【文献】
Indian Journal of Pharmaceutical Sciences,1995年 7月,Vol.57, No.4,pp.148-150
【文献】
Journal of Medicinal Chemistry,1990年,Vol.33, No.1,pp.434-444
【文献】
Journal of Medicinal Chemistry,2009年 9月 9日,Vol.52, No.24,pp.7911-7926
【文献】
Journal of Medicinal Chemistry,2012年 3月26日,Vol.55,pp.3135-3143
治療有効量の請求項1〜3のいずれか1項に記載の式Iのキナゾリン系化合物又は生理的に許容されるその塩と薬学的に許容される担体とを含む、抗フラビウイルス科ウイルス活性を有する、医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0022】
下記の実施例により、本発明における化合物の調製、及びフラビウイルス科ウイルス、特にデング熱ウイルス及びC型肝炎ウイルスの生物活性を抑制するための該化合物の使用を具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0023】
実施例1 化合物Yhhu−0967(5−メトキシ−2,4−ジアミノキナゾリン)の調製
0℃で、メタノール2.53g(79.08mmol)を40%水素化ナトリウム5.18g(86.27mmol)のテトラヒドロフラン懸濁液(150ml)に滴下し、10分間攪拌した後、2,6−ジフルオロベンゾニトリル10.0g(71.89mmol)のテトラヒドロフラン溶液100mlを滴下する。室温で10時間攪拌した後、完全に反応させる。水200mlを加えて過量の水素化ナトリウムを破壊し、エチルアセテート500mlを加えて抽出を行い、無水硫酸ナトリウムで有機層を乾燥させる。有機層を蒸発して乾燥させた後、カラムクロマトグラフィーにより中間産物が得られる。中間産物と炭酸グアニジン17.41g(143.78mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド300mlに入れて140℃に加熱し、8時間反応し、完全に反応させる。溶媒を蒸発して乾燥させた後、水200mlとジクロロメタン400mlを加えて抽出を行う。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、有機層を蒸発して乾燥させ、カラムクロマトグラフィーにより化合物Yhhu−0967 9.85gが得られる(2段階反応の合計収率:72%)。
1HNMR(300MHz, CHLOROFORM−d)d ppm 3.97(s, 3H)4.83(br.s.,2H)5.68(br.s.,1H)6.53(d, J=8.06Hz, 1H)7.03(d, J=8.55Hz, 1H)7.45(t, J=8.18Hz, 2H)
【0024】
実施例2 化合物Yhhu−0968(5−(4−クロロフェノキシ)−2,4−ジアミノキナゾリン)の調製
2,6−ジフルオロベンゾニトリル10.0g(71.89mmol)、4−クロロフェノール10.17g(79.08mmol)及び炭酸カリウム19.87g(143.78mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド300mlに加える。50℃で10時間攪拌した後、完全に反応させる。溶媒を蒸発して乾燥させた後、水200mlとエチルアセテート400mlを加えて抽出を行う。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、有機層を蒸発して乾燥させ、カラムクロマトグラフィーにより中間産物が得られる。中間産物と炭酸グアニジン17.41g(143.78mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド300mlに入れて140℃に加熱し、8時間反応し、完全に反応させる。溶媒を蒸発して乾燥させた後、水200mlとジクロロメタン400mlを加えて抽出を行う。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、有機層を蒸発して乾燥させ、カラムクロマトグラフィーによりYhhu−0968 13.7gが得られる(2段階反応の合計収率:67%)。
1HNMR(300MHz, CHLOROFORM−d)ppm 2.06(br.s., 2H)5.09(br.s.,2H)6.33(dd, J=7.98, 1.10Hz, 1H)7.05〜7.11(m, 2H)7.15(dd, J=8.53, 1.10Hz, 1H)7.34〜7.43(m, 3H)
【0025】
実施例3 化合物Yhhu−0969(5−(2−メトキシフェノキシ)−2,4−ジアミノキナゾリン)の調製
4−クロロフェノールの代わりに2−メトキシフェノールを使用する以外は、実施例2と同様な方法により調製する。
1HNMR(300MHz, CHLOROFORM−d)ppm 5.26(s, 3H)7.54(d, J=7.98Hz, 1H)7.67(br.s., 2H)8.36(d, J=8.25Hz, 1H)8.54(td, J=7.50, 1.79Hz, 1H)8.62〜8.85(m, 4H)8.89(br.s., 1H)
【0026】
実施例4 化合物Yhhu−0970(5−フェノキシ−2,4−ジアミノキナゾリン)の調製
4−クロロフェノールの代わりにフェノールを使用する以外は、実施例2と同様な方法により調製する。
1HNMR(300MHz, CHLOROFORM−d)ppm4.83(br.s., 2H)6.30〜6.37(m, 1H)7.13(t, J=7.84Hz, 3H)7.21〜7.29(m, 1H)7.36(t, J=8.25Hz, 1H)7.39〜7.47(m, 2H)
【0027】
実施例5 化合物Yhhu−1035(5−(4−t−ブチルフェノキシ)−2,4−ジアミノキナゾリン)の調製
4−クロロフェノールの代わりに4−t−ブチルフェノールを使用する以外は、実施例2と同様な方法により調製する。
1HNMR(300MHz, CHLOROFORM−d)ppm1.35(s, 9H)3.56(br.s., 1H)4.80(br.s., 2H)5.57(br.s., 1H)6.35(d, J=8.25Hz, 1H)7.02〜7.13(m, 3H)7.35(t, J=8.11Hz, 1H)7.43(d, J=8.80Hz, 2H)
【0028】
実施例6 化合物Yhhu−1036(5−t−ブチルオキシ−2,4−ジアミノキナゾリン)の調製
メタノールの代わりに4−t−ブチルアルコールを使用する以外は、実施例1と同様な方法により調製する。
1HNMR(300MHz, CHLOROFORM−d)ppm1.54(s, 9H)4.87(br.s., 2H)5.62(br.s., 1H)6.67(d, J=7.15Hz, 1H)7.08(d, J=7.43Hz, 1H)7.41(t, J=8.25Hz, 1H)7.79(br.s., 1H)
【0029】
実施例7 化合物Yhhu−1041(5−(2−(1−ピロリジニル)エトキシ)−2,4−ジアミノキナゾリン)の調製
メタノールの代わりに2−(1−ピロリジニル)エタノールを使用する以外は、実施例1と同様な方法により調製する。
1HNMR(300MHz, CHLOROFORM−d)ppm1.70〜1.89(m, 4H)2.49〜2.69(m, 4H)2.95(t, J=5.64Hz, 2H)4.22(t, J=5.64Hz, 2H)5.34(br.s., 2H)5.68(br.s., 1H)6.56(d, J=7.98Hz, 1H)7.05(d, J=7.70Hz, 1H)7.45(t, J=8.25Hz, 1H)8.56(br.s., 1H)
【0030】
実施例8 化合物Yhhu−1046(5−フェニルメトキシ−2,4−ジアミノキナゾリン)の調製
メタノールの代わりにベンジルアルコールを使用する以外は、実施例1と同様な方法により調製する。
1HNMR(300MHz, CHLOROFORM−d)ppm5.16(s., 2H)5.53(br.s., 2H)6.11(br.s., 1H)6.62(d, J=7.98Hz, 1H)7.03(d, J=8.53Hz, 1H)7.28〜7.49(m, 6H)7.57(br.s., 1H)
【0031】
実施例9 化合物Yhhu−1053(5−(3−クロロフェノキシ)−2,4−ジアミノキナゾリン)の調製
4−クロロフェノールの代わりに3−クロロフェノールを使用する以外は、実施例2と同様な方法により調製する。
1HNMR(300MHz, CHLOROFORM−d4)ppm6.46(d, J=7.98Hz, 1H)7.05(d, J=8.53Hz, 1H)7.12(dd, J=8.11, 2.34Hz, 1H)7.25(t, J=2.20Hz, 1H)7.28〜7.34(m, 1H)7.42〜7.54(m, 2H)
【0032】
実施例10 化合物Yhhu−1056(5−シクロペンチルオキシ−2,4−ジアミノキナゾリン)の調製
メタノールの代わりにシクロペンタノールを使用する以外は、実施例1と同様な方法により調製する。
1HNMR(300MHz, CHLOROFORM−d4)ppm1.81(m, 4H)2.00(m, 4H)5.00〜5.10(m, 1H)6.67(d, J=8.25Hz, 1H)6.86(d, J=8.25Hz, 1H)7.45(t, J=8.25Hz, 1H)
【0033】
実施例11 化合物Yhhu−1145(5−n−ブトキシ−2,4−ジアミノキナゾリン)の調製
メタノールの代わりにn−ブチルアルコールを使用する以外は、実施例1と同様な方法により調製する。
1HNMR(300MHz, DMSO−d6)ppm0.94(t, J=7.33Hz, 3H)1.38〜1.50(m, 2H)1.71〜1.87(m, 2H)4.11(t, J=6.16Hz, 2H)5.99(s, 2H)6.54(d, J=7.92Hz, 1H)6.75(d, J=8.80Hz, 1H)7.25(s, 2H)7.34(t, J=8.06Hz, 1H)
【0034】
実施例12 化合物Yhhu−1146(5−(1−アダマンチルオキシ)−2,4−ジアミノキナゾリン)の調製
メタノールの代わりに1−アダマンチル アルコールを使用する以外は、実施例1と同様な方法により調製する。
1HNMR(300MHz, CHLOROFORM−d)ppm1.67(d, J=1.93Hz, 6H)2.07(m, J=2.75Hz, 6H)2.23(m, 4H)5.08(br.s., 2H)5.64(br.s., 1H)6.83(dd, J=7.98, 0.83Hz, 1H)7.13(dd, J=8.39, 0.96Hz, 1H)7.42(t, J=8.11Hz, 1H)7.99(br.s., 1H)
【0035】
実施例13 化合物Yhhu−1147(5−シクロヘキシルオキシ−2,4−ジアミノキナゾリン)の調製
メタノールの代わりにシクロヘキサノールを使用する以外は、実施例1と同様な方法により調製する。
1HNMR(300MHz, CHLOROFORM−d)ppm1.31〜1.54(m, 2H)1.54〜1.71(m, 2H)1.72〜1.88(m, 2H)2.02〜2.21(m, 2H)2.49〜2.85(m, 2H)4.42〜4.56(m, 1H)5.22(br.s., 2H)5.65(s, 1H)6.57(d, J=8.25Hz, 1H)7.01(d, J=8.25Hz, 1H)7.43(t, J=8.25Hz, 1H)7.80(s, 1H)
【0036】
実施例14 化合物Yhhu−1148(5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2,4−ジアミノキナゾリン)の調製
メタノールの代わりに2,2,2−トリフルオロエタノールを使用する以外は、実施例1と同様な方法により調製する。
1HNMR(300MHz, DMSO−d6)ppm4.97(q, J=8.70Hz, 2H)6.23(br.s., 2H)6.68(d, J=7.92Hz, 1H)6.88(d, J=8.21Hz, 1H)6.96(br.s., 1H)7.42(t, J=8.06Hz, 1H)7.53(br.s., 1H)
【0037】
実施例15 化合物Yhhu−1149(5−エトキシ−2,4−ジアミノキナゾリン)の調製
メタノールの代わりにエタノールを使用する以外は、実施例1と同様な方法により調製する。
1HNMR(300MHz, DMSO−d6)ppm1.41(t, J=7.04Hz, 3H)4.17(q, J=7.13Hz, 2H)6.07(s, 2H)6.55(d, J=7.92Hz, 1H)6.77(d, J=8.50Hz, 1H)7.27〜7.43(m, 3H)
【0038】
実施例16 化合物Yhhu−1150(5−(4−アミノフェノキシ)−2,4−ジアミノキナゾリン)の調製
メタノールの代わりにエタノールを使用する以外は、実施例1と同様な方法により調製する。
1HNMR(300MHz, DMSO−d6)ppm5.07(br. s., 2H)5.97〜6.12(m, 3H)6.60(m, J=8.80Hz, 2H)6.79(d, J=7.33Hz, 1H)6.85(m, J=8.50Hz, 2H)7.25(t, J=8.21Hz, 3H)
【0039】
実施例17 化合物Yhhu−1151(5−(3−ピリジルメトキシ)−2,4−ジアミノキナゾリン)の調製
メタノールの代わりに3−ピリジルメタノールを使用する以外は、実施例1と同様な方法により調製する。
1HNMR(300MHz, DMSO−d6)ppm5.33(s, 2H)6.15(br.s., 2H)6.68(d, J=7.92Hz, 1H)6.79(d, J=8.21Hz, 1H)7.28〜7.39(m, 2H)7.39〜7.47(m, 1H)7.92(s, 1H) 8.51〜8.61(m, 1H)8.73(s, 1H)
【0040】
実施例18 化合物Yhhu−1152(5−(4−メトキシフェノキシ)−2,4−ジアミノキナゾリン)の調製
4−クロロフェノールの代わりに4−メトキシフェノールを使用する以外は、実施例2と同様な方法により調製する。
1HNMR(300MHz, DMSO−d6)ppm3.77(s, 3H)6.32(d, J=7.92Hz, 1H)6.96〜7.07(m, 3H)7.12〜7.21(m, 2H)7.34(br.s., 2H)7.50(t, J=8.21Hz, 1H)8.17(br. s., 1H)8.59(br. s., 1H)
【0041】
実施例19 化合物Yhhu−1411(5−n−オクチルオキシ−2,4−ジアミノキナゾリン)の調製
メタノールの代わりにn−オクタノールを使用する以外は、実施例1と同様な方法により調製する。
1HNMR(300MHz, CHLOROFORM−d)ppm0.82〜0.94(m, 3H)1.22〜1.43(m, 6H)1.43〜1.57(m, 2 H)1.84〜1.95(m, 2H)1.96〜2.09(m, 2H)4.12(t,J=6.60Hz, 2H)4.93(br. s., 2H)5.62(br. s., 1H)6.53(d, J=8.21Hz, 1H)7.02(d,J=8.50Hz, 1H)7.44(t, J=8.21Hz, 1H)7.58(br. s., 1H)
【0042】
実施例20 化合物Yhhu−1412(5−イソペンチルオキシ−2,4−ジアミノキナゾリン)の調製
メタノールの代わりにイソペンタノールを使用する以外は、実施例1にと同様な方法により調製する。
1HNMR(300MHz, CHLOROFORM−d)ppm1.01(d, J=6.60Hz, 6H)1.45〜1.73(m, 1H)1.73〜1.89(m, 2H)4.15(t, J=6.46Hz, 2H)4.92(br. s., 2H)5.59(br. s., 1H)6.54(d, J=7.70Hz, 1H)7.03(d, J=9.08 Hz, 1H)7.44(t, J=8.25 Hz, 1H)7.61(br. s., 1H)
【0043】
実施例21 化合物Yhhu−1413(5−ネオペンチルオキシ−2,4−ジアミノキナゾリン)の調製
メタノールの代わりにネオペンタノールを使用する以外は、実施例1と同様な方法により調製する。
1HNMR(300MHz, CHLOROFORM−d)ppm1.03〜1.19(m, 9H)1.86(br. s., 2H)3.79(s, 2H)4.87(d, J=2.20Hz, 2H)6.53(d, J=7.98Hz, 1H)7.03(d, J=8.53 Hz, 1H)7.44(t, J=8.25Hz, 1H)
【0044】
フラビウイルス科に属するII型デング熱ウイルス及びC型肝炎ウイルスを抑制する、本発明におけるキナゾリン系化合物の活性の実験:
フラビウイルス科に属するII型デング熱ウイルス及びC型肝炎ウイルスを抑制する、本発明におけるキナゾリン系化合物の活性の実験のテスト結果を表1に示す。
表1:II型デング熱ウイルス及びC型肝炎ウイルスを抑制する活性の結果
【0046】
BHK−DV2の複製レベルの検測:
BHK細胞を96穴プレート中に接種し、24時間後、DVウイルスを加入して2時間感染させ(MOI=0.05)、次に洗浄してウイルス液を除去し、新鮮な培地を入れ替えて異なる濃度の化合物を加入するとともに、化合物を添加していない対照群、及びBHK細胞が感染されていない正常な対照群を設ける。続いて4日培養した後、細胞培養液の上清を吸い取って1000RCFで5分間遠心分離して細胞沈殿を除去してから、上清からキットでウイルスRNAを抽出し、cDNAに逆転写した後、qPCR方法で上清中のウイルスのゲノムの複製数を測定する。
【0047】
Huh7.5.1−HCVの検測:
Huh7.5.1細胞は、現在、HCVウイルスの体外感染を達成できる唯一の細胞モデルであり、体外でHCVウイルスに感染されるとともに感染性がある子孫ウイルスを生じることができる。J399EMは、EGFPを導入したHCV全長突然変異体であり、JFH-l野生型と同様な感染能力を有するウイルスを生じることができ、また、NS5A区域にEGFPコード配列を挿入することにより、感染された細胞内でNS5A−EGFP融合タンパク質蛍光を直接に観察することができる。本実験において、Huh7.5.1細胞を96穴プレート中に接種し、37℃且つCO
2 5%の条件で、24時間培養する。J399EMウイルスの上清(MOI=0.1)でHuh7.5.1細胞を感染させるとともに、感染されていない細胞対照孔を設けて、8時間感染させた後、PBSで洗浄を行う。J399EMウイルスで感染されたHuh7.5.1細胞に、異なる濃度のサンプルを加入し、各濃度に対して二重孔を設け、且つサンプルを添加していない対照孔を設ける。受験サンプルを6つの濃度に勾配希釈し、それぞれ添加して、72時間培養する。サンプルが72時間処理された後、蛍光マイクロプレートリーダーによって、励起波長488 nm、放射波長516nmの条件で、相対蛍光強度(RFU)を読み取り、HCVに対するサンプルの抑制作用の検測を行う。公式に従ってHCVウイルスの抑制率を算出する。
【0048】
試験結果によれば、本発明における化合物は、II型デング熱ウイルス及びC型肝炎ウイルスに対して強い抑制活性を有する。DV2に感染されたBHK培養上清中のウイルス複製数に対する化合物の抑制作用は、子孫ウイルスの産生に対する該化合物の抑制作用を直接に反映できる。HCV検測において、蛍光法で直観的にHCVウイルスの細胞内複製に対する抑制作用を検測することができる。また、現在、体外感染を達成する唯一の細胞モデルとして、HCVウイルスを採用してHuh7.5.1細胞を感染するモデルは、最大にC型肝炎ウイルスの体内感染や複製過程を再現することができる。上記試験により、表1における化合物は、いずれも二種類のウイルスに対して良い抑制作用を有し、そのIC50<1μM。従来の通用の対照化合物、例えば広域抗ウイルス治療薬であるリバビリン(Ribavirin)及びミコフェノール酸と比較して、HCVウイルスの体外試験に対する、本発明における化合物の半有効濃度はそれぞれ1.25μMと20μMである。II型デング熱ウイルス及びC型肝炎ウイルスは、ともにフラビウイルス科に属するので、本発明における化合物はラビウイルス科ウイルスに対して優れる抑制活性を有する。
【0049】
本発明における化合物は、フラビウイルス科ウイルスに対して優れる抑制活性を有する。本発明における化合物によれば、フラビウイルス科ウイルスの治療薬を製造することができ、特にC型肝炎ウイルスやデング熱ウイルスによる疾患の治療薬を製造することができる。