(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
操作者のブレーキ操作が入力される入力装置と、少なくとも前記ブレーキ操作に応じた電気信号に基づいてブレーキ液圧を発生させる電動ブレーキアクチュエータと、を備えた車両用ブレーキシステムにおける前記電動ブレーキアクチュエータの車体取付構造であって、
前記電動ブレーキアクチュエータは、前記電気信号に基づいて駆動力を発生させるアクチュエータ機構と、前記アクチュエータ機構から伝達される駆動力によりピストンを軸方向に移動させることでブレーキ液に圧力を付与するシリンダ機構とを有し、
前記シリンダ機構には、未加工のボスが予め複数形成され、
一の前記ボスは前記電動ブレーキアクチュエータを車体に取り付けるマウント用として形成され、他の前記ボスは前記シリンダ機構と連通するポート用として形成され、
前記ポート用のボスには、ブレーキ液が入力される入力ポートと、ブレーキ液が出力される出力ポートとが、同一のボスに形成されていることを特徴とする電動ブレーキアクチュエータの車体取付構造。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下の説明において、モータシリンダ装置16,16A,16C,16Dにおけるボスと入出力ポートとの関係については、参考形態とする。
図1は、本発明の実施形態に係る電動ブレーキアクチュエータの車体取付構造が適用された車両用ブレーキシステムの車両Vにおける配置構成を示す図である。なお、車両Vの前後左右の方向を
図1に矢印で示す。
【0021】
図1に示す車両用ブレーキシステム10は、通常時用として、電気信号を伝達してブレーキを作動させるバイ・ワイヤ(By Wire)式のブレーキシステムと、フェイルセイフ時用として、油圧を伝達してブレーキを作動させる旧来の油圧式のブレーキシステムの双方を備えて構成される。
【0022】
このため、車両用ブレーキシステム10は、操作者のブレーキ操作が入力される入力装置14と、少なくとも前記ブレーキ操作に応じた電気信号に基づいてブレーキ液圧を発生させる電動ブレーキアクチュエータとしてのモータシリンダ装置16と、モータシリンダ装置16で発生したブレーキ液圧に基づいて車両の挙動の安定化を支援する車両挙動安定化装置としてのビークルスタビリティアシスト装置18(以下、VSA装置18という、VSA;登録商標)とを備えて構成されている。
【0023】
これらの入力装置14、モータシリンダ装置16、及び、VSA装置18は、車両Vのダッシュボード2の前方に設けられたエンジンや走行用モータ等の構造物3が搭載されるエンジンルーム(構造物搭載室)Rに、配管チューブ22a〜22fを介して互いに分離して配置されている。また、バイ・ワイヤ式のブレーキシステムとして、入力装置14とモータシリンダ装置16とは、図示しないハーネスによって図示しない制御手段と電気的に接続されている。
【0024】
なお、モータシリンダ装置16は、運転者のブレーキ操作に応じた電気信号だけではなく、他の物理量に応じた電気信号に基づいて液圧を発生させる手段を備えていてもよい。他の物理量に応じた電気信号とは、例えば、自動ブレーキシステムのような、運転者のブレーキ操作によらずに、ECU(Electronic Control Unit)が車両Vの周囲の状況をセンサ等で判断して、車両Vの衝突等を回避するための信号などである。
【0025】
VSA装置18は、例えば、ブレーキ時の車輪ロックを防ぐABS(アンチロック・ブレーキ・システム)機能、加速時などの車輪空転を防ぐTCS(トラクション・コントロール・システム)機能、旋回時の横すべりを抑制する機能などを備えて構成され、車幅方向の右端の前側に、例えばブラケットを介して車体に取り付けられている。なお、車両挙動安定化装置としては、VSA装置18に限定されるものではなく、ブレーキ時の車輪ロックを防ぐABS(アンチロック・ブレーキ・システム)機能のみを有するABS装置であってもよい。
【0026】
図2は、車両用ブレーキシステム10の概略構成図である。
液圧路について説明すると、
図2中の連結点A1を基準として、入力装置14の接続ポート20aと連結点A1とが第1配管チューブ22aによって接続され、また、モータシリンダ装置16の出力ポート24aと連結点A1とが第2配管チューブ22bによって接続され、さらに、VSA装置18の導入ポート26aと連結点A1とが第3配管チューブ22cによって接続されている。
【0027】
図2中の他の連結点A2を基準として、入力装置14の他の接続ポート20bと連結点A2とが第4配管チューブ22dによって接続され、また、モータシリンダ装置16の他の出力ポート24bと連結点A2とが第5配管チューブ22eによって接続され、さらに、VSA装置18の他の導入ポート26bと連結点A2とが第6配管チューブ22fによって接続されている。
【0028】
VSA装置18には、複数の導出ポート28a〜28dが設けられる。第1導出ポート28aは、第7配管チューブ22gによって右側前輪に設けられたディスクブレーキ機構30aのホイールシリンダ32FRと接続される。第2導出ポート28bは、第8配管チューブ22hによって左側後輪に設けられたディスクブレーキ機構30bのホイールシリンダ32RLと接続される。第3導出ポート28cは、第9配管チューブ22iによって右側後輪に設けられたディスクブレーキ機構30cのホイールシリンダ32RRと接続される。第4導出ポート28dは、第10配管チューブ22jによって左側前輪に設けられたディスクブレーキ機構30dのホイールシリンダ32FLと接続される。
【0029】
この場合、各導出ポート28a〜28dに接続される配管チューブ22g〜22jによってブレーキ液がディスクブレーキ機構30a〜30dの各ホイールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FLに対して供給され、各ホイールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FL内の液圧が上昇することにより、各ホイールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FLが作動し、対応する車輪(右側前輪、左側後輪、右側後輪、左側前輪)に対して制動力が付与される。
【0030】
なお、車両用ブレーキシステム10は、例えば、エンジン(内燃機関)のみによって駆動される自動車、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車等を含む各種車両に対して搭載可能に設けられる。また、車両用ブレーキシステム10は、前輪駆動、後輪駆動、四輪駆動のいずれにも適用可能である。
【0031】
入力装置14は、運転者によるブレーキペダル12の操作によって液圧を発生可能なタンデム式のマスタシリンダ34と、前記マスタシリンダ34に付設された第1リザーバ36とを有する。このマスタシリンダ34のシリンダチューブ38内には、前記シリンダチューブ38の軸方向に沿って所定間隔離間する2つのピストン40a、40bが摺動自在に配設される。一方のピストン40aは、ブレーキペダル12に近接して配置され、プッシュロッド42を介してブレーキペダル12と連結される。また、他方のピストン40bは、一方のピストン40aよりもブレーキペダル12から離間して配置される。
【0032】
この一方及び他方のピストン40a、40bの外周面には、環状段部を介して一対のピストンパッキン44a、44bがそれぞれ装着される。一対のピストンパッキン44a、44bの間には、それぞれ、後記するサプライポート46a、46bと連通する背室48a、48bが形成される。また、一方及び他方のピストン40a、40bとの間には、ばね部材50aが配設され、他方のピストン40bとシリンダチューブ38の側端部との間には、他のばね部材50bが配設される。なお、ピストン40a、40bの外周面にピストンパッキン44a、44bを設ける代わりに、シリンダチューブ38の内周面にパッキンを配設してもよい。
【0033】
マスタシリンダ34のシリンダチューブ38には、2つのサプライポート46a、46bと、2つのリリーフポート52a、52bと、2つの出力ポート54a、54bとが設けられる。この場合、各サプライポート46a(46b)及び各リリーフポート52a(52b)は、それぞれ合流して第1リザーバ36内の図示しないリザーバ室と連通するように設けられる。
【0034】
また、マスタシリンダ34のシリンダチューブ38内には、運転者(操作者)がブレーキペダル12を踏み込む踏力に対応したブレーキ液圧を発生させる第1圧力室56a及び第2圧力室56bが設けられる。第1圧力室56aは、第1液圧路58aを介して接続ポート20aと連通するように設けられ、第2圧力室56bは、第2液圧路58bを介して他の接続ポート20bと連通するように設けられる。
【0035】
マスタシリンダ34と接続ポート20aとの間であって、第1液圧路58aの上流側には圧力センサPmが配設されると共に、第1液圧路58aの下流側には、ノーマルオープンタイプ(常開型)のソレノイドバルブからなる第1遮断弁60aが設けられる。この圧力センサPmは、第1液圧路58a上において、第1遮断弁60aよりもマスタシリンダ34側の上流の液圧を検知するものである。
【0036】
マスタシリンダ34と他の接続ポート20bとの間であって、第2液圧路58bの上流側には、ノーマルオープンタイプ(常開型)のソレノイドバルブからなる第2遮断弁60bが設けられると共に、第2液圧路58bの下流側には、圧力センサPpが設けられる。この圧力センサPpは、第2液圧路58b上において、第2遮断弁60bよりもホイールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FL側の下流側の液圧を検知するものである。
【0037】
この第1遮断弁60a及び第2遮断弁60bにおけるノーマルオープンとは、ノーマル位置(消磁(非通電)時の弁体の位置)が開位置の状態(常時開)となるように構成されたバルブをいう。なお、
図2において、第1遮断弁60a及び第2遮断弁60bは励磁時の状態を示す(後記する第3遮断弁62も同様)。
【0038】
マスタシリンダ34と第2遮断弁60bとの間の第2液圧路58bには、前記第2液圧路58bから分岐する分岐液圧路58cが設けられ、前記分岐液圧路58cには、ノーマルクローズタイプ(常閉型)のソレノイドバルブからなる第3遮断弁62と、ストロークシミュレータ64とが直列に接続される。この第3遮断弁62におけるノーマルクローズとは、ノーマル位置(消磁(非通電)時の弁体の位置)が閉位置の状態(常時閉)となるように構成されたバルブをいう。
【0039】
このストロークシミュレータ64は、第2液圧路58b上であって、第2遮断弁60bよりもマスタシリンダ34側に配置されている。前記ストロークシミュレータ64には、分岐液圧路58cに連通する液圧室65が設けられ、前記液圧室65を介して、マスタシリンダ34の第2圧力室56bから導出されるブレーキ液(ブレーキフルード)が吸収可能に設けられる。
【0040】
また、ストロークシミュレータ64は、互いに直列に配置されたばね定数の高い第1リターンスプリング66aとばね定数の低い第2リターンスプリング66bと、前記第1及び第2リターンスプリング66a、66bによって付勢されるシミュレータピストン68とを備え、ブレーキペダル12の踏み込み前期時にペダル反力の増加勾配を低く設定し、踏み込み後期時にペダル反力を高く設定してブレーキペダル12のペダルフィーリングを既存のマスタシリンダと同等となるように設けられている。
【0041】
液圧路は、大別すると、マスタシリンダ34の第1圧力室56aと複数のホイールシリンダ32FR、32RLとを接続する第1液圧系統70aと、マスタシリンダ34の第2圧力室56bと複数のホイールシリンダ32RR、32FLとを接続する第2液圧系統70bとから構成される。
【0042】
第1液圧系統70aは、入力装置14におけるマスタシリンダ34(シリンダチューブ38)の出力ポート54aと接続ポート20aとを接続する第1液圧路58aと、入力装置14の接続ポート20aとモータシリンダ装置16の出力ポート24aとを接続する配管チューブ22a、22bと、モータシリンダ装置16の出力ポート24aとVSA装置18の導入ポート26aとを接続する配管チューブ22b、22cと、VSA装置18の導出ポート28a、28bと各ホイールシリンダ32FR、32RLとをそれぞれ接続する配管チューブ22g、22hとによって構成される。
【0043】
第2液圧系統70bは、入力装置14におけるマスタシリンダ34(シリンダチューブ38)の出力ポート54bと他の接続ポート20bとを接続する第2液圧路58bと、入力装置14の他の接続ポート20bとモータシリンダ装置16の出力ポート24bとを接続する配管チューブ22d、22eと、モータシリンダ装置16の出力ポート24bとVSA装置18の導入ポート26bとを接続する配管チューブ22e、22fと、VSA装置18の導出ポート28c、28dと各ホイールシリンダ32RR、32FLとをそれぞれ接続する配管チューブ22i、22jとを有する。
【0044】
この結果、液圧路が第1液圧系統70aと第2液圧系統70bとによって構成されることにより、各ホイールシリンダ32FR、32RLと各ホイールシリンダ32RR、32FLとをそれぞれ独立して作動させ、相互に独立した制動力を発生させることができる。
【0045】
モータシリンダ装置16は、電動モータ72及び駆動力伝達部73を備えたアクチュエータ機構74と、アクチュエータ機構74によって付勢されるシリンダ機構76とを有する。また、アクチュエータ機構74の駆動力伝達部73は、電動モータ72の回転駆動力を伝達するギヤ機構(減速機構)78と、この回転駆動力を直線方向駆動力に変換する、ボールねじ軸80a及びボール80bを含むボールねじ構造体80とを有している。
【0046】
シリンダ機構76は、略円筒状のシリンダ本体82と、前記シリンダ本体82に付設された第2リザーバ84とを有する。第2リザーバ84は、入力装置14のマスタシリンダ34に付設された第1リザーバ36と配管チューブ86で接続され、第1リザーバ36内に貯留されたブレーキ液が配管チューブ86を介して第2リザーバ84内に供給されるように設けられる。
【0047】
シリンダ本体82内には、前記シリンダ本体82の軸方向に沿って所定間隔離間する第1スレーブピストン88a及び第2スレーブピストン88bが摺動自在に配設される。第1スレーブピストン88aは、ボールねじ構造体80側に近接して配置され、ボールねじ軸80aの一端部に当接して前記ボールねじ軸80aと一体的に矢印X1又はX2方向に変位する。また、第2スレーブピストン88bは、第1スレーブピストン88aよりもボールねじ構造体80側から離間して配置される。
【0048】
この第1及び第2スレーブピストン88a、88bの外周面には、環状段部を介して一対のスレーブピストンパッキン90a、90bがそれぞれ装着される。一対のスレーブピストンパッキン90a、90bの間には、それぞれ、後記するリザーバポート92a、92bとそれぞれ連通する第1背室94a及び第2背室94bが形成される。また、第1及び第2スレーブピストン88a、88bとの間には、第1リターンスプリング96aが配設され、第2スレーブピストン88bとシリンダ本体82の側端部と間には、第2リターンスプリング96bが配設される。
【0049】
シリンダ機構76のシリンダ本体82には、2つのリザーバポート92a、92bと、2つの出力ポート24a、24bとが設けられる。この場合、リザーバポート92a(92b)は、第2リザーバ84内の図示しないリザーバ室と連通するように設けられる。
【0050】
また、シリンダ本体82内には、出力ポート24aからホイールシリンダ32FR、32RL側へ出力されるブレーキ液圧を発生させる第1液圧室98aと、他の出力ポート24bからホイールシリンダ32RR、32FL側へ出力されるブレーキ液圧を発生させる第2液圧室98bが設けられる。
【0051】
なお、第1スレーブピストン88aと第2スレーブピストン88bとの間には、第1スレーブピストン88aと第2スレーブピストン88bの最大距離と最小距離とを規制する規制手段100が設けられ、さらに、第2スレーブピストン88bには、前記第2スレーブピストン88bの摺動範囲を規制して、第1スレーブピストン88a側へのオーバーリターンを阻止するストッパピン102が設けられ、これによって、特に、マスタシリンダ34で発生したブレーキ液圧で制動するバックアップ時において、1系統の失陥時に他系統の失陥が防止される。
【0052】
VSA装置18は、周知のものからなり、右側前輪及び左側後輪のディスクブレーキ機構30a、30b(ホイールシリンダ32FR、ホイールシリンダ32RL)に接続された第1液圧系統70aを制御する第1ブレーキ系110aと、右側後輪及び左側後輪のディスクブレーキ機構30c、30d(ホイールシリンダ32RR、ホイールシリンダ32FL)に接続された第2液圧系統70bを制御する第2ブレーキ系110bとを有する。なお、第1ブレーキ系110aは、左側前輪及び右側前輪に設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統で、第2ブレーキ系110bは、左側後輪及び右側後輪に設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統であってもよい。さらに、第1ブレーキ系110aは、車体片側の右側前輪及び右側後輪に設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統からなり、第2ブレーキ系110bは、車体片側の左側前輪及び左側後輪に設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統であってもよい。
【0053】
この第1ブレーキ系110a及び第2ブレーキ系110bは、それぞれ同一構造からなるため、第1ブレーキ系110aと第2ブレーキ系110bで対応するものには同一の参照符号を付していると共に、第1ブレーキ系110aの説明を中心にして、第2ブレーキ系110bの説明を括弧書きで適宜付記する。
【0054】
第1ブレーキ系110a(第2ブレーキ系110b)は、ホイールシリンダ32FR、32RL(32RR、32FL)に対して、共通する第1共通液圧路112及び第2共通液圧路114を有する。VSA装置18は、導入ポート26aと第1共通液圧路112との間に配置されたノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなるレギュレータバルブ116と、前記レギュレータバルブ116と並列に配置され導入ポート26a側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から導入ポート26a側へのブレーキ液の流通を阻止する)第1チェックバルブ118と、第1共通液圧路112と第1導出ポート28aとの間に配置されたノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなる第1インバルブ120と、前記第1インバルブ120と並列に配置され第1導出ポート28a側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から第1導出ポート28a側へのブレーキ液の流通を阻止する)第2チェックバルブ122と、第1共通液圧路112と第2導出ポート28bとの間に配置されたノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなる第2インバルブ124と、前記第2インバルブ124と並列に配置され第2導出ポート28b側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から第2導出ポート28b側へのブレーキ液の流通を阻止する)第3チェックバルブ126とを備える。
【0055】
さらに、VSA装置18は、第1導出ポート28aと第2共通液圧路114との間に配置されたノーマルクローズタイプのソレノイドバルブからなる第1アウトバルブ128と、第2導出ポート28bと第2共通液圧路114との間に配置されたノーマルクローズタイプのソレノイドバルブからなる第2アウトバルブ130と、第2共通液圧路114に接続されたリザーバ132と、第1共通液圧路112と第2共通液圧路114との間に配置されて第2共通液圧路114側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から第2共通液圧路114側へのブレーキ液の流通を阻止する)第4チェックバルブ134と、前記第4チェックバルブ134と第1共通液圧路112との間に配置されて第2共通液圧路114側から第1共通液圧路112側へブレーキ液を供給するポンプ136と、前記ポンプ136の前後に設けられ第2共通液圧路114側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から第2共通液圧路114側へのブレーキ液の流通を阻止する)吸入弁138及び吐出弁140と、前記ポンプ136を駆動するモータMと、第2共通液圧路114と導入ポート26aとの間に配置されるサクションバルブ142とを備える。
【0056】
なお、第1ブレーキ系110aにおいて、導入ポート26aに近接する液圧路上には、モータシリンダ装置16の出力ポート24aから出力され、前記モータシリンダ装置16の第1液圧室98aで発生したブレーキ液圧を検知する圧力センサPhが設けられる。各圧力センサPm、Pp、Phで検出された検出信号は、図示しない制御手段に導入される。
本実施形態に係る車両用ブレーキシステム10は、基本的に以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
【0057】
車両用ブレーキシステム10が正常に機能する正常時には、ノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなる第1遮断弁60a及び第2遮断弁60bが励磁で弁閉状態となり、ノーマルクローズタイプのソレノイドバルブからなる第3遮断弁62が励磁で弁開状態となる(
図2参照)。従って、第1遮断弁60a及び第2遮断弁60bによって第1液圧系統70a及び第2液圧系統70bが遮断されているため、入力装置14のマスタシリンダ34で発生したブレーキ液圧がディスクブレーキ機構30a〜30dのホイールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FLに伝達されることはない。
【0058】
このとき、マスタシリンダ34の第2圧力室56bで発生したブレーキ液圧は、分岐液圧路58c及び弁開状態にある第3遮断弁62を経由してストロークシミュレータ64の液圧室65に伝達される。この液圧室65に供給されたブレーキ液圧によってシミュレータピストン68がリターンスプリング66a、66bのばね力に抗して変位することにより、ブレーキペダル12のストロークが許容されると共に、擬似的なペダル反力を発生させてブレーキペダル12に付与される。この結果、運転者にとって違和感のないブレーキフィーリングが得られる。
【0059】
このようなシステム状態において、図示しない制御手段は、運転者によるブレーキペダル12の踏み込みを検出すると、モータシリンダ装置16の電動モータ72を駆動させてアクチュエータ機構74を付勢し、第1リターンスプリング96a及び第2リターンスプリング96bのばね力に抗して第1スレーブピストン88a及び第2スレーブピストン88bを
図2中の矢印X1方向に向かって変位させる。この第1スレーブピストン88a及び第2スレーブピストン88bの変位によって第1液圧室98a及び第2液圧室98b内のブレーキ液圧がバランスするように加圧されて所望のブレーキ液圧が発生する。
【0060】
このモータシリンダ装置16における第1液圧室98a及び第2液圧室98bのブレーキ液圧は、VSA装置18の弁開状態にある第1、第2インバルブ120、124を介してディスクブレーキ機構30a〜30dのホイールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FLに伝達され、前記ホイールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FLが作動することにより各車輪に所望の制動力が付与される。
【0061】
換言すると、本実施形態に係る車両用ブレーキシステム10では、電動ブレーキアクチュエータ(動力液圧源)として機能するモータシリンダ装置16やバイ・ワイヤ制御する図示しないECU等の制御手段が作動可能な正常時において、運転者がブレーキペダル12を踏むことでブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ34と各車輪を制動するディスクブレーキ機構30a〜30d(ホイールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FL)との連通を第1遮断弁60a及び第2遮断弁60bで遮断した状態で、モータシリンダ装置16が発生するブレーキ液圧でディスクブレーキ機構30a〜30dを作動させるという、いわゆるブレーキ・バイ・ワイヤ方式のブレーキシステムがアクティブになる。このため、本実施形態では、例えば、電気自動車等のように、旧来から用いられていた内燃機関による負圧が存在しない車両に好適に適用することができる。
【0062】
一方、モータシリンダ装置16等が作動不能となる異常時では、第1遮断弁60a及び第2遮断弁60bをそれぞれ弁開状態とし、且つ、第3遮断弁62を弁閉状態としてマスタシリンダ34で発生するブレーキ液圧をディスクブレーキ機構30a〜30d(ホイールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FL)に伝達して、前記ディスクブレーキ機構30a〜30d(ホイールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FL)を作動させるという、いわゆる旧来の油圧式のブレーキシステムがアクティブになる。
【0063】
次に、モータシリンダ装置16についてさらに詳細に説明する。
図3はモータシリンダ装置の分解斜視図、
図4は駆動力伝達部の分解斜視図、
図5はモータシリンダ装置の斜め下方から見た斜視図、
図6はモータシリンダ装置を車体に取り付ける方法を説明するための分解斜視図、
図7はモータシリンダ装置の側面図である。
【0064】
図3に示すように、モータシリンダ装置16は、図示しない制御手段からの電気信号に基づいて駆動する電動モータ72と、電動モータ72による駆動力を伝達する駆動力伝達部73と、駆動力伝達部73から伝達される駆動力により第1及び第2スレーブピストン88a、88b(
図2参照)を軸方向に移動させることでブレーキ液に圧力を付与するシリンダ機構76とを有している。なお、電動モータ72と駆動力伝達部73とで、特許請求の範囲に記載のアクチュエータ機構74が構成されている。
【0065】
電動モータ72、駆動力伝達部73、及びシリンダ機構76は、互いに分離可能に構成されている。電動モータ72は、図示しないハーネスが接続される基部161を有しており、基部161にはボルト201が挿通される貫通孔162が複数形成されている。また、シリンダ機構76のシリンダ本体82の駆動力伝達部73側の端部には、フランジ部82aが設けられており、フランジ部82aにはボルト202が挿通される貫通孔82bが複数形成されている。
【0066】
駆動力伝達部73は、ギヤ機構、ボールねじ構造体等の駆動力伝達用機械要素(不図示)を内部に収容するケース体171を有している。ケース体171は、シリンダ機構76側に配置されるハウジング172と、ハウジング172のシリンダ機構76と反対側の開口端を覆うカバー173とを備えている。駆動力伝達部73のハウジング172及びカバー173は、アルミニウム合金等の金属から形成されている(シリンダ機構76のシリンダ本体82も同様)。
【0067】
駆動力伝達部73のハウジング172には、電動モータ72を駆動力伝達部73に取り付けるためのモータ取付用ねじ孔174が前記貫通孔162と対応する位置に形成されている。また、ハウジング172のシリンダ機構76側の端部には、フランジ部175が設けられており、フランジ部175には、シリンダ機構76を駆動力伝達部73に取り付けるためのシリンダ機構取付用ねじ孔176が前記貫通孔82bと対応する位置に形成されている。
【0068】
また、駆動力伝達部73のハウジング172には、電動モータ72の基部161が取り付けられるモータ取付面172aがシリンダ機構76の軸方向に向けて形成されている。また、ハウジング172のフランジ部175には、シリンダ機構76のフランジ部82aが取り付けられるシリンダ機構取付面172bが、シリンダ機構の軸方向に向けて形成されている。また、シリンダ機構取付面172bは、モータ取付面172aよりもシリンダ機構76側に突出して形成されている。また、シリンダ機構取付面172bの上方にモータ取付面172aが形成され、電動モータ72がシリンダ機構76の上方に位置している。
【0069】
シリンダ機構76は、略円筒状のシリンダ本体82を有し、このシリンダ本体82の基端にフランジ部82aが形成され、先端側に互いに軸方向(中心軸CL)に間隔を開けてボス83a、83b、85a、85bが突出して形成されている。ボス83a、83bは、車幅方向の外側(左側)に向けて形成され、ボス85a、85bは、車幅方向の内側(右側)に向けて形成されている。
【0070】
ボス83a、83bは、第2マウント部用(マウント用)として加工されるものであり、略円柱状に形成されたものである。ボス83a、83bは、先端面からシリンダ機構76の内側に向けて円形のマウント穴83a1、83b1が形成される。なお、図示していないが、マウント穴83a1、83b1は、その底面に後記するボルト206(
図6参照)がねじ込まれるねじ穴を有している。また、マウント穴83a1、83b1は、シリンダ本体82内の第1液圧室98a、第2液圧室98bと連通しないように形成されている。
【0071】
一方、ボス85a、85bは、ポート用として加工されるものであり、略円柱状に形成されたものである。ボス85aは、シリンダ本体82内の第1液圧室98aと連通するように出力ポート24aが形成されている。またボス85bは、シリンダ本体82内の第2液圧室98bと連通するように出力ポート24bが形成されている。
【0072】
そして、電動モータ72は、ボルト201を貫通孔162に挿通させてモータ取付用ねじ孔174にねじ込むことによって、駆動力伝達部73に取り付けられて固定される。また、シリンダ機構76は、ボルト202を貫通孔82bに挿通させてシリンダ機構取付用ねじ孔176にねじ込むことによって、駆動力伝達部73に取り付けられて固定される。
【0073】
図4に示すように、ケース体171(
図3参照)の内部に、ギヤ機構78とボールねじ構造体80とが収容されている。ギヤ機構78は、電動モータ72の出力軸に固定されたピニオンギア78a(
図2参照)と、ピニオンギア78aに噛合されるアイドルギア78bと、アイドルギア78bに噛合されるリングギア78cとを備えている。また、ボールねじ構造体80は、先端側が第1スレーブピストン88aに連結されるボールねじ軸80aと、ボールねじ軸80a上のねじ溝に配置されるボール80b(
図2参照)と、ボール80bを介してボールねじ軸80aに螺合されるナット部80cとを備えている。
【0074】
そして、ナット部80cは、リングギア78cの内周面に例えば圧入されて固定されており、これにより、ギヤ機構78から伝達される回転駆動力は、ナット部80cに入力された後、ボールねじ構造体80によって直線方向駆動力に変換され、ボールねじ軸80aが軸方向に沿って進退動作することができる。
【0075】
ケース体171のハウジング172とカバー173とは、互いに分離可能に構成されている。第1及び第2スレーブピストン88a、88b(
図2参照)の中心軸CL(
図3参照)周りに位置するように、ハウジング172にはボルト203が挿通される貫通孔177が複数形成されており、カバー173の貫通孔177と対応する位置には、ハウジング取付用ねじ孔178が複数形成されている。そして、ボルト203を貫通孔177に挿通させてハウジング取付用ねじ孔178にねじ込むことによって、ハウジング172とカバー173とが互いに結合されている。なお、
図4中の符号179は、電動モータ72の出力軸の先端を回転可能に支持する軸受を示しており、この軸受179は、カバー173に形成された穴部180に嵌着される。
【0076】
図5に示すように、モータシリンダ装置16には、当該モータシリンダ装置16をサイドフレーム等の車体1(
図1参照)に取り付けるための第1マウント部181が設けられている。第1マウント部181は、中心軸CL(
図3参照)方向のカバー173側から見て、左方に位置する左マウント穴182、右方に位置する右マウント穴183、及び下方に位置する下マウント穴184を有する。左右下の各マウント穴182〜184は、それぞれ円柱状の凹部を呈している。また、第1マウント部181は、左マウント穴182と右マウント穴183との共通軸心に沿って形成され中心軸CL(
図3参照)に直交する軸心を有する貫通孔185を有している。
【0077】
第1マウント部181は、モータシリンダ装置16の重心近傍に設けられている。具体的には、電動モータ72、駆動力伝達部73、及びシリンダ機構76のうちでモータシリンダ装置16の重心位置が存在する部分(又は重心位置に最も近い部分)、ここでは、駆動力伝達部73に、第1マウント部181が設けられている。より詳細には、第1マウント部181は、モータ取付用ねじ孔174(
図4参照)が形成された駆動力伝達部73のハウジング172に設けられている。但し、第1マウント部181の設置位置は、モータシリンダ装置16の重心近傍であればよく、必ずしも駆動力伝達部73やハウジング172に限定されるものではない。このような構成によれば、モータシリンダ装置16の重心近傍を支持することができ、振動等の力を受けた場合でも振れを少なくすることができる。
【0078】
図6に示すように、モータシリンダ装置16は、第1マウント部181(
図5参照)に対し、取付用ブラケット190を介して、サイドフレーム等の車体1(
図1参照)に取り付けられる。また、モータシリンダ装置16は、第2マウント部(ボス83a、83b)に対し、取付用ブラケット213を介して、サイドフレーム等の車体1(
図1参照)に取り付けられる。
【0079】
取付用ブラケット190は、ボルト(おねじ部材)204を用いたねじ締結によりモータシリンダ装置16を左右方向から挟んで支持するための一対の側板195、195と、一対の側板195、195の両下辺に連接されモータシリンダ装置16の中間部(中央部)を下方から支持する略水平な底板194とから構成される支持板192を備えている。また、取付用ブラケット190は、側板195、195及び底板194に連接され略鉛直方向に沿う背板191と、背板191に連接され車体側に固定するための固定板193とを備えている。背板191の中央付近には、カバー173の突出部173aが挿通される開口191aが形成されている。
【0080】
一方の側板195には、ボルト204が挿通可能な略U字形状の切欠き195aが形成されており、他方の側板195には、ボルト204が挿通される貫通孔195bが形成されている。側板195の貫通孔195bの外側には、ボルト204が螺合可能なナット195cが例えば溶接により固着されている。また、底板194の上面中央には、ピン194aが立設されている。
【0081】
モータシリンダ装置16を取付用ブラケット190に取り付ける場合、長尺の円筒形状の第1カラー198、ゴムブッシュ196、筒部197aとその端部に形成されたフランジ197bとを備えた第2カラー197、及びボルト204を使用する。ゴムブッシュ196は、振動や衝撃を吸収し得るゴム製の略円筒形状の緩衝部材である。
【0082】
まず、取付用ブラケット190の貫通孔185の内部に第1カラー198を挿入して配置する。続いて、第2カラー197の筒部197aをゴムブッシュ196の中央孔に嵌入させたものを、左マウント穴182と右マウント穴183との中にそれぞれ嵌入させて装着する。また、ゴムブッシュ196を下マウント穴184の中に嵌入させて装着する。そして、下マウント穴184に装着されたゴムブッシュ196の中央孔にピン194aが嵌入されるように、モータシリンダ装置16を、取付用ブラケット190の底板194上に設置する。こうして、下マウント穴184により、モータシリンダ装置16の中間部が下方から支持される。
【0083】
モータシリンダ装置16を底板194上に設置すると、モータシリンダ装置16の左マウント穴182及び右マウント穴183にそれぞれ装着されたゴムブッシュ196及び第2カラー197が、側板195の切欠き195a及び貫通孔195bにそれぞれ臨む。したがって、ボルト204を、切欠き195a、第2カラー197、ゴムブッシュ196、第1カラー198、ゴムブッシュ196、及び第2カラー197に順に挿通させて、ナット195cにねじ込むことができる。このときボルト204は、貫通孔185に挿通されることになる。こうして、左マウント穴182及び右マウント穴183により、モータシリンダ装置16は左右方向から一対の側板195、195に挟まれるようにして支持される。
【0084】
そして、取付用ブラケット190の固定板193が、直接又は他の図示しない連結部材を介して、サイドフレーム等の車体1(
図1参照)にねじ締結、溶接等により固定される。
【0085】
以上のように、第1マウント部181を使用することにより、モータシリンダ装置16の左右下の三方を支持してモータシリンダ装置16を車体側に取り付けることが可能である。また、モータシリンダ装置16の第1マウント部181は、ゴムブッシュ196を介して車体側にフローティング支持(弾性支持)されているため、振動や衝撃を吸収することができる。
【0086】
一方、取付用ブラケット213は、鋼製の板材などで形成され、ボス83a、83bのマウント穴83a1、83b1と対応する位置に締結用のボルト206が挿通可能な貫通孔213aが形成されている。
【0087】
モータシリンダ装置16を取付用ブラケット213に取り付ける場合、ゴムブッシュ214、円筒形状のカラー215、及びボルト206を使用する。ゴムブッシュ214は、振動や衝撃を吸収し得るゴム製の略円筒形状の緩衝部材であり、マウント穴83a1、83b1に嵌入可能な形状を有している。
【0088】
まず、ゴムブッシュ214の中央孔にカラー215を嵌入し、マウント穴83a1、83b1にゴムブッシュ214を押圧して嵌入する。そして、ボルト206を取付用ブラケット213の貫通孔213、カラー215に挿通して、ボルト206をマウント穴83a1、83b1に形成されたねじ穴(不図示)にねじ込むことで、モータシリンダ装置16が取付用ブラケット213に支持される。これにより、モータシリンダ装置16は、取付用ブラケット213に対してフローティング支持される。なお、図示していないが、取付用ブラケット213は、例えば、サイドフレーム等の車体1(
図1参照)まで延びて形成され、直接又は他の図示しない連結部材を介して、車体1にねじ締結、溶接等により固定される。
【0089】
図7(a)に示すように、モータシリンダ装置16は、取付用ブラケット213(
図7(b)参照)を介して、白抜き矢印で示すように、例えば前後方向に延びるサイドフレーム等の車体1(
図1参照)の側方に配置された状態において固定される。具体的には、取付用ブラケット213は、車体1まで延びて形成され、直接又は他の図示しない連結部材を介して、車体1にねじ締結、溶接等により固定される。
【0090】
また、モータシリンダ装置16は、ボス85a、85bに形成された出力ポート24a、24bに、ブレーキ液が流通する第2配管チューブ22b、第5配管チューブ22e(以下、配管チューブと略記する)が接続されている。配管チューブ22b、22eは、鋼管等の金属製のパイプを所定の形状に屈曲させることによって形成されている(他の配管チューブも同様)。
【0091】
ここで、シリンダ機構76は、中心軸CL(
図3参照)方向に並んで形成される第1液圧室98a及び第2液圧室98b(
図2参照)を備える、いわゆるタンデム型のシリンダ機構である。そして、出力ポート24aは、第1液圧室98aに連通するプライマリのポートであり、出力ポート24bは、第2液圧室98bに連通するセカンダリのポートである。
【0092】
出力ポート24a、24bから中心軸CL(
図3参照)に直交する方向に延びた配管チューブ22b、22eは、シリンダ機構76の基端側に曲げられた後、モータシリンダ装置16側に寄せられるようにして、シリンダ機構76の軸方向(中心軸CL方向)に沿って配設される。その後は、ダッシュボード2に沿うように配設され、入力装置14やVSA装置18とジョイントを介して接続される。
【0093】
以上説明したように、本実施形態に係るモータシリンダ装置16の車体取付構造では、シリンダ機構76に未加工のボス83a、83b、85a、85bが予め複数方向(2方向)に形成され、一方のボス83a、83bがモータシリンダ装置16を車体1に取り付けるマウント用として形成され、他方のボス85a、85bがシリンダ機構76(第1液圧室98a、第2液圧室98b)と連通するポート用として形成されているので、新たにマウント部をシリンダ機構76に形成する必要がない。しかも、ボス83a、83b側(捨てボス側)にボルト締結用のねじ穴を有するマウント穴83a1、83b1を形成するだけで済むので、マウント部の加工が容易である。
【0094】
また、本実施形態によれば、
図7(b)に示すように、マウント用のボス83a、83bが車幅方向の外側(左側)に形成され、ポート用のボス85a、85bが車幅方向の内側(右側)に形成されているので、左フロントのサイドフレーム(車体1)にモータシリンダ装置16を固定した場合、モータシリンダ装置16の右側の空間を左側に比べて大きな空間として確保することが容易であるので、配管チューブ22b、22eの付け替え等のメンテナンス、配管チューブ22b、22eの取り回しが容易になる。
【0095】
図8は変形例に係るモータシリンダ装置の車体取付構造が適用された車両用ブレーキシステムの車両における配置構成を示す図、
図9は変形例に係るモータシリンダ装置の正面図である。なお、前記した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、入力装置14、モータシリンダ装置16、VSA装置18の配置については、
図1に示す配置と同様である。
【0096】
図8に示すように、モータシリンダ装置16A(16B)は、前記したモータシリンダ装置16とは異なり、4種類の配管チューブ22o、22p、22q、22rが接続されるものである。すなわち、モータシリンダ装置16A(16B)は、配管チューブ22o、22pを介して入力装置14の接続ポート20a、20b(
図2参照)と接続されている。また、モータシリンダ装置16A(16B)は、配管チューブ22q、22rを介してVSA装置18と接続されている。
【0097】
図9に示すように、モータシリンダ装置16Aは、シリンダ機構76のシリンダ本体82Aに3方向のボス87a、87b、87cが形成されている。なお、説明の便宜上、第1液圧室98aに対応するポートと第2液圧室98bに対応するポートの一方を図示して説明する。
【0098】
ボス87aは、マウント用として形成され、車幅方向の外側(左側)に向けて突出している。ボス87bは、ポート用として形成され、車幅方向の内側(右側)に向けて突出している。ボス87cは、ポート用として形成され、鉛直方向の上方に向けて突出している。なお、ボス87aを介して取付用ブラケット213にモータシリンダ装置16Aを取り付ける方法は、
図6に示した方法と同様に行うことができる。
【0099】
このようなモータシリンダ装置16Aの車体取付構造においても、シリンダ機構76に予めボス87a、87b、87cを形成しておき、一のボス87aをマウント用として、他のボス87b、87cをポート用として形成したので、新たにマウント部をシリンダ機構76に形成する必要がなく、ボス87aにボルト締結用のねじ穴を有するマウント穴を形成するだけで済むので、マウント部の加工が容易である。
【0100】
また、マウント用のボス87aが車幅方向の外側(左側)に形成され、ポート用のボス87b、87cが車幅方向の内側(右側)および鉛直方向の上側に形成されているので、左フロントのサイドフレーム(車体1)にモータシリンダ装置16Aを固定した場合、モータシリンダ装置16Aの右側および上側の空間を左側に比べて大きな空間として確保することが容易であるので、配管チューブ22o、22p、22q、22rの付け替え等のメンテナンス、配管チューブ22o〜22rの取り回しが容易になる。
【0101】
なお、モータシリンダ装置16Aでは、ボス87a〜87cを、車幅方向の両側と上側とした場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、車幅方向の両側と下側であってもよい。
【0102】
図10は別の変形例に係るモータシリンダ装置を示し、(a)は正面図、(b)はシリンダ機構をポートの位置で切断したときの断面図である。
【0103】
図10(a)に示すように、別の変形例に係るモータシリンダ装置16Bは、シリンダ機構76のシリンダ本体82Bに2方向のボス89a、89bが形成されている。ボス89aは、マウント用として、車幅方向の外側(左側)に向けて突出している。ボス89bは、ポート用として、車幅方向の内側(右側)に向けて突出している。また、モータシリンダ装置16Bは、ブレーキ液が入力される入力ポートと、ブレーキ液が出力される出力ポートとが、同一のボス89bに形成されたものである。すなわち、ボス89bは、入出力ポートとして構成されている。
【0104】
具体的には、
図10(b)に示すように、シリンダ本体82Bのボス89bに、第1液圧室98a(第2液圧室98b)と連通する連通孔89b1が形成されている。そして、入力装置14と接続される配管チューブ22o(22p)の端部とVSA装置18と接続される配管チューブ22q(22r)の端部にコネクタ89sが取り付けられている。コネクタ89sは、連通孔89b1と図示しない着脱手段を介して着脱可能に構成されている。コネクタ89sには、配管チューブ22o(22p)、22q(22r)が貫通して挿入され、配管チューブ22o(22p)、22q(22r)の端部が連通孔89b1と連通するように構成されている。
【0105】
このようなモータシリンダ装置16Bの車体取付構造においても、シリンダ機構76に予めボス89a、89bを形成しておき、一方のボス89aをマウント用として、他のボス89bをポート用として形成したので、新たにマウント部をシリンダ機構76に形成する必要がなく、しかもボス89aにボルト206による締結用のねじ穴を有するマウント穴を形成するだけで済むので、マウント部の加工が容易である。
【0106】
また、マウント用のボス89aが車幅方向の外側(左側)に形成され、ポート用のボス89bが車幅方向の内側(右側)に形成されているので、左フロントのサイドフレーム(車体1)にモータシリンダ装置16Bを固定した場合、モータシリンダ装置16Bの右側の空間を左側に比べて大きな空間を確保することが容易であるので、配管チューブ22o、22p、22q、22rの付け替え等のメンテナンスが容易になる。
【0107】
図11はさらに別の変形例に係るモータシリンダ装置を示す正面図である。すなわち、モータシリンダ装置16Cは、シリンダ機構76のシリンダ本体82Cに2方向のボス85c、85dが形成されている。ボス85cは、マウント用として、鉛直方向の下方に向けて突出している。ボス85dは、ポート用として、鉛直方向の上方に向けて突出している。
【0108】
このようなモータシリンダ装置16Bの車体取付構造においても、前記と同様に、新たにマウント部をシリンダ機構76に形成する必要がなく、しかもマウント部の加工も容易である。また、ボス85dを鉛直方向の上側に設けることで、配管チューブ22b、22eの付け替え等のメンテナンスが容易になる。また、ボス85dを鉛直方向の上側に設けることで、シリンダ機構76に接続される配管チューブ22b、22eの組み付け時や交換時にエアが混入したとしても、このようなエアをシリンダ機構76から排出することが容易になる。
【0109】
なお、シリンダ機構76におけるポートの形成パターンとしては、シリンダ本体82を挟んで対向する位置において2方向に形成する構成に限定されるものではなく、シリンダ本体82に対して直交する2方向に形成する構成であってもよい。例えば、マウント用のボスが車幅方向の外側、ポート用のボスが鉛直方向の上側(または下側)であってもよい。また、シリンダ本体82に対して、上下左右の4方向にボスを形成する構成であってもよい。
【0110】
また、前記した実施形態では、入力装置14をエンジンルームR内の右側に配置した右ハンドル車に適用した場合を例に挙げて説明したが、入力装置14をエンジンルームR内の左側に配置した左ハンドル車に適用してもよい。
【0111】
(別の実施形態)
図12は、別の実施形態に係るモータシリンダ装置の車体取付構造が適用された車両用ブレーキシステムの車両における配置構成を示す図である。
図12に示す車両用ブレーキシステム10は、前記したモータシリンダ装置16の車体取付構造に代えてモータシリンダ装置16Dの車体取付構造としたものである。なお、前記したモータシリンダ装置16の車体取付構造と同様の構成については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。このモータシリンダ装置16Dは、前記したモータシリンダ装置16とは前後の向きを逆にしてサイドフレーム(車体)1に取り付けられている。
【0112】
図13はモータシリンダ装置の車体取付構造を示す分解斜視図である。このモータシリンダ装置16Dは、前記したモータシリンダ装置16のシリンダ機構76のシリンダ本体82に代えて、シリンダ機構76のシリンダ本体282を備えている。なお、シリンダ機構76の内部機構については、モータシリンダ装置16と同様に構成されている。
【0113】
シリンダ本体282は、略円筒形状を呈し、このシリンダ本体282の基端部にフランジ部282aが形成され、略円柱状のボス283a、283b、283cが側方(左側方)に突出して形成されている。
【0114】
ボス283a、283bは、本実施形態では捨てボスとして構成され、軸方向(中心軸CL)に互いに間隔を置いて形成されている。ボス283bは、シリンダ本体282の先端近傍に位置し、ボス283aは、ボス283bよりも基端側(前側)のシリンダ本体282の軸方向の略中央部に位置するように構成されている。また、基端側のボス283aは、先端側のボス283bよりも鉛直方向(上下方向)において若干上方に位置している。
【0115】
ボス283cは、後記する取付用ブラケット290のひとつのマウント部として構成される部分であり、基端側のボス283aの近傍の下方に位置している。また、ボス283cのボス径D1は、ボス283a、283bのボス径D2よりも大径となるように構成されている。また、ボス283cの中央には、後記するボルト300が螺合されるねじ穴283c1(ねじ溝の図示省略)が形成されている。
【0116】
なお、シリンダ本体282には、ボス283a、283b、283cと逆側(右側)に、ボス283a、283bに対応する位置にボス285bが形成され(基端側のボスは不図示)、ボス283cに対応する位置にボス285c(
図15参照)が形成されている。例えば、ボス283a、283bに対応するボス285b(一方は不図示)がポート用として使用される。
【0117】
また、モータシリンダ装置16Dにおいて、駆動力伝達部73のハウジング172には、左側部にボルト280(
図13参照)、右側部にボルト282(
図15参照)、底部にボルト284(
図15参照)がそれぞれ突設されている。また、ボルト280の基端部は、ゴムブッシュ280aを介してハウジング172に取り付けられている。なお、図示していないが、ボルト282、284についても、同様にゴムブッシュを介してハウジング172に取り付けられている。また、ボルト280、282、284は、軸方向(中心軸CL)に直交する面上に位置するように構成されている。また、ゴムブッシュ280aは、振動や衝撃を吸収し得るゴム製の略円筒形状の緩衝部材である(後記するゴムブッシュ298、299についても同様)。
【0118】
モータシリンダ装置16Dは、取付用ブラケット290の固定部291、292を介して、図示手前側に設けられたサイドフレーム1(
図12参照)にボルト286、288を介して締結される。なお、モータシリンダ装置16Dと取付用ブラケット290との取付方法については後記する。
【0119】
図14はモータシリンダ装置を車体に取り付けるためのブラケット単体を示す斜視図を示し、(a)は斜め前方から見たとき、(b)は上方から見たとき、(c)は軸方向から見たときである。モータシリンダ装置16Dは、ひとつの取付用ブラケット290を介して、サイドフレーム1(
図12参照)に取り付けられるものである。
【0120】
図14(a)に示すように、取付用ブラケット290は、鋼製の板材などで形成され、モータシリンダ装置16D(
図13参照)を左右方向から挟んで支持するための側板293、294と、側板293、294の両下辺に連接されモータシリンダ装置16Dの中間部(ハウジング172の下部、
図16参照)を下方から支持する略水平且つ略矩形状の底板295と、底板295に連接され略鉛直方向に沿う背板296と、側板294に連接されモータシリンダ装置16Dの先部(シリンダ本体282の左側部、
図16参照)を支持する延長板297と、を備えている。
【0121】
側板293は、底板295の右縁部の後側から鉛直方向上方に向けて起立するとともに、その上端縁部にU字形状を呈する切欠き293aが形成されている。この切欠き293aの高さ位置は、ハウジング172の左側部に設けられたボルト282(
図15参照)に対応するように構成されている。
【0122】
側板294は、底板295の左縁部の後側から鉛直方向上方に向けて起立するとともに、右側の板部293aよりも上方に向けて長く形成されている。また、側板294には、前記切欠き293aと左右方向において対向する位置に上下方向に延びる長孔294aが形成されている。なお、長孔294aの下端部分は、切欠き293aと対応する高さ位置に設定されている。また、側板294には、長孔294aよりも上方に肉抜き用の孔294bが形成されている。また、側板294の上端には、前記した固定部292が連接され、固定部292が、略左側方へ延びるように構成されている。
【0123】
また、側板294には、後方に延びる延長板297が溶接などで固定されている。なお、本実施形態では、延長板297が側板294などと別体で構成されているが、延長板297が側板294などと一体に構成されていてもよい。また、延長板297の先端には、長孔297aが形成されている。この長孔297aは、前側の縁部が直線状に形成され、後側の縁部が湾曲状に形成されている。
【0124】
背板296は、略円形状を呈し、底板295の前縁部から鉛直方向上方に向けて起立するように構成されている。また背板296には、その中央部に大径の開口296aが貫通して形成されている。この開口296aは、駆動力伝達部73のカバー173(
図13参照)の円柱形状の突出部173aよりも大径に形成されている。また、背板296の上端には、前記した固定部291が連接され、固定部291が略前方へ延びるように構成されている。
【0125】
図14(b)に示すように、底板295には、側板293、294の間の左右方向(車幅方向)の中央部に、ボルト282(
図15参照)が挿通される貫通孔295aが形成されている。また、底板295には、貫通孔295aよりも前方に、肉抜き用の孔295bが形成されている。
【0126】
延長板297は、前後方向に延びて側板294に固定される基端部297bと、基端部297bに対して右側(側板293側)に傾斜して延びる中間部297cと、前後方向に延びる先端部297dとを有し、クランク形状を呈するように構成されている。この先端部297dには、前記した長孔297aが形成されている。
【0127】
また、固定部291の先端には、締結用のボルト286(
図13参照)が挿通されるボルト挿通孔291aが形成されている。固定部292の先端には、締結用のボルト288(
図13参照)が挿通されるU字形状の切欠き292aが形成されている。
【0128】
図14(c)に示すように、延長板297は、基端部297bから先端部297dにかけて鉛直方向下方へ傾斜するように構成されている。また、延長板297の先端部297dは、側板294よりも内側(右側)に位置している。
【0129】
図13に戻って、前記のようにして構成された取付用ブラケット290にモータシリンダ装置16Dをマウントする際には、駆動力伝達部73のカバー173の突出部173aを背板296の開口296aに挿通し、モータシリンダ装置16Dの駆動力伝達部73の下部が、下方に底板295、左側方に側板294、右側方に側板293が位置するように載置する。このとき、モータシリンダ装置16D側のボルト280を側板294の長孔294aに挿通し、ボルト282(
図15参照)を側板293の切欠き293aに挿通し、ボルト284(
図15参照)を底板295の貫通孔295aに挿通する。そして、ボルト280にナット281を螺合させ、ボルト282にナット283を螺合させ、ボルト284にナット285を螺合させることで、駆動力伝達部73の左右両部および下部が取付用ブラケット290に対して弾性支持される。
【0130】
また、延長板297の先端部297dの左右両側を一対のゴムブッシュ298、299で挟んだ状態で、ボルト300を、ゴムブッシュ298の孔298a、長孔297a、ゴムブッシュ299の孔299aに挿通し、シリンダ本体282のボス283cに形成されたねじ穴283c1に螺合する。これにより、延長板297は、シリンダ本体282に弾性支持される。
【0131】
図15はモータシリンダ装置へのブラケットの組付状態を軸方向から見たときの図、
図16はモータシリンダ装置へのブラケットの組付状態を示す斜視図である。
図15に示すように、モータシリンダ装置16Dは、駆動力伝達部73の左右側部が側板293、294で挟まれるとともに、下部が底板295で弾性支持される。
図16に示すように、モータシリンダ装置16Dは、シリンダ機構76のシリンダ本体282の左側部が延長板297によって弾性支持される。このように、取付用ブラケット290は、モータシリンダ装置16Dを、4点で弾性支持するように構成されている。
【0132】
以上説明した別の実施形態によれば、シリンダ機構76に未加工のボス283a、283b、283c、285b、285c(一部不図示)が予め複数方向(2方向)に形成され、一のボス283cがモータシリンダ装置16Dをサイドフレーム(車体)1に取り付けるマウント用として形成され、他のボス285b(もう一方は不図示)がシリンダ機構76(第1液圧室98a、第2液圧室98b)と連通するポート用として形成されているので、新たにマウント部をシリンダ機構76に形成する必要がない。しかも、ボス283c側(捨てボス側)にボルト締結用のねじ穴283c1を形成するだけで済むので、マウント部の加工が容易である。
【0133】
また、別の実施形態によれば、
図15および
図16に示すように、モータシリンダ装置16Dを取付用ブラケット290を介して4点支持とすることにより、電動モータ72が駆動したときに発生する振動、例えば、ハウジング172側の3点支持の部分を中心とした回転振動W(
図16参照)を抑制することができる。その結果、振動発生によって生じる騒音を抑えることが可能になる。
【0134】
また、別の実施形態によれば、ボス283cのボス径D1を、ボス283a、283bのボス径D2よりも大径にしたことにより、電動モータ72が駆動したときに発生する振動をより効果的に抑制することができ、その結果、振動に伴って発生する騒音をより効果的に抑制することが可能になる。
【0135】
なお、別の実施形態では、駆動力伝達部73のハウジング172側の3点支持について、ボルト280、282、284およびナット281、283、285などを用いた場合を例に挙げて説明したが、
図6に示すモータシリンダ装置16の場合と同様な3点支持の構成であってもよい。
【0136】
また、別の実施形態では、モータシリンダ装置16Dを取り付ける向きを前後逆にした場合を例に挙げて説明したが、
図1に示すモータシリンダ装置16と同様な配置でサイドフレーム(車体)1に取り付ける構成であってもよい。この場合には、取付用ブラケット290の右側の側板293と、左側の側板294、延長部296とを左右を入れ替えるとともに、延長板297の支持部をボス285c(
図15参照)とし、ボス283a、283bにポートとする構成によって対応できる。
【0137】
また、別の実施形態では、延長板297を片側に設けた場合を例に挙げて説明したが、左右両側に設ける構成であってもよい。