(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5711386
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】通信システムにおいてPHRにおいて電力バックオフのインジケーションを可能にする方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 24/10 20090101AFI20150409BHJP
H04W 52/30 20090101ALI20150409BHJP
H04J 11/00 20060101ALI20150409BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W52/30
H04J11/00 Z
【請求項の数】26
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2013-547397(P2013-547397)
(86)(22)【出願日】2011年4月29日
(65)【公表番号】特表2014-506059(P2014-506059A)
(43)【公表日】2014年3月6日
(86)【国際出願番号】SE2011050528
(87)【国際公開番号】WO2012091651
(87)【国際公開日】20120705
【審査請求日】2014年1月15日
(31)【優先権主張番号】61/428,684
(32)【優先日】2010年12月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(72)【発明者】
【氏名】バルデメイアー, ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ボストレム, リサ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィーマン, ヘニング
【審査官】
石川 雄太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特表2013−541283(JP,A)
【文献】
特表2013−533673(JP,A)
【文献】
特表2013−509759(JP,A)
【文献】
特表2011−514035(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/094525(WO,A1)
【文献】
Ericsson, ST-Ericsson, Qualcomm Incorporated, Nokia Siemens Networks,Power Management indication in PHR[online], 3GPP TSG-RAN WG2#73 R2-110941,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_73/Docs/R2-110941.zip>,2011年 2月14日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
H04J 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置において使用され、通信システムにおいて電力管理を実行するための電力ヘッドルームリポートを無線基地局に報告する方法であって、
電力バックオフの適用を決定することと、
前記電力ヘッドルームリポートにおいて前記電力バックオフの適用を指し示すことと、
前記ユーザ装置において前記電力バックオフが適用されたことを示す前記電力ヘッドルームリポートを前記無線基地局に送信することと
を有し、
前記送信することは、
拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントのいずれかにおいて前記電力ヘッドルームリポートを送信することと、
前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメント、前記電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントによって使用されている媒体アクセス制御サブヘッダのいずれかにおいて電力バックオフの適用を指し示すインジケーションを供給することと
を含み、
前記指し示すことは、
前記ユーザ装置が電力バックオフを適用することを決定すると、前記電力ヘッドルームリポートにおける予約ビットを所定の値に設定することを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
ユーザ装置において使用され、通信システムにおいて電力管理を実行するための電力ヘッドルームリポートを無線基地局に報告する方法であって、
電力バックオフの適用を決定することと、
前記電力ヘッドルームリポートにおいて前記電力バックオフの適用を指し示すとともに、前記電力ヘッドルームリポートにおける他のビットを所定の値に設定することで、前記電力バックオフが所定の電力バックオフ閾値を超えたことを前記電力ヘッドルームリポートにおいて指し示すことと、
前記ユーザ装置において前記電力バックオフが適用されたことを示す前記電力ヘッドルームリポートを前記無線基地局に送信することと
を有し、
前記送信することは、
拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントのいずれかにおいて前記電力ヘッドルームリポートを送信することと、
前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメント、前記電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントによって使用されている媒体アクセス制御サブヘッダのいずれかにおいて電力バックオフの適用を指し示すインジケーションを供給することと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
ユーザ装置において使用され、通信システムにおいて電力管理を実行するための電力ヘッドルームリポートを無線基地局に報告する方法であって、
電力バックオフの適用を決定することと、
前記電力バックオフが前記ユーザ装置によって利用されている実際の送信電力に影響を与えるときに、前記電力ヘッドルームリポートにおいて電力管理による前記電力バックオフの適用を指し示すことと、
前記ユーザ装置において前記電力バックオフが適用されたことを示す前記電力ヘッドルームリポートを前記無線基地局に送信することと
を有し、
前記送信することは、
拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントのいずれかにおいて前記電力ヘッドルームリポートを送信することと、
前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメント、前記電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントによって使用されている媒体アクセス制御サブヘッダのいずれかにおいて電力バックオフの適用を指し示すインジケーションを供給することと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
前記指し示すことは、前記ユーザ装置によって使用されている最大送信電力を前記電力ヘッドルームリポートにおいて指し示すのに加えて、同一の当該電力ヘッドルームリポートにおいて電力管理による電力バックオフの適用を指し示すことを含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記指し示すことは、
前記電力バックオフは、送信時間間隔において前記ユーザ装置によって適用された追加のバックオフであることを指し示すことを含む
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記指し示すことは、
前記ユーザ装置によって使用されている最大送信電力が前記電力ヘッドルームリポートにおいて指し示されるときはいつも前記電力バックオフの前記適用を指し示すことを含む
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記指し示すことは、
最大電力削減(MPR)および追加MPR(A−MPR)のために適用されるいずれかの電力バックオフに加え、電力管理による前記電力バックオフの前記適用を指し示すことを含む
ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
通信システムにおける無線基地局において使用される方法であって、
拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントのいずれかにおいてユーザ装置から電力ヘッドルームリポートを受信することと、
前記受信した電力ヘッドルームリポートから前記ユーザ装置によって電力バックオフが適用されたかどうを判定することと、
前記ユーザ装置によって電力バックオフが適用された場合、前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメント、前記電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントによって使用されている媒体アクセス制御サブヘッダのいずれかにおいてそのような電力バックオフの適用を指し示すインジケーションを受信することと
を有し、
前記判定することは、
前記電力ヘッドルームリポートにおける予約ビットが所定の値に設定されているかどうかを判定することを含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
通信システムにおける無線基地局において使用される方法であって、
拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントのいずれかにおいてユーザ装置から電力ヘッドルームリポートを受信することと、
前記受信した電力ヘッドルームリポートから前記ユーザ装置によって電力バックオフが適用されたかどうを判定することと、
前記ユーザ装置によって電力バックオフが適用された場合、前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメント、前記電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントによって使用されている媒体アクセス制御サブヘッダのいずれかにおいてそのような電力バックオフの適用を指し示すインジケーションを受信することと
を有し、
前記判定することは、
前記電力バックオフが所定の電力バックオフ閾値を超えていることを示す所定の値に、前記電力ヘッドルームリポートにおける他の予約ビットが設定されているかどうかを判定することを含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
通信システムにおける無線基地局において使用される方法であって、
拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントのいずれかにおいてユーザ装置から電力ヘッドルームリポートを受信することと、
前記受信した電力ヘッドルームリポートから前記ユーザ装置によって電力バックオフが適用されたかどうを判定することと、
前記ユーザ装置によって電力バックオフが適用された場合、前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメント、前記電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントによって使用されている媒体アクセス制御サブヘッダのいずれかにおいてそのような電力バックオフの適用を指し示すインジケーションを受信することと
を有し、
前記判定することは、
前記電力バックオフが前記ユーザ装置によって利用されている実際の送信電力に影響を与えるときに、電力管理により前記ユーザ装置によって前記電力バックオフが適用されたかどうかを判定することを含むことを含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記判定することは、前記受信した電力ヘッドルームリポートから、電力管理により前記ユーザ装置によって電力バックオフが適用されたかどうかを判定するとともに、前記電力ヘッドルームリポートから、前記ユーザ装置によって使用される最大送信電力を判別することを含む
ことを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記判定することは、
前記電力バックオフが、送信時間間隔において前記ユーザ装置によって適用された追加の電力バックオフかどうかを判定することをさらに含む
ことを特徴とする請求項8ないし11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記判定することは、
最大電力削減(MPR)および追加MPR(A−MPR)のために前記ユーザ装置によって適用されるいずれかの電力バックオフに加え、電力管理により前記ユーザ装置によって前記電力バックオフが適用されたかどうかを判定することを含む
ことを特徴とする請求項8ないし12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
通信システムにおいて電力管理を実行するために、電力ヘッドルームリポートを無線基地局に報告するユーザ装置であって、
電力バックオフの適用を決定し、さらに前記電力ヘッドルームリポートにおいて前記電力バックオフの適用を指し示すように構成されたプロセッシングユニットと、
前記ユーザ装置において前記電力バックオフが適用されたことを示す前記電力ヘッドルームリポートを前記無線基地局に送信するように構成された送受信機と
を有し、
前記送受信機は、
拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントのいずれかにおいて前記電力ヘッドルームリポートを送信し、
前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメント、前記電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントによって使用されている媒体アクセス制御サブヘッダのいずれかにおいて電力バックオフの適用を指し示すインジケーションを供給する
ように構成されており、
前記プロセッシングユニットは、
前記プロセッシングユニットが電力バックオフを適用することを決定すると、前記電力ヘッドルームリポートにおける予約ビットを所定の値に設定するように構成されていることを特徴とするユーザ装置。
【請求項15】
通信システムにおいて電力管理を実行するために、電力ヘッドルームリポートを無線基地局に報告するユーザ装置であって、
電力バックオフの適用を決定し、さらに前記電力ヘッドルームリポートにおいて前記電力バックオフの適用を指し示すように構成されたプロセッシングユニットと、
前記ユーザ装置において前記電力バックオフが適用されたことを示す前記電力ヘッドルームリポートを前記無線基地局に送信するように構成された送受信機と
を有し、
前記送受信機は、
拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントのいずれかにおいて前記電力ヘッドルームリポートを送信し、
前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメント、前記電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントによって使用されている媒体アクセス制御サブヘッダのいずれかにおいて電力バックオフの適用を指し示すインジケーションを供給する
ように構成されており、
前記プロセッシングユニットは、
前記電力ヘッドルームリポートにおける他のビットを所定の値に設定することで、前記電力バックオフが所定の電力バックオフ閾値を超えたことを前記電力ヘッドルームリポートにおいて指し示すように構成されていることを特徴とするユーザ装置。
【請求項16】
通信システムにおいて電力管理を実行するために、電力ヘッドルームリポートを無線基地局に報告するユーザ装置であって、
電力バックオフの適用を決定し、さらに前記電力ヘッドルームリポートにおいて前記電力バックオフの適用を指し示すように構成されたプロセッシングユニットと、
前記ユーザ装置において前記電力バックオフが適用されたことを示す前記電力ヘッドルームリポートを前記無線基地局に送信するように構成された送受信機と
を有し、
前記送受信機は、
拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントのいずれかにおいて前記電力ヘッドルームリポートを送信し、
前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメント、前記電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントによって使用されている媒体アクセス制御サブヘッダのいずれかにおいて電力バックオフの適用を指し示すインジケーションを供給する
ように構成されており、
前記プロセッシングユニットは、
前記電力バックオフが前記ユーザ装置によって利用されている実際の送信電力に影響を与えるときに、電力管理による前記電力バックオフを適用するように構成されていることを特徴とするユーザ装置。
【請求項17】
前記プロセッシングユニットは、前記電力ヘッドルームリポートにおいて電力管理による電力バックオフの適用を指し示すように構成されているとともに、これと同一の前記電力ヘッドルームリポートにおいて前記ユーザ装置によって使用されている最大送信電力を指し示すようにさらに構成されていることを特徴とする請求項14ないし16のいずれか1項に記載のユーザ装置。
【請求項18】
前記プロセッシングユニットは、
送信時間間隔において前記ユーザ装置によって追加で適用された追加のバックオフとして、前記電力バックオフを指し示すように構成されている
ことを特徴とする請求項14ないし17のいずれか1項に記載のユーザ装置。
【請求項19】
前記プロセッシングユニットは、
前記ユーザ装置によって使用されている最大送信電力が前記電力ヘッドルームリポートにおいて指し示されるときはいつも前記電力バックオフを適用するように構成されている
ことを特徴とする請求項14ないし18のいずれか1項に記載のユーザ装置。
【請求項20】
前記プロセッシングユニットは、
最大電力削減(MPR)および追加MPR(A−MPR)のために前記ユーザ装置によって適用されるいずれかの電力バックオフに加え、電力管理による前記電力バックオフを適用するように構成されている
ことを特徴とする請求項14、15、17および18のいずれか1項に記載のユーザ装置。
【請求項21】
通信システムにおける無線基地局であって、
拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントのいずれかにおいてユーザ装置から電力ヘッドルームリポートを受信するように構成された送受信機と、
前記受信した電力ヘッドルームリポートから前記ユーザ装置によって電力バックオフが適用されたかどうを判定するように構成されたプロセッシングユニットと
を有し、
前記送受信機は、
前記ユーザ装置によって電力バックオフが適用された場合、前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメント、前記電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントによって使用されている媒体アクセス制御サブヘッダのいずれかにおいてそのような電力バックオフの適用を指し示すインジケーションを受信するように構成されており、
前記プロセッシングユニットは、
前記電力ヘッドルームリポートにおける予約ビットが1に設定されているかどうかを判定するように構成されていることを特徴とする無線基地局。
【請求項22】
通信システムにおける無線基地局であって、
拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントのいずれかにおいてユーザ装置から電力ヘッドルームリポートを受信するように構成された送受信機と、
前記受信した電力ヘッドルームリポートから前記ユーザ装置によって電力バックオフが適用されたかどうを判定するように構成されたプロセッシングユニットと
を有し、
前記送受信機は、
前記ユーザ装置によって電力バックオフが適用された場合、前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメント、前記電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントによって使用されている媒体アクセス制御サブヘッダのいずれかにおいてそのような電力バックオフの適用を指し示すインジケーションを受信するように構成されており、
前記プロセッシングユニットは、
前記電力バックオフが所定の電力バックオフ閾値を超えていることを示す所定の値に、前記電力ヘッドルームリポートにおける他の予約ビットが設定されているかどうかを判定するように構成されていることを特徴とする無線基地局。
【請求項23】
通信システムにおける無線基地局であって、
拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントのいずれかにおいてユーザ装置から電力ヘッドルームリポートを受信するように構成された送受信機と、
前記受信した電力ヘッドルームリポートから前記ユーザ装置によって電力バックオフが適用されたかどうを判定するように構成されたプロセッシングユニットと
を有し、
前記送受信機は、
前記ユーザ装置によって電力バックオフが適用された場合、前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメント、前記電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントまたは前記拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメントによって使用されている媒体アクセス制御サブヘッダのいずれかにおいてそのような電力バックオフの適用を指し示すインジケーションを受信するように構成されており、
前記プロセッシングユニットは、
前記電力バックオフが前記ユーザ装置によって利用されている実際の送信電力に影響を与えるときに、電力管理により前記ユーザ装置によって前記電力バックオフが適用されたかどうかを判定するように構成されていることを特徴とする無線基地局。
【請求項24】
前記プロセッシングユニットは、
前記受信した電力ヘッドルームリポートから、電力管理により前記ユーザ装置によって電力バックオフが適用されたかどうかを判定するとともに、前記電力ヘッドルームリポートから、前記ユーザ装置によって使用される最大送信電力を判別するように構成されている
ことを特徴とする請求項21ないし23のいずれか1項に記載の無線基地局。
【請求項25】
前記プロセッシングユニットは、
前記電力バックオフが、送信時間間隔において前記ユーザ装置によって適用された追加の電力バックオフかどうかを判定するように構成されている
ことを特徴とする請求項21ないし24のいずれか1項に記載の無線基地局。
【請求項26】
前記プロセッシングユニットは、
最大電力削減(MPR)および追加MPR(A−MPR)のために適用されるいずれかの電力バックオフに加え、電力管理により前記ユーザ装置によって前記電力バックオフが適用されたかどうかを判定するように構成されている
ことを特徴とする請求項21または22に記載の無線基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、無線通信分野に関し、特に、通信システムにおいて、少なくとも電力ヘッドルームリポート(PHR)において電力バックオフのインジケーションを可能にする方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)などの通信システムにおいては、ダウンリンクにおいて直交周波数分割多重(OFDM)が使用され、アップリンクにおいてDFT(離散型フーリエ変換)スプレッドOFDM(シングルキャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)としても知られている)が使用されている。従って、基本のLTEダウンリンク物理リソースは、時間−周波数グリッドと考えることができ、
図1に示すように、各リソースエレメントが、1つのOFDMシンボル間隔における1つのOFDMサブキャリアに相当する。
【0003】
LTEのダウンリンク伝送は、時間領域において10msの無線フレームに編成され、各無線フレームは、長さT
subframe=1ms(
図2参照)のサイズの10個のサブフレームを備えている。
【0004】
さらに、LTEにおけるリソース割り当ては、通常、リソースブロックを用いて表され、1つのリソースブロックは、時間領域において1スロット(0.5ms)で、周波数領域において12サブキャリアに相当している。リソースブロックは、周波数領域においては、システム帯域幅の一端において0から始まる番号を付与されている。
【0005】
ダウンリンク送信は、動的にスケジュールされる。すなわち、各サブフレームにおいて、基地局は、そのダウンリンクサブフレーム中で、どの端末に向けて、どのリソースブロックでデータを送信しているかを示す制御情報を送信する。この制御シグナリングは、通常、各サブフレームにおける最初の1、2、3、または4個のOFDMシンボルで送信される。
図3は、制御領域として3個のOFDMシンボルを有するダウンリンクの方式を示す。
【0006】
LTEにおいては、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)および物理アップリンク共用チャネル(PUSCH)などの複数のチャネルが定義されており、これらのチャネルについて以下に説明する。
【0007】
PUCCHに関しては、LTEは、ハイブリッドARQ(ハイブリッド自動再送要求)を使用するように構成されている。ハイブリッドARQにおいては、サブフレームでダウンリンクデータの受信後、移動端末またはユーザ装置(UE)と呼ばれることが多い端末は、そのデータの復号を試みて、復号に成功した(肯定応答(ACK))か、それとも成功しなかった(否定応答(NACK))かを、基地局に報告する。復号に失敗した場合、基地局は、誤りのあったデータに関して再送信してもよい。
【0008】
端末(例えばUE)から基地局へのアップリンク制御シグナリングは、次の情報を有していてもよい。
−受信したダウンリンクデータに対するハイブリッドARQアクノレジッジメント。
−少なくともダウンリンクスケジューリングをアシスト(支援)するために使用される、ダウンリンクチャネル状態に関する端末からの報告(チャネル品質情報(CQI)としても知られている)。
−端末がアップリンクデータを送信するために、アップリンクリソースを必要としていることを示すスケジューリング要求。
【0009】
移動端末は、データ送信用のアップリンクリソースを割り当てられていない場合、アップリンクL1/L2制御情報のために割り当てられた、PUCCH上のアップリンクリソース(リソースブロック)で、L1/L2(レイヤ1および/またはレイヤ2)制御情報(チャネル状態報告、ハイブリッドARQ送達確認、およびスケジューリング要求)を送信する。異なる情報に対しては、異なるPUCCHフォーマットが使用される。例えば、ハイブリッドARQフィードバックに関しては、PUCCHフォーマット1a/1bおよび3が使用され、チャネル状態報告に関しては、PUCCHフォーマット2/2a/2bが使用され、スケジューリング要求に関しては、PUCCHフォーマット1が使用される。様々なPUCCHフォーマットに関しては、非特許文献1(第3世代パートナーシッププロジェクトLTE標準関連の技術仕様書3GPP TS36.213)に記載されている。
【0010】
アップリンクでデータを送信するためには、移動端末は、物理アップリンク共用チャネル(PUSCH)上に、データ送信用のアップリンクリソースを割り当てられる必要がある。これについては、
図4を参照されたい。基準シンボルを送信するためには、各スロットの中央の単一のキャリアシンボルが使用される。移動端末は、データ送信用のアップリンクリソースを割り当てられているのに加えて、送信すべき制御情報を有している場合、PUSCH上でデータとともに制御情報を送信する。
【0011】
最大20MHzの帯域幅をサポートするLTE リリース8(リリース8)が、近ごろ標準化された。しかし、IMT−Advanced(International Mobile Telecommunications Advanced)の要件を満足するために、3GPPは、LTE リリース10への取り組みを始めた。LTE リリース10の主要な要素の1つは、LTE Re−8との後方互換性を確保しながら、20MHzを超える帯域幅をサポートすることである。これには、スペクトルの互換性も含むべきであり、20MHzより広い可能性があるLTE リリース10のキャリアを、LTE リリース8端末(例えばUE)向けの幾つかのLTEキャリアとして実現しうることを意味している。そのようなキャリアのそれぞれは、コンポーネントキャリア(CC)と呼ばれてもよい。LTE リリース10の初期の普及状況に関しては、多くのLTEレガシー端末に対して少数のLTE リリース10対応端末が存在することが予想されるであろう。従って、レガシー(従来型)端末に関しても、広いキャリアの効率的な使用を確実にする必要があるであろう。すなわち、広帯域のLTE リリース10のキャリアの全ての部分にレガシー端末をスケジュールできるように、キャリアを使用できるようにすることが必要であろう。これを実現する手法は、LTE リリース10対応端末が複数のCCを受信できるように、キャリアアグリゲーション(CA)を採用することであろう。ここで、CCは、リリース8のキャリアと同じ構造を有するか、または少なくとも同じ構造を有する可能性を有する。CAについては、
図5に示す。
【0012】
アグリゲーションされるCCの数および各CCのそれぞれ帯域幅は、アップリンクとダウンリンクで異なってもよい。シンメトリック(対称)構成は、ダウンリンクとアップリンクのCCの数が同じ場合を指すのに対して、アシンメトリック(非対称)構成は、CCの数が異なる場合を指す。セルエリアに構成されるCCの数は、端末から見えるか、または端末が使用するCCの数とは異なってもよいことに留意されたい。ネットワークは、アップリンクとダウンリンクのCCの数が同じに構成されるけれども、端末は、例えば、アップリンクのCCより多くのダウンリンクのCCをサポートしてもよい。
【0013】
CCは、セルまたは/およびサービングセルとも呼ばれる。LTEネットワークにおいては、端末によってアグリゲーションされたコンポーネントキャリアは、一般に、プライマリセル(PCell)およびセカンダリセル(SCell)と表される。サービングセルという用語は、PCellとSCellの両方を含む。PCellは、端末固有であり、通常、PCellを介して制御シグナリングおよび他の重要なシグナリングが扱われるので、「より重要である」と見なされている。PCellとして構成されるCCは、プライマリCCであるのに対して、他の全てのコンポーネントキャリアはセカンダリCCである。
【0014】
LTEは、アップリンク電力制御もサポートしている。アップリンク電力制御は、PUSCHとPUCCHの両方で使用されている。アップリンク電力制御の目的は、送信電力が高すぎるとネットワーク内の他のユーザへの干渉を増やしかねないので、移動端末が、十分に高い電力であってかつ高すぎない電力で送信できるようにすることである。PUSCHとPUCCHの両方において、閉ループ機構と組み合わせた、パラメータ化した開ループ機構が使用されてもよい。概略的には、開ループ部分は、閉ループコンポーネントがその周りで動作することになる動作点を設定するために使用される。ユーザプレーンおよび制御プレーンに対して異なるパラメータ(目標および部分補償係数)が使用されてもよい。PUSCHおよびPUCCHの電力制御についての詳細な説明は、非特許文献1(3GPP TS36.213 「物理層手順」のそれぞれセクション5.1.1.1および5.1.2.1)を参照されたい。
【0015】
移動端末またはUEのアップリンク(UL)電力を制御するために、基地局、または進化型ノードBとも呼ばれるeNBは、TPC(送信電力制御)コマンドを使用して、UEにその送信電力を累積的または絶対的に変更するように命令する。LTE リリース10においては、UL電力制御は、CCごとに管理される。リリース8/9と同様に、PUSCHの電力制御とPUCCHの電力制御とは、切り離されている。LTE リリース10においては、プライマリCCがPUCCHを搬送するように構成された唯一のUL CCであるため、PUCCH電力制御は、プライマリCCだけに適用される。
【0016】
TPCコマンドには、ACK/NACKビットが存在しないため、eNBは、UEがTPCコマンドを受信したかどうかを確かめることができず、また、UEが物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を誤って復号して、TPCコマンドを受信したと思う/思い込むため、UEからの現在の送信電力を確実に推定するためには、使用したTPCコマンドのカウントは使用できないかもしれない。また、UEは、自己の送信電力レベルを(経路損失推定値に基づいて)自律的に補償しうるが、この調整は、eNB基地局には分からない。これら2つの理由から、良好なスケジューリング決定を行い、UE UL電力を制御するために、eNB基地局は、定期的にPHR(電力ヘッドルームリポート)報告を受信する必要があるであろう。
【0017】
例えばリリース8/9においては、eNB基地局は、UEを最大出力電力に設定する。UEは、電力バックオフを行うことが認められているので、UEが使用できる実際の送信電力は、設定電力とは異なってもよい。UEは、本明細書ではPcmaxと表す、電力バックオフ後の実際の最大送信電力である値を、選択するように構成または適合されている。このPcmaxは、UEに残されている電力ヘッドルームを計算するために使用されてもよい。
【0018】
UEは、帯域外放射が確実に指定の最大値を超えないようにするために、その送信電力をバックオフすることが認められている。また、このバックオフ動作は、帯域外放射が確実に指定の最大値を超えないようにするために、他のリリースまたは他の方式/技術においても使用されてもよい。対応する許容電力低減は、MPR(最大電力低減)およびA‐MPR(追加のMPR)と呼ばれる。UEは、その送信電力を最大で定められたMPR+A‐MPR値までバックオフすることが認められているが、帯域間放射要件を満足している限り、バックオフすることを求められない。特定のMCS(変調符号化方式)および特定数のリソースブロックを使用する特定の状況においてUEに許容される最大電力低減量は、例えば、非特許文献2(3GPP TS36.101)の表に定められている。しかし、それらの表は、最大許容値を定めているにすぎず、eNB基地局は、適用されているMPR/A‐MPRの正確な値を知らない。
【0019】
リリース10においては、eNB基地局は、各CCの最大出力電力を個別に設定する。リリース8/9においてUEがPcmaxを選択したのと同様の手法で、UEは、使用する各CCに関して、当該CCに対する電力ヘッドルームを計算するために使用するPcmax,cを選択する。Pcmax,cは、特定のTTI(送信時間間隔)における特定のCCに関する実際の最大送信電力であり、UEが設定する。Pcmax,cは、UEの電力クラスの最大値およびeNB基地局によって設定される最大CC電力によって定められる上限と、最大電力低減(MPR/A‐MPR)を考慮して定められる下限との間に設定される。
【0020】
また、帯域外放射を満足するための電力バックオフに加えて、UEは、(場合によっては、帯域外放射を満足するために行われるバックオフに加えて)その送信電力を同様にバックオフすることを必要とするであろうSAR(比吸収率、Specific Absorption Rate)を満足するようにも構成/適合されている。これが必要なのは、UEがLTE技術とWCDMA(広帯域符号分割多元接続)技術の両方をサポートして、両方の無線アクセス技術を同時に動作させる場合であってもよい。それ故、LTE リリース10のUEについては、いわゆる「電力管理目的」で追加の電力バックオフを行ってもよいことが、3GPPにおいて合意されている。これには、SAR関連の電力バックオフを含むが、それに限定されない。UEは、このような電力バックオフを行うとき、Pcmaxおよび/またはPcmax,cの計算において、この電力バックオフを反映するものとすることも決定されている。
【0021】
その結果として、この追加の電力低減は、PHR報告に加えて、Pcmaxおよび/またはPcmax,c報告に反映されることになる(次のセクション参照)。
【0022】
前述したように、LTE リリース8においては、基地局が、UEを設定して、定期的に、または経路損失の変化がある種の設定可能および/または所定の閾値を超えるとき、PHR報告を送信させてもよい。PHR報告は、UEがサブフレームIに関してどのくらいの送信電力を残しているかを示す。すなわち、実際のUE最大送信電力(Pcmax,cまたはPcmax)と推定所要電力との差を示す。報告値は、40〜−23dBの範囲であり、ここで負の値は、UEが送信を行うのに十分な電力を有していなかったことを示す。
【0023】
eNB基地局は、スケジューラへの入力としてPHR報告を使用してもよい。一例として、利用可能な電力ヘッドルームに基づいて、eNB基地局のスケジューラは、適切な送信電力調整(TPCコマンド)に加えて、PRB(物理リソースブロック)の適切な数および良好/適切/適正なMCSを決定するように構成されている。キャリアアグリゲーションにおいては、eNB基地局は、RAN1の決定に従って、電力をCCごとに制御するので、UL CCごとにその評価を行うであろう。
【0024】
CCごと、かつPUSCHとPUCCHに関して別々にUL電力制御を行っているため、これは、PHR報告にも反映される。リリース10においては、UEが、CCごとに1つのPcmax,c値を計算し、かつCCごとに別々に電力ヘッドルームも計算する。リリース10に関しては、少なくとも2つのタイプの電力PHR報告が使用されうる。
−タイプ1 PHR報告:P_cmax,cからPUSCH電力を減算する(P_cmax,c − P_PUSCH)ことで算出される。
−タイプ2 PHR報告:P_cmax,cからPUCCH電力を減算し、さらにPUSCH電力も減算する(P_cmax,c − P_PUCCH − P_PUSCH)ことで算出される。
【0025】
セカンダリCCは、PUCCHを構成していないので、常にタイプ1PHR報告を通知してもよい。プライマリCCは、タイプ1PHR報告とタイプ2PHR報告の両方を報告してもよい。タイプ1PHR報告およびタイプ2PHR報告は、同じサブフレームで通知されてもよいし、また別のサブフレームで通知されてもよい。
【0026】
リリース10によれば、あるCCに関するPHR報告は、別のCCで送信されてもよいことになっている。これにより、端末は、いずれかのアクティブなUL CCでPUSCHリソースを与えられると直ぐに、1つ以上のCCにおける急速な経路損失の変化を報告することが可能になるであろう。より具体的には、いずれかのアクティブなCCにおける経路損失変化閾値dBより大きい経路損失変化は、そのCCに対して有効なPUSCHグラントが入手可能か否かに関わらず、全てのアクティブなCCに関するPHR報告をトリガしてもよい。全てのPHR報告は、同じCCの同じサブフレームの同じMAC制御エレメント(制御要素:CE)で一緒に送信されてもよい。このCCは、端末がPUSCHリソースを与えられているどのCCであってもよい。リリース10によれば、特定のサブフレームで報告される全てのPHRは、同じMAC CEに含まれ、アクティブなUL CCの1つで送信されうる。TTIごとに、せいぜい1つのPHR報告または拡張PHR MAC CEしか存在しない。
【0027】
PHR報告に加えて、CCごとのPcmax,c報告があってもよい。Pcmax,cは、非特許文献1(3GPP TS36.213)に表記されており、UEの実際の最大送信電力を報告するものである。前に説明したように、Pcmax,c値は、帯域外放射要件(MPR/A‐MPR)またはSAR(電力管理)要件によるUE電力低減の影響を受ける。PHR値に加えて送信されるPcmax,c値により、ネットワークまたはネットワークノード(例えば基地局)は、電力ヘッドルームの変化の理由、すなわち、利用可能な送信電力(Pcmax,c)の変化に起因したものか、それとも経路損失の変化およびTPCコマンド誤りに起因したものかを、推定することが可能になる。
【0028】
リリース10によれば、Pcmax,cは、関連するPHRと同じ拡張PHR MAC CEの中に含まれる。
【0029】
拡張PHR MAC(媒体アクセス制御)CEについては、非特許文献3(3GPP TS36.321)のリリース10において定義されている。その構造の一例を
図6に示す。含まれているフィールドの定義に関しては、非特許文献3(3GPP TS36.321)を参照されたい。例えばR、Vなどの使用されている頭字語についても、非特許文献3(3GPP TS36.321)に定義されている。リリース10においては、全ての構成されたアクティブなCCに関して、PHRを報告しうる。これは、PHRを報告するCCの中には、PHRを報告するTTIにおいて、有効なULグラントを有していないものがあってもよいことを意味している。この場合、CCは、いわゆるバーチャル/基準フォーマットのPHRを報告するために、PUSCHおよび/またはPUCCH基準フォーマットを使用する。これらの基準フォーマットについては、非特許文献1(3GPP TS36.213)に定義されている。
【0030】
有効なULグラントが与えられていないCCに関しては、Pcmax,c報告を省略することで、報告のオーバヘッドを減少することができる。基準フォーマットに関して計算されるPcmax,c報告は、ネットワークにとって新しい/有益な情報を必ずしも備えていないことに留意されたい。
【0031】
RAN2(無線アクセスネットワークLTEレイヤ2無線プロトコル)において、SAR(および一般に電力管理)要件に関する電力低減が電力ヘッドルームリポートにどのような影響を及ぼすかについて、現在検討している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0032】
【非特許文献1】3GPP TS36.213
【非特許文献2】3GPP TS36.101
【非特許文献3】3GPP TS36.321
【発明の概要】
【0033】
前に説明したように、リリース10に関しては、追加の電力バックオフは、特定のCCに関して関連するPHRとともに報告されるPcmax,c値に含まれるだろう。
【0034】
この場合、Pcmax,c値は、2つの未知の要因であるMPR+A‐MPRと、電力管理による追加の電力低減とに依存することになるため、eNBは、報告されてきたPcmax,cおよび関連するPHRを見ても、どのMPR/A‐MPRが使用されたかを導き出すことはできないであろう。言い換えると、LTE リリース10においてPcmax,cを明示的に報告することにより得られた追加の情報は、追加の電力バックオフを持ち込むことで部分的に見えなくなってしまうのである。
【0035】
SAR(電力管理)低減は常に適用される訳ではないため、eNB基地局が、MPR/A‐MPRを導き出すために、どのPHR報告を使用できるかを知ることは役に立つであろう。現在のところ、eNBがこれを知る手法はない。前述したように範囲/表だけが非特許文献2(3GPP TS36.101)に定義されていることを考慮すると、どの電力低減がPcmax,cに考慮されているかを想定することは不可能である。
現状を示す文献である3GPPドラフト、R4−104779は、「リリース10用の電力ヘッドルーム」と題されており、SARによる電力削減について記載している。この背景技術によれば、UEは、Pcmax,cに加えてヘッドルーム値をSARバックオフに含めることが記載されている。
【0036】
SAR(電力管理)低減は常に適用される訳ではないため、eNB基地局が、MPR/A‐MPRを導き出すために、どのPHR報告を使用できるかを知ることは役に立つであろう。現在のところ、eNBがこれを知る手法はない。前述したように範囲/表だけが非特許文献2(3GPP TS36.101)に定義されていることを考慮すると、どの電力低減がPcmax,cに考慮されているかを想定することは不可能である。
【0037】
従って、本発明の1つの目的は、少なくとも上述した問題に取り組み、少なくともリンクアダプテーションおよびスケジューリングに関して、ネットワークの最適化を達成するように、UEが(追加の)電力低減を使用/適用していることを、基地局に通知することを可能にする方法および装置(例えば、UEおよび/または基地局)を提供することである。
【0038】
従って、本発明の一態様によれば、上述した問題の少なくとも一部は、通信システムにおいて無線基地局に電力ヘッドルームリポートを通知する、ユーザ装置において使用される方法を用いて解決される。本方法は、電力バックオフの適用を決定する工程と、電力バックオフの適用について電力ヘッドルームリポートの中で指し示す工程と、ユーザ装置が電力バックオフを適用していることを指し示す電力ヘッドルームリポートを無線基地局に送信する工程とを備える。
【0039】
本発明の別の態様によれば、上述した問題の少なくとも一部は、通信システムの無線基地局において使用される方法を用いて解決される。本方法は、ユーザ装置から電力ヘッドルームリポートを受信する工程と、ユーザ装置が電力バックを適用しているかどうかを、受信した電力ヘッドルームリポートから判定する工程とを備える。
【0040】
さらに開示されていることは、本発明の別の態様による、通信システムにおける電力管理のために、無線基地局に電力ヘッドルームリポートを通知するユーザ装置である。このユーザ装置は、電力バックオフの適用について決定するように構成されているとともに、電力バックオフの適用について電力ヘッドルームリポートの中でインジケートする(指し示す)ようにさらに構成されているプロセッシングユニットと、ユーザ装置が電力バックオフを適用していることを指し示す電力ヘッドルームリポートを、無線基地局に送信するように構成されているトランシーバ(送受信機)とを備える。
【0041】
本発明のまた別の態様による、通信システムの無線基地局についても開示しており、この無線基地局は、ユーザ装置から電力ヘッドルームリポートを受信するように構成されている送受信機と、ユーザ装置が電力バックオフを適用しているかどうかを、受信した電力ヘッドルームリポートから判定するように構成されているプロセッシングユニットとを備える。
【0042】
一例示的実施形態によれば、ユーザ装置(UE)は、電力ヘッドルームリポートの既存のビットを使用して、所与のTTIにおいて報告されたPcmax,c値またはPcmax値に追加の(すなわち、MPR/A‐MPRおよびΔTc以外の)電力低減が適用されていることを、ネットワークノード(例えば、基地局またはeNB基地局)に通知(インジケート(示唆))する。これにより、基地局は、UEが使用していると予想されるMPR/A‐MPRを導き出して知るために、(特定の)PHRを使用しうるかどうかを判定する/知ることができる。
【0043】
電力バックオフがコンポーネントキャリアごとに適用されるか、またはUEごとに適用されるかについては、現在のところ決定/周知されていないことに留意されたい。どちらの策が選択されるかに応じて、1つの例示的実施形態においては、PHRが報告されるTTIごとに一度インジケートさせることになる。別の実施形態においては、所与のTTIにおいて個別にそれぞれ電力ヘッドルームまたはPcmax,cに関するインジケーションを報告させることになる。
【0044】
別の実施形態によれば、SAR(電力管理)電力低減が別の要素として報告される場合、同じサブフレームの中でその要素を待つように基地局に通知するために、拡張PHRのビットを使用することができる。
【0045】
これらの実施形態の1つの利点は、PHR報告の中の電力バックオフのこのインジケーションを用いて、例えば変調符号化方式およびリソースブロック数の組み合わせなどによる、ユーザ装置が利用可能な送信電力への影響を推定するために、報告されたPHRをいつ使用することができるかを、無線基地局が知ることが可能になることである。
【0046】
実施形態の別の利点は、リンクアダプテーションおよびスケジューリングを最適化するために、無線基地局がUEのMPR/A‐MPR(最大電力低減/追加のMPR)の動きを追跡する、および/または知ることが可能になることである。
【0047】
これらの実施形態のまた別の利点は、無線基地局が、ネットワークにおける少なくとも2つのタイプの電力バックオフを区別することができるとともに、インジケーションに基づいて、報告された値をどのように使用するかを決定することが可能になることである。
【0048】
例示のさらに別の目的および特徴および利点は、図面と関連した以下の詳細説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】LTEダウンリンク物理リソースの簡略図である。
【
図3】ダウンリンクサブフレーム構造の簡略図である。
【
図4】PUSCHリソース割り当ての簡略図である。
【
図5】LTEにおける複数のコンポーネントキャリアのアグリゲーションの一例を示す図である。
【
図6】非特許文献3(3GPP TS36.321)に示される従来技術の拡張PHR MAC CEの図である。
【
図7】電力バックオフが適用されていることを指し示すために、第1のオクテットのPビットが「1」に設定されている一例示的実施形態の図である。
【
図8】電力バックオフが適用されていることを指し示すために、MACサブヘッダのPビットが使用されている別の例示的実施形態の図である。
【
図9】電力バックオフが少なくともこのキャリアに適用されていることを指し示すために、各Pcmax,cのオクテットのPビットが「1」に設定されている一例示的実施形態の図である。
【
図10】電力バックオフが適用されていることを指し示すために、Pビットが「1」に設定され、かつ適用された電力バックオフがある種の閾値を超えていることを指し示すために、Tビットが「1」に設定されている別の例示的実施形態の図である。
【
図10A】4つの異なるバックオフ値を符号化するために使用されるPビットおよびTビットの例であり、例えば、コードポイント「00」は、電力バックオフが「バックオフ値0」を超えなかったことを指し示してもよく、コードポイント「01」は、電力バックオフが「バックオフ値1」を超えなかったことを指し示してもよい、などを示す図である。
【
図11】MAC CEの1ビットが追加の電力バックオフを指し示すために使用される一例示的実施形態の、UEにおける一実施例の図である。
【
図12】追加の電力バックオフを指し示すために、Pcmax,cまたはPHオクテットごとに1ビットが使用される一例示的実施形態の、UEにおける別の実施例の図である。
【
図13】例示的実施形態を適用しうる無線通信システムの一例の簡略図である。
【
図14】UEにおいて行われる、例示的実施形態による方法のフローチャートの図である。
【
図15】基地局において行われる、例示的実施形態による方法のフローチャートの図である。
【
図16】例示的実施形態によるUEの一例のブロック図である。
【
図17】例示的実施形態による基地局の一例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
例示的実施形態は、例えばMPR/A‐MPRおよび/またはΔTcなどの通常の電力バックオフに加えて、例えばSAR要件を満足するために、UEにおいて追加の電力バックオフが行われ、UEが利用するUL CCの実際の送信電力に影響を及ぼしていることを、例えばeNB基地局などの無線基地局に知らせる様々な手法を表している。この送信電力(Pcmax,c)は、電力ヘッドルームリポートの一部として、CCごとにeNBに報告されてもよい。
【0051】
1つ以上の例示的実施形態に従って指し示される電力バックオフのタイプは、どのタイプの追加の電力バックオフであってもよいことに留意されたい。実施形態は、「通常」または「追加」と見なされる電力管理のタイプまたは理由を決して限定するものではない。従って、それによって、無線基地局は、ネットワークにおける少なくとも2つのタイプの電力バックオフを区別して、そのインジケーションに基づいて、報告された値(電力ヘッドルームおよび/またはPcmax,c)をどのように使用するかを決定することができる。
【0052】
一例示的方法を適用しうる例は、SAR要件またはUEが適用する他のタイプの追加の電力バックオフに起因する電力バックオフを指し示すことである。指し示される電力バックオフは、閾値によっても制限されてもよい。すなわち、追加の電力バックオフがある種の値を超えるかまたは下回る場合に、インジケーションが設定されてもよい。この閾値は、ハードコード化され/予め定められても、UEによって選択または選定されても、1つ以上のネットワークノードによって設定されても、または本明細書に記載していない他の手法で設定されてもよい。
【0053】
例示的実施形態においては、電力バックオフのインジケーションのために使用するビットを、Pで表しているが、実施形態は、この表記法または以下の例で使用する他の表記法に限定されるものではない。以下の例示的実施形態においては、Pビットは、追加の電力バックオフが適用されていることを指し示すために、予め定められた値である例えば「1」に設定される。電力バックオフが適用されていることを指し示すために、予め定められた値「0」が使用される場合も同様に、例示的実施形態が有効であろうことに留意されたい。
【0054】
複数の特定のシナリオ例に言及するために、本明細書では様々な例示的実施形態について説明していることに留意されたい。特に、LTEのコンセプト(例えばLTE−Advanced)を基にしているマルチキャリアシステムにおける、電力ヘッドルームリポートの伝達に関する非限定の一般的状況における実施形態について説明する。実施形態は、LTEに限定されず、電力ヘッドルームリポートを伝達しうる他の無線システム、例えばWiMAXまたはWCDMA(3G)またはWLANまたはアクセス技術の組み合わせなどにおいても、適用可能でありうることに留意されたい。さらに、以下の例示的実施形態は、マルチキャリアLTEシステムに関して説明するが、例示的実施形態は、マルチキャリアシステムに限定されるものではない。
【0055】
一実施形態によれば、電力バックオフは、拡張PHR MAC CEのビットマップオクテットの中で指し示される。例えばリリース10の拡張PHR MAC CEにおいては、現在のところ、このMAC CEにおいてどのコンポーネントキャリアがPHRを報告しているかを指し示す1つの予約ビット(R)がビットマップの中にある(
図6の第1のオクテット参照)。一例示的実施形態(
図7参照)によれば、このビットは、電力バックオフが適用されていることを指し示すために、予め定められた値、例えば「1」に設定されてもよい。この例示的実施形態においては、電力バックオフは、Pcmax,c値の全て、またはそれらのサブセット(一部分)に影響を及ぼしていると想定されてもよい。前述したように、UEが電力バックオフを適用していることを指し示す同じ目的のために、ビットは、「1」の代わりに「0」に設定されてもよい。
【0056】
別の実施形態(
図8参照)によれば、電力バックオフは、MACサブヘッダの中で指し示されている。拡張PHR MAC CEによって使用されるMACサブヘッダの中には、2つの予約ビットがある。これらのビットのどちらか一方のビットは、一例示的実施形態に従って、電力バックオフインジケータとして使用することができる。このビットは、電力バックオフが適用されていることを指し示すために、予め定められた値、例えば「1」に設定されてもよい。この実施形態においては、電力バックオフは、Pcmax,c値の全て、またはそれらのサブセットに影響を及ぼしていると想定されてもよい。
【0057】
この実施形態は、非特許文献3(3GPP TS36.321仕様書)のリリース8/9バージョンに存在するPHR MAC CEにも適用しうることに、言及しておくべきである。従って、UEは、拡張PHR MAC CEにおいて、または「通常」または「標準」のPHR MAC CEにおいて、PHRを送信してもよく、電力バックオフの適用のインジケーションの実施(例えば、予め定められた値にビットを設定)は、拡張PHR MAC CEにおいて、または「通常」または「標準」のPHR MAC CEにおいて、または拡張PHR MAC CEによって使用されるMACサブヘッダにおいて行われる。
【0058】
別の実施形態(
図9参照)によれば、電力バックオフは、PcmaxまたはPcmax,cごとに示される。一例として、非特許文献3(3GPP TS36.321)で定義されている拡張PHR MAC CEの各Pcmax,cオクテットは、2つの予約ビット有している。これらのビットの一方は、一例示的実施形態に従って、電力バックオフインジケータとして使用されてもよい。このビットは、電力バックオフが適用されていることを指し示すために、予め定められた値、例えば「1」に設定されてもよい。この実施形態においては、電力バックオフは、予め定められた値に設定されたインジケーションビットを有するPcmax,c値だけに影響を及ぼしていると想定されてもよい。
【0059】
各Pcmax,cはPHRオクテットと関係しているので、別の実施形態は、電力バックオフを指し示すために、PHRオクテットの1予約ビットを使用することであってもよい。この実施形態は、非特許文献3(3GPP TS36.321)仕様書のリリース8/9バージョンに存在するPHR MAC CEにも適用されてもよい。
【0060】
別の実施形態は、電力バックオフが行われていることを指し示すために、標準の中で認定されるであろう任意の予約ビットを使用することである。1ビットを超えて(例えば、ビットフィールド)使用すると、CCごとのバックオフインジケーションさえ可能になる。
【0061】
別の例示的実施形態(
図10参照)は、2つの別々のビットを使用して、次のことを示している。
1)電力バックオフが行われている。
2)電力バックオフはある種の閾値を超えている。
この場合、1ビットは、電力バックオフが適用されていることを指し示すために、予め定められた値、例えば「1」に設定されてもよい。他のビットは、さらに、定められた/設定された閾値を超えていることを指し示すために、予め定められた値、例えば「1」に設定されてもよい。インジケーションに使用されるこれらの2つのビットは、既存の拡張PHR MAC CEまたはPHR MAC CEの、任意の組み合わせの2つの予約ビットであってもよい。また、これらの2つのビットは、適用された電力バックオフをより選択的に指し示すことができるようにも組み合わされてもよい。例えば、4つのコードポイントの1つは、バックオフが適用されていないことを指し示すことができ、他の3つのコードポイントは、適用されたバックオフの大きさのレベルを指し示すことができる。レベル間の境界は、設定されてもよいし、またハードコード化されていてもよい。一例として、
図10Aの表1を参照されたい。
【0062】
一例示的実施形態は、電力バックオフのインジケーションを拡張PHR MAC CEのビットマップオクテットで提供しうることを表す実施形態と、電力バックオフのインジケーションをPcmax,cごとに提供することを表す実施形態とを組み合わせることによって実現されてもよい。この場合、ビットマップのビット(
図7のP)は、このUEに関して追加の電力バックオフが適用されたことを示し、各Pcmax,c報告のためのビット(
図9のP)は、これがどのPcmax,c報告に適用されるか、またはどのPcmax,c報告がある種の閾値を上回るバックオフを有するかを指し示すために使用されるであろう。
【0063】
また、ビットのこの組み合わせは、特定の値に対する区間または類似のバックオフの値の範囲を指し示すためにも使用されてもよい。
【0064】
上述の例示的実施形態によれば、バックオフ電力、すなわち(追加の)電力低減の適用を決定するように構成されているのは、例えば移動端末または任意の適切な端末などのUEであり、UEは、1つ以上のPHR報告の中でバックオフ電力の適用を指し示すようにさらに構成または適合されている。UEは、PHRを(eNB)基地局に送信するようにさらに構成または適合されている。基地局は、サービング基地局であってもよい。(eNB)基地局は、UEからPHR報告を受信するように構成され、eNBは、受信したPHR報告に基づいて、UEが電力バックオフを適用しているかどうかを判定するようにさらに構成されている。UEが追加または特別の電力バックオフを実施/適用していること、それを実施/適用している時間、およびそれを適用している理由を示すインジケーションが、基地局またはeNB基地局に通知される。すなわち、基地局は、(例えば、SAR要件を満足するために)「追加」または「特別」の電力バックオフがいつ適用されているかを知り、それによって、その電力バックオフを「通常」の電力バックオフまたは電力低減(例えば、MPR、A‐MPR)から区別することができるか、またはUEが利用する実際の送信電力に電力バックオフが影響を及ぼすときに、電力バックオフが電力管理に起因してUEによって適用されているかどうかを区別することができる。このインジケーションなしでは、基地局はそれを知ることができないし、また、電力ヘッドルーム値および必要に応じてPcmax(,c)値を備える、単なる結果として生じるPHR報告を取得するだけにすぎないであろうから、これらは利点である。
【0065】
さらに、電力バックオフのインジケーションが、特定のタイプの電力バックオフに関してだけに使用される場合、この情報は、eNBにとってさらに価値がある。例えば、標準が、MPR/A‐MPR以外の理由に起因する電力バックオフに関してだけ、このインジケーションを使用するように指定されている場合、eNB基地局は、MCSとRBの組み合わせによる利用可能な送信電力への影響を推定するために、報告されたPHRがいつ使用できるかを知るためにこのインジケーションを有利に使用することができる。この情報は、リンクアダプテーションおよびスケジューリングを最適化する手段として、MPR/A‐MPRの動きを追跡するために、ネットワーク(eNB)によって使用されてもよい。
【0066】
同様に、電力バックオフのインジケーションがある種の電力バックオフ閾値に依存している場合、eNBは、大幅な電力バックオフが行われているか、それとも行われていないかを知ることができる。それに基づいて、基地局は、使用されるMCSとRBの組み合わせにおけるMPR/A‐MPRを推定するために、電力ヘッドルームリポートを全部または一部のCCに関して依然として使用することができるかどうかを判定してもよい。これは、さらなる利点である。
【0067】
前述したように、UEまたは移動端末は、電力バックオフを適用していることを基地局に通知/指し示すように適合している。
図11は、UEまたは全ての個別のScellに関して追加の電力バックオフを指し示すために、MAC CEの1ビットを使用する一例示的実施形態の、UEにおける一実施例を示す。この例に示すように、UEは、下位レイヤからPHR値およびPcmax,c値を取得することから始めて、MAC制御要素を組み立てる。定められたTTIにおいて、UEが追加の電力バックオフを適用するかどうかの確認が行われる。判定が「Yes」の場合、Pビットは「1」に設定され、そうでなくて、判定が「N」の場合、Pビットは「0」に設定される。
【0068】
図12は、各Scellに関して個別に追加の電力バックオフを指し示すために、Pcmax,cまたはPHオクテットごとに1ビットを使用する、UEにおける別の実施例を示す。この例で示すように、UEは、下位レイヤからPHR値およびPcmax,c値を取得することから始めて、MAC制御要素を組み立てる。定められたTTIにおいてPcmax,c値に関して、UEが追加の電力バックオフを適用するかどうかの確認が行われる。判定が「Yes」の場合、Pビットは「1」に設定され、そうでなくて、判定が「N」の場合、Pビットは「0」に設定される。
【0069】
図13は、例示的実施形態を適用しうる無線通信システムの一例を示す簡略図である。一般かつ前述したように、UEは、バックオフ電力、すなわち(追加の)電力低減の適用を決定するように構成または適合され、UEは、1つ以上のPHR報告の中で、バックオフ電力を適用していることを指し示すようにさらに構成または適合されている。UEは、(eNB)基地局にPHRを送信するようにさらに構成または適合されている。基地局は、サービング基地局であってもよい。(eNB)基地局は、UEからPHR報告を受信するように構成されており、eNBは、受信したPHR報告に基づいて、UEがバックオフを適用しているかどうかを判定するようにさらに構成されている。基地局は、UEが利用する実際の送信電力に電力バックオフが影響を及ぼすとき、例えばSAR要件を満足するためなどの電力管理に起因して、またはMPR/A‐MPRに関してUEが適用する電力バックオフに加えて電力管理に起因して、「追加」または「特別」の電力バックオフがいつ適用されているかを知っており、それによって、無線基地局は、「追加」または「特別」の電力バックオフを「通常」の電力バックオフまたは電力低減(例えば、MPR、A‐MPR)から区別することができる。前述したように、一実施形態によれば、UEは、所与のTTIにおいて報告されたPcmax,c値またはPcmax値に、追加の電力削減、すなわちMPR/A‐MPRおよびΔTc以外の電力削減が適用されていることを、ネットワークノード例えば基地局またはeNB基地局に通知または指し示すために、電力ヘッドルームの既存の1ビットを使用するように構成されている。これにより、基地局は、UEの予想されるMPR/A‐MPRを導き出して知るために、(特定の)PHR報告を使用しうるかどうかを判定することが可能になる。
【0070】
図14は、前述の実施形態に従ってUEが行う主要工程を示す。明瞭にするために、UEが行う主要工程および様々な実施形態については、再度繰り返す。
【0071】
図14に示すように、電力管理のために、電力ヘッドルームリポートを無線基地局またはeNBに通知するために、UEにおいて使用する手順または方法は、
(141)電力バックオフを適用することを決定する工程と、
(142)電力ヘッドルームリポートの中で電力バックオフが適用されていることを指し示す工程と、
(143)UEが電力バックオフを適用していることを指し示す電力ヘッドルームリポートを無線基地局に送信する工程と、を備える。
【0072】
一実施形態によれば、UEは、電力ヘッドルームリポートの中で、UEが使用する最大送信電力を指し示すのに加えて、同じ電力ヘッドルームリポートの中で、パワーマネージメント(電力管理)に起因する電力バックオフの適用も指し示す。
【0073】
別の実施形態によれば、UEは、拡張電力ヘッドルーム媒体アクセス制御エレメント(拡張PHR MAC CE)またはPHR MAC CEで、電力ヘッドルームリポートを送信し、電力バックオフの適用は、拡張PHR MAC CE、またはPHR MAC CE、または拡張PHR MAC CEによって使用されるMACHサブヘッダの中で指し示される。
【0074】
別の実施形態によれば、UEは、電力バックオフが送信時間間隔(TTI)においてUEが適用している追加の電力バックオフであることを指し示す。
【0075】
別の実施形態においては、UEは、電力バックオフの適用を決定すると、電力ヘッドルームリポートの予約ビットを予め定められた値、例えば「1」に設定するこことでインジケーションを行う。UEは、電力バックオフがある種の定められた電力バックオフ閾値を超えていることを、電力ヘッドルームリポートの別のビットを予め定められた値、例えば「1」に設定することにより、電力ヘッドルームリポートの中でさらに指し示してもよい。
【0076】
また別の実施形態によれば、UEは、使用する最大送信電力を電力ヘッドルームリポートの中で指し示すたびに、電力バックオフの適用について指し示す。
【0077】
また別の実施形態によれば、UEは、利用する実際の送信電力に電力バックオフが影響を及ぼすとき、電力管理に起因する電力バックオフの適用について指し示す。
【0078】
また別の実施形態によれば、UEは、UEが適用する電力バックオフであるMPR/A‐MPRに加えて、電力管理に起因する電力バックオフの適用について指し示す。
【0079】
UEが行う付加的な工程または補完的な工程については、既に前述しており、再度繰り返さない。
【0080】
図15は、前述の実施形態に従って無線基地局が行う主要工程を示す。明瞭にするために、基地局またはeNBが行う主要工程および様々な実施形態については、再度繰り返す。
【0081】
図15に示すように、無線基地局が行う主要工程は、
(151)UEから電力ヘッドルームリポートを受信する工程と、
(152)受信した電力ヘッドルームリポートから、ユーザ装置が電力バックオフを適用しているかどうかを判定する工程と、である。
【0082】
一実施形態によれば、無線基地局は、受信した電力ヘッドルームリポートから、UEが電力管理に起因する電力バックオフを適用しているかどうかを判定し、さらにその報告から、UEが使用する最大送信電力を判定する。
【0083】
別の実施形態によれば、無線基地局は、電力ヘッドルームリポートの予約ビットが予め定められた値、例えば「1」に設定されているかどうかを判定する。また別の実施形態によれば、無線基地局は、電力ヘッドルームリポートの別の予約ビットが、電力バックオフがある種の定められた電力バックオフ閾値を超えていることを示す予め定められた値、例えば「1」に設定されているかどうかも判定する。
【0084】
別の実施形態によれば、無線基地局は、電力バックオフが、TTIにおいてUEが適用している追加の電力バックオフであるかどうかを判定する。
【0085】
別の実施形態によれば、無線基地局は、UEが利用する実際の送信電力に電力バックオフが影響を及ぼすとき、電力管理に起因してUEが電力バックオフを適用しているかどうかを判定する。
【0086】
別の実施形態によれば、無線基地局は、最大電力低減MPRおよび追加のMPRであるA‐MPRのためにユーザ装置が適用する電力バックオフに加えて、UEが電力管理に起因する電力バックオフを適用しているかどうかを判定する。
【0087】
また別の実施形態によれば、無線基地局は、拡張PHR MAC CEまたはPHR MAC CEで電力ヘッドルームリポートを受信する。UEが電力バックオフを適用している場合、それを指し示すインジケーションは、拡張PHR MAC CE、またはPHR MAC CE、またはPHR MAC CEによって使用されるMACサブヘッダで、無線基地局に受信される。
【0088】
このようにして、無線基地局またはeNBは、例えば電力管理に関する予測できない電力低減から、(系統だった)MPR/A‐MPRに関する電力バックオフを区別することができ、従って、eNBは、リンクをより効率的に適合させることができる。すなわち、リンクアダプテーションの性能は、eNBがMPR/A‐MPRを区別することができない場合の性能に比べて改善される。
【0089】
図16は、UE700のコンポーネント例の図を示す。図のように、UEは、1つ以上のアンテナ(1つのアンテナだけが図示されている)730、送受信機705、処理ロジック710、メモリ715、入力デバイス720、出力デバイス725、およびバス730を有していてもよい。アンテナ730は、無線で無線周波数(RF)信号を送信および/または受信する1つ以上のアンテナを有していてもよい。アンテナ730は、例えば、送受信機705からRF信号を受け取り、そのRF信号を無線でeNBに送信し、そのeNBから無線でRF信号を受信し、そのRF信号を送受信機705に提供する。UEの処理ロジックまたは処理回路710は、例えば、バックオフ電力の適用を決定するように構成され、前述の実施形態に従って、少なくともPHR報告の中に、ビットまたはビットの組み合わせ等を設定することにより、その決定を形成および指し示すようにさらに構成され、アンテナ730および/または送受信機は、少なくともそのPHR報告を基地局に送信するように構成されている。送受信機705は、例えば、処理ロジック710からのベースバンド信号をRF信号に変換しうる送信部、および/またはRF信号をベースバンド信号に変換しうる受信部を有していてもよい。あるいは、送受信機705は、送信部と受信部の両方の機能を実行する送受信機を有していてもよい。送受信機705は、RF信号を送信および/または受信するアンテナ730に接続されていてもよい。プロセッシングユニット710は、前述したように、電力ヘッドルームリポートの中に、電力管理に起因する電力バックオフの適用を指し示すように構成され、同じ電力ヘッドルームリポートの中に、UEが使用する最大送信電力を指し示すようにさらに構成されている。送受信機705は、一実施形態によれば、拡張PHR MAC CEまたはPHR MAC CEで電力ヘッドルームリポートを送信するように構成されている。プロセッシングユニット710は、TTIにおいてUEが適用する追加の電力バックオフとしての電力バックオフを、指し示すようにさらに構成されている。プロセッシングユニット710は、電力バックオフを適用することを決定すると、電力ヘッドルームリポートの予約ビットを予め定められた値、例えば「1」に設定するように構成されている。一実施形態によれば、プロセッシングユニット710は、電力ヘッドルームリポートの別のビットを予め定められた値、例えば「1」に設定することにより、電力バックオフがある種の予め定められた電力バックオフ閾値を超えていることを、電力ヘッドルームリポートの中で指し示すようにさらに構成されている。ビットインジケーションは、拡張PHR MAC CE、またはPHR MAC CE、またはMACサブヘッダの中に行われる。
【0090】
別の実施形態によるプロセッシングユニット710は、UEが使用する最大送信電力を電力ヘッドルームリポートの中で指し示すたびに、電力バックオフを適用するように構成されている。プロセッシングユニット710は、UEが利用する実際の送信電力に電力バックオフが影響を及ぼすとき、電力バックオフが電力管理に起因して適用されているかどうかを判定するようにさらに構成されている。プロセッシングユニット710は、最大電力低減MPR、および追加のMPRすなわちA‐MPRに関してUEが適用する電力バックオフに加えて、UEが電力管理に起因して電力バックオフを適用しているかどうかを判定するようにさらに構成されている。
【0091】
処理ロジック/プロセッシングユニット710は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などを有していてもよい。処理ロジック710は、UE700およびそのコンポーネントの動作を制御することができる。
図16において、UEは、メモリ715をさらに備え、このメモリ715は、処理ロジック710が使用しうるデータおよび命令を格納するために、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、および/または他のタイプのメモリを有していてもよい。入力デバイス720は、データをUE700に入力する機構を有していてもよい。例えば、入力デバイス720は、マイクロホン、入力素子、ディスプレイなどの入力機構を有していてもよい。出力デバイス725は、データをオーディオ、ビデオ、および/またはハードコピーのフォーマットで出力する機構を有していてもよい。例えば、出力デバイス725は、スピーカ、ディスプレイ等を有していてもよい。バス730は、コンポーネントを互いに通信できるようにするために、UE700の種々のコンポーネントを相互に接続することができる。
図16は、UE700のコンポーネント例を示すが、他の実施においては、UE700は、
図16に示されているコンポーネントと比べて、少ない、異なる、または追加のコンポーネントを有していてもよい。また別の実施においては、UE700の1つ以上のコンポーネントは、UE700の1つ以上の他のコンポーネントによって行われるように述べられているタスクを行ってもよい。
【0092】
図17は、一例の無線基地局600(例えば、eNBまたはeNodeB)のブロック図を示す。図のように、eNB600は、アンテナ610、送受信機620、処理システム630、インタフェース640を有していてもよい。アンテナ610は、1つ以上の指向性アンテナおよび/または全方向性アンテナを有していてもよい。送受信機620は、アンテナ610に結合されていてもよく、アンテナ610を介してネットワークとの間でシンボルシーケンスを送信および/または受信するための送受信機回路を有していてもよい。処理システム630は、eNB600の動作を制御することができる。処理システム630は、送受信機620およびインタフェース640を介して受信された情報も処理することもできる。図のように、処理システム630は、処理ロジック632およびメモリ634を有していてもよい。処理システム630は、
図6に示されているコンポーネントと比べて、追加および/または異なるコンポーネントを有していてもよいことが理解されるであろう。処理ロジック632は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、ASIC、FPGAなどを有していてもよい。処理ロジック632は、送受信機620およびインタフェース640を介して受信された情報を処理してもよい。アンテナおよび/または送受信機は、UEから少なくともPHR報告を受信するように構成され、処理ロジックは、その少なくともPHR報告から、UEがバックオフ電力を適用しているか、または適用したかどうかを判定してもよい。一実施形態によれば、プロセッシングユニット632は、受信した電力ヘッドルームリポートから、UEが使用する最大送信電力を判定するようにさらに構成されている。プロセッシングユニット632は、電力ヘッドルームリポートの予約ビットが予め定められた値、例えば「1」に設定されているかどうかを判定するようにさらに構成されている。別の実施形態によれば、プロセッシングユニット632は、電力ヘッドルームリポートの別の予約ビットが、電力バックオフがある種の定められた電力バックオフ閾値を超えていることを示す予め定められた値、例えば「1」に設定されているかどうかを判定するようにさらに構成されている。プロセッシングユニット632は、電力バックオフがTTIにおいてUEが適用している追加の電力バックオフであるかどうかを判定するようにさらに構成されていてもよい。
【0093】
前述したように、eNB600の送受信機620は、拡張PHR MAC CEまたはPHR MAC CEで電力ヘッドルームリポートを受信するように構成され、UEが電力バックオフを適用したことを示すインジケーションは、前述したように、PHR MAC CE、またはMAC CE、またはMACサブヘッダで提供されてもよい。
【0094】
図17は、eNB600のコンポーネント例を示すが、他の実施においては、eNB600は、
図17に示されているコンポーネントと比べて、少ない、異なる、または追加のコンポーネントを有していてもよい。また別の実施においては、eNB600の1つ以上のコンポーネントは、eNB600の1つ以上の他のコンポーネントによって行われるように述べられているタスクを行ってもよい。
【0095】
電力バックオフがCCごとに適用されるか、それともUEごとに適用されるかについては、現在のところ決定/周知されていないことに留意されたい。どちらの策が選択されるかに応じて、1つの例示的実施形態は、PHRが報告されるTTIごとに、インジケーションを一度行わせることができる。別の実施形態は、所与のTTIで各個別の電力ヘッドルームまたはPcmax,c値に関するインジケーションを報告させるものである。別の実施形態によれば、SAR(電力管理)電力低減が別の要素として報告される場合、基地局に同じサブフレームの中でその要素を待つように通知するために、拡張PHRのビットを使用することができる。
【0096】
これらの実施形態は、台湾の台北において2011年2月21日〜25日に行われた3GPP TSG−RAN2の第73回会議において、具体的には、「PHRにおける電力管理インジケーションの追加」と題する公的に入手可能な変更要求(CR)R2−111601およびR2−111680において決定され、標準化グループ3GPPによって採用/承認されたことを述べておくべきである。
【0097】
LTE標準に準拠する通信について、例として検討しているが、通信は、他の前述の無線通信標準に加えて、AMPS(Advanced Mobile Phone Service)、ANSI−136、GSM(Global Standard for Mobile)通信、GPRS(General Packet Radio Service)、EDGE(enhanced data rates for GSM evolution)、DCS、PDC、PCS、符号分割多元接続(CDMA)、広帯域CDMA、CDMA2000、および/またはUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)周波数帯などの他の無線通信標準に準拠して提供されてもよい。さらに、実施形態によるユーザ端末/装置または移動端末/装置は、例えば、複数のコンポーネントキャリア、単一のコンポーネントキャリア、および/またはそれらの組み合わせを使用して、セルラ通信(例えば、セルラ音声および/またはデータ通信)を実行するように構成されている任意の無線(移動)通信端末(無線端末または端末)であってもよい。
【0098】
種々の実施形態について、種々の実施形態を示す添付の図を参照して、本明細書に十分に説明している。しかし、実施形態は、多くの代替形態で具体化しうるので、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈すべきではない。
【0099】
従って、実施形態については、種々の変更および代替の形態が可能であるとしても、それらの特定の実施形態について、例として図に示し、本明細書に詳細に説明した。しかし、開示した特定の形態に実施形態を限定する意図がないどころか、実施形態は、特許請求の範囲に規定される実施形態の範囲に入る全ての変更形態、均等形態、および代替形態を包含することに留意されたい。図の記載の全てを通して、同じ符号は、同じ要素を指している。
【0100】
本明細書で使用している用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけであり、限定する意図はない。本明細書においては、単数形("a""an""the")は、文脈から明らかに複数形を含まないことを示してない限りは、複数形も含むことを意図している。本明細で使用するとき、「備える」("comprises""comprising")または「有する」("includes""including""have""having")という語、またはそれらの変形は、述べられている特徴、数、工程、動作、要素、および/またはコンポーネントの存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、数、工程、動作、要素、コンポーネント、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しないこともまた理解されるであろう。さらに、要素が他の要素またはその変形に「反応」または「接続」すると述べるとき、他の要素に直接「反応」または「接続」してもよいし、また介在要素が存在してもよい。対照的に、要素が他の要素またはその変形に「直接反応」または「直接接続」すると述べるとき、介在要素は存在しない。本明細書において使用する限り、「および/または」という語は、1つ以上の当該記載項目の任意および全ての組み合わせを含み、「/」と略記されることもある。
【0101】
第1、第2などの用語は、本明細書において種々の要素を述べるために使用することがあるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるものではない。これらの用語は、ある要素を他の要素から区別するために使用されているにすぎない。例えば、開示の教示から逸脱することなく、第1の要素を、第2の要素と呼ぶことができるし、同様に、第2の要素を、第1の要素と呼ぶこともできる。さらに、図の幾つかは、通信の主方向を示すために通信経路上に矢印を有するが、通信は、図示されている矢印とは反対方向に行われてもよいことが理解されるものとする。
【0102】
例示的実施形態について、コンピュータ実施の方法、装置(システムおよび/またはデバイス)、および/またはコンピュータプログラムのブロック図および/またはフローチャート図を参照して、本明細書に述べている。ブロック図および/またはフローチャート図のブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャート図のブロックの組み合わせは、1つ以上のコンピュータ回路によって行われるコンピュータプログラム命令によって実施されてもよいことが理解されている。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ回路、専用コンピュータ回路、および/または他のプログラマブルデータ処理回路のプロセッサ回路に提供されて、コンピュータおよび/または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、ブロック図および/またはフローチャートの1つ以上のブロックに指定された機能/動作を実施するように、そのプロセッサ回路内のトランジスタ、記憶場所に格納されている値、および他のハードウェアコンポーネントを変換および制御するようなマシンを作成し、それによって、ブロック図および/またはフローチャートの1つ以上のブロックに指定された機能/動作を実施する手段(機能)および/または構造を作り出してもよい。
【0103】
また、これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置を特定のやり方で機能するように指示しうるコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納されて、このコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納された命令が、ブロック図および/またはフローチャートの1つ以上のブロックに指定された機能/動作を実施する命令を含む製品を生み出してもよい。
【0104】
有形かつ持続性のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体には、電子、磁気、光、電磁気、または半導体のデータ記憶システム、装置、またはデバイスを含んでもよい。コンピュータで読み取り可能な記憶媒体のより具体的な例には、フロッピーディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)回路、リードオンリメモリ(ROM)回路、消去可能プログラマブル・リードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)回路、CD−ROM(portable compact disc read−only memory)およびDVD/Blue Ray(portable digital video disc read−only memory)を含むであろう。
【0105】
また、コンピュータプログラム命令は、コンピュータおよび/または他のプログラマブルデータ処理装置にロードされて、コンピュータまたは他のプログラマブル装置で実行される命令が、ブロック図および/またはフローチャートの1つ以上のブロックに指定された機能/動作を実施するステップを提供するようなコンピュータ実施プロセスを、コンピュータおよび/または他のプログラマブル装置で実行される一連の動作ステップが作り出してもよい。
【0106】
従って、本明細書に記載の実施形態は、ハードウェア、および/または集合的に「回路」「モジュール」またはこれらの変形と呼んでもよい、デジタル信号プロセッサなどのプロセッサ上で動作するソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)で具体化されてもよい。
【0107】
代替実施によっては、ブロックに書いてある機能/動作は、フローチャートに書かれている順とは異なって行われてもよいことにも留意されたい。例えば、関与している機能/動作に応じて、連続して示されている2つのブロックが実際には実質的に同時に実行されてもよいし、また時には逆の順序でブロックが実行されてもよい。さらに、フローチャートおよび/またはブロック図の所与のブロックの機能が、複数のブロックに分けられてもよく、および/またはフローチャートおよび/またはブロック図の2つ以上のブロックの機能が少なくとも一部統合されてもよい。最後に、図示のブロックの間に、他のブロックが追加/挿入されてもよい。
【0108】
上記の説明および図に関連して、本明細書に多くの異なる実施形態を開示している。これらの実施形態の組み合わせおよび下位の組み合わせを全て逐一説明および図示すると、必要以上に繰り返しが多くなり、混乱させることが理解されるであろう。それ故に、図を含めて本明細書においては、本明細書に記載する実施形態の全ての組み合わせおよび下位の組み合わせ、ならびにそれらを作成および使用する手法およびプロセスの全部そろった説明を記載しているものと解釈され、そのような組み合わせまたは下位の組み合わせのいずれに関する請求もサポートするものとする。
【0109】
特段の定めがない限り、本明細書に使用される(技術科学用語を含む)全ての用語は、本発明が属する技術分野で一般的に理解されているのと同じ意味を有する。一般的に使用されている辞書で定義されている用語などは、当該技術分野における意味と一致する意味を有すると解釈され、本明細書において明示的に定められていない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されないこともさらに理解されるであろう。
【0110】
本明細書においては、例示的実施形態を開示しており、特定の用語を使用しているが、一般的かつ説明的意味合いだけで使用しており、限定のためではない。
<略語集>
CCI コンポーネントキャリア識別子(Component Carrier Identifier)
CC コンポーネントキャリア(Component Carrier)
PCC プライマリコンポーネントキャリア(Primary Component Carrier)
SCC セカンダリコンポーネントキャリア(Secondary Component Carrier)
PHR 電力ヘッドルーム(Power Head Room)
PCell プライマリセル(Primary Cell)
SCell セカンダリセル(Secondary Cell)
UL アップリンク(Uplink)
DL ダウンリンク(Downlink)
MPR 最大電力低減(Maximum Power Reduction)
A‐MPR 追加の最大電力低減(Additional Maximum Power Reduction)
SAR 比吸収率(Specific Absorption Rate)