特許第5711712号(P5711712)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5711712端子圧着機、端子圧着電線製造装置、端子圧着電線製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5711712
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】端子圧着機、端子圧着電線製造装置、端子圧着電線製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 43/048 20060101AFI20150416BHJP
【FI】
   H01R43/048 Z
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-214215(P2012-214215)
(22)【出願日】2012年9月27日
(65)【公開番号】特開2014-67684(P2014-67684A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2013年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000228257
【氏名又は名称】日本オートマチックマシン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100413
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 温
(74)【代理人】
【識別番号】100123696
【弁理士】
【氏名又は名称】稲田 弘明
(72)【発明者】
【氏名】櫛田 督也
(72)【発明者】
【氏名】木下 順夫
【審査官】 岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−133844(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/158390(WO,A1)
【文献】 特開平09−171878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 43/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯線及び外周被覆を有する電線の端部の被覆を剥ぐ皮むき装置と、
被覆の剥がれた電線の端部に端子を圧着する圧着装置と、
電線を搬送する搬送装置と、
端子圧着後の電線を払い出す装置と、
を備える端子圧着機であって、
前記皮むき装置、前記圧着装置及び前記払い出し装置が、電線の長手方向であるX方向に対する直角方向であるY方向に順に配置されており、
前記皮むき装置と前記圧着装置との間に配置されたカメラを含む画像検査装置をさらに備え、
前記カメラで、前記皮むき装置から前記圧着装置に搬送される途中の検査位置(P2)で電線の皮むき部を撮影して皮むき状態の検査を行うとともに、
端子圧着後の電線を前記カメラの検査位置(P2)まで戻し搬送し、該検査位置(P2)において前記カメラで電線の端子圧着部を撮影して端子圧着状態の検査を行い、
その後、端子圧着状態検査後の電線を、前記検査位置(P2)から、前記圧着装置における端子圧着位置(P3)を越えて、前記払い出し装置における払い出し位置(P5)に送って払い出すことを特徴とする端子圧着機。
【請求項2】
電線を送給する電線送給装置と、
該電線の先端部の被覆を皮むきするトップ皮むき装置と、
皮むきされた先端部に端子を圧着するトップ端子圧着装置と、
先端部に端子の圧着された電線を任意の長さに切断する電線切断装置と、
切断された電線の後端部の被覆を皮むきするテール皮むき装置と、
皮むきされた後端部に端子を圧着するテール端子圧着装置と、
電線を搬送する搬送装置と、
両端に端子が圧着された電線の払い出し装置と、
を備える端子圧着電線製造装置であって、
前記テール皮むき装置、前記テール端子圧着装置及び前記払い出し装置が、電線の長手方向であるX方向に対する直角方向であるY方向に順に配置されており、
前記テール皮むき装置と前記テール圧着装置との間に配置されたカメラを含む画像検査装置をさらに備え、
前記カメラで、前記テール皮むき装置から前記テール端子圧着装置に搬送される途中の検査位置(P2)で電線の皮むき部を撮影して皮むき状態の検査を行うとともに、
端子圧着後の電線を前記カメラの検査位置(P2)まで戻し搬送し、該検査位置(P2)において前記カメラで電線のテール端子圧着部を撮影して端子圧着状態の検査を行い、
その後、端子圧着状態検査後の電線を、前記検査位置(P2)から、前記テール端子圧着装置における端子圧着位置(P3)を越えて、前記払い出し装置における払い出し位置(P5)に送って払い出すことを特徴とする端子圧着電線製造装置。
【請求項3】
前記圧着装置と前記払い出し装置の間に、前記圧着装置から圧着工具交換作業のためのスペースを空けて圧着状態検査用のカメラを別途設置した場合における、前記圧着装置から前記圧着状態検査用のカメラまでの電線搬送ストロークよりも、
前記圧着装置と前記皮むき装置との間に設置した皮むき状態検査兼圧着状態検査用のカメラから前記圧着装置までの電線搬送ストロークが短いことを特徴とする請求項1に記載の端子圧着機又は請求項2に記載の端子圧着電線製造装置。
【請求項4】
電線を戻す方向に移動させることによる搬送時間の増加を、圧着状態検査用のカメラまでのストローク短縮で相殺できることを特徴とする請求項3に記載の端子圧着装置又は端子圧着電線製造装置。
【請求項5】
電線を送給する工程と、
送給された電線の先端部の被覆を皮むきするトップ皮むき工程と、
皮むきされた先端部に端子を圧着するトップ端子圧着工程と、
先端部に端子の圧着された電線を任意の長さに切断する電線切断工程と、
切断された電線の後端部の被覆を皮むきするテール皮むき工程と、
皮むきされた後端部に端子を圧着するテール端子圧着工程と、
両端に端子が圧着された電線の払い出し工程と、
を含む端子圧着電線の製造方法であって、
請求項1〜4いずれか1項記載の端子圧着機又は端子圧着電線製造装置を用いて端子圧着電線を製造することを特徴とする端子圧着電線製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線の端部の被覆を剥いだ(ストリップした)後に端子を圧着する装置等に関する。特には、タクトタイム増加を可能な限り抑制しつつ、ストリップ後及び端子圧着後の状態をより正確に検査できる機構を備えた端子圧着機等に関する。
【背景技術】
【0002】
端子圧着機においては、ストリップ後の電線端部の状態と、端子圧着後の状態とを検査して、ストリップ不良や圧着不良を検出している。検査方法としては、光センサを用いて被検査物からの透過光や反射光を計測する方法や、カメラで撮影した画像を判定する方法が用いられている。
【0003】
図2図3を参照して、端子圧着機を含んだ端子圧着電線製造装置の構成の従来例を説明する。
図2は、検査方法として光センサを使用した装置の一例を示す。
この端子圧着電線製造装置は、コイル状に巻かれた電線束から電線を送給する電線送給装置10、送給された電線の先端(トップ;1側端部)をクランプするクランプ装置20、電線を所定の長さに切断する装置30、電線束から切断された電線の後端(テール;2側端部)をクランプするクランプ装置40、送給された電線のトップの被覆を剥ぐ皮むき装置50、送給された電線のトップに端子を圧着する端子圧着装置60、切断された電線のテールの被覆を剥ぐ皮むき装置70、切断された電線のテールに端子を圧着する端子圧着装置100、及び、両端に端子が圧着された電線の払い出し装置110、を備える。これらは機台3上に設置されている。
以降の説明において左右方向とは図の左右方向を示し、上下方向とは図の上下方向を示す。電線束から送給されて切断装置30で切断された後で電線束側に残った電線を残留電線といい、その電線送り方向における先端をトップ(1側端部)という。また、切断装置30で切断された電線を切断電線といい、その電線送り方向における後端をテール(2側端部)という。
【0004】
端子圧着電線製造装置には、さらに、残留電線のトップ(1側端部)のストリップ状態及び端子圧着状態検査装置120と、切断電線のテール(2側端部)のストリップ状態検査装置130及び端子圧着状態検査装置150が備えられている(検査装置については後述する)。
【0005】
電線送給装置10及びトップクランプ装置20は、電線送り方向(電線長手方向、X方向)に直列に並んでいる。テールクランプ装置40も電線送り方向に並んで、トップクランプ装置20と所定の間隔を開けて対向している。電線送給装置10と、トップ及びテールクランプ装置20、40が電線送り方向に直列に並んだ位置を電線送り位置P0(原点ともいう)という。切断装置30は、電線送り位置P0の、両クランプ装置20、40間に配置されている。
【0006】
トップクランプ装置20は、電線送り位置P0から、電線送り方向に対して所定の角度で一方(この例では図の右方向)に旋回可能である。トップ皮むき装置50と端子圧着装置60は、電線送り位置P0から、トップクランプ装置20の旋回方向に所定の角度離れた位置に順に配置されている。
テールクランプ装置40は、電線送り位置P0から、電線送り方向(X方向)と直交する方向の一方(この例では図の左方向、Y方向)に直線上を移動可能である。皮むき装置70、端子圧着装置100及び払い出し装置110は、電線送り位置P0から、テールクランプ装置40の移動方向に所定の距離離れた位置に順に配置されている。
【0007】
切断電線のテールのストリップ状態検査装置130は、テールクランプ装置40の移動方向における皮むき装置70と端子圧着装置100の間に配置されている。切断電線のテールの端子圧着状態検査装置150は、端子圧着位置P3の出側近傍に配置されている。検査装置150に使用される光センサは比較的小型であるため、端子圧着装置100の圧着工具(クリンパ)に近接して取り付けることができる。なお、図2は各センサの配置を模式的に示したものであり、実際の状態とは異なる。
【0008】
ストリップ状態検査装置130に使用される光センサとしては、透過型の光センサが好ましい。例えば、被覆が残っていた場合、光透過量は被覆が完全に剥ぎ取られた場合よりも少なくなる。この光透過量を計測して、ストリップ状態を検査する。このような光センサとしては、例えば、FU−77TZ(商品名、キーエンス社製)を使用できる。
端子圧着状態検査装置150に使用される光センサとしては、反射型の光センサが好ましい。圧着された端子の姿勢によって、端子からの光反射量が変化するので、その光反射量を計測することにより、端子が正常な姿勢で圧着されているかを判定できる。このような光センサとしては、例えば、FU−35FZ(商品名、キーエンス社製)を使用できる。
なお、実際には、センサは停止した電線を撮影するのではなく、センサの検知位置を電線が通過する際に検知されている。
【0009】
図3を参照して、検査装置としてカメラを使用した従来例を示す。
検査装置としてセンサをカメラに変更する場合を考える。この場合も、切断電線のテールのストリップ状態検査装置130は、テールクランプ装置40の移動方向における皮むき装置70と端子圧着装置100の間に配置されている。カメラは、光センサよりも検査の精度や安定性が高いが、光センサに比べて寸法が大きいので、光センサのように、端子圧着装置100のごく近傍に取り付けることができない。さらに、製造される電線の端子の種類に応じて圧着工具(アプリケータ)を交換する必要があるため、端子圧着装置100の、皮むき装置70と反対側の空間を、装置交換に必要な空間として空けておく必要がある。したがって、端子圧着状態検査装置150のカメラを設置する位置は、払い出し装置110に移し替えられた切断電線が完全に端子圧着装置100から離れた位置であって、かつ、払い出し装置110の動きと干渉せず、さらに、カメラ撮影時のストロボ光の払い出しトレイ111からの乱反射を受けにくい位置となる。このような位置を確保するためには、払い出し装置110のストロークSを長くする必要があり、装置が大型化したり、機台上での各装置のレイアウトが複雑になってしまう。なお、図3もカメラの配置を模式的に示したものであり、実際の状態とは異なる。
【0010】
図3の端子圧着電線製造装置の端子圧着動作を簡単に説明する。
残留電線は、電線送り位置P0において、トップ(1側端部)がクランプ装置20にクランプされる。その後、クランプ装置20がストリップ位置に旋回して、皮むき装置50で残留電線のトップ(1側端部)の被覆がストリップされる。次に、クランプ装置20が検査位置に旋回して、検査装置160でストリップ状態が検査された後、端子圧着位置に旋回して端子圧着装置60で端子が圧着される。その後、クランプ装置20は反対方向に旋回し、検査位置において検査装置160で端子圧着状態が検査された後、電線送り位置P0に戻る。
【0011】
切断電線の動作について、図3図4の上側の図を参照して説明する。
電線送り位置P0において、トップに端子が圧着された残留電線は、電線送給装置10で所定の長さだけ送給され、両クランプ装置20、40でクランプされた後、切断装置30で切断される。これにより、切断電線のテール(2側端部)がクランプ装置40でクランプされることになる。クランプ装置40はストリップ位置P1に移動し(矢印A1)、皮むき装置70でテールの被覆がストリップされる。その後、クランプ装置40はストリップ状態検査位置P2を通過して端子圧着位置P3に移動する(矢印A2)。この移動中の検査位置P2を通過する際に、検査装置(カメラ)でストリップ状態が検査される。検査で良品と判定されれば、端子圧着位置P3で端子圧着装置100により切断電線のテール(2側端部)に端子が圧着される。この端子圧着位置P3において、両端に端子が圧着された電線(端子圧着電線)は、クランプ装置40から払い出し装置110に移し替えられる。端子圧着電線は、払い出し装置110により端子圧着状態検査位置P4を通過して払い出し位置P5に移動する(矢印A3)。この移動中の検査位置P4を通過する際に、検査装置(カメラ)で端子圧着状態が検査される。検査で良品と判定されれば、端子圧着電線は払い出しトレイ111に払い出される。
なお、ストリップ状態検査装置で良品と判定されなければ、端子圧着動作を行わず、払い出し装置により不良品用トレイに排出される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、切断電線のテール(2側端部)のストリップ状態と端子圧着状態とを、より簡単な構成で正確に検査することのできる装置を備えた端子圧着機等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の端子圧着機は、 芯線及び外周被覆を有する電線の端部の被覆を剥ぐ皮むき装置と、 被覆の剥がれた電線の端部に端子を圧着する圧着装置と、 電線を搬送する搬送装置と、 端子圧着後の電線を払い出す装置と、を備える端子圧着機であって、 前記皮むき装置、前記圧着装置及び前記払い出し装置が、電線の長手方向であるX方向に対する直角方向であるY方向に順に配置されており、 前記皮むき装置と前記圧着装置との間に配置されたカメラを含む画像検査装置をさらに備え、 前記カメラで、前記皮むき装置から前記圧着装置に搬送される途中の検査位置(P2)で電線の皮むき部を撮影して皮むき状態の検査を行うとともに、 端子圧着後の電線を前記カメラの検査位置(P2)まで戻し搬送し、該検査位置(P2)において前記カメラで電線の端子圧着部を撮影して端子圧着状態の検査を行い、 その後、端子圧着状態検査後の電線を、前記検査位置(P2)から、前記圧着装置における端子圧着位置(P3)を越えて、前記払い出し装置における払い出し位置(P5)に送って払い出すことを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、カメラで撮影した画像に基づいてストリップ状態と端子圧着状態とを検査するので、従来の光センサによる検査と比べて、良品と不良品とを画像認識して判定するため検査内容が充実し、正確な検査をすることができる。このため、不良品を確実に排除できるとともに、結果として目視検査を省略することも可能になる。
【0015】
圧着装置の出側(下流側)に、圧着状態検査用の2台目のカメラを別途設置する場合、後ほど詳しく説明するが、圧着装置からある程度離れた位置にしかカメラを設置できない。というのは、製造される電線の端子の種類に応じて圧着工具(アプリケータ)を交換する必要があり、この交換作業のために、圧着装置の周辺にスペースを空けておかねばならないからである。さらに、圧着装置の出側には、製品が払い出されるトレイも配置されているので、カメラ撮影時のストロボ光のトレイからの乱反射や、払い出し装置との干渉を考慮すると、カメラの設置場所が限定される。そうなると、圧着装置から離れたカメラ位置まで、さらに払い出し位置まで電線を搬送することとなり、その搬送時間がかかる(タクトタイムが延びる)。端子圧着機の分野においては、タクトタイム短縮が極めて重要視されるので、電線を一方向に搬送しながら各処置を加えていくことが一般的であり、検査のためだけに一度送った電線を元の位置に戻すという発想はなかった。本発明では、発想の転換を図り、端子圧着状態を検査する専用のカメラを設置しないことにしたので、圧着状態検査用のカメラまでのストロークを長くする必要がなくなった。つまり、電線を戻す方向に移動させることによる搬送時間の増加を、圧着状態検査用のカメラまでのストローク短縮でほぼ相殺できる、あるいは、タクトタイムの増加をできるだけ抑えることができる。また、レイアウトによっては、従来よりもタクトタイムを短くすることができる。
【0016】
この結果として、切断電線のテール(2側端部)の検査用としてカメラが1台で済むとともに、機台上での各装置のレイアウトがシンプルとなる。さらに、トレイからの乱反射等の影響を受けないので、正確な判定を行うことができる。さらには、検査装置に光センサを用いる既設の端子圧着機にカメラを使用する改造にも対応できる。
【0017】
なお、カメラは、検査用の画像を撮影することができれば原理・種類等は問わない。
【0018】
本発明においては、 前記搬送装置が、電線を、電線長手方向(X方向)とその直角方向(Y方向、搬送方向)に移動可能に支持し、 前記端子圧着装置から電線をX方向に引いて取り出して止まる位置が、前記カメラの視野に、端子のインシュレーションバレル、被覆端部、ワイヤーバレル及び芯線先端を全て収めるのに適切なX方向位置に対応していることが好ましい。
【0019】
ストリップ後の電線の検査部位と、端子圧着された電線の検査部位とは、電線の長手方向(X方向)の位置がやや異なるので、電線をX方向に移動させる位置を調整することにより、平面内で固定された1台のカメラで、各検査部位を正確に撮影することができる。
【0020】
本発明の端子圧着電線製造装置は、 電線を送給する電線送給装置と、 該電線の先端部の被覆を皮むきするトップ皮むき装置と、 皮むきされた先端部に端子を圧着するトップ端子圧着装置と、 先端部に端子の圧着された電線を任意の長さに切断する電線切断装置と、 切断された電線の後端部の被覆を皮むきするテール皮むき装置と、 皮むきされた後端部に端子を圧着するテール端子圧着装置と、 電線を搬送する搬送装置と、 両端に端子が圧着された電線の払い出し装置と、を備える端子圧着電線製造装置であって、 前記テール皮むき装置、前記テール端子圧着装置及び前記払い出し装置が、電線の長手方向であるX方向に対する直角方向であるY方向に順に配置されており、 前記テール皮むき装置と前記テール圧着装置との間に配置されたカメラを含む画像検査装置をさらに備え、 前記カメラで、前記テール皮むき装置から前記テール端子圧着装置に搬送される途中の検査位置(P2)で電線の皮むき部を撮影して皮むき状態の検査を行うとともに、 端子圧着後の電線を前記カメラの検査位置(P2)まで戻し搬送し、該検査位置(P2)において前記カメラで電線のテール端子圧着部を撮影して端子圧着状態の検査を行い、 その後、端子圧着状態検査後の電線を、前記検査位置(P2)から、前記テール端子圧着装置における端子圧着位置(P3)を越えて、前記払い出し装置における払い出し位置(P5)に送って払い出すことを特徴とする。
【0021】
本発明の端子圧着機及び端子圧着電線製造装置においては、 前記カメラ及びストロボを支持する台が前記皮むき装置の台に取り付けられていることとできる。
この場合、皮むき時や撮影時の、電線Wの平面内や高さ方向における位置合わせをしやすくなる。また、両装置が1台の装置で済むので、レイアウトしやすくなり、装置全体の構成を単純にできる。
【0022】
本発明の端子圧着電線製造方法は、 電線を送給する工程と、 送給された電線の先端部の被覆を皮むきするトップ皮むき工程と、 皮むきされた先端部に端子を圧着するトップ端子圧着工程と、 先端部に端子の圧着された電線を任意の長さに切断する電線切断工程と、 切断された電線の後端部の被覆を皮むきするテール皮むき工程と、 皮むきされた後端部に端子を圧着するテール端子圧着工程と、 両端に端子が圧着された電線の払い出し工程と、を含む端子圧着電線の製造方法であって、前記のいずれかに記載の端子圧着機又は端子圧着電線製造装置を用いて端子圧着電線を製造することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、切断電線のテール(2側端部)のストリップ状態及び端子圧着状態をカメラで撮影した画像に基づいて検査するので、従来の光センサによる検査と比べて検査内容が充実し、正確な検査をすることができる。さらに、切断電線を逆戻りさせることにより搬送時間は増加するが、圧着状態検査用のカメラまでのストロークを短縮できるので、タクトタイムの増加をできるだけ抑えることができる。あるいは、かえってタクトタイムが短くなることもありうる。この結果として、切断電線のテールの検査用としてカメラが1台で済むとともに、機台上での各装置のレイアウトをシンプルにできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施の形態に係る端子圧着電線製造装置の構成を示す平面図である。
図2】端子圧着電線製造装置の構成の一例を示す平面図である。
図3】端子圧着電線製造装置の構成の他の例を示す平面図である。
図4】切断電線の切断から払い出しまでの工程を説明する図である。
図5図1の端子圧着電線製造装置の皮むき装置の構成を示す正面図である。
図6図1の端子圧着電線製造装置の皮むき装置の構成を示す側面図である。
図7】端子圧着電線の端子圧着後の検査位置を説明する平面図である。
【発明を実施するための良好な形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る端子圧着機を含んだ端子圧着電線製造装置を説明する。
本発明の端子圧着電線製造装置1は、図3の装置とほぼ同じ構成・配置を有するが、切断電線のテール(2側端部)の検査装置が、皮むき装置70と端子圧着装置100の間に配置されたストリップ状態検査装置130の1台のカメラのみとなっている。この検査装置130で、ストリップ状態と端子圧着状態の両方の検査を行う。後述するように、詳細にはカメラは皮むき装置70に取り付けられている。
【0026】
カメラは、撮影した画像を処理して各状態の良否を判定する処理部を備えるものを使用できる。ストリップ状態及び端子圧着状態の両方とも、同じ種類のカメラを使用できる。
【0027】
切断電線の動作について図1図4の下側の図も参照して説明する。残留電線の動作は、前述と同じであり、説明を省略する。
切断装置で切断後、切断電線のテール(2側端部)はクランプ装置40でクランプされている。クランプ装置40はストリップ位置P1に移動し(矢印A11)、皮むき装置70でテールの被覆がストリップされる。その後、クランプ装置40はストリップ状態検査位置P2を通過して端子圧着位置P3に移動する(矢印A12)。この移動中の検査位置P2を通過する際に、検査装置(カメラ)でストリップ状態が検査される。検査で良品と判定されれば、端子圧着位置P3で端子圧着装置100により切断電線のテール(2側端部)に端子が圧着される。その後、クランプ装置40は検査位置P2に戻って停止し(矢印A13)、検査装置(カメラ)で端子圧着状態が検査される。なお、実際のカメラ撮影は、電線が検査位置P2を通過する際に行われているので、クランプ装置40が停止する位置は検査位置P2よりもやや上流側(ストリップ位置P1側)となる。そして、この検査位置P2において、両端に端子が圧着された電線(端子圧着電線)は、クランプ装置40から払い出し装置110に移し替えられ、払い出し位置P5に移動して(矢印A14)、払い出しトレイ111に払い出される。
【0028】
つまり、図4の上側の図に示した従来の例においては、切断電線は一方向に搬送されながら各処理が施されていたが、本発明においては、図4の下側の図に示すように、圧着位置P3からいったん戻す方向に移動して(矢印A14)圧着状態を検査する。端子圧着機の分野においてはタクトタイム短縮が極めて重要視されるので、電線を一方向に搬送することが当然とされていた。つまり、一度送った電線を元の方向に移動させることは、搬送時間が増えることとなり、タクトタイムが増加する懸念があった。
【0029】
しかし、本発明においては、端子圧着状態を検査する専用のカメラを設置しないため、前述のように圧着状態検査用のカメラまでのストロークを長くする必要がなくなる。つまり、電線を戻す方向に移動させることによる搬送時間の増加を、圧着状態検査用のカメラまでのストローク短縮でほぼ相殺、あるいは、タクトタイムの増加をできるだけ抑えるようにした。
【0030】
図4に示した従来例と本発明とにおける2側電線の移動時間の一例を説明する。
従来例:
A2:ストリップ位置P1→検査位置P2(t1):10msec、
A2:検査位置P2→圧着位置P3(t2);10msec、
A3:圧着位置P3→検査位置P4(t3);20msec、
A5:検査位置P4→払い出し位置P5(t4);20msec、
移動時間の合計(t1+t2+t3;t4);60msec。
本発明:
A12:ストリップ位置P1→検査位置P2(t1):10msec、
A12:検査位置P2→圧着位置P3(t2);10msec、
A13:圧着位置P3→検査位置P2(t5);15msec、
A15:検査位置P2→払い出し位置P5(t6);25msec、
移動時間の合計(t1+t2+t5+t6);60msec。
【0031】
このように、本発明では、圧着位置から圧着状態検査位置までの時間(t5)が、従来例(t3)よりも短くなる。一方で、圧着状態検査位置から払い出し位置までの時間(t6)は増加しているが、この増加分を圧着状態検査位置までの時間短縮でほぼ相殺している。この結果、全体のタクトタイムの増加を抑えることができる。
【0032】
さらに、ストリップ状態検査装置を圧着状態検査にも使用した結果、切断電線の検査に必要なカメラを1台のみとすることができ、設備費を削減できるとともに機台上の各装置のレイアウトをシンプルにできる。この検査位置P2は、被写体の背景が安定している位置であるので、画像を的確に撮影できる。また、光センサを用いる既設の圧着機の改造にも便利である。
【0033】
次に、図5図6を参照して、カメラを備えた皮むき装置について説明する。この例では、上下一対の刃を2種類有するツインブレードタイプの皮むき装置を示す。電線の種類に応じて刃を選択することができる。
皮むき装置70は、2種類の上下刃71A及び72Aと、71B及び72Bを有する。各上刃71A、71Bは、上ホルダ74に保持され、下刃72A、72Bは下ホルダ75に保持されている。電線の種類に応じて、いずれかの上下刃が選択される。
【0034】
上下ホルダ74、75は、駆動部80によって、上下方向の反対方向に駆動される。駆動部80は、上下方向に延びる上下のリニアウェイ81、82と、上下のリニアウェイ81、82にスライド可能に係合する上下のスライダ83、84と、上下のリニアウェイ81、82と平行に延びるボールねじ86と、ボールねじ86を駆動するモータ87を備える。これらは、縦長のハウジング89に収容されている。上下のリニアウェイ81、82は、上下方向に離れてハウジング(台)89に固定されている。上下のスライダ83、84は、各々リニアウェイ81、82にスライド可能に係合するとともに、各々軸受(図示されず)を介してボールねじ86に係合している。ボールねじ86においては、上スライダ81が係合する上部に形成されているねじの向きと、下スライダ84が係合する下部に形成されているねじの向きが逆になっている。このような構成により、ボールねじ86がモータ87で回転すると、上下のスライダ83、84は、各々上下のリニアウェイ81、82に沿って上下方向の反対方向に移動する。したがって、上下のホルダ74、75は、互いに接近する方向及び離間する方向に等しい距離移動する。
【0035】
上下のホルダ74、75は駆動部80によって、各々の上下刃間の間隔が十分に開いた全開位置と、上下の刃が一部重なるストリップ位置をとるように駆動される。ストリップ位置においては、上下の刃により電線の被覆に切れ目が形成される。
【0036】
検査装置(カメラ)130は、カメラ本体131とストロボ133とを有し、図5に示すように、皮むき装置70の、切断電線の移動方向における下流側に配置されている。カメラ本体131は上ホルダ135に支持されており、ストロボ133は下ホルダ137に支持されている。一方、皮むき装置70の縦長ハウジング89の、移動方向の下流側に面にはカメラ支持用のブラケット(台)141が取り付けられている。このブラケット141には、上下方向に延びる2本のガイド143が設けられている。上下のホルダ135、137は、このガイド143にスライド可能に係合している。したがって、カメラ本体131とストロボ133は、このガイド143に沿って上下方向に高さ調整可能となっている。これにより、カメラ本体131やストロボ133の高さが、カメラのピントが電線Wの搬送高さHに合うように調整される。
【0037】
このように、皮むき装置70に検査装置130を取り付けることにより、皮むき位置と撮影位置が接近するので、皮むき時や撮影時の、電線Wの平面内や高さ方向における位置合わせをしやすくなる。また、両装置が1台の装置で済むので、レイアウトしやすくなり、装置全体の構成を単純にできる。
【0038】
なお、ストリップ後の電線の検査部位と、端子圧着された電線の検査部位との、電線の長手方向(X方向)における位置はやや異なる。カメラ130は平面上の位置が固定されているので、各検査部位がカメラの視野に収まるように、切断電線のテールクランプ装置40は、電線長手方向に移動可能となっている。端子圧着状態を検査する際は、図7に示すように、切断電線Wのテール(2側端部)に圧着された端子TのインシュレーションバレルT1、ワイヤーバレルT2、被覆Sの端部S1、芯線Cの先端C1が、カメラの視野(例えば、直径20mmの円内)に入るように、クランプ装置40を電線長手方向に移動させる。
【符号の説明】
【0039】
1 端子圧着電線製造装置
10 電線送給装置 20 トップクランプ装置
30 切断装置 40 テールクランプ装置
50 トップ皮むき装置 60 トップ端子圧着装置
70 テール皮むき装置 71 上刃
72 下刃 74 上ホルダ
75 下ホルダ 80 駆動部
81、82 リニアウェイ 83、84 スライダ
86 ボールねじ 87 モータ
89 ハウジング
100 テール端子圧着装置 110 払い出し装置
120 検査装置
130、150 検査装置(カメラ)
131 カメラ本体 133 ストロボ
135 上ホルダ 137 下ホルダ
141 ブラケット 143 ガイド
160 検査装置(カメラ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7