【実施例】
【0037】
(実施例1:本発明に従う、微結晶性セルロース−2% ヒドロキシプロピルメチルセルロース−クロスポピドン賦形剤の調製)
上記改善された賦形剤は、微結晶性セルロース 85%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2%、およびクロスポピドン 13%からなる。上記賦形剤
を、湿式均質化/噴霧乾燥顆粒化プロセスによって生成
した。上記賦形剤の生成のために使用した装置は、12000〜25000の間のディスクRPMおよび180〜250℃の入り口温度を有する並流アトマイザーディスクタイプ(Co−current atomizer disc type)であった。粉末化MCCを、脱イオン水と混合チャンバ中でスラリーに変換して、23.34%の濃度を得た。他の成分、すなわち、HPMCおよびクロスポピドンもまた、60℃の別個の混合チャンバ中、脱イオン水でスラリーに変換して、5.93%の濃度にした。次いで、上記HPMC/クロスポピドン混合物を、上記MCCスラリーを含むチャンバ中に移し、2時間にわたって、循環剪断ポンプおよび攪拌機を使用して、40〜60℃の均一な混合物へと均質化して、
固体を上記溶液中に懸濁
させて維持して、均質なスラリーを形成した。次いで、上記スラリー混合物を、106〜109℃の出口温度において、熱気(hot air)の存在下で、33Hzのモーター周波数においてロータリーノズルを介して噴霧乾燥した。このことは、上記顆粒形成工程を構成する。その細かいものを、サイクロンで除去し、上記最終生成物を収集すると、上記新たな改善された賦形剤が与えられた。実施例1の賦形剤のSEM顕微鏡写真は、
図1に認められる。別段注記されない限り、本明細書中の全てのSEM顕微鏡写真は、FEI XL30 ESEM(環境的走査型電子顕微鏡)、電圧5kV、スポットサイズ3、SE検出器を使用して記録した。上記サンプルを、SEM分析の前にイリジウムを付着させた(付着時間40秒)。
【0038】
上記顆粒物質の圧縮性、空気を含んだバルク密度および
タップバルク密度(tapped bulk density)を、Powder Tester(Hosokawa Micron Corporation) Model PT−Sを使用して測定した。上記Hosokawa Powder Testerソフトウェアを使用するコンピューターを使用して、測定操作の間にHosokawa Powder Testerを制御し、単純な使用およびデータ処理を可能にした。上記空気を含んだバルク密度および
タップバルク密度を測定するために、50ccカップを使用した。
タップバルク密度を測定するための標準の
タップ数(tapping count)は、180であり、上記
タップストロークは18mmであった。D50値を、「粒径分布」測定において
収集したデータに基づいて計算した。Air Jet Sieving instrument(Hosokawa Micron System)を使用して、上記顆粒物質の粒径分布を決定した。一連の4つのシーブ(270メッシュ、200メッシュ、100メッシュおよび60メッシュ)を使用した。各シーブに対する篩時間は、60秒であったが、真空圧は
、12〜14
インチH2Oで維持した。サンプルサイズは、5gであった。
【0039】
「乾燥時喪失」(LOD)値を、Mettler Toledo Infrared Dryer LP16を使用して決定した。その設定温度は、120℃であり、分析を、一定重量に達したときに停止した。
【0040】
【表1】
(実施例2:本発明に従う、微結晶性セルロース−5.5% ヒドロキシプロピルメチルセルロース−クロスポピドン賦形剤の調製)
上記賦形剤は、微結晶性セルロース(85.5%)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(5.5%)、およびクロスポピドン(9%)からなる。上記賦形剤を、湿式均質化/噴霧乾燥顆粒化プロセスによって生成した。上記賦形剤の生成のために使用した装置は、12000〜25000の間のディスクRPMおよび180〜250℃の入り口温度を有する並流アトマイザーディスクタイプ(Co−current atomizer disc type)であ
る。顆粒化の後、サイクロン分離デバイスを使用して、細かいものを除去した。粉末化MCCを、混合チャンバ中で脱イオン水を使用してスラリーに変換して、25.12%の濃度にした。他の成分HPMCおよびクロスポピドンを、最初に乾式混合し、次いで、別個の混合チャンバ中、脱イオン水でスラリーへと変換し、11.4%の濃度にした。次いで、上記HPMC/クロスポピドン混合物を、上記MCCスラリーを含むチャンバへと移し、循環剪断ポンプおよび攪拌機を使用して、40〜60℃で2時間にわたって均質な混合物へと均質化して、
固体を上記溶液中に懸濁
させて維持して、均質なスラリーを形成した。次いで、上記スラリー混合物を、106〜109℃の出口温度において、熱気(hot air)の存在下で、40.1Hzのモーター周波数においてロータリーノズルを介して噴霧乾燥した。このことは、上記顆粒形成工程を構成する。その細かいものを、サイクロンで除去し、上記最終生成物を収集した(
図2を参照のこと)。
【0041】
上記粉末特
性を、実施例1に記載されるように決定した。
【0042】
【表2】
(実施例3)
上記賦形剤は、微結晶性セルロース(89%)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(2%)、およびクロスポピドン(9%)からなる。上記賦形剤を、湿式均質化/噴霧乾燥顆粒化プロセスによって生成した。上記賦形剤の生成のために使用した装置は、12000〜25000の間のディスクRPMおよび180〜250℃の入り口温度を有する並流アトマイザーディスクタイプ(Co−current atomizer disc type)であった。顆粒化の後、サイクロン分離デバイスを使用して、細かいものを除去した。上記顆粒状賦形剤の生成を、混合チャンバ中で脱イオン水を使用して粉末化MCC(これは、杆状粒子からなる)をスラリーに変換して、23.34%の濃度にすることで始める。他の成分HPMCおよびクロスポピドンを、最初に乾式混合し、次いで、別個の混合チャンバ中、脱イオン水でスラリーへと変換し、10.1%の濃度にした。次いで、上記HPMC/クロスポピドン混合物を、上記MCCスラリーを含むチャンバへと移し、循環剪断ポンプおよび攪拌機を使用して、40〜60℃で2時間にわたって均質な混合物へと均質化して、
固体を上記溶液中に懸濁
させて維持して、均質なスラリーを形成した。次いで、上記スラリー混合物を、106〜109℃の出口温度において、熱気(hot air)の存在下で、32.5Hzのモーター周波数においてロータリーノズルを介して噴霧乾燥した。このことは、上記顆粒形成工程を構成する。その細かいものを、サイクロンで除去し、上記最終生成物を収集した。いくつかのサンプリングから得られた生成物の均質性を、
図8に図示する。
【0043】
上記粉末特
性を、実施例1に記載されるように決定した。
【0044】
【表3】
(実施例4:微結晶性セルロース(89%)−HPMC(2%)−クロスポピドン(9%)の高剪断湿式顆粒化)
133.5g 微結晶性セルロース、3.0g ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび13.5g クロスポピドンを、1Lステンレス鋼のボールに入れた。このボールを、GMX.01ベクターマイクロ高剪断ミキサー/造粒機(Vector Corporation)に取り付けた。この乾燥混合物を、870rpmインペラー速度および1000rpチョッパー速度で2分にわたって混合した。16rpmの供与量率(dose rate)において蠕動ポンプを使用して、70gの脱イオン水(「液体結合剤」)をこの乾燥ブレンドに1滴ずつ添加した。上記液体結合剤添加の間、上記インペラー速度は700rpmであり、上記チョッパー速度は、1500rpmであった。上記湿式の塊にする時間(wet massing time)は、60秒であり、上記液体添加の間と同じインペラー速度およびチョッパー速度を維持した。顆粒化の後、上記湿った顆粒状物質を、60℃においてトレイで乾燥させた。その得られた顆粒状物質(水分含有量2.35%)を、30メッシュシーブを介して分離した。30メッシュスクリーンを通過した上記顆粒状物質の収量は、116.73gであった
(乾燥出発物質および乾燥生成物
を基準にして79.3%)。
図6を参照のこと。
【0045】
(実施例5:実施例1の賦形剤および実施例4に従う高剪断湿式顆粒化によって得られた物質についての顆粒の砕けやすさの試験)
75〜100gの顆粒状物質を、4LのV字型ブレンダー中に装填し、2時間にわたって転倒混和した。上記顆粒状物質を回収し、分析した。Air Jet Sieving機器(Hosokawa Micron System)を使用して、転倒混和の前後で上記顆粒状物質の粒径分布を決定した。一連の4つのシーブ(270メッシュ、200メッシュ、100メッシュおよび60メッシュ)を使用した。各シーブに対する篩時間は、60秒であり、その間にその真空圧は
、12〜14
インチH2Oで維持した。上記サンプルサイズは、5gであった。
【0046】
【表4】
(実施例6:実施例1の粉末特
性および実施例3の賦形剤および実施例4に従う高剪断湿式顆粒化によって得られる物質の比較)
上記顆粒状物質の粉末特
性を、Powder Tester(Hosokawa Micron Corporation) Model PT−Sを使用して測定した。上記Hosokawa Powder試験器は、R.L.Carrの証明された方法に従って、乾燥固体の流動性を決定する。上記Hosokawa Powder Testerソフトウェアを使用するコンピューターを使用して、測定操作の間にHosokawa Powder Testerを制御し、単純な使用およびデータ処理を可能にした。上記空気を含んだバルク密度および
タップバルク密度を測定するために、50ccカップを使用した。上記
タップバルク密度を測定するための上記標準
タップ数は180であり、上記
タップストロークは、18mmであった。
【0047】
【表5】
(実施例7:実施例1の賦形剤を使用して調製したプラセボ錠剤および実施例4に従う高剪断湿式顆粒化によって得られた物質の硬度 対 圧縮
力プロフィールの比較)
約0.5g錠剤を、Carverマニュアルプレスおよび13mmダイを使用して、種々の圧縮力で対応する顆粒状物質から押し出した。休止時間(dwell time)は、5秒であった。滑沢剤を添加しなかった。上記錠剤の硬度は、Varian,Benchsaver
TM Series,VK 200 Tablet Hardness Testerを使用して測定した。以下の表において記録された値は、3回の測定の平均である。
【0048】
【表6】
(実施例8:種々の市販の供給源
からの微結晶性セルロース、微結晶性セルロースを含む市販の同時処理賦形剤、ならびに実施例1、実施例2および実施例3の賦形
剤のHausner比およびCarrの圧縮性指数(%)の比較)
上記空気を含んだバルク濃度および
タップバルク密度を使用して、Carrの圧縮性指数およびHausner比を計算し得る。Carrの圧縮性指数に対して20〜21%以下の値、およびHausner比に対して1.25未満の値は、良好な流動性を有する物質を示す。
【0049】
【表7】
(実施例9:MCCベースの顆粒状賦形剤のプラセボ錠剤についての崩壊時間 対 硬度)
約0.5g 錠剤を、Carverマニュアルプレスおよび13mmダイを使用して、3000lbs−fの圧縮力で対応する顆粒状物質から押し出した。休止時間は、5秒であった。滑沢剤は加えなかった。上記崩壊実験を、37℃の900mLの脱イオン水を使用して、Distek Disintegration System 3100で実施した。
【0050】
【表8】
(実施例10:5% アセトアミノフェンと実施例1の賦形剤との混合物の粉末特性)
7.9gのアセトアミノフェンを、4LのV字形ブレンダー中、1時間30分間にわたって150gの実施例1の賦形剤と混和した。上記粉末特
性を、実施例6において言及された同じ方法を使用して測定した。上記D50値を、実施例5において記載されるものに類似の「粒径分布」測定において集められたデータに基づいて計算した。
【0051】
【表9】
(実施例11:30% アセトアミノフェンと実施例1の賦形剤との混合物の粉末特性)
64.9gのアセトアミノフェンを、4LのV字形ブレンダー中、1時間30分間にわたって150gの実施例1の賦形剤と混和した。上記粉末特
性を、実施例6に記載される同じ方法を使用して測定した。上記D50値を、実施例5に記載されるものと類似の「粒径分布」測定において集められたデータに基づいて、計算した。
【0052】
【表10】
(実施例12:30% イブプロフェンと実施例1の賦形剤との混合物の粉末特性)
64.3gのイブプロフェンを、4LのV字形ブレンダー中、1時間30分間にわたって150gの実施例1の賦形剤と混和した。上記粉末特
性を、実施例6に記載される同じ方法を使用して測定した。上記D50値を、実施例5に記載されるものと類似の「粒径分布」測定において集められたデータに基づいて計算した。
【0053】
【表11】
(実施例13:実施例10に従って調製された粉末ブレンドを使用した、5% アセトアミノフェン錠剤の調製)
約0.5gの錠剤を、Carverマニュアルプレスおよび13mmダイを使用して、種々の圧縮力で対応する顆粒状物質から押し出した。休止時間は、5秒であった。滑沢剤は添加しなかった。上記錠剤の硬度を、Varian,Benchsaver
TM Series,VK 200 Tablet Hardness Testerを使用して測定した。以下の表において記録された値は、3回の測定の平均である。上記崩壊実験を、37℃の900mL 脱イオン水を使用して、Distek Disintegration System 3100で行った。
【0054】
【表12】
(実施例14:実施例11に従って調製された粉末ブレンドを使用する、30% アセトアミノフェン錠剤の調製)
約0.5gの錠剤を、Carverマニュアルプレスおよび13mmダイを使用して、種々の圧縮力で対応する顆粒状物質から押し出した。休止時間は、5秒であった。滑沢剤は添加しなかった。上記錠剤の硬度を、Varian,Benchsaver
TM Series, VK 200 Tablet Hardness Testerを使用して測定した。以下の表に記録された値は、3回の測定の平均である。上記崩壊実験を、37℃の900mLの脱イオン水を使用して、Distek Disintegration System 3100で行った。
【0055】
【表13】
(実施例15:50% ナプロキセンナトリウム/実施例3の調製)
80gのナプロキセンナトリウムを、4LのV字形ブレンダー中、1時間30分間にわたって、80gの実施例3の賦形剤および800mg(0.5%)の無定形シリカ(滑り剤)とブレンドした。約0.5gの錠剤を、Carverマニュアルプレスおよび13mmダイを使用して、種々の圧縮力で対応する顆粒状物質から押し出した。休止時間は、5秒であった。滑沢剤は添加されなかった。上記錠剤の硬度を、Varian,Benchsaver
TM Series,VK 200 Tablet Hardness Testerを使用して測定した。以下の表において記録された値は、3回の測定の平均である。上記崩壊実験を、37℃の900mLの脱イオン水を使用して、Distek Disintegration System 3100で行った。
【0056】
【表14】
【0057】
【表15】
本発明を詳細に記載してきたが、当業者は、改変が、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本発明からなされ得ることを認識する。従って、本発明の範囲は、記載される特定の実施形態に制限されることは意図されない。むしろ、添付の特許請求の範囲およびこれらの等価物が、本発明の範囲を決定することが意図される。
【0058】
別段注記されない限り、全てのパーセンテージは、重量/重量パーセンテージである。