作動チャンバを介して低圧マニホルドから高圧マニホルドに)置換するのに適切な時期に低圧バルブが閉鎖するように、較正関数が検知圧力を流体作動機械のポンプ運転又はモータ運転サイクルの間における低圧バルブの閉鎖のタイミングと関係付けることもあり得る。これは、ポンプ運転又はモータ運転サイクルが、それぞれの作動チャンバの最大行程容積の一部のみを置換する部分行程サイクルである場合に特に有用であり得る。
【0076】
可変タイミングバルブが高圧バルブであり、及び作動チャンバが作動流体の目標正味容積を置換するのに適切な時期に高圧バルブが閉鎖するように、較正関数が検知圧力を流体作動機械のモータ運転サイクルの間における高圧バルブの閉鎖のタイミングと関連付けることもあり得る。
【0077】
可変タイミングバルブが低圧バルブであり、及び較正関数が、作動チャンバと高圧マニホルドとの間の圧力を等しくするには(従って続く作動チャンバの吸入行程において作動流体を高圧マニホルドから作動チャンバに入れるため高圧バルブが開放され得るには)十分に上死点(TDC)より手前であるが、作動チャンバが相当量の作動流体を(TDCより前に)高圧マニホルドに放出するほどTDCから手前に離れ過ぎてはおらず、例えば、作動チャンバが0.5cc若しくは1cc;又は作動チャンバの行程容積の3%、5%若しくは10%を放出するほどTDCから手前に離れ過ぎることはないものであり得る低圧バルブの閉鎖を確実にするため、検知圧力を流体作動機械のモータ運転サイクルの間における低圧バルブの閉鎖のタイミングと関係付けることもあり得る。
【0078】
可変タイミングバルブが高圧バルブであり、及び較正関数が、作動チャンバと低圧マニホルドとの間の圧力を等しくするには(従って続く作動チャンバの吐出行程において作動流体を作動チャンバから低圧マニホルドに入れるため低圧バルブが開放され得るには)十分に下死点(BDC)より手前であるが、作動チャンバが相当量の作動流体を(BDCより前に)高圧マニホルドから受け入れることができないほどBDCから手前に離れ過ぎてはおらず、例えば、作動チャンバが1cc若しくは2cc;又は作動チャンバの行程容積の5%、10%若しくは15%を受け入れることができないほどBDCから手前に離れ過ぎることはないものであり得る高圧バルブの閉鎖を確実にするため、検知圧力を流体作動機械のモータ運転サイクルの間における高圧バルブの閉鎖のタイミングと関係付けることもあり得る。
【0079】
追加のパラメータは、作動流体の1つ又は複数の特性の計測値であってもよい。作動流体の当該の又はある上記特性は、作動流体の温度であり得る。作動流体の当該の又はある上記特性は、作動流体の圧縮率に関する計測値であり得る。作動流体の圧縮率に関する計測値は、作動流体中の混入気体を考慮して決定され得る。典型的には、追加のパラメータは、作動チャンバ容積のサイクル頻度以外のパラメータである。
【0080】
概して、作動流体の圧縮率を直接計測することは、困難又は高価である。作動流体の圧縮率は、流体作動機械又はシステムの動作の特性の計測値から求められることもあり得る。
【0081】
従って、追加のパラメータは流体作動機械の動作の特性の計測値から求められることもあり得る。
【0082】
較正関数は、作動チャンバによる実際の時間平均正味流体吐出量が、作動チャンバ容積のサイクルに対して可変タイミングバルブを作動させることにより生じる作動チャンバによる目標時間平均正味流体吐出量と実質的に同じであるかどうかに応じて変化し得る。時間平均正味流体吐出量の実際値と目標値とが実質的に同じであるかどうかは、検知圧力に応じて(及び典型的にはまた、制御器による1つ又は複数の上記バルブのアクティブ制御、及び高圧マニホルドと接続された流体システムのモデルに応じて)決定されることもあり得る。
【0083】
流体作動機械の動作の特性の計測値は、1つ又は複数のバルブのパッシブな(すなわち制御器の直接の制御下にアクティブでない)開放の1つ又は複数の特性の計測値、例えば、作動チャンバに関連する第1のバルブの閉鎖と作動チャンバに関連する第2のバルブの開放との間の時間であり得る。特性としては、速度、加速度及び1つ又は複数のバルブが開放するタイミング(例えば作動チャンバ容積のサイクルに対する位相)が挙げられる。
【0084】
流体作動機械の動作の特性の計測値は、作動チャンバによる正味の流体吐出量に応じた検知圧力の変化率の計測値であることもあり得る。
【0085】
検知圧力の変化率は、作動チャンバによる一回の正味の流体吐出量に関して計測されても、又は1つ又は複数の作動チャンバによる複数の吐出量に関して計測されてもよい。検知圧力の変化率は作動流体の特性、特に圧縮率の関数であり、そのため特性、従って較正関数は変化率から計算することができる。
【0086】
典型的には、流体作動機械は、作動チャンバ容積のサイクルと動作可能に連係する回転自在シャフトの角度位置を決定するためのシャフトセンサを含み、制御器は、シャフトセンサからシャフト角度の計測値を受け取るように動作する。較正関数は、回転自在シャフトの回転に対して計測されるタイミングの角度成分及び時間オフセット成分のうちの1つ又は複数を(追加のパラメータが、可変タイミングバルブの開放角度又は閉鎖角度を変化させるように)決定し得る。
【0087】
典型的には、流体作動機械は、制御器と通信するメモリであって、制御器により、例えば較正関数を定義又は計算するために使用されるデータを格納するメモリを含む。
【0088】
制御器が、格納データと流体作動機械の現在の動作条件とを参照して1つ又は複数のさらなるパラメータを計算し、さらなるパラメータを較正関数と組み合わせることにより、作動チャンバ容積のサイクルに対する可変タイミングバルブの開放又は閉鎖のタイミングを決定することもあり得る。
【0089】
さらなるパラメータとしては、作動チャンバ容積のサイクルと動作可能に連係する回転自在シャフトの回転速度に伴い変化するパラメータと;選択可能な操作モードに伴い変化するパラメータと;可変タイミングバルブの特性(使用中に変化する特性を含む)に応じたパラメータと;使用中に変化しないパラメータとが挙げられる。
【0090】
可変タイミングバルブの開放又は閉鎖は、可変タイミングバルブに対する(作動又は作動停止)信号の一定遅延時間後に起こり、ここで制御器は、さらなるパラメータから遅延時間を計算し、遅延時間を考慮した(作動又は作動停止)信号のタイミングにより可変タイミングバルブの開放又は閉鎖のタイミングを制御することもあり得る。
【0091】
較正関数は、1つ又は複数の追加のパラメータ及び格納データの双方に応じて修正され得る。上記格納データは複数の格納された較正関数を含んでもよく、制御器が使用中に追加のパラメータに応じて1つ又は複数の格納された較正関数を選択することもあり得る。
【0092】
格納データは1つ又は複数の較正関数パラメータを含んでもよく、制御器が、較正関数パラメータ及び追加のパラメータから較正関数を決定することもあり得る。
【0093】
本発明は、第10の態様において、本発明の第9の態様の方法により動作可能な流体作動機械の製造方法であって、流体作動機械を組み立てるステップと、流体作動機械を試験するステップと、流体作動機械の性能を最適化するステップと、上記最適化から得られた値を格納データに格納するステップとを含む方法に関する。
【0094】
本発明は、第11の態様において、本発明の第9の態様の方法により動作可能な流体作動機械の製造方法であって、流体作動機械を組み立てるステップと、流体作動機械の動作のコンピュータシミュレーションを(いずれかの順序で)実行するステップと、コンピュータシミュレーションから得られた値を格納データに格納するステップとを含む方法に関する。
【0095】
実験的最適化及びコンピュータシミュレーション方法は、追加のパラメータを変化させるように作動流体の特性を変化させるステップと、可変タイミングバルブの開放及び閉鎖のタイミングを調節するステップと、流体作動機械の動作を計測するステップと、流体作動機械の動作が最適化されたときに、タイミング値及び追加のパラメータを格納データに記録するステップとを含んでもよい。実験的最適化は、流体作動機械ごとに実行されても、又は流体作動機械の実質的に異なる設計ごとに実行されてもよい。典型的には、上記追加のパラメータは2つ以上ある。典型的には、最適化は、追加のパラメータによっては計測されない予想されるあらゆる動作条件に対して、低圧マニホルドから高圧マニホルドへの、又はその逆の正味の流体吐出量を最大化するものである。
【0096】
本発明の第12の態様によれば、計算装置上で実行されると、計算装置による本発明の第6、第7、第8又は第9の態様に係る方法に従う流体作動機械の機能のモデリング、流体作動機械の機能のシミュレーション、流体作動機械の較正、又は流体作動機械の機能の制御をもたらすプログラム命令を含むコンピュータソフトウェアが提供される。
【0097】
上記で考察されるコンピュータソフトウェアは、典型的には、コンピュータ可読媒体などのキャリア上又はキャリア内に格納される。プログラムコードは、ソースコード、オブジェクトコード、部分的にコンパイルされた形態などのコード中間ソースの形態、又は本発明の方法の実施における使用に好適な任意の他の形態をとり得る。プログラムコードはキャリア上又はキャリア内に格納されてもよく、キャリアは、典型的には、ROM、例えばCD ROM若しくは半導体ROM、又は磁気記録媒体、例えばフロッピー(登録商標)ディスク若しくはハードディスクなどのコンピュータ可読キャリアである。さらに、キャリアは、電気若しくは光ケーブルを介して、又は無線若しくは他の手段により搬送され得る電気信号又は光信号などの伝送可能キャリアであってもよい。プログラムがケーブルによって直接搬送され得る信号に埋め込まれる場合、キャリアはかかるケーブル又は他の装置若しくは手段により構成され得る。
【0098】
本願の任意の態様に関して上述した任意の特徴は、本願の各態様の任意の特徴である。
ここで、以下の図を参照して本発明の例示的実施形態を説明する。