(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5711874
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】発光ダイオードのチップレベルパッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 33/38 20100101AFI20150416BHJP
H01L 33/06 20100101ALI20150416BHJP
H01L 33/44 20100101ALI20150416BHJP
【FI】
H01L33/00 210
H01L33/00 112
H01L33/00 300
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2009-127957(P2009-127957)
(22)【出願日】2009年5月27日
(65)【公開番号】特開2010-157679(P2010-157679A)
(43)【公開日】2010年7月15日
【審査請求日】2012年5月10日
【審判番号】不服2014-9774(P2014-9774/J1)
【審判請求日】2014年5月27日
(31)【優先権主張番号】097151602
(32)【優先日】2008年12月30日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】598061302
【氏名又は名称】晶元光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】チア−リアン シュウ
(72)【発明者】
【氏名】シュウ−ティン シュウ
(72)【発明者】
【氏名】ミン−シュン シエ
(72)【発明者】
【氏名】チ−チアン ルゥ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ワン
【合議体】
【審判長】
吉野 公夫
【審判官】
松川 直樹
【審判官】
山村 浩
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−252222号公報(JP,A)
【文献】
特開平10−294493号公報(JP,A)
【文献】
特開2008−270616号公報(JP,A)
【文献】
特開2007−273975号公報(JP,A)
【文献】
特開2008−60167号公報(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード素子であって、
第一平面及び第二平面を有する永久基板と、
前記永久基板の前記第一平面に位置する第一電極と、
前記永久基板の前記第一平面において前記第一電極以外の領域に位置する接着層と、
前記接着層に位置し、少なくとも、第一型半導体層と第二型半導体層とを含むパターン化半導体構造と、
前記パターン化半導体構造に位置し、且つ、前記第一型半導体層及び前記第二型半導体層とそれぞれ電気的に接続される第三電極及び第四電極と、
前記接着層と前記パターン化半導体構造との間に位置する成長基板と、
前記成長基板と接着層との間に位置する反射層と、
前記パターン化半導体構造、前記成長基板及び前記反射層の側壁に位置し、且つ、前記第三電極及び前記第四電極を前記第一電極と電気的に接続させるための電気接続構造と、
前記電気接続構造と、前記パターン化半導体構造、前記成長基板及び前記反射層の側壁との間に位置し、前記パターン化半導体構造、前記成長基板及び前記反射層を前記電気接続構造と絶縁させるための絶縁層と、
を含む、発光ダイオード素子。
【請求項2】
前記成長基板は、研磨により薄くされ得る、請求項1に記載の発光ダイオード素子。
【請求項3】
前記永久基板は、熱伝導用貫通穴をさらに有する、請求項1に記載の発光ダイオード素子。
【請求項4】
前記永久基板には受動素子が埋め込まれることが可能であり、且つ、前記受動素子と前記パターン化半導体構造との間は直列方式又は並列方式で電気的に接続されることが可能である、請求項1に記載の発光ダイオード素子。
【請求項5】
前記永久基板の材料は、セラミック材料、ガラス、複合材料又は高分子材料である、請求項1に記載の発光ダイオード素子。
【請求項6】
前記パターン化半導体構造は、Ga、Al、In、As、P及びNからなるグループより選択される一つ以上の物質を含む、請求項1に記載の発光ダイオード素子。
【請求項7】
前記パターン化半導体構造上に位置する光出しマイクロ構造をさらに含む、請求項1に記載の発光ダイオード素子。
【請求項8】
前記光出しマイクロ構造の形状は、柱状、フレネルレンズ状又は鋸歯状である、請求項7に記載の発光ダイオード素子。
【請求項9】
前記パターン化半導体構造上に位置するフォトニック結晶構造をさらに含む、請求項1に記載の発光ダイオード素子。
【請求項10】
前記絶縁層は、窒化シリコン又は酸化シリコンである、請求項1に記載の発光ダイオード素子。
【請求項11】
前記永久基板の前記第二平面に位置する第二電極をさらに含む、請求項1に記載の発光ダイオード素子。
【請求項12】
前記永久基板は、導電物質が充填される複数の貫通穴を有し、前記第一電極と前記第二電極との間は、当該複数の貫通穴により導通される、請求項11に記載の発光ダイオード素子。
【請求項13】
交流電気により操作される光電素子であって、
回路板と、
前記回路板に位置する複数の発光ダイオード素子と、
を含み、
前記発光ダイオード素子は、請求項1に記載の発光ダイオードである、光電素子。
【請求項14】
前記複数の発光ダイオード素子の間は、直列方式で電気的に接続される、請求項13に記載の光電素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)素子に関し、特に、発光ダイオードのチップレベルパッケージ(Chip Level Package)に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードのパッケージ技術が益々重要になっている。従来の発光ダイオードは、他の素子と組み合わせて発光装置を形成する必要がある。
図11は、従来の発光装置の構造を示す図である。
図11に示すように、発光装置600は、少なくとも一つの回路を有するサブマウント64と、サブマウント64に位置する少なくとも一つのはんだ62と、サブマウント64に位置し、少なくとも一つの基板58を有する発光ダイオードチップ400と、基板58に位置する半導体エピタキシャルスタック層54と、半導体エピタキシャルスタック層54に位置する電極56と、電気接続構造66と、を含む。はんだ62により、発光ダイオードチップ400をサブマウントに接着固定させ、また、発光ダイオードチップ400の基板58とサブマウント64上の回路との電気的な接続を形成させる。さらに、電気接続構造66により、発光ダイオードチップ400の電極56とサブマウント64上の回路との電気的な接続を形成させる。ここで、サブマウント64は、リードフレーム又は大きいサイズのマウント基板であっても良く、これにより、発光装置600の回路のレイアウトをしやすくなり、また、放熱効果を向上することもできる。しかし、ウェハーレベルパッケージ(Wafer Level Package)技術やチップレベルパッケージ技術、ひいては、三次元パッケージ技術が、射出成型などによりプラスチック製カップ状のパッケージを形成する技術に取って代わっている。なお、コスト削減、軽量化、小型化という角度から言えば、チップレベルパッケージは、実行可能な技術である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、チップレベルパッケージ技術により、発光ダイオード素子のパッケージのサイズを縮小しパッケージのプロセスを簡素化すると共に、発光ダイオード素子の光出し効率を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施例によれば、内部に受動素子が埋め込まれる永久基板が提供される。ここで、受動素子は、直列又は並列に半導体エピタキシャル層構造と電気的に接続される。
【0005】
本発明の一実施例によれば、絶縁材料と高熱伝導率材料との複合による永久基板が提供される。ここで、絶縁材料は、セラミック材料、ガラス又は高分子材料であっても良く、高熱伝導率材料は、銀、銅、石墨、炭化ケイ素又は金であっても良い。また、高熱伝導率材料領域には、放熱効率を向上するための複数の熱伝導用貫通穴がある。
【0006】
本発明の一実施例によれば、半導体エピタキシャル層構造上に位置する光出しマイクロ構造が提供される。ここで、光出しマクロ構造の形状は、柱状、フレネル(Fresnel)レンズ状又は鋸歯状であり、その目的は、光出し効率を向上することにある。
【0007】
本発明の一実施例によれば、インプリント技術により形成されるフォトニック結晶(Photonic Crystal)構造が提供される。ここで、フォトニック結晶構造を設置する目的は、発光ダイオードからの光が任意の方向に射出することを防止し、光が上へ射出する機会を大幅に増加することにより、発光ダイオードの発散角度を小さくし発光効率を高くすることにある。
【0008】
本発明の一実施例によれば、交流電気により操作される光電素子が提供される。ここで、光電素子は、直列に電気的に接続される複数の発光ダイオード素子からなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、チップレベルのパッケージ技術により、発光ダイオード素子のパッケージのサイズを縮小しパッケージのプロセスを簡素化すると共に、発光ダイオード素子の光出し効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本発明の第一実施例による発光ダイオード素子100の製作プロセスを示す図である。
【
図1B】本発明の第一実施例による発光ダイオード素子100の製作プロセスを示す図である。
【
図1C】本発明の第一実施例による発光ダイオード素子100の製作プロセスを示す図である。
【
図1D】本発明の第一実施例による発光ダイオード素子100の製作プロセスを示す図である。
【
図1E】本発明の第一実施例による発光ダイオード素子100の製作プロセスを示す図である。
【
図1F】本発明の第一実施例による発光ダイオード素子100の製作プロセスを示す図である。
【
図1G】本発明の第一実施例による発光ダイオード素子100の製作プロセスを示す図である。
【
図1H】本発明の第一実施例による発光ダイオード素子100の製作プロセスを示す図である。
【
図1I】本発明の第一実施例による発光ダイオード素子100の製作プロセスを示す図である。
【
図1J】本発明の第一実施例による発光ダイオード素子100の製作プロセスを示す図である。
【
図1K】本発明の第一実施例による発光ダイオード素子100の製作プロセスを示す図である。
【
図1L】本発明の第一実施例による発光ダイオード素子100の製作プロセスを示す図である。
【
図2】本発明の第一実施例による発光ダイオード素子100の他の構造を示す図である。
【
図3】本発明の第一実施例による発光ダイオード素子100の他の構造を示す図である。
【
図4】本発明の第一実施例による発光ダイオード素子100の他の構造を示す図である。
【
図5A】本発明の第二実施例による発光ダイオード素子200の製作プロセスを示す図である。
【
図5B】本発明の第二実施例による発光ダイオード素子200の製作プロセスを示す図である。
【
図5C】本発明の第二実施例による発光ダイオード素子200の製作プロセスを示す図である。
【
図5D】本発明の第二実施例による発光ダイオード素子200の製作プロセスを示す図である。
【
図5E】本発明の第二実施例による発光ダイオード素子200の製作プロセスを示す図である。
【
図5F】本発明の第二実施例による発光ダイオード素子200の製作プロセスを示す図である。
【
図5G】本発明の第二実施例による発光ダイオード素子200の製作プロセスを示す図である。
【
図5H】本発明の第二実施例による発光ダイオード素子200の製作プロセスを示す図である。
【
図6】本発明の第二実施例による発光ダイオード素子200の他の構造を示す図である。
【
図7】本発明の第二実施例による発光ダイオード素子200の他の構造を示す図である。
【
図8A】本発明の第三実施例による発光ダイオード素子300の製作プロセスを示す図である。
【
図8B】本発明の第三実施例による発光ダイオード素子300の製作プロセスを示す図である。
【
図8C】本発明の第三実施例による発光ダイオード素子300の製作プロセスを示す図である。
【
図8D】本発明の第三実施例による発光ダイオード素子300の製作プロセスを示す図である。
【
図8E】本発明の第三実施例による発光ダイオード素子300の製作プロセスを示す図である。
【
図8F】本発明の第三実施例による発光ダイオード素子300の製作プロセスを示す図である。
【
図8G】本発明の第三実施例による発光ダイオード素子300の製作プロセスを示す図である。
【
図9】本発明の第三実施例による発光ダイオード素子300の他の構造を示す図である。
【
図10】本発明の第三実施例による発光ダイオード素子300の他の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、添付した図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
【0012】
図1A〜
図1Iを参照しながら本発明の第一実施例による発光ダイオード素子100の製作プロセスを説明する。まず、
図1Aを参照する。
図1Aに示すように、第一平面101a及び第二平面101bを含む成長基板101が提供される。成長基板101の材料は、アルミナ(sapphire:サファイア)である。また、成長基板101の第一平面101aには、エピタキシャル構造116が形成される。エピタキシャル構造116は、エピタキシャルプロセスにより形成され、例えば、有機金属化学気相成長法(MOCVD)、液相成長法(LPE)又は分子線エピタキシー(MBE)などのエピタキシャルプロセスにより形成される。このエピタキシャル構造116は、少なくとも、第一電気特性の半導体層110と、活性層112と、第二電気特性の半導体層114とを含み、ここで、第一電気特性の半導体層110は、例えば、n型の(Al
xGa
1−x)
yIn
1−yN層であり、活性層112は、例えば、(Al
xGa
1−x)
yIn
1−yNにより形成された多重量子井戸構造であり、第二電気特性の半導体層114は、例えば、p型の(Al
xGa
1−x)
yIn
1−yN層である。また、本実施例の活性層112は、例えば、同質構造、単異質構造、双異質構造又は多重量子井戸構造によりスタックされて形成されても良い。
図1Bを参照する。
図1Bに示すように、成長基板101上のエピタキシャル構造116をエッチングすることにより、パターン化半導体構造118を形成する。
図1Cを参照する。
図1Cに示すように、第一電気特性の半導体層110と第二電気特性の半導体層114にそれぞれ第三電極120aと第四電極120bを形成する。
図1Dを参照する。
図1Dに示すように、一時基板102を提供し、そして、接続層122によりパターン化半導体構造118と該一時基板102とを接続させる。
図1Eを参照する。
図1Eに示すように、研磨又はエッチングの方法で、成長基板101の少なく一部を除去することにより、成長基板の厚みを約10μmにさせる。
図1Fを参照する。
図1Fに示すように、成長基板101の第二平面101bに反射層124と金属接着層126を順に形成する。そして、
図1Gに示すように、金属接着層126、反射層124及び成長基板101などを切断する。それから、
図1Hに示すように、パターン化の半導体構造118、成長基板101及び反射層124の側壁に絶縁層127を形成する。また、絶縁層127は、例えば、窒化シリコン又は酸化シリコンであっても良く、パターン化半導体構造118は、Ga、Al、In、As、P及びNからなるグループより選択される一つ以上の物質を含んでも良い。
【0013】
図1Iを参照する。
図1Iに示すように、第一平面103aと第二平面103bを含む永久基板103を提供する。永久基板103の材料は、セラミック材料、ガラス、複合材料又は高分子材料であっても良い。永久基板103には、永久基板103全体を貫通する複数の貫通穴を形成し、そして、当該複数の貫通穴には、導電物質130が充填される。また、永久基板103の第一平面103aと第二平面103bにそれぞれ第一電極132aと第二電極132bを形成する。
図1Jに示すように、金属接着層126により、
図1Hに示す構造と
図1Iに示す永久基板とを接着させ、そして、一時基板102と接続層122を除去する。それから、
図1Kに示すように、電気メッキ又はコーティングに関連する製作プロセスにより電気接続構造134を形成し、また、この電気接続構造134により発光ダイオードの第三電極102a及び第四電極102bと、永久基板103の第一電極132aとを接続させる。次に、切断することにより
図1Lに示すような構造の発光ダイオード素子100を形成する。よって、発光ダイオード素子100は、永久基板103の第二電極132bにより発光装置の回路板と電気的に接続されるので、サブマウントと接続することにより放熱効果を達成する必要がなくなる。
【0014】
図2を参照する。
図2に示すように、発光ダイオード素子100の永久基板は、絶縁材料と高熱伝導率材料の複合により形成されても良い。ここで、絶縁材料は、セラミック材料、ガラス又は高分子材料であっても良く、高熱伝導率材料は、銀、銅、石墨、炭化ケイ素又は金であっても良い。また、高熱伝導率材料領域には、放熱の効果を達成するための複数の熱伝導用貫通穴140が形成される。
【0015】
図3を参照する。
図3に示すように、発光ダイオード素子100の第一電気特性の半導体層110の表面の、電極が覆われない領域、及び、第二電気特性の半導体層114の表面の、電極が覆われない領域に、それぞれ、光出しマイクロ構造136を形成する。光出しマイクロ構造136の形状は、柱状、フレネルレンズ状又は鋸歯状であっても良く、この光出しマイクロ構造を設置する目的は、光出し効率を向上することにある。
【0016】
図4を参照する。
図4に示すように、発光ダイオード素子100の第一電気特性の半導体層110の表面の、電極が覆われない領域、及び、第二電気特性の半導体層114の表面の、電極が覆われない領域に、それぞれ、フォトニック結晶構造137を形成しても良い。このフォトニック結晶構造137は、発光ダイオードからの光が任意の方向に射出することを防止し、光が上へ射出する機会を大幅に増加することにより、発光ダイオードの発散角度を小さくし発光効率を高くすることができる。
【0017】
本発明の第二実施例による発光ダイオード素子200の製作プロセスは、その前半が第一実施例の
図1A〜
図1Dに示したステップと同じである。
図5Aを参照する。
図5Aに示すように、化学的な選択性エッチング又は研磨により、成長基板101を除去する。
図5Bを参照する。
図5Bに示すように、第一電気特性の半導体層110の下方に絶縁反射層124と金属接着層126を順に形成する。それから、
図5Cに示すように、金属接着層126と絶縁反射層124を切断し、そして、
図5Dに示すように、パターン化半導体構造118及び絶縁反射層124の側壁に絶縁層127を形成する。絶縁層127は、例えば、窒化シリコン又は酸化シリコンであっても良い。
【0018】
図5Eを参照する。
図5Eに示すように、第一平面103aと第二平面103bを含む永久基板103を提供する。永久基板103の材料は、セラミック材料、ガラス、複合材料又は高分子材料であっても良い。永久基板103には、永久基板103全体を貫通する複数の貫通穴を形成し、そして、この複数の貫通穴には、導電物質130が充填される。また、永久基板103の第一平面103aと第二平面103bにそれぞれ第一電極132aと第二電極132bを形成する。
図5Fに示すように、金属接着層126により、
図5Dの構造と
図5Eの永久基板とを接着させ、一時基板102及び接続層122を除去する。それから、
図5Gに示すように、電気メッキ又はコーティングに関連する製作プロセスにより電気接続構造134を形成し、また、この電気接続構造134により発光ダイオードの第三電極102a及び第四電極102bと、永久基板103の第一電極132aとを接続させる。最後に、切断することにより
図5Hに示すような構造の発光ダイオード素子200を形成する。よって、発光ダイオード素子200は、永久基板103の第二電極132bにより発光装置の回路板と電気的に接続するので、サブマウントと接続することにより放熱効果を達成する必要がなくなる。
【0019】
図6を参照する。
図6に示すように、発光ダイオード素子200の第一電気特性の半導体層110の表面の、電極が覆われない領域、及び、第二電気特性の半導体層114の表面の、電極が覆われない領域に、それぞれ、光出しマイクロ構造136を形成する。光出しマイクロ構造136の形状は、柱状、フレネルレンズ状又は鋸歯状であっても良く、この光出しマイクロ構造を設置する目的は、光出し効率を向上することにある。
【0020】
図7を参照する。
図7に示すように、発光ダイオード素子200の第一電気特性の半導体層110の表面の、電極が覆われない領域、及び、第二電気特性の半導体層114の表面の、電極が覆われない領域に、それぞれ、フォトニック結晶構造137を形成しても良い。このフォトニック結晶構造137は、発光ダイオードからの光が任意の方向に射出することを防止し、光が上へ射出する機会を大幅に増加することにより、発光ダイオードの発散角度を小さくし発光効率を高くすることができる。
【0021】
図8A〜
図8Gを参照しながら本発明の第三実施例による発光ダイオード素子300の製作プロセスを説明する。まず、
図8Aを参照する。
図8Aに示すように、第一平面101a及び第二平面101bを含む成長基板101が提供される。成長基板101の材料は、ガリウムヒ素(GaAs)である。また、成長基板101の第一平面101aには、エピタキシャル構造116が形成される。エピタキシャル構造116は、エピタキシャルプロセスにより形成され、例えば、有機金属化学気相成長法(MOCVD)、液相成長法(LPE)又は分子線エピタキシー(MBE)などのエピタキシャルプロセスにより形成される。このエピタキシャル構造116は、少なくとも、第一電気特性の半導体層110と、活性層112と、第二電気特性の半導体層114とを含み、ここで、第一電気特性の半導体層110は、例えば、n型の(Al
xGa
1−x)
yIn
1−yP層であり、活性層112は、例えば、(Al
xGa
1−x)
yIn
1−yPにより形成された多重量子井戸構造であり、第二電気特性の半導体層114は、例えば、p型の(Al
xGa
1−x)
yIn
1−yP層である。また、本実施例の活性層112は、例えば、同質構造、単異質構造、双異質構造又は多重量子井戸構造によりスタックされて形成されても良い。次に、エピタキシャル構造116上に透明接着層138を形成する。
【0022】
図8Bを参照する。
図8Bに示すように、第一平面103aと第二平面103bを含む永久基板103を提供する。永久基板103の材料は、セラミック材料、ガラス、複合材料又は高分子材料であっても良い。永久基板103には、永久基板103全体を貫通する複数の貫通穴を形成し、当該複数の貫通穴には、導電物質130が充填される。また、永久基板103の第一平面103aと第二平面103bにそれぞれ第一電極132aと第二電極132bを形成する。次に、永久基板103の第一平面103の、第一電極132a以外の領域に、透明接着層138を形成する。
図8Cに示すように、この透明接着層138により、
図8Aの構造と
図8Bの永久基板103とを接着させる。
図8Dを参照する。
図8Dに示すように、化学的な選択性エッチング又は研磨により成長基板110を除去し、エピタキシャル構造116及び透明接着層138をエッチングすることにより、パターン化半導体構造118を形成する。
図8Eを参照する。
図8Eに示すように、第一電気特性の半導体構造110及び第二電気特性の半導体構造114にそれぞれ第三電極12aと第四電極120bを形成する。そして、パターン化半導体構造118の側壁に絶縁層127を形成する。それから、
図8Fに示すように、電気メッキ又はコーティングに関連する製作プロセスにより電気接続構造134を形成し、また、この電気接続構造134により発光ダイオードの第三電極102a及び第四電極102bと、永久基板103の第一電極132aとを接続させる。最後に、切断することにより
図8Gに示すような構造の発光ダイオード素子300を形成する。よって、発光ダイオード素子300は、永久基板103の第二電極132bにより発光装置の回路板と電気的に接続するので、サブマウントと接続することにより放熱効果を達成する必要がなくなる。
【0023】
図9を参照する。
図9に示すように、発光ダイオード素子300の第一電気特性の半導体層110の表面の、電極が覆われない領域、及び、第二電気特性の半導体層114の表面の、電極が覆われない領域に、それぞれ、光出しマイクロ構造136を形成する。光出しマイクロ構造136の形状は、柱状、フレネルレンズ状又は鋸歯状であっても良く、この光出しマイクロ構造を設置する目的は、光出し効率を向上することにある。
【0024】
図10を参照する。
図10に示すように、発光ダイオード素子300の第一電気特性の半導体層110の表面の、電極が覆われない領域、及び、第二電気特性の半導体層114の表面の、電極が覆われない領域に、それぞれ、フォトニック結晶構造137を形成しても良い。このフォトニック結晶構造137は、発光ダイオードからの光が任意の方向に射出することを防止し、光が上へ射出する機会を大幅に増加することにより、発光ダイオードの発散角度を小さくし発光効率を高くすることができる。
【0025】
また、チップ製作プロセスにおいて、複数の電極を直列に接続することにより、交流電気による操作を実現しても良い。さらに、空間を節約するために、永久基板の内部には、抵抗又はコンデンサーなどの受動素子が埋め込まれても良い。
【0026】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこの実施形態に限定されず、本発明の趣旨を離脱しない限り、本発明に対するあらゆる変更は本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0027】
100、200、300 発光ダイオード素子
101 成長基板
101a 成長基板の第一平面
101b 成長基板の第二平面
102 一時基板
103 永久基板
110 第一電気特性の半導体層
112 活性層
114 第二電気特性の半導体層
116 エピタキシャル構造
118 パターン化半導体構造
120a 第三電極
120b 第四電極
122 接続層
124 反射層
126 金属接着層
127 絶縁層
130 導電物質
132a 第一電極
132b 第二電極
134 電気接続構造
136 光出しマイクロ構造
137 フォトニック結晶構造
138 透明接着層
140 熱伝導用貫通穴
54 半導体エピタキシャルスタック層
56 電極
58 基板
62 はんだ
64 サブマウント
66 電気接続構造
400 発光ダイオードチップ
600 発光装置