(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画像処理部によってエンコードされた第1の映像データを、取り外し可能な第2の記録部に記録する記録制御部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のドライブレコーダ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明のドライブレコーダ10を含むドライブレコーダシステム1の説明図である。
【0014】
ドライブレコーダシステム1は、車両11に搭載されるドライブレコーダ10と、事業所等に設置されるパーソナルコンピュータ(以下、PC)20と、ドライブレコーダ10が取得するデータを記録するメモリカード30とから構成される。
【0015】
ドライブレコーダ10は、車両11から走行データ(例えば車速、エンジン回転数、緯度、経度等)を取得して、これらを日時と共に所定の間隔で記録する。また、ドライブレコーダ10は、カメラ12が撮影した映像データを記録する。走行データ及び映像データは、ドライブレコーダ10に挿入されるメモリカード30に記録される。
【0016】
ドライブレコーダ10は、映像データを表示するための表示部200を備える。また、ドライブレコーダ10は、メモリカード30が挿入された状態でメモリカード30との間でデータの書き込み及び読み出しを行う記録制御部150と、メモリカード30に人為的に画像データを記録させる記録ボタン180とが設けられている。なお、表示部200は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)によって構成されている。
【0017】
PC20は、メモリカード30が挿入された状態でメモリカード30との間でデータの書き込み及び読み出しを行うメモリカードインタフェース21と、画像データ等を表示可能な液晶ディスプレイ等からなる表示部22と、ユーザからの指示が入力可能なキーボード及びマウス等からなる入力部23とから構成される。
【0018】
メモリカード30は、記録制御部150及びメモリカードインタフェース21によって読み書き可能に構成されており、例えばSD(Source Digital)やCF(Compact Flash)等のフラッシュメモリカードが用いられる。
【0019】
図2は、本発明の実施形態のドライブレコーダ10の機能ブロック図である。
【0020】
ドライブレコーダ10は、カメラ12から受信した映像信号に対して所定のエンコード方式に基づいて画像処理を行う画像処理部140と、画像処理部140によってエンコードされた映像データを一時的に記録する内部メモリ130と、映像データをメモリカード30に記録する記録制御部150と、を備える。画像処理部140よるエンコード方法は、たとえばJPEG方式が用いられる。
【0021】
内部メモリ130は、例えばSDRAM等、メモリカード30よりも高速にアクセス可能なメモリによって構成される。
【0022】
また、ドライブレコーダ10は、表示部200に映像データ等を表示させる制御を行う表示制御部120を備える。表示制御部120は、制御部160から送られた映像データをデコードして、表示部200に表示させる。
【0023】
また、ドライブレコーダ10は、車両に加わる加速度を検出して、検出した加速度が所定の閾値を超えた場合に、車両に衝撃等のイベントが発生したと判断して、その旨を制御部に通知する加速度センサ170と、加速度センサ170によるイベントの発生の検出にかかわらず、ユーザの操作によって映像データ及び走行データをメモリカードに記録させる記録ボタン180と、を備える。
【0024】
また、ドライブレコーダ10は、映像データと共に音声をマイク192により取得し、取得した音声データを内部メモリ130又はメモリカード30に記録する音声制御部190を備える。音声制御部190は、スピーカ191を備え、記録された音声データを再生する。
【0025】
制御部160は、これら各部の動作を制御する。
【0026】
より具体的には、制御部160は、画像処理部140によりエンコードされた映像データを、まず内部メモリ130に記録する。制御部160は、内部メモリに記録した映像データを、記録制御部150を介してメモリカード30に記録する。
【0027】
また、制御部160は、内部メモリ130に記録されている映像データを表示制御部120に送り、表示部200に表示させる。このとき、音声データが記録されている場合は、音声制御部190を介して、スピーカ191に音声を再生させる。
【0028】
また、制御部160は、車両とのインターフェースを備えて、走行データ(車速、加速度等)を取得して、映像データと共にメモリカード30に記録する。
【0029】
次に、本発明の実施形態のドライブレコーダ10の処理を説明する。
【0030】
図3は、本発明の実施形態のドライブレコーダ10における映像データ再生の処理を示す説明図である。
【0031】
この
図3に示す例は、内部メモリ130に記録されている映像データを表示部200に表示させる処理を示す。
【0032】
制御部160は、所定の間隔のタイミング信号(V_sync)を生成している。このタイミング信号は、映像データのフレームレートの単位時間であり、例えば、30[fps]とする。また、表示部200は、このタイミング信号を、映像データを表示する同期信号に用いる。
【0033】
制御部160は、タイミング信号に同期して、内部メモリに記録されている映像データから一つの画像データを読み出す。読み出した画像データは、表示制御部120に送る。
【0034】
表示制御部120は、制御部160から画像データが送られると、送られた画像データをデコードする。デコードされた画像データを表示部200に表示する。
【0035】
以降は、制御部160は、タイミング信号に同期して映像データの一つのフレームである画像データを一つ読み出して表示制御部120に送る。表示制御部120は、送られた画像データをデコードして、タイミング信号に同期して表示部200に表示させる。これを繰り返すことによって、表示部200にタイミング信号に同期して画像データが次々と表示されることにより、映像データが動画として再生される。
【0036】
また、制御部106は、映像データに対応する音声データが記録されている場合は、音声制御部190に音声データを送り、音声を再生させる。
【0037】
図4は、カメラ12によって映像データを記録しているときに、映像データを再生する処理の説明図である。
【0038】
この
図4に示す例では、カメラによって取得された映像データ(以降、「第1の映像データ」と呼ぶ)を内部メモリに記録している間に、ユーザによって再生が要求された映像データ(以降、「第2の映像データ」と呼ぶ)を再生するときの処理を示す。
【0039】
本実施形態のドライブレコーダは、加速度センサ170によってイベントが検出された場合に、カメラ12によって取得される映像データのうち、イベント発生時点の前後の所定時間の映像データを、第1の映像データとして内部メモリ130に記録する。または、常に、カメラ12によって第1映像データを記録して、これを内蔵メモリ130に記録してもよい。
【0040】
カメラ12によって取得された映像信号は、画像処理部140において所定のエンコード方式(ここではJPEG形式)にエンコードされて、個々のフレームが、それぞれ一つのJPEG形式の画像データとして記録される。
【0041】
制御部160は、先述のように所定のタイミング信号(V_sync)を生成する。画像処理部140は、このタイミング信号に同期して、第1の映像データとなる個々の画像データ(C01.JPG、C02.JPG、C03.JPG、C04.JPG・・・)を制御部160に出力する。制御部160は、タイミング信号に同期して、内部メモリ130に第1の映像データを順次記録する。なお、内蔵メモリ130に記録された第1の映像データは、その後、記録制御部150によってメモリカード30に記録される。
【0042】
このように第1の映像データを記録している間に、内部メモリ130に記録されている第2の映像データの再生の要求があることを制御部160が検出した場合は、制御部160は、タイミング信号の発生に同期して、内部メモリ130から第2の映像データの個々のフレームである画像データ(001.JPG、002.JPG、003.JPG、004.JPG・・・)を取得する。
【0043】
具体的には、画像処理部140によって内部メモリ130への第1の映像データの書き込み処理が完了した後に、制御部160が、内部メモリ130から第2の映像データを読み出す。読み出した画像データは、表示制御部120に送る。
【0044】
表示制御部120は、制御部160から画像データが送られると、送られた画像データをデコードする。デコードされた画像データを表示部200に表示する。
【0045】
以降は、制御部160は、タイミング信号に同期して第2の映像データの一つのフレームである画像データを一つ読み出して表示制御部120に送る。表示制御部120は、送られた画像データをデコードして、タイミング信号に同期して表示部200に表示させる。これを繰り返すことによって、表示部200にタイミング信号に同期して画像データが次々と表示されることにより、第2の映像データが動画として再生される。
【0046】
また、制御部160は、映像データに対応する音声データが記録されている場合は、音声制御部190に音声データを送り、音声を再生させる。
【0047】
このように、制御部160が、カメラ12によって取得された第1の映像データを記録する処理の合間に第2の映像データを読み出すことによって、カメラ12が第1の映像データを記録している間に、表示部200において第2の映像データの再生が可能となる。
【0048】
図5は、カメラ12によって記録される映像データを、そのまま表示部200に再生する処理の説明図である。
【0049】
制御部160は、先述のように所定のタイミング信号(V_sync)を生成する。画像処理部140は、このタイミング信号に同期して、第1の映像データとなる個々の画像データ(C01.JPG、C02.JPG、C03.JPG、C04.JPG・・・)を制御部160に出力する。制御部160は、タイミング信号に同期して、内部メモリ130に第1の映像データを順次記録している。
【0050】
このとき、記録中の映像データの再生の要求があることを制御部160が検出した場合は、制御部160は、タイミング信号の発生に同期して、内部メモリ130から、記録された第1の映像データの個々のフレームである画像データ(C01.JPG、C02.JPG、C03.JPG、C04.JPG・・・)を順次取得する。
【0051】
具体的には、画像処理部140によって内部メモリ130に第1の映像データの一つのフレームである画像データ(例えばC01.JPG)の書き込み処理が完了した後、直ちに、制御部160が、当該書き込まれた画像データ(C01.JPG)を内部メモリ130から読み出す。読み出した画像データは、表示制御部120に送る。
【0052】
表示制御部120は、制御部160から画像データが送られると、送られた画像データをデコードする。デコードされた画像データを表示部200に表示する。
【0053】
以降は、制御部160は、タイミング信号に同期して、内部メモリ130に記録された画像データの一つを、記録された直後に読み出して表示制御部120に送る。表示制御部120は、送られた画像データをデコードして、タイミング信号に同期して表示部200に表示させる。これを繰り返すことによって、表示部200にタイミング信号に同期して画像データが次々と表示されることにより、カメラ12によって記録されている第1の映像データをリアルタイムに動画として再生することができる。
【0054】
このような処理によって、カメラ12によって撮影中の映像データをそのまま表示することができるので、特にドライブレコーダ10のカメラ12を車両に設置する際に、カメラ12の位置や向き等の微調整を、表示部200に表示される映像データを参照して行うことが可能となる。
【0055】
以上のように本発明の実施形態では、カメラ12が取得した映像信号をエンコードして第1の映像データとして出力する画像処理部140と、出力された第1の映像データを内部メモリ130に記録する制御部160と、制御部160の制御により、内部メモリ130に記録されている第2の映像データを表示部200に表示させる表示制御部120と、を備えるドライブレコーダにおいて、制御部160が、所定の周期で、画像処理部140が出力する第1の映像データを内部メモリ130に記録させ、同じく所定の周期で、第1の映像データを内部メモリ130に記録する処理の合間に、内部メモリ130に記録された第2の映像データを、表示制御部120に送るものである。
【0056】
このような構成によって、カメラ12によって第1の映像データを記録している間にも、第2の映像データを表示部200に再生することで、映像データの記録と再生を同時に実行することができ、映像データ等の情報の記録漏れが発生することを防止することができる。
【0057】
特に、所定の周期は、制御部160において発生するタイミング信号であり、フレームレートの単位時間であるため、特別な構成を追加することなく、映像データの記録と再生を同時に実行することができる。
【0058】
また、SDRAM等からなる内部メモリ130とフラッシュメモリ等からなるメモリカード30とを別の構成として、データの記録及び再生をアクセスが高速な内部メモリ130で行うことによって、映像データの記録と再生を同時に実行することができる。
【0059】
また、表示部に表示させる第2の映像データを、第1の映像データをとして、カメラ12が取得した映像データをリアルタイムに表示させることができるので、ドライブレコーダ10のカメラ12を車両に設置する際または事故発生直後の映像を記録する際に、カメラ12の位置や向き等の微調整を、表示部200に表示される映像データを参照して行うことが可能となる。
【0060】
なお、本発明の実施形態では、エンコード方式をJPEG方式として説明したが、これに限られない。例えば、MPEGエンコード方式を用いてもよい。MPEGエンコード方式でも同様に、MPEGデータの各フレームをタイミング信号に同期して記録又は読み出しを行うことができる。
【0061】
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれることは言うまでもない。