特許第5711600号(P5711600)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5711600
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/10 20060101AFI20150416BHJP
   F21S 2/00 20060101ALI20150416BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150416BHJP
【FI】
   F21S8/10 371
   F21S2/00 436
   F21S8/10 352
   F21S8/10 385
   F21Y101:02
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-99593(P2011-99593)
(22)【出願日】2011年4月27日
(65)【公開番号】特開2012-230862(P2012-230862A)
(43)【公開日】2012年11月22日
【審査請求日】2014年3月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099999
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 隆
(72)【発明者】
【氏名】仲田 麻美
【審査官】 松田 長親
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−146169(JP,A)
【文献】 特開2006−313681(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、この光源からの出射光を、一端面から入射させた後、後面部に形成された複数の反射素子で内面反射させて、前面部から灯具前方へ向けて出射させるように構成された導光体と、を備えてなる車両用灯具において、
上記導光体は、略一定の肉厚で灯具前後方向と交差する第1の方向に沿って延びるように形成されており、
上記一端面に、上記光源からの出射光を、灯具前後方向および上記第1の方向を含む平面に対して略平行な光となるように入射させるレンズ部が形成されており、
上記導光体は、上記第1の方向が略水平方向に延びる状態で配置されており、
上記レンズ部は、上記第1の方向に延びるシリンドリカルレンズとして構成されており、
上記導光体の前面部からの出射光によって横長の配光パターンを形成するように構成されている、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
上記導光体は、上記第1の方向と直交する平面に沿った断面形状が略矩形状に設定されている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。
【請求項3】
上記導光体の灯具前方側に、灯具前方側へ膨らむ曲面に沿って形成された透光カバーが配置されており、
上記第1の方向が、上記透光カバーの曲面形状に略沿って曲線状に延びている、ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用灯具。
【請求項4】
上記レンズ部が、上記一端面の複数箇所に形成されており、
これら複数箇所のレンズ部の各々に対応する位置に、上記光源がそれぞれ配置されている、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、導光体を備えた車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、発光ダイオード等の光源からの出射光を、導光体に対して、その一端面から入射させた後、その後面部に形成された複数の反射素子で内面反射させて、その前面部から前方へ向けて出射させるように構成された車両用灯具が知られている。
【0003】
「特許文献1」には、このような車両用灯具における導光体の構成として、その断面形状が略矩形状に設定され、かつ、その一端面がシリンドリカルレンズ状に形成された構成が記載されている。
【0004】
その際、この「特許文献1」に記載された導光体は、その一端面に入射した光源からの平行光を、該一端面を構成しているシリンドリカル面の中心軸に沿った方向に関しては略平行光のまま維持した上で、その中心軸と直交する方向に関しては拡散させる構成となっている。そして、この導光体においては、導光体に入射した光を階段状に形成された複数の反射素子で内面反射させる構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−215710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記「特許文献1」に記載された導光体においては、複数の反射素子が階段状に形成されており、その肉厚が入射側の一端面から他端面側へ向けて徐々に薄くなっている。このため、導光体における一端面から他端面までの距離が長い場合には、その長手方向に複数の反射素子を密に形成することができず、したがって導光体を帯状に均一発光させることができない、という問題がある。
【0007】
また、上記「特許文献1」に記載された導光体は、その一端面に入射した光源からの平行光を、該一端面を構成しているシリンドリカル面の中心軸と直交する方向に関しては拡散させる構成となっているので、導光体からの出射光はこの方向に関して拡散光となる。このため、灯具正面視において導光体を明るく光って見えるようにする上で光利用効率が悪い、という問題がある。
【0008】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、導光体を備えた車両用灯具において、その導光体を帯状に均一発光させることができ、かつ、その光利用効率を高めることができる車両用灯具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明は、導光体の形状に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0010】
すなわち、本願発明に係る車両用灯具は、
光源と、この光源からの出射光を、一端面から入射させた後、後面部に形成された複数の反射素子で内面反射させて、前面部から灯具前方へ向けて出射させるように構成された導光体と、を備えてなる車両用灯具において、
上記導光体は、略一定の肉厚で灯具前後方向と交差する第1の方向に沿って延びるように形成されており、
上記一端面に、上記光源からの出射光を、灯具前後方向および上記第1の方向を含む平面に対して略平行な光となるように入射させるレンズ部が形成されており、
上記導光体は、上記第1の方向が略水平方向に延びる状態で配置されており、
上記レンズ部は、上記第1の方向に延びるシリンドリカルレンズとして構成されており、
上記導光体の前面部からの出射光によって横長の配光パターンを形成するように構成されている、ことを特徴とするものである。
【0011】
上記「光源」の種類は特に限定されるものではなく、例えば発光ダイオード等が採用可能である。
【0012】
上記「導光体」は、略一定の肉厚で灯具前後方向と交差する第1の方向に沿って延びるように形成されていれば、その具体的な形状は特に限定されるものではない。
【0013】
上記「第1の方向」は、水平方向、上下方向、斜め方向のいずれであってもよく、また、この「第1の方向」は、灯具前後方向と交差する方向であれば、直線状に延びる方向であってもよいし、曲線状に延びる方向であってもよい。
【0014】
上記「反射素子」は、該反射素子に到達した光源からの光を内面反射させるように構成された素子であれば、その具体的な断面形状は特に限定されるものではない。また、この反射素子による「内面反射」は、全反射により行われるものであってもよいし、該反射素子の表面に鏡面処理を施すことにより通常の鏡面反射として行われるものであってもよい。
【発明の効果】
【0016】
上記構成に示すように、本願発明に係る車両用灯具は、光源からの出射光を、導光体に対してその一端面から入射させた後、その後面部に形成された複数の反射素子で内面反射させて、その前面部から前方へ向けて出射させるように構成されているが、この導光体は、略一定の肉厚で灯具前後方向と交差する第1の方向に沿って延びるように形成されており、そして、その一端面には、光源からの出射光を、灯具前後方向および第1の方向を含む平面に対して略平行な光となるように入射させるレンズ部が形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0017】
すなわち、本願発明に係る車両用灯具においては、その導光体が略一定の肉厚で灯具前後方向と交差する第1の方向に沿って延びるように形成されているので、導光体における一端面から他端面までの距離が長い場合においても、その長手方向に複数の反射素子が密に形成された構成とすることができ、これにより導光体を帯状に均一発光させることができる。
【0018】
また、この導光体は、その一端面に形成されたレンズ部により、光源からの出射光を、灯具前後方向および第1の方向を含む平面に対して略平行な光となるように入射させる構成となっているので、この導光体からの出射光を上記平面と直交する方向にはほとんど拡散させないようにすることができ、これにより灯具正面視において導光体を明るく光って見えるようにする上で光利用効率を高めることができる。
【0019】
このように本願発明によれば、導光体を備えた車両用灯具において、その導光体を帯状に均一発光させることができ、かつ、その光利用効率を高めることができる。
【0020】
上記構成において、導光体の構成として、第1の方向と直交する平面に沿った断面形状が略矩形状に設定された構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0021】
すなわち、導光体に対して、灯具前後方向および第1の方向を含む平面に対して略平行な光となるように入射した光源からの光のうちの一部は、上記平面と直交する方向に僅かに拡がる光となって進むが、このような光についても、上記平面と直交する方向の両側に位置する1対の側面部において全反射させた後に複数の反射素子で内面反射させることができ、これにより導光体の光利用効率を一層高めることができる。
【0022】
上記構成において、導光体の構成として、第1の方向が略水平方向に延びる状態で配置された構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0023】
すなわち、導光体からの出射光のうち上下方向に大きく拡散する光は、車両用灯具の照射光としては重要でない。そこで、導光体の構成として、第1の方向が略水平方向に延びる状態で配置された構成とすれば、導光体からの出射光を上記平面と直交する方向である上下方向にはほとんど拡散させない構成とすることができる。そしてこれにより、車両用灯具の機能を損なうことなく導光体の光利用効率を高めることができる。
【0024】
上記構成において、車両用灯具の構成として、導光体の灯具前方側に、灯具前方側へ膨らむ曲面に沿って形成された透光カバーが配置された構成とした上で、第1の方向が透光カバーの曲面形状に略沿って曲線状に延びる構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0025】
すなわち、透光カバーの曲面形状に沿って導光体が配置されることとなるので、灯具の見映えを高めることができる。その際、このような構成を採用した場合においても、導光体に入射した光源からの光を、その前面部において全反射させて、その後面部に形成された複数の反射素子において内面反射させることができる。
【0026】
上記構成において、導光体の構成として、その一端面における複数箇所にレンズ部が形成された構成とした上で、これら複数箇所のレンズ部の各々に対応する位置に、光源がそれぞれ配置された構成とすれば、導光体を複数箇所において帯状に均一発光させることができる。なお、このような構成を採用した場合においても、導光体は、光源からの光を上記平面に対して略平行な光となるように入射させる構成となっているので、その複数箇所において明るく光って見える状態を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本願発明の一実施形態に係る車両用灯具を示す平断面図
図2図1のII方向矢視詳細図
図3図2のIII−III線断面図
図4】上記実施形態の変形例を示す、図2と同様の図
図5】(a)は、上記実施形態に係る車両用灯具からの照射光により形成される配光パターンを示す図、(b)は、従来例の作用を示す、(a)と同様の図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0029】
図1は、本実施形態に係る車両用灯具10を示す平断面図である。
【0030】
同図に示すように、この車両用灯具10は、車両の右後端部に設けられるテールランプであって、ランプボディ12とこのランプボディ12の前端開口部に取り付けられた素通し状の透光カバー14とで形成される灯室内に、車幅方向に曲線状に延びる導光体20と、この導光体20の右端面20aの近傍に配置された発光ダイオード30とが組み込まれた構成となっている。
【0031】
なお、本実施形態の説明において、「前方」や「後方」等の前後方向の向きは、車両用灯具10としての向きであって、車両としての向きとは逆になっている。
【0032】
導光体20は、略一定の肉厚で灯具前後方向と交差する第1の方向に沿って延びるように形成されている。具体的には、この導光体20は、その右端面20aからその左端面20b側へ向けて前方側へ膨らむ曲線Cに沿って延びる導光柱として形成されている。
【0033】
透光カバー14は、灯具前方側へ膨らむ曲面に沿って形成されている。そして、曲線Cは、この透光カバー14の曲面形状に略沿って水平方向に延びている。その際、この曲線Cは、導光体20の右端面20aの位置においては、その接線方向が灯具正面方向に対して左側へ60°程度傾斜した方向へ延びており、また、その左端面20bの位置においては、その接線方向が灯具正面方向に対して略直交する方向に延びている。
【0034】
図2は、図1のII方向矢視詳細図であり、図3は、図2のIII−III線断面図である。
【0035】
これらの図にも示すように、導光体20は、曲線Cと直交する平面に沿った断面形状が矩形状に設定されている。すなわち、この導光体20は、曲線Cを中心にして、その上面部20fと下面部20gとが互いに平行に延びる水平面で形成されており、また、その後面部20cと前面部20dとが互いに平行に延びる鉛直曲面で形成されている。そして、この導光体20の後面部20cには、その左右両端部以外の部分に、複数の反射素子20sが鋸歯状に連続して形成されている。その際、これら各反射素子20sは、上下方向に延びる全反射プリズムとして構成されている。
【0036】
一方、発光ダイオード30は、その発光中心Oを曲線C上に位置させるとともに、その発光チップ30aの発光面を灯具正面方向に対して左側へ60°程度傾斜した方向へ向けた状態で配置されている。この発光ダイオード30は、光源支持部材32に固定支持されており、この光源支持部材32は、ランプボディ12に固定支持されている。
【0037】
導光体20は、その左右両端部において導光体支持部材22、24にそれぞれ固定支持されている。その際、導光体20の右端部を支持する導光体支持部材22は、光源支持部材32に固定支持されており、また、その左端部を支持する導光体支持部材24は、ランプボディ12に固定支持されている。
【0038】
そして、本実施形態に係る車両用灯具10においては、その発光ダイオード30からの出射光を、導光体20に対して、その右端面20aから入射させた後、その後面部20cに形成された複数の反射素子20sで全反射により内面反射させて、その前面部20dから前方へ向けて出射させるように構成されている。
【0039】
導光体20の左端面20bは、曲線Cと直交する平面で構成されているが、その右端面20aは、これとは異なる面で構成されている。すなわち、導光体20の右端面20aには、発光ダイオード30の発光中心Oからの出射光を、水平面に対して略平行な光となるように入射させるレンズ部20eが形成されている。具体的には、このレンズ部20eは、曲線Cと直交する水平方向に延びるシリンドリカルレンズとして構成されており、右端面20aの全域にわたって形成されている。
【0040】
図5(a)は、本実施形態に係る車両用灯具10からの照射光により、その前方に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成される配光パターンを示す図である。なお、同図(b)は、従来例により形成される配光パターンを対比して示す図である。
【0041】
同図(a)に示すように、本実施形態に係る車両用灯具10からの照射光により形成される配光パターンPは、灯具正面方向に位置する点であるH−Vを中心とするやや横長のスポット状の配光パターンとなっている。このため、この配光パターンPは、明るい配光パターンとして形成されることとなる。
【0042】
一方、同図(b)に示すように、従来例により形成される配光パターンP´は、配光パターンPを上下方向に大きく引き延ばしたような縦長の大きい配光パターンとなっている。このため、この配光パターンP´は、あまり明るくない配光パターンとして形成されることとなる。
【0043】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0044】
本実施形態に係る車両用灯具10は、発光ダイオード30(すなわち光源)からの出射光を、導光体20に対して右端面20a(すなわち一端面)から入射させた後、後面部20cに形成された複数の反射素子20sで全反射させて、前面部20dから前方へ向けて出射させるように構成されているが、この導光体20は、略一定の肉厚で灯具前後方向と交差する第1の方向に延びる曲線Cに沿って形成されており、そして、その右端面20aには、発光ダイオード30からの出射光を、水平面(すなわち灯具前後方向および曲線Cを含む平面)に対して略平行な光となるように入射させるレンズ部20eが形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0045】
すなわち、この車両用灯具10においては、その導光体20が略一定の肉厚で灯具前後方向と交差する曲線Cに沿って延びるように形成されているので、導光体20が、その右端面20aから左端面20bまでの距離が長い導光柱として構成されているにもかかわらず、その長手方向に複数の反射素子20sが密に形成された構成とすることができ、これにより導光体20を帯状に均一発光させることができる。
【0046】
また、この導光体20は、その右端面20aに形成されたレンズ部20eにより、発光ダイオード30からの出射光を、水平面に対して略平行な光となるように入射させる構成となっているので、この導光体20からの出射光を上下方向にはほとんど拡散させないようにすることができ、これにより灯具正面視10において導光体20を明るく光って見えるようにする上で光利用効率を高めることができる。
【0047】
このように本実施形態によれば、導光体20を備えた車両用灯具10において、その導光体20を帯状に均一発光させることができ、かつ、その光利用効率を高めることができる。
【0048】
しかも、本実施形態の導光体20は、曲線Cと直交する平面に沿った断面形状が矩形状に設定されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0049】
すなわち、導光体20に対して、水平面に対して略平行な光となるように入射した発光ダイオード30からの光のうちの一部は、上下方向に僅かに拡がる光となって進むが、このような光についても、上面部20fおよび下面部20gにおいて全反射させた後に複数の反射素子20sで内面反射させることができ、これにより導光体20の光利用効率を一層高めることができる。
【0050】
また、本実施形態の導光体20は、曲線Cが水平方向に延びる状態で配置されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0051】
すなわち、導光体20からの出射光のうち上下方向に大きく拡散する光は、車両用灯具10の照射光としては重要でない。そこで、本実施形態のように、導光体20の構成として、曲線Cが水平方向に延びる状態で配置された構成とすることにより、導光体20からの出射光を上下方向にはほとんど拡散させない構成とすることができ、これにより車両用灯具10の機能を損なうことなく導光体20の光利用効率を高めることができる。
【0052】
さらに、本実施形態に係る車両用灯具10は、その導光体20の灯具前方側に、灯具前方側へ膨らむ曲面に沿って形成された透光カバー14が配置された構成となっているが、曲線Cはこの透光カバー14の曲面形状に略沿って延びているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0053】
すなわち、透光カバー14の曲面形状に沿って導光体20が配置されることとなるので、灯具の見映えを高めることができる。その際、このような構成を採用した場合においても、導光体20に入射した発光ダイオード30からの光を、その前面部20dにおいて全反射させて、その後面部20cに形成された複数の反射素子20sにおいて内面反射させることができる。
【0054】
上記実施形態においては、導光体20の後面部20cにおける左右両端部以外の部分に、複数の反射素子20sが鋸歯状に連続して形成されているものとして説明したが、複数の反射素子20sが連続して形成されていない構成となっている場合においても、上記実施形態と略同様の作用効果を得ることができ、また、これら複数の反射素子20sを点刻等により形成するようにした場合においても、上記実施形態と略同様の作用効果を得ることができる。
【0055】
また、上記実施形態においては、車両用灯具10が、車両の右後端部に設けられるテールランプである場合について説明したが、車両の左後端部に設けられるテールランプである場合、あるいはテールランプ以外の灯具である場合においても、上記実施形態と同様の構成を採用することにより上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0056】
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
【0057】
図4は、上記実施形態の変形例を示す、図2と同様の図である。
【0058】
同図に示すように、本変形例においても、その基本的な構成は上記実施形態の場合と同様であるが、その導光体120が、上記実施形態の導光体20のような導光柱ではなく、縦長矩形状の断面形状を有する板状の部材として構成されている。
【0059】
すなわち、本変形例の導光体120は、その上面部120fと下面部120gとが互いに平行に延びる水平面で形成されており、また、その後面部120cと前面部120dとが互いに平行に延びる鉛直曲面で形成されている。そして、この導光体120の後面部120cには、その左右両端部以外の部分に、その上面部120fから下面部120gまで延びる複数の反射素子120sが鋸歯状に連続して形成されている。その際、これら各反射素子120sは、上下方向に延びる全反射プリズムとして構成されている。
【0060】
そして、この導光体120は、その右端面120aにおける上下方向の複数箇所(具体的には4箇所)に、上記実施形態の導光体20のレンズ部20eと同様なレンズ部120eが形成された構成となっている。
【0061】
また、本変形例においては、これら複数箇所のレンズ部120eの各々に対応する位置に、発光ダイオード30がそれぞれ配置された構成となっている。その際、これら複数の発光ダイオード30は、その発光中心Oを水平方向に延びる曲線C上に位置させるようにして、共通の光源支持部材132に固定支持されている。
【0062】
本変形例の構成を採用することにより、導光体120を上下方向の複数箇所において帯状に均一発光させることができる。なお、本変形例の構成を採用した場合においても、導光体120は、発光ダイオード30からの光を水平面に対して略平行な光となるように入射させる構成となっているので、導光体120を複数箇所において明るく光って見える状態を維持することができる。
【0063】
なお、上記実施形態および変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
【符号の説明】
【0064】
10 車両用灯具
12 ランプボディ
14 透光カバー
20、120 導光体
20a、120a 右端面(一端面)
20b 左端面
20c、120c 後面部
20d、120d 前面部
20e、120e レンズ部
20f、120f 上面部
20g、120g 下面部
20s、120s 反射素子
22、24 導光体支持部材
30 発光ダイオード(光源)
30a 発光チップ
32、132 光源支持部材
C 曲線
O 発光中心
図1
図2
図3
図4
図5