(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
【0010】
図1は、本発明による無線アクセスポイントのブロック構成を示す図である。
電話網1と本発明による無線アクセスポイント3とが、通信回線2を介して接続され、また本発明による無線アクセスポイント3と携帯電話機や無線LAN電話機やコードレス電話機等の無線電話機5a、5bとが、無線通信回線4を介して接続されている。
【0011】
本発明による無線アクセスポイント3は、電話網1と接続する回線インタフェース部301と、無線電話機5a、5bと接続する無線電話機インタフェース部302と、無線電話機5a、5bからの発信要求を処理する発信制御部321と、無線電話機5a、5bに対して着信を指示する着信制御部322と、電話網1から着信を検知した場合に、対象の無線電話機に着信を通知してよいか否か判断するための情報(着信拒否モードの設定状態や着信の許容/不許容の判定に用いる相手先電話番号等)が記憶された着信拒否情報記憶部323と、着信拒否モードに設定されている期間中の着信を拒否したこととその相手先電話番号等の着信拒否履歴情報を記憶する着信拒否履歴記憶部324と、着信拒否モードに設定されている期間中に発信した相手先番号を記憶する発信履歴記憶部325と、前記着信拒否履歴記憶部324に記憶された着信拒否履歴情報を、電子メールを用いて所定の契機で対象の無線電話機に通知する電子メール送信部326と、無線電話機からの着信拒否モードの設定/解除操作を検知する着信拒否設定操作検知部327と、各部を制御する制御部310から構成されている。
【0012】
尚、当該無線アクセスポイントは携帯電話機を収容する無線基地局、また構内電話システムにおける無線LAN電話機を収容する無線LANアクセスポイントやコードレス電話機を収容する無線親機に相当する。
【0013】
本発明による無線アクセスポイントの制御部310は、回線インタフェース部301を介して電話網1からの着信を検知すると、着信拒否情報記憶部323に記憶された自無線アクセスポイントに帰属する着信対象の無線電話機に係わる着信拒否情報と照合し、対象の無線電話機が着信拒否モードに設定されている場合には、着信拒否情報記憶部323に記憶された情報に基づき、着信を通知してよいか否かを判断する。
【0014】
着信通知可と判断した場合、着信制御部322と無線電話機インタフェース部302を介して、対象の無線電話機に着信指示を通知する。また着信通知不可と判断した場合、対象の無線電話機に着信指示を通知せず、電話網1に対して、着信拒否を通知すると共に、着信拒否履歴記憶部324に着信の日時や相手先の電話番号を記憶する。
【0015】
また着信拒否モードに設定している期間内に、帰属する無線電話機が発信操作を行ったことを発信制御部321で検知した場合、回線インタフェース部301を介して電話網1に発信指示を中継すると共に、発信履歴記憶部325に発信先の電話番号を記憶し、以降、当該電話番号からの着信があった場合には、対象となる無線電話機への着信を許容する。
【0016】
尚、各無線電話機における着信拒否モードの設定/解除は、無線電話機から本無線アクセスポイントの着信拒否設定操作検知部327宛に所定内容のメールを送信したり、特定の電話番号宛に発信したり、あるいは着信拒否情報記憶部323に記憶された所定の時間帯であるか否かによって制御される。
【0017】
また着信の可否を判断する相手先電話番号は、あらかじめ登録したものや過去の発着信履歴の内容から決定してもよい。
【0018】
次に、着信拒否モードが設定されている状態において所定の契機となった時、または該着信拒否モードが解除された時に、制御部310は着信拒否履歴記憶部324に記憶された着信拒否情報を、所定の宛先に送信するよう電子メール送信部326に指示する。
【0019】
尚、
図1では電子メール送信部326を、無線電話機インタフェース部302を介して無線電話機に送信する形態として示しているが、電子メール送信部326を、回線インタフェース部301を介して電話網1に付随するメールサーバに接続して、電話網1経由で電子メールを送信してもよい。
【0020】
図2は、本発明による無線アクセスポイントの制御部の動作フローチャートである。
待機状態(S3000)において、発信制御部321が無線電話機からの発信指示を受信し(S3001,Y)、着信拒否モードが設定されていた場合に(S3002,Y)、発信履歴記憶部325の自無線電話機に対応するメモリに相手先の電話番号を記憶した後(S3003)、回線インタフェース部301を介して電話網1に発信指示を中継する(S3004)。
【0021】
次に、相手先または無線電話機側から通話の切断指示を検知すると(S3005,Y)、呼を解放し(3006)、待機状態(S3000)に戻る。
【0022】
待機状態(S3000)において、制御部310が電話網1からの着信を検知すると(S3010,Y)、着信拒否情報記憶部323に記憶された、自無線アクセスポイントに帰属し、着信先電話番号に対応する無線電話機に係わる着信拒否判定条件(
図3及び
図4に一例を示す)と照合し(S3020)、着信を許容すると判断した場合には(S3021,Y)、着信制御部322に指示して対象の無線電話機に着信を通知する(S3022)。
【0023】
次に、対象の無線電話機が着信に応答したことを検知すると(S3050,Y)、電話網1に対して応答指示を中継する(S3051)。
【0024】
次に相手先または無線電話機側から通話の切断指示を検知すると(S3052,Y)、呼を解放し(3053)、待機状態(S3000)に戻る。
【0025】
ステップ3050において、着信応答を検知する前に電話網1側からの着信中止を検知すると(S3050,N、S3060,Y)、着信制御部322に指示して対象の無線電話機に対して着信中止を通知する(S3061)。
【0026】
ステップ3021において、着信を拒否すると判断した場合には(S3021,N)、電話網1に対して着信拒否を通知した後(S3030)、着信拒否履歴記憶部324に着信拒否履歴情報(着信到来日時と相手先の電話番号)を記録する(S3031)。
【0027】
次に、着信履歴情報の通知契機であると判断した場合には(S3032,Y)、電子メール送信部326に指示して、着信拒否履歴記憶部324に記録された着信拒否情報を、対象の無線電話機に電子メールとして送信した後(S3044)、待機状態(S3000)に戻る。
【0028】
またステップ3040において、着信履歴情報の通知契機であると判断した場合に(S3040,Y)、その通知契機が着信拒否モードの解除によるものであった場合には(S3041,Y)、ステップ3003で記憶した発信履歴をクリアする(S3042)。
【0029】
次に、電子メール送信部326に指示して、着信拒否履歴記憶部324に記録された着信拒否情報を、対象の無線電話機に電子メールとして送信した後(S3044)、待機状態(S3000)に戻る。
【0030】
尚、本図では着信拒否モードの設定/解除操作については図示していないが、
図1の説明に示すように、本無線アクセスポイントの着信拒否設定操作検知部327宛に所定内容のメールを送信したり、特定の電話番号宛に発信したり、あるいは着信拒否情報記憶部323に記憶された所定に時間帯であるか否かによって着信拒否モードの設定/解除が行われる。
【0031】
図3は、着信拒否判定条件を決定するフローチャートである。
着信拒否情報記憶部323に記憶された対象無線電話機に対する着信拒否モード起動条件(
図4のV3231)が、着信拒否モードが起動されていない状態であった場合には(S3020a,N)、判定結果を「着信を許容する」とする(S3020f)。
【0032】
次に、着信拒否モード起動条件(
図4のV3231)によって、着信拒否モードが起動されている状態であった場合(S3020a,Y)、発信履歴記憶部325に記録された対応する発信履歴情報を照合し、一致する相手先電話番号が存在した場合には(S3020b,Y)、判定結果を「着信を許容する」とする(S3020f)。
【0033】
また発信履歴記憶部325に一致する相手先電話番号が存在しなかった場合には(S3020b,N)、着信拒否判定の対象をチェックし、着信拒否情報記憶部323に記憶された着信拒否対象(
図4のV3232)が「全て」を示していた場合には(S3020c,Y)、判定結果を「着信を拒否する」とする(S3020e)。
【0034】
また着信拒否情報記憶部323に記憶された着信拒否対象(
図4のV3232)が「登録電話番号」を示していた場合には、相手先の電話番号と着信拒否情報記憶部323に登録された対象電話番号(
図4のV3236)と照合し、一致した場合には(S3020d,Y)、判定結果を「着信を拒否する」とし(S3020e)、一致しなかった場合には(S3020d,N)、判定結果を「着信を許容する」とする(S3020f)。
【0035】
図4は、着信拒否情報記憶部の記憶内容の一例を示す図である。
無線電話機毎に、着信拒否モードの起動条件(V3231)、着信拒否する対象の指定(V3232)、電子メールの通知契機(V3233、V3234)、電子メールの通知先アドレス(V3235)、着信拒否や通知対象の選択に用いる発信元の対象電話番号(V3236)が記憶されており、これらの条件に従って、着信拒否動作と電子メールによる通知が行われる。
【0036】
尚、着信拒否モードの起動条件に係わる選択肢としては、「常時」や「時間帯の指定による」ものがある。また着信拒否する対象の指定に係わる選択肢としては、「全ての着信」や「あらかじめ登録された相手先(登録電話番号)を拒否の対象として指定する」ものがある。また電子メールの通知契機に係わる選択肢としては、「あらかじめ登録された電話番号からの着信を受けた時」や「所定の時間間隔を指定する」ものがある。また電子メールの通知先に係わるアドレス指定は、「対象無線電話機の電話番号を用いるSMS」や「通常の電子メールの宛先であるURI形式を指定する」ものがある。
【0037】
図5は、着信拒否履歴を通知するメール本文の一例を示す図である。
メール本文には、着信のあった日時と相手先の電話番号が記載されている(V3241、V3242、V3243)。この電話番号情報は、RFC3966(The tel URI)に準じて記述されており、本メールを受信した無線電話機は、この電話番号のリンクをクリックすることにより、対応する電話番号に折り返し発信することができる。