特許第5712174号(P5712174)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社コナミデジタルエンタテインメントの特許一覧

<>
  • 特許5712174-ゲーム装置及びプログラム 図000002
  • 特許5712174-ゲーム装置及びプログラム 図000003
  • 特許5712174-ゲーム装置及びプログラム 図000004
  • 特許5712174-ゲーム装置及びプログラム 図000005
  • 特許5712174-ゲーム装置及びプログラム 図000006
  • 特許5712174-ゲーム装置及びプログラム 図000007
  • 特許5712174-ゲーム装置及びプログラム 図000008
  • 特許5712174-ゲーム装置及びプログラム 図000009
  • 特許5712174-ゲーム装置及びプログラム 図000010
  • 特許5712174-ゲーム装置及びプログラム 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5712174
(24)【登録日】2015年3月13日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】ゲーム装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/795 20140101AFI20150416BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20150416BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20150416BHJP
   A63F 13/812 20140101ALI20150416BHJP
【FI】
   A63F13/795
   A63F13/79 500
   A63F13/30
   A63F13/812 B
【請求項の数】9
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-170387(P2012-170387)
(22)【出願日】2012年7月31日
(65)【公開番号】特開2014-28058(P2014-28058A)
(43)【公開日】2014年2月13日
【審査請求日】2013年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大西 隆司
【審査官】 柴田 和雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−158956(JP,A)
【文献】 特表2009−504348(JP,A)
【文献】 METAL GEAR ONLINE,電撃PlayStation 第14巻 第35号,株式会社アスキー・メディアワークス,2008年 9月12日,第14巻,34-35頁
【文献】 SOCOM:U.S.NAVY SEALs OPERATING MANUAL,株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント Sony Computer Entertainment Inc.,2003年12月25日,31-32,34頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 − 13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに同じコミュニティに属する複数のユーザで結成されるグループの各ユーザが参加するゲームを制御するゲーム装置であって、
複数のコミュニティの各々と、当該コミュニティに属するユーザと、を関連付けて記憶する手段の記憶内容を取得する手段と、
一のユーザが前記ゲームに参加する場合に、前記一のユーザと同じコミュニティの前記グループが所与の条件を満たすか否かを判定することによって、前記一のユーザと同じコミュニティの他のユーザが属する前記グループであって、前記一のユーザが所属可能な前記グループがあるか否かを判定する判定手段と、
前記一のユーザが所属可能な前記グループがあると判定された場合、前記一のユーザを当該グループに所属させる所属制御手段と、
前記グループに属する前記一のユーザ及び前記一のユーザと同じコミュニティに属する他のユーザが参加するゲームを、当該一のユーザ及び当該他のユーザに提供するゲーム提供手段と、
前記一のユーザが所属可能な前記グループがないと判定された場合、当該一のユーザと同じコミュニティの他のユーザを所属させるための前記グループを生成する手段と、
を含み、
前記所属制御手段は、
前記グループが生成された後において、当該グループを生成させた前記一のユーザと同じコミュニティに属する他のユーザが前記ゲームに参加する場合、当該他のユーザを当該生成されたグループに所属させる、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記一のユーザと同じコミュニティの前記他のユーザが所属する前記グループが既に生成されているか否かを判定することによって、前記一のユーザと同じコミュニティの前記グループが所与の条件を満たすか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記グループには、所属可能なユーザの上限数が定められており、
前記判定手段は、前記一のユーザと同じコミュニティの前記他のユーザが所属する前記グループの所属人数が前記上限数であるか否かを判定することによって、前記一のユーザと同じコミュニティの前記グループが所与の条件を満たすか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記ゲームは、実行中にユーザを途中参加させないものであり、
前記判定手段は、前記一のユーザと同じコミュニティの前記他のユーザが所属する前記グループのゲームが既に開始しているか否かを判定することによって、前記一のユーザと同じコミュニティの前記グループが所与の条件を満たすか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記ゲーム装置は、
前記グループが生成された後において、当該グループを生成させた前記一のユーザによる、ゲーム開始操作を受け付ける手段を更に含み、
前記ゲーム提供手段は、前記ゲーム開始操作が受け付けられた場合、前記グループに属する前記一のユーザ及び前記一のユーザと同じコミュニティの他のユーザが参加するゲームを、当該一のユーザ及び当該他のユーザに提供する、
ことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記ゲーム装置は、
前記グループを生成した後において、当該グループを生成させた前記一のユーザによる、グループ解散操作を受け付ける手段と、
前記グループ解散操作が受け付けられた場合、前記グループを解散させる手段と、
を更に含むことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記実行手段は、
前記一のユーザが前記ゲームに参加する場合に、前記一のユーザと、前記一のユーザとは異なるコミュニティに属する他のユーザと、が同じゲームに参加することを制限する、
ことを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記ゲーム提供手段は、
一のコミュニティに属する複数のユーザと、他のコミュニティに属する複数のユーザと、が対戦又は協力するゲームを提供する、
ことを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項9】
請求項1〜8の何れかに記載のゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のユーザが参加するゲームを制御するゲーム装置が知られている。例えば、特許文献1には、複数のユーザが対戦するオンラインゲームを実行するゲーム装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−117340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなゲームにおいては、互いに顔を知らないユーザ同士で対戦することが多く、信頼性の高いユーザ同士でゲームをプレイさせることが望ましい。しかしながら、従来の技術では、あるユーザが信頼性の高い他のユーザとゲームをプレイするためには、信頼性の高い他のユーザを自分で探し出さなければならなかった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、例えば、ユーザが信頼性の高い他のユーザを探す手間を軽減することが可能なゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に関わるゲーム装置(1)は、複数のユーザが参加するゲームを制御するゲーム装置(1)であって、複数のコミュニティの各々と、当該コミュニティに属するユーザと、を関連付けて記憶する手段(70)の記憶内容を取得する手段(72)と、一のユーザが前記ゲームに参加する場合に、前記一のユーザと、前記一のユーザと同じコミュニティに属する他のユーザと、が同じゲームに参加するための処理を実行する実行手段(74)と、前記一のユーザと、前記一のユーザと同じコミュニティに属する他のユーザと、が参加するゲームを、当該一のユーザ及び当該他のユーザに提供するゲーム提供手段(88)と、を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明に関わるゲーム装置(1)の制御方法は、複数のユーザが参加するゲームを制御するゲーム装置(1)の制御方法であって、複数のコミュニティの各々と、当該コミュニティに属するユーザと、を関連付けて記憶する手段(70)の記憶内容を取得するステップ(72)と、一のユーザが前記ゲームに参加する場合に、前記一のユーザと、前記一のユーザと同じコミュニティに属する他のユーザと、が同じゲームに参加するための処理を実行する実行ステップ(74)と、前記一のユーザと、前記一のユーザと同じコミュニティに属する他のユーザと、が参加するゲームを、当該一のユーザ及び当該他のユーザに提供するゲーム提供ステップ(88)と、を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明に関わるプログラムは、複数のユーザが参加するゲームを制御するコンピュータを機能させるためのプログラムであって、複数のコミュニティの各々と、当該コミュニティに属するユーザと、を関連付けて記憶する手段(70)の記憶内容を取得する手段(72)、一のユーザが前記ゲームに参加する場合に、前記一のユーザと、前記一のユーザと同じコミュニティに属する他のユーザと、が同じゲームに参加するための処理を実行する実行手段(74)、前記一のユーザと、前記一のユーザと同じコミュニティに属する他のユーザと、が参加するゲームを、当該一のユーザ及び当該他のユーザに提供するゲーム提供手段(88)、として前記コンピュータを機能させる。
【0009】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0010】
本発明によれば、ユーザが信頼性の高い他のユーザを探す手間を軽減することができる。
【0011】
また、本発明の一態様によれば、前記ゲームは、互いに同じコミュニティに属する複数のユーザで結成されるグループの各ユーザが参加するゲームであり、前記実行手段(74)は、前記一のユーザが前記ゲームに参加する場合に、前記一のユーザと同じコミュニティの他のユーザが属する前記グループであって、前記一のユーザが所属可能な前記グループがあるか否かを判定する手段(76)と、前記一のユーザが所属可能な前記グループがあると判定された場合、前記一のユーザを当該グループに所属させる所属制御手段(78)と、を含み、前記ゲーム提供手段(88)は、前記グループに属する前記一のユーザ及び前記一のユーザと同じコミュニティの他のユーザが参加するゲームを、当該一のユーザ及び当該他のユーザに提供する、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様によれば、前記ゲーム装置(1)は、前記一のユーザが所属可能な前記グループがないと判定された場合、当該一のユーザと同じコミュニティの他のユーザを所属させるための前記グループを生成する手段(80)を更に含み、前記所属制御手段(78)は、前記グループが生成された後において、当該グループを生成させた前記一のユーザと同じコミュニティに属する他のユーザが前記ゲームに参加する場合、当該他のユーザを当該生成されたグループに所属させる、ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一態様によれば、前記ゲーム装置(1)は、前記グループが生成された後において、当該グループを生成させた前記一のユーザによる、ゲーム開始操作を受け付ける手段(86)を更に含み、前記ゲーム提供手段(88)は、前記ゲーム開始操作が受け付けられた場合、前記グループに属する前記一のユーザ及び前記一のユーザと同じコミュニティの他のユーザが参加するゲームを、当該一のユーザ及び当該他のユーザに提供する、ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の一態様によれば、前記ゲーム装置(1)は、前記グループを生成した後において、当該グループを生成させた前記一のユーザによる、グループ解散操作を受け付ける手段(82)と、前記グループ解散操作が受け付けられた場合、前記グループを解散させる手段(84)と、を更に含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の一態様によれば、前記ゲームは、複数のユーザで結成されるグループの各ユーザが参加するゲームであり、前記ゲーム装置(1)は、複数のグループのうち前記一のユーザにより選択されたグループに、前記一のユーザを所属させる手段(78)を更に含み、前記実行手段(74)は、前記複数のグループの各々に属するユーザのコミュニティと、前記一のユーザのコミュニティと、を比較するコミュニティ比較手段(90)を含み、当該コミュニティ比較手段(90)の比較結果に基づいて、前記一のユーザによる前記グループの選択を支援するための処理を実行する、ことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の一態様によれば、前記実行手段(74)は、前記一のユーザに対し、当該一のユーザと同じコミュニティの他のユーザが属するグループを、当該一のユーザとは異なるコミュニティの他のユーザが属するグループよりも優先的に提示することによって、前記一のユーザによる前記グループの選択を支援するための処理を実行し、前記ゲーム装置(1)は、前記実行手段(74)による提示がされた後において、前記複数のグループのうち前記一のユーザによる選択を受け付ける手段(92)を更に含む、ことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の一態様によれば、前記実行手段(74)は、前記一のユーザと同じコミュニティの他のユーザが所属するグループを前記一のユーザが選択する場合の操作量を、前記一のユーザとは異なるコミュニティの他のユーザが所属するグループを前記一のユーザが選択する場合の操作量よりも少なくすることによって、前記一のユーザによるグループの選択を支援するための処理を実行する、ことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の一態様によれば、前記実行手段(74)は、前記一のユーザが前記ゲームに参加する場合に、前記一のユーザと、前記一のユーザとは異なるコミュニティに属する他のユーザと、が同じゲームに参加することを制限する、ことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の一態様によれば、前記ゲーム提供手段(88)は、一のコミュニティに属する複数のユーザと、他のコミュニティに属する複数のユーザと、が対戦又は協力するゲームを提供する、ことを特徴とする。
【0020】
なお、上記では、本発明の理解を容易にするため図面に記載の符号を括弧書きで記載しているが、これにより本発明に係るゲーム装置等が図示の態様に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係るゲームシステムの全体構成を示す図である。
図2】表示部に表示されるコミュニティ選択画面の一例を示す図である。
図3】コミュニケート画面の一例を示す図である。
図4】セッションモード画面の一例を示す図である。
図5】ゲームシステムの機能ブロック図である。
図6】コミュニティデータのデータ格納例である。
図7】セッションデータのデータ格納例である。
図8】ゲームシステムにおいて実行される処理の一例を示すフロー図である。
図9】実施形態2の機能ブロック図である。
図10】セッション一覧画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[1.実施形態1]
以下、本発明に係る実施形態について、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るゲームシステムの全体構成を示す図である。図1に示すように、ゲームシステムSは、例えば、ゲームサーバ1(ゲーム装置)と、複数のユーザ装置2と、を含む。ゲームシステムSに含まれる各装置は、ネットワークを介してデータ通信可能に接続される。
【0023】
[1−1.ゲームシステムのハードウェア構成]
ゲームサーバ1は、例えば、公知のサーバコンピュータである。ゲームサーバ1は、ユーザがプレイするゲームを制御する。図1に示すように、ゲームサーバ1は、制御部10と、記憶部12と、通信部14とを含む。なお、ゲームサーバ1は、他にも図示しないキーボード、モニタ、情報記憶媒体の読取装置等を含んでいてもよい。
【0024】
制御部10は、例えば、CPU等を含んで構成される。制御部10は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行して各種処理を行ったり、通信部14を介してユーザ装置2と各種データの送受信を行ったりする。記憶部12は、例えば、ハードディスクやRAM等のメモリを含んで構成される。記憶部12は、ゲームプログラム等の各種プログラムや各種データ等を記憶する。通信部14は、例えば、ネットワークカード等の通信装置である。
【0025】
ユーザ装置2は、公知のコンピュータによって実現される。例えば、ユーザ装置2は、家庭用ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯電話機(スマートフォン)、パーソナルコンピュータ等である。図1に示すようにユーザ装置2は、制御部20と、記憶部22と、操作部24と、表示部26と、入力部28と、通信部30と、から構成される。なお、ユーザ装置2は、図示しない他の構成を含んでいてもよい。
【0026】
制御部20と記憶部22と通信部30とは、それぞれ制御部10と記憶部12と通信部14と同様のハードウェア構成であるので、説明を省略する。操作部24は、コントローラ及びキーボード等を含み、ユーザの操作内容を制御部20に伝達する。表示部26は、液晶表示パネル等を含み、制御部20の指示により各種画面を表示する。入力部28は、DVD再生装置等を含み、外部記憶装置から各種データを入力する。
【0027】
[1−2.ゲームシステムにおいて実行されるゲーム]
ゲームシステムSは、複数のユーザが参加するゲームを制御する。「複数のユーザが参加するゲーム」とは、複数のユーザが同時にプレイする一のゲームであり、例えば、複数のユーザが対戦又は協力するゲームである。本実施形態では、複数のユーザが2つのチームに分かれて対戦するサッカーゲームが実行される場合を説明する。
【0028】
各ユーザは、ゲームをプレイするにあたり、ゲームシステムSへの登録操作を行う。ゲームシステムSに登録した各ユーザは、複数のコミュニティの少なくとも一つに属する。コミュニティとは、ユーザ同士で仮想コミュニケーションをとるための集団であり、複数のユーザが所属するユーザグループともいえる。ユーザは、主に、自分と同じコミュニティに属している他のユーザと仮想コミュニケーションをとることになる。
【0029】
図2は、表示部26に表示されるコミュニティ選択画面の一例を示す図である。図2に示すように、ゲームシステムSに登録していないユーザがゲームサーバ1にアクセスすると、表示部26に複数の地域からなるコミュニティ選択画面40が表示される。コミュニティ選択画面40は、各ユーザが、自分が属するコミュニティを選択するための画面である。
【0030】
ユーザは、カーソル42の移動操作及び選択操作を繰り返すことによって、例えば、自分が好きなサッカーチームのホームタウンを選択する。ここでは、各ホームタウン毎にコミュニティが用意されている。ユーザは、コミュニティ選択画面40から選択したホームタウンに対応するコミュニティに所属することになる。
【0031】
なお、ユーザが所属するコミュニティは、ゲームシステムSへの登録後に変更可能なようにしてもよい。また、本実施形態においては、上記のコミュニティを例に挙げて説明するが、種々のコミュニティが存在するようにしてもよい。例えば、同じコミュニティに属するユーザのうち、共通の話題を有するユーザ同士が所属するコミュニティが更に存在するようにしてもよい。
【0032】
ゲームシステムSへの登録が完了しているユーザがゲームサーバ1にアクセスすると、このユーザと、同じコミュニティに所属している他のユーザと、が仮想コミュニケーションをとるためのコミュニケート画面が表示部26に表示される。
【0033】
図3は、コミュニケート画面の一例を示す図である。図3に示すように、コミュニケート画面50には、同じコミュニティに属する他のユーザを示すユーザ一覧52と、ユーザが他のユーザとゲームをするためのセッション参加ボタン54と、が表示される。コミュニケート画面50においては、ユーザ同士での仮想コミュニケーションが行われるようにしてもよい。例えば、制御部10は、各ユーザ装置2からユーザの発言内容(メッセージ)を受信し、他のユーザに公開することによって、コミュニティ内でのユーザ同士の仮想コミュニケーションを制御する。
【0034】
セッションとは、一のゲームに参加するユーザの集団のことであり、同一のコミュニティ内で結成されるユーザグループともいえる。即ち、各セッションは、互いに同じコミュニティに属するユーザ同士で結成されるグループである。ここでは、同じセッションに所属する複数のユーザ同士で、一のゲームに参加することになる。セッションは、ユーザが所与の操作を行うと所定条件(詳細後述)のもとで生成される。以降、セッションを生成させたユーザを、オーナーユーザという。
【0035】
ユーザがセッション参加ボタン54を選択すると、当該ユーザがセッションに参加し、セッションモード画面が表示部26に表示される。
【0036】
図4は、セッションモード画面の一例を示す図である。図4に示すように、セッションモード画面60は、ユーザと同じセッションに参加している他のユーザを示すユーザ一覧62と、オーナーユーザがゲームを開始するための開始ボタン64と、オーナーユーザがセッションを解散させるための解散ボタン66と、ユーザがセッションから離脱するための離脱ボタン68と、を含む。セッションモード画面60においては、セッションに参加しているユーザ同士でチャット等の仮想コミュニケーションが行われるようにしてもよい。
【0037】
なお、ここでは、開始ボタン64及び解散ボタン66は、オーナーユーザのみが選択可能になっている。オーナーユーザが開始ボタン64を選択すると、当該セッションに属するユーザが参加するゲームが開始される。オーナーユーザが解散ボタン66を選択すると、当該セッションが解散される。また、ユーザが離脱ボタン68を選択すると、参加中のセッションから離脱することができる。一のセッションに参加中のユーザは、同時に他のセッションに参加することはできないが、セッションから離脱することで、他のセッションに参加することができる。なお、同時に複数のセッションにユーザが参加できるようにしてもよい。
【0038】
このように、本実施形態のゲームシステムSは、互いに同じコミュニティにおいて仮想コミュニケーションを取り合っているユーザ同士でセッションを結成させることによって、信頼性の高い他のユーザを探す手間を軽減する構成になっている。以降、この構成について、詳細に説明する。
【0039】
[1−3.ゲームシステムによって実現される機能]
図5は、ゲームシステムSの機能ブロック図である。図5に示すように、ゲームシステムSは、ゲームデータ記憶部70と、コミュニティデータ取得部72と、参加処理実行部74と、セッション生成部80と、解散操作受付部82と、セッション解散部84と、開始操作受付部86と、ゲーム提供部88と、を含む。
【0040】
本実施形態では、これら各機能が、ゲームサーバ1により実現される場合を説明する。ゲームサーバ1においては、制御部10が記憶部12から読み出されたプログラムに従って動作することによって、これら各機能が実現される。ゲームデータ記憶部70は、記憶部12を主として実現され、他の各機能は、制御部10を主として実現される。
【0041】
[1−3−1.ゲームデータ記憶部]
ゲームデータ記憶部70は、ユーザがプレイするゲームに関する各種データを記憶する。ここでは、ゲームデータ記憶部70は、複数のユーザの各々に関するユーザデータと、各コミュニティに関するコミュニティデータと、各セッションに関するセッションデータと、を記憶する。
【0042】
ユーザデータは、ゲームシステムSを利用する各ユーザに関する情報が格納される。例えば、ユーザデータには、ユーザを識別するユーザIDと、当該ユーザに関する各種情報(例えば、ユーザ名等の個人情報)と、が関連付けられている。ユーザがゲームシステムSの登録操作を行うと、ユーザデータに新たなレコードが作成され、当該登録操作をしたユーザに関する情報が格納されることになる。
【0043】
図6は、コミュニティデータのデータ格納例である。図6に示すように、コミュニティデータは、各コミュニティを識別するコミュニティIDと、コミュニティ名と、当該コミュニティに属する各ユーザのユーザIDと、を含む。ユーザがコミュニティに所属すると、当該コミュニティに対応するレコードに、当該参加したユーザのユーザIDが追加される。
【0044】
ゲームシステムSを利用する各ユーザは、コミュニティデータに定義された複数のコミュニティの少なくとも一つに所属することになる。例えば、コミュニティデータに定義された複数のコミュニティのうち、ユーザにより選択されたコミュニティに、当該ユーザが所属する。
【0045】
図7は、セッションデータのデータ格納例である。図7に示すように、セッションデータは、各セッションを識別するセッションIDと、セッションのオーナーユーザのユーザIDと、セッションのオーナーユーザが属するコミュニティのコミュニティIDと、当該セッションに属するユーザのユーザIDと、セッションの現在の状況を示すセッション情報と、を含む。
【0046】
セッション情報は、各セッションにおいて実行されるゲームに関する情報が格納される。例えば、セッション情報は、各セッションにおいて実行されるゲームの種別を示す情報や、セッションに属するユーザがゲームをプレイ中か否か(ユーザが参加するゲームが実行中か否か)を示す情報等を含む。
【0047】
ユーザがセッションに参加すると、当該セッションに対応するレコードに、当該参加したユーザのユーザIDが追加される。また、ユーザがセッションから離脱すると、当該セッションに対応するレコードから、当該離脱したユーザのユーザIDが削除される。また、ユーザがセッションを生成すると、セッションデータに新たなレコードが生成されて、当該セッションに関する情報が格納される。
【0048】
なお、制御部10又は制御部20は、ゲームデータ記憶部70の記憶内容を取得又は更新する手段として機能する。また、ゲームデータ記憶部70に記憶される内容は、上記の例に限られない。複数のユーザが参加するゲームを実行するために必要な各種データが、ゲームデータ記憶部70に記憶されているようにすればよい。
【0049】
例えば、各セッションで実行中のゲームの状況(例えば、ゲーム空間の現在の状態や現在の戦況)を示すゲーム状況データが、ゲームデータ記憶部70に記憶されているようにしてもよい。他にも例えば、各コミュニティやセッションのユーザ同士の仮想コミュニケーションに関する情報(例えば、各ユーザのチャットに関する情報)が、ゲームデータ記憶部70に記憶されているようにしてもよい。
【0050】
[1−3−2.コミュニティデータ取得部]
コミュニティデータ取得部72は、複数のコミュニティの各々と、当該コミュニティに属するユーザと、を関連付けて記憶する手段(ゲームデータ記憶部70)の記憶内容を取得する。ここでは、コミュニティデータ取得部72は、ゲームデータ記憶部70に記憶されるコミュニティデータを取得する。
【0051】
[1−3−3.参加処理実行部]
参加処理実行部74は、一のユーザがゲームに参加する場合に、一のユーザと、当該一のユーザと同じコミュニティに属する他のユーザと、が同じゲームに参加するための処理を実行する。例えば、参加処理実行部74は、一のユーザと、当該一のユーザと同じコミュニティに属する他のユーザと、が同じセッションに属するように、各ユーザが属するセッションを決定する。
【0052】
本実施形態においては、参加処理実行部74は、所属可能判定部76と所属制御部78とを含む。所属可能判定部76は、一のユーザがゲームに参加する場合に、一のユーザと同じコミュニティの他のユーザが属するグループ(例えば、セッション)であって、一のユーザが所属可能なグループがあるか否かを判定する。「一のユーザがゲームに参加する場合」とは、一のユーザにより所与の操作が行われた場合であり、例えば、セッション参加ボタン54が選択された場合である。
【0053】
所属可能判定部76は、一のユーザと同じコミュニティのセッションが所与の条件を満たすか否かを判定することによって、一のユーザが所属可能なグループがあるか否かを判定する。所与の条件が満たされるか否かは、例えば、下記の3つの方法の少なくとも一つにより判定される。
【0054】
[第1の方法]
例えば、所属可能判定部76は、一のユーザと同じコミュニティの他のユーザが所属するセッションが既に生成されているか否か(存在するか否か)を判定することによって、一のユーザが所属可能なセッションがあるか否かを判定する。所属可能判定部76は、一のユーザがゲームに参加する場合、コミュニティデータを参照し、当該一のユーザのコミュニティにセッションが存在するか否かを判定することになる。
【0055】
[第2の方法]
また例えば、セッションに所属可能なユーザの上限数(例えば、2人)が定められている場合には、所属可能判定部76は、一のユーザと同じコミュニティの他のユーザが所属するセッションの所属人数が当該上限数であるか否かを判定することによって、一のユーザが所属可能なセッションがあるか否かを判定する。所属可能判定部76は、一のユーザがゲームに参加する場合、セッションデータを参照し、当該一のユーザのコミュニティのセッションのうち、セッションに参加しているユーザ数が上限数に達していないセッションがあるか否かを判定する。
【0056】
[第3の方法]
また例えば、実行中のゲームにユーザを途中参加させない場合には、所属可能判定部76は、一のユーザと同じコミュニティの他のユーザが所属するセッションのゲームが既に開始しているか否かを判定することによって、一のユーザが所属可能なセッションがあるか否かを判定する。所属可能判定部76は、一のユーザがゲームに参加する場合、セッションデータを参照し、当該一のユーザのコミュニティのセッションのうち、ゲームの実行中でないセッションがあるか否かを判定する。
【0057】
所属制御部78は、一のユーザが所属可能なグループがあると判定された場合、一のユーザを当該グループ(例えば、セッション)に所属(加入)させる。所属制御部78は、セッションデータに、当該一のユーザのユーザIDを格納することによって、当該一のユーザをセッションに所属させる。
【0058】
[1−3−4.セッション生成部]
セッション生成部80は、一のユーザが所属可能なグループ(例えば、セッション)がないと判定された場合、当該一のユーザと同じコミュニティの他のユーザを所属(加入)させるためのグループを生成する。セッション生成部80は、セッションデータに新たなレコードを追加することによって、セッションを生成する。
【0059】
所属制御部78は、グループ(例えば、セッション)が生成された後において、当該グループを生成させた一のユーザ(例えば、オーナーユーザ)と同じコミュニティに属する他のユーザがゲームに参加する場合、当該他のユーザを当該生成されたグループに所属させる。即ち、所属制御部78は、オーナーユーザと同じコミュニティの他のユーザがゲームに参加する場合、オーナーユーザが生成したセッションに、当該他のユーザを所属させる。
【0060】
[1−3−5.解散操作受付部]
解散操作受付部82は、グループ(例えば、セッション)を生成した後において、当該グループを生成させた一のユーザ(例えば、オーナーユーザ)による、グループ解散操作を受け付ける。解散操作受付部82は、操作部24の信号に基づいて、操作部24の操作内容を取得することによって、グループ解散操作を受け付ける。本実施形態では、ユーザが解散ボタン66を選択する行為が、グループ解散操作に相当する。
【0061】
[1−3−6.セッション解散部]
セッション解散部84は、グループ解散操作が受け付けられた場合、グループ(例えば、セッション)を解散させる。セッション解散部84は、セッションデータから、セッションのレコードを削除することによって、セッションを解散させる。セッション解散部84の制御によりセッションが解散すると、当該セッションに所属していた複数のユーザが参加するゲームの実行がなされないように抑止されることになる。
【0062】
[1−3−7.開始操作受付部]
開始操作受付部86は、グループ(例えば、セッション)が生成された後において、当該グループを生成させた一のユーザ(例えば、オーナーユーザ)による、ゲーム開始操作を受け付ける。解散操作受付部82は、操作部24の信号に基づいて、操作部24の操作内容を取得することによって、ゲーム開始操作を受け付ける。本実施形態では、ユーザが開始ボタン64を選択する行為が、グループ解散操作に相当する。
【0063】
[1−3−8.ゲーム提供部]
ゲーム提供部88は、一のユーザと、当該一のユーザと同じコミュニティに属する他のユーザと、が参加するゲームを、当該一のユーザ及び当該他のユーザに提供する。ここでは、ゲーム提供部88は、グループ(例えば、セッション)に属する一のユーザ及び一のユーザと同じコミュニティの他のユーザが参加するゲームを、当該一のユーザ及び当該他のユーザに提供する。
【0064】
「ゲームを提供する」とは、ユーザにゲームをプレイさせることであり、ユーザの操作に応じてゲームを進行させることである。例えば、ゲーム提供部88は、各セッションに属する複数のユーザの各々のユーザ装置2に、ゲームに関するデータ(例えば、ゲームの画面を示す画像データや実行中のゲームの状況を示すデータ)を提供する。
【0065】
本実施形態においては、ゲーム提供部88は、ゲーム開始操作が受け付けられた場合、ゲームを提供する。即ち、ゲーム提供部88は、オーナーユーザによりゲーム開始操作が行われた後に、セッションに属する各ユーザが参加するゲームの提供を開始する。
【0066】
[1−4.ゲームシステムにおいて実行される処理]
図8は、ゲームシステムSにおいて実行される処理の一例を示すフロー図である。図8に示す処理は、制御部10が記憶部12から読み出されたプログラムに従って動作し、制御部20が記憶部22から読み出されたプログラムに従って動作することにより実行される。なお、図8に示す処理が実行されるにあたり、ゲームシステムSへの登録操作が行われており、各ユーザは何れかのコミュニティに属しているものとする。
【0067】
図8に示すように、まず、ユーザ装置2においては、制御部20は、コミュニケート画面50の表示要求をゲームサーバ1に送信する(S1)。コミュニケート画面50の表示要求は、ユーザ装置2において所与の操作が行われた場合に送信される。なお、ゲームサーバ1がユーザ装置2から情報を取得する場合には、当該ユーザ装置2からユーザIDやIPアドレスが送信される。ゲームサーバ1は、ユーザIDやIPアドレスを受信することによって、どのユーザ装置2を操作するユーザがアクセスしているかを特定する。
【0068】
ゲームサーバ1においては、制御部10は、ユーザ装置2からの表示要求を受信すると、コミュニケート画面50の画像データを生成し、ユーザ装置2に送信する(S2)。S2においては、制御部10は、コミュニティデータを参照して、表示要求をしたユーザのユーザIDに関連付けられたコミュニティIDを取得する。そして、当該コミュニティに属する他のユーザを特定し、コミュニケート画面50の画像データを生成する。
【0069】
ユーザ装置2においては、コミュニケート画面50の画像データを受信すると、制御部20は、表示部26にコミュニケート画面50を表示させる(S3)。制御部20は、セッション参加ボタン54が選択されたか否かを判定する(S4)。セッション参加ボタン54が選択されたと判定された場合(S4;Y)、制御部20は、セッション参加ボタン54が選択されたことの通知を、ゲームサーバ1に送信する(S5)。
【0070】
ゲームサーバ1においては、制御部10は、ユーザ装置2からセッション参加ボタン54が選択されたことの通知を受信すると、ユーザが所属可能なセッションがあるか否かを判定する(S6)。S6においては、制御部10は、コミュニティデータを参照して、セッション参加ボタン54を選択したユーザが属するコミュニティを特定する。そして、例えば、制御部10は、セッション参加ボタン54を選択したユーザが属するコミュニティにセッションが存在するか否かを判定する。また例えば、制御部10は、セッション参加ボタン54を選択したユーザが属するコミュニティのセッションのうち、ゲームが実行中でなく、かつ、上限人数に達していないセッションがあるか否かを判定する。
【0071】
ユーザが所属可能なセッションがないと判定された場合(S6;N)、制御部10は、新たにセッションを生成し、当該ユーザをオーナーユーザとして当該生成されたセッションに所属させる(S7)。S7においては、制御部10は、セッションデータに新たなレコードを追加することによって、セッションを生成する。
【0072】
一方、ユーザが所属可能なセッションがあると判定された場合(S6;Y)、制御部10は、当該セッションにユーザを所属させる(S8)。S8においては、制御部10は、セッションデータの各レコードのうち、ユーザが所属可能と判定されたセッションのレコードに、セッション参加ボタン54を選択したユーザのユーザIDを追加する。
【0073】
制御部10は、オーナーユーザがゲーム開始操作をしたか否かを判定する(S9)。S9においては、制御部10は、オーナーユーザのユーザ装置2から、開始ボタン64が選択されたことの通知を受信したか否かを判定する。
【0074】
オーナーユーザがゲーム開始操作をしたと判定された場合(S9;Y)、制御部10は、当該オーナーユーザが生成したセッションのゲームを開始させる(S10)。S10においては、例えば、制御部10は、ゲームの状況を示すデータを生成して、当該セッションに属する各ユーザの操作に基づいて、このデータを更新することになる。S10において開始されたゲームに関するデータは、セッションに属する各ユーザのユーザ装置2に配信される。
【0075】
制御部10は、オーナーユーザがセッション解散操作をしたか否かを判定する(S11)。制御部10は、オーナーユーザのユーザ装置2から、解散ボタン66が選択されたことの通知を受信したか否かを判定する。オーナーユーザがセッション解散操作をしたと判定された場合(S11;Y)、制御部10は、セッションを解散させる(S12)。S12においては、制御部10は、セッションデータから、セッション解散操作をしたオーナーユーザのセッションを削除する。
【0076】
以上説明した実施形態1のゲームシステムSによれば、互いに同じコミュニティに属するユーザ同士でゲームに参加するようにセッションが制御されるので、ユーザが信頼性の高い他のユーザを探す手間を軽減することができる。例えば、ゲームに参加するユーザが所属可能なセッションがある場合には、このセッションに自動的にユーザを参加させることができるので、ユーザの手間を軽減することができる。
【0077】
また、ユーザが所属可能なセッションがない場合には、同じコミュニティの他のユーザを所属させるためのセッションを自動的に生成するので、オーナーユーザに特段の操作を要することがなく、手間を省くことができる。また、当該生成されたセッションには、オーナーユーザと同じコミュニティに属する他のユーザを所属させることができるので、信頼できるユーザ同士でゲームをプレイさせることができる。更に、各セッションのゲームの開始タイミングやセッションの解散タイミングを、オーナーユーザにゆだねることができる。
【0078】
[2.実施形態2]
次に、本発明に係る別実施形態について説明する。実施形態1においては、ユーザを所属可能なセッションに自動的に所属させたり(図8のS8)、セッションを自動的に生成したり(図8のS7)する場合を説明した。参加処理実行部74が実行する処理は、互いに同じコミュニティのユーザ同士でゲームに参加させるための処理であればよく、当該処理は、実施形態1の処理に限られない。他にも例えば、各ユーザが、自分が参加するセッションを自分で選択する場合には、当該ユーザと同じコミュニティの他のユーザが属するセッションを優先的に提示して選択しやすいようにしてもよい。
【0079】
なお、実施形態2のゲームシステムSのハードウェア構成は、実施形態1と同様であるので説明を省略する。
【0080】
図9は、実施形態2の機能ブロック図である。図9に示すように、変形例のゲームシステムSは、実施形態の機能に加えて、コミュニティ比較部90と、選択受付部92と、を含む。ここでは、これら各機能が、ゲームサーバ1により実現される場合を説明する。コミュニティ比較部90と選択受付部92とは、制御部10を主として実現される。
【0081】
コミュニティ比較部90は、複数のグループ(例えば、セッション)の各々に属するユーザのコミュニティと、一のユーザのコミュニティと、を比較する。コミュニティ比較部90は、一のユーザがゲームに参加する場合、当該一のユーザのコミュニティと、セッションデータに格納された各セッションに所属するユーザのコミュニティと、が一致するか否かを判定する。
【0082】
実施形態2の参加処理実行部74は、一のユーザがゲームに参加する場合、セッションデータに格納された複数のセッションを当該一のユーザに提示する。例えば、参加処理実行部74は、セッションデータに格納された複数のセッション示すセッション一覧画面を表示部26に表示させる。
【0083】
図10は、セッション一覧画面の一例を示す図である。図10に示すように、セッション一覧画面100は、ユーザの参加を待ち受けている各セッションに関する情報を示すセッション詳細102が表示される。セッション詳細102には、セッションデータに基づいて表示され、各セッションのオーナーユーザに関する情報、各セッションに所属しているユーザに関する情報、各セッションの状態を示す情報が含まれる。ユーザは、自分が参加したいセッションのチェックボックス104にチェックを入れた状態で、参加決定ボタン106を押下することによって、自分が参加するセッションを選択する。
【0084】
選択受付部92は、参加処理実行部74による提示がされた後において、複数のグループ(例えば、セッション)のうち一のユーザによる選択を受け付ける。選択受付部92は、操作部24の信号に基づいて、操作部24の操作内容を取得することによって、ユーザによるセッションの選択を受け付ける。ユーザは、セッション一覧画面100に表示された複数のセッションのうちから、自分が参加するセッションを選択する。
【0085】
実施形態2の所属制御部78は、複数のグループ(例えば、セッション)のうち一のユーザにより選択されたグループに、一のユーザを所属させる。例えば、所属制御部78は、セッション一覧画面100に表示された複数のセッションのうち、ユーザに選択されたセッションに、当該ユーザを所属させる。
【0086】
実施形態2の参加処理実行部74は、コミュニティ比較部90の比較結果に基づいて、一のユーザによるグループ(例えば、セッション)の選択を支援するための処理を実行する。セッションの選択を支援するための処理とは、ユーザがセッションを選択しやすいように誘導する処理であり、例えば、ユーザに同じコミュニティのセッションを選択するように誘導する画面を表示する処理である。別の言い方をすれば、参加処理実行部74は、一のユーザと同じコミュニティのセッションを、異なるコミュニティのセッションよりも選択しやすいように、当該一のユーザに誘導する画面を表示させる。
【0087】
例えば、参加処理実行部74は、一のユーザに対し、当該一のユーザと同じコミュニティの他のユーザが属するグループ(例えば、セッション)を、当該一のユーザとは異なるコミュニティの他のユーザが属するグループよりも優先的に提示することによって、一のユーザによるグループの選択を支援するための処理を実行する。
【0088】
セッション一覧画面100において複数のセッションが順番に表示される場合、参加処理実行部74は、一のユーザと同じコミュニティのセッションを、他のコミュニティのセッションよりも先に表示させることによって、一のユーザにセッションを優先的に提示する。ここでは、セッション一覧画面100の端部側(例えば、上側)にセッション詳細102を表示させることが、セッションを先に表示させることに相当する。
【0089】
他にも例えば、参加処理実行部74は、セッション一覧画面100において、一のユーザと同じコミュニティのセッションを示すセッション詳細102を強調表示させることによって、一のユーザにセッションを優先的に提示するようにしてもよい。セッション詳細102を強調表示させるとは、セッション詳細102の表示態様を変更することであり、例えば、セッション詳細102を太枠で囲むこと、セッション詳細102を点滅させること、セッション詳細102の形状、模様、色彩の少なくとも一つを変更することである。
【0090】
以上説明した実施形態2のゲームシステムSによれば、一のユーザがゲームに参加する場合、当該一のユーザと同じコミュニティの他のユーザが所属するセッションが優先的にセッション一覧画面100に表示されるので、当該一のユーザを、同じコミュニティのセッションに参加させやすくなる。
【0091】
[3.変形例]
なお、本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0092】
(1)例えば、実施形態2においては、一のユーザがゲームに参加する場合、当該一のユーザと同じコミュニティに所属する他のユーザのセッションを優先的に表示させる場合を説明したが、一のユーザが当該セッションを選択する場合に要する操作量を少なくすることによって、当該一のユーザによるセッションの選択を支援するようにしてもよい。
【0093】
本変形例の参加処理実行部74は、一のユーザと同じコミュニティの他のユーザが所属するグループ(例えば、セッション)を一のユーザが選択する場合の操作量を、一のユーザとは異なるコミュニティの他のユーザが所属するグループを一のユーザが選択する場合の操作量よりも少なくすることによって、一のユーザによるグループの選択を支援するための処理を実行する。
【0094】
ここで、「操作量」とは、例えば、一のユーザがセッションを選択するために必要な操作の回数である。図10に示すセッション一覧画面100の場合、ユーザは、セッション詳細102のチェックボックス104にチェックを入れる行為と、参加決定ボタン106を選択する行為と、の2つの操作を行う必要がある。この場合に、参加処理実行部74は、ユーザと同じコミュニティの他のユーザが属しているセッションのセッション詳細102におけるチェックボックス104に、自動的にチェックを入れておくことによって、ユーザの操作量を減らすようにしてもよい。
【0095】
なお、操作量を減らすための処理は、上記の例に限られない。他にも例えば、ユーザが、カーソル(ポインタ)を使用してセッションを選択する場合には、ユーザがセッションを選択するために要するカーソルの移動量が「操作量」に相当する。この場合、参加処理実行部74は、ユーザと同じコミュニティの他のユーザが属しているセッションにカーソルを自動的に合わせておくことによって、ユーザの操作量を減らすようにしてもよい。
【0096】
変形例(1)によれば、ユーザが、自分と同じコミュニティに属する他のユーザが参加するセッションを選択する際の操作量を少なくすることができる。
【0097】
(2)また例えば、一のユーザがゲームに参加する場合に、当該一のユーザとは異なるコミュニティの他のユーザが属するセッションには所属できないようにしてもよい。例えば、一のユーザがセッション一覧画面100からセッションを選択する場合に、当該一のユーザとは異なるコミュニティのユーザが属するセッションについては、チェックボックス104にチェックを入れることができないように制限をかけてもよい。
【0098】
参加処理実行部74は、一のユーザがゲームに参加する場合に、一のユーザと、当該一のユーザとは異なるコミュニティに属する他のユーザと、が同じゲームに参加することを制限する。参加処理実行部74は、一のユーザと、当該一のユーザとは異なるコミュニティに属する他のユーザと、が同じゲームに参加できないように抑止する。例えば、参加処理実行部74は、セッション一覧画面100において、一のユーザが、当該一のユーザとは異なるコミュニティのユーザが属するセッションについては選択できないように制限をする。
【0099】
変形例(2)によれば、一のユーザがゲームに参加する場合に、異なるコミュニティに所属しているユーザが属するセッションに当該一のユーザが加入することを防止することができる。
【0100】
(3)また例えば、上記においては、互いに同じコミュニティに属するユーザ同士で対戦するゲームが実行される場合を説明したが、ゲームシステムSにおいて実行されるゲームは、これに限られない。例えば、複数種類のゲームが用意されており、各種類のゲーム毎にセッションが生成されるようにしてもよい。
【0101】
本変形例では、3種類のゲーム(以降、これらを「コミュニティーマッチ」、「チームランクマッチ」、「マルチプレイフリーマッチ」という。)が用意されているものとする。「コミュニティーマッチ」は、ユーザが、同じコミュニティーに属する他のユーザと、一対一で対戦するゲームである。「マルチプレイフリーマッチ」は、ユーザが、同じコミュニティーに属する複数のユーザと、2つのチームに分かれて対戦をするゲームである。
【0102】
「チームランクマッチ」は、ユーザが、同じコミュニティーに属する他のユーザとチームを組んで、他のコミュニティーに属するユーザと対戦するゲームである。チームランクマッチが実行される場合、ゲーム提供部88は、一のコミュニティに属する複数のユーザと、他のコミュニティに属する複数のユーザと、が対戦又は協力するゲームを提供することになる。
【0103】
これら複数種類のゲームのうちユーザが選択したゲームに、ユーザが参加することになる。例えば、ユーザがセッション参加ボタン54aを選択すると、コミュニティーマッチをプレイすることができる。ユーザがセッション参加ボタン54bを選択すると、チームランクマッチをプレイすることができる。ユーザがセッション参加ボタン54cを選択すると、マルチプレイフリーマッチをプレイすることができる。
【0104】
本変形例のセッションデータには、各セッションと、当該セッションで実行されるゲームの種別と、が関連付けられているものとする。参加処理実行部74は、一のユーザが選択したセッション参加ボタン54に基づいて、当該一のユーザが参加するゲームの種別を特定する。そして、参加処理実行部74は、当該特定した種別に関連付けられたセッションに、上記一のユーザを所属させるための処理を実行することになる。
【0105】
変形例(3)によれば、多様なゲームをユーザに提供することができる。
【0106】
(4)また例えば、各ユーザがセッションに属してから、オーナーユーザがゲーム開始操作を行うまでには時間間隔があるので、ゲーム開始のタイミングにおいて、セッションに属する各ユーザが何らかの事情でゲームに参加できない場合がある。例えば、ゲームサーバ1とユーザ装置2との通信状況が悪化した場合には、セッションに属しているユーザがゲームに参加することができない。そこで、ゲーム開始のタイミングにおいて、セッションの各ユーザがゲームに参加可能か否かを判定し、参加可能なユーザにのみゲームが提供されるようにしてもよい。
【0107】
この場合、ゲーム提供部88は、所与の開始タイミングにおいて、各セッションに属する複数のユーザの各々がゲームに参加可能か否かを判定する。例えば、ゲーム提供部88は、ゲームサーバ1とユーザ装置2との通信状況を取得し、当該通信状況に基づいてユーザがゲームに参加可能か否かを判定する。また例えば、ゲーム提供部88は、ユーザ装置2において実行されている処理内容を取得し、ユーザ装置2が所定の処理(例えば、データのロード処理や記録処理)を実行中であるか否かに基づいてユーザがゲームに参加可能か否かを判定する。そして、ゲーム提供部88は、各セッションに所属する複数のユーザのうち、参加可能と判定されたユーザが参加するゲームを、参加可能と判定されたユーザに提供することになる。
【0108】
また例えば、ゲームの開始に必要な最低人数が設定されているようにしてもよい。即ち、セッションに属するユーザが最低人数に満たない場合には、ゲームが開始されないようにしてもよい。この場合、例えば、ゲーム提供部88は、セッションデータを参照し、セッションに属するユーザ数が最低人数以上であるか否かを判定する。ゲーム提供部88は、セッションに属するユーザ数が最低人数以上と判定された場合、セッションに属する複数のユーザにゲームを提供する。
【0109】
また例えば、オーナーユーザがゲーム開始操作を行うまで、セッションに属する各ユーザは、自分のユーザ装置2において各自でゲームをプレイするようにしてもよい。この場合、各ユーザ装置2の制御部20は、ゲーム提供部88によるゲームの提供前において、セッションに属するユーザが各自でプレイするゲームを、当該ユーザに提供する。そして、制御部20は、ゲーム提供部88によりゲームが提供される場合、当該各自でプレイするゲームの提供を中止する。
【0110】
また例えば、各セッションに属するユーザがプレイするゲームが終了した後に、オーナーユーザが再びゲーム開始操作を行った場合には、当該セッションに属するユーザに再びゲームが提供されるようにしてもよい。この場合、ゲーム提供部88は、セッションに属する複数のユーザが参加するゲームが終了した場合、当該セッションに属する複数のユーザが参加する次のゲームを提供することになる。
【0111】
また例えば、オーナーユーザがセッションから離脱した場合には、当該セッションに属するユーザのうち選出されるユーザが新たにオーナーユーザになるようにしてもよい。この場合、例えば、制御部10は、オーナーユーザがセッションから離脱した場合、セッションに属するユーザのうち、最も早くにセッションに属したユーザをオーナーユーザとして設定するようにしてもよい。なお、この場合、各ユーザがセッションに属した時刻がゲームデータ記憶部70に記憶されているものとする。
【0112】
また例えば、上記において記憶部12に記憶されるものとして説明したデータやプログラムは、外部記憶媒体を介してゲームサーバ1に供給されるようにしてもよいし、ネットワークを介して他の装置からゲームサーバ1に供給されるようにしてもよい。
【0113】
また例えば、上記説明した実施形態及び変形例のうち、2つ以上を組み合わせてもよい。
【0114】
また、上記実施形態においては、ゲームサーバ1により、機能ブロック図に示す各機能が実現される例を挙げて説明した。ゲームシステムSに含まれる上記の各機能は、ゲームサーバ1とユーザ装置2との何れかに含まれるようにしてもよい。つまり、ゲームサーバ1とユーザ装置2とで、機能ブロック図に示す各機能が分担されるようにしてもよい。ゲームシステムSを構成する各装置は、適宜、ネットワーク等を介してデータを送受信することにより、上記の各機能を実現することになる。
【0115】
例えば、コミュニティデータ取得部72及び参加処理実行部74が、ユーザ装置2において実現されるようにしてもよい。この場合、制御部20は、ネットワークを介してゲームサーバ1からコミュニティデータを取得し、ユーザが属するセッションの制御を実行することになる。
【0116】
また例えば、ゲーム提供部88が、ユーザ装置2において実現されるようにしてもよい。この場合、制御部20は、セッションに属する各ユーザの操作内容を操作部24又はネットワークを介して取得し、実行中のゲームの状況を示すデータを更新することによって、各ユーザにゲームを提供することになる。
【0117】
また、上記実施形態では、ゲームシステムSに、ゲームサーバ1と、複数のユーザ装置2と、が含まれる例を挙げて説明したが、複数のゲームサーバがゲームシステムSに含まれていてもよい。
【0118】
また、ゲームシステムSで実行されるゲームをサッカーゲームとして説明したが、ゲームシステムSで実行されるゲームは、複数のユーザが参加するゲームであればよい。例えば、スポーツゲーム以外のゲームであってもよく、例えば、FPS(First Person Shooting)ゲーム、ロールプレイングゲーム、アクションゲーム、パズルゲーム等であってもよい。
【符号の説明】
【0119】
S ゲームシステム、1 ゲームサーバ、2 ユーザ装置、10,20 制御部、12,22 記憶部、14,30 通信部、24 操作部、26 表示部、28 入力部、40 コミュニティ選択画面、42 カーソル、50 コミュニケート画面、52,62 ユーザ一覧、54 セッション参加ボタン、60 セッションモード画面、64 開始ボタン、66 解散ボタン、68 離脱ボタン、70 ゲームデータ記憶部、72 コミュニティデータ取得部、74 参加処理実行部、76 所属可能判定部、78 所属制御部、80 セッション生成部、82 解散操作受付部、84 セッション解散部、86 開始操作受付部、88 ゲーム提供部、90 コミュニティ比較部、92 選択受付部、100 セッション一覧画面、102 セッション詳細、104 チェックボックス、106 参加決定ボタン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10