【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するためになされた本発明の木材プレカット加工システムは、固有の機械識別情報が割り当てられた加工機、当該加工機に対して木材を搬入・搬出する搬送装置、及び前記加工機及び搬送装置を駆動制御する制御装置を備えた木材加工ラインと、一棟の建物において使用される個々の部品へと木材を加工するためにCAD/CAM装置で生成した加工データを記憶する記憶装置、及び前記制御装置に対して制御指令を送信する制御指令送信手段を備えた加工制御用サーバと、を備え、さらに、以下の構成をも備えたことを特徴とする。
(1)前記加工制御用サーバの前記記憶装置には、
(1A)前記個々の部品を特定する部品識別情報と、当該部品識別情報によって特定される部品を加工するための加工データとを対応付けて記憶しておく部品管理情報記憶手段と、
(1B)前記機械識別情報と、当該機械識別情報で特定される加工機で実行可能な加工の内容を特定する加工内容特定情報とを対応付けて記憶しておく機械管理情報記憶手段と、
が備えられていること。
(2)前記木材加工ラインには、前記部品識別情報を取得可能な態様で付与された木材が投入されたときに、当該木材に付与された部品識別情報を取得し、前記制御装置に入力する情報取得装置が備えられていること。
(3)前記制御装置には、前記情報取得装置から入力された部品識別情報を、当該制御装置が制御対象とする加工機の機械識別情報と共に、前記加工制御用サーバに対して送信する識別情報送信手段が備えられていること。
(4)前記加工制御用サーバには、
(4A)前記識別情報送信手段から送信されてきた部品識別情報及び機械識別情報に基づいて前記部品管理情報記憶手段及び機械管理情報記憶手段を検索し、当該部品識別情報に対応する加工データと当該機械識別情報に対応する加工内容特定情報との対応関係から、当該機械識別情報に対応する加工機において、当該部品識別情報が付与された木材に対する加工が存在するか否かを判定する加工有無判定手段と、
(4B)前記加工有無判定手段により加工が存在すると判定されたときは当該加工のための加工動作と加工パラメータとから前記制御指令を生成し、前記加工有無判定手段により加工が存在しないと判定されたときは木材を通過させるための搬送動作となる様に前記制御指令を生成する制御指令生成手段と、
が備えられていること。
【0014】
ここで、木材に付与する「部品識別情報」は、一棟の建物において使用される際の部品を識別する情報であれば足りる。この情報には、○○邸等の物件名、柱、梁等の部品名などを含ませることもできる。これらを区別し得るコード情報だけで構成してもよい。なお、部品識別情報には、その加工形状などの情報まで含ませておく必要はないが、もちろん、加工形状などの情報を含ませてもよい。
【0015】
「部品識別情報」は、望ましくは、RFID等の非接触読み取り式のICタグによって付与するとよい。非接触式ICタグであれば、粉塵等の存在する木材プレカット工場においても的確に部品識別情報を読み取ることができる。また、木材への貼付位置の精度も要求されることがない。なお、本発明は、印字によって施されるバーコード、二次元バーコード等を用いて画像読み取りによって情報を読み取らせる様にする手段を用いてもよい。
【0016】
本発明の木材プレカット加工システムは、加工制御用サーバ側に、(1A)部品管理情報記憶手段と、(1B)機械管理情報記憶手段とを備えている。
【0017】
「(1A)部品管理情報記憶手段」には、「部品識別情報」と対応付けて「加工データ」が記憶される。「加工データ」としては、例えば、ほぞ、ほぞ穴、錐穴、持たせ、掛け等の「加工の種類」、「加工の寸法」、「加工の位置」などをあげることができる。「加工の種類」は加工に用いる「刃物の種類」で特定されていてもよい。また、複数の加工を施す場合に、その「加工順」を含ませておくこともできる。どの部品にはどの様な加工を施すかを部品識別情報から特定できる様になっていれば足りる。
【0018】
「(1B)機械管理情報記憶手段」には、「機械識別情報」と対応付けて各加工機が実行可能な加工の内容を特定する「加工内容特定情報」が記憶される。「加工内容特定情報」としては、加工機が備えている「刃物の種類」、「加工可能な面」、「加工可能な寸法」などをあげることができる。「刃物の種類」は上述の「加工の種類」とされていてもよい。その加工機でどの様な加工が実行できるのかが特定できる様になっていれば足りる。
【0019】
本発明の木材プレカット加工システムによれば、木材加工ラインへの木材の投入が開始されると、情報取得装置で木材に付与された部品識別情報が取得され、制御装置へと入力される。すると、制御装置は、識別情報送信手段を作動させて、この部品識別情報を当該制御装置が制御対象とする加工機の機械識別情報と共に加工制御用サーバへと送信する。
【0020】
加工制御用サーバでは、制御装置から送信されてきた部品識別情報及び機械識別情報に基づいて部品管理情報記憶手段及び機械管理情報記憶手段を検索し、加工有無判定手段によって、当該部品識別情報に対応する加工データと当該機械識別情報に対応する加工内容特定情報との対応関係から、当該機械識別情報に対応する加工機において、当該部品識別情報が付与された木材に対する加工が存在するか否かを判定する。そして、制御指令生成手段を作動させ、(イ)加工有無判定手段により加工が存在すると判定されたときは当該加工のための加工動作と加工パラメータとから制御指令を生成し、(ロ)加工有無判定手段により加工が存在しないと判定されたときは木材を通過させるための搬送動作となる様に制御指令を生成する。そして、この制御指令生成手段が生成した制御指令を、制御指令送信手段を介して制御装置へと送信する。
【0021】
制御装置は、加工制御用サーバからの制御指令を受けて、送られてきた制御指令が上述の(イ)の場合は制御対象の加工機及び搬送装置を駆動制御して木材に対する加工を行い、送られてきた制御指令が上述の(ロ)の場合は搬送装置だけを駆動制御して木材を通過させる。
【0022】
この結果、本発明の木材プレカット加工システムによれば、何らかの事情で木材の投入順序が変わったとしても、木材に付与されている部品識別情報に基づいて適切な加工を実行することができる。
【0023】
ここで、本発明の木材プレカット加工システムは、さらに、以下の構成をも備える場合により効果的となる。
(5)前記木材加工ラインには前記加工機及び制御装置が複数台設置されると共に前記情報取得装置が各加工機に対応する様に設置され、前記加工制御用サーバは、これら複数台の各加工機のそれぞれに対応する制御装置に対して制御指令を送信することができる様に構成され、前記機械管理情報記憶手段にはこれら複数台の加工機について機械識別情報と加工内容特定情報とを対応付けて記憶してあること。
【0024】
例えば、上下面加工機、側面加工機、木口加工機等を備えた木材加工ラインにおいて、投入された木材が、上下面加工も側面加工もなく、木口加工のみの必要な部品であれば、加工制御用サーバからは、上下面加工機及び側面加工機の制御装置に対しては上述の(ロ)の制御指令が送信され、木口加工機には上述の(イ)の制御指令が送信され、上下面加工機及び側面加工機は通過して木口加工機で加工が行われる。逆に、全ての加工機において加工を行うべき部品であるなら、全ての加工機の制御装置に対して、各加工機において実行すべき加工動作及び加工パラメータによって生成された制御指令が個々の制御装置に送信され、各加工機毎でなすべき加工が順次実行される。そして、これらの加工が、割り込みや追加の部品であっても正しく実行される。
【0025】
また、木材の搬送ルートは一定にしておくことができるから、工場設備のレイアウトを制約されることがない。さらに、搬送ルートの途中で木材が投入された場合も、当該投入位置の下流にある情報取得装置で部品識別情報を取得することにより、投入位置の下流の加工機で行うべき加工の有無を的確に判定して正しい加工を実行することができる。
【0026】
これは、部品識別情報と機械識別情報が入力されたときに加工制御用サーバで加工動作と加工パラメータとに対応する制御指令を生成する構成となっているからこそ実現できるものである。この様な制御指令を生成することができるのは、加工制御用サーバの記憶装置に、「(1A)個々の部品を特定する部品識別情報と、当該部品識別情報によって特定される部品を加工するための加工データとを対応付けて記憶しておく部品管理情報記憶手段」と、「(1B)機械識別情報と、当該機械識別情報で特定される加工機で実行可能な加工の内容を特定する加工内容特定情報とを対応付けて記憶しておく機械管理情報記憶手段」と、を備えさせたからである。部品識別情報毎の制御指令を先に生成して記憶しておき、部品識別情報が入力されたときにこれを読み出して出力するといった特許文献2,3のシステムでは、この様な作用・効果を発揮することができないのである。
【0027】
なお、工場レイアウトに余裕があり、分岐ラインを備えた木材加工ラインとなっていることを妨げるものではない。この場合、制御装置は、分岐部分のルート切替器を特定する識別情報も加工制御用サーバに送信し、加工制御用サーバの記憶装置には、ルート切替器の識別情報とルート毎の加工機の設置状況を対応付けた情報も記憶させておき、ルート切替器の識別情報から、当該ルート切替器の下流側における加工機の設置状況と、部品識別情報に対応する加工内容とを考慮して、ルート切替器に対する制御指令も合わせて生成する様に構成しておけばよい。
【0028】
これら本発明の木材プレカット加工システムは、さらに、以下の構成をも備えることができる。
(6)前記木材加工ラインが複数設置され、前記加工制御用サーバは、これら複数の木材加工ラインのそれぞれに設置された各加工機の制御装置に対して制御指令を送信することができる様に構成され、前記機械管理情報記憶手段にはこれら複数の木材加工ラインに設置された各加工機について機械識別情報と加工内容特定情報とを対応付けて記憶してあること。
【0029】
かかる構成をも備えることにより、複数の加工ラインを有する工場においては、木材加工ラインを固定してしまうことなく、その日の加工予定に応じて、木材を投入する木材加工ラインを適宜選択したとしても、加工制御用サーバは、部品識別情報と機械識別情報を送信してきた制御装置に対して、上述の様に生成した制御指令を送信するから、どのラインであるかに拘わらず、適切な加工を実行させることができる。
【0030】
この結果、本発明の木材プレカット加工システムによれば、何らかの事情で木材の投入順序が変わったとしても、木材に付与されている部品識別情報に基づいて適切な加工を実行することができるだけでなく、横架材加工ラインに対して穴開けをすべき羽柄部品が投入されたとしても、投入された位置の加工機が当該穴開けを実行可能な加工機であれば、加工を行うことも可能となり、かつ、同系統の木材加工ラインを複数備えている工場では、その日の作業状況に応じて、木材加工ラインを同系統の別の木材加工ラインに変更しても適切な加工を遂行することができる。
【0031】
よって、本発明の木材プレカット加工システムによれば、予め予定していた加工順番を変更する必要が生じたり、稼働状況を考慮した加工ラインの変更や、割り込みや追加の加工が発生するなど、工場の稼働状況が複雑に変化しても、プレカット工場に設置された加工機を効率よく使用し、的確に対応することができ、効率的なプレカット工場の稼働状況を実現することができる。
【0032】
また、これら本発明の木材プレカット加工システムは、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(7)前記制御装置は、当該制御装置における処理の完了状況を前記加工制御用サーバに対して送信する完了状況送信手段をも備え、前記加工制御用サーバは、前記完了状況送信手段から送信されてきた処理の完了状況に基づいて、前記部品管理情報記憶手段の個々の部品の加工完了状況を部品識別情報と対応付けて書き込む完了状況書込手段をも備えていること。
【0033】
かかる構成をも備えることにより、制御装置側では、当該制御装置における処理の完了状況を、完了状況送信手段を介して加工制御用サーバに対して送信することができる。そして、加工制御用サーバ側では、完了状況送信手段から完了状況が送信されてきたら、完了状況書込手段を作動させて、部品管理情報記憶手段の個々の部品の加工完了状況を部品識別情報と対応付けて書き込む。これにより、順番の変更や割り込みによって既に加工した部品を再度加工してしまうことがなくなると共に、加工順番を変更した様な場合におけるスケジュール管理も可能となり、柔軟な加工順番の変更を許容したために新たな問題が生じるといったことまで防止することができる。
【0034】
さらに、これら本発明の木材プレカット加工システムは、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(8)前記加工制御用サーバの前記部品管理情報記憶手段には、少なくとも一つの木材加工ラインに対する前記個々の部品の加工スケジュールを予約する予約情報記憶部が備えられていること。
(9)前記加工制御用サーバの制御指令送信手段は、前記予約情報記憶部の記憶内容によって定まる部品の投入順序に従って、前記部品管理情報記憶手段の記憶内容から加工パラメータと加工の内容を特定すると共に前記機械管理情報記憶手段の記憶内容から前記加工の内容を実行すべき加工機での加工動作を特定し、当該加工動作と前記加工パラメータとから制御指令を生成し、前記特定した加工機の制御装置に対して、
前記個々の部品の部品識別情報と当該個々の部品に対する加工データとが前記部品の投入順序に従って設定された一連の木材を加工するための制御指令を予約情報として送信する予約情報送信手段を備えていること。
(10A)前記制御装置は、当該制御装置に対して前記予約情報送信手段から送信された予約情報を加工予約情報として記憶する加工予約情報記憶手段と、前記情報取得装置から部品識別情報が入力されたとき、当該部品識別情報が、前記加工予約情報における部品の投入順序に対応しているか否かを判定し、「対応していない」と判定されたときは当該制御装置の制御対象となっている加工機の機械識別情報と今回入力された部品識別情報とからなる識別情報を前記加工制御用サーバに対して送信する処理を実行する様に構成されていること。
(10B)前記加工制御用サーバは、前記予約情報送信手段によって前記予約情報を送信した後に、前記制御装置の識別情報送信手段から部品識別情報及び機械識別情報を受信したときは、前記制御指令生成手段を作動させると共に、該当する制御装置に対して前記予約情報送信手段によって送信してある制御指令に対して割り込ませる様に、前記制御指令送信手段から制御指令を送信する割込手段をも備えていること。
【0035】
(8),(9)の構成をも備えることにより、加工スケジュールを予約しておき、これに従って木材を投入する方法によってプレカット加工を行うという従来の作業方法にも対応することができる。そして、
(10A),(10B)の構成をも備えることにより、こうした事前の予定に対して割り込みによる加工が発生したとしても、これに対応して、割り込みによる加工を実行することができる。また、A様邸、B様邸という順番を予定して予めスケジュールを予約しておいたときにも、部品識別情報を付与した木材を投入することにより、B様邸、A様邸という順番に変更することにもスムーズに対応することができる。さらに、同種の木材加工ラインを複数ライン(例えば、A側ラインとB側ラインの2ライン)を備えている工場において、当初はA側ラインで加工する予定で予約しておいた場合に、例えばA側ラインでの刃物交換が必要になった様なときにB側ラインが空いていれば、部品識別情報を付与した木材をB側ラインに投入することによって、予約とは異なる順番となってもB側ラインでスムーズに問題なく加工を実行することができる。同様に、羽柄材に穴開けをしたいときに、羽柄加工ライン以外の加工ラインで穴開けが可能な場合に、当該羽柄用の木材に部品識別情報を付与して穴開け可能な加工ラインに投入することで、羽柄材の穴開けを割り込ませるといったことも可能になる。
【0036】
また、上記システムを実現して本発明の目的を達成するためになされた木材プレカット加工制御用サーバは、一棟の建物において使用される個々の部品へと木材を加工するためにCAD/CAM装置で生成した加工データを記憶する記憶装置と、木材の加工及び搬送制御用として木材加工ラインに設置された制御装置に対して制御指令を送信する制御指令送信手段を備え、さらに、以下の構成を備えていることを特徴とする。
(11)前記記憶装置には、(11A)前記個々の部品を特定する部品識別情報と、当該部品識別情報によって特定される部品を加工するための加工データとを対応付けて記憶しておく部品管理情報記憶手段と、(11B)前記制御装置によって制御される加工機を特定する機械識別情報と、当該機械識別情報で特定される加工機で実行可能な加工の内容を特定する加工内容特定情報とを対応付けて記憶しておく機械管理情報記憶手段と、が備えられていること。
(12)前記制御装置から当該制御装置によって制御される加工機を特定する機械識別情報と、前記部品を特定する部品識別情報とを受信する識別情報受信手段、を備えていること。
(13)前記識別情報受信手段が部品識別情報及び機械識別情報を受信したとき、当該部品識別情報及び機械識別情報に基づいて前記部品管理情報記憶手段及び機械管理情報記憶手段を検索し、当該部品識別情報に対応する加工データと当該機械識別情報に対応する加工内容特定情報との対応関係から、当該機械識別情報に対応する加工機において、当該部品識別情報が付与された木材に対する加工が存在するか否かを判定する加工有無判定手段、を備えていること。
(14)前記加工有無判定手段により加工が存在すると判定されたときは当該加工のための加工動作と加工パラメータとから前記制御指令を生成し、前記加工有無判定手段により加工が存在しないと判定されたときは木材を通過させるための搬送動作となる様に前記制御指令を生成する制御指令生成手段を備えていること。
【0037】
かかる構成に加えて、本発明の木材プレカット加工制御用サーバは、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(15)前記制御装置から、当該制御装置における処理の完了状況を受信する完了状況受信手段と、該完了状況受信手段が受信した処理の完了状況に基づいて、前記部品管理情報記憶手段の個々の部品の加工完了状況を部品識別情報と対応付けて書き込む完了状況書込手段と、を備えていること。
【0038】
これら本発明の木材プレカット加工制御用サーバは、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(16)前記部品管理情報記憶手段には、少なくとも一つの木材加工ラインに対する前記個々の部品の加工スケジュールを予約する予約情報記憶部が備えられていること。
(17)前記制御指令送信手段は、前記予約情報記憶部の記憶内容によって定まる部品の投入順序に従って、前記部品管理情報記憶手段の記憶内容から加工パラメータと加工の内容を特定すると共に前記機械管理情報記憶手段の記憶内容から前記加工の内容を実行すべき加工機での加工動作を特定し、当該加工動作と前記加工パラメータとから制御指令を生成し、前記特定した加工機の制御装置に対して、前記投入順序に従って処理順序を設定した制御指令を予約情報として送信する予約情報送信手段を備えていること。
(18)前記予約情報送信手段によって前記予約情報を送信した後に、前記制御装置の識別情報送信手段から部品識別情報及び機械識別情報を受信したときは、前記制御指令生成手段を作動させると共に、該当する制御装置に対して前記予約情報送信手段によって送信してある制御指令に対して割り込ませる様に、前記制御指令送信手段から制御指令を送信する割込手段を備えていること。
【0039】
また、上記システムを実現して本発明の目的を達成するためになされた木材プレカット加工用制御装置は、加工制御用サーバからの制御指令を受信して、木材加工ラインに設置された加工機及び当該加工機に対して木材を搬入・搬出する搬送装置を駆動制御する制御装置であって、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする。
(21)前記加工制御用サーバから、
個々の部品の部品識別情報と当該個々の部品に対する加工データとが部品の投入順序に従って設定された一連の木材を加工するための制御指令を受信したとき、当該制御指令を加工予約情報として記憶する加工予約情報記憶手段と、当該加工予約情報記憶手段から順次制御指令を読み出して制御対象の加工機及び搬送装置に対して出力する駆動データ出力手段と、を備えていること。
(22)制御対象の加工機において加工する木材の部品識別情報が判明したときに、
当該部品識別情報が、前記加工予約情報における前記部品の投入順序に対応しているか否かを判定し、「対応していない」と判定されたときは当該部品識別情報と共に前記制御対象の加工機を特定する機械識別情報を前記加工制御用サーバに対して送信する識別情報送信手段を備えていること。
(23)前記識別情報送信手段から識別情報を送信したときは、前記駆動データ出力手段によるデータ出力を中断又は中止し、前記加工制御用サーバから新たな制御指令が送信されてくるのを待ち、新たな制御指令を受信したときは、前記加工予約情報記憶手段から順次読み出すべき制御指令に対して割り込む様に前記新たな制御指令を追加する制御指令追加手段を備えていること。
【0040】
かかる構成を備えた本発明の木材プレカット加工用制御装置は、さらに、以下の構成をも備えるとよい。
(24)制御対象となっている加工機における処理の完了状況を前記加工制御用サーバに対して送信する完了状況送信手段をも備えていること。