(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検査間隔は、前記一次パルス検出ウィンドウおよび前記第1の粒子の速度を含む因子に基づいて決定される二次パルス検出ウィンドウを備え、前記調整するステップ(e)は、
該二次パルス検出ウィンドウの中の前記二次パルスの部分を識別することと、
該二次パルス検出ウィンドウの外側の該二次パルスの部分を含むように、該検査間隔を拡張することと
を含む、請求項1に記載の方法。
前記二次パルス検出ウィンドウの継続時間は、前記一次パルス検出ウィンドウの継続時間に所定のウィンドウ拡張を加えたものに実質的に等しい、請求項5に記載の方法。
前記検査間隔は、前記一次パルス検出ウィンドウおよび前記第1の粒子の速度を含む因子に基づいて決定される二次パルス検出ウィンドウを備え、前記調整するステップ(e)は、
前記第1の粒子に印加される摂動信号の特性を検出することと、
該一次パルス検出ウィンドウおよび該摂動信号の特性を含む因子に基づいて、該二次パルス検出ウィンドウをシフトすることと
を含む、請求項1に記載の方法。
前記検査間隔は、前記一次パルス検出ウィンドウおよび前記第1の粒子の速度を含む因子に基づいて決定される二次パルス検出ウィンドウを備え、前記二次パルス検出ウィンドウ作成器は、
該二次パルス検出ウィンドウの中の前記二次パルスの部分を識別することと、
該二次パルス検出ウィンドウの外側の該二次パルスの部分を含むように該検査間隔を拡張することと
を行うようにさらに構成される、請求項20に記載の粒子分析器。
前記検査間隔は、前記一次パルス検出ウィンドウおよび前記第1の粒子の速度を含む因子に基づいて決定される二次パルス検出ウィンドウを備え、前記二次パルス検出ウィンドウ作成器は、
前記第1の粒子に印加される摂動信号の特性を検出することと、
該一次パルス検出ウィンドウおよび該摂動信号の特性を含む因子に基づいて、該二次パルス検出ウィンドウをシフトすることと
を行うようにさらに構成される、請求項20に記載の粒子分析器。
調査領域の長さに沿ってそれぞれ設置された調査器を用いて粒子サンプルのパラメータをコンピュータに生成させるためのプログラムを記録したコンピュータ可読記憶媒体であって、該調査器は、始動調査器および1つ以上の二次調査器を備え、該プログラムは、
始動パルスに基づいて、一次パルス検出ウィンドウを決定するステップと、
該一次パルス検出ウィンドウおよび第1の粒子の速度を含む因子に基づいて、二次パルスを見出すための検査間隔を決定するステップと、
該第1の粒子に基づいて動的に、該第1の粒子の速度の変動に対して該検査間隔を調整するステップと、
該調整された検査間隔の中の該二次パルスを識別するステップと、
該二次パルスのピーク値を決定するように該二次パルスを処理するステップと
を該コンピュータに実行させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の特性および利点は、図面と併用されると、下記に記載する発明を実施するための形態からより明らかになるであろう。図面において、同様の番号は、一般に、同一の、機能的に同様の、および/または構造的に同様の要素を示す。一般に、要素が最初に出現する図面は、対応する参照番号の最も左の桁によって示される。
【0014】
本発明は、粒子分析に関する。本発明は、特定の用途のための例示的実施形態を参照して本明細書において説明されるが、本発明はそれに限定されないことを理解されたい。本明細書の教示にアクセスできる当業者であれば、その範囲内の付加的な修正、用途、および実施形態、ならびに本発明が有意に有用となる付加的な分野を認識するであろう。
【0015】
上記の背景技術の項で説明されるように、レーザ源および検出器等の複数の光学調査器が、細胞サンプルを調査するために利用可能であることが所望される。複数のレーザ調査器であって、各レーザ調査器は、サンプルの流路の中の調査領域の長さに沿って設置され、周波数スペクトルの一部からの光を励起および検出することが可能であり、細胞サンプルに広範囲の波長および周波数にわたる調査を受けさせることができ、したがって、粒子分析器を通した細胞サンプルの1回の実行の有用性および有効性を増加させる。レーザの費用削減、増加する種々の蛍光色素の可用性、および増加した処理能力の可用性等の他の因子が、従来のデバイス上で利用可能であるよりも多数の光学調査器を有する粒子分析器の開発を促進する。しかしながら、発明者らは、光学調査器の数を増加させること、より具体的には、光学調査器間の距離を増加させることが、粒子の特性を表すパラメータの生成において、意図しない結果および不一致を招き得ることを発見した。調査領域を通って流れる細胞の流れが(例えば、滴下の形成を促進して分類を可能にするように)摂動される、分類フローサイトメータ等のいくつかの粒子分析器では、多数の光学調査器を有するデバイスにおいて従来の方法に従ってパラメータを生成することに関与する誤差は、多大となり得る。本発明の実施形態は、複数の光学調査器を有する粒子分析器の中で、パルスピーク、パルス幅、およびパルス面積等の正確なパラメータの生成を可能にする。複数の光学調査器の使用を可能にすることによって、本発明の実施形態は、1回の実行で種々の粒子特性を検出する粒子分析器の能力を増加させる。正確なパラメータを依然として生成しながら、複数の光学調査器が相互から大幅な距離を置いて配置されることを可能にすることによって、本発明の実施形態は、合致および副次影響を低減または排除することによって、粒子分析器の効率性を増加させる。加えて、複数の光学調査器が相互から大幅な距離を置いて配置されることを可能にすることによって、本発明の実施形態は、例えば、異なるノイズ構成を使用することによって、種々のサイズの粒子の分析を可能にする。
【0016】
(粒子分析器)
図1は、本発明の実施形態による粒子分析器100の説明図である。粒子分析器100は、例えば、分類フローサイトメータとなり得る。粒子分析器100は、1つ以上のプロセッサ102と、メモリ103と、記憶装置104と、粒子調査器105と、パルス分析器106とを備える。いくつかの実施形態において、粒子分析器100はまた、データ分析器107と、ディスプレイ108とを含むことができる。
【0017】
1つ以上のプロセッサ102は、中央処理ユニット(CPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、または類似命令処理デバイスのうちの1つ以上を含む。メモリ103は、概して、データおよび処理命令の一時記憶用のランダムアクセスメモリ等の揮発性メモリを含む。記憶装置104は、概して、処理命令、構成データ、粒子データ、および処理の結果を記憶するための不揮発性記憶装置を含む。記憶装置104は、ハードディスク、フラッシュ記憶装置、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、および同等物等のコンピュータ可読媒体を含むことができる。粒子調査器105は、粒子サンプルが調査領域中の複数の光源による調査を受けることを可能にする。パルス分析器106は、粒子サンプルの中の個別の粒子に対応するパラメータを生成する機能を含む。例えば、パルス分析器106は、それぞれの粒子について粒子調査器105によって生成される電気パルスを入力として受け入れ、パルスピーク、パルス幅、およびパルス面積等のパラメータを生成する。パルス分析器106は、
図5に関して以下でさらに説明される。次いで、パルス分析器106において生成されるパラメータは、データ分析器107によって処理され、ディスプレイ108を使用して報告および/または表示される。通信インフラストラクチャ109は、粒子分析器100の種々の構成要素を相互接続することができ、周辺構成要素相互接続(PCI)バス、ユニバーサルシリアルバス(USB)、Firewire、Ethernet(登録商標)、または類似デバイス等の接続デバイスを含むことができる。
【0018】
データ分析器107は、パルス分析器106によって生成されたパラメータを受信し、さらに、データを等級に分け、数え、分析することによって、データを報告および/または処理する。データ分析器107は、誤ったデータについて受信したデータをフィルタにかける機能性を含むことができる。本発明のいくつかの実施形態は、データ分析器107等のデータ分析器に提出されるパラメータの質を向上させる。データ分析器107および/またはディスプレイ108は、いくつかの実施形態において、粒子分析器100の外部にあり得る。データ分析器107は、例えば、ネットワーク(図示せず)を介して粒子分析器100に連結される別個のコンピュータ上に構成されることができる。実施形態において、データ分析器107は、Beckman CoulterからのSUMMIT
TMフローサイトメトリデータ分析ソフトウェア等の分析ソフトウェアを含むことができる。
【0019】
粒子調査器105は、粒子サンプル分注領域112と、サンプル注入ノズル113と、調査領域114と、複数の光源116と、複数の光検出器118と、電気パルス発生器120とを含む。粒子サンプル分注領域112は、粒子サンプル126およびシース流体128を保持することを提供する。粒子サンプルは、例えば、全血サンプル、または1つ以上の蛍光色素および/または試薬を添加することによって調製される全血サンプルとなり得る。
【0020】
ノズル113は、シース流体を含む粒子サンプルの注入が、調査領域114に注入されることを可能にする。ノズル113は、一般に、粒子130等の粒子が、次々に一列になって調査領域114を通って流れるように、流体力学的に集中した粒子サンプルを注入するように構成される。いくつかの実施形態において、ノズル113は、ノズルのサイズ(すなわち、ノズルの直径)およびシース流体圧力によって構成することができる。
【0021】
調査領域114の長さにわたって、複数の光源116および複数の対応する光検出器118が設置される。調査領域114は、いくつかの実施形態において、フローセルを備えることができる。ジェットインエアフローサイトメータ等のいくつかの実施形態において、調査領域は、フローセルの中ではなく、粒子サンプルの流路の中に領域を備えることができる。光源と対応する検出器とのペアは、調査器と呼ぶことができる。図示した実施形態において、7つの光源116および7つの対応する光検出器118が、調査領域の長さに沿って設置されて示されている。実施形態において、光源116は、異なる波長を有するレーザ光源を備えることができる。調査領域において、光源116のそれぞれは、各粒子がそれぞれの光源に対応する検出領域を通過するとき、それを照射し、光散乱および/または蛍光を含む、結果として生じる光信号は、対応する検出器118によって検出される。各検出器は、ピンホール(別々に示されていない)と、光散乱および/または蛍光を検出する光学検出器とを備えることができる。各検出器からの光信号は、電気パルス発生器120によって、電圧信号等のそれぞれの電気信号に変換される。調査器による単一の細胞の調査によって生成される光応答に対応する、結果として生じる電気信号は、パルスと呼ばれる。パルスは、粒子に対応する種々のパラメータを識別するために、およびパラメータをデータ分析器107に提供するために、パルス分析器106によって処理される。パルス分析器106はまた、識別されたパラメータに基づいて、ノズルを構成すること、光源および検出器を構成すること、および光学粒子分類器122を構成すること等の作業を行うために、例えば、制御モジュール(図示せず)を介して粒子調査器106の動作を制御することもできる。
【0022】
いくつかの実施形態において、粒子分類器122は、種々の特性に従って粒子を分類するために使用される。粒子分類器122と関連付けられるのは、粒子帯電デバイス136および摂動発生器124である。摂動発生器124は、調査領域に注入される粒子の流れの摂動を生成するように、ノズル113と関連付けることができる。実施形態において、摂動発生器124は、ノズル出口より上側において、ノズル113等のノズルアセンブリの中に位置する。例えば、正弦波に対応する圧力波を、摂動発生器によって生成することができる。圧力波は、理想的には各液滴が単一の粒子を含有して、粒子の流れが液滴形成領域132の中で確定的に液滴を形成することができるように構成される。実施形態において、摂動発生器124は、設定可能な発振周波数を有する圧電結晶発振器を備える。実施形態において、摂動の周波数、振幅、および位相は、設定可能である。液滴形成領域132は、調査領域中の粒子の流れの経路の中の光学調査器の後に発生する。電荷を、帯電デバイス136によって各液滴に印加することができる。実施形態において、帯電デバイス136は、液滴形成領域132の中に位置する。別の実施形態において、帯電デバイスは、調査領域の前に位置してもよい。例えば、調査領域より上側に位置する帯電デバイスは、シース流体を通して電荷を液滴形成領域132の中の液滴に運ぶことができる。液滴は、液滴に含有される粒子の特性に従って帯電させることができる。液滴が分類器に進入するときに、帯電板138が、液滴を容器140のうちの1つに方向付ける。粒子分類器122は、容器140のそれぞれに類似特性を有する粒子を収集させるように構成される。
【0023】
粒子サンプルの調査は、摂動の有無にかかわらず、調査領域の中へのサンプルの注入と、調査領域に沿ったプローブによる粒子の調査とを含む。前述のように、各調査器は、同じ粒子の同一または異なる側面を表すパルスを生成させる。パルス分析器106は、粒子調査器105から、生成されたパルスを含有する信号流を受信し、各粒子および調査器に対応するパルスを識別するように構成される。
【0024】
それぞれの光源116の間の空間的間隔は、光源の数、調査領域の長さ、粒子のサイズ、滴下形成を促すように生成することができる圧力波の振幅、光源の出力、細胞事象率、許容誤差のレベル、および同等物等の種々の基準に基づいて決定することができる。
【0025】
相互の近くに光源を設置することは、隣接する空間周波数に対応する信号が、相互の検出範囲まで波及することを可能にすることによって、空間重複を増加させることができる。分析のための有効な信号を取得するために、付加的な補償が必要とされるので空間重複は望ましくない。しかしながら、光源がさらに離間している場合に、粒子が実際に検出器の検出領域を通過するとき、およびそれが検出領域の中にあることが期待されたときについて変動が発生し得る。摂動発生器124を使用すること等によって、粒子の流れの摂動が導入されると、粒子間の速度の変動が増加させられ、それは次に、パルスを検出することにおいて増加した誤差につながり得る。従来の粒子分析器は、発明者らの知る限りでは、調査器間の間隔、二次調査器におけるパルスの到着時間、および細胞の流れに印加される摂動信号の間の関係が認識されていなかった。本発明の実施形態は、そのような関係が存在するときに、生成されたパラメータの不正確さを克服する特徴を粒子分析器に組み込む。
【0026】
図2は、パルス、パルス検出ウィンドウ、およびパルス検出閾値の説明図である。パルス分析器106は、特定の調査器に対応するパルス検出ウィンドウを作成し、次いで、その検出ウィンドウに対するパルスを見出すことによって、粒子調査器からの入力信号流の中のパルスを検出する。パルス201は、例えば、パルス検出ウィンドウ203内に見られる。パルス201は、対応する信号がパルス検出閾値205に、またはそれ以上のままであるときに、パルスとして検出される。パルス検出閾値205は、事前設定することができる。始動調査器では、検出ウィンドウ幅は、閾値を上回るパルスの継続時間に基づいて決定される。始動調査器は、ユーザ選択可能となり得る。例えば、調査領域への入力に最も近い調査器は、始動調査器として選択することができる。始動調査器は、細胞サンプルの種類および/または所望される分析の種類に基づいて選択することができる。始動調査器に対応するパルスおよびパルス検出ウィンドウは、それぞれ、一次パルスおよび一次パルス検出ウィンドウと呼ばれることができる。非始動調査器、それに対応するパルス、およびそれに対応する検出ウィンドウは、それぞれ、二次調査器、二次パルス、および二次パルス検出ウィンドウと呼ばれる。レーザ遅延(LD)は、一次パルス検出ウィンドウと二次パルス検出ウィンドウとの間の時間における距離である。レーザ遅延は、それぞれの調査器の間の空間距離、およびそれぞれの粒子の速度に依存し得る。
【0027】
(レーザ遅延変動)
図3は、多大のレーザ遅延が調査器の間に存在するように、複数の光学調査器が調査領域に沿って設置されるときに、摂動を粒子の流れに導入することによって引き起こすことができる差の説明図である。上記で説明されたように、摂動は、粒子の流れに導入される圧力波であってもよい。摂動は、ノズル113の中に、またはノズル113に近接して設置される摂動発生器124を使用して導入することができる。グラフ301は、摂動がないときの始動調査器に対応するパルスに基づく、FITC(一種の蛍光)および側方散乱の測定値を図示する。グラフ305は、摂動が導入されたときの第1の調査器に対応するパルスに基づく、同じサンプルの同じ測定値を図示する。グラフ301および305は、始動調査器に対応するパルスが、実質的に摂動の影響を受けない、すなわち、摂動があるにもかかわらず第1の調査器に対応するパルスを正確に決定できることを図示する。この実施例では、始動調査器は、7つの調査器のうちの第1、すなわち、ノズルに最も近いものとして構成される。
【0028】
しかしながら、グラフ302および306は、第1の調査器から最も遠くに位置する最後の調査器に対応するパルスに基づく蛍光測定を表す。グラフ302は、蛍光測定の狭い変動によって示されるように、摂動がないときに、第7の調査器でさえも、大幅な誤差を伴わずにパルスを測定できることを図示する。しかしながら、グラフ306は、蛍光測定の広い変動によって示されるように、摂動が粒子の流れの中に存在するときに、遠い調査器に対応する測定に大幅な分散があり得ることを図示する。
【0029】
図4は、対応するパルス検出ウィンドウに対するパルスの例示的な説明図である。パルス401および403はそれぞれ、いくらかの摂動(例えば、15Vの摂動信号振幅)および比較的高いレベルの摂動(例えば40Vの摂動信号振幅)の場合、始動調査器(すなわち、一次調査器)について検出されるパルスが、対応するパルス検出ウィンドウ内に正確に設置されることを示す。摂動信号振幅が15Vであるときに、調査領域中の始動調査器に先行する調査器、および始動調査器の後に設置される調査器における対応するパルスをそれぞれ表す、パルス407および408は、対応するパルス検出ウィンドウの前または後に、パルスの大部分を有することができることを図示する。パルス410および411は、摂動信号振幅が増加させられるときに、対応するパルス検出ウィンドウに関するパルスの到着の差が増加することを図示する。例えば、期待到着時間は、パルス検出ウィンドウの中心に対して測定することができる。対応するパルス検出ウィンドウに基づく期待到着時間と比較したパルスの到着時間の差は、レーザ遅延変動(LDV)と呼ばれる。したがって、レーザ遅延変動は、摂動振幅の増加とともに増加する。
【0030】
(パルス分析器)
図5は、パルス分析器106の説明図である。実施形態によれば、パルス分析器106は、一次パルス検出ウィンドウ作成器502と、一次パルスパラメータ発生器504と、二次パルス検出ウィンドウ作成器506と、二次パルスパラメータ発生器508とを備える。生成されたパラメータに基づいて粒子調査器105を制御する制御モジュール(図示せず)等の他の構成要素をパルス分析器106に含むことができると理解される。パルス分析器106は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実装することができる。実施形態において、パルス分析器106は、FPGAファームウェアに実装される。
【0031】
一次パルス検出ウィンドウ作成器502は、実施形態において、調査領域中に検出される各粒子に対する一次パルス検出ウィンドウを決定するように構成される。一次パルス検出ウィンドウの決定は、
図6に関して以下で説明される。
【0032】
一次パルスパラメータ発生器504は、実施形態において、一次パルスに基づいてパルスピーク、パルス幅、およびパルス面積等のパラメータを決定するように構成される。一次パルスパラメータの決定は、
図6に関して以下で説明される。
【0033】
二次パルス検出ウィンドウ作成器506は、実施形態において、調査領域中に検出されるそれぞれの粒子に対する1つ以上の二次調査器に対応する検査間隔を決定するように構成される。二次パルス検出ウィンドウ作成器506はまた、レーザ遅延変動に基づいて検査間隔を調整する機能も含む。二次パルスの検査間隔の決定および調整は、
図6に関して以下で説明される。
【0034】
二次パルスパラメータ発生器508は、実施形態において、一次パルスに基づいて、各粒子のパルスピーク、パルス幅、およびパルス面積等のパラメータを決定するように構成される。二次パルスパラメータの決定は、
図6に関して以下で説明される。
【0035】
(パラメータを生成する方法)
図6は、本発明の一実施形態による粒子分析器の中の粒子サンプルのパルスピーク、パルス幅、およびパルス面積等の測定パラメータを生成するための方法600のフローチャートである。
【0036】
ステップ602において、細胞サンプルが、フローサイトメータ等の粒子分析器の中における分析のために調製される。サンプル調製は、蛍光によって細胞を印付けること(染色とも呼ばれる)を含むことができる。上述のように、蛍光は、特定の細胞種類に結合し、細胞サンプルが適切なレーザ光によって照射されたときに、これらの細胞種類を識別するために使用することができる。
【0037】
ステップ604において、細胞サンプルが、調査領域の中において調査される。粒子サンプルの調査は、摂動の有無にかかわらず、調査領域の中へのサンプルの注入と、調査領域に沿ったプローブによる粒子の調査とを含む。
【0038】
調製した細胞サンプルは、シース流体とともに、粒子分析器に入力される。調査領域への入力は、ノズルサイズおよびシース圧力等の種々の特徴を設定することによって制御することができる。ノズルサイズは、例えば、種々の粒子種類に対応するように設定される。シース圧力は、粒子の流れが調査領域に注入される速度を決定することができる。したがって、シース圧力は、調査領域内の粒子の所望の平均速度に従って設定されることができる。
【0039】
いくつかの実施形態において、摂動信号を粒子の流れに印加することができる。例えば、摂動発生器は、ノズルから退出するとき、正弦波の形態の圧力を粒子の流れに導入することができる。摂動は、粒子が調査領域を通って流れるとき、粒子間の速度差を(摂動がない場合に対して)増加させることができる。
【0040】
調査領域の長さに沿って、すなわち、調査領域内の細胞サンプルの流路に沿って複数の光学調査器が設置される。実施形態において、光学調査器は、レーザダイオード等の7つのレーザ光源、および対応する光検出器である。レーザは、重複してもしなくてもよい波長範囲を有することができる。光検出器は、光散乱、蛍光、および他の光学特性を感知することが可能である。各粒子は、レーザ源によって照射される調査領域を通過し、対応する検出器は、結果として生じる光信号を収集する。このようにして、各動作中の光学調査器に対応する光信号が、各粒子について収集される。
【0041】
ステップ606において、調査に対応するパルスが生成される。次いで、各光検出器によって収集される光信号が、それぞれの電気パルスに変換される。実施形態において、電気信号への光信号の光電子変換は、フォトダイオード、光電子増倍管、または同等物等のデバイスによって達成することができる。実施形態において、ステップ604および606は、粒子調査器105によって行うことができる。
【0042】
ステップ608において、一次パルスが検出される。一次パルスは、それに対して同じ粒子の他のパルスが測定されるパルスである。一次パルスは、始動調査器、すなわち、それに対して全ての他の調査が測定される調査器と関連付けられる。実施形態において、始動光学調査器は、粒子流の経路の中の第1の調査器である。他の実施形態において、始動調査器は、他の調査器のうちの任意の1つとして選択することができる。上述のように、ユーザは、サンプルの種類および分析の種類に基づいて、異なる光学調査器を始動調査器として選択することができる。
【0043】
ステップ610において、一次パルス検出ウィンドウが決定される。一次パルス検出ウィンドウは、一次パルスによって画定される。一次パルス検出ウィンドウの2つの端は、一次パルスが所定のパルス検出閾値を超える点に、すなわち、それぞれ、上昇稜線(ascending edge)および下降稜線(descending edge)に位置する。したがって、一次パルス検出ウィンドウの幅は、実施形態において、パルスがパルス検出閾値を超える点の間において測定される一次パルスの幅に等しい。
【0044】
ステップ612において、任意に、一次パルスに対応するパラメータが計算される。実施形態において、計算されるパラメータは、一次パルスのピーク、幅、および面積含む。実施形態において、一次パルス検出ウィンドウの中のパルスの最高値が、パルスピークとして決定される。例えば、ピークを決定するために、トラックアンドホールド回路を使用することができる。別の実施形態において、先入れ先出し(FIFO)バッファ等のメモリバッファは、一次パルス検出ウィンドウの開始時に空値に初期化されることができ、パルスが一次パルス検出ウィンドウの全体を通して横断させられるにつれて、バッファにおける現在の値よりも高い各連続値によって更新されることができる。
【0045】
一次パルス幅は、実施形態において、一次パルスの上昇稜線上の半ピーク点と下降稜線上の半ピーク点との間の距離(継続時間)として決定される。他の実施形態は、パルスの前後の稜線(所定のパルス検出閾値との交差点)の間の距離、またはパルスの上昇および下降稜線上のいくつかのピーク割合(percentage−of−peak)点の間の距離を使用することができる。
【0046】
一次パルス面積は、ピーク値の所定の割合より上のパルスを積分することによって決定される。したがって、パルス面積は、ピーク値の所定の割合に対応する点の間の曲線の下の面積によって画定される。別の実施形態において、パルス面積は、所定のパルス検出閾値との交差点の間のパルスを積分することによって決定されることができる。
【0047】
一次パルスを始動した粒子に関して、パルスが生成される各調査器についてステップ614−620を繰り返すことができる。ステップ614において、二次調査器のうちの1つに対応する二次パルスを検出する検査間隔が決定される。検査間隔は、二次パルスが入力パルスの流れの中で検出可能となることが見込まれる継続時間を画定する。実施形態において、検査間隔は、一次パルス検出ウィンドウ、および始動調査器から選択された二次調査器までのレーザ遅延に基づいて決定することができる。例えば、検査間隔は、それぞれの始動と二次調査器との間のレーザ遅延に対応する一次パルス検出ウィンドウからある距離に中心に置くことができる。レーザ遅延は、各始動調査器と二次調査器とのペアに対してあらかじめ決めることができる。別の実施形態において、レーザ遅延は、始動調査器と二次調査器との間の空間距離、および調査領域の中の粒子の平均速度に基づいて決定することができる。粒子の速度は、注入ノズルやシース圧力の既知の仕様から決定することができ、または一次パルス検出ウィンドウの幅に基づいて推定することができる。さらに他の実施形態において、粒子の速度は、例えば、その間の距離が分かっている複数の調査器によって粒子が検出されるために経過した時間を測定すること等の、動的測定に基づいて決定することができる。また、
図4に関して上記で説明されたように、印加された摂動の振幅は、もしあれば、粒子の速度に影響を及ぼすことができ、対応する二次調査器に到着する粒子と関連付けられる遅延に影響を及ぼすことができる。
【0048】
検査間隔の継続時間は、一次パルス検出ウィンドウの幅に等しくなるように設定されることができる。別の実施形態において、検査間隔の継続時間は、一次パルス検出ウィンドウに所定の拡張を加えたものに等しくなるように設定される。所定のウィンドウ拡張は、検査ウィンドウと一次パルス検出ウィンドウとの中心間の距離が維持されるように、検査間隔の両側に等しく追加することができる。別の実施形態において、検査間隔の継続時間は、所定の設定に従って設定されることができる。拡張は、ある程度、元の検出ウィンドウに対するパルスの到着の分散に適応するように導入される。拡張のサイズは、静的に設定することができ、対応する一次パルス検出ウィンドウのサイズに基づいて設定されることができ、または摂動の強度に従って決定されることができる。例えば、摂動のより大きい振幅に対して、より大きい拡張が設定されることができ、小さい振幅に対して、より小さい拡張が設定されことができる。
【0049】
実施形態において、二次パルス検出ウィンドウは、検査間隔に対応するように決定される。選択された調査器に対する二次パルス検出ウィンドウは、その間において、入力パルスの流れが、最初に対応する二次パルスの存在について試験される時間間隔である。合致および副次影響の検出は、例えば、一次および/または二次パルス検出ウィンドウに基づいている。パルス検出ウィンドウのサイズ決定(すなわち、継続時間の設定)は、ウィンドウを過度に大きくすることと、増加した合致事象を許可することとの間のトレードオフ、およびウィンドウを小さくすることと、パルスがウィンドウの外側になることを許容することとの間のトレードオフの均衡を保たなければならない。パルス検出ウィンドウを大きくすることはまた、1つのパルス検出ウィンドウが隣接する調査器のパルス検出ウィンドウと重複するという問題につながり得る。
【0050】
ステップ616において、検査間隔が、レーザ遅延変動に基づいて調整される。実施形態において、検査間隔は、最初に二次パルス検出ウィンドウに対応する。実施形態によれば、たとえ対応するパルスが、レーザ遅延変動によって二次パルス検出ウィンドウに対して早く、または遅く到着してもそれを検出することができるように、検査間隔は、二次パルス検出ウィンドウの前および/または後の継続時間を含むように拡張される。
図7は、二次パルス検出ウィンドウを越えて拡張することによって検査間隔が調整される実施形態の説明図である。別の実施形態において、二次パルス検出ウィンドウは、拡張された継続時間を含む。拡張された継続時間は、例えば、粒子がノズルから退出するときの摂動の状態または振幅に基づいて決定されることができる。
【0051】
いくつかの実施形態、例えば、検査間隔が二次パルス検出ウィンドウおよび拡張された継続時間を備える実施形態、および検査間隔が拡張された二次パルス検出ウィンドウに対応する実施形態によれば、検査間隔は、隣接するウィンドウの間の衝突を回避するために動的に修正されることができる。例えば、拡張された検査間隔の衝突を検出すると、衝突検査間隔を重複させないように、検査間隔を切り詰めるか、または調整することができる。
【0052】
別の実施形態において、検査間隔は、二次パルス検出ウィンドウに対応し、検査間隔は、その最初の位置に対して、時間において前方または後方に発生するようにシフトまたは移動させることによって調整される。検査間隔は、期待されるレーザ遅延変動が、最初の位置の前または後に到着するパルスをもたらすか否かに基づいて移動させられる。
図11は、検査間隔および/または対応する二次パルス検出ウィンドウが、期待されるレーザ遅延変動に基づいて、その最初の位置に対して移動させられる実施形態の説明図である。
【0053】
ステップ618において、対応する二次パルスが、調整された検査間隔に関して検出される。実施形態において、二次パルス検出ウィンドウに対応するパルスは、対応するパルス検出ウィンドウの中に、それの大部分を有するパルスとして決定される。実施形態において、1つより多くのパルスが、少なくとも部分的にウィンドウの中にあると分かった場合、それより多くがウィンドウの中にあるパルスは、それぞれのウィンドウに対応するパルスと見なされる。別の実施形態において、より高いピーク値を有するパルスが考慮される。他の実施形態において、それぞれのウィンドウは、1つだけのパルスを含むように調整することができる。
【0054】
ステップ620において、二次パルスに対応するパラメータが決定される。実施形態において、ステップ618において対応する二次パルスを見出した後、閾値パルス検出値を上回るか、および/またはピーク値の所定の割合を上回るパルスによって画定されるようなパルスは、そのような部分の全体が二次調査ウィンドウの中に位置するか否かにかかわらず考慮される。例えば、実施形態において、拡張された検査間隔の中に検出されるパルスの部分は、対応する二次パルス検出ウィンドウの中の部分とともに考慮される。例えば、パルス検出ウィンドウが期待されるレーザ遅延に応じて移動させられた別の実施形態において、二次パルスは、実質的に二次パルス検出ウィンドウの中にあるパルスの部分に基づいて検出されることができる。
【0055】
二次パルスは、パルス検出閾値を上回るパルス全体に基づいて、パルスピーク値を決定するように処理される。実施形態において、パルスのピークを決定するために、トラックアンドホールド回路を採用することができる。例えば、パルスは、対応する二次パルス検出ウィンドウが作成されたときに決定されたピーク値等の、同じパルスのピークの任意の以前に決定された値から開始し、より高い値について追跡することができる。別の実施形態において、FIFOバッファ等のメモリバッファは、二次パルスがパルス検出閾値を超える点において空値に初期化されることができ、パルスが横断させられるとき、バッファにおける現在の値よりも高い各連続値によって更新されることができる。さらに別の実施形態において、FIFOバッファは、二次パルス検出ウィンドウ作成時に決定されたピーク値等の、同じパルスの任意の以前のピーク決定の値によって初期化されることができ、パルスが横断させられるとき、バッファにおける現在の値よりも高い各連続値よって更新されることができる。
【0056】
二次パルスはまた、パルス幅を決定するように処理されることもできる。二次パルス幅は、実施形態において、一次パルスの上昇稜線上の半ピーク点と下降稜線上の半ピーク点との間の距離(継続時間)として決定される。他の実施形態は、パルスの前後の稜線(所定のパルス検出閾値との交差点)の間の距離、またはパルスの上昇稜線および下降稜線上のいくつかのピーク割合点の間の距離を使用することができる。
【0057】
二次パルス面積は、ピーク値の所定の割合を上回るパルスを積分することによって決定される。したがって、パルス面積は、ピーク値の所定の割合に対応する点の間の曲線の下の面積によって画定される。別の実施形態において、パルス面積は、所定のパルス検出閾値との交差点の間のパルスを積分することによって決定されることができる。
【0058】
それぞれのパルス検出ウィンドウの外側に移動させることによって、二次パルスに対してパルスパラメータを計算することは、これらのパラメータの精度の大幅な向上をもたらす。例えば、従来、二次パルスのピークは、それぞれのパルス検出ウィンドウの中の最高値として決定され、したがって、実際のピークがウィンドウの外側(例えば、ウィンドウ拡張を含むウィンドウの外側)にあった場合に、パルスの実際のピークを返すことができない。本発明の実施形態において、二次パルスを追跡するように検出ウィンドウを越えて移動させることによって、パラメータは、パルスの大部分が検出ウィンドウの外側に位置するときでさえ、正確に決定されることができる。
【0059】
(パルス検出ウィンドウの外側のパルスを検出すること)
図7は、対応するパルス検出ウィンドウを越えて拡張する検査間隔を作成する方法700の説明図である。実施形態において、方法700は、上記で説明された調整するステップ616についての処理ステップを実行する。
【0060】
ステップ702において、対応する二次パルス検出ウィンドウの中の二次パルスの部分が検出される。二次パルス検出ウィンドウは、例えば、上記で説明されたようなステップ614において作成されることができる。実施形態において、二次パルス検出ウィンドウは、調査されている粒子に対する最初の検査間隔に対応して画定される。
【0061】
上述のように、レーザ遅延変動に起因して、調査中の粒子に対応するパルスは、二次パルス検出ウィンドウの前または後に到着するそれの部分を有することができる。ステップ702において、二次パルス検出ウィンドウの中にあるパルスの部分が決定される。
【0062】
ステップ704において、検査間隔が、対応する二次パルス検出ウィンドウの前および/または後の領域を含むように作成される。例えば、パルスがウィンドウの中心に対して早く到着したことを、二次パルス検出ウィンドウの中のパルスの部分が示す場合、二次パルス検出ウィンドウの前の時間間隔を含むように拡張することによって、検査ウィンドウが調整される。パルスがウィンドウの中心に対して遅く到着したことを、二次パルス検出ウィンドウの中のパルスの部分が示す場合、二次パルス検出ウィンドウの後の時間間隔を含むように拡張することによって検査ウィンドウが調整される。別の実施形態において、パルスが前後両方において二次パルス検出ウィンドウを超えたと決定された場合、二次パルス検出ウィンドウの前後両方の時間間隔を含むように拡張されることによって検査ウィンドウが調整される。調整された検査ウィンドウは、例えば、上記で説明されたステップ618−620のように、二次パルスのパラメータを決定するために使用される。
【0063】
(二次パルスのピークを決定すること)
図8は、本発明の一実施形態によれば、二次パルスのピーク値を決定する方法800である。実施形態において、方法800は、ステップ620において実行することができる。
【0064】
ステップ802において、パルスピーク値が検出ウィンドウの中の対応するパルスの最高値に初期化される。
【0065】
ステップ804において、パルス検出の閾値が決定される。実施形態において、閾値は、現在のピーク値の所定の割合として決定される。別の実施形態において、閾値は、一次パルスのピーク値の所定の割合として決定される。さらに別の実施形態において、閾値は、絶対値、またはノイズ閾値を上回る公称値となり得る。
【0066】
ステップ806において、検出ウィンドウの外側のパルスの部分を含むパルスが、実際のピーク値を決定するように処理される。例えば、実施形態において、パルス検出ウィンドウの外側にあるが検査間隔の中にあるパルスが、検出閾値を超える点から始まって処理される。実施形態において、パルスの処理中に、その点まで検出されたパルスの最高値が、メモリバッファに繰り返し記憶される。パルスの処理の完了時にバッファの中に残っている値は、二次パルスのピーク値と見なされる。
【0067】
実施形態において、ステップ802は、パルスの処理の第1の反復で実装され、ステップ804および806は、パルスの処理の第2の反復で実装される。例えば、粒子調査器からの入力パルス信号の処理の第1の反復において、パルス分析器は、一次および二次調査器のウィンドウを作成することができる。一次調査器のパラメータはまた、処理の第1の反復中に決定することもできる。また、各二次パルスについて、処理の第1の反復中に初期ピーク値を決定することができる(例えば、上記のステップ802のように)。パルス信号の再処理と呼ばれることもある、処理の第2の反復において、以前に決定された二次ウィンドウに対する二次パルスの決定、およびウィンドウの境界を越えて移動させることによる二次パルスの処理を実装することができる。
【0068】
実施形態において、パルスの再処理は、パルス分析器の中で受信され、デジタル化される順番で、パルスまたはそれの部分をFIFOに記憶することによって実装される。FIFOの中のバッファは、処理の第1の反復において処理することができる。関連検出ウィンドウに対応するバッファの位置に基づいて、関連バッファがFIFOにおいて依然として利用可能である場合、検出ウィンドウに対応するバッファの前後のバッファは、処理の第2の反復において処理されることができる。
【0069】
(二次パルス検出ウィンドウを感知すること)
図9は、本発明の一実施形態による、検査間隔および/または二次パルス検出ウィンドウを作成するための方法900を図示する。実施形態において、方法900は、検査間隔および/または二次パルス検出ウィンドウを作成するために上記で説明されたステップ614の処理に含まれることができる。
【0070】
ステップ902において、一次パルス検出ウィンドウが発生した時間が決定される。実施形態において、時間は、ウィンドウが開始される時間として決定される。別の実施形態において、時間は、ウィンドウの中間点における時間として決定される。
【0071】
ステップ904において、一次パルス検出ウィンドウの継続時間が決定される。一次パルス検出ウィンドウの継続時間(ウィンドウの幅とも呼ばれる)は、一次パルスがパルス検出閾値以上にとどまる継続時間によって決定される。
【0072】
ステップ906において、一次調査器と対象二次調査器との間の距離が決定される。実施形態において、この距離は、構成情報に基づいて決定することができる。
【0073】
ステップ908において、粒子の速度が決定される。実施形態において、粒子の平均速度は、シース圧力設定またはノズル構成に基づいて決定される。実施形態において、粒子の速度は、一次パルスの幅に基づいて決定されることができる。別の実施形態において、粒子の速度は、それを通して細胞サンプルが調査領域に注入されるノズルの構成に基づいて決定されることができる。例えば、ノズルは、所定の流速で細胞の流れを注入するように構成されることができる。
【0074】
ステップ910において、二次ウィンドウの発生時間が決定される。実施形態において、二次ウィンドウの発生時間は、一次パルス検出ウィンドウの発生時間、一次調査器から二次調査器までの距離、および粒子の速度に基づいて計算される。実施形態において、発生時間は、ウィンドウの前の稜線が発生する時間として決定される。別の実施形態において、発生時間は、ウィンドウの中間点における時間である。発生時間は、一次パルスの発生時間が決定される方式と一致するように測定される。それぞれのウィンドウの中心に基づいて一次と二次パルス検出ウィンドウとの間の距離を測定することは、パルス検出閾値の変化によって導入される分散を排除する。例えば、パルスが閾値に達する点に基づいてウィンドウの前の稜線の場所が変化するので、距離がウィンドウの前の稜線から測定された場合、パルス検出閾値を変化させることは、一次パルス検出ウィンドウの発生時間を変化させる。
【0075】
ステップ912において、二次パルス検出ウィンドウの幅が構成される。実施形態において、二次パルス検出ウィンドウの幅は、一次パルス検出ウィンドウの幅にウィンドウ拡張を加えたものとして決定される。ウィンドウ拡張の継続時間は、事前設定されるか、または対応するレーザ遅延および細胞の流れに印加される摂動振幅等の因子に基づいて動的に決定されることができる。上記で説明されたように、二次パルス検出ウィンドウの幅を動的に決定するときに、それぞれのウィンドウの幅は、隣接するウィンドウとの衝突または重複を回避するように調整されることができる。
【0076】
(予測ウィンドウ調整)
図10は、細胞の流れに導入された、摂動発生器124によって粒子の流れに印加される摂動信号等の摂動信号の位相が、それぞれの調査器における粒子の到着にどのように影響を与えるかについての説明
図1000である。示された実施例において、始動調査器が、第1の調査器(すなわち、ノズルに最も近い調査器)になるように構成された。グラフ1002、1004、1006、および1008はそれぞれ、始動調査器までの距離が増加するように位置する調査器2、4、5、および7についてのレーザ遅延分散の変化を示す。同様に、グラフ1010、1012、1014、および1016は、細胞の流れに印加される摂動信号の位相の関数として、それぞれ、調査器2、4、5、および7において見られるレーザ遅延分散の対応を示す。グラフは、一次調査器からの距離が増加させられるにつれて、レーザ遅延の分散、すなわち、到着時間の分散が増加することを図示する。グラフはまた、レーザ遅延、例えば、二次ウィンドウにおける粒子の到着時間が、摂動信号の位相に関係することも図示する。例えば、グラフ1010−1016は、摂動信号の事象位相の関数として、各二次ウィンドウにおけるレーザ遅延を表す波形を図示する。摂動信号は、正弦波の形状の波形となり得る。例えば、摂動波の振幅の変動は、正弦波となり得る。グラフ1010−1016は、摂動信号を細胞の流れに導入する摂動発生器において生成される正弦波に対応する正弦波を示す。グラフ1018は、静的に設定されたウィンドウ1020の中間点の前に到着した粒子1021、および後に到着した粒子1022を図示する。集団1021および1022は、それぞれ、グラフ1010−1016に示される正弦波の一番上および下におけるカラーゲート値の集約に対応する。したがって、二次調査器における静的に設定されたウィンドウに対する到着は、摂動信号、またはより具体的には摂動信号の位相の関数として見なされることができることが観察される。
【0077】
図11は、本発明の一実施形態による、二次パルス検出ウィンドウを予測的に決定する方法1100である。実施形態において、方法1100は、検査間隔および/または対応する二次パルス検出ウィンドウを調整するように上記で説明される調整するステップ616において実行することができる。
【0078】
ステップ1102において、摂動信号の位相が、粒子に対して決定される。例えば、摂動信号の位相、例えば、それが正弦波の正の位相または負の位相の中にあるかどうかが決定される。これは、摂動波の位相を追跡し、それを第1の調査器における粒子に関係させることによって決定することができる。実施形態において、第1の調査器において見られる粒子は、所定の遅延を受ける摂動信号の位相に関係する。
【0079】
ステップ1104において、本発明の一実施例に従って、二次パルス検出ウィンドウが決定される。実施形態において、静的に設定または動的に決定された二次パルス検出ウィンドウが、粒子に対する摂動信号の位相に基づいて移動させられる。例えば、粒子が摂動信号を表す正弦波の正の部分に関係する場合、検出ウィンドウは、その現在の位置から前進させることができ、粒子が摂動信号を表す正弦波の負の部分に関係する場合、検出ウィンドウは、その現在の位置に対して遅延させることができる。さらに、実施形態において、検出ウィンドウのウィンドウ幅は、粒子に関係する位置における正弦波の振幅に基づいて調整することができる。例えば、ウィンドウは、より大きい振幅についてはより広く、より小さい振幅についてはより狭くすることができる。
【0080】
本発明のこれまでの説明は、図示および説明目的で提示されている。本発明を開示する正確な形態に網羅されるか、または限定されることを意図せず、他の修正および変化が上記の教示を考慮して可能であり得る。実施形態は、本発明の目的およびその実践的適用を最もよく説明し、それによって、当業者が意図する特定の使用に適するとして種々の実施形態および種々の修正に最もよく使用することを可能にするように、本発明を選択し、説明した。添付の請求項は、先行技術によって制限される範囲を除く、本発明の他のさらなる実施形態を含むように構成されることを意図する。