(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一端に開口及び側壁に透孔が設けられた中空筒状のポール本体と、前記ポール本体に取着され前記ポール本体の側部に配線器具を据え付けるための器具据付体と、を備えてなり、
前記器具据付体は、前記透孔の少なくとも一部と連通する通孔を有する配線器具固定部と、前記開口を閉塞する蓋部と、前記ポール本体の内部に配管される電線管を接続する接続部と、を備え、
前記器具据付体は、前記配線器具固定部、前記蓋部及び前記接続部が一体的に組み付けられたものであることを特徴とする給電ポール。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の発明では、電線(C)を内挿する配管(14)をポール(1)内に配管するには、ポール本体(1)の上端部開口又はコンセント取付孔から、手又は工具を差し込んで、ポール本体(1)内部で、配管(14)をコネクタ(16)で隔壁(15)に接続する必要がある。つまり、これらの開口又は取付孔からの電線管接続作業は、ポール(1)内の閉塞された(狭)空間で行われ、且つ、作業者の目の届かない場所で手探りによって作業が行われるので、作業者にとって非常な困難且つ厄介な作業であった。したがって、従来の給電ポールでは、電力供給可能な状態に給電ポールを構築するのに手間及び時間がかかるのが問題であった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電力供給可能な状態に容易に構築することができる給電ポールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の給電ポールは、一端に開口及び側壁に透孔が設けられた中空筒状のポール本体と、当該ポール本体に取着されポール本体の側部に配線器具を据え付けるための器具据付体と、を備えてなり、当該器具据付体は、ポール本体側壁の透孔の少なくとも一部と連通する通孔を有する配線器具固定部と、ポール本体の一端の開口を閉塞する蓋部と、ポール本体の内部に配管される電線管を接続する接続部と、を備え
、器具据付体は、配線器具固定部、蓋部及び接続部が一体的に組み付けられたものであることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の給電ポールは
、一端に開口及び側壁に透孔が設けられた中空筒状のポール本体と、ポール本体に取着されポール本体の側部に配線器具を据え付けるための器具据付体と、を備えてなり、器具据付体は、透孔の少なくとも一部と連通する通孔を有する配線器具固定部と、開口を閉塞する蓋部と、ポール本体の内部に配管される電線管を接続する接続部と、を備え、ポール本体は四角筒状であり、透孔が側壁の隣接する3側面を切り欠いて形成されており、透孔の端縁に器具据付体が取着されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の給電ポールは、
一端に開口及び側壁に透孔が設けられた中空筒状のポール本体と、ポール本体に取着されポール本体の側部に配線器具を据え付けるための器具据付体と、を備えてなり、器具据付体は、透孔の少なくとも一部と連通する通孔を有する配線器具固定部と、開口を閉塞する蓋部と、ポール本体の内部に配管される電線管を接続する接続部と、を備え、透孔は、器具据付体の裏面側をポール本体の側部からポール本体内に収容することが可能な幅で形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の給電ポールは、請求項1乃至3のいずれかの給電ポールにおいて、
透孔は、ポール本体一端の開口に連続することを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の給電ポールは、請求項1乃至4のいずれかの給電ポールにおいて、
透孔はポール本体の軸方向に沿って切り欠き形成されていると共に、配線器具固定部は平板状であることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の給電ポールは、請求項1乃至5の給電ポールにおいて、
接続部は、配線器具固定部の裏側に備えられた箱状の配線ボックスの下端部に設けられていることを特徴とする。
請求項7に記載の給電ポールは、請求項1の給電ポールにおいて、開口は、電線管を接続した状態の接続部を挿入可能な大きさを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、給電ポールがポール本体と当該ポール本体に取着される器具据付体とを備え、器具据付体には配線器具固定部と蓋部と接続部とが設けられていることにより、作業者は、電線管(及び電線)を給電ポールに配管する際に、ポール本体内に配管される電線管を、ポール本体から離脱した状態の器具据付体の接続部にポール本体外部(あるいは透孔又は開口付近)で接続することができる。つまり、作業者はポール本体内の閉塞空間で接続作業をする必要がなく、十分な作業空間を確保しつつ目の届く場所で接続作業を実施することができるため、電線管を接続部に簡単に接続することができる。この電線管が接続された状態の器具据付体をポール本体に取着すれば、配線器具固定部が透孔に配置されると共に蓋部が開口を閉塞して、給電ポールが即座に完成するため、給電ポールを簡単に構築することができる。そして、ポール本体の透孔と当該透孔に連通する配線器具固定部の通孔とを介して電線が接続され、外部に電力を供給することができる。また、ポール本体の開口は、器具据付体をポール本体に取着するだけで、蓋部で閉塞されることから、ポール本体内への雨水等の流入を防止することができる。したがって、本発明によれば、ポール本体内に電線管が配管され且つ電線が配線された電力供給可能な給電ポールを簡単且つ迅速に構築することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、
給電ポールがポール本体と当該ポール本体に取着される器具据付体とを備え、器具据付体には配線器具固定部と蓋部と接続部とが設けられていることにより、作業者は、電線管(及び電線)を給電ポールに配管する際に、ポール本体内に配管される電線管を、ポール本体から離脱した状態の器具据付体の接続部にポール本体外部(あるいは透孔又は開口付近)で接続することができる。つまり、作業者はポール本体内の閉塞空間で接続作業をする必要がなく、十分な作業空間を確保しつつ目の届く場所で接続作業を実施することができるため、電線管を接続部に簡単に接続することができる。この電線管が接続された状態の器具据付体をポール本体に取着すれば、配線器具固定部が透孔に配置されると共に蓋部が開口を閉塞して、給電ポールが即座に完成するため、給電ポールを簡単に構築することができる。そして、ポール本体の透孔と当該透孔に連通する配線器具固定部の通孔とを介して電線が接続され、外部に電力を供給することができる。また、ポール本体の開口は、器具据付体をポール本体に取着するだけで、蓋部で閉塞されることから、ポール本体内への雨水等の流入を防止することができる。したがって、本発明によれば、ポール本体内に電線管が配管され且つ電線が配線された電力供給可能な給電ポールを簡単且つ迅速に構築することができる。加えて、ポール本体が四角筒状であり、透孔がポール本体側壁の隣接する3側面を切り欠いて形成されていることによって、より一層の広い作業空間を確保すると共にポール本体内を視認し易くなり、作業効率性を向上させる効果を奏する。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、
給電ポールがポール本体と当該ポール本体に取着される器具据付体とを備え、器具据付体には配線器具固定部と蓋部と接続部とが設けられていることにより、作業者は、電線管(及び電線)を給電ポールに配管する際に、ポール本体内に配管される電線管を、ポール本体から離脱した状態の器具据付体の接続部にポール本体外部(あるいは透孔又は開口付近)で接続することができる。つまり、作業者はポール本体内の閉塞空間で接続作業をする必要がなく、十分な作業空間を確保しつつ目の届く場所で接続作業を実施することができるため、電線管を接続部に簡単に接続することができる。この電線管が接続された状態の器具据付体をポール本体に取着すれば、配線器具固定部が透孔に配置されると共に蓋部が開口を閉塞して、給電ポールが即座に完成するため、給電ポールを簡単に構築することができる。そして、ポール本体の透孔と当該透孔に連通する配線器具固定部の通孔とを介して電線が接続され、外部に電力を供給することができる。また、ポール本体の開口は、器具据付体をポール本体に取着するだけで、蓋部で閉塞されることから、ポール本体内への雨水等の流入を防止することができる。したがって、本発明によれば、ポール本体内に電線管が配管され且つ電線が配線された電力供給可能な給電ポールを簡単且つ迅速に構築することができる。加えて、ポール本体の側部から器具据付体を取着することができるので、器具据付体をポール本体に容易に取着することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の発明の効果に加えて
、ポール本体側壁の透孔がポール本体一端の開口と連続していることにより、透孔と開口とが連続する1つの広い開口を形成するため、配線管の接続時においてより広い作業空間を確保することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の発明の効果に加えて、
透孔の切り欠き面が軸方向に沿っていると共に、配線器具固定部が平板形状を有していることにより、器具据付体を、ポール本体の上端開口から、平板状の配線器具固定部を透孔に対して軸方向に摺動させて、ポール本体に安定的に取着することができる。すなわち、器具据付体をポール本体に簡単且つ安定した状態で取着することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の発明の効果に加えて
、接続部が配線器具固定部の裏面側に備えられた箱状の配線ボックスの下端部に設けられていることによって、器具据付体における接続部の形成が簡単となり、また、接続部の強度を高めることができ、且つ、接続部の配置を自在に設定することができる。さらには、配線ボックス内で電線管から飛び出した(電線管の保護から外れた)電線を保護し、断線やショートを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態としての給電ポール10の分解斜視図である。給電ポール10は、中空筒状のポール本体110と、当該ポール本体110の一端に取着された器具据付体120とからなる。ポール本体110の内部には、基端部が建物等に設置された電源に接続される電線(
図7参照)を内挿する電線管Cが配設され、当該電線管Cの一端部(上端部)の開口から延ばした電線の先端部を接続するための配線器具Eが器具据付体120に取り付けられる。また、ポール本体100の下端112に設けられた挿通孔116から電線管Cの他端部(下端部)が所定長、引き出されている。後述するように、この引き出された電線管Cの他端部に、配線元(電源)から配管された保護管(図示せず)を接続することによって、電源から給電ポール10まで配線された電線が電線管C及び保護管により保護される。次に、ポール本体110、及び、当該ポール本体110の別体として構成された器具据付体120についてそれぞれ説明する。
【0022】
図2に示すとおり、ポール本体110は、上端111、下端112及び側壁113(前側壁113a、左側壁113b、右側壁113c及び後側壁113d)からなり、上端111から下端112に長手状に延びる四角筒形状に構成されている。このポール本体110の上端111には開口114が形成され、その下端112は閉塞されている。そして、ポール本体110の上端111の一側面(前側壁113a)と、当該一側面に隣接する両側面(右側壁113b及び左側壁113c)の一部とが切り欠かれて、開口114と連続するように透孔115が延設されている。後述するように、ポール本体110の開口114及び透孔115を覆うように、器具据付体120が取着される。また、ポール本体110の下端112が開口していると共に、その下端112付近の前側壁113aには、電線管C(又は電線)を挿通可能な挿通孔116が設けられている。
【0023】
図3は、ポール本体110の上端111付近の部分拡大図である。
図3(a)及び(b)に示すとおり、ポール本体110の前側壁113aが幅(水平)方向に沿って切り欠かれていると共に、左右両側壁113b,cが、ポール本体110の軸方向に平行な辺とポール本体110の幅方向に平行な辺に沿って側面視L字形状に切り欠かれていることにより、前面を向いて開口する透孔115が前側壁113aから左右両側壁113b,cに亘って(左右両側壁113b,cの一部を残して)形成されている。つまり、透孔115は、開口114との境界(透孔115の上縁部)、前側壁113aの幅方向の端縁115a、軸に沿った端縁115b、及び、左右両側壁113b、cの幅方向の端縁115cによって区画形成されている。また、
図3(b)に示すとおり、このポール本体110の側面視において、透孔115は、前側壁113aの外面に対して凹設された切り欠き面を有し、当該透孔115の軸方向の端縁115bは前側壁113aの(最)外面の位置よりも内方に位置している。さらに、器具据付体120を取着するために、上端111付近の後側壁113dには固定孔117aが、及び、左右両側壁113b,cの透孔端縁115cの下縁部には固定孔117bがそれぞれ穿設されている。
【0024】
なお、本実施形態では、ポール本体110は、金属筒を切り欠き加工することによって形成されているが、本発明のポール本体の材質及び製法これに限定されない。例えば、ポール本体として、硬質樹脂、プラスチック等の素材を選択することも可能であり、開口、透孔等を成形加工により形成することも可能である。
【0025】
図4は、本実施形態の器具据付体120の全体斜視図である。この器具据付体120は、表面120aに配線器具Eが取り付けられる配線器具固定部121と、ポール本体110の開口114を閉塞するための平面視矩形状の蓋部122と、電線管Cを飛び出して配線器具Eまで延びる電線を保護するための箱状の配線ボックス124と、電線管Cを接続するための接続部125とを備え、これらが一体的に組み付けられたものである。
【0026】
図5(a)〜(c)に示すとおり、配線器具固定部121は矩形平板状であり、その側面視において、上端から裏面120b側に蓋部122が延設され、下端から表面120a側に屈曲して下方に延びる裾部123が設けられている。当該蓋部122は、ポール本体110の開口114を閉塞可能にその幅が設定されている。他方、裾部123は、平面視における透孔115(すなわち、端縁115aと端縁115cと切り欠き面下端の辺によって形成された面)を閉塞するために配線器具固定部121から表面120a側に延びる閉塞部123aと、透孔115近傍の前側壁113aを覆うために閉塞部123aから下方に延びる被覆部123bとからなる。また、配線器具固定部121の略中央には通孔121aが穿設され、当該通孔121aの上下には、配線器具Eを螺子等で固定するための固定孔121bが穿設されている。これら配線器具固定部121、蓋部122及び裾部123の側部にはフランジ126が延在しており、当該フランジ126の背面には、後側壁113dの固定孔117aに対応する固定孔127aが穿設され、さらに、当該フランジ126の両側面には、左右側壁113b、cの両固定孔117bに対応する固定孔127bがそれぞれ穿設されている。後述するように、器具据付体120をポール本体110に取着するときに、当該フランジ126と本体ポール110の側壁113とを当接させつつ、フランジ126に穿設された固定孔127a、bと側壁113の固定孔117a、bとを合致させてビスで固定する。さらに、配線ボックス124が、当該配線ボックス124の前面開口と通孔121aとが連通するように、配線器具固定部121の裏面120b側に設けられている。この配管ボックス124の下端には、電線管Cを把持して固定可能な略円筒状の接続部125が設けられている。
【0027】
なお、本実施形態で用いられている電線管Cは可撓性波付電線管であり、接続部125は、当該電線管Cの蛇腹の谷部を把持するロック機構を有し、当該ロック機構を始動及び解除させることで、容易に電線管Cを着脱可能である。しかしながら、本発明の接続部及び電線管は上記実施形態に限定されず、使用者はその形態を任意に選択できることは言うまでもない。また、本実施形態では、配管ボックス124の片側に1つの接続部が設けられているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、配管ボックス124に複数の接続部を設けることも可能であり、或いは、配管ボックスを介さずに、接続部を配線器具固定部に直接設けることも可能であり、使用者はその用途に合わせて任意にその形態を選択可能である。
【0028】
また、本実施形態の器具据付体は、硬質樹脂を成形することによって得られるが、本発明はこれに限定されない。例えば、金属板等を採用することも可能であり、その材質及び製法を任意に選択可能である。
【0029】
図6は、地面に配設された給電ポール10の全体斜視図である。電線管が配線されたポール本体110が地面に立設され、当該ポール本体110の上端111側に器具据付体120が取着されている。器具据付体120の蓋部122がポール本体上端111の開口114を閉塞すると共に、配線器具固定部121と裾部123とが透孔115の端縁115a、115b、115cに亘って配置されている。さらに、配線器具Eが通孔121aを覆うように据え付けられる。すなわち、給電ポール10を給電可能に配設した状態では、開口114及び透孔115が器具据付体120によって閉塞され、ポール本体110の内部は雨水などが侵入可能な状態で露出されない。
【0030】
図7は、給電ポール10のA−A縦断面図である。
図7に示すとおり、この給電ポール10では、透孔115と通孔121a(と配管ボックス124前面開口)とは連通しており、当該透孔115及び通孔121aを介して、(配線器具Eから)外部に電力を供給可能である。
【0031】
また、
図7に示すとおり、配線器具固定部121が透孔115の切り欠き端縁115bに沿って配置されているので、配線器具固定部121はポール本体110の前側壁113aの(最)外面よりも内方に位置している。これによって、当該配線器具固定部121の表面に取り付けられた配線器具Eが前側壁113aから外方に突出しないように配置されている。なお、本実施形態では、配線器具Eが前側壁113aから外方に突出しないように薄型の配線器具Eが用いられているが、本発明はこれに限定されず、配線器具を任意に選択可能である。つまり、大型の配線器具をポール本体110に取り付け、たとえ配線器具が前側壁113aから外方に突出したとしても、配線器具の突出高さを減少させることができるため、後述する本実施形態による効果を発揮できることは言うまでもない。
【0032】
さらに、裾部123の下向部分と、裾部123に設けられた突起123aとで、前側壁113aの透孔115下端に近接した縁部を挟み込むことによって、器具据付体120はポール本体110に安定係止されている。なお、本実施形態では、配線器具Eは上部にフードが設けられた防水タイプのコンセントが採用されているが、本発明はこれに限定されず、例えば、フードのない薄型コンセントや他の規格のコンセントを採用することができる。すなわち、使用者は、その用途等に応じて配線器具Eを適宜採用することができる。
【0033】
次に、
図8(a)〜(c)を参照にして、器具据付体120をポール本体110に取着して、給電ポール10を電力供給可能な状態に構築する方法について説明する。
【0034】
最初に、
図8(a)に示すとおり、電線を内挿する電線管Cの蛇腹の谷部を接続部125で把持するように器具据付体120の接続部125に電線管Cの上端を接続する。このとき、予めポール本体110内に配管された電線管Cを、ポール本体110の開口114及び透孔115を介してポール本体110内から引き出して、器具据付体120の接続部125に接続することができる。あるいは、ポール本体110に未だ配管されていない電線管Cを、ポール本体110外で器具据付体120の接続部125に接続することもできる。この場合、器具据付体120に接続された状態の電線管Cをポール本体110に軸方向に沿って挿通して、ポール本体110内に電線管Cを配管する。
【0035】
次に、
図8(b)に示すとおり、ポール本体上端111に形成された開口114から、ポール本体下端112に向けて、電線管Cをポール本体110内に挿通させつつ、器具据付体120を軸方向に沿って下方に移動させる。そして、フランジ126側面と左右側壁113b,cの外面とを当接させる共に、配線器具固定部121の裏面と透孔115の端縁115bとを当接させつつ、器具据付体120をポール本体110に対してさらに下方に摺動させる。このとき、器具据付体120の裏面に位置する配線ボックス124及び接続部125が、ポール本体110内部に開口114を介して挿通される。そして、器具据付体120が透孔115を縦断するように、器具据付体120を下方に摺動させていくと、蓋部122が開口114の端縁と係合して開口114を閉塞し、且つ、裾部123が透孔115の幅方向の端縁115a、115c上に配置される。つまり、器具据付体120をポール本体110の開口114及び透孔115を覆うように配置する。このとき、フランジ126に形成された固定孔127a、bと、側壁113に形成された固定孔117a、bとが合致し、両固定孔117,127にビスを螺着することにより、器具据付体120がポール本体110に固定される。
【0036】
器具据付体120をポール本体110に固定した状態において、
図1に示すように、電線管Cの他端部がポール本体111の挿通孔116から引き出されるように配置する。そして、ポール本体110を設置場所に立設すると共に、この引き出された電線管Cの他端部に、配線元(電源)から配管された保護管を接続する(図示せず)。なお、電線を土中に埋設する際には、ポール本体110の下端111の所定長と電線管Cの他端部及び保護管とを埋設する。次に、保護管及び電線管Cに電線を配線し、配線器具固定部121の通孔121aから電線の先端を引き出す。
【0037】
そして、
図8(c)に示すとおり、電線管Cから飛び出して上方に延びる電線と配線器具Eとを、透孔115及び通孔121aを介して接続し、電線を電線管C内に押し入れながら、当該配線器具Eを、通孔121aの縁部に設けられた固定孔121bを介して配線器具固定部121にビスで固定する。
【0038】
なお、説明した方法では、器具据付体120を軸方向に移動させてポール本体110に取着させているが、器具据付体120をポール本体110の前側壁113aの外面側から内面側へと移動させてもよい。すなわち、本実施形態では、透孔115は、器具据付体120の裏面120a側(配線ボックス114及び接続部115)を通過可能な幅で形成されているので、器具据付体120を幅方向に移動させてポール本体110に取着することも可能である。
【0039】
以下、本発明の一実施形態の給電ポール10の作用効果について説明する。
【0040】
本実施形態によれば、給電ポール10がポール本体110と当該ポール本体110に取着される器具据付体120とを備え、且つ、器具据付体120には配線器具固定部121と蓋部122と接続部125とが設けられている。したがって、作業者は、電線管C(及び電線)を給電ポール10に配設する際に、ポール本体110と器具据付体120とが離脱した状態で、ポール本体110内に配管される電線管Cを接続部125に接続する作業をポール本体110の外部(あるいは透孔115又は開口114付近)で実施することができる。つまり、作業者はポール本体110内の閉塞空間で接続作業をする必要がなく、十分な作業空間を確保しつつ目の届く場所で接続作業を実施することができるため、電線管Cを接続部125に簡単に接続することができる。さらには、器具据付体120に蓋部122が備えられていることにより、この電線管Cが接続された状態の器具据付体120をポール本体110に取着すれば、配線器具固定部121が透孔115に配置されると共に蓋部122が開口114を閉塞して、給電ポール10が即座に完成するため、給電ポール10を簡単に構築することができる。
【0041】
また、予め電線管Cがポール本体110内に配線されている場合には、電線管Cをポール本体110の外側に引き出すことにより、接続作業を容易に実施することができる。他方、電線管Cを(ポール本体110内及び地面へ)配設する前に、電線管Cと接続部125とを接続することも可能である。この場合、電線管Cを(ポール本体110の外側で)接続部125に接続した後に、電線管Cをポール本体110内に配管するのであるが、器具据付体120に接続された電線管Cをポール本体110の軸方向に挿通させることができるので、ポール本体110内部への挿通(配管)作業が容易になるという効果をも奏する。
【0042】
そして、本実施形態の給電ポール10では、透孔115がポール本体一端111の開口114と連通するように延設されている。したがって、電線管Cをポール本体110の側壁113から上端111にかけて取り扱うことができる広い作業空間を得ると共に、器具据付体120を開口114及び透孔115を介して移動させることによってポール本体110への取着位置に迅速且つ簡単に配置することができる。また、透孔115の切り欠き面が軸方向に沿っていると共に、配線器具固定部121が平板形状(平坦面)を有することにより、配線器具固定部121の平坦面が透孔115の切り欠き面にガイドされつつ取着位置まで摺動し、安定して固定されうる。すなわち、器具据付体120をポール本体110への取着位置に簡単に安定した状態で配置することができる。
【0043】
さらに、ポール本体110は、透孔115が側壁113の前側壁113aから左右側壁113b、cの3側面に亘って切り欠き形成されていることによって、側壁113になるべく当接しないように電線管Cを取り扱うことができると共に、ポール本体110内部をより広範囲に視認可能であるので、たとえ暗所における作業であろうとも、給電ポール10の構築作業を容易に行うことができる。また、透孔115は、器具据付体120の裏面120a側をポール本体110の前側壁113a外面側からポール本体110内に収容することが可能な幅で形成されているので、前方(前側壁113a側)からも器具据付体120をポール本体110に装着することができる。つまり、作業者は状況に応じて取着方向(軸方向又は幅方向)を選択でき、器具据付体をポール本体に容易に取着することができる。したがって、本実施形態に係る給電ポール10は、ポール本体110内に電線管Cが配管された電力供給可能な状態に簡単且つ迅速に構築されうる。
【0044】
本実施形態の給電ポール10では、器具据付体120の蓋部122がポール本体上端111の開口114を閉塞すると共に、配線器具固定部121と裾部123(閉塞部123a)とが透孔115を正面視及び平面視において覆っていることにより、給電ポール10を給電可能に配設した状態においてポール本体110の内部が露出されない。すなわち、器具据付体120の蓋部120と配線器具固定部121とが一体的に形成されており、このような少ない部材点数からなる当該器具据付体120をポール本体120に取着するだけで、内部への雨水等の流入を防止することができ、別途止水策や止水箇所を設けることなく、止水効果が発揮される。
【0045】
そして、本実施形態の給電ポール10では、配線器具固定部121が透孔115の切り欠きに沿って配置されているので、配線器具固定部121はポール本体110の前側壁113aの外面よりも内方に位置しており、配線器具Eが前側壁113aの外面から外方に突出する高さを減少させることができる。これによって、給電ポール10に据え付けられた配線器具Eに通行人や乗り物等が不意に衝突して、配線器具Eが故障したり、通行人が怪我をしたりする虞が軽減すると共に、給電ポール10の外観を改善することができる。
【0046】
(変形例1)
一実施形態の給電ポール10は、ポール本体110が四角筒形状を有しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図9に示す給電ポール10Aでは、ポール本体110Aが円筒形状に構成されている。そして、ポール本体110Aの側壁113Aを平面視(円)弧状に切り欠くことにより透孔115Aが形成され、当該透孔115Aと開口114Aとが連続している。この器具据付体120Aでは、開口114Aの形状及び透孔115Aの平面視形状に対応するように、蓋部122A及び裾部123Aが平面視円弧状をなしている。すなわち、器具据付体120Aはポール本体110Aの開口114A及び透孔115Aに亘って取着されうる。なお、ポール本体の形状は、四角筒又は円筒形状に限定されず、他の多角形平面視を有する中空筒体を任意に採用可能である。
【0047】
(変形例2)
一実施形態の給電ポール10では、前側壁113aから左右側壁113b、cの3側面に亘って透孔115が切り欠かれており、器具据付体120の配線器具固定部121が側壁113の外面よりも内方に配置されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図10に示した給電ポール10Bでは、ポール本体110Bの前側壁113aBの両横縁が残るように、前側壁113aBのみに透孔115Bが切り欠き形成されており、器具据付体120Bの配線器具固定部121Bは、前側壁113aBの外面よりも外方に位置している。この給電ポール10Bでは、器具据付体120Bが配線器具固定部121Bと、蓋部122Bと、接続部125Bとを少なくとも備えていることによって、電線管の接続作業をポール本体110Bの外部で実施し、給電ポール10Bを電力供給可能な状態に簡単に構築することができる。
【0048】
(変形例3)
一実施形態の給電ポール10では、ポール本体110は、開口114と透孔115とが連続するように切り欠かれているが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図11に示した給電ポール10Cでは、ポール本体110Cの開口114Cとは連続せずに、前側壁113aCに矩形状の透孔115Cが切り抜かれて形成されている。さらに、
図11(b)に示すとおり、器具据付体120Cがポール本体110Cに取着した状態で、配線器具固定部121Cは、ポール本体110Cの側壁113C内に配置されているので、前側壁113aCの外面よりも内方に位置している。この給電ポール10Cでは、ポール本体110Cの透孔115Cから電線管を引き出してポール本体110Cの外部で電線管の接続作業を行うか、或いは、ポール本体110Cの外部で電線管を接続した上で、電線管を透孔115Cを介してポール本体110C内部に配管することによって、給電ポール110Cを電力供給可能な状態に簡単に構築することができる。
【0049】
また、本発明の通孔及び透孔の形状は一実施形態や上記変形例に限定されるものではない。例えば、通孔及び透孔を円形、三角形に形成したとしても、本発明の給電ポール10は通孔及び透孔を介して外部に電力を供給することができるので、その形状を任意に選択及び変更できるのは言うまでもない。
【0050】
なお、本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。