(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態に係る計器装置10を、
図1乃至7を参照して説明する。計器装置10は、車両に搭載され(特に車両の運転席前方のダッシュボード内に設けられている。)、速度などを表示する車載用計器である。なお、この実施の形態では、車両の上方向を天井方向、下方向を地面方向、左方向を左方向、右方向を右方向、車両の前から後に向かう方向を前方向(又は上方向)、車両の後から前に向かう方向を後方向(又は下方向)などとする(
図1参照)。また、平面視とは、車両に搭載された計器装置10をユーザ(運転者)側の正面から見た場合のことをいう。
【0010】
図1に示すように、計器装置10は、第1筐体部材103と、回路基板105と、第2筐体部材107と、第1液晶表示装置111と、第2液晶表示装置112と、第3液晶表示装置113と、指針114と、指針用液晶表示装置115と、第1導光部材121と、第2導光部材122と、第3導光部材123と、第4導光部材124と、指標部129と、第1図柄表示板131と、第2図柄表示板132と、見返し部材141と、窓部材143と、を含む。
【0011】
第1筐体部材103は、合成樹脂などで形成される。第1筐体部材103は、後方に配置される所謂下ケースである。第1筐体部材103は、上部が開放した箱体状の形状であり、内部に回路基板105を収容する。
【0012】
回路基板105は、基材105aと、制御部(図示せず)と、指針駆動部105bと、第1〜第5光源106a〜106eと、を備える。回路基板105は、第1筐体部材103内に収納されて、第1筐体部材103の支持部材(図示せず)によって支持される。
【0013】
基材105aは、合成樹脂からなる絶縁性の板状部材から構成される。基材105aには、図示しない各種の配線パターン及び端子などが形成されており、制御部(図示せず)と、指針駆動部105bと、第1〜第5光源106a〜106eと、が実装される。制御部と、指針駆動部105b及び第1〜第5光源106a〜106eと、は、配線パターンを介して接続される。
【0014】
制御部には、前記配線パターン及び端子などを介して、計器装置10の外部(例えば、ECU(Electric Control Unit)など)、第1液晶表示装置111、第2液晶表示装置112、第3液晶表示装置113、及び、指針用液晶表示装置115が接続される。
【0015】
制御部は、基材105aの裏面(後方に向く面)に実装されており、マイクロコンピュータなどから構成される。制御部は、外部からの各種信号(例えば、ECU(Electric Control Unit)など)に基づいて、車両の状態(車速、エンジンの回転数、残燃料、各種警告や状態などを含む。)をユーザに報知するために、指針駆動部105b、第1〜第5光源106a〜106e、第1液晶表示装置111、第2液晶表示装置112、第3液晶表示装置113、及び、指針用液晶表示装置115を制御する。
【0016】
指針駆動部105bは、ステッピングモータ(図示せず)、指針軸などから構成される。指針軸は、ステッピングモータに取り付けられる。ステッピングモータは、基材105aの裏面に実装され、制御部の制御のもとで指針軸を回転させる。指針軸は、基材105aに設けられた貫通孔を介してステッピングモータから基材105aの表面側に延びている。
図1の指針駆動部105bは、指針軸の部分である。さらに、指針軸は、第2筐体部材107に設けられた貫通孔107aを通り、第2筐体部材107前方に延びている。指針軸の先端には、指針114が取り付けられる。
【0017】
第1〜第5光源106a〜106eは、LED(Light Emitting Diode)などから構成され、制御部の制御のもとで点灯(上方向に光を出射)又は消灯する。複数の第1光源106aが第1導光部材121の受光部に対向する位置に設けられる。複数の第2光源106bが第2導光部材122の受光部に対向する位置に設けられる。複数の第3光源106cが第3導光部材123の受光部123afに対向する位置に設けられる(
図6など)。複数の第4光源106dが第4導光部材124の受光部に対向する位置に設けられる。複数の第5光源106eが設けられる。複数の第5光源106eそれぞれは、第1図柄表示板131と第2図柄表示板132とに設けられた複数の図柄(所定の情報を表す図柄)それぞれを照明する位置(図柄に対向する位置であり、平面視した場合に図柄と重なる位置)に設けられる(
図5など)。
【0018】
第2筐体部材107は、合成樹脂などから形成される。第2筐体部材107は、第1筐体部材103の開口を塞ぐように、回路基板105を収納した第1筐体部材103に取り付けられる。第1筐体部材103に収納された回路基板105は、第2筐体部材107の後方に位置することになる。
【0019】
第2筐体部材107には、指針用液晶表示装置115を収納する空間107bが設けられている。また、第2筐体部材107には、指標部129内に入り込む前方に張り出した壁部107cが設けられている。第2筐体部材107には、第1〜第4導光部材121〜124の一部それぞれが挿入される第1〜第4挿入孔108a〜108dが設けられる。また、第2筐体部材107には、第1〜第4挿入孔108a〜108dの周囲には後述の段差部が設けられる(
図2などを参照、
図1では省略)。第1〜第4挿入孔108a〜108dは、第2筐体部材107の前の空間と後の空間とを連通させる貫通孔である。平面視した場合に、第1〜第4挿入孔108a〜108dそれぞれは、第1〜第4光源106a〜106dそれぞれを囲む(
図2など)。第2筐体部材107には、複数の導光路108eが設けられる。複数の導光路108eそれぞれは、第2筐体部材107の前の空間と後の空間とを連通させる貫通孔であり、第5光源106eからの光を第1図柄表示板131又は第2図柄表示板132に設けられた図柄に導く。平面視した場合に、複数の導光路108eそれぞれは、複数の第5光源106eそれぞれを囲む(
図2など)。第2筐体部材107の色は、光を効率的に導くために白色などである。第2筐体部材107の構成については後でさらに詳述する。
【0020】
第2筐体部材107には、第1液晶表示装置111、第2液晶表示装置112、第3液晶表示装置113それぞれを収納する空間が設けられる。第1液晶表示装置111、第2液晶表示装置112、第3液晶表示装置113は、それぞれ、回路基板105の各端子に接続された状態で第2筐体部材107に収納される。
図1では、第1液晶表示装置111、第2液晶表示装置112、第3液晶表示装置113は、それぞれ、第2筐体部材107に収納されている。
【0021】
第1液晶表示装置111、第2液晶表示装置112、第3液晶表示装置113それぞれは、制御部の制御のもとで、所定の情報を表示する。例えば、第1液晶表示装置111は残燃料を、第2液晶表示装置112はエンジンの回転数を、第3液晶表示装置113は現在のギアの状態を表示する。
【0022】
指針114は、合成樹脂などから形成される。指針114は、指針駆動部105bの指針軸に取り付けられる。指針114は、指針軸の回転に伴って回転する。指針114は、指針軸から指針用液晶表示装置115の側方に延び、指針用液晶表示装置115の表面側(前方に向く方)に回り込み、そして、指標部129の貫通孔129a内を通り、指標部129の指標を支持するように先端が外側を向く形状で形成されている。
【0023】
指針用液晶表示装置115は、空間107bに収納される。なお、第2筐体部材107(空間107bを形成する部分の所定位置)には、図示しない貫通孔が設けられ、回路基板105の端子に接続された配線がこの貫通孔を通り指針用液晶表示装置115に接続される。また、第2筐体部材107の空間107bを形成する部分の下部には、図示しない支持部が前方に突出するように設けられ、指針用液晶表示装置115がこの支持部に取り付けられる。これによって、指針用液晶表示装置115は、空間107bを形成する底面から間隔を空けて支持され、指針114の折れ曲がった部分に挟まれる位置で支持される。指針用液晶表示装置115は、制御部の制御のもと、走行距離などの所定の情報を表示する。
【0024】
第1〜第4導光部材121〜124それぞれは、板状の部材である。第1〜第4導光部材121〜124それぞれは、下部が第1〜第4挿入孔108a〜108dそれぞれに挿入されて、第2筐体部材107に取り付けられる。第1〜第4導光部材121〜124それぞれは、第1〜第4光源106a〜106dそれぞれからの光を受光し、受光した光を上方(前方)に導光して、上端部(前端部)から出射する。この実施の形態では、上端部が線状(この実施の形態では、曲線であるが、直線であってもよい。)になっているので、第1〜第4導光部材121〜124それぞれの発光部分は、その上端部によって、線状となる。第1〜第4導光部材121〜124などについての詳細は後述する。
【0025】
指標部129は、合成樹脂などによって形成されている。指標部129は、例えば、透明な板材に絞り加工などを施して得られる部材(前後方向に高さを有するように立体的に形成した部材)に塗装などを施して形成される。指標部129は、平面視したときにドーナツ形状を有する。前記塗装などによって、指標が表現される。指標は、複数の目盛129bと、複数の目盛129bのうちの所定の複数の目盛129bに対応して設けられる図示しない数字など(車速を表す数字)と、から構成される。指標部129前方には、指針114の先端部が、指標部129中央の貫通孔129aから回り込んでおり、この指針114によって目盛129bが指示される。これによって、この実施の形態では車速をユーザに示す。具体的には、制御部は、外部からの信号に基づいて車速を特定し、特定した車速に基づいて指針駆動部105bを制御し、特定した車速に応じた回転角で指針駆動部105bの指針軸を回転させる。この指針軸の回転にともなって指針114が回転することで、回転する指針114が示す方向と目盛129bとの対比で、ユーザは車速を認識する。
【0026】
第1図柄表示板131は、合成樹脂製の透明な板材に印刷や塗装などによって複数の図柄139などを形成したものである(
図1では図示せず)。図柄139などについては後述する。また、第1図柄表示板131には、第1貫通孔135a、第2貫通孔135bが形成される。第1図柄表示板131は、第2筐体部材107の上面(前面)107x上に配置される。このとき、第1貫通孔135aには、第2筐体部材107に挿入された第1導光部材121が通り、第2貫通孔135bには、第2筐体部材107に挿入された第2導光部材122が通る。また、第1図柄表示板131には、第1液晶表示装置111の表示内容をユーザに見せるための透明部分131aと、第2液晶表示装置112の表示内容をユーザに見せるための透明部分131bと、が設けられている。透明部分131aと、透明部分131bと、は、前記透明な板材のうち前記印刷や塗装などが施されない部分で形成されている。つまり、透明な板材のうち、平面視したときに第1液晶表示装置111及び第2液晶表示装置112が位置する領域に印刷や塗装などを施さないことによって、透明部分131aと透明部分131bとが形成される。
【0027】
第2図柄表示板132は、合成樹脂製の透明な板材に印刷や塗装などによって複数の図柄139などを形成したものである(
図1では図示せず)。図柄139などについては後述する。また、第2図柄表示板132には、第3貫通孔135c、第4貫通孔135dが形成される。第2図柄表示板132は、第2筐体部材107の上面107x上に配置される。このとき、第3貫通孔135cには、第2筐体部材107に挿入された第3導光部材123が通り、第4貫通孔135dには、第2筐体部材107に挿入された第4導光部材124が通る。また、第2図柄表示板132には、第3液晶表示装置113の表示内容をユーザに見せるための透明部分132aが設けられている。透明部分132aは、前記透明な板材のうち前記印刷や塗装などが施されない部分で形成されている。つまり、透明な板材のうち、平面視したときに第3液晶表示装置113が位置する領域に印刷や塗装などを施さないことによって、透明部分132aが形成される。
【0028】
見返し部材141は、両端開口の筒状であり、平面視した場合に、第1〜第4導光部材121〜124、第1〜第2図柄表示板131〜132に設けられた図柄、第1液晶表示装置111、第2液晶表示装置112、第3液晶表示装置113、指針式計器部(指針114、指標部129、指針用液晶表示装置115などから構成される。)などの各種部材を囲む。見返し部材141は、合成樹脂などで形成され、各種部材の表示物などが見やすいように、黒色に形成される。
【0029】
窓部材143は、見返し部材141の前側の開口を閉じるように、見返し部材141に取り付けられる。窓部材143は、透明であり、合成樹脂などによって形成される。ユーザは、透明な窓部材143を介して、第1〜第4導光部材121〜124、第1〜第2図柄表示板131〜132に設けられた図柄、第1液晶表示装置111、第2液晶表示装置112、第3液晶表示装置113、指針式計器部などを視認することができる。
【0030】
ここで、第1〜第4導光部材121〜124、第2筐体部材107、第1図柄表示板131、第2図柄表示板132などについてさらに詳しく説明する。
【0031】
第1図柄表示板131及び第2図柄表示板132に設けられる図柄139は、
図2などでは、丸印で簡略化されて描かれているが、実際の図柄139は、各種の情報を表わすマーク(所謂表示灯や警告灯のマークなど)として形成される。各図柄139は、それぞれが異なる情報を表す。各図柄139が表す情報は、この実施の形態では、車両の状態の情報(警告なども含む。)である。図柄139としては、たとえば、油圧警告灯のマーク、シートベルト非着用警告灯のマーク、燃焼残量警告灯のマーク、ドア/テールゲート開閉警告灯のマーク、充電警告灯のマーク(
図7(A)参照)、ABS警告灯のマーク、ヘッドランプ上向き表示灯のマーク(
図7(B)参照)、ライト点灯表示灯のマーク、方向指示器表示灯のマーク(
図7(C)及び(D)参照)、ブレーキ警告灯のマーク(
図7(E)参照)などがある。
【0032】
第1図柄表示板131又は第2図柄表示板132の透明な板材のうち、例えば、各図柄139を設ける部分に白色などの透光性着色層を印刷などによって形成する。その後、透光性着色層が設けられた透明な板材の透明部分131a、131b又は透明部分132a以外の領域に、各図柄139を抜いた黒色などの遮光性着色層を印刷などによって形成する。これによって、図柄139は、遮光性着色層の無い部分(透光性着色層が露出している部分)で表現される。図柄139は、第5光源106eによって照明されないときには目立たない。
【0033】
各図柄139は、各第5光源106eに対応して形成される。具体的には、平面視した場合に、1つの図柄139が、1つの導光路108e(特に第5光源106e側の端部)に囲まれており、1つの第5光源106eに重なる(
図2など)。これによって、1つの第5光源106eからの光は、導光路108e内を進み(導光路108e内の内面で適宜反射されて導光される。)、図柄139を透過して出射する。このように、第5光源106eの点灯によって図柄139は下側から照明され(
図5の出射光参照、なお、
図5では第5光源106e及び第3液晶表示装置113について断面を表すハッチングを省略した。)、その図柄139が点灯して見え(たとえば油圧警告灯が点灯して見え)、ユーザは警告灯、表示灯などが点灯されたこと(この図柄139が表示されたこと)を認識する。ユーザは警告灯、表示灯などが点灯すること(図柄139が表示されたこと)によって、点灯した警告灯、表示灯などのマーク(表示された図柄139)が表す情報がユーザに報知される。例えば、表示された図柄139が燃焼残量警告灯のマークであれば、燃焼残量が少ないとの警告が報知される。なお、第5光源106eを、対応する図柄139に応じて、白色、赤色、緑色、又は、青色などの発光色で発光するものとすることによって、図柄139を所定の色で点灯させることができる。複数の図柄139は、第1〜第4貫通孔135a〜135dそれぞれを挟む配置になっている。つまり、天井地面方向において、第1〜第4貫通孔135a〜135dそれぞれについて、内側及び外側に図柄139が配置されている。
【0034】
なお、この実施の形態では、図柄139と第5光源106eとは一対一で対応するが、たとえば1つの図柄139について複数の第5光源106eが設けられてもよい。また、図柄を遮光性着色層で形成し周囲を透光性着色層で形成して図柄139を表現してもよい。
【0035】
第1導光部材121と第3導光部材123とは、形状が左右対称になっているだけで、同じ構造になっている。第2導光部材122と第4導光部材124とは、形状が左右対称になっているだけで、同じ構造になっている。第1導光部材121及び第3導光部材123と、第2導光部材122及び第4導光部材124とは、大きさなどが異なるだけで、ほぼ同じ構造になっている。以下では、第3導光部材123を例にとって、その詳細な構造を説明する。
【0036】
第3導光部材123は、板状の部材であり、平面視した場合に左右方向に長尺な形状を有する。第3導光部材123は、左右方向に長尺な形状で、光を透過して導光する透光部123aと、透光部123aの側面を囲んで形成される遮光部123bと、から構成されている。遮光部123bは、透光部123aと密着している。ここでの密着とは、接着剤などの他の物(空気などを含む)を介さずに、遮光部123bと透光部123aとが直接接着されていることをいう。たとえば、遮光部123bと透光部123aとは、融着によって接着される。たとえば、遮光部123bと透光部123aとは、透光部123aを金型にインサートして遮光部123bを成型するインサート成型などによって形成される。遮光部123bと透光部123aとは、密着することによって、一体化している。インサート成形によって、第3導光部材123を安価で作成できる。
【0037】
透光部123aは、合成樹脂などから形成され、透明である。透光部123aは、第2筐体部材107の第3挿入孔108c内に入り込む下部123aaと、第3挿入孔108c内に入り込まない上部123abと、を備える。さらに、透光部123aは、上部123abの下端から左右方向及び天井地面方向を含む面内方向に張り出した透光性フランジ123acを備える。
【0038】
遮光部123bは、合成樹脂などで形成される。遮光部123bは、透光部123a内を進み遮光部123bに到達する光を吸収するように所定の色(ここでは、黒色であり、黒色系(灰色なども含む。)の暗い色であることが望ましい。)で形成される。遮光部123bは、透光部123aの上部123abの上端部123adを露出させるとともに、上部123abのそれ以外の部分を覆う。特に遮光部123aは、上部123abの側面(フランジ123ac以外の部分)のうちの上端部123ad以外の側面全面を覆う。また、遮光部123bは、透光性フランジ123acを上から覆う遮光性フランジ123baを備える。
【0039】
透光性フランジ123acと遮光性フランジ123baとは第3導光部材123のフランジ部を形成する。第3導光部材123のフランジ部を抜いた部分を第3導光部材123とすれば、フランジ部は板状の第3導光部材本体から張り出した部分となる。なお、このフランジ部は、遮光性フランジ123baのみから形成するようにしてもよい。
図2などに示すように(
図1では省略)、第2筐体部材107の第3挿入孔108cの周囲には、第2筐体部材107の上面107xから前記フランジ部の上下方向の長さ(フランジ部の厚さ)だけ下に下がった第3段差部107ccが設けられている。第3段差部107ccは、平面視したときにフランジ部と同様の形状を有しており、フランジ部を収納する。フランジ部の上面は、第2筐体部材107の上面107xよりも上に位置しないようになっている。
【0040】
また、第3挿入孔108cには、ツメ108caが設けられている。なお、この実施の形態では、ツメ108caはひとつのみだが、所定箇所に複数設けてもよい。ツメ108caは、弾性移動可能になっている。一方、第3導光部材123の下部123aaにはツメ108caが引っ掛かる突出部123aeが設けられている。
【0041】
第3導光部材123の下部123aaが第3挿入孔108c内に挿入されると、透光性フランジ123acと遮光性フランジ123baとで構成されるフランジ部が第3段差部107ccの下面に当たり、第3導光部材123は、それ以上第3挿入孔108c内に入り込まなくなる。これとともに、ツメ108caが突出部123aeに引っ掛かる。これによって、第3導光部材123は、第2筐体部材107に下部123aaが挿入された状態で固定されることになる。なお、固定方法は、このような方法に限らず、第3導光部材123の下部123aaを第3挿入孔108cに嵌合させるなどしてもよい。フランジ部を段差部107ccの側面に嵌合させるなどしてもよい。また、後述の第4導光部材124と同様に挿入されただけで、特に固定されていなくてもよい。
【0042】
第1導光部材121及び第1挿入孔108aも、第3導光部材123及び第3挿入孔108cと同様の構成を有し、また、第2筐体部材107の第1挿入孔108aの周囲には第1導光部材121のフランジ部が収納される第1段差部(第3段差部107ccに対応するもの)が設けられる。このため、第1導光部材121は、第3導光部材123と同様に、第2筐体部材107に下部が挿入された状態で固定されることになる。
【0043】
第4導光部材124及び第4挿入孔108dも、第3導光部材123及び第3挿入孔108cと同様の構成を有する(この実施の形態ではツメ等による固定はない)。例えば、第4導光部材124は、透光部124a及び遮光部124bを有し、また、透光部124aの透光性フランジ部と遮光部124bの遮光性フランジ部とから構成されるフランジ部が構成される。また、第2筐体部材107の第4挿入孔108dの周囲には第4導光部材124のフランジ部が収納される第4段差部107cdが設けられる。第4導光部材124は、第3導光部材123と同様に、第2筐体部材107に下部が挿入されて、第4導光部材124は第2筐体部材107に取り付けられることになる。この実施の形態では、第4導光部材124は、第2筐体部材107に固定はされないが、後述のように第2図柄表示板132が配置されることによって、第4導光部材124の第2筐体部材107からの脱落などは防止される。なお、第4導光部材124及び第4挿入孔108dについて、第3導光部材123の場合と同様にツメ等による固定の構成を採用してもよい。
【0044】
第2導光部材122及び第2挿入孔108bも、第4導光部材124及び第4挿入孔108dと同様の構成を有し、また、第2筐体部材107の第2挿入孔108bの周囲には第2導光部材122のフランジ部が収納される第2段差部(第4段差部107cdに対応するもの)が設けられる。このため、第2導光部材122は、第4導光部材124と同様に、第2筐体部材107に下部が挿入されて、第2導光部材122は第2筐体部材107に取り付けられることになる。なお、第4導光部材124の場合と同様に第2導光部材122及び第2挿入孔108bについてツメなどによる固定の構成を採用してもよい。
【0045】
また、第3導光部材123を照明する第3光源106cは1以上設けられればよいが(ここでは2つ)、第3光源106cは、第3導光部材123の長尺方向(ここでは、左右方向)の一端側(ここでは、指針式計器側である左側)に偏在している。このため、第3導光部材123の受光部123afも一端側に位置している。受光部123afは、第3導光部材123(下部123aa)の最も下側にある最下面(回路基板105に最も近い面)であり、第3光源106cと対向する。
【0046】
第3光源106cからの光は、受光部123afで受光され、透光部123aで導光されて、上端部123adから出射する。つまり、上端部123adは、発光する。透光部123a内では透光部123aと空気との境となる内面(下部123aaの内面)及び透光部123aと遮光部123bとの境となる内面(上部123abの内面)などで透光部123a内を進む光が反射される。このような反射(内面反射)によって、透光部123aは光を導光する。ここで、第3光源106cは、一端側に偏在するので、光は上端部123adの一端側(左側)から多く出射し、他端側(右側)に行けば行くほど光の出射量(つまり、出射される光の光量)が徐々に少なくなる。このため、上端部123adは、一端側が明るく見え、他端側に行くに従って暗くなっていく明暗のグラデーション状に光って見える(
図2の第1導光部材121の上端部121adや第2導光部材122の上端部122ad参照)。なお、この実施形態では、前記の一端及び他端は、それぞれ、第3導光部材123の長尺方向(左右方向)における一端及び他端である。
【0047】
なお、従来のように透光部123aと光を吸収する遮光部123bとを別部材として組み合わせた場合、透光部123aと遮光部123bとの間に空気層などが出来てしまう。この空気層によって、遮光部123bがあったとしても透光部123a内を進む光は内面反射するときに全反射してしまう。このような場合、一端側と他端側とで出射する光量の差が大きくなく、発光する上端部123adについて十分な明暗のグラデーションが得られない場合があった。
【0048】
この実施の形態では、透光部123aと、光を吸収する遮光部123bと、が密着しているので、透光部123aと遮光部123bとの境となる透光部123aの内面(遮光部123bとの境界)に到達した光(遮光部123bに到達した光)のうちの一部が遮光部123bに吸収され、残りの一部が内面反射される(
図6参照、
図6の矢印は第3光源から出射された光の一部の進路を表す。)。これによって、上端部123adが発光するときに、他端側に近づくに従ってより上端部123adが暗くなっていく。このため、従来よりも、グラデーションの明暗の差(最も暗い部分と最も明るい部分との明るさの差)がはっきりとし(前記明るさの差が大きくなり)、明暗のグラデーションが強調される。これによって、計器装置10のデザインが良くなる。なお、透光部123aの内面に到達した光の理想的には全部が遮光部123bに吸収されるようにしてもよい。このようにすれば、上端部123adが発光するときに、他端側に近づくに従ってより上端部123adが暗くなっていく。このため、従来よりも、グラデーションの明暗の差がはっきりとし、明暗のグラデーションが強調される。このような密着の構成は、特に、第3導光部材123の長尺方向の長さを長く取れないときに有効である。なお、遮光部123bが吸収する光とは、可視光であればよく、また、第3光源106cからの光であればよい。
【0049】
また、第3導光部材123(下部123aa)の下面は、受光部123af(回路基板105の上面と平行な受光面)の他、回路基板105の上面に対して傾斜を有する傾斜面123agも備える。この傾斜面123agは、受光部123afに繋がる面であり、受光部123afから他端側に向かって(受光部123afから受光部123afよりも他端側の所定箇所まで)延びる面である。この傾斜面123agは、受光部123afから前記の他端側に向かうほど回路基板105から遠ざかる傾斜面となっている。この傾斜面123agに到達した光は、上端部123adの前記一端側に向かって反射しやすくなっており、上端部123adの前記一端側がより明るくなり、グラデーションの明暗の差がはっきりとし、明暗のグラデーションが強調されるようになっている。
【0050】
なお、回路基板105上に第3光源106cからの光が、前記他端側に進んで第3導光部材123(下部123aa)の下面の他端側から入射しないように、当該第3光源106cからの光を遮る壁99を設けても良い(
図6において点線で描いた壁99参照)。これによって、上端部123adの前記他端側が不必要に明るくならず、グラデーションの明暗の差がよりはっきりとし、明暗のグラデーションがより強調される。なお、上記傾斜部123agがあることによって、当該壁99を高くでき、上端部123adの前記他端側が不必要に明るくなることをより効果的に抑制することができる。
【0051】
第1導光部材121、第2導光部材122、第4導光部材124についても同様に構成され、各上端部121ad、上端部122ad、上端部124adは、一端側(指針114側)が明るく光る明暗のグラデーションを持って発光する。
【0052】
第3導光部材123は、下部123aaが第2筐体部材107の第3挿入孔108cに挿入され、第2図柄表示板132内に設けられた第3貫通孔135cを通り、その一部が第2図柄表示板132から上方に突出している。これは、第1導光部材121、第2導光部材122、第4導光部材124についても同様である。このような構成によって、図柄139を表示する部分を立体的にすることができ、計器装置10のデザインが良くなる。
【0053】
特に、第3貫通孔135cが少なくとも2つの図柄139の間に挟まれており、これによって第3導光部材123は、少なくとも2つの図柄139の間に挟まれた位置にあるので(
図2などを参照)、第3導光部材123と当該第3導光部材123を挟む図柄139との対比で図柄139を表示する部分を立体的な形状で表現でき、計器装置10のデザインが良くなる。これは、第1導光部材121、第2導光部材122、第4導光部材124についても同様である。
【0054】
また、上下方向において、第3導光部材123の上端部123adの最も高い部分(頂部)が、指標部129の最も高い部分(頂部)よりも高い位置にあるので、図柄139を表示する部分についてより立体感を表現でき、計器装置10のデザインが良くなる。これは、第1導光部材121についても同様である。なお、第3導光部材123の上端部123adの最も高い部分(頂部)が指標部129の最も高い部分(頂部)と同じ高さとしてもよく、これによっても図柄139を表示する部分について立体感を表現でき、計器装置10のデザインが良くなる。なお、第3導光部材123の上端部123adの最も高い部分(頂部)が、指標部129の数字など(車速を表す数字)を表す部分(指標部129の目盛129bの内側の平板部分129x)よりも高いか同じ位置になるように、第3導光部材123の高さを設定してもよい。これによっても立体感を表現できる。
【0055】
また、第3導光部材123の上端部123adが所定の色で発光することで、何らかの情報をユーザに報知するようにしてもよい。例えば、回路基板105の制御部は、外部からの信号に基づいて、ユーザに所定の情報を報知すると判定した場合に、第3光源106cを点灯させ、上端部123adを発光させてもよい。この発光によって前記の所定の情報を報知してもよい。例えば、制御部は、アクセルの踏み込み量を示す信号を外部から受け取り、この信号によって示される踏み込み量が所定量未満であれば、現在燃費が良いとしてその旨を報知するために、第3光源106cを点灯させ、上端部123adを発光させてもよい。なお、制御部は、通常は、前記所定の色(例えば緑色)以外の色(例えば白色)で第3光源106cを発光させることで、上端部123adを当該色で発光させ、所定の情報を報知する場合には前記所定の色で第3光源106cを発光させるようにしてもよい。このような場合、第3光源106cを多色LEDとして発光色を変更させてもよいし、前記所定の色に発光する第3光源106cとそれ以外の色に発光する第3光源106cとを用意して発光する第3光源106cを切り替えるようにしてもよい。第3導光部材123のような立体的なもの(ユーザの目に付きやすいものである)を所定の情報の報知に使用することによって、ユーザは当該所定の情報に注目し易くなり、計器装置10のデザインが良くなるとともに機能性が向上する。特に、上端部123adの頂部が、指標部129の最も高い部分(頂部)よりも高い位置又は同じ位置にあると、上端部123adでの発光をユーザがより注目しやすいので、計器装置10のデザインが良くなるとともに機能性が向上する。このようなことは、第1導光部材121、第2導光部材122、第4導光部材124についても同様である。
【0056】
さらに、上端部123adは、上下方向における上端部123adの高さが場所によって異なるようになっているので(ここでは、上端部123adの一部が一端側に近づくほど徐々に低くなっているので)、図柄139を表示する部分について、立体的な形状が得られ、計器装置10のデザインが良くなる。なお、この第3導光部材123は、平板状の第2図柄表示板132からその一部が突き出るように設けられるため、第2図柄表示板132の平面が基準となり、高さの変化を強調して表現できる。また、第3導光部材123は、複数の図柄139の間の視認性の高い位置に設けられるだけでなく、この平面に対して略垂直に立った状態で設けられるため、小さな表示スペースであっても、第2図柄表示板132よりもユーザ側に近い位置で存在感のある発光(例えば、発光による所定情報の報知等も含む。)ができる。これらは、第1導光部材121、第2導光部材122、第4導光部材124についても同様である。
【0057】
また、第3導光部材123は、長尺方向とは異なる方向に向かって他端側の部分が曲がっている。これによって、導光された光が他端側に到達しづらくなり、他端側が真っ直ぐな場合よりも曲がっていた場合の方がより暗くなりグラデーションの明暗の差がよりはっきりする。これは、第1導光部材121、第2導光部材122、第4導光部材124についても同様である。
【0058】
ここで、計器装置10の組み立ての概略を説明する。まず、回路基板105を収納した第1筐体部材103に第2筐体部材107を取り付ける。その後、第1〜第3液晶表示装置111〜113を回路基板105の制御部に接続した状態で第2筐体部材107に収納させる。また、第2筐体部材107に設けられた貫通孔107a内を通って第2筐体部材107の前方に出ている指針駆動部105bの指針軸に指針114を取り付ける。その後、指針用液晶表示装置115を制御部に接続した状態で空間107bに収納する。そして、第2筐体部材107に第1〜第4導光部材121〜124を取り付ける。さらに、指標部129の後ろ側の凹部に壁部107cが入り込むようにして第2筐体部材107上に指標部129を配置する。
【0059】
その後、上から、第1貫通孔135a及び第2貫通孔135bそれぞれに第1導光部材121及び第2導光部材122それぞれを通して、第1図柄表示板131を第2筐体部材107の上面107x上に配置する。さらに、上から、第3貫通孔135c及び第4貫通孔135dそれぞれに第3導光部材123及び第4導光部材124それぞれを通して、第2図柄表示板132を第2筐体部材107の上面107x上に配置する。最後に窓部材143が取り付けられた見返し部材141を、第2筐体部材に固定して計器装置10が完成する。
【0060】
なお、見返し部材143と第2筐体部材107との間に第1図柄表示板131及び第2図柄表示板132が挟まれることによって、第1図柄表示板131及び第2図柄表示板132は移動しないように固定される。さらに、第1図柄表示板131及び第2図柄表示板132の一部が指標部129の外周端部に上から重なるので、指標部129の浮き上がりなども防止される。また、第1図柄表示板131及び第2図柄表示板132の一部(第1〜第4貫通孔135a〜135dの周辺部)が第1〜第4導光部材121〜124それぞれのフランジ部に上から重なるので、特に第2導光部材122、第4導光部材124の浮き上がりも防止される。
【0061】
第3導光部材123のフランジ部は、遮光性フランジ123baを有するので、遮光性を有する。そして、このフランジ部は、第3導光部材123の全周に渡って形成され、かつ、第2筐体部材107(具体的には段差部107cc)に当たるので、第3挿入孔108cは、このフランジ部によって塞がれる。これによって、第3挿入孔108cから漏れ出る光(第3光源106cからの光)の量を少なくする(無くすことも含む。)ことができる。このため、第3導光部材123周辺の見た目をよくすることができる。このようなことは、第1導光部材121、第2導光部材122、第4導光部材124についても同様である。
【0062】
さらに、第3導光部材123のフランジ部は、第2図柄表示板132の第3貫通孔135cの周辺部の下に入り込む。この周辺部は、遮光性を有するので、第3挿入孔108cから漏れ出る光(第3光源106cからの光)の量をさらに少なくする(無くすことも含む。)ことができる。特に透光性フランジ123acから漏れる光の量を、この周辺部によって少なくする(無くすことも含む。)ことができる。なお、フランジ部の上面の色とこの周辺部の色とを同じ色、近似する色、又は、同系色とすることによって、第3導光部材123と第2図柄表示板132とのつなぎ目を分かり難くし、この部分の見た目をよくすることができる。このようなことは、第1導光部材121、第2導光部材122、第4導光部材124についても同様である。
【0063】
(変形例)
本発明は、上記実施形態などに限られず、上記実施形態などに様々な変形(構成の削除を含む。)を施してもよい。以下、変形例について記載するが、下記の各変形例の少なくとも一部同士を適宜組合せてもよい。
【0064】
(変形例1)
上端部123adは、透光部123aの上端側の一部であって遮光部123bから露出している部分であればよい。上端部123adは、透光部123aの上面123adaのみからなってもよい。上端部123adは、透光部123aの上面123adaすべてを少なくとも含んでいることが望ましいが、透光部123aの上面123adaの一部が遮光部123bによって覆われていてもよく、この場合には上端部123adは覆われた上面123ada以外の部分であって露出した部分になる。なお、上面123adaは、この実施の形態のように上方向に向く平面の他、斜め上方向に向く平面、上方向又は斜め上方向に向かって突き出た凸面、上方向又は斜め上方向に向かって開口する凹面などであってもよい。このようなことは、第1導光部材121、第2導光部材122、第4導光部材124についても同様である。
【0065】
(変形例2)
上記各部材の形状等は、適宜変更可能である。例えば、第3導光部材123は、曲がっていなくてもよい。また、上端部123adの高さが一定であってもよい。このようなことは、第1導光部材121、第2導光部材122、第4導光部材124についても同様である。導光部材は、1つでもよい。また、指針114、指標部129なども、回路基板105に設けられた所定の光源などによって照明されるように構成されてもよい。例えば、指針114を、導光部材とし、光源からの光を受光して所定部分が発光するようにしてもよい。また、例えば、指標部129の一部(例えば、目盛129b)を透光性とし、指標部129に導光部材を設けてもよい。この場合、導光部材が光源からの光を導光して出射し、出射した光は、指標部129の透光性の部分を透過する。これによって、指標部129の透光性の部分を発光させるようにしてもよい。
【0066】
(変形例3)
第1図柄表示板131又は第2図柄表示板132は、上記の実施形態では平板状であるが、絞り加工などによって凹凸が設けられてもよい。これによって、図柄を表示する部分の立体感が増す。
【0067】
(変形例4)
第1筐体部材103と第2筐体部材107とは、別部材とせずに1つの部材としてもよい。第2図柄表示板132などは、第1筐体部材103と第2筐体部材107とを組み合わせた筐体部材上に配置されているとしてもよく、第1筐体部材103と第2筐体部材107とを1つのものとした筐体部材上に配置されてもよい。筐体部材の形状等は適宜変更可能である。第1〜第5光源106a〜106eは、これら筐体部材内に配置されればよい。
【0068】
(変形例5)
例えば、第3導光部材123は、上部(上記では例えば上部123ab及びその側面を覆う遮光部123bからなる。)及び下部(上記では例えば下部123aaからなる。)を備え、前記上部のうちの上端部以外の部分の側面(上端部以外のすべての側面でなくてもよい。)が遮光されており(上記では例えば遮光部123bで遮光されている。)、前記下部(上記では例えば下部の受光面123af)で光源(上記では例えば第3光源106c)からの光を受光し、受光した光を内部で上方に導光し(上記では例えば透光部123a内の内面反射などで光が導光される。)、導光した光を前記上端部(上記では例えば上端部123ad)から出射するものであればよい。
【0069】
また、例えば、前記導光部材の前記下部は、筐体部材(上記では例えば第1〜第5光源106a〜106eを内部に収納する第1筐体部材と第2筐体部材を組み合わせたもの)に設けられた挿入孔(上記では例えば第3挿入孔108c)に挿入され、前記導光部材の前記上部は、図柄表示板(上記では例えば第2図柄表示板132)内に設けられた貫通孔(上記では例えば第3貫通孔135c)を通って前記図柄表示板から上方に突き出ていればよい。また、前記貫通孔は、前記図柄表示板に設けられた少なくとも第1図柄(上記では例えば第3導光部材123よりも天井側にある図柄139)と第2図柄(上記では例えば第3導光部材123よりも地面側にある図柄139)との間に配置されていればよく、前記導光部材は、少なくとも前記第1図柄と前記第2図柄との間に配置されていればよい。例えば、前記導光部材の前記上部の高さは、どのような高さであってもよい。
【0070】
このため、例えば、遮光部123bは、受光部123af及び上端部123adを露出させていればよく(受光部123af及び上端部123adのみを露出する場合と、それ以外の部分を含んで露出する場合とを含む。)、その形状は適宜変更可能である。遮光部123bは、透光部123aの下部123aaの受光部123af以外の部分のうちの少なくとも一部を覆ってもよい。また、フランジ部などを備えなくてもよい。
【0071】
特に、上記実施形態のように、前記上部(上記では例えば上部123ab及びその側面を覆う遮光部123bからなる。)の前記図柄表示板から上方に突き出ている部分(ユーザが視認可能な部分)であって前記上端部以外の部分の側面全てを遮光するようにすることによって、例えば、第3導光部材123において、第2図柄表示板132から出ている側面のうちの上端部123ad以外の側面からの光の出射を防止し、上端部123adの発光を目立たせることができる。前記突き出ている部分の2つの主面(面積が大きい方の側面)のうち上端部以外の部分のみを遮光してもよい。形成してもよい。これによって、導光部材の発光部分が、主面以外の側面から上面に渡って線状になるので、計器装置10のデザインが良くなる。
【0072】
また、側面を遮光する際に上記実施形態のように、透光部123aと遮光部123bとを用いる場合、透光部123aと遮光部123bとは、密着していなくてもよく、別部材として構成されてもよい。さらに、遮光部123bは、透光部123aで導光される光であって、遮光部123bに到達する光を吸収しなくてもよい。例えば、遮光部123bは、白色等の明るい色であってもよい。遮光する方法は、塗装などであってもよい。
【0073】
これらは、第1導光部材121、第2導光部材122、第4導光部材124についても同様である。
【0074】
(変形例6)
例えば、第3導光部材123などの導光部材は、光源(上記では例えば第3光源106c)からの光を下面(上記では例えば受光部123af)で受光し、受光した前記光を導光して上面(上記では例えば上端部123adの上面123ada)から出射し、前記上面から出射する光の光量を前記上面の第1の箇所から第2の箇所に向けて少なくするもの(上面123adaがグラデーション状に発光するもの)であればよい。
【0075】
さらに、例えば、前記導光部材は、前記下面と前記上面とを含んで構成され、前記下面で受光した光を導光して前記上面から出射する透光部(上記では例えば透光部123a)と、前記上面及び前記下面を露出させた状態で前記透光部材の側面上に設けられた遮光部(上記では例えば遮光部123b)と、を有し、前記遮光部は、前記透光部と密着し、前記透光部で導光され前記遮光部に到達した光を吸収するものであればよい。
【0076】
このため、前記導光部材は、第2図柄表示板132内から一部が突出するようなものでなくてもよい。前記導光部材は、計器装置10以外の他の用途又は装置に使用するものでもよい。また、前記遮光部は、前記透光部材の側面全てに設けられなくても良い。但し、透光部のうちのユーザに視認される部分(遮光部123bが形成されていないと仮定した場合に視認される部分)の側面のうち、発光させたい部分(例えば上記では上端部123adに含まれる側面であり、例えば上面近傍の側面など)以外の部分については全て遮光部を設けることによって、余計な部分については発光しないようにするとよい。つまり、前記遮光部は、ユーザに視認される部分のうち、発光させたい発光部(上面の一部を少なくとも含む部分)以外の部分上に設けるとよい。また、前記上面及び前記下面を露出させた状態とは、上面の少なくとも一部及び下面の少なくとも一部を露出させた状態であればよい。また、透光部のうちのユーザに視認される部分(遮光部123bが形成されていないと仮定した場合に視認される部分)の側面のうちの2つの主面(面積が大きい方の面)の上端部以外の部分を覆うように遮光部123bを形成してもよい。これによって、導光部材の発光部分が、主面以外の側面から上面に渡って線状になるので、計器装置10のデザインが良くなる。
【0077】
なお、上記実施の形態では、上記の第1の箇所(グラデーションにおいて最も明るいところ)を上面123adaの一端(長尺方向における一端)とし、上記の第2の箇所(グラデーションにおいて最も暗いところ)を上面123adaの他端(長尺方向における他端)としたが、第1の箇所と第2の箇所とは、発光する上面のいずれかの箇所であればよい。例えば、第1の箇所を例えば上面123adaの中央とし、第2の箇所を上面123adaの一端又は他端としてもよい。このような場合には、受光部123afを第1の箇所に対応させて透光部123aの下面中央とし、下面中央の受光部123afに第3光源106cを対向させればよい。受光部123afは、第1の箇所に対応する位置にあればよく、例えば、第1の箇所の下の位置にあればよい。傾斜面123agは、第1の箇所に対応する位置の受光部123afから透光部123aの下面における第2の箇所に対応する部分(第2の箇所の下に位置する部分)に向かって延びる面(第2の箇所に対応する部分に到達していなくてもよい。)であればよく、そして、このような傾斜面123agは、受光部123afから第2の箇所に対応する部分に近づくほど回路基板105から遠ざかるように傾斜していればよい。
【0078】
(変形例7)
計器装置10は、車両以外の二輪車、飛行機、船、などの乗り物に使用されるものであってもよく、他の分野で使用されるものであってもよい。例えば、図柄139は、乗り物などの計器装置10の取り付け対象の状態(警告など)を表す図柄であればよい。
【0079】
(付記)
上記で説明された構成の少なくとも一部は、以下のように記載され得る。但し、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
【0080】
(付記1)
筐体を構成する筐体部材と、
前記筐体部材上に配置され、第1情報を表す第1図柄と第2情報を表す第2図柄とが設けられ、前記第1図柄が下側から照明されることで前記第1図柄が表示され、前記第2図柄が前記第1図柄とは別個に下側から照明されることで前記第2図柄が表示される図柄表示板と、
上部及び下部を備え、前記上部のうちの上端部以外の部分の側面が遮光されており、前記下部で光源からの光を受光し、受光した光を内部で上方に導光し、導光した光を前記上端部から出射する導光部材と、を備え、
前記導光部材の前記下部は、前記筐体部材に設けられた挿入孔に挿入され、
前記導光部材の前記上部は、前記図柄表示板内に設けられた貫通孔を通って前記図柄表示板から上方に突き出ており、
前記貫通孔は、前記第1図柄と前記第2図柄との間に配置されており、前記導光部材は、前記第1図柄と前記第2図柄との間に配置されている、
ことを特徴とする計器装置。
【0081】
(付記2)
前記第1図柄は、警告灯又は表示灯のマークであり、
前記第2図柄は、警告灯又は表示灯のマークである、
ことを特徴とする付記1に記載の計器装置。
【0082】
(付記3)
指針と、前記指針によって指示される指標を表示する指標部と、を備える指針式計器をさらに備え、
前記導光部材の頂部は、前記導光部材の上下方向を高さ方向とした場合において、前記指標部の頂部よりも高い位置又は同じ位置にある、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の計器装置。
【0083】
(付記4)
前記導光部材は、前記上端部から所定の色の光を出射することで、所定の情報を報知する報知部である、
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の計器装置。
【0084】
(付記5)
前記導光部材の上下方向を高さ方向とした場合において、前記上端部の高さが位置によって変化している、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の計器装置。
【0085】
(付記6)
前記上部の前記図柄表示板から上方に突き出ている部分のうち前記上端部以外の部分の側面全てが遮光されている、
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の計器装置。
【0086】
(付記7)
光源と、
前記光源からの光を下面で受光し、受光した前記光を導光して上面から出射し、前記上面から出射する光の光量を前記上面の第1の箇所から第2の箇所に向けて少なくする導光部材と、を備え、
前記導光部材は、前記下面と前記上面とを含んで構成され、前記下面で受光した光を導光して前記上面から出射する透光部と、前記上面及び前記下面を露出させた状態で前記透光部の側面上に設けられた遮光部と、を有し、
前記遮光部は、前記透光部と密着し、前記透光部で導光され前記遮光部に到達した光を吸収する、
ことを特徴とする計器装置。
【0087】
(付記8)
前記透光部と前記遮光部とはインサート成型によって一体成型されている、
ことを特徴とする付記7に記載の計器装置。
【0088】
(付記9)
筐体を構成する筐体部材をさらに備え、
前記導光部材は、前記下面を含む一部分が前記筐体部材に設けられた挿入孔に挿入される導光部材本体と、前記導光部材本体から張り出したフランジであって、前記一部分が前記挿入孔に挿入されたときに前記挿入孔を塞ぐ遮光性のフランジと、を備える、
ことを特徴とする付記7又は8に記載の計器装置。
【0089】
(付記10)
前記筐体部材上に配置された、図柄を表示する図柄表示板をさらに備え、
前記図柄表示板は、前記導光部材が通る貫通孔を備え、前記一部分が前記挿入孔に挿入された上から前記貫通孔に前記導光部材を通した状態で前記筐体部材上に配置され、
前記図柄表示板の前記貫通孔周辺の部分の下に前記フランジの少なくとも一部が入り込み、
前記貫通孔周辺の部分は遮光性を有する、
ことを特徴とする付記9に記載の計器装置。
【0090】
(付記11)
前記下面は、前記光源からの光を受光する受光部を有し、
前記受光部は、前記導光部材の下面のうちの、前記導光部材における前記第1の箇所に対応する領域であり、
前記光源は、前記受光部に対向して、所定の基板に配置され、
前記下面は、前記受光部から前記下面における前記第2の箇所に対応する部分に向かって延びる傾斜面を有し、
前記傾斜面は、前記受光部から前記第2の箇所に対応する部分に近づくほど前記基板から遠ざかるように傾斜している、
ことを特徴とする付記7乃至10のいずれかに記載の計器装置。
【0091】
(付記12)
光源からの光を下面で受光し、受光した前記光を導光して上面から出射し、前記上面から出射する光の光量を前記上面の第1の箇所から第2の箇所に向けて少なくする導光部材であって、
前記下面と前記上面とを含んで構成され、前記下面で受光した光を導光して前記上面から出射する透光部と、
前記上面及び前記下面を露出させた状態で前記透光部の側面上に設けられた遮光部と、を有し、
前記遮光部は、前記透光部と密着し、前記透光部で導光され前記遮光部に到達した光を吸収する、
ことを特徴とする導光部材。