(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シャフトの一部は、椎弓根の少なくとも一部の周りで湾曲させる前に、骨孔を介して延びるように構成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載のリード。
第1グループの電極は、脊椎レベルの1/2倍、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、またはそれ以上倍の長さだけ遠位先端部の近位側に配置されたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1に記載のリード。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、起こり得る合併症および副作用を最小限に抑えつつ、疼痛またはその他の症状を治療するデバイス、システム、および方法を提供する。こうしたデバイス、システム、および方法は、できる限り非侵襲的なものであるため、移植手術により生じ得る合併症を低減し、特定の組織のみを治療し、その付近の他の組織に対する作用を低減または排除するものである。通常、リードまたはカテーテルを用いて、電気刺激および/または薬剤または他の物質を送達することにより治療を行う。説明のために、電気刺激を供給するリードを用いて、本発明の具体例について以下説明するが、この具体例は任意の型式の神経調節法に用いられることは明らかである。本発明は、リードが移動することを抑制して固定性能を改善するとともに、必要に応じて、リードを再配置または取り外しを可能にするものである。また本発明は、複数の標的組織を同時に治療するデバイス、システム、および方法を提供する。これにより、治療時間を短縮し、硬膜上腔に取り付けられる針等のアクセスポイントを低減し、中枢脊椎液の遺漏等の合併症、患者の苦痛、および回復時間等を低減する。複数のデバイスを設置することに関連して起こり得る、その他の合併症を低減することができる。
【0008】
いくつかの実施形態において、後根神経節(DRG)は標的組織であり、このデバイス、システム、および方法は、1つまたはそれ以上のDRGを選択的に刺激し、その他の組織に対する不必要な刺激を最小限に抑制または排除するものである。これにより、好ましくない運動障害等の有害な副作用を極力抑えつつ、疼痛管理を実現することができる。標的組織に対する刺激は、少なくとも1つの電極を有するリードを用いて行われる。
【0009】
本発明に係る第1の態様は、リードを配置構成する方法を提供するものである。このリードは、遠位先端部と、シャフトに沿って遠位先端部から近位側に所定の距離だけ離間して配置された少なくとも1つの電極とを有する。この方法は、少なくとも1つの電極を第2の後根神経節に近接して設置するステップと、シャフトに沿った所定の距離の少なくとも一部を、シャフトに沿って第2の後根神経節に対応する骨孔を通して送達することにより、遠位先端部を第1の後根神経節に近接して設置するステップとを有することを特徴とするものである。
【0010】
いくつかの実施形態では、遠位先端部を第1の後根神経節に近接して設置するステップは、シャフトに沿った所定の距離の少なくとも一部を、椎弓根の少なくとも一部の周りで湾曲させるステップを有する。いくつかの実施形態では、位先端部を第1の後根神経節に近接して設置するステップは、遠位先端部を少なくとも部分的に第1の後根神経節に対応する骨孔を通して送達するステップを有する。
【0011】
任意的ではあるが、この方法は、設置するステップの前に、リードを硬膜上腔内に案内するステップをさらに有する。別の実施形態では、この方法は、設置するステップの前に、リードを仙骨内に案内するステップをさらに有する。さらに別の実施形態では、設置するステップの前に、リードを第2の後根神経節に向かって外部から内部へ案内するステップをさらに有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1および第2の後根神経節は、異なる脊椎レベルにある。異なる脊椎レベルは、隣接する脊椎レベルまたは隣接しない脊椎レベルであってもよい。あるいは、第1および第2の後根神経節は、同一の脊椎レベルにあってもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、リードは、遠位先端部に近接する少なくとも1つの追加的電極を有し、遠位先端部を設置するステップは、少なくとも1つの追加的電極を、第1の後根神経節に近接して設置するステップを有する。
【0014】
本発明に係る第2の態様は、シャフトおよび遠位先端部を有するリードを配置構成する方法を提供するものである。この方法は、リードを硬膜上腔内に挿入するステップと、遠位先端部を硬膜上腔から骨孔を通して水平方向外側に移動させるステップと、シャフトの一部が骨孔の周囲を構成する椎弓根の周りを少なくとも部分的に包囲するように、遠位先端部を硬膜上腔に向かって湾曲させるステップとを有する。いくつかの実施形態では、リードは、遠位先端部に近接する少なくとも1つの電極と、遠位先端部から近位側に所定の距離だけ離間して配置された別の少なくとも1つの電極とを有し、この方法は、少なくとも1つの電極を第1の後根神経節に近接して設置するステップと、別の少なくとも1つの電極を、骨孔に対応する第2の後根神経節に近接して設置するステップとを有する。別の実施形態において、遠位先端部を湾曲させるステップは、シャフトの一部が別の椎弓根の周りを少なくとも部分的に包囲するように、遠位先端部を硬膜上腔に向かって戻るように湾曲させるステップを有することを特徴とするものである。
【0015】
本発明に係る第3の態様は、遠位先端部を含むシャフトを有するリードを配置構成する方法を提供するものである。この方法は、仙骨内にリードを挿入するステップと、仙骨の内側から第1の仙骨孔を介して仙骨の外側に遠位先端部を案内するステップと、仙骨の外側から第2の仙骨孔を介して仙骨の内側に遠位先端部を少なくとも部分的に移動させるステップとを有する。いくつかの実施形態では、リードは、遠位先端部に近接する少なくとも1つの電極と、遠位先端部から近位側に所定の距離だけ離間して配置された別の少なくとも1つの電極とを有し、この方法は、少なくとも1つの電極を第1の後根神経節に近接して設置するステップと、別の少なくとも1つの電極を第2の後根神経節に近接して設置するステップとを有する。別の実施形態では、仙骨内にリードを挿入するステップは、仙骨裂孔を介して仙骨内に挿入するステップを有することを特徴とするものである。
【0016】
本発明に係る第4の態様は、体内の第1および第2の脊椎組織を神経調節するリードを提供するものである。このリードは、遠位先端部を有し、椎弓根の少なくとも一部の周りで湾曲させることができるように構成されたシャフトと、シャフトに沿って遠位先端部に近接して配設された第1グループの電極と、シャフトに沿って第1グループの電極から所定の距離だけ近位側に配設された第2グループの電極とを有し、第1グループの電極と第2グループの電極との間に所定の距離を設けたことにより、第1グループの少なくとも1つの電極を第1の脊椎レベルにある第1の脊椎組織に位置合わせし、第1グループの電極と第2グループの電極との間のシャフトを椎弓根の少なくとも一部の周りで湾曲させ、第2グループの少なくとも1つの電極を第2の脊椎レベルにある第2の脊椎組織に位置合わせすることを特徴とするものである。
【0017】
いくつかの実施形態では、第1および第2の脊椎レベルは、互いに隣接している。別の実施形態では、第1および第2の脊椎レベルは、互いに隣接していない。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1および第2の脊椎組織は、後根神経節である。いくつかの実施形態では、シャフトの一部は、椎弓根の少なくとも一部の周りで湾曲させる前に、骨孔を介して延びるように構成されている。任意的には、シャフトの一部は、椎弓根の少なくとも一部の周りで湾曲させる前に、骨孔を介して延びるように構成されている。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1グループの電極と第2グループの電極との間の所定の距離は、約30mm〜約65mmである。任意的には、シャフトは、硬膜外針を通って移動するような寸法を有する。択一的には、シャフトは、外部から内部へ第1の脊椎組織に向かって案内されるように構成されている。
【0020】
いくつかの実施形態では、シャフトは、湾曲したシースを移動させることにより、湾曲させることができる硬さを有する。別の実施形態では、第1グループの電極は、脊椎レベルの1/2倍、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、またはそれ以上倍の長さだけ遠位先端部の近位側に配置されている。
【0021】
本発明に係る第5の態様は、第1グループを構成する少なくとも1つの電極と、シャフトに沿って第1グループから近位側に所定の距離だけ離間して配置された第2グループを構成する少なくとも1つの電極とを含むシャフトを有するリードを配置構成する方法を提供するものである。この方法は、第1グループの少なくとも1つの電極を第1の後根神経節に近接して設置するステップと、第2グループの少なくとも1つの電極を第2の後根神経節に近接して設置するステップと、第1および第2の後根神経節は、脊椎管の対向する両側にあることを特徴とするものである。
【0022】
いくつかの実施形態では、第1および第2の後根神経節は、同一の脊椎レベルにある。別の実施形態では、第1および第2の後根神経節は、異なる脊椎レベルにある。
【0023】
いくつかの実施形態では、この方法は、硬膜外アプローチにより、脊椎管にアクセスするステップを有する。任意的には、この方法は、第1グループの少なくとも1つの電極を第1の後根神経節に近接して設置するステップの前に、リードを順方向に案内するステップをさらに有していてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、この方法は、外部から内部へのアプローチにより、脊椎管にアクセスするステップを有する、別の実施形態では、この方法は、リードを少なくとも1つの骨孔を介して案内するステップをさらに有していてもよい。
【0025】
本発明に係るその他の目的および利点が、添付図面とともに以下の詳細な説明から明らかとなる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1Aは、本願発明に係る刺激システム10の実施形態を示し、システム10は少なくとも1つの電極102が固定されたリード100と、移植可能なパルス発生器(IPG)112とを有する。リード100は、近位端105と遠位先端部106とを含むシャフト103を有する。近位端105は、リード100をパルス発生器112に電気的に接続するために、パルス発生器112内に挿入することができる。パルス発生器112は、プロセッサ114と、プログラム可能な刺激情報を格納するメモリと、電池等の電源118とを有し、プログラムして起動した後には、体外にある装置とは独立して作動することができる。電磁気または無線による経皮的接続を介して外部プログラムデバイスを用いて、パルス発生器112を作動および停止させて、所望の刺激パルスを発生させることができる。刺激情報とは、電圧、電流、パルス幅、繰返し率、およびバースト率等の信号パラメータを含む。
【0028】
この実施形態では、少なくとも1つの電極102には、遠位先端部106の近くに配設された1つまたはそれ以上の電極102と、遠位先端部106から少なくとも距離dだけ離して配設された1つまたはそれ以上の電極102とが含まれる。特に、この実施形態では、少なくとも1つの電極102には、遠位先端部106の近くに配設された(グループAを構成する)3つの電極102と、シャフト103に沿って配置された(グループBを構成する)3つの電極102とが含まれる。第1グループAおよび第2グループBは、距離dだけ離間して配置されている。距離dは、各グループの電極同士の間の距離より実質的に大きい。この実施形態において、距離dは、各グループの中心から中心までの距離として測定される。距離dを離間させることにより、第1の標的組織付近に第1グループAの電極102を配置するとともに、第2の標的組織付近に第2グループAの電極102を配置することができる。いくつかの実施形態において、第1の標的組織とは第1レベルにある後根神経節(DRG:dorsal root ganglion)であり、第2の標的組織とは第2レベルにある後根神経節である。第1および第2レベルは、互いに隣接していてもよいし、離間していてもよい。以下に詳述するが、グループA,Bの電極を後根神経節に位置合わせするように、リード100をさまざまな位置に配置することができる。そのように配置構成すると、複数の標的組織を同時に治療することにより、配置されるデバイスを小型化して、患者に供給する電流量を低減し、作用領域に対する供給時間を最小限に抑え、複数のデバイスを配置した場合に付随して生じる可能性のある合併症を低減することができる。さらに、そのように配置構成すると、リードを固定してリード移動を抑制し、必要に応じて、リードを容易に再配置し、または取り外すことができる。
【0029】
システム10は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、またはそれ以上の数多くのリード100を有していてもよい。同様に、各リード10は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれ以上の任意の数の電極102を有していてもよい。さらに各リード100は、任意の数の電極グループを有していてもよい。
図1B〜
図1Eは、リード100の電極グループに関するさまざまな配置構成を有する具体例を示す。
図1Bは、
図1Aの実施形態に係るリード100を示す。上述のように、第1グループAおよび第2グループBは、標的組織間の距離に相当する距離dだけ離間して配置されている。この実施形態において、距離dは、各グループのほぼ中心間の距離として測定される。しかし距離dは、標的組織を刺激するために用いられる実際の電極間の距離に相当するものであってもよい。たとえば、患者ごとに人体組織の位置が若干異なるので、グループAの1つの端部近くにある電極102およびグループBの1つの端部近くにある電極102を、標的組織に最も近接して配置してもよい。この場合、距離dは、これらの電極の間の距離として測定される。すなわち距離dは、一般に、リード100のシャフト103に沿った標的組織の間の距離として測定され、複数のグループ内の電極位置に関し多少の差異を有していてもよい。
【0030】
図1Cは、第1グループAの電極102と、第2グループBの電極102とを有するリード100の実施形態を示し、上述の通り、各グループは距離dだけ離間して配置されている。またリードは、長さxの延長遠位先端部106を有する。この延長遠位端を用いて、所望する位置にリード100を固定することができる。この実施形態において、長さxは、第1グループAの中心から遠位先端部106の遠位端までの距離として測定される。この長さxは、後述するように、リード100の目的使用に応じて変化させてもよい。しかし、いくつかの実施形態では、この長さxは距離dとほぼ同程度のものである。別の実施形態では、長さxを距離dより長くしてもよい。任意的には、長さxを距離dより短くしてもよい。
【0031】
図1Dは、第1グループAの電極102と、長さxの延長遠位先端部106とを有する。同様に、長さxは、第1グループAの中心から遠位先端部106の遠位端までの距離として測定される。また長さxは、後述するように、リード100の目的使用に応じて変化させてもよい。
【0032】
図1Eは、第1グループAの電極102、第2グループBの電極102、および第3のグループCの電極102を有するリードの実施形態を示す。第2グループBは、第1グループAから近位側に距離yだけ離間し、第3のグループCは第2グループBから近位側に距離zだけ離間している。距離yおよび距離zは、後述するように、リード100の目的使用に応じて変化させてもよい。ただし、いくつかの実施形態では、距離yおよび/または距離zは距離dと同程度のものであってもよく、距離dは、後根神経節等の標的組織間の距離である。距離yと距離zの合算値(y+z)が距離dと同程度のものであってもよい。グループAが1つの標的組織(DRG1)の近くに配置され、グループCが別の標的組織(DRG2)の近くに配置され、グループBがその中間にあって、脊髄S等の組織に刺激を与えるものであってもよい。
【0033】
いくつかの実施形態において、各電極には、電圧、電流、パルス幅、繰返し率、およびバースト率等の刺激情報を独立してプログラムされる。すなわち少なくとも2つの電極を異なる刺激情報でプログラムすることができる。同様に、いくつかの実施形態では、各グループ内の複数の電極を、電圧、電流、パルス幅、繰返し率、およびバースト率等の刺激情報を独立してプログラムすることができる。すなわち少なくとも2つの電極グループを異なる刺激情報でプログラムすることができる。いくつかのの実施形態では、リードの近位端をパルス発生器内に挿入することができ、ポート内の接点(コンタクト)を介して電気信号を各電極に供給することができる。しかし、リード上の電極の数がポート内の接点の数より多い別の実施形態では、リードを少なくとも2つの半分部分(片割れ)に分割するYコネクタに、リードの近位端を接続してもよい。それぞれの半分部分をパルス発生器内に挿入することができ、ポート内の接点を介して電気信号を各電極に供給することができる。任意の数のYコネクタを使用してもよい。択一的には、多枝コネクタを用いて、各電極に電気信号を供給してもよい。
【0034】
図2Aは、患者の人体内における
図1Aのリード100の例示的な配置位置を示すものであり、第1グループAの電極102は、第1の標的組織に近接し、第2グループBの電極102は、第2の標的組織に近接して配置されている。解剖学的観点から、腰神経根は、それぞれの脊椎骨の椎弓根(pedicle)の下方から延びている。すなわち神経根L2は、椎体L2の椎弓根より下方にあって椎体L2の下側半分に位置する。ここで神経根を、各レベルにあるものとして説明する。たとえば神経根L2はレベルL2にあるものとして説明する。
【0035】
この具体例において、第1の標的組織は第1レベル(L3)にあるDRG1であり、第2の標的組織は第2レベル(L2)にあるDRG2である。椎弓根P1は、DRG1とDRG2の間に位置する。この実施形態において、リード100は脊柱または脊髄Sの腰椎硬膜外腔内を順行性アプローチにより挿入される。リード100は、第2レベル(L2)に沿って脊柱Sの一方の側部にあるDRG2に向けて水平方向外側に案内される。リード100の遠位先端部106は、それぞれの椎間孔(foramen)を通るように案内され、脊柱Sの外側において椎弓根の周りに下方へ湾曲させる。さらに遠位先端部106は、再び脊柱Sに向かって、椎弓根の周りに第1レベル(L3)に沿って案内される。DRG1の位置に左右されるが、遠位先端部106は、それぞれの椎間孔を通るように案内してもよい。この実施形態において、第1グループAの電極102がDRG1の近くに設置され、第2グループBの電極102がDRG2の近くに設置されるように、遠位先端部106を配置構成する。すなわち距離dは、少なくとも、DRG1に対応する椎間孔の直径の半分、椎弓根P1の周囲長の半分、およびDRG2に対応する椎間孔の直径の半分の解剖学的距離と同程度である。これは、椎間孔(foraminal opening)の平均直径(約13mm〜約22mm、通常約18mm)、椎弓根の平均的高さ(約13mm〜約24mm、通常約18mm)、および椎弓根の幅(約6mm〜約18mm、通常約12mm)の合計値として計算することができる。すなわち、いくつかの具体例では、距離dは約45mm〜約50mm、とりわけ少なくとも48mmである。老化、障害、性差、および個体差等に起因する解剖学的な差異により、距離dは、少なくとも約30mm〜約35mmの範囲に、とりわけ少なくとも約32mmに小さくなり、あるいは少なくとも約60mm〜約65mmの範囲に、とりわけ少なくとも約64mmに大きくなる場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、距離dは、少なくとも約30mm〜約65mmの範囲にある。いくつかの実施形態では、距離dは、上記計算による解剖学的距離よりも大きく、この場合、余剰的な長さは、(水平方向外側に延び)単に生体構造の範囲に含まれるものであって、各グループの電極は、それぞれのDRGの近くに設置される。したがって距離dは、場合によっては65mmより大きくてもよい。
【0036】
図2Aにおいて、電極グループA,BがそれぞれのDRG上に設置されたリード100が図示されているが、電極グループA,BはそれぞれのDRGに近接するさまざまな位置またはDRGに隣接して設置してもよい。同様に、リード100は、椎弓根P1に対向する1つまたはそれ以上の位置に配置することができる。リード100は、椎弓根P1の周囲で湾曲させることを支援するために、別の複数の椎弓根または組織部位に対向配置してもよい。
【0037】
図2Aに示すようにリード100を配置することにより、単一のデバイスを用いて、複数の標的組織DRG1,DRG2に対して治療を施すことができる。すなわち、2つのリードではなく、単一のリードを用いて、2つの異なるレベルにある後根神経節(DRG)に刺激を与えることができる。これは、複数のデバイスを配置することに関連する可能性のある不具合を低減することができる。標的組織DRG1,DRG2を同時に、あるいは所望の時間差で独立して刺激することができる。さらに、こうした配置構成により、組織に対する固定を改善することができる。たとえば、リード100が椎弓根P1の周りに湾曲することにより、患者の動きに起因してリード100が移動したり、脱落することを防止することができる。しかしリード100は、取り外しまたは再配置のために引き抜くことはできる。
【0038】
図1Cに示す実施形態のリード100は、同様に配置構成され、第1グループAの電極102がDRG1に近接して設置され、第2グループBの電極102がDRG2に近接して設置される。延長遠位先端部は、さらなる固定のために、たとえば脊椎管S内に延びる。すなわち距離dは、上述と同様、少なくとも、DRG1に対応する椎間孔の直径の半分、椎弓根P1の周囲長の半分、およびDRG2に対応する椎間孔の直径の半分の解剖学的距離と同程度である。さらに、延長遠位先端部106の長さxは、必要な固定力を得るのに十分な長さを有する。いくつかの実施形態によれば、この長さxは、脊椎分節の高さまたは脊髄レベルの1/2と同程度である。いくつかの具体例では、脊椎分節の高さまたは脊髄レベルは、椎弓根(pedicle)の高さと、椎間孔(foraminal opening)の直径との合計値として計算される。平均的な椎弓根の高さが約18mmであり、平均的な椎間孔の直径が約18mmであり、このとき脊椎分節の高さは約36mmであり、長さxは約18mmである。より小さい人体においては、椎弓根の高さが約13mmであり、椎間孔の直径が約13mmであり、このとき脊椎分節の高さは約26mmであり、長さxは約13mmである。より大きい人体においては、椎弓根の高さが約23mmであり、椎間孔の直径が約23mmであり、このとき脊椎分節の高さは約46mmであり、長さxは約23mmである。いくつかの実施形態では、長さxは、脊椎分節の高さすなわち脊髄レベルの1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、またはそれ以上倍の長さを有していてもよい。すなわち長さxは、平均的に、約36mm、約72mm、約108mm、約144mm、約180mm、約216mm、またはそれ以上の長さを有していてもよい。択一的には、長さxはおおよそ脊椎分節の高さすなわち脊髄レベルの増加分であってもよい。
【0039】
図2Bは、
図1Dに示す実施形態のリード100の同様の配置位置を示す。ここでは、第1グループAがDRG2に近接して設置され、延長遠位先端部106は、上述のように、椎弓根P1の周りに第1のレベルに沿って延び、所定位置にリード100を固定するために用いられる。すなわち長さxは距離dとほぼ同程度である。たとえば長さxは、距離dに関して上記したように、少なくとも、DRG1に対応する椎間孔の直径の半分、椎弓根P1の周囲長の半分、およびDRG2に対応する椎間孔の直径の半分の解剖学的距離と同程度である。いくつかの実施形態では、延長遠位先端部106は、さらなる固定のために、たとえば脊椎管S内に延びる。こうした実施形態において、長さxは距離dより長い。いくつかの実施形態では、長さxは、脊椎分節の高さすなわち脊髄レベルの1/2倍、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、またはそれ以上倍の長さだけ距離dより長い。
【0040】
同様に、リード100は逆行性アプローチにより配置構成してもよい。こうしたアプローチにおいては、リード100は、脊椎管Sの一方側にあるDRG1に向けて水平方向外側に案内される。リード100の遠位先端部106は、案内され、脊椎管Sの外側において椎弓根の周りに上方へ湾曲させる。遠位先端部106は、さらに脊椎管Sに向かって戻って、DRG2に向けて椎弓根P1の周りに案内される。リード100は、同一側アプローチまたは反対側アプローチにより、脊椎管S内に挿入することにより配置構成してもよい。こうした挿入は標的とする複数の後根神経節のうちの1つと同じレベルにあってもよい。
【0041】
図3は、患者の体内における
図1Aのリード100の別の具体的な配置構成を示し、第1グループAの電極102が第1の標的組織に近接して設置され、第2グループBの電極102が第2の標的組織に近接して設置される。この具体例では、第1の標的組織が第1のレベル(L3)にあるDRG1であり、第2の標的組織が第3のレベル(L1)にあるDRG3である。このとき椎弓根P1およびDRG2は、DRG1とDRG3の間に存在する。すなわち互いに対して隣接しないレベルにある後根神経節が刺激され、第2のレベル(L2)にあるDRG2は直接的には刺激されない。いくつかの実施形態では、複数の脊髄レベル間の疼痛経路を上昇させ下降させる(上下させる)ことにより、直接的に接続されない脊髄レベルに対する治療的な効果を得ることができる場合には、1つまたはそれ以上のレベルを飛び越して刺激することは好ましい。この技術は、治療対象領域をも最大化するとともに、刺し針の数および潜在的な合併症の数を最小限に抑える。この実施形態において、リード100は、逆行性アプローチにより、脊椎管Sの腰椎硬膜外腔内に案内される。リード100は、脊椎管Sの一方側にあるDRG3に向かって第3のレベル(L1)に沿って水平方向外側に案内される。リード100の遠位先端部106は、それぞれの椎間孔を通るように案内され、脊柱Sの外側において椎弓根の周りに下方へ湾曲させる。遠位先端部106は、逆行性アプローチにより、DRG2を迂回(スキップ)して脊椎管Sの外側を案内される。さらに遠位先端部106は、脊椎管Sに向かって戻り、椎弓根P1の周りにDRG1に向かって第1のレベル(L3)に沿って水平方向外側に案内される。DRG1の位置に依存するが、遠位先端部106は、それぞれの椎間孔を貫通するようにしてもよい。この実施形態では、遠位先端部106は、第1グループAの電極102がDRG3の近くに設置され、第2グループBの電極102がDRG1の近くに設置されるように、配置構成される。
【0042】
この実施形態において、距離dは、少なくとも、DRG1に対応する椎間孔の直径の半分、椎弓根P1の周囲長の半分、DRG2に対応する椎間孔の直径の半分、椎弓根P2の周囲長の半分、およびDRG3に対応する椎間孔の直径の半分の解剖学的距離と同程度である。これは、椎間孔の平均直径の2倍(約26mm〜約44mm、通常約36mm)、椎弓根の平均的高さ(約26mm〜約48mm、通常約36mm)、および椎弓根の幅(約6mm〜約18mm、通常約12mm)の合計値として計算することができる。すなわち、いくつかの具体例では、距離dは約80mm〜約90mm、とりわけ少なくとも84mmである。老化、障害、性差、および個体差等に起因する解剖学的な差異により、距離dは、少なくとも約50mm〜約65mmの範囲に、とりわけ少なくとも約58mmに小さくなり、あるいは少なくとも約100mm〜約120mmの範囲に、とりわけ少なくとも約110mmに大きくなる場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、距離dは、少なくとも約50mm〜約110mmの範囲にある。
【0043】
図3において、電極グループA,BがそれぞれのDRG上に設置されたリード100が図示されているが、電極グループA,BはそれぞれのDRGに近接するさまざまな位置またはDRGに隣接して設置してもよい。同様に、リード100は、椎弓根P1,P2に対向する1つまたはそれ以上の位置に配置することができる。リード100は、椎弓根P1,P2の周囲で湾曲させることを支援するために、別の複数の椎弓根または組織部位に対向配置してもよい。
【0044】
図1Cおよび
図1Dに示す実施形態のリード100は、同様に配置構成してもよい。リード100は、逆行性アプローチにより、非隣接レベル上にあるDRGを同様に刺激するように配置構成してもよい。こうしたアプローチにおいて、脊椎管Sの一方側にあるDRG1に向けて水平方向外側に案内される。リード100の遠位先端部106は、椎弓根P1を越えて案内され、脊椎管Sの外側の椎弓根P1の周りで上方へ湾曲させる。遠位先端部106は、DRG2を迂回して、脊椎管Sに外側に逆行するようにさらに案内される。遠位先端部106は、脊椎管Sに向かって戻って、椎弓根P2の周りを第1のレベル(L1)に沿って案内される。
【0045】
図4は、患者の仙骨SA内にあるリード100の配置位置の具体例を示す。仙骨SAは、脊椎管Sの根元付近にある大きな三角形状の骨であり、2つの骨盤骨または寛骨Hの間の楔状に挿入されるものである。その上方部分は最後の腰椎骨L5に接続され、下方部分は尾骨Cに接続されている。仙骨領域にある後根神経節は、急峻な角度で水平方向外側に延びる後根上に位置し、頸部、胸部、および腰部の領域にある後根神経節とは異なる位置に配置されている。たとえば90%以上のDRGが椎間空間内に存在する腰椎領域の場合とは異なり、仙骨領域のDRGは脊椎管内または椎間孔内に存在する。S1の後根神経節については、その55〜60%が椎間孔内に存在し、40〜45%が脊椎管内に存在する。S2の後根神経節については、より数多くの後根神経節が脊椎管内に存在する。また、S3およびS4の後根神経節については、すべて脊椎管内に存在する。
図4は、(レベルS1,S2,S3,S4にある)各後根神経節が脊椎管内に存在する場合の解剖図を示す。
【0046】
この具体例において、リード100は、第5の仙骨領域の薄板の間にある仙骨背面の中心に沿って、仙骨裂孔SHの開口部を介して脊椎管内に順方向に案内される。同様に、リード100は、第1グループAの電極102が第1の標的組織に近接して設置され、第2グループBの電極102が第2の標的組織に近接して設置されるように構成配置される。ここで、第1の標的組織は第1のレベル(S2)にあるDRG1であり、第2の標的組織は第2のレベル(S1)にあるDRG2である。リード100は、脊椎管Sの硬膜上腔内に案内され、第2のレベル(S1)に沿って水平方向外側であって、脊椎管Sの一方側にあるDRG2に仕向けられる。リード100の遠位先端部106は、DRG2を越える(対応する仙骨孔を通る)ように案内され、仙骨SAに沿って下方へ仙骨SAの外側において湾曲させる。遠位先端部106は、脊椎管Sに向かって戻り、隣接する仙骨孔内に入り、第1のレベル(S2)に沿って存在するDRG1に至るように案内される。この実施形態では、遠位先端部106は、第1グループAの電極102がDRG1に近接して設置され、第2グループBの電極102がDRG2に近接して設置されるように構成配置される。
【0047】
すなわち、この実施形態では、距離dは少なくとも仙骨孔間の解剖学的距離と同程度の距離である。いくつかの実施形態では、距離dは、約30mm〜約35mmの範囲にあり、特に32mmである。老化、障害、性差、および個体差等に起因する解剖学的な差異により、距離dは、少なくとも約22mm〜約28mmの範囲に、とりわけ少なくとも約25mmに小さくなり、あるいは少なくとも約38mm〜約50mmの範囲に、とりわけ少なくとも約42mmに大きくなる場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、距離dは、少なくとも約22mm〜約50mmの範囲にある。
【0048】
図4において、電極グループA,BがそれぞれのDRG上に設置されたリード100が図示されているが、電極グループA,BはそれぞれのDRGに近接するさまざまな位置またはDRGに隣接して設置してもよい。
【0049】
リード100を
図4に示すように配置構成することにより、仙骨領域を刺激する上で特別の利点が得られる。仙骨領域を用いて疼痛を治療するだけでなく、さまざまな別の骨盤底障害を治療することができる。骨盤底障害は、尿失禁、便秘、直腸痛、膣および/または直腸の脱出症、骨盤の疼痛/外傷および性機能障害(性交疼痛、性交不能症)を含む。神経刺激リードを患者の仙骨に移植する従来式の外科手術は、切開術として知られた手法で大きな仙骨切開口を設けるため、侵襲的なものである。切開術は、S4の下方からS1まで仙骨に中央切開口を設けることを含む。切開口を設けた後、傍脊柱筋繊維群を分割して、鋭く後退させる。すると仙骨孔が露出する。所望の仙骨孔が特定されると、刺激リードを挿入できるように、別の小さな切開口を所望の仙骨孔上に設ける。刺激リードは、その切開口を通して挿入される。このように刺激リードを外科的に移植することにより、患者は合併症を患い、相当の回復期間を必要とし、医療管理システムに実質的な費用を生じる可能性がある。さらに、リードの固定は、通常、仙骨の周囲の組織に縫合することにより行われる。しかしながら、その組織は、比較的に脆弱で、1本または2本の縫合糸しか貫通させることができない。たとえリードを固定したとしても、完全な信頼性が得られるということはない。さらに、リードを組織に縫合しているとき、リードが最適な位置から移動することがある。抜糸後の長期間において、あるいは移植の最中において、リードが移動すると、悪影響が生じる。たとえば、神経に近接して設置された対象物が意図せず移動すると、意図せず神経に損傷を与えることがある。さらに神経に高い信頼性で刺激を与えるためには、電気刺激に対する一定の神経反応を必要とし、そのためには神経の近くにあるリードの電極部分の配置位置を固定する必要がある。いくつかの実施形態では、より高い信頼性で固定するために、骨ねじ(bone screw)を用いて、仙骨自体にリードを固定する試みがなされてきた。その他の合併症の中でも、そのように固定することは、侵襲的であり、リードの取り外しのために元に戻すことがよりいっそう困難となる。
【0050】
本発明に係るリード100を
図4に示すように配置構成すると、侵襲性が最小限に抑えられ、設置、固定、および取り外しが容易となる。リード100を1つの仙骨孔から別の仙骨孔に貫通湾曲させることにより、リード100が移動し、または抜け落ちることを防ぐことができる。しかしながら、リード100は、所定位置に縫合され、またはねじで固定されていないので、容易に取り外し、再配置することができる。
【0051】
図4と同様の手法を用いて、互いに隣接しないレベルにある後根神経節を刺激するように、リード100を仙骨SA内に配置構成することができる。こうした実施形態の具体例において、リード100は、脊椎管Sの硬膜上腔内に案内され、第2のレベル(S1)に沿って水平方向外側であって、脊椎管Sの一方側にあるDRG2に仕向けられる。リード100の遠位先端部106は、DRG2を越える(対応する仙骨孔を通る)ように案内され、仙骨SAに沿って下方へ仙骨SAの外側において湾曲させる。遠位先端部106は、脊椎管Sに向かって戻り、隣接しない仙骨孔内に入り、第1のレベル(S3)に沿って存在するDRG1に至るように案内される。すなわち第2のレベル(S1)にある後根神経節は、迂回され、刺激されない。1つまたはそれ以上のレベルを迂回して、複数の脊髄レベル間の疼痛経路を上昇させ下降させる(上下させる)ことにより、直接的に接続されない脊髄レベルに対する治療的な効果を得ることができる。こうした実施形態において、距離dは、少なくとも挿入する仙骨孔間の距離となる。たとえば1つのレベルを迂回すると、距離dは、平均的な仙骨孔間の距離の少なくとも2倍の距離と同程度となる。いくつかの実施形態では、距離dは、少なくとも約60mm〜約70mmの範囲にあり、特に約64mmである。2つのレベルを迂回した場合、距離dは、平均的な仙骨孔間の解剖学的距離の少なくとも3倍の距離と同程度となる。いくつかの実施形態では、その距離dは、少なくとも約80mm〜約100mmの範囲にあり、特に約96mmである。いくつかの具体例では、仙骨の内部および上方にある後根神経節の両方を刺激することができる。たとえば、リード100は、第1グループAの電極102がレベルS1にある後根神経節に近接して設置され、第2グループBの電極102がレベルL5にある後根神経節に近接して設置されるように構成配置することができる。こうした具体例において、距離dは、少なくとも関連する仙骨孔間の距離となる。
【0052】
さらにリード100は、隣接するか、または隣接しないレベルにある複数の後根神経節を刺激するように、仙骨SA内に逆行性アプローチにより配置構成してもよい。こうしたアプローチにおいては、リード100は、仙骨SAの上方に挿入され、仙骨領域内に下方へ案内される。1つの実施形態では、リード100は、脊椎管Sの硬膜上腔内に案内され、脊椎管Sの一方側にあるDRG1に向かって水平方向外側に配向される。リード100の遠位先端部106は、DRG1を越える(対応する仙骨孔を通る)ように案内され、仙骨SAに沿って上方へ仙骨SAの外側において湾曲させる。遠位先端部106は、脊椎管Sに向かって戻り、隣接する仙骨孔内に入り、DRG2に至るように案内される。
【0053】
図1Cおよび
図1Dに示す実施形態のリード100は、同様に(順行性または逆行性アプローチ、隣接または非隣接レベル等)配置構成してもよい。いくつかの実施形態では、遠位先端部106は、さらなる固定のために、さらに上方へ仙骨孔または脊椎管Sの内部に延びる。こうした実施形態では、延長遠位先端部106の長さxは、脊椎分節の高さまたは脊髄レベルの1/2倍、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、またはそれ以上倍の長さを有する。
【0054】
図5Aは、本発明に係るリード100の患者の体内における別の例示的な配置構成を示し、第1グループAの電極102が第1の標的組織に近接して設置され、第2グループBの電極102が第2の標的組織に近接して設置されている。この具体例では、第1の標的組織が第1のレベル(L3)にあるDRG1であり、第2の標的組織が第2のレベル(L2)にあるDRG2であり、椎弓根P1は、DRG1とDRG2の間に位置する。この実施形態において、リード100は、椎間空間の外部から(extraforaminally)、すなわち「外部から内部への」アプローチにより、周辺神経P、脊椎横突起、または他の骨構造体等に沿って、後根神経節および脊椎管Sに向かって案内される。最初に、リード100の遠位先端部106は、第2のレベル(L2)に沿って椎間孔を通り、DRG2に向かって案内され、硬膜上腔内において脊椎管Sに沿って下方に椎弓根P1の周りで湾曲させる。遠位先端部106は、脊椎管Sから、第1のレベル(L3)に沿ってDRG1に向かう(さらにDRG1の位置に依存する対応する椎間孔を通過する)ようにさらに案内される。この実施形態では、遠位先端部106は、第1グループAの電極102がDRG1に近接して設置され、第2グループBの電極102がDRG2に近接して設置されるように構成配置される。
【0055】
こうした実施形態において、距離dは、少なくとも、DRG1に対応する椎間孔の直径の半分、椎弓根P1の周囲長の半分、およびDRG2に対応する椎間孔の直径の半分の解剖学的距離と同程度である。これは、椎間孔(foraminal opening)の平均直径(約13mm〜約22mm、通常約18mm)、椎弓根の平均的高さ(約13mm〜約24mm、通常約18mm)、および椎弓根の幅(約6mm〜約18mm、通常約12mm)の合計値として計算することができる。すなわち、いくつかの具体例では、距離dは約45mm〜約50mm、とりわけ少なくとも48mmである。老化、障害、性差、および個体差等に起因する解剖学的な差異により、距離dは、少なくとも約30mm〜約35mmの範囲に、とりわけ少なくとも約32mmに小さくなり、あるいは少なくとも約60mm〜約65mmの範囲に、とりわけ少なくとも約64mmに大きくなる場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、距離dは、少なくとも約30mm〜約65mmの範囲にある。
【0056】
図5Aにおいて、電極グループA,BがそれぞれのDRG付近に設置されたリード100が図示されているが、電極グループA,BはそれぞれのDRG上またはDRGに近接するさまざまな位置に設置してもよい。同様に、リード100は、椎弓根P1に対向する1つまたはそれ以上の位置に配置してもよい。リード100は、椎弓根P1の周囲で湾曲させることを支援するために、別の複数の椎弓根または組織部位に対向配置してもよい。
【0057】
遠位先端部106は、隣接しない複数のレベルを刺激するために、脊椎管Sをさらに下方に案内し、脊椎管Sから離れ、隣接しないDRGに向かうように案内してもよい。同様に、リード100は、脊椎管Sを通り、その周囲を湾曲させて、隣接レベルまたは非隣接レベルに沿って脊椎管Sから離れるように配置構成してもよい。さらにリード100は、脊椎管Sの硬膜上腔内の中心線Mを横断貫通して、反対側にある椎弓根P1’の周りを包囲するように構成してもよい。このような実施形態では、リード100は、椎間空間の外部から、すなわち「外部から内部への」アプローチにより、周辺神経P、脊椎横突起、または他の骨構造体等に沿って、DRG2および脊椎管Sに向かって案内される。リード100の遠位先端部106は、第2のレベル(L2)に沿って対応する椎間孔を通り、DRG2に向かい、脊椎管Sの中心線Mを横断貫通するように案内される。遠位先端部106は、DRG2’に案内され、対応する椎間孔を通過する。遠位先端部106は、椎弓根P1’の周りを下方へ湾曲し、第1のレベル(L3)に沿ってDRG1’に向かう(さらにDRG1’の位置に依存する対応する椎間孔を通過する)ように案内される。この実施形態では、遠位先端部106は、第1グループAの電極102がDRG1’に近接して設置され、第2グループBの電極102がDRG2’に近接して設置されるように構成配置される。
【0058】
図5Bを参照すると、
図1Dに示す実施形態に係るリード100が同様に配置構成されている。ここでは、第1グループAの電極102が標的組織(DRG)に近接して設置され、延長遠位先端部106が脊椎管S内に延びている。この具体例では、延長遠位先端部106は、逆行方向に延びているが、順行方向に延びていてもよいことは明らかである。いずれの場合でも、遠位先端部106は固定に十分な距離だけ延びている。すなわち、さまざまな実施形態において、長さxは、脊髄レベルの1/2倍の距離(約26mm)、1倍の距離(約48mm)、2倍の距離(約58mm)、3倍の距離(約78mm)、4倍の距離(約104mm)、またはそれ以上の距離と同程度である。延長遠位先端部106は、脊椎管Sの中心線Mを横断貫通し、部分的に椎間孔を通過するか、あるいは反対側にある椎弓根P1’の周りを包囲するように構成してもよい。
【0059】
図5Aおよび
図5Bに示す方法およびデバイスは、仙骨SAに対しても同様に応用することができる。すなわちリード100は、椎間空間の外部から、すなわち「外部から内部への」アプローチにより、後根神経節および脊椎管Sに向かって案内される。最初に、リード100の遠位先端部106は、第2のレベル(S1)に沿って仙骨孔を通り、DRG2に向かって案内される。遠位先端部106は、仙骨SA内で第1のレベル(S2)にあるDRG1に向かって下方に湾曲するものであり、任意的には、対応する仙骨孔を通過してもよい。リード100を
図5Bの実施形態のように用いる場合、延長遠位先端部106は、固定のために、仙骨SA内において延びて、維持されてもよい。択一的には、延長遠位先端部106は、仙骨SA内であって、別の仙骨孔に向かって、またはその仙骨孔内で湾曲させてもよい。
【0060】
リード100は、さまざまな送達システムとともに上記のように配置構成することができる。
図6A〜
図6Dは、1つの実施形態に係るリード100(
図6A)および互換性を有する送達システム120を示し、この送達システムは、シース122(
図6B)、スタイレット124(
図6C)、および導入針126(
図6D)を有する。図示のように、リード100は、遠位先端部106付近に配置された(第1グループAを構成する)3つの電極102と、遠位先端部106からシャフト10に沿って少なくとも距離dだけ離間して配置された(第2グループBを構成する)3つの電極102とを有する。この実施形態において、リード100は閉口した遠位先端部106を有する。この実施形態において、遠位先端部106は、丸みを帯びた形状、(図示のような)ボール形状、涙形状、または円錐状等のさまざまな形状を有していてもよい。これらの形状は、リード100の非侵襲性先端部を構成し、その他の機能を果たす。またリード100は、閉口遠位先端部106に向かって延びるスタイレットルーメン(スタイレット内管)104を有する。
【0061】
図6Bは、本発明に係るシース122の実施形態を示す。シース122は、80度〜165度の範囲の角度αを有するように予め湾曲させた遠位端128を有する。シース122は、
図7に示すように、遠位端128の一部分がリード100の遠位先端部106に隣接するまでシャフト103上に案内されるような寸法および構成を有する。すなわち、ボール形状の遠位先端部106は、これをシース122が乗り越えないようにするものである。リード100をシース122内に貫通させることにより、シース122の予備湾曲(事前の湾曲)に応じて、リード100を湾曲させることができる。すなわち
図2および
図3に示すようにリード100を配置する場合、シース122を用いて、脊椎管Sに沿って、かつ標的DRGに向かってリード100を誘導することを支援できる。同様に、たとえば
図4に示すようにリード100を配置する場合、たとえば水平方向の標的DRGに向けて仙骨SAを貫通するようにリード100を誘導することを支援できる。たとえば
図5に示すようにリード100を配置する場合、周辺神経Pに沿って、脊椎管Sに向けて、そして椎弓根P1の周りにリード100を誘導することを支援できる。
【0062】
再び
図6Cを参照すると、本発明に係るスタイレット124の実施形態が図示されている。スタイレット124は、曲率半径が約0.1インチ〜約0.5インチの範囲となるように予め湾曲させた遠位端130を有する。スタイレット124は、リード100のスタイレットルーメン104内に案内されるような寸法および構成を有する。通常、スタイレット124は、その遠位端130がリード100の遠位端
101と位置合わせされるようにスタイレットルーメン内を貫通する。スタイレット124がリード100内を貫通することにより、リード100がスタイレット124の所定の曲率に応じて湾曲する。一般に、スタイレット124は、シース122より小さい曲率半径を有し、すなわち締まって湾曲している。したがって、
図8に示すように、スタイレット124をリード100内に配置するとき、リード100およびスタイレット124の延長部がシース122を通ると、リード100は湾曲し、第1の湾曲部123を貫通するように案内される。リード100およびスタイレット124の延長部がシース122の遠位端128を越えると、リード100は、第2の湾曲部125に沿ってさらに湾曲する。これにより、リード100は、1つまたはそれ以上の椎弓根の周囲において急転回してより小さい曲率半径で湾曲することができる。
【0063】
図9Aおよび
図9Bは、
図2に示すようにリード100を配置構成するために用いられた
図6A〜
図6Dに示すリードおよび送達システムの実施形態を示すものである。ここでシース122はリード100のシャフト103上を移動する。シース122がリード100上を移動することにより、リード100がシース122の所定の曲率に応じて湾曲する。シース122は、リード100を脊椎管Sに沿って標的DRG2に向かって水平方向に挿入することを支援する。
図9Aは、リード100が標的DRG2に配向されるように配置されたシース122を示し、リード100がシース122の遠位端を越えて案内される様子を示すものである。
図9Bは、リード100がシース122の遠位端を越えてさらに延びるように案内された様子を示すものである。リード100内のスタイレット124は、予め湾曲するように形成されたものであり、リード100がスタイレット124の所定の曲率に応じて湾曲する。この湾曲により、リード100は、椎弓根P1の周りに導き、リード100の先端部を標的DRG1に向かうように案内される。こうしてリード100は、好適に、第1グループAの電極102をDRG1に近接して設置するとともに、第2グループBの電極102をDRG2に近接して設置するように案内することができる。その後、スタイレット124およびシース122は取り出され、リード100を所定位置に留置させる。
【0064】
このリード100は、自ら回転させ、操作させることがないので、硬い構造体または回転可能な構造体を必要としない。リード100は、シース122およびスタイレット124を用いて配置されるので、2段階の曲率で湾曲させることができる。これにより、オペーレータは、複数の手を用いて、リード100と、場合によってはシースとを回転させる必要がなくなる。またリード100をより小さい外形を有し、極めて柔軟で可撓性のある構造を有するものとすることができる。したがって、リード100が移植された後において、標的DRGおよび/または神経根などの神経組織に対する圧力により生じる障害および不快感を最小限に抑えることができる。たとえば柔軟で可撓性のあるリード100は、(屈曲、屈伸、捻れなどの)体の運動によりリード100に加わる力の大きさを最小限に抑制することができる。
【0065】
再び
図6Dを参照すると、導入針126の実施形態が図示されている。硬膜外アプローチを採用したとき、導入針126を用いて、脊椎管Sの硬膜上腔にアクセスすることができる。導入針126は、中空シャフト127を有し、通常、極めてわずかに湾曲した遠位端132を有する。中空シャフト127は、リード100、シース122、およびスタイレット124の中を貫通できるような寸法を有する。いくつかの実施形態では、導入針126は、硬膜上腔内に従来式の経皮リードを設置するために用いられる硬膜外針の寸法と一致する14ゲージの針である。しかし、特により小さい16〜18ゲージの針等、別の寸法を有する針を用いてもよい。同様に、臨床医により知られたさまざまな先端部、あるいは特定の用途のための設計された特別仕様の先端部を有する針を用いてもよい。導入針126は、通常、近位端の近くにおいてルアーロック(Luer-Lok、登録商標)134取付具または他の取付具を有する。ルアーロック134取付具は、シリンジなどの雄型取付具のスリーブに係合するタブ付きハブを有する雌型の取付具である。
【0066】
例示的なリード、送達システム、および送達システム120および他の送達システムを用いて標的DRGに接近させる方法は、2009年1月14日付けで出願された米国仮特許出願第61/144,690号、および2010年1月14日付けで出願された米国特許出願第12/687,737号に記載されており、これらの内容はすべての目的においてここに一体のものとして本願に統合される。特に、複数のシースを用いて、リード100を所望の位置に所望するように案内することができる。たとえば追加的なシースを上述の送達システム120とともに用いることができる。こうした状況において、追加的なシースはシース122の中を移動することができ、リード100は追加的なシースの中を移動することができる。追加的なシースは直線的であるか、あるいは所望の曲率を有するものであってもよい。たとえば追加的なシースは、リード100が椎弓根の周りに案内されるように湾曲したものであってもよい。追加的なシースは、比較的に柔らかいリードを仕向けることができるような硬さを有する。択一的には、より硬いリードを用いて、方向性を制御するようにしてもよい。
【0067】
図10A〜
図10Dは、
図2に示すようにリード100を配置構成するために用いられた、
図6A〜
図6Dに示すリード100および追加的なシース122’を含む送達システム120の実施形態を示すものである。
図10Aを参照すると、複数のシース、シース122および(その中にある)シース122’をリード100のシャフト103上を移動させて、リード100を標的DRG2に向けて案内する。上記のように、シースが予め湾曲しているため、リード100は標的DRG2に向かって水平方向に湾曲する。
図10Bは、シース122の遠位端を越えて伸びる追加的シース122’を図示している。追加的シース122’が予め湾曲していることにより、リード100が椎弓根P1の周りで湾曲することが支援される。
図10Cは、追加的シース122’の遠位端を越えて伸びるリード100を図示している。リード100内において、スタイレット124は予め湾曲しており、スタイレット124の所定の曲率に応じてリード100を湾曲させるものである。この湾曲により、リード100を椎弓根P1の周りで湾曲しやすくし、リード100の遠位端を標的DRG2に仕向けやすくする。第1グループAの電極102をDRG1に近接して設置するとともに、第2グループBの電極102をDRG2に近接して設置するように、リード100をさらに前方へ移動させることができる。その後、シース122およびシース122’を取り外して、
図10Dに示すように、リード100を所定位置に留置させる。スタイレットを用いず、複数のシースを用いるなどして、送達ツールのさまざまな組み合わせを択一的に用いることができる。
【0068】
他の型式のリードおよび対応する送達システムを用いて、本明細書で説明するようにリードを配置構成することができる。たとえば、シースの中で送達可能なリードを予め湾曲させた形状とする一方、シースを実質的に直線的な形状とするか、リードより大きい曲率半径を有するように、より直線的な形状とすることができる。シースからリードを抜き出すことにより、リードを元の所定の湾曲形状に戻すことができる。リードおよびシースの曲率半径の組み合わせを変えることにより、さまざまな第1および第2の湾曲を実現することができる。リードが所望の位置に配置された後は、シースを抜き取ることができる。
【0069】
図5Aを参照すると、2つの後根神経節(DRG1,DRG2)を同時に刺激する単一のリード100が図示されている。別の実施形態においては、同様に2つの後根神経節が椎間空間の外部からのアプローチにより刺激されるが、2つのリードが送達されるものであってもよい。
図11は、こうした送達に用いられる送達システム200の実施形態を示すものである。送達システム200は、送達デバイス202と、導入部204とを有する。送達デバイス202は、近位端および遠位先端部210を含むシャフト206を有する。シャフト206は、近位端208から遠位先端部210まで、またはその近くまで延びる第1のルーメン212を有する。図示のように、第1のリード300は、第1のルーメン212内を移動することができ、その遠位端304の近くに少なくとも1つの電極302が送達デバイス202の遠位先端部210を越えて延びるように配設されている。またシャフト206は、近位端208からシャフト206に沿って配設されたポート(開口部)218まで延びる第2のルーメン216を有する。第2のリード306は、第2のルーメン216内を移動することができ、その遠位端308の近くに少なくとも1つの電極303がポート218を貫通して延びるように配設されている。ポート218は、遠位先端部210から距離d’だけ離間して配置されている。距離d’だけ離間させることにより、少なくとも1つの電極302が第1の標的組織に近接して設置されるように、第1のリード300を送達するとともに、少なくとも1つの電極303が第2の標的組織に近接して設置されるように、第2のリード306を送達することができる。すなわち距離d’は、上述の実施形態における距離dと同程度のものであってもよい。
【0070】
いくつかの実施形態において、シャフト206は、たとえば湾曲させて、第1および第2のリード300,306を反対方向など所望の方向に仕向けるような形状を有する。導入部204は、通常、シャフト206が導入部204内を移動するときに、シャフト206の形状を実質的に真っ直ぐにする程度に十分な硬さを有する材料で構成されている。いくつかの実施形態では、導入部204は針を有する。別の実施形態では、導入部204はシースを有する。
【0071】
図12A〜
図12Eは、送達システム200とともに用いられるリード300,306を送達する例示的な方法を示すものである。この具体例において、第1の標的組織は第1のレベルにあるDRG1を含み、第2の標的組織は第2のレベルにあるDRG2を含み、これらの間に椎弓根P1がある。
図12Aに示すように、システム200が椎弓根P1の上方にあるDRG2に向かって挿入される。システム200は、送達デバイス202が直線的な形態のまま導入部204内を移動するように構成されている。
図12Bに示すように、デバイス202の一部が導入部204を越えて前方に延びている。デバイス202は、導入部204から解放されると、湾曲形状に復帰して、デバイス202の遠位先端部210が椎弓根P1の周りにDRG1に向かって案内される。
図12Cに示すように、導入部204が取り出され、デバイス202を所定位置に留置させる。図示のように、遠位先端部210が第1の標的組織(DRG1)に向かって案内され、ポート218が第2の標的組織(DRG2)に向かって案内されるように、デバイス202は配置構成される。
図12Dに示すように、リード300は、第1のルーメン212内を移動して、1つまたはそれ以上の少なくとも1つの電極302が遠位先端部210から延びている。少なくとも1つの電極302がDRG1に対して好適に配置されるまで、リード300を移動させる。同様に、リード306は、第2のルーメン216内を移動して、1つまたはそれ以上の少なくとも1つの電極303がポート218から延びている。少なくとも1つの電極303がDRG2に対して好適に配置されるまで、リード306を移動させる。
図12Eに示すように、送達デバイス202は取り出され、リード300,306を所定位置に留置させる。
【0072】
図13は、患者の体内にある
図1のリード100の別の例示的な配置構成を示すものであり、第1グループAの電極102が第1の標的組織に近接して設置され、第2グループBの電極102が第2の標的組織に近接して設置される。この具体例では、第1の標的組織が第1のレベル(T12)にあるDRG1であり、第2の標的組織が同じレベル(T12)にあるDRG2である。ここでは、リード100は、椎間空間の外部から、すなわち「外部から内部への」アプローチにより、周辺神経Pに沿って、後根神経節および脊椎管Sに向かって挿入される。最初に、リード100の遠位先端部106は、第1のレベル(T12)に沿って対応する椎間孔を通り、DRG2に向かって挿入される。リード100の遠位先端部106は、中心線Mまたは脊椎管Sを横断して、同じレベル(T12)にあるDRG1に向かう(さらにDRG1の位置に依存して対応する椎間孔を通過する)ようにさらに挿入される。この実施形態では、第1グループAの電極102がDRG1に近接して設置され、第2グループBの電極102がDRG2に近接して設置されるように、遠位先端部106を配置構成する。
図13のリード100は、グループA,Bの電極が対応するDRG上に設置されるように図示されているが、対応するDRGの上方のまたは近接するさまざまな位置に設置されるように構成配置してもよい。同様に、リード100は、1つまたはそれ以上の位置にある椎間孔P1,P1’に対向するように配置してもよい。またリード100は、脊椎管S内の硬膜の前方または後方に設置してもよい。
【0073】
別の実施形態において、リード100は、脊柱の対向する両側にあって、異なるレベルにある標的組織を刺激するように配置してもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、第1の標的組織が第1のレベル(T12)にあるDRG1であり、第2の標的組織が隣接するレベル(L1)にあるDRG3である。択一的には、別の実施形態において、第1の標的組織が第1のレベル(T12)にあるDRG1であり、第2の標的組織が隣接しないレベル(L2)にあるDRG4である。これらの実施形態のそれぞれにおいて、上述したような送達システムを用いてリード100を送達する。
【0074】
図14は、脊椎管Sの対向する両側にあって、任意的に異なるレベルにある標的組織を刺激するリード100の別の例示的な配置構成を示すものである。この実施形態において、第1の標的組織が第1のレベルにあるDRG1であり、第2の標的組織が同じレベルにあるDRG2である。ここでは、リード100は、硬膜外から順方向性アプローチにより、脊椎管Sに沿って挿入される。上述したような送達システムを用いて、第1グループAの電極102がDRG1に近接して設置されるように、遠位先端部を配置構成する。リード100は、同一の脊椎レベルにある脊椎管Sの中心線Mを横断するように延び、第2グループBの電極102がDRG2に近接して設置される。すなわち単一のリードを用いて、同一の脊椎レベルにある2つの異なる標的組織を刺激することができる。同様に、異なる脊椎レベルにある異なる標的組織を刺激するように、リード100を配置構成してもよい。こうした実施形態において、リード100は、脊椎管Sの中心線Mを横断して異なる脊椎レベルに延び、このとき第2グループBの電極102がDRG3またはDRG4に近接して設置される。同様に、リード100は、脊椎管Sをジクザクに横断するようなさまざまな位置に配置構成して、異なるレベルにあって、および/または脊椎管Sの同一側または対向する両側にある標的組織を刺激するように配置構成してもよく、電極はこうした配置構成に応じた、リードに沿った任意の位置に設置するようにしてもよい。いくつかの具体例を挙げると、逆行性アプローチ(retrograde approach)、対側性アプローチ(contralateral approach)、同側性アプローチ(ipsilateral approach)、または外部から内部へのアプローチ(extraforaminal approach)等の任意の適当なアプローチにより、リードを配置構成してもよい。
【0075】
図15A〜
図15Dは、患者の体内にある
図1のリード100の別の例示的な配置構成を示すものであり、第1グループAの電極102が第1の標的組織に近接して設置され、第2グループBの電極102が第2の標的組織に近接して設置される。この具体例では、第1の標的組織が第1のレベルにあるDRG1であり、第2の標的組織が隣接するレベルにあるDRG2である。
図15Aに示すように、上述したような送達システム120を用いて、第1グループAの電極102が第1の標的組織DRG1に近接して設置される。図示のように、シース122は、リード100上で移動させて、リード100内のスタイレット124を用いて、リード100を水平方向外側にDRG1に向かって案内することを支援するものである。
図15Bに示すように、リード100の遠位端を所定位置に留置しつつ、スタイレット124を引き戻して、シース122を脊椎管Sに沿って案内する。シース122が移動すると、リード100は、硬膜外腔内の椎弓根Pの内側境界の周囲の少なくとも一部を包囲する。シース122が隣接する第2のレベルに移動すると、
図15Cに示すように、リード100を第2の標的組織に仕向けるようにシース122を操作する。リード100を第2の標的組織DGR2に仕向け、第2グループBの電極102を第2の標的組織DGR2に近接して設置することを支援するために、スタイレット124を同様に移動させてもよい。シース122およびスタイレット124は取り出され、
図15Dに示すように、リード100が留置される。すなわち、硬膜外腔から外に出ることなく、あるいは脊椎管Sの中心線を横断することなく、単一のリードを用いて、2つの異なる脊椎レベルにある標的組織を刺激することができる。この具体例は、順行性アプローチを示すが、リードは、逆行性アプローチ、対側性アプローチ、同側性アプローチ、または外部から内部へのアプローチ等の任意の適当なアプローチにより任意の適当なアプローチを用いて配置構成することができる。
【0076】
本願に開示された方法、デバイス、およびシステムを用いて、体内のさまざまの標的組織を刺激することができる。たとえばいくつかの実施形態では、第1グループAの電極102が脊柱管の中心線等、電極102に沿って設置され、第2グループBの電極102が後根神経節に近接して設置される。別の実施形態では、第2グループBの電極102が後根進入部(dorsal root entry zone, DREZ)に沿って設置される。さらに別の実施形態では、第2グループBの電極102は、中心線から位置ずれした領域等の脊椎管の異なる位置に沿って設置される。このような具体例において、単一のリードを用いて、さまざまな型式および/または脊椎組織を刺激することができる。これは、単一の組織領域を刺激するだけでは患者が十分な疼痛緩和が得られず、追加的な領域を刺激する必要がある場合に、好ましい。たとえば脚神経根障害および軸性腰痛を患う患者は、脊髄後索に刺激を与えて、脚部の痛みを緩和し、後根神経節に刺激を与えて、背部の痛みを緩和することを望むことがある。こうした刺激は、本発明の方法、デバイス、およびシステムを採用して、単一のリードにより実現することができる。
【0077】
本発明に係るシステム、方法、およびデバイスを用いて、さまざまな痛みに関する症状を治療することができる。とりわけ以下の症状にについて治療を施すことができる。
1)術後腰下肢痛
2)以下の理由による慢性難治性腰痛
A)未知の原因
B)診断的神経ブロックによる腰椎椎間関節症
C)診断的神経ブロックにより明らかとなった仙腸関節性腰痛症
D)脊柱管狭窄症
E)神経根障害−非手術対象者
F)椎間板性疼痛−椎間板造影法による
4)複合性局所疼痛症候群
5)帯状疱疹後神経痛
6)有痛性糖尿病末梢神経痛
7)難治性疼痛性末梢血行障害
8)レイノー症候群
9)幻肢痛
10)全身性除神経後痛症候群
11)慢性難治性咽喉痛
12)難治性顔面痛
13)さまざまな内臓痛(膵炎等)
14)乳腺切除術後疼痛
15)慢性陰部痛
16)膝痛
17)疼痛性自己免疫疾患
18)限定的領域における中枢性卒中後痛
19)反復的限定的スィッコセル障害
20)腰椎神経根障害
21)胸椎神経根障害
22)頸椎根症
23)頚椎捻挫、「むちうち」
24)限定的領域における多発性硬化症
【0078】
同様に、以下の痛みを伴わない障害または症状に対し、本発明に係るシステム、方法、およびデバイスを用いて治療を施すことができる。
1)パーキンソン病
2)多発性硬化症
3)脱髄性運動障害
4)神経刺激法を用いた物理作業療法
5)脊椎損傷−神経再生支援治療
6)ぜんそく
7)慢性心臓病
8)肥満
9)発作−急性虚血
【0079】
上述の発明について、明確な理解を提供するために、いくつかの詳細例を用いて、説明および例示のために開示したが、さまざまな変形例、変更例、および均等物を用いることができ、上記記載は添付クレームで定義される本発明の範疇を限定するものと解釈すべきではない。