(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5712849
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】リモートコントロールシステム
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20150416BHJP
【FI】
H04Q9/00 331B
H04Q9/00 301E
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-166527(P2011-166527)
(22)【出願日】2011年7月29日
(65)【公開番号】特開2013-31049(P2013-31049A)
(43)【公開日】2013年2月7日
【審査請求日】2014年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】710014351
【氏名又は名称】オンキヨー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】竹原 優
(72)【発明者】
【氏名】島崎 尚史
【審査官】
小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第06931231(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0144778(US,A1)
【文献】
海上 忍,転送から基本設定、FLAC再生までを紹介 古いiPodが生まれ変わる「Rockbox」活用術(中編) − 96/24のFLACをiPodで再生!,日本,株式会社 音元出版,2011年 5月25日,URL,http://www.phileweb.com/review/article/201105/25/300_3.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03J 9/00− 9/06
H04M 1/00、 1/24− 1/82
H04Q 9/00− 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型コンテンツ再生装置と、前記携帯型コンテンツ再生装置に接続可能な信号変換装置とを備え、
前記携帯型コンテンツ再生装置が、
ユーザ操作によって被制御機器を制御する指示が入力される指示入力手段と、
第1チャンネル音声信号として前記被制御機器を制御するためのリモコン信号に相当する一方レベル及び他方レベルの2値を有する信号を含み、かつ、第2チャンネル音声信号として正弦波信号を含む制御ファイルを、記憶部に記憶させる制御ファイル記憶手段と、
ユーザ操作によって、前記被制御機器を制御する指示が入力された場合、前記記憶部に記憶されている前記制御ファイルを音楽ファイルとして再生し、前記第1チャンネル音声信号および前記第2チャンネル音声信号を前記信号変換装置に供給する再生手段とを有し、
前記信号変換装置が、
前記第1チャンネル音声信号および前記第2チャンネル音声信号を受信する受信手段と、
前記第2チャンネル音声信号を整流することによって電源電圧を生成する電圧生成手段と、
前記第1チャンネル音声信号が供給され、前記第1チャンネル音声信号が一方レベルのときにオン状態となり、前記第1チャンネル音声信号が他方レベルのときにオフ状態となるスイッチ素子と、
前記電圧生成手段によって生成された電圧が供給されて動作し、前記スイッチ素子がオン状態のときに赤外線信号を発光し、前記スイッチ素子がオフ状態のときに赤外線信号を発光しないことにより、前記被制御機器を制御するための赤外線リモコン信号を放出する発光ダイオードとを有する、リモートコントロールシステム。
【請求項2】
前記制御ファイル記憶手段が、前記被制御機器を制御する複数の指示の各々に対して前記制御ファイルを前記記憶部に記憶させ、
前記携帯型コンテンツ再生装置が、ユーザ操作によって、前記被制御機器を制御する指示が入力された場合、前記指示に対応する前記制御ファイルを特定する制御ファイル特定手段をさらに有し、
前記再生手段が、特定された前記制御ファイルを音楽ファイルとして再生する、請求項1に記載のリモートコントロールシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のリモートコントロールシステムにおける前記携帯型コンテンツ再生装置であって、
ユーザ操作によって被制御機器を制御する指示が入力される指示入力手段と、
第1チャンネル音声信号として前記被制御機器を制御するためのリモコン信号に相当する一方レベル及び他方レベルの2値を有する信号を含み、かつ、第2チャンネル音声信号として正弦波信号を含む制御ファイルを、記憶部に記憶させる制御ファイル記憶手段と、
ユーザ操作によって、前記被制御機器を制御する指示が入力された場合、前記記憶部に記憶されている前記制御ファイルを音楽ファイルとして再生し、前記第1チャンネル音声信号および前記第2チャンネル音声信号を前記信号変換装置に供給する再生手段とを有する、携帯型コンテンツ再生装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載のリモートコントロールシステムにおける前記信号変換装置であって、
前記第1チャンネル音声信号および前記第2チャンネル音声信号を受信する受信手段と、
前記第2チャンネル音声信号を整流することによって電源電圧を生成する電圧生成手段と、
前記第1チャンネル音声信号が供給され、前記第1チャンネル音声信号が一方レベルのときにオン状態となり、前記第1チャンネル音声信号が他方レベルのときにオフ状態となるスイッチ素子と、
前記電圧生成手段によって生成された電圧が供給されて動作し、前記スイッチ素子がオン状態のときに赤外線信号を発光し、前記スイッチ素子がオフ状態のときに赤外線信号を発光しないことにより、前記被制御機器を制御するための赤外線リモコン信号を放出する発光ダイオードとを有する、信号変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモートコントロールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
オーディオアンプ、TV受像機等のAV機器を制御するためのリモコンとして、スマートフォン、ポータブルオーディオプレーヤ等の携帯型コンテンツ再生装置が使用されている。携帯型コンテンツ再生装置が赤外線リモコン送信機の機能を備えている場合には、携帯型コンテンツ再生装置の赤外線リモコン送信機の機能を使用してAV機器を制御することができる。しかし、最近の携帯型コンテンツ再生装置は、無線LAN等のネットワーク機能を備えているものの、赤外線リモコン送信機の機能を備えていないものが存在する。この場合、ユーザは、無線LAN等のネットワークを使用して、携帯型コンテンツ再生装置をAV機器のリモコン送信機として使用することができるが、無線LAN等のネットワークの設定が煩雑であり、初級者にとっては使いづらいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−101810号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、赤外線リモコン送信機の機能を備えない携帯型コンテンツ再生装置に、赤外線リモコン送信機としての機能を簡易に付加することができるリモートコントロールシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の好ましい実施形態によるリモートコントロールシステムは、携帯型コンテンツ再生装置と、前記携帯型コンテンツ再生装置に接続可能な信号変換装置とを備え、前記携帯型コンテンツ再生装置が、ユーザ操作によって被制御機器を制御する指示が入力される指示入力手段と、第1チャンネル音声信号として前記被制御機器を制御するためのリモコン信号に相当する一方レベル及び他方レベルの2値を有する信号を含み、かつ、第2チャンネル音声信号として正弦波信号を含む制御ファイルを、記憶部に記憶させる制御ファイル記憶手段と、ユーザ操作によって、前記被制御機器を制御する指示が入力された場合、前記記憶部に記憶されている前記制御ファイルを音楽ファイルとして再生し、前記第1チャンネル音声信号および前記第2チャンネル音声信号を前記信号変換装置に供給する再生手段とを有し、前記信号変換装置が、前記第1チャンネル音声信号および前記第2チャンネル音声信号を受信する受信手段と、前記第2チャンネル音声信号を整流することによって電源電圧を生成する電圧生成手段と、前記第1チャンネル音声信号が供給され、前記第1チャンネル音声信号が一方レベルのときにオン状態となり、前記第1チャンネル音声信号が他方レベルのときにオフ状態となるスイッチ素子と、前記電圧生成手段によって生成された電圧が供給されて動作し、前記スイッチ素子がオン状態のときに赤外線信号を発光し、前記スイッチ素子がオフ状態のときに赤外線信号を発光しないことにより、前記被制御機器を制御するための赤外線リモコン信号を放出する発光ダイオードとを有する。
【0006】
本実施形態によると、携帯型コンテンツ再生装置は、ユーザ操作によって、被制御機器を制御する指示が入力された場合、記憶部に記憶されている制御ファイルを音楽ファイルとして再生し、第1チャンネル音声信号および第2チャンネル音声信号を信号変換装置に供給する。
【0007】
信号変換装置は、第1チャンネル音声信号および第2チャンネル音声信号を受信すると、第2チャンネル音声信号を整流することによって電源電圧を生成する。従って、別途電源電圧を信号変換装置に供給する必要がない。また、スイッチ素子は、第1チャンネル音声信号が供給され、第1チャンネル音声信号が一方レベルのときにオン状態となり、第1チャンネル音声信号が他方レベルのときにオフ状態となる。発光ダイオードは、電圧生成手段によって生成された電圧が供給されて動作し、スイッチ素子がオン状態のときに赤外線信号を発光し、スイッチ素子がオフ状態のときに赤外線信号を発光しないことにより、被制御機器を制御するための赤外線リモコン信号を放出する。このように、携帯型コンテンツ再生装置に制御ファイルを記憶させ、信号変換装置を接続することによって、赤外線のリモコン信号を出力することができる。
【0008】
好ましい実施形態においては、前記制御ファイル記憶手段が、前記被制御機器を制御する複数の指示の各々に対して前記制御ファイルを前記記憶部に記憶させ、前記携帯型コンテンツ再生装置が、ユーザ操作によって、前記被制御機器を制御する指示が入力された場合、前記指示に対応する前記制御ファイルを特定する制御ファイル特定手段をさらに有し、前記再生手段が、特定された前記制御ファイルを音楽ファイルとして再生する。
【0009】
この場合、被制御機器を制御する内容毎に制御ファイルを携帯型コンテンツ再生装置に記憶させておくことで、ユーザ操作によって選択された制御内容に対応するリモコン信号を出力できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、赤外線リモコン送信機の機能を備えない携帯型コンテンツ再生装置に、赤外線リモコン送信機としての機能を簡易に付加することができるリモートコントロールシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の好ましい実施形態による携帯型コンテンツ再生装置100を示すブロック図である。
【
図2】制御ファイルの左チャンネル音声信号を示す図である。
【
図4】制御部101の処理を示すフローチャートである。
【
図8】制御ファイルの左チャンネル音声信号を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。本発明の好ましい実施形態によるリモートコントロールシステムは、携帯型コンテンツ再生装置100と、信号変換装置1とを備える。リモートコントロールシステムは、赤外線リモコン送信機としての機能を備えない携帯型コンテンツ再生装置100に、信号変換装置1を接続することによって、被制御機器であるAV機器200を赤外線リモコン信号によって制御可能とするものである。
【0013】
図1は、本発明の好ましい実施形態による携帯型コンテンツ再生装置100を示す概略ブロック図である。携帯型コンテンツ再生装置100は、制御部101と、メモリ(ROM、RAM等)102と、コンテンツ記憶部(フラッシュメモリ等)103と、再生部104と、GUI部105、各出力端子OUT1〜OUT3とを有する。
【0014】
制御部101は、ROMに格納されている携帯型コンテンツ再生装置100の動作プログラムをRAMに読み出して実行することによって、携帯型コンテンツ再生装置100の動作を制御する。
【0015】
コンテンツ記憶部103には、複数のオーディオファイルを記録可能である。オーディオファイルは、再生部104によって再生されて、各出力端子OUT1〜OUT3から音声信号が出力される。ここで、出力端子OUT1は、左チャンネル音声信号(第1チャンネル音声信号)を出力する出力端子である。出力端子OUT2は、右チャンネル音声信号(第2チャンネル音声信号)を出力する出力端子である。出力端子OUT3は、グランドラインの端子である。
【0016】
また、コンテンツ記憶部103には、1又は複数の制御ファイルを記憶可能である。1又は複数の制御ファイルは、例えば、携帯型コンテンツ再生装置100が図示しないPCに接続され、PCから制御ファイルが携帯型コンテンツ再生装置100に転送されて、制御部101の指示によってコンテンツ記憶部103に記憶される。制御ファイルは、AV機器200を制御する複数の指示の各々に対して記憶される。例えば、AV機器のボリュームを増加させる指示の制御ファイル、AV機器のセレクタを変更させる指示の制御ファイル、AV機器のチャンネルを変更させる指示の制御ファイル等が存在する。
【0017】
制御ファイルは、左チャンネル音声信号(第1チャンネル音声信号)としてAV機器200を制御するためのリモコン信号に相当する一方レベル及び他方レベル(例えば、ハイレベル及びローレベル)の2値を有する信号を含む。
図2は、制御ファイルの左チャンネル音声信号の一例を示す図であり、(a)、(b)に示すように、ハイレベルのパルス信号が例えば38kHzの周波数で繰り返した後、ローレベルが所定期間継続するといった信号である。
【0018】
制御ファイルの左チャンネル音声信号は、AV機器200の制御内容によって異なっている。例えば、AV機器のボリュームを増加させる指示の制御ファイルは、左チャンネル音声信号がAV機器のボリュームを増加させるリモコン信号に相当している。また、AV機器のセレクタを変更させる指示の制御ファイルは、左チャンネル音声信号がAV機器のセレクタを変更させるリモコン信号に相当している。
【0019】
制御ファイルは、右チャンネル音声信号(第2チャンネル音声信号)として正弦波信号を含む。正弦波信号は、信号変換装置1内部において電源電圧を生成するために使用される。正弦波信号は、20kHz等、可能な限り高周波であることが好ましい。信号変換装置1内部において容量の小さいコンデンサを使用して迅速に電源電圧を生成することが可能だからである。
【0020】
再生部104は、ユーザ操作によって、AV機器を制御する指示が入力された場合、コンテンツ記憶部103に記憶されている制御ファイルを音楽ファイルとして再生し、制御ファイルの左チャンネル音声信号および右チャンネル音声信号を信号変換装置1に供給する。詳細には、制御部101は、AV機器を制御する指示が入力された場合、入力された指示に対応する制御ファイルを特定する。再生部104は、複数の制御ファイルの中から、特定された制御ファイルを音楽ファイルとして再生し、制御ファイルの左チャンネル音声信号および右チャンネル音声信号を信号変換装置1に供給する。
【0021】
GUI部105は、AV機器200を制御する指示がユーザ操作によって入力されるものである。また、GUI部105は、AV機器200を制御する制御内容(例えば、ボリューム調整、セレクタ変更、チャンネル変更等)を表示するものである。GUI部105は、特に限定されないが、一般的にはタッチパネルが採用され得る。
【0022】
図3は、信号変換装置1を示す概略回路ブロック図である。信号変換装置1は、入力端子in1〜in3と、スイッチ素子(以下、トランジスタという)Q1と、電源電圧生成部(ダイオードD1、コンデンサC1)と、発光ダイオードD2と、抵抗R1とを有する。
【0023】
入力端子IN1は、左チャンネル音声信号(第1チャンネル音声信号)を受信する入力端子であり、携帯型コンテンツ再生装置100の出力端子OUT1に接続可能である。入力端子IN2は、右チャンネル音声信号(第2チャンネル音声信号)を受信する入力端子であり、携帯型コンテンツ再生装置100の出力端子OUT2に接続可能である。入力端子IN3は、グランドラインの端子であり、携帯型コンテンツ再生装置100の出力端子OUT3に接続可能である。
【0024】
電源電圧生成部は、正弦波信号である制御ファイルの右チャンネル音声信号を整流することによって、コンデンサC1に電源電圧を生成する回路である。ダイオードD1は、アノードが入力端子IN2に接続され、カソードがコンデンサC1の一端と抵抗R1の一端とに接続されている。コンデンサC1の一端は、ダイオードD1のカソードと抵抗R1の一端とに接続され、他端は接地電位に接続されている。
【0025】
トランジスタQ1は、制御ファイルの左チャンネル音声信号が供給され、左チャンネル音声信号が一方レベル(特に限定されないが本例ではハイレベル)のときにオン状態となり、左チャンネル音声信号が他方レベル(特に限定されないが本例ではローレベル)のときにオフ状態となる。トランジスタQ1は、オンオフ動作することによって、発光ダイオードD2の発光を制御する。トランジスタQ1は、ベースが入力端子in1に接続され、コレクタが発光ダイオードD2のカソードに接続され、エミッタが接地電位に接続されている。
【0026】
発光ダイオードD2は、電源電圧生成部によって生成された電源電圧が供給されて動作し、トランジスタQ1がオン状態のときに赤外線信号を発光し、トランジスタQ1がオフ状態のときに赤外線信号を発光しない。これにより、発光ダイオードD2は、AV機器200を制御するための赤外線リモコン信号を、AV機器200に対して放出する。発光ダイオードD2のカソードは、トランジスタQ1のコレクタに接続され、そのアノードは抵抗R1の他端に接続されている。
【0027】
トランジスタQ1のオンオフ動作を制御する信号が、
図2に示すような制御ファイルの左チャンネル音声信号であるので、ユーザ操作によって指示された制御内容に相当するリモコン信号に応じて、発光ダイオードD2が発光と非発光とを実行することになり、その結果、ユーザ操作によって指示された制御内容に相当する赤外線リモコン信号が放出される。
【0028】
以上の構成を有するリモートコントロールシステムについてその動作を説明する。
図4は、携帯型コンテンツ再生装置100の制御部101の処理を示すフローチャートである。制御部101は、ユーザ操作によってAV機器200を制御する指示が入力されたか否かを判断する(S1)。入力された場合(S1でYES)、制御部101は、コンテンツ記憶部103に記憶されている複数の制御ファイルの中から、入力された制御内容に対応する制御ファイルを特定する(S2)。制御部101は、特定した制御ファイルを再生部104に再生させる(S3)。再生部104は、特定された制御ファイルを音楽ファイルとして再生し、左チャンネル音声信号および右チャンネル音声信号を、信号変換装置1に供給する。
【0029】
信号変換装置1において、正弦波信号である右チャンネル音声信号は、ダイオードD1を介してコンデンサC1に供給されることにより、整流され、コンデンサC1には発光ダイオードD2を動作させるための電源電圧が生成される。コンデンサC1の電圧は、抵抗R1を介して発光ダイオードD2のアノードに供給される。
【0030】
一方、AV機器200を制御するリモコン信号に相当する左チャンネル音声信号は、トランジスタQ1のベースに供給される。トランジスタQ1は、左チャンネル音声信号がハイレベルの時にオン状態になり、左チャンネル音声信号がローレベルの時にオフ状態になる。発光ダイオードD2は、トランジスタQ1がオン状態のときにアノードからカソードに向かって電流が流れることによって赤外線を発光し、トランジスタQ1がオフ状態のときにアノードからカソードに向かって電流が流れないことによって赤外線を発光しない。その結果、発光ダイオードD2は、リモコン信号に相当する左チャンネル音声信号のハイレベルの期間だけ発光し、赤外線リモコン信号をAV機器200に放出することができる。
【0031】
次に、本発明の別の好ましい実施形態を説明する。
図5は、本実施形態による信号変換装置1Bを示す図である。信号変換装置1Bは、
図3の信号変換装置1と比較して、電源電圧生成部が、倍電圧整流回路によって構成されている。従って、制御ファイルの右チャンネル音声信号によってコンデンサC1により高い電圧を生成させることができる。電源電圧生成部は、コンデンサC2とダイオードD3とをさらに含む。コンデンサC2の一端は入力端子in2に接続され、その他端はダイオードD1のアノードとダイオードD3のカソードとに接続されている。ダイオードD3のアノードはグランドラインに接続されている。その他の構成は、
図3の信号変換装置1と同じであるので、説明を援用する。
【0032】
次に、本発明のさらに別の好ましい実施形態を説明する。
図6は、本実施形態による信号変換装置1Cを示す図である。信号変換装置1Cは、
図5の信号変換装置1Bと比較して、リモコン信号受光部11と出力端子OUT4とをさらに有する。また、携帯型コンテンツ再生装置100は、信号変換装置1Cの出力端子OUT4に接続される入力端子IN4を有する。リモコン信号受光部11は、例えばAV機器200や他のリモコン装置から送信される赤外線のリモコン信号を受光し、出力端子OUT4を介して携帯型コンテンツ再生装置100に供給する。携帯型コンテンツ再生装置100においては、入力端子in4に入力されたリモコン信号が制御部101に供給され、制御部101は供給されたリモコン信号に応じた処理を実行する。その他の構成は、
図3の信号変換装置1、
図5の信号変換装置1Bと同じであるので、説明を援用する。
【0033】
次に、本発明のさらに別の好ましい実施形態を説明する。
図7は、本実施形態による信号変換装置1Dを示す図である。信号変換装置1Dは、
図3の信号変換装置1と比較して、発振器12をさらに有する。
図8は、本実施形態による制御ファイルの左チャンネル音声信号を示す図である。
図2と比較して、
図8(a)、(b)に示すように、連続する複数のハイレベルのパルスが、1つのパルスとして生成されている。
図7に示すように、制御ファイルの左チャンネル音声信号は、発振器12によって
図2に示すような制御ファイルの左チャンネル音声信号(リモコン信号に相当する信号)に変換される。その他の構成は、
図3の信号変換装置1、
図5の信号変換装置1Bと同じであるので、説明を援用する。
【0034】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。例えば、右チャンネル音声信号がリモコン信号に相当する信号を含み、左チャンネル音声信号が正弦波信号を含んでいても良い。また、トランジスタQ1は、npn型に限定されずpnp型が採用されても良い。この場合、制御ファイルの左チャンネル音声信号のハイレベルとローレベルトが反転した信号であればよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、例えばスマートフォンやポータブルオーディオプレーヤ等に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0036】
1 信号変換装置
11 リモコン信号受光部
12 発振器
100 携帯型コンテンツ再生装置
101 制御部
102 メモリ
103 コンテンツ記憶部
104 再生部
105 GUI部
200 AV機器(被制御機器)
D1、C1 電源電圧生成部
Q1 スイッチ素子
D2 発光ダイオード