特許第5711288号(P5711288)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5711288
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20150409BHJP
【FI】
   A63F5/04 512D
【請求項の数】2
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2013-67898(P2013-67898)
(22)【出願日】2013年3月28日
(62)【分割の表示】特願2010-69182(P2010-69182)の分割
【原出願日】2010年3月25日
(65)【公開番号】特開2013-126608(P2013-126608A)
(43)【公開日】2013年6月27日
【審査請求日】2013年3月28日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100118315
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 博道
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 和晃
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 真寛
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 好彦
(72)【発明者】
【氏名】高野 裕
(72)【発明者】
【氏名】坪井 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】山下 裕史
(72)【発明者】
【氏名】今村 英誉
(72)【発明者】
【氏名】福田 英之
(72)【発明者】
【氏名】平山 和之
(72)【発明者】
【氏名】山根 大地
【審査官】 山崎 仁之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−200350(JP,A)
【文献】 めぞん一刻2,パチスロ必勝ガイド,日本,株式会社白夜書房,2009年10月 1日,第20巻第11号,p.12−17
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常の遊技である通常遊技と、通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技である有利遊技とを実行可能に形成された遊技機であって、
遊技機は、
周囲に複数の図柄が付されたn個(n≧2)の回転リールと、
各回転リールに対応した表示面を有する表示部と、
所定の契機により表示部に所定の情報を表示する表示制御手段と、
特定の契機により所定の状態にある各回転リールの回転が開始する回転開始順序を決定する駆動順序決定手段と、
前記特定の契機は、表示制御手段による表示部への所定の情報の表示が行われた後の所定の操作であり、駆動順序決定手段により回転開始順序を決定し、この順序に従って、所定の状態にある各回転リールの回転を順次開始させる時間差駆動制御手段と、を備え、
m番目(n≧m≧1)に回転を開始すると決定された回転リールに対応する表示部に表示された所定の情報に対応した遊技者に有利な制御が行われるように形成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
通常の遊技である通常遊技と、通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技である有利遊技とを実行可能に形成された遊技機であって、
遊技機は、
周囲に複数の図柄が付されたn個(n≧2)の回転リールと、
各回転リールに対応した表示面を有する表示部と、
所定の契機により表示部に所定の情報を表示する表示制御手段と、
特定の契機により他の回転リールとは異なる態様となるように回転を行う回転リールを決定するリール決定手段と、
前記特定の契機は、表示制御手段による表示部への所定の情報の表示が行われた後の所定の操作であり、リール決定手段により所定の態様で回転させる回転リールを決定し、この決定に従って、各回転リールを所定の態様で回転させる回転制御手段と、を備え、
他の回転リールとは異なる態様となるように回転を行うと決定された回転リールに対応する表示部に表示された所定の情報に対応した遊技者に有利な制御が行われるように形成されていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、更に詳しくは、複数の回転リールを備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンやパロットなどの遊技機では、スタートスイッチを操作すると、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)が行われるとともに、すべての回転リールの回転が開始する。一般的なスロットマシンでは、すべての回転リールの回転が同時に開始する。その後、いずれかのストップスイッチを操作すると、当該ストップスイッチに対応した回転リールの回転が停止する。そして、すべてのストップスイッチの操作を終えると、すべての回転リールの回転が停止する。このとき、いずれかの有効な入賞ライン上に、役抽選で当選した役に対応する図柄の組み合わせが揃うと、当該役に入賞となり、入賞態様に応じた利益が遊技者に対して付与される。
【0003】
なお、下記の特許文献1には、通常時と内部当り当選時とでドラムの回転開始の態様を異ならせて、内部当りを遊技者に報知する遊技機が開示されている。
具体的には、下記の特許文献1の段落番号「0040」には、「内部当り抽選部11での抽選の結果内部当りとならなかった場合には、ドラム回転制御部12がドラム20に回転開始信号を出力し、三つのドラム20a,20b,20cを一斉に回転開始させる。一方、内部当り抽選部11での抽選の結果内部当りとなった場合には、ドラム回転制御部12が通常の場合と異なる回転開始信号を出力し、三つのドラム20a,20b,20cをそれぞれ異なる時期に回転開始させるようになっている。」との記載がある。
【0004】
また、下記の特許文献2には、各リールの回転動作の順序や方向の組合せによって、特別入賞用の「大当たり」の当選確率を報知する遊技機が開示されている。
具体的には、下記の特許文献2の段落番号「0057」には、「各リール8a,8b,8cの回転動作の順序、もしくは回転方向の組合せによって、特別入賞用の『大当たり』に当選している確率が報知されるので、遊技者は、リールの始動操作を行った時点から各リール8a,8b,8cがどのような順序で始動するか、もしくはどのような方向に回転するかに注視するようになる。」との記載がある。
また、下記の特許文献3には、BB内部当たり状態が発生したにもかかわらず、BBゲーム入賞のシンボル組み合わせが停止表示されない場合に、各リールを逆回転させたり、ゆっくりしたスピードで回転させて、BBゲーム入賞のシンボル組み合わせを揃えることにより、BB内部当たり状態の発生を遊技者に報知する遊技機が開示されている。
【0005】
具体的には、下記の特許文献3の段落番号「0064」には、「本実施形態では、特定の入賞態様に対応するシンボル組合せが停止表示されて直接的な内部当たり報知が液晶表示部24で行われる前に、各リール3a〜5aがナッジやリスピンといった所定の演出表示を行うため、内部当たり状態の報知はより高い興趣をもって行われるようになる。この所定の演出表示は、上記の実施形態ではナッジやリスピンを例に挙げて説明したが、これら演出に限られるものではない。例えば、各リール3a〜5aが、『リーチ目』の状態から逆回転をした後に特定の入賞態様に対応するシンボル組合せを停止表示したり、また、『リーチ目』の状態からゆっくりしたスピードで特定の入賞態様に対応するシンボル組合せを停止表示したりするようにしてもよい。」との記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−197727号公報
【特許文献2】特開2000−254273号公報
【特許文献3】特開2006−116351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した従来の各遊技機では、各回転リールの回転順序や回転方向だけで内部当たりの報知を行っていたため、報知態様が単調であり、遊技者に飽きられやすかった。
そこで、本発明は、各回転リールの回転開始順序又は回転の態様と、各回転リールに対応した表示面を有する表示部への表示との組み合わせで、有利遊技への移行の有無を報知することにより、遊技者に対して強烈なインパクトを与えるとともに、回転リールを利用した演出のバリエーションを広げることを目的とする。
また、本発明は、有利遊技への移行の有無が決定される際に、緊張感や、期待感や、高揚感を遊技者に持たせることができ、遊技の興趣を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(第1の発明)
第1の発明は、通常の遊技である通常遊技と、通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技である有利遊技とを実行可能に形成された遊技機であって、遊技機は、周囲に複数の図柄が付されたn個(n≧2)の回転リール45と、各回転リール45に対応した表示面55aを有する表示部55と、所定の契機により表示部55に所定の情報を表示する表示制御手段160と、特定の契機により所定の状態にある各回転リール45の回転が開始する回転開始順序を決定する駆動順序決定手段150と、特定の契機は、表示制御手段160による表示部55への所定の情報の表示が行われた後の所定の操作であり、駆動順序決定手段150により回転開始順序を決定し、この順序に従って、所定の状態にある各回転リール45の回転を順次開始させる時間差駆動制御手段170と、を備え、m番目(n≧m≧1)に回転を開始すると決定された回転リール45に対応する表示部55に表示された所定の情報に対応した遊技者に有利な制御が行われるように形成されていることを特徴とする。
【0009】
(第2の発明)
第2の発明は、
通常の遊技である通常遊技と、通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技である有利遊技とを実行可能に形成された遊技機であって、遊技機は、周囲に複数の図柄が付されたn個(n≧2)の回転リール45と、各回転リール45に対応した表示面55aを有する表示部55と、所定の契機により表示部55に所定の情報を表示する表示制御手段160と、特定の契機により他の回転リール45とは異なる態様となるように回転を行う回転リール45を決定するリール決定手段と、前記特定の契機は、表示制御手段160による表示部55への所定の情報の表示が行われた後の所定の操作であり、リール決定手段により所定の態様で回転させる回転リールを決定し、この決定に従って、各回転リール45を所定の態様で回転させる回転制御手段と、を備え、他の回転リール45とは異なる態様となるように回転を行うと決定された回転リール45に対応する表示部55に表示された所定の情報に対応した遊技者に有利な制御が行われるように形成されていることを特徴とする。
【0010】
ここで、「有利遊技」とは、遊技者にとって通常遊技よりも有利な遊技をいう。有利遊技としては、例えば、「特別遊技」や「特殊遊技」を実行することができ、また、「特別遊技」としては、例えば、「ビッグボーナスゲーム(BBゲーム)」や「レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)」を実行することができ、また、特殊遊技としては、例えば、成立した小役を遊技者に対して告知する「アシストタイム(AT)」や、再遊技当選の当選確率を通常遊技よりも高く設定した「リプレイタイム(RT)」や、いずれかの回転リール45のスベリコマ数を0コマ又は1コマにすることにより、いわゆる目押しを可能とした「チャレンジタイム(CT)」を実行することができる。
【0011】
また、「n」は、2以上の正整数を意味する。つまり、本発明では、2個以上の回転リール45が備えられる。
また、「表示部」は、各回転リール45に対応した表示面55aを有するものである。つまり、本発明では、n個の各回転リール45にそれぞれ対応して、n個の表示面55aが設けられる。
【0012】
また、表示部55としては、例えば、7セグメントLEDや、ドットマトリクスや、液晶ディスプレイなどを用いることができる。
また、例えば、n個の各回転リール45にそれぞれ対応してn個の液晶ディスプレイを設け、各液晶ディスプレイの画面をそれぞれ「表示面55a」とすることができるし、また、1個の液晶ディスプレイを設け、この1個の液晶ディスプレイの画面をn個の各回転リール45に対応したn個の部分に分割し、分割した各部分をそれぞれ「表示面55a」とすることもできる。
【0013】
また、「所定の状態にある」とは、回転が停止している状態や、通常とは異なる態様で既に回転している状態を意味する。また、通常とは異なる態様とは、例えば、通常の回転方向(正方向)とは反対の方向に回転している等である。
また、「m」は、1以上n以下の正整数を意味する。例えば、n=3の場合、mは、「1」としてもよく、また、「2」としてもよく、また、「3」としてもよい。つまり、n=3の場合、1番目(最初)に回転を開始すると決定された回転リール45に対応する表示面55aに表示するための表示データが当り表示データであったときに、有利遊技へ移行することを決定するようにしてもよく、また、2番目に回転を開始すると決定された回転リール45に対応する表示面55aに表示するための表示データが当り表示データであったときに、有利遊技へ移行することを決定するようにしてもよく、また、3番目(最後)に回転を開始すると決定された回転リール45に対応する表示面55aに表示するための表示データが当り表示データであったときに、有利遊技へ移行することを決定するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
(第1の発明)
第1の発明によれば、表示部に表示される所定の情報が決定され、その後の特定の契機である所定の操作時に各回転リールの回転開始順序が決定され、m番目に回転を開始すると決定された回転リールに対応する表示面に表示された情報に係る表示データが、所定の表示データであったときに、表示された所定の表示データに対応した遊技者に有利な制御が行われる。例えば有利遊技への移行の有無が決定される。すなわち、所定の情報が決定され、その後特定の契機である所定の操作時に各回転リールの回転開始順序が決定され、これらの対応関係によって、有利遊技への移行の有無が決定される。このため、有利遊技への移行の決定に係る契機、つまり各回転リールの回転開始順序が決定される特定の契機である所定の操作時に、緊張感や、期待感や、高揚感を遊技者に持たせることができるとともに、有利遊技への移行を自力で引き当てた印象を遊技者に強く持たせることができ、言い換えれば有利遊技への移行の有無の決定についてヤラセ感をなくすことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0015】
また、第1の発明によれば、有利遊技への移行の有無を示す情報が表示面に表示され、特定の契機である所定の操作時に各回転リールの回転開始順序が決定された後の所定時に、決定された回転開始順序に従って、各回転リールの回転が開始する。このため、遊技者から見れば、m番目に回転を開始した回転リールに対応する表示面に表示された情報が、有利遊技への移行の有無を示す情報となるので、遊技者に対して強烈なインパクトを与えることができるとともに、回転リールを利用した演出のバリエーションを広げることができる。
【0016】
(第2の発明)
第2の発明によれば、表示部に表示される所定の情報が決定され、その後の特定の契機である所定の操作時に他の回転リールとは異なる態様となるように回転を行う回転リールが決定され、他の回転リールとは異なる態様となるように回転を行うと決定された回転リールに対応する表示面に表示された情報に係る表示データが、所定の表示データであったときに、表示された所定の表示データに対応した遊技者に有利な制御が行われる。例えば有利遊技への移行の有無が決定される。すなわち、所定の情報が決定され、その後特定の契機である所定の操作時に他の回転リールとは異なる態様となるように回転を行う回転リールが決定され、これらの対応関係によって、有利遊技への移行の有無が決定される。このため、有利遊技への移行の決定に係る契機、つまり他の回転リールとは異なる態様となるように回転を行う回転リールが決定される特定の契機である所定の操作時に、緊張感や、期待感や、高揚感を遊技者に持たせることができるとともに、有利遊技への移行を自力で引き当てた印象を遊技者に強く持たせることができ、言い換えれば有利遊技への移行の有無の決定についてヤラセ感をなくすことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0017】
また、第2の発明によれば、有利遊技への移行の有無を示す情報が表示部に表示され、特定の契機である所定の操作時に他の回転リールとは異なる態様となるように回転を行う回転リールが決定され、有利遊技への移行の有無を示す情報が表示部に表示された後の所定時に、決定された態様に従って、各回転リールが回転する。このため、遊技者から見れば、他の回転リールとは異なる態様で回転した回転リールに対応する表示部に表示された情報が、有利遊技への移行の有無を示す情報となるので、遊技者に対して強烈なインパクトを与えることができるとともに、回転リールを利用した演出のバリエーションを広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機のブロック図
図2】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の正面図
図3】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の動作の概略を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を、図1図3に基づいて説明する。
以下、「前面」とは、遊技機において遊技を行う際に遊技者が向き合う面をいい、「右側」とは、遊技機の前面に向き合って遊技を行う遊技者から見て右側をいい、「左側」とは、遊技機の前面に向き合って遊技を行う遊技者から見て左側をいう。
(遊技機)
図2に示すように、遊技機としてのスロットマシン10は、前面に開口部を有する箱型の筐体11を備え、筐体11の前面には、開口部を塞ぐ前扉12を備え、筐体11の内部には、3個の回転リール45を横並びに配置したリールユニット40や、スロットマシン10を制御するための制御装置20や、メダルを払い出すためのホッパーユニットや、スロットマシン10が備える各装置に電力を供給するための電源ユニットなどを備えている。
【0020】
また、3個の回転リール45のうち、左側に位置するのが左リール46であり、中央に位置するのが中リール47であり、右側に位置するのが右リール48である。
また、前扉12の上部には、上パネル13を備え、前扉12の下部には、下パネル14を備え、前扉12の前面における、上パネル13と下パネル14との間には、前方へ向けて突出する操作部16を備えている。
また、上パネル13のほぼ中央には、各回転リール45の周囲に付されている図柄を遊技者に見せるための図柄表示窓15が設けられている。この図柄表示窓15は、3個すべての回転リール45の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄を遊技者に見せるように形成されている。
【0021】
また、入賞ラインとして、上段の3個の図柄を通る上入賞ラインと、中段の3個の図柄を通る中入賞ラインと、下段の3個の図柄を通る下入賞ラインと、左下・中央・右上の3個の図柄を通る右上り入賞ラインと、左上・中央・右下の3個の図柄を通る右下り入賞ラインとが設けられている。
また、図2に示すように、本実施の形態では、上パネル13における、図柄表示窓15の上方に相当する位置に、表示部55としての1個の液晶ディスプレイが設けられている。この液晶ディスプレイは、図柄表示窓15の右端から左端まで至る横長の矩形に形成され、また、この液晶ディスプレイの画面は、3個の部分に分割されている。そして、分割された画面の各部分が、それぞれ表示面55aとされている。具体的には、画面の左側の部分は、左リール46に対応する、表示面55aとしての左表示面56とされ、また、画面の中央の部分は、中リール47に対応する、表示面55aとしての中表示面57とされ、また、画面の右側の部分は、右リール48に対応する、表示面55aとしての右表示面58とされている。このようにして、本実施の形態では、左、中、右の3個の各回転リール45(46,47,48)にそれぞれ対応して、左、中、右の3個の各表示面55a(56,57,58)が設けられている。
【0022】
また、操作部16の上面右側には、メダルを投入するためのメダル投入口36が設けられ、操作部16の上面左側には、クレジットされているメダルをベットするためのベットスイッチ32が設けられ、操作部16の上面左端付近には、クレジットされているメダルを返却するための精算スイッチ35が設けられ、操作部16の前面左側には、各回転リール45の回転を開始させるためのスタートスイッチ33が設けられ、操作部16の前面中央には、各回転リール45の回転を停止させるためのものであって各回転リール45にそれぞれ対応している3個のストップスイッチ34が横並びに設けられている。
また、前扉12の下部中央には、メダルを払い出すためのメダル払出口37が設けられ、メダル払出口37の下方には、メダル払出口37から払い出されたメダルを受け止めて貯留するためのメダル受け皿38が設けられている。
【0023】
(リールユニット40)
リールユニット40は、横並びに設けた3個の回転リール45と、各回転リール45を回転させるためのものであって各回転リール45にそれぞれ対応しているステッピングモータと、これらを支持するためのフレームとを備えている。
また、各回転リール45の周囲には、複数種類の図柄が所定の配列で合計21個付されている。
また、各ステッピングモータの出力軸には、対応する回転リール45の回転軸がそれぞれ固定されている。具体的には、左側のステッピングモータの出力軸には、左リール46の回転軸が固定され、中央のステッピングモータの出力軸には、中リール47の回転軸が固定され、右側のステッピングモータの出力軸には、右リール48の回転軸が固定されている。
【0024】
また、ステッピングモータは、パルス信号によって駆動するものであって、入力されるパルス信号のパターンによって、加速・定速・減速のパターンが決まる。そして、ステッピングモータが駆動すると、対応する回転リール45が回転軸を中心に回転する。
また、各回転リール45には、インデックスセンサにより検知されるインデックスが設けられており、インデックスが検知されてからのステッピングモータのパルス数により回転リール45の回転位置を特定できるようになっている。
(制御装置20)
図1に示すように、制御装置20は、遊技の制御を行う遊技制御装置21と、遊技制御装置21からの信号を受信して演出の制御を行う演出制御装置22とを備えている。
【0025】
また、遊技制御装置21は、メイン基板などとも呼ばれるものであって、CPU、RAM、ROM、およびI/Oなどを備えたマイクロコンピュータを用いて構成されている。CPUがROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、遊技制御装置21を構成するマイクロコンピュータが、遊技制御手段60、役抽選手段110、入賞判定手段120、停止制御手段130、駆動順序決定手段150、および時間差駆動制御手段170などとして機能する。遊技制御装置21の入力手段としては、ベットスイッチ32や、スタートスイッチ33や、ストップスイッチ34や、精算スイッチ35や、リールユニット40の各回転リール45のインデックスセンサなどが接続され、遊技制御装置21の出力手段としては、リールユニット40のステッピングモータや、ホッパーユニットなどが接続されている。
【0026】
また、演出制御装置22は、サブ基板などとも呼ばれるものであって、遊技制御装置21と同様に、CPU、RAM、ROM、およびI/Oなどを備えたマイクロコンピュータを用いて構成されている。CPUがROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、演出制御装置22を構成するマイクロコンピュータが、液晶ディスプレイに表示する画像を制御する画像制御手段、演出用ランプの点灯・点滅・消灯を制御するランプ制御手段、およびスピーカから発する音を制御する音響制御手段などとして機能し、さらに、本実施の形態では、表示データ記憶手段190、表示データ選択手段200、表示制御手段160、特殊遊技移行決定手段210および特殊遊技制御手段180などとしても機能する。演出制御装置22の入力手段としては、遊技制御装置21が接続され、演出制御装置22の出力手段としては、3個の表示面55aを有する表示部55としての液晶ディスプレイや、演出用ランプや、スピーカなどが接続されている。
【0027】
(遊技制御手段60)
遊技制御手段60は、通常遊技制御手段70と、特別遊技制御手段80とを備えている。通常遊技制御手段70は、通常遊技を制御するものであり、特別遊技制御手段80は、特別遊技を制御するものである。
(通常遊技制御手段70)
通常遊技制御手段70は、通常遊技を制御するものである。
以下、スロットマシン10における通常遊技について説明する。
1回の遊技につき、最小で1枚、最大で3枚のメダルのベットが可能である。メダルをベットすると、メダルのベット枚数に応じた本数の入賞ラインが有効になる。また、メダルのベットには、メダル投入口36からメダルを投入することによるベットと、ベットスイッチ32を操作することによるクレジットされているメダルのベットとがある。また、再遊技のときには、前回の遊技でベットした枚数と同数のメダルが自動的にベットされる。また、メダルのベットを条件に、スタートスイッチ33を操作すると、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)が行われるとともに、3個すべての回転リール45の回転が開始する。その後、3個のストップスイッチ34のうちの1個を操作すると、当該ストップスイッチ34に対応した回転リール45の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ34の操作を終えると、3個すべての回転リール45の回転が停止する。このとき、いずれかの有効な入賞ライン上に、役抽選で当選した役に対応する図柄の組み合わせが揃うと、当該役に入賞となり、入賞態様に応じた枚数のメダルを獲得できる。また、獲得したメダルは、クレジットされ、クレジット数が上限値に達したときには、ホッパーユニットが駆動して、上限値を超えた分がメダル払出口37から払い出される。また、メダルの獲得に代えて、あるいはメダルの獲得とともに、遊技者に対して所定の利益が付与されることもある。
【0028】
なお、ここで、役には、入賞によりメダルが払い出される小役(チェリー役、ベル役、及びスイカ役)と、入賞によりメダルの払い出しはないが特別遊技へ移行するボーナス役と、入賞によりメダルの払い出しはないがメダルを新たに投入することなく前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる再遊技役とがある。また、ボーナス役には、入賞により後述するビッグボーナスゲームに移行するビッグボーナス役(BB役)と、入賞により後述するレギュラーボーナスゲームに移行するレギュラーボーナス役(RB役)とがある。
また、当選とは、役抽選で当たることを意味し、入賞とは、いずれかの有効な入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが揃うことを意味する。
【0029】
また、役抽選でいずれかの役に当選すると、その役に対応したフラグが成立し、その役に対応した図柄の組み合わせがいずれかの有効な入賞ライン上に揃い得るようになるとともに、その役以外の役に対応した図柄の組み合わせについてはいずれの有効な入賞ライン上にも揃わないようになる。そして、すべての回転リール45の回転が停止したときに、当選した役に対応する図柄の組み合わせがいずれかの有効な入賞ライン上に揃うと、その役に入賞となり、入賞した役に応じた利益が遊技者に付与される。
例えば、役抽選でベル当選となると、ベルフラグが成立して、いずれかの有効な入賞ライン上に「ベル」の図柄の組み合わせが揃い得るようになり、「ベル」の図柄の組み合わせが揃うと、ベル役の入賞となり、所定枚数(例えば10枚)のメダルが獲得できる。
【0030】
また、役抽選で再遊技当選となると、再遊技フラグが成立して、いずれかの有効な入賞ライン上に「Replay」の図柄の組み合わせが揃い得るようになり、「Replay」の図柄の組み合わせが揃うと、再遊技の入賞となり、新たにメダルを投入することなく前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行える。
また、役抽選でハズレとなると、いずれの有効な入賞ライン上にも、いずれの役に対応した図柄の組み合わせも揃わなくなる。
また、役抽選の結果の如何にかかわらず、いずれの有効な入賞ライン上にも、いずれの役に対応した図柄の組み合わせも揃わないと、入賞なしとなる。
【0031】
なお、小役フラグ(チェリーフラグ、ベルフラグ、及びスイカフラグ)ならびに再遊技フラグは、成立した遊技で入賞しないとクリアされ、次回以降の遊技に持ち越されることはない。
(特別遊技制御手段80)
特別遊技とは、遊技者にとって通常遊技よりも有利な遊技をいい、特別遊技制御手段80は、特別遊技を制御するものである。
特別遊技としては、ビッグボーナスゲーム(BBゲーム)と、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)とがある。BBゲームとは、所定の役の当選確率が通常遊技よりも高い遊技を複数回実行可能な遊技であって、メダルの最大獲得枚数が所定枚数(例えば300枚)の遊技をいい、RBゲームとは、BBゲームと同じく、所定の役の当選確率が通常遊技よりも高い遊技を複数回実行可能な遊技であるものの、メダルの最大獲得枚数がBBゲームよりも少ない所定枚数(例えば100枚)の遊技をいう。
【0032】
通常遊技において、役抽選の結果がビッグボーナス当選(BB当選)となると、ビッグボーナスフラグ(BBフラグ)が成立して、いずれかの有効な入賞ライン上に、ビッグボーナスに対応する「7」の図柄の組み合わせが揃い得るようになり、「7」の図柄の組み合わせが揃うと、ビッグボーナス入賞(BB入賞)となり、BBゲームへ移行する。
BBゲームへ移行すると、役抽選で所定の役に当選する確率が通常遊技中よりも高くなり、そして、いずれかの有効な入賞ライン上に、当選した役に対応する図柄の組み合わせが揃うと、その役に入賞となり、入賞態様に応じた所定枚数のメダルが払い出される。
そして、BBゲーム中のメダルの獲得枚数が所定枚数(例えば300枚)に達すると、BBゲームは終了して、通常遊技または後述する特殊遊技(有利遊技)へ移行する。
【0033】
また、通常遊技において、役抽選の結果がレギュラーボーナス当選(RB当選)となると、レギュラーボーナスフラグ(RBフラグ)が成立して、いずれかの有効な入賞ライン上に、レギュラーボーナスに対応する「BAR」の図柄の組み合わせが揃い得るようになり、「BAR」の図柄の組み合わせが揃うと、レギュラーボーナス入賞(RB入賞)となり、RBゲームへ移行する。
RBゲームへ移行すると、BBゲームと同様の遊技が行われるが、BBゲームとはメダルの最大獲得枚数が異なり、RBゲーム中のメダルの獲得枚数が所定枚数(例えば100枚)に達すると、RBゲームは終了して、通常遊技または後述する特殊遊技(有利遊技)へ移行する。
【0034】
なお、BBゲームおよびRBゲームを総称してボーナスゲームとし、また、BB入賞およびRB入賞を総称してボーナス入賞とし、また、BBフラグおよびRBフラグを総称してボーナスフラグとする。
また、ボーナスフラグは、成立した遊技でボーナス入賞が引き当てられなかったとしても、クリアされることなく次回以降の遊技に持ち越され、この持ち越しは、ボーナス入賞が引き当てられるまで継続する。
(役抽選手段110)
役抽選手段110は、スタートスイッチ33の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)を行うものである。
【0035】
役抽選手段110は、乱数発生手段と、乱数抽出手段と、役抽選テーブルと、判定手段とを備えている。
また、乱数発生手段は、役抽選用の乱数を、所定の範囲内(例えば、10進数で0〜65535)で発生させるものである。
また、乱数抽出手段は、乱数発生手段が発生させた乱数を、所定の契機(例えば、スタートスイッチ33の操作)で抽出するものである。
なお、乱数発生手段は、カウンタ回路などによって構成されるため、乱数発生手段が発生させる数値は、厳密には乱数ではない。ただ、スタートスイッチ33が操作されるタイミングは、ランダムであると考えられるため、乱数抽出手段が抽出する数値は、実質的には乱数として取り扱うことができる。
【0036】
また、役抽選テーブルは、乱数発生手段が発生させる範囲内の各乱数について、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかをあらかじめ定めたものである。
また、判定手段は、乱数抽出手段が抽出した乱数と、役抽選テーブルとを照合して、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの判定を行うものである。
そして、役抽選手段110による役抽選で、いずれかの役に当選すると、当選した役に対応するフラグが成立する。そして、このフラグの成立中に、いずれかの有効な入賞ライン上に、役抽選で当選した役に対応する図柄の組み合わせが揃うと、その役に入賞となり、遊技者に対して、メダルの払い出しや、特別遊技等の利益が付与される。
【0037】
(入賞判定手段120)
入賞判定手段120は、すべての回転リール45の回転が停止した際における入賞ライン上の図柄の組み合わせに基づいて、複数の役のいずれかに入賞か又は入賞なしかの判定を行うものである。
具体的には、入賞判定手段120は、3個すべての回転リール45の回転が停止した際に、いずれかの有効な入賞ライン上に、役抽選で当選した役に対応する図柄の組み合わせが揃うと、その役に入賞と判定し、一方、いずれの有効な入賞ライン上にも、いずれの役に対応する図柄の組み合わせも揃わないと、入賞なしと判定する。
【0038】
(停止制御手段130)
停止制御手段130は、役抽選手段110の抽選結果と、各ストップスイッチ34が操作された際における対応する回転リール45の回転位置とに基づいて、各回転リール45の回転を停止させるものである。
具体的には、停止制御手段130は、各ストップスイッチ34が操作された際における対応する回転リール45の回転位置を、対応するインデックスが検知されてから対応するストップスイッチ34が操作されるまでの間における対応するステッピングモータのステップ数で特定しつつ、役抽選手段110の抽選結果がいずれかの役に当選の場合には、各回転リール45の回転を停止させるに際し、当選した役に対応する図柄の組み合わせが、いずれかの有効な入賞ライン上に極力揃うように、かつ、当選した役以外の役に対応する図柄の組み合わせについては、いずれの有効な入賞ライン上にも揃わないように、引き込み制御及び蹴飛ばし制御を行い、一方、役抽選手段110の抽選結果がハズレの場合には、各回転リール45の回転を停止させるに際し、いずれの有効な入賞ライン上にも、いずれの役に対応する図柄の組み合わせも揃わないように、蹴飛ばし制御を行う。
【0039】
(表示データ記憶手段190)
表示データ記憶手段190は、表示面55aに表示することができる表示データとして、有利遊技へ移行することを示す情報に係る当り表示データと、有利遊技へ移行しないことを示す情報に係るハズレ表示データとを予め記憶するものである。
本実施の形態では、遊技者にとって通常遊技よりも有利な遊技であって、特別遊技とは異なる遊技である特殊遊技を、有利遊技としている。
すなわち、本実施の形態では、表示データ記憶手段190は、表示データとして、特殊遊技へ移行することを示す情報に係る当り表示データと、特殊遊技へ移行しないことを示す情報に係るハズレ表示データとを予め記憶している。
【0040】
また、本実施の形態では、有利さの度合いが異なる複数態様の特殊遊技を実行可能とされ、また、特殊遊技としては、成立した小役を遊技者に対して告知するアシストタイム(AT)が実行される。
具体的には、本実施の形態では、特殊遊技として、成立した小役を遊技者に対して50回の遊技にわたって告知するノーマルアシストタイム(ノーマルAT)と、成立した小役を遊技者に対して100回の遊技にわたって告知するスーパーアシストタイム(スーパーAT)とが実行可能とされる。つまり、本実施の形態では、成立した小役を遊技者に対して告知する遊技の回数によって、有利さの度合いを異ならせている。
【0041】
そして、本実施の形態では、表示データ記憶手段190は、当り表示データとして、各特殊遊技の有利さの度合いに応じた複数態様の当り表示データを予め記憶している。
具体的には、本実施の形態では、表示データ記憶手段190は、当り表示データとして、スーパーATへ移行することを示す情報に係る当り表示データ、及びノーマルATへ移行することを示す情報に係る当り表示データを予め記憶している。
(表示データ選択手段200)
表示データ選択手段200は、表示面55aに表示するための表示データとして、当り表示データまたはハズレ表示データのいずれかを決定するものである。
【0042】
また、本実施の形態では、表示データ選択手段200は、表示データとして、複数態様の当り表示データおよびハズレ表示データのうちからいずれかを抽選で決定するように形成されている。
具体的には、本実施の形態では、表示データ選択手段200は、左表示面56に表示するための表示データ、中表示面57に表示するための表示データ、及び右表示面58に表示するための表示データを、複数態様の当り表示データおよびハズレ表示データのうちからいずれかを、それぞれ抽選で決定するように形成されている。
より具体的には、本実施の形態では、表示データ選択手段200は、入賞判定手段120によりボーナス入賞(BB入賞又はRB入賞)と判定されると、それを契機に、左表示面56に表示するための表示データ、中表示面57に表示するための表示データ、及び右表示面58に表示するための表示データを、スーパーATへ移行することを示す情報に係る当り表示データ、ノーマルATへ移行することを示す情報に係る当り表示データ、及びいずれのATへも移行しないことを示す情報に係るハズレ表示データのうちからいずれかを、それぞれ抽選で決定するように形成されている。
【0043】
なお、本実施の形態では、後述する特殊遊技移行決定手段210によりスーパーAT又はノーマルATへ移行することが決定されると、ボーナスゲーム(BBゲーム又はRBゲーム)の終了後に、後述する特殊遊技制御手段180によりスーパーAT又はノーマルATが実行される。
(表示制御手段160)
表示制御手段160は、表示データ選択手段200により決定された表示データに基づいて、所定の契機により表示部55に所定の情報を表示するものである。
本実施の形態では、表示制御手段160は、ボーナスゲーム(BBゲーム又はRBゲーム)における1回目(最初)の遊技で、スタートスイッチ33の操作を契機に、表示データ選択手段200による抽選で決定された表示データに基づいて、左、中、右の3個の各表示面55aにそれぞれ所定の情報(スーパーAT又はノーマルATへ移行することを示す情報や、いずれのATへも移行しないことを示す情報)を表示させるように形成されている。
【0044】
具体的には、例えば、表示データ選択手段200による抽選により、左表示面56に表示するための表示データとして、スーパーATへ移行することを示す情報に係る当り表示データが選択され、中表示面57に表示するための表示データとして、ノーマルATへ移行することを示す情報に係る当り表示データが選択され、右表示面58に表示するための表示データとして、いずれのATへも移行しないことを示す情報に係るハズレ表示データが選択されたとする。この場合においては、表示制御手段160は、表示データ選択手段200により選択された表示データに基づいて、ボーナスゲーム(BBゲーム又はRBゲーム)における1回目(最初)の遊技で、スタートスイッチ33の操作を契機に、スーパーATへ移行することを示す情報である「SUPER WIN」の文字を左表示面56に表示させ、ノーマルATへ移行することを示す情報である「WIN」の文字を中表示面57に表示させ、いずれのATへも移行しないことを示す情報である「LOSE」の文字を右表示面58に表示させる。
【0045】
(駆動順序決定手段150)
駆動順序決定手段150は、特定の契機により所定の状態にある各回転リール45の回転が開始する回転開始順序を決定するものである。
また、本実施の形態では、駆動順序決定手段150は、表示制御手段160による表示部55への所定の情報の表示が行われた後の特定の契機により、各回転リール45の回転が開始する回転開始順序を決定するように形成されている。
また、本実施の形態では、表示制御手段160による表示部55への所定の情報の表示が行われる遊技であるボーナスゲーム(BBゲーム又はRBゲーム)における1回目(最初)の遊技の後の2回目の遊技におけるスタートスイッチ33の操作を、特定の契機としている。
【0046】
具体的には、本実施の形態では、左、中、右の3個の回転リール45(46,47,48)を備えている。このため、各回転リール45の回転が開始する回転開始順序としては、「左→中→右」「左→右→中」「中→左→右」「中→右→左」「右→左→中」「右→中→左」の6通りある。
そして、本実施の形態では、駆動順序決定手段150は、ボーナスゲーム(BBゲーム又はRBゲーム)における2回目の遊技で、スタートスイッチ33の操作を契機に、回転が停止している状態の3個の回転リール45の回転が開始する回転開始順序を、「左→中→右」「左→右→中」「中→左→右」「中→右→左」「右→左→中」「右→中→左」の6通りのうちのいずれにするか、抽選で決定するように形成されている。
【0047】
(特殊遊技移行決定手段210)
特殊遊技移行決定手段210は、特殊遊技へ移行するか否かを決定するものである。
本実施の形態では、特殊遊技移行決定手段210を、有利遊技移行決定手段としている。
また、本実施の形態では、特殊遊技移行決定手段210は、表示データ選択手段200により決定された表示面55aに表示するための表示データと、駆動順序決定手段150により決定された各回転リール45の回転が開始する回転開始順序との対応関係を判定して、1番目(最初)に回転を開始すると決定された回転リール45に対応する表示データがいずれかの態様の当り表示データであったときに、その当り表示データに対応する態様の特殊遊技へ移行することを決定するように形成されている。
【0048】
具体的には、特殊遊技移行決定手段210は、1番目(最初)に回転を開始すると決定された回転リール45に対応する表示面55aに表示するための表示データが、いずれの表示データであるかの判定を行い、その表示データが、いずれかの態様の当り表示データであったときには、その当り表示データに対応する態様のATへ移行することを決定し、一方、その表示データが、いずれのATへも移行しないことを示す情報に係るハズレ表示データであったときには、いずれのATへ移行しなことを決定する。
例えば、表示データ選択手段200による抽選により左表示面56に表示するための表示データ、中表示面57に表示するための表示データ、及び右表示面58に表示するための表示データが、それぞれ、スーパーATへ移行することを示す情報に係る当り表示データ、ノーマルATへ移行することを示す情報に係る当り表示データ、及びいずれのATへも移行しないことを示す情報に係るハズレ表示データに決定され、駆動順序決定手段150による抽選により各回転リール45の回転が開始する回転開始順序が、「左→中→右」に決定されたとする。この場合には、特殊遊技移行決定手段210は、1番目(最初)に回転を開始すると決定された左リール46に対応する左表示面56に表示するための表示データが、スーパーATへ移行することを示す情報に係る当り表示データであるので、スーパーATへ移行することを決定する。
【0049】
また、例えば、表示データ選択手段200による抽選により左表示面56に表示するための表示データ、中表示面57に表示するための表示データ、及び右表示面58に表示するための表示データが、それぞれ、スーパーATへ移行することを示す情報に係る当り表示データ、ノーマルATへ移行することを示す情報に係る当り表示データ、及びいずれのATへも移行しないことを示す情報に係るハズレ表示データに決定され、駆動順序決定手段150による抽選により各回転リール45の回転が開始する回転開始順序が、「中→左→右」に決定されたとする。この場合には、特殊遊技移行決定手段210は、1番目(最初)に回転を開始すると決定された中リール47に対応する中表示面57に表示するための表示データが、ノーマルATへ移行することを示す情報に係る当り表示データであるので、ノーマルATへ移行することを決定する。
【0050】
また、例えば、表示データ選択手段200による抽選により左表示面56に表示するための表示データ、中表示面57に表示するための表示データ、及び右表示面58に表示するための表示データが、それぞれ、スーパーATへ移行することを示す情報に係る当り表示データ、ノーマルATへ移行することを示す情報に係る当り表示データ、及びいずれのATへも移行しないことを示す情報に係るハズレ表示データに決定され、駆動順序決定手段150による抽選により各回転リール45の回転が開始する回転開始順序が、「右→左→中」に決定されたとする。この場合には、特殊遊技移行決定手段210は、1番目(最初)に回転を開始すると決定された右リール48に対応する右表示面58に表示するための表示データが、いずれのATへ移行することを示す情報に係るハズレ表示データであるので、いずれのATへ移行しないことを決定する。
【0051】
(時間差駆動制御手段170)
時間差駆動制御手段170は、表示制御手段160による表示部55への所定の情報の表示が行われた後の所定時に、駆動順序決定手段150により決定された回転開始順序に従って、所定の状態にある各回転リール45の回転を順次開始させるものである。
また、本実施の形態では、時間差駆動制御手段170は、駆動順序決定手段150による抽選により回転開始順序が決定された後の所定時に、駆動順序決定手段150により決定された回転開始順序に従って、所定の状態にある各回転リール45の回転を順次開始させるように形成されている。
【0052】
上述したように、本実施の形態では、表示制御手段160による表示部55への所定の情報の表示は、ボーナスゲーム(BBゲーム又はRBゲーム)における1回目(最初)の遊技に行われる。また、駆動順序決定手段150による回転開始順序の決定は、ボーナスゲーム(BBゲーム又はRBゲーム)における2回目の遊技で、スタートスイッチ33の操作を契機に行われる。そして、本実施の形態では、ボーナスゲーム(BBゲーム又はRBゲーム)における2回目の遊技で、駆動順序決定手段150により回転開始順序が決定された後に行われる回転リール45の回転の開始時を、駆動順序決定手段150による抽選により回転開始順序が決定された後の所定時としている。
【0053】
具体的には、本実施の形態では、時間差駆動制御手段170は、ボーナスゲーム(BBゲーム又はRBゲーム)における2回目の遊技で、スタートスイッチ33の操作を契機に、駆動順序決定手段150による抽選により回転開始順序が決定された後に、その決定された回転開始順序に従って、回転が停止している状態の各回転リール45の回転を順次開始させる。
例えば、ボーナスゲーム(BBゲーム又はRBゲーム)における2回目の遊技で、スタートスイッチ33の操作を契機に、駆動順序決定手段150による抽選で、各回転リール45の回転開始順序が「左→中→右」と決定されたとする。この場合に、時間差駆動制御手段170は、左リール46、中リール47、右リール48の順に、これらの回転を順次開始させる。
【0054】
(特殊遊技制御手段180)
特殊遊技制御手段180は、特殊遊技を制御するものである。
本実施の形態では、特殊遊技制御手段180を、有利遊技制御手段としている。
また、本実施の形態では、特殊遊技制御手段180は、特殊遊技移行決定手段210により特殊遊技へ移行することが決定されたことを条件に、時間差駆動制御手段170により各回転リール45の回転が開始された後の所定時に、特殊遊技を開始するように形成されている。
また、本実施の形態では、特殊遊技制御手段180は、特殊遊技として、表示部55としての液晶ディスプレイに、役抽選手段110の抽選結果を示唆する情報を表示させることにより、成立した小役を遊技者に対して告知する、という態様の遊技を行う。このような態様の特殊遊技は、アシストタイム(AT)などと呼ばれるものである。また、遊技者は、液晶ディスプレイに表示された情報を見て、成立した小役に対応する図柄をいずれかの入賞ライン上に停止させるようタイミングを図ってストップスイッチ34を操作することにより、告知がない場合と比較してより多くの小役入賞を引き当てることができ、ひいてはより多くの枚数のメダルを獲得することができる。これにより、特殊遊技としてのアシストタイム(AT)は、遊技者にとって通常遊技よりも有利な遊技となっている。
【0055】
また、本実施の形態では、特殊遊技制御手段180は、特殊遊技として、成立した小役を遊技者に対して50回の遊技にわたって告知するノーマルアシストタイム(ノーマルAT)と、成立した小役を遊技者に対して100回の遊技にわたって告知するスーパーアシストタイム(スーパーAT)とを実行する。このように、成立した小役を遊技者に対して告知する遊技の回数を異ならせることにより、有利さの度合いが異なる複数態様の特殊遊技を実行可能とされている。
また、本実施の形態では、特殊遊技移行決定手段210により特殊遊技としての「スーパーAT」へ移行することが決定されると、特殊遊技制御手段180は、特殊遊技としての「スーパーAT」を実行し、また、特殊遊技移行決定手段210により特殊遊技としての「ノーマルAT」へ移行することが決定されると、特殊遊技制御手段180は、特殊遊技としての「ノーマルAT」を実行する。
【0056】
また、上述したように、本実施の形態では、時間差駆動制御手段170による各回転リール45の時間差をもっての回転開始は、ボーナスゲーム(BBゲーム又はRBゲーム)における2回目の遊技に行われる。そして、本実施の形態では、ボーナスゲーム終了後を、時間差駆動制御手段170により各回転リール45の回転が開始された後の所定時としている。
また、本実施の形態では、スーパーATの終了条件は、成立した小役を遊技者に対して告知する遊技が100回実行されたことであり、また、ノーマルATの終了条件は、成立した小役を遊技者に対して告知する遊技が50回実行されたことである。
例えば、特殊遊技移行決定手段210によりスーパーATへ移行することが決定され、その後、所定の終了条件が満たされることによりボーナスゲームが終了すると、特殊遊技制御手段180は、その後の1回目(最初)の遊技から、特殊遊技としてのスーパーATを開始し、その後、所定の終了条件が満たされると、特殊遊技としてのスーパーATを終了する。
【0057】
(スロットマシン10の動作)
以下、図3に示すフローチャートに基づいて、本実施の形態に係るスロットマシン10の動作の概略を説明する。
ステップ101において、遊技制御手段60により、スタートスイッチ33が操作されたか否かの判断が行われる。ここで、操作されたと判断されると、ステップ102に進む。一方、操作されていないと判断されると、再度ステップ101となる。
ステップ102において、役抽選手段110により、役抽選が行われる。そして、次のステップ103に進む。
【0058】
ステップ103において、特別遊技制御手段80により、ボーナスゲーム(BBゲーム又はRBゲーム)における1回目(最初)の遊技であるか否かが判断される。ここで、1回目(最初)の遊技であると判断されると、ステップ104に進む。一方、1回目(最初)の遊技でないと判断されると、ステップ105に進む。
ステップ104において、表示制御手段160により、表示データ選択手段200による抽選で決定された表示データに基づいて、各表示面55aにそれぞれ所定の情報(スーパーAT又はノーマルATへ移行することを示す情報や、いずれのATへも移行しないことを示す情報)が表示される。そして、次のステップ105に進む。
【0059】
ステップ105において、特別遊技制御手段80により、ボーナスゲーム(BBゲーム又はRBゲーム)における2回目の遊技であるか否かが判断される。ここで、2回目の遊技であると判断されると、ステップ106に進む。一方、2回目の遊技でないと判断されると、ステップ109に進む。
ステップ106において、駆動順序決定手段150により、各回転リール45の回転を開始させる回転開始順序が抽選で決定される。そして、次のステップ107に進む。
ステップ107において、時間差駆動制御手段170により、駆動順序決定手段150による抽選で決定された回転開始順序に従って、各回転リール45の回転が順次開始される。そして、次のステップ108に進む。
【0060】
ステップ108において、特殊遊技移行決定手段210により、表示データ選択手段200により決定された表示面55aに表示するための表示データと、駆動順序決定手段150により決定された各回転リール45の回転が開始する回転開始順序との対応関係が判定されて、スーパーAT又はノーマルATのいずれかに移行するか否かが決定される。具体的には、1番目(最初)に回転を開始すると決定された回転リール45に対応する表示面55aに表示するための表示データが、いずれの表示データであるかの判定が行われ、その表示データが、いずれかの態様の当り表示データであったときには、その当り表示データに対応するATへ移行することが決定され、一方、その表示データが、ハズレ表示データであったときには、いずれのATへも移行しないことが決定される。そして、次のステップ110に進む。
【0061】
ステップ109において、遊技制御手段60により、各回転リール45の回転が同時に開始される。そして、次のステップ110に進む。
ステップ110において、遊技制御手段60により、ストップスイッチ34が操作されたか否かの判断が行われる。ここで、ストップスイッチ34が操作されたと判断されると、ステップ111に進む。一方、ストップスイッチ34が操作されていないと判断されると、再度ステップ110となる。
ステップ111において、停止制御手段130により、操作されたストップスイッチ34に対応する回転リール45の停止制御が行われる。そして、次のステップ112に進む。
【0062】
ステップ112において、遊技制御手段60により、3個すべての回転リール45の回転が停止したか否かの判断が行われる。ここで、3個すべての回転リール45の回転が停止したと判断されると、ステップ113に進む。一方、まだ回転中の回転リール45があると判断されると、ステップ110に戻る。
ステップ113において、入賞判定手段120により、いずれかの役に入賞したか否かの判断が行われる。ここで、いずれかの役に入賞したと判断されると、ステップ114に進む。一方、いずれの役にも入賞していないと判断されると、つまり、入賞なしと判断されると、1回の遊技に係る処理が終了する。
【0063】
ステップ114において、入賞判定手段120により、ボーナス入賞(BB入賞又はRB入賞)となったか否かの判断が行われる。ここで、ボーナス入賞になったと判断されると、ステップ115に進む。一方、ボーナス入賞にならなかったと判断されると、ステップ116に進む。
ステップ115において、表示データ選択手段200により、各表示面55aに表示するための表示データがそれぞれ抽選で決定される。そして、次のステップ116に進む。
ステップ116において、遊技制御手段60により、入賞した役に対応する枚数のメダルの払い出しが行われる。そして、1回の遊技に係る処理が終了する。
【0064】
(作用・効果)
以上説明したように、本実施の形態では、各回転リール45に対応した表示面55aが設けられている。
また、ボーナスゲーム(BBゲーム又はRBゲーム)に移行すると、表示データ選択手段200により、各表示面55aに表示するための表示データが抽選で決定され、ボーナスゲームにおける1回目(最初)の遊技で、表示制御手段160により、表示データ選択手段200による抽選で決定された表示データに基づいて、各表示面55aにそれぞれ所定の情報(特殊遊技への移行の有無を示すとともに、移行する特殊遊技の有利さの度合いをも示す情報や、いずれの態様の特殊遊技へも移行しないことを示す情報)が表示される。
【0065】
また、ボーナスゲームにおける2回目の遊技では、スタートスイッチ33の操作を契機に、駆動順序決定手段150により、各回転リール45の回転開始順序が抽選で決定される。
そして、各回転リール45の回転開始順序が抽選で決定されると、特殊遊技移行決定手段210により、表示データ選択手段200により決定された表示面55aに表示するための表示データと、駆動順序決定手段150により決定された各回転リール45の回転が開始する回転開始順序との対応関係が判定され、1番目(最初)に回転を開始すると決定された回転リール45に対応する表示データがいずれかの態様の当り表示データであったときに、その当り表示データに対応する態様の特殊遊技へ移行することが決定される。
【0066】
一方、1番目(最初)に回転を開始すると決定された回転リール45に対応する表示面55aに表示するための表示データがハズレ表示データであったときには、いずれの態様の特殊遊技へも移行しないことが決定される。
また、ボーナスゲームにおける2回目の遊技では、駆動順序決定手段150により決定された回転開始順序に従って、各回転リール45が順次回転を開始する。
そして、いずれかの態様の特殊遊技へ移行することが決定されたときには、ボーナスゲームが終了すると、決定された態様の特殊遊技が開始される。
このように、本実施の形態では、ボーナスゲームにおける1回目(最初)の遊技において、各表示面55aにそれぞれ所定の情報(特殊遊技への移行の有無を示すとともに、移行する特殊遊技の有利さの度合いをも示す情報や、いずれの態様の特殊遊技へも移行しないことを示す情報)が表示された段階では、いずれかの特殊遊技へ移行するか否かが決定されていない。そして、ボーナスゲームにおける2回目の遊技において、スタートスイッチ33の操作を契機に、各回転リール45の回転開始順序が抽選で決定され、表示データと各回転リール45の回転開始順序と対応関係によって、いずれかの態様の特殊遊技へ移行するか否かが決定される。
【0067】
このため、ボーナスゲームの2回目の遊技におけるスタートスイッチ33の操作を契機に、各回転リール45の回転開始順序が抽選で決定され、それによって、いずれか態様の特殊遊技へ移行するか否かが決定されることを事前に知っている遊技者は、ボーナスゲームの2回目の遊技で、スタートスイッチ33を操作する際に、緊張感や、期待感や、高揚感を持つようになる。すなわち、本実施の形態によれば、ボーナスゲームにおける2回目の遊技において、スタートスイッチ33を操作する際に、緊張感や、期待感や、高揚感を遊技者に持たせることができるとともに、特殊遊技への移行を自力で引き当てた印象を強く持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。言い換えると、ボーナスゲームにおける1回目(最初)の遊技において、各表示面55aにそれぞれ所定の情報が表示された段階で、既に、いずれかの特殊遊技へ移行するか否かが決定されているのではないかという疑念を払しょくすることができ、また、既に、特殊遊技へ移行するか否かが決定されており、単に演出を行っているだけであろうというヤラセ感をなくすくとができ、遊技の公平性及び信頼性を高め、安心感を遊技者に与えることができる。さらに、ボーナスゲームの2回目の遊技におけるスタートスイッチ33の操作を、有利遊技への移行の決定に係る契機であると遊技者に強く認識させることができる。
【0068】
また、ボーナスゲームにおける2回目の遊技においては、決定された回転開始順序に従って、各回転リール45の回転が開始する。このため、遊技者から見れば、1番目に回転を開始した回転リール45に対応する表示面55aに表示された情報が、特殊遊技への移行の有無を示すとともに、移行する特殊遊技の有利さの度合いをも示す情報であるとわかるので、遊技者に対してより強烈なインパクトを与えることができるとともに、回転リール45を利用した演出のバリエーションをより広げることができ、その上、回転リール45を利用した演出が単調にならないようにすることができる。
なお、図3に示すスロットマシン10の動作において、ステップ107及びステップ108の処理は、順序を逆としてもよい。
【0069】
(変形例)
上記実施の形態では、入賞判定手段120によりボーナス入賞(BB入賞又はRB入賞)と判定されたことを契機に、表示データ選択手段200により、表示データが抽選で決定され、ボーナスゲーム(BBゲーム又はRBゲーム)における1回目(最初)の遊技で、スタートスイッチ33の操作を契機に、表示制御手段160により、決定された表示データに基づいて、左、中、右の3個の各表示面55aにそれぞれ所定の情報が表示され、その後、ボーナスゲームにおける2回目の遊技で、スタートスイッチ33の操作を契機に、駆動順序決定手段150により、各回転リール45の回転開始順序が抽選で決定され、駆動順序決定手段150による抽選で決定された回転開始順序に従って、時間差駆動制御手段170により、各回転リール45の回転が順次開始され、特殊遊技移行決定手段210により、特殊遊技へ移行するか否かが決定されるとしたが、これに限られるものではない。
【0070】
例えば、ボーナスゲームにおける所定回数目の遊技で、スタートスイッチ33の操作を契機に、表示制御手段160により、左、中、右の3個の各表示面55aにそれぞれ所定の情報が表示され、その後、ボーナスゲームにおける所定回数目の次以降の遊技で、スタートスイッチ33の操作を契機に、駆動順序決定手段150により、各回転リール45の回転開始順序が抽選で決定され、特殊遊技移行決定手段210により、特殊遊技へ移行するか否かが決定され、駆動順序決定手段150による抽選で決定された回転開始順序に従って、時間差駆動制御手段170により、各回転リール45の回転が順次開始されるようにしてもよい。
具体的には、ボーナスゲームにおける例えば5回目の遊技で、スタートスイッチ33の操作を契機に、表示制御手段160により、左、中、右の3個の各表示面55aにそれぞれ所定の情報が表示され、その後、ボーナスゲームにおける例えば8回目の遊技で、スタートスイッチ33の操作を契機に、駆動順序決定手段150により、各回転リール45の回転開始順序が抽選で決定され、特殊遊技移行決定手段210により、特殊遊技へ移行するか否かが決定され、駆動順序決定手段150による抽選で決定された回転開始順序に従って、時間差駆動制御手段170により、各回転リール45の回転が順次開始されるようにすることができる。
【0071】
この場合において、表示制御手段160により左、中、右の3個の各表示面55aにそれぞれ表示された所定の情報を、駆動順序決定手段150により各回転リール45の回転開始順序が抽選で決定される前までの間に、変更するようにすることができる。
例えば、表示データ選択手段200を、決定した表示データを、所定の契機により、再度の抽選で変更決定することができるように形成する。
そして、表示制御手段160により、左、中、右の3個の各表示面55aにそれぞれ表示された所定の情報に係る表示データ、つまり表示データ選択手段200による抽選で決定された左、中、右の3個の各表示面55aにそれぞれ表示するための表示データのうち一又は複数の表示データが、ボーナスゲームにおける例えば6回目の遊技で、スタートスイッチ33の操作を契機に、表示データ選択手段200による再度の抽選で変更決定され、その後、ボーナスゲームにおける例えば7回目の遊技で、スタートスイッチ33の操作を契機に、表示制御手段160により、表示データ選択手段200による再度の抽選で変更決定された表示データに基づいて、左、中、右の3個の各表示面55aにそれぞれ所定の情報が変更表示され、その後、ボーナスゲームにおける例えば8回目の遊技で、スタートスイッチ33の操作を契機に、駆動順序決定手段150により、各回転リール45の回転開始順序が抽選で決定され、特殊遊技移行決定手段210により、特殊遊技へ移行するか否かが決定され、駆動順序決定手段150による抽選で決定された回転開始順序に従って、時間差駆動制御手段170により、各回転リール45の回転が順次開始されるようにすることができる。
【0072】
また、このとき、表示データ選択手段200による再度の抽選では、最も有利さの度合いが高い態様の当り表示データ(例えば、スーパーATへ移行することを示す情報に係る表示データ)又はハズレ表示データのいずれかが決定される、あるいは、最も有利さの度合いが高い態様の当り表示データ又はハズレ表示データのいずれかが決定される確率が高くなるようにすることができる。
また、このとき、表示データ選択手段200による再度の抽選を行うか否かを、遊技者が選択することができるようにすることができる。例えば、上述した場合において、ボーナスゲームにおける6回目の遊技で、回転リール45の回転開始後、入賞判定手段120による入賞の判定が行われる前までの間、ベットスイッチ32を有効にし、この間にベットスイッチ32の操作が行われたことを契機として、表示データ選択手段200による再度の抽選を行うようにすることができる。
【0073】
さらに、このとき、表示データ選択手段200による再度の抽選を行うか否かを、特定の場合に遊技者が選択することができるようにすることができる。例えば、前記場合において、BBゲームではベットスイッチ32の操作を契機として再度の抽選が行われるが、RBゲームではベットスイッチ32が有効とならず再度の抽選の機会が遊技者に与えられないようにすることができる。また、例えば、前記場合において、ボーナスゲームにおける6回目の遊技で、特定の役に当選したことを条件として、回転リール45の回転開始後、入賞判定手段120による入賞の判定が行われる前までの間、ベットスイッチ32を有効にし、この間にベットスイッチ32の操作が行われたことを契機として、表示データ選択手段200による再度の抽選を行うようにすることができる。
【0074】
また、表示データ選択手段200が表示データを抽選で決定するタイミングは、役抽選手段110の抽選結果がボーナス当選(BB当選又はRB当選)となった後、表示制御手段160により各表示面55aにそれぞれ所定の情報が表示される前の間であれば、いつでもよい。例えば、役抽選手段110の抽選結果がボーナス当選(BB当選又はRB当選)となったことを契機に、また、例えば、ボーナスゲームにおける1回目(最初)の遊技で、メダルのベット若しくはスタートスイッチ33の操作を契機に、表示データを抽選で決定するようにしてもよい。
また、表示制御手段160が各表示面55aにそれぞれ所定の情報を表示するタイミングは、表示データ選択手段200により表示データが抽選で決定された後、時間差駆動制御手段170により各回転リール45の回転が順次開始される前の間であれば、いつでもよい。例えば、ボーナスゲームにおける1回目(最初)の遊技で、入賞判定手段120により入賞の判定が行われたこと又は遊技制御手段60によりメダルの払い出しが行われたことを契機に、各表示面55aにそれぞれ所定の情報を表示するようにしてもよい。
【0075】
また、駆動順序決定手段150が各回転リール45の回転開始順序を抽選で決定するタイミングは、時間差駆動制御手段170により各回転リール45の回転が順次開始される前の間であれば、いつでもよい。例えば、表示データ選択手段200が表示データを抽選で決定するタイミングと同じであってもよい。具体的には、ボーナスゲームにおける1回目(最初)の遊技で、スタートスイッチ33の操作を契機に、表示データを抽選で決定するとともに、各回転リール45の回転開始順序を抽選で決定するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、駆動順序決定手段150は、ボーナスゲームにおける2回目の遊技で、スタートスイッチ33の操作を契機に、各回転リール45の回転開始順序を決定し、時間差駆動制御手段170は、同2回目の遊技で、決定された回転開始順序に従って、各回転リール45を順次回転させるものであったが、これに限定されるものではない。駆動順序決定手段150による各回転リール45の回転開始順序の決定と、時間差駆動制御手段170による各回転リール45の順次回転とは、所定の遊技回数離れていてもよい。この場合では、駆動順序決定手段150により各回転リール45の回転開始順序が決定される契機と、時間差駆動制御手段170により各回転リール45が順次回転される契機とを、遊技者に報知するようにしてもよい。
【0076】
また、上記実施の形態では、特殊遊技移行決定手段210は、1番目(最初)に回転を開始する回転リール45に対応する表示データがいずれかの態様の当り表示データであったときに、その当り表示データに対応する特殊遊技に移行することを決定するものであったが、これに限定されるものではなく、2番目又は3番目(最後)に回転を開始する回転リール45に対応する表示データがいずれかの態様の当り表示データであったときに、その当り表示データに対応する特殊遊技に移行することを決定するようにしてもよい。この場合では、2番目又は3番目(最後)に回転を開始する回転リール45に対応する表示面55aの表示によって、特殊遊技への移行の有無が報知されることを遊技者に報知するようにしてもよい。
【0077】
また、上記実施の形態では、駆動順序決定手段150は遊技制御装置21に備えられ、表示データ選択手段200は演出制御装置22に備えられ、表示データと各回転リール45の回転開始順序とは、別々の抽選により決定されるものであったが、これに限られるものではなく、一の抽選で決定するようにしてもよい。例えば、一の抽選で抽出される乱数値に対して、表示データ選択手段200と駆動順序決定手段150とが、互いに独立して、表示データと回転開始順序とをそれぞれ決定するようにしてもよい。
また、時間差駆動制御手段170は、例えば、駆動順序決定手段150による抽選で1番目に回転開始すると決定された回転リール45について回転を開始させた後に、同2番目に回転開始すると決定された回転リール45と同3番目に回転開始すると決定された回転リール45とについて同時に回転を開始させるようにしてもよい。
【0078】
また、時間差駆動制御手段170は、例えば、「事前演出動作(煽り動作)」を行い、その後、「本演出動作」を行い、その後、「通常動作」を行うようにしてもよく、また、「事前演出動作」を行うことなく「本演出動作」を行い、その後、「通常動作」を行うようにしてもよい。
ここで、「事前演出動作」とは、各回転リール45の演出としての動作であって有利遊技への移行の有無の報知には関わらない動作をいい、また、「本演出動作」とは、各回転リール45の演出としての動作であって有利遊技への移行の有無の報知に関わる動作をいい、また、「通常動作」とは、すべての回転リール45を通常の方向(正方向)に通常の速度で回転させる動作をいう。
【0079】
この場合、駆動順序決定手段150は、各回転リール45の「本演出動作」が開始する順序を抽選で決定するものとなり、また、有利遊技移行決定手段(特殊遊技移行決定手段210)は、表示データと各回転リール45の「本演出動作」が開始する順序との対応関係を判定して、m番目(n≧m≧1、例えばm=1)に「本演出動作」を開始すると決定された回転リール45に対応する表示データが当り表示データであったときに、有利遊技(特殊遊技)へ移行することを決定するものとなり、また、時間差駆動制御手段170は、表示制御手段160による表示部55への所定の情報の表示が行われた後の所定時に、駆動順序決定手段150による抽選で決定された順序に従って、各回転リール45の「本演出動作」を順次開始させるものとなる。すなわち、各回転リール45の「本演出動作」が開始する順序が、上記第1の実施の形態における回転開始順序に相当するものである。
【0080】
そうすると、遊技者から見れば、m番目に「本演出動作」を開始した回転リール45に対応する表示面55aに表示された情報が、有利遊技(特殊遊技)への移行の有無を示す情報であるとわかることとなる。
そして、本演出動作の後、「通常動作」になると、各ストップスイッチ34の操作が有効、つまり、「停止可」の状態になり、このとき、いずれかのストップスイッチ34を操作すると、当該ストップスイッチ34に対応した回転リール45の回転が停止する。
また、時間差駆動制御手段170は、「事前演出動作」として、例えば、(1)複数個の回転リール45のうちの全部又は一部を上下にガクガクと揺らす、(2)複数個の回転リール45のうちの全部又は一部を通常の方向(正方向)に通常とは異なる速度(通常よりも低速、または通常よりも高速)で回転させる、(3)複数個の回転リール45のうちの全部又は一部(一部の場合、少なくとも2個以上)を通常の方向にそれぞれ異なる速度で回転させる、(4)複数個の回転リール45のうちの全部又は一部を通常とは反対方向(逆方向)にいずれかの速度で回転させる、などの動作を行うことができる。
【0081】
また、時間差駆動制御手段170は、「本演出動作」として、駆動順序決定手段150による抽選で決定された順序に従って、例えば、(1)各回転リール45の回転が停止した状態から、通常の方向(正方向)かつ通常の速度での回転を「順次開始」させる、(2)各回転リール45の回転が停止した状態から、通常とは反対方向(逆方向)にいずれかの速度での回転を「順次開始(順次逆転)」させる、(3)事前演出動作で各回転リール45が通常の方向に通常とは異なる速度(通常よりも低速、または通常よりも高速)で既に回転している場合に、その回転を停止させることなく、通常の方向かつ通常の速度での回転に「順次変化(順次加速、または順次減速)」させる、(4)事前演出動作で各回転リール45が通常とは反対方向にいずれかの速度で既に回転している場合に、通常の方向かつ通常の速度での回転に「順次変化(順次反転)」させる、(5)事前演出動作で各回転リール45がいずれかの方向にいずれかの速度で既に回転している場合に、その回転を「順次一旦停止」させる、(6)事前演出動作で各回転リール45がいずれかの方向にいずれかの速度で既に回転している場合に、その回転方向とは反対方向にいずれかの速度で「順次回転(順次反転)」させる、などの動作を行うことができる。
【0082】
なお、各「事前演出動作」と各「本演出動作」との組み合わせは、適宜行うことができるものであり、また、複数の「事前演出動作」の組み合わせも、適宜行うことができるものである。
また、「本演出動作」として、上記の(1)で示したように、通常の方向かつ通常の速度での回転を開始させたり、上記の(3)および(4)で示したように、通常の方向かつ通常の速度での回転に変化させる場合があるが、この場合には、「本演出動作」と「通常動作」とが一体的・連続的に行われることとなる。
以下更に、時間差駆動制御手段170による各回転リール45の動作パターンを示す。
【0083】
具体的には、時間差駆動制御手段170は、例えば、「事前演出動作」として、各回転リール45を上下にガクガクと揺らし、その後、「本演出動作」として、駆動順序決定手段150による抽選で決定された順序に従って、各回転リール45の通常の方向かつ通常の速度での回転を「順次開始」させ、その後、この本演出動作と一体的・連続的に「通常動作」へと移行させることができる。
また、時間差駆動制御手段170は、例えば、「事前演出動作」として、一部の回転リール45だけを上下にガクガクと揺らして、その回転リール45があたかも回転し始めるかのような煽りを行い、その後、「本演出動作」として、駆動順序決定手段150による抽選で決定された順序に従って、各回転リール45の通常の方向かつ通常の速度での回転を「順次開始」させ、その後、この本演出動作と一体的・連続的に「通常動作」へと移行させることができる。
【0084】
また、時間差駆動制御手段170は、例えば、「事前演出動作」として、各回転リール45を通常の方向に通常よりも低速で回転させ、その後、この低速回転の状態から、「本演出動作」として、駆動順序決定手段150による抽選で決定された順序に従って、各回転リール45の回転を通常の方向かつ通常の速度での回転に「順次変化(順次加速)」させ、その後、この本演出動作と一体的・連続的に「通常動作」へと移行させることができる。
また、時間差駆動制御手段170は、例えば、「事前演出動作」として、各回転リール45を通常の方向にそれぞれ異なる速度で回転させ、その後、同じく「事前演出動作」として、各回転リール45を通常とは反対方向にいずれかの速度で回転させ、その後、「本演出動作」として、駆動順序決定手段150による抽選で決定された順序に従って、各回転リール45の回転を通常の方向かつ通常の速度での回転に「順次変化(順次反転)」させ、その後、この本演出動作と一体的・連続的に「通常動作」へと移行させることができる。
【0085】
また、時間差駆動制御手段170は、例えば、「事前演出動作」として、各回転リール45を通常とは反対方向にいずれかの速度で回転させ、その後、「本演出動作」として、駆動順序決定手段150による抽選で決定された順序に従って、その回転を「順次一旦停止」させ、その後、「通常動作」として、各回転リール45を通常の方向に通常の速度で回転させることができる。
また、時間差駆動制御手段170は、例えば、「事前演出動作」として、各回転リール45を通常の方向にそれぞれ異なる速度で回転させ、その後、「本演出動作」として、駆動順序決定手段150による抽選で決定された順序に従って、各回転リール45の通常とは反対方向の回転を「順次開始(順次反転)」させ、その後、「通常動作」として、各回転リール45を通常の方向に通常の速度で回転させることができる。
【0086】
また、時間差駆動制御手段170は、例えば、「事前演出動作」を行うことなく「本演出動作」として、駆動順序決定手段150による抽選で決定された順序に従って、各回転リール45の通常とは反対方向の回転を「順次開始(順次逆転)」させ、その後、「通常動作」として、各回転リール45を通常の方向に通常の速度で回転させることができる。
なお、各回転リール45の回転方向について、通常の方向(正方向)とは、遊技機の前面に向かって左側から見て右回り(時計回り)、同右側から見て左回り(反時計回り)を意味し、通常とは反対方向(逆方向)とは、遊技機の前面に向かって左側から見て左回り(反時計回り)、同右側から見て右回り(時計回り)を意味するものである。
【0087】
また、例えば、表示制御手段160は、表示面55aに、「左→中→右」=「WIN」、「中→右→左」=「LOSE」、「右→中→左」=「SUPER WIN」、のように、各回転リール45の回転開始の順序と特殊遊技への移行の有無を示す情報とを対応させた情報であってこれらの対応関係が異なるものを複数表示し、実際に各回転リール45の回転が開始した回転開始順序に対応した情報によって、有利遊技(特殊遊技)への移行の有無を決定するとともに遊技者に対して報知することもできる。上記実施の形態では、各回転リール45の回転開始の順序は、「左→中→右」「左→右→中」「中→左→右」「中→右→左」「右→左→中」「右→中→左」の6通りあり、また、有利遊技(特殊遊技)への移行の有無を示す情報は、「LOSE」「WIN」「SUPER WIN」の3通りあり、これらを適宜選択して組み合わせることができる。このようにしても、上記実施の形態と同様の作用・効果が得られるのである。
【0088】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、遊技制御装置21を構成するマイクロコンピュータは、「駆動順序決定手段150」に代えて、「リール決定手段」として機能し、また、「時間差駆動制御手段170」に代えて、「回転制御手段」として機能する。また、本実施の形態では、「特殊遊技移行決定手段210」及び「特殊遊技制御手段180」の構成が、上記第1の実施の形態とは相違する。以下、相違点を中心に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
(リール決定手段)
リール決定手段は、特定の契機により他の回転リール45とは異なる態様となるように回転を行う回転リール45を決定するものである。
【0089】
また、本実施の形態では、表示制御手段160による表示部55への所定の情報の表示が行われる遊技であるボーナスゲーム(BBゲーム又はRBゲーム)における1回目(最初)の遊技の後の2回目の遊技におけるスタートスイッチ33の操作を、特定の契機としている。
具体的には、リール決定手段は、ボーナスゲーム(BBゲーム又はRBゲーム)における2回目の遊技で、スタートスイッチ33の操作を契機に、他の回転リール45とは異なる態様となるように回転を行う回転リール45を、左、中、右の3個の回転リール45(46,47,48)のうちからいずれか1つを抽選で決定する。
【0090】
(特殊遊技移行決定手段210)
本実施の形態では、特殊遊技移行決定手段210を、有利遊技移行決定手段としている。
また、本実施の形態では、特殊遊技移行決定手段210は、表示データ選択手段200により決定された表示面55aに表示するための表示データと、リール決定手段により決定された各回転リール45の回転の態様との対応関係を判定して、他の回転リール45とは異なる態様となるように回転を行うと決定された回転リール45に対応する表示データが当り表示データであったときに、有利遊技へ移行することを決定するように形成されている。
具体的には、特殊遊技移行決定手段210は、他の回転リール45とは異なる態様となるように回転を行うと決定された回転リール45に対応する表示面55aに表示するための表示データが、いずれの表示データであるかの判定を行い、その表示データが、いずれかの態様の当り表示データであったときには、その当り表示データに対応する態様のATへ移行することを決定し、一方、その表示データが、いずれのATへも移行しないことを示す情報に係るハズレ表示データであったときには、いずれのATへ移行しなことを決定する。
【0091】
(回転制御手段)
回転制御手段は、表示制御手段160による表示部55への所定の情報の表示が行われた後の所定時に、リール決定手段による決定に従って、各回転リール45を所定の態様で回転させるものである。
上述したように、本実施の形態では、表示制御手段160による表示部55への所定の情報の表示は、ボーナスゲーム(BBゲーム又はRBゲーム)における1回目(最初)の遊技に行われる。そして、本実施の形態では、ボーナスゲーム(BBゲーム又はRBゲーム)における2回目の遊技で、リール決定手段により回転リール45の回転の態様が決定された後に行われる回転リール45の回転の開始時を、表示制御手段160による表示部55への所定の情報の表示が行われた後の所定時としている。
【0092】
具体的には、本実施の形態では、回転制御手段は、ボーナスゲーム(BBゲーム又はRBゲーム)における2回目の遊技で、スタートスイッチ33の操作を契機に、リール決定手段による抽選により他の回転リール45とは異なる態様となるように回転を行う回転リール45が決定された後に、その決定された態様に従って、各回転リール45を回転させる。
また、本実施の形態では、回転制御手段は、リール決定手段により他の回転リール45とは異なる態様となるように回転を行うと決定された回転リール45については、他の回転リール45とは反対方向に回転させる。具体的には、例えば、リール決定手段により他の回転リール45とは異なる態様となるように回転を行う回転リール45が、左リール46に決定されたとする。この場合には、回転制御手段は、中リール47及び右リール48を通常の方向(正方向)に回転させ、左リール46を通常の方向(正方向)とは反対方向に回転させる。
【0093】
なお、回転制御手段は、リール決定手段により他の回転リール45とは異なる態様となるように回転を行うと決定された回転リール45を、通常の方向(正方向)に回転させ、他の回転リール45を通常の方向(正方向)とは反対方向に回転させるようにしてもよい。
そして、本実施の形態では、回転制御手段は、通常の方向(正方向)とは反対方向に回転させた回転リール45を、所定時間が経過した後に、通常の方向(正方向)に反転させて、所定の定常回転に至るようにする。
なお、「他の回転リール45とは異なる態様」としては、回転リール45の回転速度が他の回転リール45の回転速度と比較して、遊技者が判別することができる程度に大きい、又は小さいものが含まれる。また、回転リール45の回転の加速度(角速度)が、他の回転リール45の回転の加速度(角速度)と比較して、遊技者が判別することができる程度に大きい、又は小さいものが含まれる。また、回転リール45の回転速度の変化量が、他の回転リール45の回転速度の変化量と比較して、遊技者が判別することができる程度に大きい、又は小さいものが含まれる。すなわち、回転リール45の回転速度が高速や低速に大きく変化して、その変化の度合いが、明らかに他の回転リール45と比較して異なるようなものが含まれるものである。
【0094】
(特殊遊技制御手段180)
本実施の形態では、特殊遊技制御手段180を、有利遊技制御手段としている。
また、本実施の形態では、特殊遊技制御手段180は、特殊遊技移行決定手段210により特殊遊技へ移行することが決定されたことを条件に、回転制御手段により各回転リール45が所定の態様で回転された後の所定時に、特殊遊技を開始するように形成されている。
また、上述したように、本実施の形態では、回転制御手段により各回転リール45が所定の態様で回転されるのは、ボーナスゲーム(BBゲーム又はRBゲーム)における2回目の遊技に行われる。そして、本実施の形態では、ボーナスゲーム終了後を、回転制御手段により各回転リール45が所定の態様で回転された後の所定時としている。
【0095】
このような構成としても、上記第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏する。また、上記第1の実施の形態の変形例を、本実施の形態に適宜適用することができる。
(他の実施の形態)
上述した実施の形態では、特殊遊技を有利遊技としたが、これに限られるものではなく、例えば、特別遊技を有利遊技としてもよい。特別遊技を有利遊技とする場合にあっては、例えば、役抽選手段110を、ボーナス役(BB役又はRB役)を除く複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選を行うようにすることができるとともに、特別遊技を制御する特別遊技制御手段80が、有利遊技制御手段となる。さらに、このとき、例えば、表示データ選択手段200を、通常遊技において、毎回又は所定回数の遊技ごとに、表示データを抽選で決定するようにし、また、表示制御手段160を、通常遊技において、毎回又は所定回数の遊技ごとに、スタートスイッチ33の操作を契機に、表示データ選択手段200による抽選で決定された表示データに基づいて、所定の情報を表示面55aに表示するようにすることができる。
【0096】
また、上述した実施の形態では、表示データ選択手段200は、左、中、右の3個の各表示面55aに表示するための表示データをそれぞれ抽選で決定するものであるが、これに限られるものではない。例えば、表示データ選択手段200は、左、中、右の3個の各表示面55aにそれぞれ表示するための3個の表示データを、複数通りの組み合わせのうちからいずれかの組み合わせを抽選で決定するようにすることができる。具体的には、左、中、右の3個の各表示面55aにそれぞれ表示するための3個の表示データを、それぞれ、左表示データ、中表示データ、および右表示データとし、スーパーATに移行することを示す当り表示データ、ATに移行することを示す当り表示データ、およびいずれのATへも移行しないことを示すハズレ表示データを、それぞれ、大当り、当りおよびハズレとする。すると、「左表示データ,中表示データ,右表示データ」=「大当り,ハズレ,当り」、「大当り,当り,ハズレ」、「当り,ハズレ,大当り」、「ハズレ,ハズレ,当り」、「ハズレ,当り,当り」・・・「大当り,ハズレ,大当り」などの複数通りの組み合わせのうちからいずれかの組み合わせを抽選で決定するようにすることができる。
【0097】
また、表示データ選択手段200は、左、中、右の3個の各表示面55aにそれぞれ表示するための表示データのうち、いずれかの表示面55aに表示するための表示データを抽選で決定しないようにすることができる。すなわち、この場合においては、所定の情報が表示されない表示面55aがあることとなる。そして、このような場合においては、上記第1の実施の形態における駆動順序決定手段150を、表示データが選択された表示面55aに対応する回転リール45のうちから、回転リール45の回転が開始する回転開始順序を抽選で決定するようにすることができる。また、上記第2の実施の形態におけるリール決定手段を、表示データが選択された表示面55aに対応する回転リール45のうちから、他の回転リール45とは異なる態様となるように回転を行う回転リール45を抽選で決定するようにすることができる。
【0098】
また、上述した実施の形態では、特殊遊技として、成立した小役を遊技者に対して告知するアシストタイム(AT)を実行するとしたが、ATに限られるものではなく、例えば、再遊技当選の当選確率を通常遊技よりも高く設定したリプレイタイム(RT)を実行するようにしてもよく、また、いずれかの回転リール45のスベリコマ数を0コマ又は1コマにすることにより、いわゆる目押しを可能としたチャレンジタイム(CT)を実行するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、アシストタイム(AT)は、成立した小役を遊技者に対して告知する遊技であるとしたが、これに限られるものではない。アシストタイム(AT)としては、例えば、成立した小役が入賞可能となるストップスイッチ34の操作順序(いわゆる「押し順」)を報知するタイプのものもある。
【0099】
また、上述した実施の形態では、特殊遊技制御手段180は、告知をする遊技の回数が所定の回数に達したことを、特殊遊技の終了条件としたが、これに限られるものではなく、例えば、特殊遊技開始後の遊技の回数が所定の回数に達したことを、特殊遊技の終了条件とするようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、アシストタイム(AT)は、成立した小役を遊技者に対して告知する遊技の回数を異ならせることにより、有利さの度合いを異ならせているが、これに限定されるものではない。例えば、遊技者に対して告知する役の種類や数を異ならせることにより、有利さの度合いを異ならせるようにしてもよく、また、例えば、アシストタイム(AT)を、成立した小役が入賞可能となるストップスイッチ34の操作順序(いわゆる「押し順」)を報知するタイプのものとした場合にあっては、正しい押し順と、誤った押し順とを含む複数の押し順を同時に遊技者に対して告知するものと、正しい押し順のみを遊技者に対して告知するものとにより、有利さの度合いを異ならせるようにしてもよい。
【0100】
また、上述した実施の形態では、表示部55として、液晶ディスプレイを用いたが、液晶ディスプレイに限られるものではなく、例えば、7セグメントLEDや、ドットマトリクスなどを用いてもよい。
また、上述した実施の形態では、1個の液晶ディスプレイを設け、この1個の液晶ディスプレイの画面を3個の各回転リール45にそれぞれ対応して3個の部分に分割し、分割した各部分をそれぞれ表示面55aとしたが、これに限られるものではなく、例えば、3個の各回転リール45にそれぞれ対応して3個の液晶ディスプレイを設け、各液晶ディスプレイの画面をそれぞれ表示面55aとしてもよい。
【0101】
本発明は、上述した実施の形態、変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形および改良なども含むものである。また、本発明は、上述した実施の形態、変形例を適宜組み合わせる、または組み替えることもできる。
【符号の説明】
【0102】
45 回転リール 55 表示部
55a 表示面
150 駆動順序決定手段 160 表示制御手段
170 時間差駆動制御手段 180 特殊遊技制御手段(有利遊技制御手段)
190 表示データ記憶手段 200 表示データ選択手段
210 特殊遊技移行決定手段(有利遊技移行決定手段)
図1
図2
図3