特許第5711325号(P5711325)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5711325調節可能なデータリンクレート及びレンジを有するマルチメディアクライアント/サーバシステム及びこれに使用する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5711325
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】調節可能なデータリンクレート及びレンジを有するマルチメディアクライアント/サーバシステム及びこれに使用する方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/18 20090101AFI20150409BHJP
【FI】
   H04W28/18 110
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-186371(P2013-186371)
(22)【出願日】2013年9月9日
(62)【分割の表示】特願2008-87786(P2008-87786)の分割
【原出願日】2008年3月28日
(65)【公開番号】特開2014-42245(P2014-42245A)
(43)【公開日】2014年3月6日
【審査請求日】2013年10月8日
(31)【優先権主張番号】11/731,319
(32)【優先日】2007年3月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503357182
【氏名又は名称】ビクシズ システムズ インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100141162
【弁理士】
【氏名又は名称】森 啓
(72)【発明者】
【氏名】スイ ウー ドン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ジラードー,ジュニア
【審査官】 久松 和之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−530416(JP,A)
【文献】 特開2000−261398(JP,A)
【文献】 特開2004−289854(JP,A)
【文献】 特開2006−295328(JP,A)
【文献】 特開2006−319520(JP,A)
【文献】 特開2005−136507(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのマルチメディア信号をエンコードしてエンコード済み信号を生成するエンコーダモジュールと、
前記エンコーダモジュールに結合されており、前記エンコード済み信号を含むチャネル信号を生成すると共に、前記チャネル信号を無線通信経路上においてリンクデータレートで伝送するRFサーバトランシーバモジュールであって、前記無線通信経路の性能に基づく性能信号を含む第1性能信号を生成する第1モニタモジュールと、前記第1性能信号に基づいて、許されるリンクデータレート調節のレンジを調節し前記許されるリンクデータレート調節のレンジ内で前記リンクデータレートを調節するサービス品質モジュールと、を含むRFサーバトランシーバモジュールと、
を含む、前記少なくとも1つのマルチメディア信号を生成する複数のマルチメディアソースに結合可能なマルチメディアサーバモジュールと、
前記チャネル信号を受信し復調してエンコード済み受信信号を生成するRFクライアントトランシーバモジュールと、
前記RFクライアントトラシーバモジュールに結合されており、前記エンコード済み受信信号をデコード済み出力信号にデコードするデコーダモジュールと、
を含む、少なくとも1つのクライアント装置に結合可能なクライアントモジュールと、
を有し、
前記RFクライアントトランシーバモジュールは、前記無線通信経路の性能に基づく性能信号を含む第2性能信号を生成する第2モニタモジュールを更に含んでおり、前記RFクライアントトランシーバモジュールは、前記第2性能信号を前記RFサーバトランシーバモジュールに伝送しており、前記サービス品質モジュールは、前記第2性能信号に基づいて前記許されるリンクデータレート調節のレンジ及び前記リンクデータレートの少なくとも1つを調節しており、
前記第2性能信号は、受信信号強度(RSSI)を含んでおり、前記サービス品質モジュールは、前記RSSIに基づいて前記許されるリンクデータレート調節のレンジを調節し、
前記RFサーバトランシーバモジュールは、前記エンコード済み信号をパケットのシーケンスとして伝送しており、前記サービス品質モジュールは、前記RSSI以外の性能信号に基づいてパケットごとに前記リンクデータレートを調節しているマルチメディアクライアント/サーバシステム。
【請求項2】
前記第1性能信号は、符号化誤り率を含む請求項1に記載のマルチメディアクライアント/サーバシステム。
【請求項3】
前記第1性能信号は、無線ビジー率を含む請求項1に記載のマルチメディアクライアント/サーバシステム。
【請求項4】
少なくとも1つのマルチメディア信号を生成する複数のマルチメディアソースに結合可能であると共に、無線通信経路上において少なくとも1つのクライアントモジュールに対して伝送可能なマルチメディアサーバモジュール内において使用される回路において、
前記少なくとも1つのマルチメディア信号をエンコードしてエンコード済み信号を生成するエンコーダモジュールと、
前記エンコーダモジュールに結合されており、前記エンコード済み信号を含むチャネル信号を生成すると共に、前記チャネル信号を前記無線通信経路上においてリンクデータレートで伝送するRFサーバトランシーバモジュールであって、前記無線通信経路の性能に基づく性能信号を含む第1性能信号を生成する第1モニタモジュールと、前記第1性能信号に基づいて、許されるリンクデータレート調節のレンジを調節し前記許されるリンクデータレート調節のレンジ内で前記リンクデータレートを調節するサービス品質モジュールと、を含むRFサーバトランシーバモジュールと、
を有し、
前記RFサーバトランシーバモジュールは、前記無線通信経路の性能に基づく性能信号を含む第2性能信号を少なくとも1つのクライアントモジュールから受信しており、前記サービス品質モジュールは、前記第2性能信号に基づいて前記許されるリンクデータレート調節のレンジと前記リンクデータレートの中の少なくとも1つを調節しており、
前記第2性能信号は、受信信号強度(RSSI)を含んでおり、前記サービス品質モジュールは、前記RSSIに基づいて前記許されるリンクデータレート調節のレンジを調節し、
前記RFサーバトランシーバモジュールは、前記エンコード済み信号をパケットのシーケンスとして伝送しており、前記サービス品質モジュールは、前記RSSI以外の性能信号に基づいてパケットごとに前記リンクデータレートを調節している回路。
【請求項5】
前記第1性能信号は、符号化誤り率を含む請求項に記載の回路。
【請求項6】
前記第1性能信号は、無線ビジー率を含む請求項に記載の回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、無線通信システムに関するものであり、更に詳しくは、マルチメディアなどのコンテンツの家庭内ローカルエリアネットワーキングに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数台のテレビを具備した家庭の数の増大と、多くのユーザが最新且つ最良のビデオ視聴サービスを所望しているのに伴って、多くの家庭が、複数の衛星受信機、ケーブルセットトップボックス、モデムなどを具備するようになっている。家庭内インターネットアクセスの場合には、それぞれのコンピュータ又はインターネット装置が、その独自のインターネット接続を具備している。この結果、それぞれのコンピュータ又はインターネット装置がモデムを具備している。
【0003】
この代わりに、家庭内の無線のローカルエリアネットワーク(LAN)を使用することにより、インターネットアクセスを提供すると共に、マルチメディア情報を家庭内の複数の装置に対して伝達することも可能である。このような家庭内のローカルエリアネットワークにおいては、それぞれのコンピュータ又はインターネット装置が、サーバにアクセスするべくネットワークカードを含んでいる。サーバが、インターネットに対する接続を提供している。又、家庭内無線ローカルエリアネットワークを使用することにより、複数のコンピュータを、1つ又は複数のプリンタ、ファクシミリ装置、並びに、デジタルビデオレコーダ、セットトップボックス、及び広帯域ビデオシステムなどからのマルチメディアコンテンツに結合する家庭内コンピュータネットワークを円滑に実現することも可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ビデオ又はオーディオ信号などのリアルタイム信号を伝送する際には、これらの信号のレンダリングの際にユーザの快楽を減じるドロップアウトやその他のアーチファクトを回避するべく、送信及び受信局の間においてサービス品質を維持しなければならない。変化するチャネル状態に直面した際には、サービス品質の維持が困難となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、少なくとも1つのマルチメディア信号をエンコードしてエンコード済み信号を生成するエンコーダモジュールと、上記エンコーダモジュールに結合されており、上記エンコード済み信号を含むチャネル信号を生成すると共に、上記チャネル信号を無線通信経路上においてリンクデータレートで伝送するRFサーバトランシーバモジュールであって、上記無線通信経路の性能に基づいた第1RF性能信号を生成する第1モニタモジュールと、上記第1RF性能信号を受信し、上記リンクデータレートのレンジ及び上記リンクデータレートの両方を調節するサービス品質モジュールと、を含むRFサーバトランシーバモジュールと、を含む、少なくとも1つのマルチメディア信号を生成する複数のマルチメディアソースに結合可能なマルチメディアサーバモジュールと、上記チャネル信号を受信してエンコード済み受信信号を生成するRFクライアントトランシーバモジュールと、上記RFクライアントトラシーバモジュールに結合されており、上記エンコード済み受信信号をデコード済み出力信号にデコードするデコーダモジュールと、を含む、少なくとも1つのクライアント装置に結合可能なクライアントモジュールと、を有するマルチメディアクライアント/サーバシステムが提供される。
【0006】
また、上記課題を解決するために、少なくとも1つのマルチメディア信号を生成する複数のマルチメディアソースに結合可能であると共に、無線通信経路上において少なくとも1つのクライアントモジュールに対して伝送可能なマルチメディアサーバモジュール内において使用される回路において、上記少なくとも1つのマルチメディア信号をエンコードしてエンコード済み信号を生成するエンコーダモジュールと、上記エンコーダモジュールに結合されており、上記エンコード済み信号を含むチャネル信号を生成すると共に、上記チャネル信号を無線通信経路上においてリンクデータレートで伝送するRFサーバトランシーバモジュールであって、上記無線通信経路の性能に基づいた第1RF性能信号を生成する第1モニタモジュールと、上記第1RF性能信号を受信し、上記リンクデータレートのレンジ及び上記リンクデータレートの両方を調節するサービス品質モジュールと、を含むRFサーバトランシーバモジュールと、を有する回路が提供される。
さらに、上記課題を解決するために、少なくとも1つのマルチメディア信号を生成する複数のマルチメディアソースに結合可能であると共に、無線通信経路上において少なくとも1つのクライアントモジュールに対して伝送可能であるマルチメディアサーバモジュール内において使用される方法において、上記少なくとも1つのマルチメディア信号をエンコードしてエンコード済み信号を生成するステップと、上記エンコード済み信号を含むチャネル信号を生成するステップと、上記チャネル信号を上記無線通信経路上においてリンクデータレートで伝送するステップと、上記無線通信経路の性能に基づいた第1RF性能信号を生成するステップと、上記第1RF性能信号に基づいて上記リンクデータレートのレンジ及び上記リンクデータレートの両方を調節するステップと、を有する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施例によるマルチメディアクライアントサーバシステムの概略を示す図である。
図2】本発明の一実施例によるマルチメディアクライアント/サーバシステムの概略を示す図である。
図3】本発明の一実施例によるマルチメディアクライアント/サーバシステム10のブロック図である。
図4】本発明の一実施例によるマルチメディアサーバモジュール12内において使用される回路125のブロック図である。
図5】本発明の一実施例によるクライアントモジュール200内において使用される回路125のブロック図である。
図6】本発明の一実施例による方法のフローチャートである。
図7】本発明の一実施例による方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の一実施例によるマルチメディアクライアントサーバシステムの概略図を示している。マルチメディアクライアントサーバシステムは、マルチメディアサーバモジュール12と、クライアント26、28、30、32、及び34に結合されたクライアントモジュール34、36、38、40、及び42と、複数のメルチメディアソースと、を含んでいる。マルチメディアソースは、放送された、保存された、又はストリーミングのオーディオ、ビデオ、及び/又はその他のマルチメディアコンテンツにアクセスするためのビデオカセットレコーダ(VCR)86、デジタルビデオディスク(DVD)プレーヤ82、デジタルビデオレコーダ(DVR)102、デジタルオーディオストレージ装置104、DVDオーディオ106、ラジオ受信機108、CDプレーヤ110、公衆交換電話網66、(プライベートネットワーク、パブリックネットワーク、衛星ネットワーク、ケーブルネットワーク、及び/又はインターネットなどの)ワイドエリアネットワーク44、及び/又は任意のその他のタイプのオーディオ、ビデオ、及び/又はマルチメディアソース24を含んでいる。
【0009】
本発明の一実施例においては、クライアント26〜34は、マルチメディアソースの中のいずれか1つからの再生及び/又はこれに対する接続を選択可能である。このそれぞれのクライアントモジュールからの選択要求は、所望のマルチメディアソース、クライアント、所望のサービス、及びその要求を処理する際にマルチメディアサーバモジュール12にとって有用な任意のその他の情報を識別することになろう。この結果、1つのクライアントは、別のクライアントが衛星放送チャネルを視聴しており、別の者がCD再生を聴取しており、別の者が電話で話しており、且つ、更に別の者が、DVD再生を視聴している間に、インターネットにアクセス可能である。このすべては、クライアントがマルチメディアソースに対する直接的なアクセスを具備することを要することなしに、且つ、それぞれのクライアントがその独自のマルチメディアソース及び/又はマルチメディアソース接続を具備することを要することなしに、マルチメディアサーバ12を介して実行されている。
【0010】
マルチメディアサーバモジュール12及びクライアントモジュール34、36、38、40、42の中の1つ又は複数のものは、添付の図面、具体的には、図2図7を参照して更に詳述するように、本発明による無線伝送の信頼性及び品質を向上させるための1つ又は複数の特徴を含んでいる。
【0011】
図2は、本発明の一実施例によるマルチメディアクライアント/サーバシステムの概略図を示している。具体的には、マルチメディアクライアント/サーバシステムは、マルチメディアサーバモジュール12と、複数のクライアント25、26、28、30、及び32に動作可能に結合された複数のクライアントモジュール34、36、38、40、及び42と、を含んでいる。マルチメディアサーバモジュール12は、マルチメディアソース23から複数のチャネル46を受信するべく、動作可能に結合されている。マルチメディアソース23は、ビデオカセットレコーダ(VCR)86、デジタルビデオディスク(DVD)プレーヤ82、デジタルビデオレコーダ(DVR)102、デジタルオーディオストレージ装置104、DVDオーディオ106、ラジオ受信機108、CDプレーヤ110、公衆交換電話網66、(放送された、保存された、又はストリーミングのオーディオ、ビデオ、及び/又はその他のマルチメディアコンテンツにアクセスするためのプライベートネットワーク、パブリックネットワーク、衛星ネットワーク、ケーブルネットワーク、及び/又はインターネットなどの)ワイドエリアネットワーク、及び/又はその他のタイプのオーディオ、ビデオ、及び/又はマルチメディアソース24からの放送された、保存された、又はストリーミングのマルチメディア信号であってよい。当業者であれば理解するように、マルチメディアサーバモジュール12は、スタントアロン装置であってもよく、衛星受信機、セットトップボックス、ケーブルボックス、HDTVチューナー、ホームエンターテインメント受信機などに内蔵することも可能である。更には、マルチメディアサーバモジュール12は、個別のコンポーネント、集積回路、及び/又はこれらの組み合わせを使用して実装することも可能である。
【0012】
マルチメディアサーバモジュール12は、高周波通信経路を介して複数のクライアントモジュール34、36、38、40、及び42と通信している。従って、マルチメディアサーバモジュール12及びクライアントモジュール34、36、38、40、及び42のそれぞれは、いずれも、通信経路を介してデータを送受信するべく動作するトランシーバを含んでいる。
【0013】
図示のように、それぞれのクライアントモジュールは、クライアントの中の1つに動作可能に結合されている。例えば、クライアントモジュール34は、クライアント26に動作可能に結合されており、このクライアントは、パーソナルデジタルアシスタントを表している。クライアントモジュール36は、クライアント28に動作可能に結合されており、このクライアントは、パーソナルコンピュータを表している。クライアントモジュール38は、クライアント30に動作可能に結合されており、このクライアントは、(例えば、LCDモニタ、フラットパネルモニタ、CRTモニタなどの)モニタを表している。このようなモニタは、スピーカー又はスピーカー接続、チャネル選択、音量調節、画像品質などを含む制御機能を包含可能である。クライアントモジュール40は、クライアント32に動作可能に結合されており、このクライアントは、テレビ、高精細度テレビ(HDTV)、標準精細度テレビ(SDTV)、ホームシアターシステムなどであってよい。クライアントモジュール42は、クライアント25に動作可能に結合されており、このクライアントは、ラップトップコンピュータを表している。
【0014】
当業者であれば理解するように、それぞれのクライアントモジュールは、その関連するクライアントとは別個の装置であってもよく、或いは、そのクライアント内に組み込むことも可能である。更には、当業者であれば、クライアントモジュール34、36、38、40、及び42は、個別のコンポーネント及び/又は集積回路を利用して実装可能であることを更に理解するであろう。
【0015】
本発明の一実施例においては、クライアントのそれぞれは、その関連するクライアントモジュールを介して、複数のチャネル46の中の1つ又は複数のチャネルを選択している。図示のように、クライアント26は、視聴するべく、複数のチャネルの中のチャネル3を選択している。この結果、クライアントモジュール34は、チャネル3というチャネル選択をマルチメディアサーバモジュール12に対して中継する。マルチメディアサーバモジュール12は、複数のチャネル46の中からチャネル3を選択する。次いで、チャネル3に対応したデータをその他のチャネルのデータと多重化し、マルチメディアサーバモジュール12からクライアントモジュール34、36、38、40、及び42のそれぞれに伝送する。クライアントモジュール34は、マルチメディアサーバモジュール12からの伝送を監視し、チャネル3に対応したデータを抽出する。次いで、チャネル3の抽出データを、表示するべく、クライアント26に提供している。
【0016】
クライアントモジュール36、38、40、及び42は、それぞれ、その関連するクライアント28、30、32、及び25ごとに、類似の機能を実行している。図示のように、クライアント28は、チャネル505を選択しており、クライアント30は、チャネル106を選択しており、クライアント32は、チャネル206を選択しており、クライアント25は、チャネル9を選択している。クライアントモジュール36、38、40、及び42は、その個々のクライアントのチャネル選択をマルチメディアサーバモジュール12に提供している。マルチメディアサーバモジュール12は、それぞれの選択結果ごとに、複数のチャネルの中から選択されたチャネルを抽出し、選択されたチャネルのそれぞれの(この例においては、チャネル3、9、106、206、及び505の)データをデータストリームとして多重化している。次いで、このデータストリームをクライアントモジュールのそれぞれに対して伝送している。それぞれのクライアントモジュールは、その個々のクライアントごとに、選択されたチャネルの適切なデータを抽出している。例えば、クライアントモジュール36は、チャネル505に関係したデータについて伝送されたデータを監視しており、クライアントモジュール38は、チャネル106に関係したデータについて監視しており、クライアントモジュール40は、チャネル206に関係したデータについて伝送を監視しており、クライアント42は、チャネル9に関係したデータについて伝送を監視している。
【0017】
それぞれのクライアントの観点においては、クライアント25、26、28、30、及び32は、マルチメディアソース23に対する独立したアクセスを具備している。従って、クライアント26は、任意の時点において、例えば、チャネル3からチャネル120へと、そのチャネル選択を変更可能である。クライアントモジュール34は、アクノリッジを伴っていなくてもよいチャネル選択要求をマルチメディアサーバモジュール12に提供し、次いで、このマルチメディアサーバモジュールが、チャネル3の代わりに、クライアント36のためにチャネル120に関係したデータを取得することになる。代替実施例として、クライアントモジュール34、36、38、及び42の機能は変化可能である。例えば、クライアントモジュール34は、クライアントモジュール36が実行する独立した機能のすべてを提供する必要はない。例えば、クライアントモジュール34は、独立したチャネル選択能力を具備する必要はなく、その他のクライアントの中の1つが選択したチャネルを選択するのみであってもよい。或いは、この代わりに、1つのクライアントモジュールが複数のクライアントに対してサービスすることも可能である。
【0018】
図3は、本発明の一実施例によるマルチメディアクライアント/サーバシステム10のブロックダイアグラム表現を示している。具体的には、本マルチメディアクライアント/サーバシステム10は、マルチメディアソース23からの放送された、保存された、又はストリーミングの信号などのマルチメディア信号214を伝送するマルチメディアサーバモジュール12を含んでいる。マルチメディアサーバモジュール12は、アンテナ206を介して、マルチメディア信号214からのマルチメディアコンテンツを含む高周波(RF)信号を伝送している。このRF信号は、クライアントモジュール200などの1つ又は複数のクライアントモジュールに対して無線通信経路上においてRFスペクトルのチャネルAなどのチャネルに対応した搬送波周波数において伝送されている。(クライアントモジュール34、36、38、40、及び42などの)クライアントモジュール200は、このRF信号をアンテナ210を介して受信し、デコード済み出力信号216を生成している。
【0019】
尚、チャネルAは、1つ又は複数の搬送波周波数に対応したRFスペクトルのチャネルを表していることに留意されたい。これは、「チャネル」が、その文脈においては、「The Weather Channel」、「The Discovery Channel」、又は「Gone with the Wind」などのマルチメディアコンテンツの異なるストリームを表すべく主に使用されていた図2と関連して説明したチャネル3、9、106、206、及び505とは対照的である。雑音、干渉、又はフェージングによってチャネルの中の1つのものの動作が妨げられている場合には、マルチメディアサーバモジュール12は、別のチャネルにスイッチング可能である。
【0020】
本発明の一実施例においては、認可されたクライアント装置がコンテンツを無線受信する場合にマルチメディアコンテンツを保護できるように、伝送されるマルチメディアコンテンツを、RSA暗号化のWEPなどにより、エンコードプロセスにおいて更に暗号化すると共に、デコードプロセスにおいてデコード可能であり、或いは、MACアドレスフィルタリングなどのその他のセキュアアクセスプロトコルを使用して保護することも可能である。マルチメディアサーバモジュール12及びクライアントモジュール200は、これら2つの装置間における無線通信を保護するべく、初期化手順においてセキュアアクセスデータを共有している。
【0021】
本発明によれば、マルチメディアサーバモジュール12は、マルチメディアサーバモジュール12が計測又はその他の方法において査定した、又は1つ又は複数のクライアントモジュール200などのリモート装置から受信したRF性能信号パラメータに基づいて、通信経路のリンクデータレート及び/又はリンクデータレートのレンジを調節している。以下、図4図7との関連において、いくつかの代替実施例を含むマルチメディアサーバモジュール12及びクライアントモジュール200の更なる機能及び特徴について説明することとする。
【0022】
図4は、本発明の一実施例によるマルチメディアサーバモジュール12内において使用される回路125のブロックダイアグラム表現を示している。具体的には、回路125は、エンコードされていない又はエンコード済みのマルチメディア入力信号214からエンコード済み信号232を生成するエンコーダモジュール230を含んでいる。本発明の一実施例においては、エンコード方式は、マルチレベル、マルチフェーズ、及びマルチ周波数エンコーディング、OFDM(Orthogonal Frequency Division multiplexing)、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM、64QAM、128QAMなどのような直交振幅変調、NRZ(Non−Return to Zero)エンコーディング、Manchesterエンコーディング、リードソロモン符号化及びその他の誤り訂正符号を含むブロックエンコーディング、折り畳み符号化、LDPC符号化、及び/又はnB/mBエンコーディングの中の1つ又は複数のものであってよく、この場合に、n>mである。例えば、nB/mBは、4B/5Bエンコーディングであってよく、この場合には、実際の4ビットのデータが、エンコード済みの5ビットのデータに変換される。
【0023】
エンコーディングは、マルチメディア信号214のコンテンツ及びフォーマット、並びに、チャネルAの帯域幅及び性能に基づいたマルチメディア信号の圧縮、変換、及びトランスコードエンコーディングを更に包含可能である。一実施例においては、マルチメディア信号214は、NTSC(National Television Systems Committee)、PAL(Phase Alternating Line)、又はSECAM(Sequential Couleur Avec Memoire)を含むいくつかのビデオフォーマットの中のいずれかにおいてフォーマットされたアナログコンポジットビデオ信号を含んでいる。エンコード済み信号232は、弱いチャネル状態においては、低データレートにおいて、そして、相対的に強いチャネル状態においては、相対的に高データレートにおいて伝送するべく、デジタル化、圧縮、及びチャネル符号化可能である。或いは、この代わりに、マルチメディア信号214は、(MPEG1、MPEG2、MPEG4などの)MPEG(モーション・ピクチャー・エクスパーツ・グループ)フォーマット、VC1などのSMPTE(映画テレビ技術者協会)規格、H.264、Quicktimeフォーマット、Real Mediaフォーマット、WMV(Windows(登録商標) Media Video)又はAVI(Audio Video Interleave)、或いは、標準的な又はプロプライエタリな別のデジタルビデオフォーマットなどのデジタルフォーマットを既に有しているものであってもよい。この場合には、エンコーダモジュール230によって実行されるエンコーディングは、更なる圧縮を伴う又は伴わないチャネル状態の強度及び品質に基づいたチャネルデータのエンコーディングに限定可能である。
【0024】
本発明の一実施例においては、エンコーダモジュール230は、MPEG、VC1などのSMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers)規格、H.264、Quicktimeフォーマット、Real Mediaフォーマット、WMV(Windows(登録商標) Media Video)又はAVI(Audio Video Interleave)、或いは、標準的な又はプロプライエタリな別のデジタルビデオフォーマットなどのデジタルフォーマットを有するマルチメディア信号214からエンコード済み信号232を生成している。そして、トランシーバモジュール234が、エンコード済み信号232を含むRF信号236を生成し、このRF信号236を、例えば、クライアントモジュール200を通じてクライアント装置に無線伝送している。本発明の一実施例においては、エンコーダモジュール230は、第1デジタルフォーマットを有するマルチメディア信号214を受信し、この信号をデコードすると共に、これを伝送のために第2デジタルフォーマットに再エンコードするトランスコーダとして動作可能である。例えば、マルチメディア入力214は、圧縮済みのMPEG2/4入力を包含可能である。エンコーダモジュール230は、この信号を圧縮解除し、これをH.264などの別のフォーマットに再エンコードするべく動作している。更には、エンコーダモジュール230は、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)などのデジタルフォーマットを有するマルチメディア入力信号を受信可能である。エンコーダモジュール230は、このデジタル信号を圧縮済みのデジタルフォーマットに圧縮及びエンコード可能である。
【0025】
本発明の一実施例においては、トランシーバモジュール234及びエンコーダモジュール230の非RF部分は、単一の処理装置又は複数の処理装置を使用して実装可能である。このような処理装置は、マイクロプロセッサ、コプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理装置、FPGA(Field Programmable Gate Array)、プログラム可能なロジック装置、状態機械、ロジック回路、アナログ回路、デジタル回路、並びに/或いは、任意選択により、単一のメモリ装置又は複数のメモリ装置であってよいメモリ内に保存された演算命令に基づいて(アナログ及び/又はデジタル)信号を操作する任意の装置であってよい。このようなメモリ装置は、ハードディスクドライブ又はその他のディスクドライブ、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックメモリ、ダイナミックメモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、及び/又はデジタル情報を保存する任意の装置を包含可能である。トランシーバモジュール234及び/又はエンコーダモジュール230が、演算命令に基づいた状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又はロジック回路を介してその機能の1つ又は複数のものを実装している際には、対応する演算命令を保存しているメモリは、状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又はロジック回路を構成する回路内に又はこの外部に組み込み可能であることに留意されたい。
【0026】
トランシーバモジュール234は、エンコード済み信号232を変調することにより、第1搬送波周波数を有するパケット化されたビデオ信号などのマルチメディアコンテンツを含むRF信号236を生成し、このRF信号236をアンテナ206を使用してチャネルA上において伝送している。更には、トランシーバモジュール234は、チャネルA上においてクライアントモジュール200から受信したRF信号に基づいてバックチャネル出力310をも生成している。明示的に図示されてはいないが、マルチメディアサーバモジュール12は、逆方向においてバックチャネルを稼動させるべく、図5との関連において説明するデコーダモジュール254などのデコーダモジュールをも含んでいる。
【0027】
本発明の一実施例においては、トランシーバモジュール234は、チャネル選択信号220に応答し、複数のその他の搬送波周波数に選択的にチューニング可能である。例えば、IEEE802.11g規格に準拠した米国内の無線伝送リンクを使用したマルチメディアサーバモジュール12及びクライアントモジュール200の実装においては、チャネルAは、11個の割り当てられたチャネルの中のいずれかとして選択可能である。本発明の一実施例においては、使用する適切なチャネルを判定するべく利用可能なチャネルをスキャンするサイト調査に基づいて動的に選択された、クライアントモジュール200から受信された又はクライアントモジュール200とマルチメディアサーバ12の間においてアービトレートされた、或いは、ユーザの制御の下に選択されたチャネル選択信号をマルチメディアサーバモジュール12内に予めプログラム可能である。同様に、チャネルAは、802.11a、b、g、n、又はその他の802.11規格、超広帯域無線(UWB)及びワールドワイド・インターオペラビリティ・オブ・マイクロウェーブ・アクセス(WiMAX)を有する規格の中の少なくとも1つに準拠した広帯域無線アクセスネットワークとして実装可能である。トランシーバモジュール234は、エンコード済み信号232の任意選択による暗号化、データを保護するパスワード、又はその他のセキュアアクセスプトロコル又は方法によってRF通信リンクを保護するべく、セキュアアクセスモジュール231を含んでいる。尚、トランシーバモジュール234の一部として図示されてはいるが、サービス品質モジュール231及びモニタモジュール233は、任意選択により、スタンドアロンモジュールとして実装することも可能である。
【0028】
動作の際には、モニタモジュール233は、無線通信経路の性能に基づいたRF性能信号を生成している。このような信号は、伝送パワーレベルなどの計測値又はその他の標識;CRC(巡回冗長検査)、誤り検出又は誤り訂正符号であるその他のブロック符号、及び/又は折り畳み符号などのその他の符号によって生成された符号化誤り率などの符号化誤り率;送信機がデータの送信を所望した際にそのチャネルが別の局によって使用されていると判定される状態の頻度及び/又は発生を通知する無線ビジー率(air busy rate);受信信号強度(RSSI)、信号対雑音比、信号対干渉比、信号パワー、又はその他の信号強度標識などの受信信号強度標識;アクノリッジの欠如又は再送の要求に応答したデータ再送の頻度又は発生を通知する再送率;及び/又は無線通信経路の性能を示すその他のパラメータを含んでいる。モニタモジュール233は、トランシーバ234の状態を監視し、サービス品質モジュール231に伝達されるRF性能信号を生成している。
【0029】
サービス品質モジュール231は、モニタモジュール233から、及び/又はクライアントモジュール200などのその他の装置の類似したモニタモジュールから、或いは、無線チャネル上においてマルチメディアサーバモジュール12と通信状態にあるその他の端末から、RF性能信号を受信し、これらのRF性能信号に基づくと共に、任意選択により、レンディング(rending)及び受信バッファレベルなどのストリーミングファクタ及びデコーディングバッファレベルなどのデコーディングファクタなどのローカル及びリモートトランシーバのその他の性能パラメータに基づいて、リンクデータレートのレンジ及びリンクデータレートの両方を調節している。
【0030】
動作の際には、サービス品質モジュール231は、リンクデータレートを調節することにより、マルチメディアサーバモジュール12とクライアントモジュール200の間のビデオ信号、オーディオ信号、及びその他のリアルタイムマルチメディア通信の許容可能なレベルの伝送品質を維持するべく動作している。例えば、符号化誤り率が上昇した場合には、これは、干渉局又はその他の弱いチャネル状態の存在を通知可能であり、サービス品質モジュールは、これらの状態に応答し、且つ、これらの状態の持続時間にわたって、リンクデータレートを低減可能である。同様に、高い無線ビジー率又は再送率は、ビデオの中断に結び付く可能性があり、リンクデータレートに対する調節が必要となる。更には、最大リンクデータレートなどのリンクデータレートのレンジを設定する際に1つ又は複数のRF性能信号を使用することも可能である。この結果、RSSIが正常値を下回れば、その他のRF性能信号、ストリーミング信号、デコーディング信号などがリンクデータレートを大きくする又は上昇させる状態において、リンクデータレートの上昇を制限するべく機能する相対的に低い最大リンクデータレートを設定可能である。
【0031】
本発明の一実施例においては、サービス品質モジュール231は、マルチメディアサーバモジュール12と通信状態にあるクライアントモジュールのそれぞれのRF性能信号の可能な値によってインデックス付けされたリンクデータレート及び最大リンクデータレートを保存しているルックアップテーブルを含んでいる。この結果、それぞれのクライアントモジュールごとに、このパラメータに影響を与えるように使用されているRSSIなどのRF性能信号に基づいて、最大リンクデータレートを見出すことが可能である。同様に、残りのRF性能信号、ストリーミング状態、及び/又はデコーディング状態の優勢な状態に基づいてテーブル内のこのパラメータをルックアップすることにより、リンクデータレートを判定可能である。様々な距離における、並びに、一連の異なるチャネル状態における、これらの特定の動作状態における実際のサービス品質をそれぞれのクライアントモジュールごとに最適化するべく判定されたマルチメディアサーバモジュール12と1つ又は複数のクライアントモジュール200の間の複数の計測値により、このルックアップテーブルの値を判定可能である。
【0032】
本発明の一実施例においては、サービス品質モジュール231は、パケットごとにその時点の現在の状態に基づいてリンクデータレートを調節している。この結果、チャネル状態の迅速な変化を略同時に迅速に処理可能である。但し、RF性能信号又はその他のリンクデータレートを集計、平均化、又はフィルタリングすることにより、その他の方式を利用し、変化する状態に適合する又は更に低速に又は更に限定された方式においてリンクデータレートの変化を実装することも可能である。
【0033】
図5は、本発明の一実施例によるクライアントモジュール200内において使用される回路125のブロックダイアグラム表現を示している。具体的には、回路125は、チャネルA又はマルチメディアサーバモジュール12によって選択された代替チャネル上においてRF信号246を受信すると共に、このRF信号246をエンコード済み受信信号248に変換するトランシーバモジュール244を含んでいる。更には、トランシーバモジュール244は、バックチャネル入力272を調することにより、チャネルA上においてマルチメディアサーバモジュール12に送信されるRF信号を生成するべく動作することも可能である。明示的に図示されてはいないが、クライアントモジュール200は、逆方向においてバックチャネルを稼動させるためのエンコーダモジュール230などのエンコーダモジュールを含んでいる。
【0034】
図4と関連して説明したように、モニタモジュール233が、マルチメディアサーバモジュール12への伝送のためにトランシーバモジュール244によって共有されている無線通信経路の性能に基づいたRF性能信号を生成している。更には、任意選択により、サービス品質モジュール231が、このリモート装置から伝送されるRF性能パラメータに基づいてリンクデータレートのレンジ及びリンクデータレートを調節するべく動作可能である。
【0035】
本発明の一実施例においては、マルチメディアサーバモジュール12及びクライアントモジュール200は、54Mbit/秒の最大データレートを有する52個のサブキャリアのOFDM(直交波周波数分割多重)を使用するIEEE802.11g規格に準拠した無線伝送リンクを使用している。データレートは、64−QAM(64−直交振幅変調)からBPSK(2位相偏移変調)に変調及び有効符号化レートを変更することにより、48Mbit/秒から低くは6Mbit/秒まで、不利なチャネル状態に応答して段階的に低減されている。チャネルの52個のサブキャリアは、312.5kHzだけ、離隔しており、この場合に、48個のサブキャリアは、データを搬送しており、4個のサブキャリアは、パイロットトーンを搬送している。エンコード済み受信信号248は、ベースバンド信号であるか、又は低中間周波数(IF)信号であってよい。
【0036】
本発明の一実施例においては、エンコード済み受信信号248は、任意選択により、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、PCI(パーソナルコンピュータインタフェース)、ファームウェア、又はSCSI(スモールコンピュータサービスインタフェース)、ASI(非同期シリアルインタフェース)、又はSPI(シリアル・ペリフェラル・インタフェース)などの物理的な電子接続を通じてデコーダモジュール254に送信可能である。但し、標準的な又はプロプライエタリなその他の物理的な電子接続も、同様に、本発明の広い範囲内において実装又は使用可能である。
【0037】
クライアントモジュール200は、エンコード済み受信信号248を、接続されているクライアントによって使用されているフォーマットを有するものなどのデコード済み出力信号216にデコードするべく、デコーダモジュール254を更に含んでいる。具体的には、データの更なるデコーディングは、圧縮されたデジタル信号の圧縮解除、NTSC、PAL、SECAMなどにおけるビデオ信号のフォーマッティング、及びクライアント装置の入力フォーマットに整合させるためのその他のフォーマッティングを包含可能である。前述のように、トランシーバモジュール244は、RF信号246を受信して復調し、エンコード済み受信信号248を生成している。
【0038】
本発明の一実施例においては、トランシーバモジュール244及びデコーダモジュール254の非RF部分は、単一の処理装置又は複数の処理装置を使用して実装可能である。このような処理装置は、マイクロプロセッサ、コプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理装置、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、プログラム可能なロジック装置、状態機械、ロジック回路、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は任意選択によって単一のメモリ装置又は複数のメモリ装置であってよいメモリ内に保存された演算命令に基づいて(アナログ及び/又はデジタル)信号を操作する任意の装置であってよい。このようなメモリ装置は、ハードディスクドライブ又はその他のディスクドライブ、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックメモリ、ダイナミックメモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、及び/又はデジタル情報を保存する任意の装置を包含可能である。トランシーバモジュール244及び/又はデコーダモジュール254が、演算命令に基づいた状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又はロジック回路を介してその機能の1つ又は複数のものを実装している際には、対応した演算命令を保存しているメモリは、状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又はロジック回路を構成する回路内に又はこの回部の外部に組み込み可能であることに留意されたい。
【0039】
本発明の一実施例においては、トランシーバモジュール244は、チャネル選択信号224に応答し、複数のその他の搬送波周波数に選択的にチューニング可能である。例えば、IEEE803.11g規格に準拠した米国内の無線伝送リンクを使用するマルチメディアサーバモジュール12及びクライアントモジュール200の一実装においては、チャネルAは、11個の割り当てられたチャネルの中の任意の2つとして選択可能である。本発明の一実施例においては、利用可能なチャネルをスキャンして使用する2つの適切なチャネルを判定するサイト調査に基づいて動的に選択された、マルチメディアサーバモジュール12から受信された又はクライアントモジュール200とマルチメディアサーバモジュール12の間においてアービトレートされた、或いは、ユーザの制御下において選択されたチャネル選択信号をクライアントモジュール200内に予めプログラム可能である。
【0040】
尚、以上の説明は、802.11xに準拠した広帯域アクセスネットワークにおいて予約されているスペクトルに限定されているが、本発明の代替実施例においては、UWB、WiMAX、及びその他の無線リンクを含むその他のスペクトル及びその他の無線リンクを同様に実装可能である。
【0041】
図6は、本発明の一実施例による方法のフローチャート表現を示している。具体的には、図1図5との関連において説明した機能及び特徴の中の1つ又は複数のものとの関連において使用される方法が提示されている。ステップ400において、少なくとも1つのマルチメディア信号をエンコードすることにより、エンコード済み信号を生成している。ステップ402において、エンコード済み信号を含むチャネル信号を生成している。ステップ404において、チャネル信号を無線通信経路上においてリンクデータレートで伝送している。ステップ406において、無線通信経路の性能に基づいた第1RF性能信号を生成している。ステップ408において、第1RF性能信号に基づいてリンクデータレートのレンジ及びリンクデータレートの両方を調節している。
【0042】
本発明の一実施例においては、第1RF性能パラメータは、RSSI、再送率、無線ビジー率、符号化誤り率を包含可能である。更には、ステップ408は、パケットごとに又は更に少ない頻度において実行することも可能である。
【0043】
一実施例においては、ステップ400は、MPEG規格及びSMPTE規格の中の1つに従ってマルチメディア信号をエンコード又はトランスコードしている。更には、ステップ404は、802.11x、UWB、及びWiMAXからなる規格の中の少なくとも1つに準拠した広帯域無線アクセスネットワーク上においてRF信号を伝送している。
【0044】
図7は、本発明の一実施例による方法のフローチャート表現を示している。図1図5に従って説明した機能及び特徴の中の1つ又は複数のものと関連して使用される方法が提示されている。具体的には、共通の参照符号によって示された図6の方法の要素の多くを含む方法が提示されている。これに加えて、ステップ407が、少なくとも1つのクライアントモジュールから、無線通信経路の性能に基づいた第2RF性能信号を受信するステップを包含しており、ステップ408において、この第2RF性能パラメータに基づいて、リンクデータレートのレンジ及びリンクデータレートの中の少なくとも1つを調節している。
【0045】
本発明の一実施例においては、第2RF性能信号は、RSSIを含んでおり、ステップ408において、このRSSIに基づいてリンクデータレートのレンジを調節している。
【0046】
本発明の一実施例においては、0.35ミクロン又はこれを下回るCMOS技術を使用して様々な回路コンポーネントを実装している。但し、集積型又は非集積型の両方のその他の回路技術を本発明の広範な範囲内において使用可能である。
【0047】
当業者であれば、本明細書において使用されている「実質的(substantially)」又は「略(approximately)」という用語は、その対応する用語及び/又は項目間における相対性に対して産業的に許容される許容範囲を提供していることを理解するであろう。このような産業的に許容される許容範囲は、1パーセント未満から20パーセントの範囲を有しており、且つ、限定を伴うことなしに、コンポーネント値、集積回路のプロセス変動、温度変動、立ち上がり及び立ち下がり時間、及び/又は熱雑音に対応している。このような項目間における相対性は、数パーセントから桁の違いのレベルに及ぶ範囲を有している。当業者であれば、本明細書において使用されている「結合された(coupled)」という用語は、直接的な結合と、別のコンポーネント、要素、回路、又はモジュールを介した間接的な結合を含んでおり、この場合に、間接的な結合においては、介在しているコンポーネント、要素、回路、又はモジュールは、信号の情報を変更することはないが、その電流レベル、電圧レベル、及び/又は電力レベルを変更可能であることを更に理解するであろう。又、当業者であれば、推定された結合(即ち、この場合には、1つの要素が推定によって別の要素に結合されている)は、「結合された(coupled)」と同様に、2つの要素間における直接的及び間接的な結合を含んでいることを理解するであろう。当業者であれば、本明細書において使用されている「有利に比較される(compares favorably)」という用語は、複数の要素、項目、信号などの間における比較が、望ましい関係を提供していることを意味することを更に理解するであろう。例えば、望ましい関係が、信号1が信号2を上回る大きさを具備しているというものである際には、好ましい比較は、信号1の大きさが信号2の大きさを上回っているか、又は信号2の大きさが信号1の大きさを下回っている際に実現可能である。
【0048】
モジュールという用語が本発明の様々な実施例の説明において使用されているが、モジュールは、入力信号を処理して出力信号を生成するなどの1つ又は複数のモジュール機能を実行するハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアにおいて実装された機能ブロックを含んでいる。本明細書において使用されているモジュールは、それ自体がモジュールであるサブモジュールを包含可能である。ソフトウェア又はファームウェアにおいて実装される際には、それぞれのモジュールは、単一の処理装置又は複数の処理装置を使用して実装可能である。このような処理装置は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理装置、FPGA、プログラム可能なロジック装置、状態機械、ロジック回路、アナログ回路、デジタル回路、及び/又はメモリ内に保存された演算命令に基づいて(アナログ及び/又はデジタル)信号を操作する任意の装置であってよい。メモリは、単一のメモリ装置又は複数のメモリ装置であってよい。このようなメモリ装置は、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックメモリ、ダイナミックメモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、及び/又はデジタル情報を保存する任意の装置であってよい。処理モジュールが、その機能の1つ又は複数のものを、状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又はロジック回路を介して実装している際には、対応する演算命令を保存しているメモリは、状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又はロジック回路を構成する回路の内部又はこの外部に組み込み可能であることに留意されたい。
【0049】
従って、本明細書においては、マルチメディアクライアント/サーバシステム、マルチメディアサーバモジュール、クライアントモジュール、及びサービス品質モジュールを実装するための装置及び方法、並びに、好適な実施例を含むいくつかの実施例について説明した。本明細書に記述されている本発明の様々な実施例は、従来技術から本発明を弁別する特徴を具備している。
【0050】
当業者であれば、開示された本発明は、多数の方法で変更可能であり、且つ、以上において具体的に提示及び説明した好適な形態以外の多くの実施例を有することが可能であることを理解するであろう。従って、添付の請求項は、本発明の真の精神及び範囲に属する本発明のすべての変更を含むことが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7